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JPH11106893A - シャドウマスクの黒化処理方法 - Google Patents

シャドウマスクの黒化処理方法

Info

Publication number
JPH11106893A
JPH11106893A JP28441397A JP28441397A JPH11106893A JP H11106893 A JPH11106893 A JP H11106893A JP 28441397 A JP28441397 A JP 28441397A JP 28441397 A JP28441397 A JP 28441397A JP H11106893 A JPH11106893 A JP H11106893A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shadow mask
mask material
dew point
heating
blackening
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP28441397A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Ishimoto
崇 石本
Kenjiro Sato
健二郎 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daido Steel Co Ltd filed Critical Daido Steel Co Ltd
Priority to JP28441397A priority Critical patent/JPH11106893A/ja
Publication of JPH11106893A publication Critical patent/JPH11106893A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シャドウマスク材の引張強度の低下をおこす
ことなく、Fe3 4 を主体とする黒色酸化膜を確実に
形成する。 【解決手段】 低炭素鋼から成るシャドウマスク材を、
連続式黒化炉1の加熱室3において、CO濃度が0.3
〜3%(容積)であり露点が30℃以下である発熱型変
成ガス雰囲気中で、500℃以下の温度に加熱して、前
記シャドウマスク材の表面に黒色酸化膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、アルミキルド鋼
やリムド鋼などの低炭素鋼から成るシャドウマスク材に
黒化処理をおこなう処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カラーブラウン管に用いられるアルミキ
ルド鋼やリムド鋼などの高純度の低炭素鋼板を素材とす
るシャドウマスクは、防錆、放熱、電子ビームの散乱防
止などの目的で、その表面にFe3 4 (四三酸化鉄)
を主成分とする黒色酸化膜を形成することがおこなわれ
ている。
【0003】そして低炭素鋼板材に対するこの黒色酸化
膜形成の方法としては、たとえば特開昭64−3492
号公報に従来の黒化炉における処理条件として「C
2 ,COの混合ガス中で約580℃に加熱する。」と
開示されているように、発熱型変成ガス雰囲気中で50
0℃を越える温度で加熱するのが一般的であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが上記の加熱条
件により黒化処理をおこなうと、その500℃を越える
処理温度のため、黒化処理後のシャドウマスク材の引張
強度が大巾に低下してしまい、この黒化処理したシャド
ウマスク材を張力をかけつつマスクフレームに溶接する
際に伸びが生じ、シャドウマスク材に穿設した電子ビー
ム通過孔の位置ずれや平面度の低下をきたし、色ずれな
どカラーブラウン管性能低下の原因となる。またシャド
ウマスク材をマスクフレームに溶接後、弾性支持アーム
により張力を印加する張力印加型シャドウマスクにおい
ても、同様な問題を生じる。
【0005】そこで上記の引張強度の低下を避けるため
に、処理温度を500℃以下に下げることが考えられる
が、この場合は引張強度の低下は改善されるものの、シ
ャドウマスク材に被着生成する酸化膜は、Fe2 3
主体とする赤錆状のものとなり、素地から脱落しやすい
だけでなく、防錆、放熱、電子ビームの散乱防止などの
本来の目的を到底達成できない。
【0006】この発明は上記従来の問題点を解決しよう
とするもので、シャドウマスク材の引張強度の低下をお
こすことなく、Fe3 4 を主体とする黒色酸化膜を確
実に形成できる、シャドウマスクの黒化処理方法を提供
しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明のシャドウマス
クの黒化処理方法は、低炭素鋼から成るシャドウマスク
材を、CO濃度が0.3〜3%(容積)であり露点が3
0℃以下である発熱型変成ガス雰囲気中で、500℃以
下の温度に加熱して、前記シャドウマスク材の表面に黒
色酸化膜を形成することを特徴とする。
【0008】この発明においては、発明者が研究の結果
得た知見に基づき、発熱型雰囲気ガスの組成および露点
を限定しているが、以下にその限定理由について述べ
る。
【0009】すなわち、黒化処理温度を500℃以下と
することにより、シャドウマスク材の引張強度低下を阻
止することができるのであるが、500℃以下の温度に
おいては雰囲気を弱還元性に維持して反応速度を抑制し
ないとFe2 3 が生成しやすいことが確認されたの
で、先ず発熱形変成ガスの組成中のCO濃度は0.3〜
3%(容積)に限定した。上記CO濃度が3%を越える
