[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JPH11124044A - ステアリング装置 - Google Patents

ステアリング装置

Info

Publication number
JPH11124044A
JPH11124044A JP29275897A JP29275897A JPH11124044A JP H11124044 A JPH11124044 A JP H11124044A JP 29275897 A JP29275897 A JP 29275897A JP 29275897 A JP29275897 A JP 29275897A JP H11124044 A JPH11124044 A JP H11124044A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tie rod
center
ball
rack
rack bar
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29275897A
Other languages
English (en)
Inventor
Takao Kanii
敬雄 蟹井
Naoyasu Sugimoto
尚康 杉本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP29275897A priority Critical patent/JPH11124044A/ja
Publication of JPH11124044A publication Critical patent/JPH11124044A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Vehicle Body Suspensions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、車両のステアリング装置に関し、
装置の主要部に変更を加えることなく、タイロッドの揺
動中心の位置をスペンション装置の形式に応じて変更す
ることを目的とする。 【解決手段】 ボール保持部材120はラックバー10
6の端部に連結される。ボール保持部材120は、ボー
ル受け部120aと延長部120bを備える。ボール受
け部120aは、ラックエンド122に設けられたボー
ル122aを保持することによりボールジョイント11
4を構成している。ラックエンド122にはタイロッド
エンド116が連結され、両部材はタイロッド18を構
成している。車輪にバウンド・リバウンドが生ずると、
タイロッド18はボールジョイント114を中心として
揺動する。ボール保持部材120の延長部120bの長
さLに応じて、タイロッド18の揺動中心の位置が変化
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のステアリン
グ装置に係り、特に、種々の形式のサスペンション装置
に対応してタイロッドの揺動中心の位置を変更するのに
好適なステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開平5−22132
3号に開示される如く、ステアリング装置が公知であ
る。このステアリング装置は、ラックアンドピニオン式
ステアリング装置であり、ステアリングシャフトのピニ
オンと噛み合うラックバーを備えている。ラックバーの
両端部にはボールジョイントを介してタイロッドが連結
されている。タイロッドの先端部はホイールに設けられ
たナックルに連結されている。かかる構成によれば、ス
テアリングシャフトの回転がピニオンを介してラックバ
ーの長手方向の変位として伝達され、更に、ラックバー
の変位がタイロッドを介してナックルに伝達されること
で車輪の向きが変化される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車輪は、サ
スペンション装置により車体に対して上下に揺動可能に
支持される。一方、上記従来のステアリング装置によれ
ば、車輪とラックバーとはタイロッドを介して連結され
る。従って、車輪にバウンド・リバウンドが生ずる場
合、車輪はサスペンション装置の構成により定まる支点
(以下、サスペンション中心と称す)を中心として揺動
しようとすると共に、ラックバーとタイロッドとを連結
するボールジョイントの中心点(以下、タイロッド中心
と称す)を中心として揺動しようとする。これらの揺動
の回転半径が異なっていると、サスペンション装置とタ
イロッドとの間に大きなリンク干渉が生ずることにな
る。この場合、車輪のバウンド・リバウンド量が増大す
るにつれて車輪のトー角の変化が大きくなり、車両の良
好な走行安定性を得ることが困難となる等の不都合を招
いてしまう。
【0004】サスペンション装置とタイロッドとの間の
リンク干渉を抑制するには、それぞれの揺動の回転半径
を一致させることが望ましい。しかしながら、サスペン
ション中心の位置は、サスペンション装置の形式によっ
て大きく変化する。例えば、マクファーソンストラット
式サスペンション装置のサスペンション中心は、ダブル
ウィッシュボーン式やスーパーストラット式サスペンシ
ョン装置の場合よりも車両内側に位置している。従っ
て、サスペンション中心の周りの車輪の揺動の回転半径
も、サスペンション装置の形式によって相違することに
なる。このため、上記リンク干渉を抑制するには、サス
ペンション装置の形式に応じて、タイロッド中心の位置
を変化させる必要がある。
【0005】しかし、上記従来のステアリング装置にお
いては、タイロッド中心の位置、すなわち、ラックバー
とタイロッドとを連結するボールジョイントの位置を変
化させることについては何ら考慮がなされていない。こ
のため、タイロッド中心の位置を変化させるには、サス
ペンション装置の形式に応じてステアリング装置全体の
設計を変更することが必要となって、大幅なコスト増を
招いてしまう。
【0006】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、装置の主要部を共通化してコスト増を抑制しつ
つ、タイロッド中心の位置を変更することが可能なサス
ペンション装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、ステアリ
ング操作に応じて変位する変位部材と、一端が前記変位
部材に揺動可能に連結され、他端が車輪側に連結された
タイロッドとを備えるステアリング装置において、前記
変位部材と前記タイロッドの揺動中心との間に延長部材
を介在させたステアリング装置により達成される。
【0008】本発明において、タイロッドは変位部材に
対して揺動可能に連結される。従って、車輪にバウンド
・リバウンドが生ずると、それに応じて、タイロッドは
揺動する。変位部材とタイロッドの揺動中心との間に延
長部材が介在させられる。従って、延長部材の長さに応
じて、タイロッドの揺動中心の位置が変化する。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施例であるス
テアリング装置10を、前輪側のサスペンション装置と
共に示す斜視図である。本実施例のステアリング装置1
0はラックアンドピニオン式サスペンション装置であ
り、また、図1に示すサスペンション装置は、マクファ
ーソンストラット式サスペンション装置である。
【0010】図1に示す如く、ステアリング装置10
は、ステアリングシャフト12を備えている。ステアリ
ングシャフト12の上端にはステアリングホイール14
が連結されている。また、ステアリングシャフト12の
下端部には図1には示さないピニオンが形成されてい
る。ピニオンはラックバーハウジング15の内部に配設
されたラックバーと噛合している。ラックバーの両端部
には、ブーツ16の内部に収容されたボールジョイント
を介してタイロッド18が連結されている。タイロッド
18の車両外側端部は、それぞれ、左右の車輪20に設
けられたナックル22に連結されている。ステアリング
ホイール14が回転操作されると、ステアリングシャフ
ト12の回転がピニオンを介してラックバーに長手方向
の変位として伝達される。かかるラックバーの変位がタ
イロッド18を介してナックル22に伝達されることで
車輪20の向きが変化される。
【0011】図2は、右前輪側のサスペンション装置を
拡大して示す斜視図である。図2において右上方が車両
前方に相当している。図2に示す如く、ナックル22の
下端部には、ロアボールジョイント24を介してロアア
ーム26が連結されている。ロアアーム26は略L型の
アーム部材であり、フロントマウント部28及びリヤマ
ウント部30を介して図示しないボディフレームに上下
に揺動可能に連結されている。ナックルアーム22の上
端部には、ショックアブソーバ32の下端部が固定され
ている。ショックアブソーバ32の周囲にはコイルスプ
リング34が配設されている。上記したタイロッド18
は、ナックルアーム22から車両後方側へ延びるアーム
部の先端に、ラックボールジョイント34を介して連結
されている。すなわち、車輪20はナックル22を介し
てロアアーム26及びタイロッド18の双方によって揺
動可能に支持されている。
【0012】車輪20にバウンド・リバウンドが生ずる
場合、車輪20は、ロアアーム26の幾何学的構成によ
り定まる軸(以下、サスペンション中心Pと称す)を中
心として上下に揺動しようとすると共に、タイロッド1
8とラックバーとを連結するボールジョイント(このボ
ールジョイントの揺動中心を、以下、タイロッド中心S
と称す)を中心として上下に揺動しようとする。この場
合、サスペンション中心P及びタイロッド中心Sの高さ
が一致し、かつ、サスペンション中心Pの周りの車輪2
0の揺動の回転半径と、タイロッド中心Sの周りの車輪
の揺動の回転半径とが一致するならば、ロアアーム26
及びタイロッド18の回転軸が一致することになり、両
部材間にリンク干渉が生ずることはない。
【0013】しかしながら、部品配置のスペース上の制
約等から、サスペンション中心P及びタイロッド中心S
の高さを一致させることは現実には困難である。図3に
は、サスペンション中心P及びタイロッド中心Sの高さ
が異なる場合にタイロッド18及びロアアーム26が揺
動する様子を車両前方から見た図である。なお、図3
は、サスペンション中心Pがロアアーム26の支点に一
致するものとして描いている。図3に示す如く、車輪2
0のバウンド・リバウンドに応じて、タイロッド18及
びロアアーム26が、それぞれ、タイロッド中心S及び
サスペンション中心Pを中心として揺動する。かかる揺
動に伴って、ラックボールジョイント34とロアボール
ジョイント24が異なる軌跡を描くことによりリンク干
渉が生じている。すなわち、車輪20のバウンド・リバ
ウンドに応じて、車輪20がタイロッド18により車両
外側へ押し出され、又は、車両内側へ引かれることにな
って、車輪20のトー角が変化する。
【0014】図4は、車輪20のバウンド・リバウンド
量と、トー角との関係(以下、トーカーブと称す)を例
示している。図4に実線で示すトーカーブは、バウンド
・リバウンド量に対してトー角がリニアに変化する特性
を示している。かかる特性は、サスペンション中心Pを
中心とする車輪20の揺動の回転半径R1と、タイロッ
ド中心Sを中心とする車輪20の揺動の回転半径R2と
がほぼ一致し、ロアアーム26とタイロッド18との間
のリンク干渉が小さく抑制された場合に実現される。ま
た、図4に破線で示すトーカーブは、バウンド・リバウ
ンド量が増加するにつれてトー角の変化が大きくなる非
線形な特性を示している。かかる特性は、上記回転半径
R1、R2が相違し、ロアアーム26とタイロッド18
との間に大きなリンク干渉が生ずる場合に実現される。
車両の良好な走行安定性を確保するうえでは、トーカー
ブは、図4に実線で示す如く、直線的な特性となること
が望ましい。かかる観点から、上記回転半径R1、R2
をほぼ一致させることが要求される。
【0015】しかしながら、サスペンション装置には種
々の形式のものがあり、各形式によって、サスペンショ
ン中心Pの位置は変化する。図5は、マクファーソンス
トラット式サスペンションとは異なるサスペンションの
一例として、スーパーストラット式サスペンションの斜
視図を示している。図5において、右上方が車両前方に
相当している。なお、図5において、図2と同様の構成
部分には同一の符号を付している。
【0016】図5に示す如く、マクファーソンストラッ
ト式サスペンション装置は、ナックル40を備えてい
る。ナックル40の下端部にはプレート42が固定され
ている。プレート42には、ロアボールジョイント4
4、46を介して、それぞれ、第1ロアアーム48、及
び第2ロアアーム50が連結されている。第1ロアアー
ム48、及び第2ロアアーム50は、それぞれ、マウン
ト部52及び54を介して図示しないボディフレームに
上下に揺動可能に連結されている。
【0017】ナックル40の上端部には、アッパボール
ジョイント56を介してコネクティングロッド58が連
結されている。コネクティングロッド58には、ショッ
クアブソーバ32の下端部が連結固定されている。コネ
クティングロッド58は、ショックアブソーバ32との
連結部から湾曲しながら下方に伸び、その下端部におい
て、キャンバーコントロールアーム62を介して第1ロ
アアーム48の中間部に連結されている。
【0018】タイロッド18は、ナックルアーム40か
ら車両後方側へ延びるアーム部の先端に、ラックボール
ジョイント34を介して連結されている。すなわち、車
輪20はナックル40を介して第1ロアアーム48、第
2ロアアーム50、及びタイロッド18によって上下に
揺動可能に支持されている。従って、スーパーストラッ
ト式サスペンション装置においても、マクファーソンス
トラット式サスペンション装置の場合と同様に、車輪2
0にバウンド・リバウンドが生ずる場合、車輪20は、
第1ロアアーム48及び第2ロアアーム50の幾何学的
配置により定まるサスペンション中心Pを中心として上
下に揺動しようとすると共に、タイロッド中心Sを中心
として上下に揺動しようとする。スーパーストラット式
サスペンション装置においては、コネクティングロッド
58が付加されていることにより、マクファーソンスト
ラット式サスペンション装置と比較してサスペンション
中心Pは車両外側に位置している。従って、サスペンシ
ョン中心Pを中心とする車輪の揺動の回転半径R1は、
マクファーソンストラット式サスペンション装置の場合
よりも小さい。スーパーストラット式サスペンション装
置においては、コネクティングロッド58やキャリパー
コントロールアーム62が設けられる等、比較的複雑な
構成となっているため、部材間の位置関係の自由度が小
さい。このため、サスペンション装置の幾何学的構成を
調整することによりサスペンション中心Pの位置を変化
させることは困難である。従って、スーパーストラット
式サスペンション装置において、図4に実線で示す如き
直線的なトーカーブを実現するためには、タイロッド中
心Sを中心とする回転半径R2、すなわち、タイロッド
18の長さを小さくする必要がある。
【0019】タイロッド18とナックル40との連結位
置を変更することは、ナックル40に車輪20やブレー
キ装置が取り付けられる等の関係上困難である。従っ
て、タイロッド18の長さを変更するには、タイロッド
18の車両内側の位置、すなわち、タイロッド中心Sの
位置を変更せざるを得ない。この場合、ラックバー自体
の長さを変化させることによりタイロッド中心Sの位置
を変更することとすると、ラックバーやラックバーハウ
ジング15等の主要部を含む装置全体の構成を変更する
ことが必要となって、大幅なコスト増を招いてしまう。
【0020】これに対して、本実施例のステアリング装
置10は、ラックバーを変更することなく、従って、装
置主要部の構成を変更することなく、サスペンション装
置の形式に応じてタイロッド中心Sの位置を変更し得る
点に特徴を有している。以下、かかる特徴部について説
明する。図6は、本実施例のサスペンション装置10の
要部構成図である。なお、図6には、ステアリング装置
10がマクファーソンストラット式サスペンションに適
用される場合の構成が示されている。図6に示す如く、
本実施例のステアリング装置10は、ラックバーハウジ
ング15を備えている。ラックバーハウジング15は車
幅方向(図6における左右方向)に延びる筒状の部材で
ある。ラックバーハウジング15には、ギヤボックス1
02が一体に設けられている。ピニオン軸104はギヤ
ボックス102の内部からその上方へ突出するように配
設されている。ピニオン軸104の上端は、図1に示す
ステアリングシャフト12に連結されている。また、ピ
ニオン軸104の、ギヤボックス102の内部に収容さ
れた部位には、ピニオンが形成されている。
【0021】ラックバーハウジング15の内部には、ラ
ックバー106が長手方向に変位可能に、かつ、その両
端部がラックバーハウジング15から突出するように収
容されている。ラックバー106の一部には、ピニオン
軸104のピニオンと噛合するラックギヤが形成されて
いる。また、ラックバーハウジング15には、パワース
テアリング装置を構成するパワーシリンダ108が設け
られている。図示しないコントロールポンプにより、パ
ワーシリンダ108の内部に形成されたシリンダ室10
8a又は108bに高圧の作動液が供給されることで、
ステアリングホイールの回動操作がアシストされる。
【0022】ラックバー106の両端部には、ボール保
持部材110が連結されている。ボール保持部材110
はボール受け部110aとねじ部110bとを備えてい
る。ボール保持部材110は、ねじ部110bが、ラッ
クバー106の端面に設けられたねじ穴106aに螺入
されることにより、ラックバー106に連結されてい
る。ボール保持部材110のボール受け部110aに
は、ラックエンド112の一端に形成されたボール11
2aが保持されている。ボール受け部110a及びボー
ル112aは、ボールジョイント114を構成してい
る。
【0023】ラックエンド112の他端部には、ねじ部
112bが設けられている。ラックエンド112は、ね
じ部112bがタイロッドエンド116の端面に設けら
れたネジ穴116aに螺入されることにより、タイロッ
ドエンド116に連結されている。ラックエンド112
とタイロッドエンド116とは、上記したタイロッド1
8を構成している。従って、ボールジョイント114の
ボール112aの中心が上記したタイロッド中心Sに相
当していることになる。なお、上述の如く、タイロッド
18はラックボールジョイント34を介してナックル2
2に連結される。
【0024】ボールジョイント114は、ブーツ16に
より覆われている。ブーツ16は蛇腹状に形成された柔
軟性を有する筒状部材である。ブーツ16の車両内側端
部は、ラックバーハウジング15の外周面に固定されて
いる。また、ブーツ16の車両外側端部は、ラックエン
ド112の外周面に固定されている。かかる構成によれ
ば、ステアリングホイールの回動操作に伴ってピニオン
軸104が回転すると、ラックバー106は車幅方向
(図7における左右方向)に変位する。かかる変位が、
タイロッド18及びラックボールジョイント34を介し
てナックル22又は44に伝達されることで、車輪の向
きが変化される。また、車輪20にバウンド・リバウン
ドが生ずると、タイロッド18は、ボールジョイント1
14の中心、すなわち、タイロッド中心Sを中心として
揺動する。
【0025】図7は上記した構成のサスペンション装置
10がスーパーストラット式サスペンション装置に適用
される場合の構成を示す。図7に示す構成は、図6に示
す構成において、ボール保持部材110、及びラックエ
ンド112に代えて、それぞれボール保持部材120、
及びラックエンド122を用いることにより実現され
る。図8は、一方(図7における右側)のボール保持部
材120の近傍の拡大図である。
【0026】図8に示す如く、ボール保持部材120
は、車両外側(図8においては右側)から順に、ボール
受け部120a、延長部120b、及びねじ部120c
を備えている。ボール保持部材120は、ねじ部120
cがラックバー106のねじ穴106aに螺入されるこ
とにより、ラックバー106に連結されている。延長部
120bは、軸方向に延びる長さがLの部位である。延
長部120bは、ラックバー106との連結側ほど小径
となるようなテーパ状に形成されている。これにより、
ラックバー106とボール保持部材120とは、両者間
に段差が形成されることなく滑らかに接続されている。
ラックエンド122は、車両内側(図8においては左
側)端部にボール122aを備えている。ボール122
aはボール保持部材120のボール受け部120aによ
り保持されている。図7及び図8に示す構成において
は、これらボール受け部120a及びボール122aが
ボールジョイント114を構成している。ラックエンド
122の車両外側(図8においては右側)端部には、ね
じ部122bが設けられている。ラックエンド122
は、ねじ部122bがラックエンド116のねじ穴11
6aに螺入されることにより、タイロッドエンド116
に連結されている。ラックエンド122及びタイロッド
エンド116はタイロッド18を構成しており、このタ
イロッド18はラックボールジョイント34を介してナ
ックル40に連結される。
【0027】ボール保持部材120の車幅方向(図8に
おいては左右方向)の長さは、ボール保持部材110と
比較して、延長部120bの長さLに相当する量だけ大
きくされている。これに応じて、タイロッド中心Sの位
置も車両外側へLだけシフトしている。また、ラックエ
ンド122の長さがラックエンド112と比較してLだ
け短縮されている。従って、タイロッド18の長さも図
6に示す構成と比較してLだけ短縮されている。
【0028】このように、図7及び図8に示す構成によ
れば、図6のボール保持部材110、及び、ラックエン
ド112に代えて、それぞれ、ボール保持部材120、
及び、ラックエンド122が用いられることで、タイロ
ッド中心Sの位置が車両外側に距離Lだけシフトし、こ
れに伴い、タイロッド中心Sを中心とする車輪22の揺
動の回転半径R2が図6に示す構成に比してLだけ短く
されている。従って、延長部120bの長さLをスーパ
ーストラット式サスペンションのサスペンション中心P
を中心とする揺動の回転半径R1に応じて設定すること
で、この回転半径R1を、タイロッド中心Sを中心とす
る揺動の回転半径R2に一致させることができ、これに
より、図4に実線で示すような直線的なトーカーブを実
現することができる。なお、ボール保持部材110、1
20、及びラックエンド112、122は、それぞれ、
ねじ止めによりラックバー106及びタイロッドエンド
116に連結されているため、ボール保持部材110又
は120、及び、ラックエンド112又は122をサス
ペンション装置の形式に応じて適宜選択して組み付ける
ことは容易である。
【0029】上述の如く、本実施例のステアリング装置
10によれば、ボール保持部材110、120及びラッ
クエンド112、122を交換することのみで、タイロ
ッド中心Sの位置を変化させることができる。従って、
本実施例によれば、ラックバー106やラックバーハウ
ジング15等のステアリング装置10の主要部の構成に
変更を施すことなく、マクファーソンストラット式サス
ペンション装置及びスーパーストラット式サスペンショ
ン装置の何れに対しても、所望の直線的なトーカーブを
実現することが可能とされている。
【0030】また、上述の如く、ボール保持部材120
の延長部120bがテーパ状に形成されていることによ
り、タイロッド18が揺動した際に、ブーツ120とボ
ール保持部材120とが干渉することが防止されてい
る。すなわち、図9に実線で示す如く、延長部120b
がテーパ状に形成されていなれければ、ラックバー10
6とボール保持部材120との間に段差が形成され、タ
イロッド18の揺動時に、この段差にブーツ120が引
っ掛かることで、ブーツ16の損傷等が生ずる可能性が
ある。これに対して、本実施例においては、図9に破線
で示す如く、延長部120bがテーパ状に形成されてい
ることで、ラックバー106とボール保持部材120と
の間に段差が形成されることが防止され、これにより、
タイロッド18の揺動時にブーツ16が引っ掛かること
が防止されている。
【0031】なお、上記実施例においては、ステアリン
グ装置10がマクファーソンサスペンション装置及びス
ーパーストラット式サスペンション装置に適用されるも
のとして説明したが、これに限らず、ボール保持部材1
20の延長部120bの長さLを調整することにより、
ダブルウィッシュボーンサスペンション装置等、任意の
形式のサスペンション装置に適用することができる。
【0032】また、上記実施例においては、延長機構1
20bがボール受け部120aと一体に形成されるもの
としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、延
長機構120bとボール受け部120aとを別体に構成
し、両者をねじ止め等により連結することとしてもよ
い。更に、上記実施例においては、ステアリング装置1
0はラックアンドピニオン式ステアリング装置であるも
のとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、
ステアリング操作に応じて変位する変位部材と、この変
位部材に揺動可能に連結されたタイロッドとを備える任
意の形式のステアリング装置に適用することができる。
【0033】なお、上記実施例においては、ラックバー
106が請求項に記載した変位部材に、ボール保持部材
120が請求項に記載した延長部材に、タイロッド中心
Sが請求項に記載したタイロッドの揺動中心に、それぞ
れ、相当している。
【0034】
【発明の効果】上述の如く、本発明によれば、延長部材
を変更することにより、ステアリング装置の主要部を共
通化しつつ、ラックバーの揺動中心の位置を変更するこ
とができる。従って、本発明に係るステアリング装置に
よれば、コスト増を抑制しながら、車輪の揺動の回転半
径が異なる種々のサスペンション装置に適応することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるステアリング装置を、
マクファーソンストラット式サスペンション装置と共に
示す斜視図である。
【図2】図1のマクファーソンストラット式サスペンシ
ョン装置を拡大して示す斜視図である。
【図3】サスペンション装置の揺動中心とタイロッドの
揺動中心の高さが異なる場合の車輪の動きを示す図であ
る。
【図4】車輪のバウンド・リバウンド量とトー角との関
係を示す図である。
【図5】スーパーストラット式サスペンション装置の斜
視図である。
【図6】本実施例のステアリング装置がマクファーソン
ストラット式サスペンション装置に適用される場合の構
成を示す図である。
【図7】本実施例のステアリング装置がスーパーストラ
ット式サスペンション装置に適用される場合の構成を示
す図である。
【図8】図7のボール保持部材の近傍を拡大して示す図
である。
【図9】タイロッドが揺動した場合のブーツの変形を示
す図である。
【符号の説明】
18 タイロッド 106 ラックバー 114 ボールジョイント 110、120 ボール保持部材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリング操作に応じて変位する変位
    部材と、一端が前記変位部材に対して揺動可能に連結さ
    れ、他端が車輪側に連結されたタイロッドとを備えるス
    テアリング装置において、 前記変位部材と前記タイロッドの揺動中心との間に延長
    部材を介在させたことを特徴とするステアリング装置。
JP29275897A 1997-10-24 1997-10-24 ステアリング装置 Pending JPH11124044A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29275897A JPH11124044A (ja) 1997-10-24 1997-10-24 ステアリング装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29275897A JPH11124044A (ja) 1997-10-24 1997-10-24 ステアリング装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11124044A true JPH11124044A (ja) 1999-05-11

Family

ID=17785962

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29275897A Pending JPH11124044A (ja) 1997-10-24 1997-10-24 ステアリング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11124044A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023059082A (ja) * 2021-10-14 2023-04-26 株式会社小野測器 自動車試験システム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023059082A (ja) * 2021-10-14 2023-04-26 株式会社小野測器 自動車試験システム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101263019B (zh) 包括稳定器的悬架装置
JP3550908B2 (ja) フロントサスペンション装置
US6089582A (en) Strut wheel suspension system
US6039337A (en) Vehicle suspension with stroke-reducing linkage
JP3832841B2 (ja) 車両用懸架装置
US5018757A (en) Steering angle control apparatus for vehicle
US6062580A (en) Front suspension of motor vehicle
JPH05169941A (ja) 車両のサスペンション装置
JPH11124044A (ja) ステアリング装置
JPH09263116A (ja) スタビライザ取付け構造
JPS6285705A (ja) 転舵輪用多リンク式トレーリングアーム型サスペンション
JPH03231011A (ja) 車輌の操舵輪用サスペンション
JP3024421B2 (ja) 車輌のステアリング装置
JPS6322715A (ja) ダブルリンク式サスペンシヨン装置
JPS6332544Y2 (ja)
JP3438707B2 (ja) 車両のサスペンション装置
JPH03239612A (ja) 車両用サスペンシヨン装置
JPH092032A (ja) フロントサスペンション装置
JP2715666B2 (ja) ストラット型サスペンション装置
JPH0338006Y2 (ja)
JP2555748B2 (ja) 車両の舵角制御装置
KR100597366B1 (ko) 전/후방타이로드를 갖는 차량의 조향장치
JP2000043529A (ja) フロントサスペンション装置
KR960012240B1 (ko) 전방차륜의 캐스터각조정용 컨트롤아암 장착구조
JPH10181323A (ja) 車両のフロントサスペンション