と反応(酸化)速度が過度に抑制され、処理時間がかか
り生産性が劣り、また0.3%未満とすると、変成ガス
製造過程における酸素が残留しているおそれがあり、緻
密な黒色酸化膜の形成および酸化膜厚などの黒化処理の
正確な制御が困難となるからである。
【0010】また発熱形変成ガス中の水分量が多いと酸
化が促進されFe2 3 が生成しやすいことが確認され
たので、発熱形変成ガス雰囲気の露点を30℃以下に限
定した。この露点が30℃を越えると、Fe2 3 が生
成しやすく、Fe3 4 の生成が阻害されるからであ
る。なおこの露点は、さらに好ましくは10〜25℃と
するのがよく、露点を25℃以下とすることによりFe
3 4 の生成が一層確実となり、また10℃未満とする
ためには発熱型ガス発生装置からの生成ガスに冷凍脱水
など高度の脱水処理を施す必要がありガス製造コストが
かさみ好ましくないからである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下図1によりこの発明の実施の
形態の一例を説明する。図1はこの発明の方法の実施に
使用する連続式黒化炉1のブロック図であり、被処理品
搬送用の図示しないハースローラ(チェーンコンベヤを
用いてもよい)が貫通配設された炉本体内に、炉入口側
から入側パージ室2、黒色酸化膜形成用の加熱室3、冷
却室4、出側パージ室5を設けて成る。
【0012】6はCO濃度0.3〜3%(容積)の発熱
型変成ガスを製造する発熱形ガス発生装置で、該発生装
置で製造された露点約40℃の発熱型ガスは、冷凍機式
のクーラ7における冷却により露点を調整されて加熱室
3内に供給される。加熱室3内の雰囲気の露点は、露点
検出器8により検出され、クーラ7における冷媒流量制
御により、前記供給ガスの露点が調整され、炉内雰囲気
ガスの露点は30℃以下の所定値に制御される。
【0013】9は加熱室3内加熱用のラジアントチュー
ブ(電気ヒータでもよい)から成るヒータであり、図示
しない炉内温度検出手段と公知の温度制御装置により、
加熱室3内の温度は500℃以下の所定値に維持され
る。また、10は水冷式クーラで、これによって冷却室
4内の温度は約150℃に維持される。
【0014】上記構成の連続式黒化炉1により黒化処理
をおこなうには、先ず処理対象物として、リムド鋼ある
いはアルミキルド鋼を素材とする板厚0.15mm程度の
低炭素鋼薄板に、通常のフォトエッチング法により所定
の直径寸法の多数個の孔を穿孔したシャドウマスク材を
用意し、これを多段ケージに収容して、連続式黒化炉1
内に装入し炉内搬送する。
【0015】入側パージ室2を経て加熱室3内に装入さ
れたシャドウマスク材に対して、CO濃度が0.3〜3
%(容積)でありかつ露点が30℃以下に維持された発
熱型変成ガス雰囲気中で、500℃以下の加熱を、約2
0〜200分間おこなう。これによってシャドウマスク
材の表面には、黒色で緻密なFe3 4 を主成分とする
黒色酸化膜が形成される。
【0016】その後シャドウマスク材を、室温が150
℃程度に維持された冷却室4に搬送して約5〜10分間
の冷却をおこなったのち、出側パージ室5を経て炉外に
送出して黒化処理をおえる。
【0017】得られた黒化処理品は、500℃以下の加
熱工程によるものであるため黒化処理後においてもシャ
ドウマスク材の引張強度の低下は殆どなく、また表面に
形成された黒色酸化膜はFe2 3 分を殆ど含まないた
め緻密で耐久性に富み、輻射率が0.6〜0.7程度と
すぐれた黒色度を有し、カラーブラウン管用に好適なシ
ャドウマスクとして用いることができる。
【0018】
【実施例】次に実施例および比較例によって、この発明
をさらに詳細に説明する。
【0019】[実施例]アルミキルド鋼(C含有率=
0.05重量%)を素材とし外形寸法800×650m
m、板厚0.03mmの薄鋼板に多数個の孔を穿孔して成
るシャドウマスク材に対して、連続式黒化炉1の加熱室
3において、CO=0.5%(容積),CO2 =10%
(容積),N2 =残部の組成を有し、露点25℃の発熱
型変成ガス雰囲気中で、450℃の加熱を60分間おこ
なった。
【0020】得られた処理品の表面には、厚さ0.4μ
mのFe3 4 から成る緻密な黒色酸化膜(Fe2 3
含有量=0%)が形成され、その輻射率は0.6であっ
た。
【0021】[比較例1]実施例と同じシャドウマスク
材に対して、加熱室3において、実施例と同じ組成の雰
囲気ガスを用い、露点53℃の雰囲気中で、480℃の
加熱を20分おこなったところ、得られた処理品の表面
の酸化膜は、露点が高いためFe2 3 が30%(重
量)を占め(Fe3 4 =70%)、膜厚0.1μmの
褐色の酸化膜で、その輻射率は0.2と極めて低かっ
た。
【0022】[比較例2]加熱室3の雰囲気の露点を3
5℃と下げ、その他は比較例1と同じ加熱温度(450
℃)で実施例と同時間(60分)の加熱をおこなったと
ころ、得られた処理品の表面の酸化膜は、Fe2 3
10%含み(Fe3 4 =90%)、赤錆分が黒色酸化
膜中に点在する膜厚0.6μmの酸化膜であり、その輻
射率は0.5と低かった。
【0023】この発明は上記の例に限定されるものでは
なく、たとえば黒化炉の構成や発熱型変成ガスの組成な
どは、上記以外のものとしてもよい。
【0024】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
低炭素鋼から成るシャドウマスク材に対して、シャドウ
マスク材の引張強度の低下をおこすことなく、Fe3
4 を主体とする緻密な黒色酸化膜を確実に形成すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の方法に用いる連続式黒化炉の一例を
示すブロック線図である。
【符号の説明】
1…連続式黒化炉、3…加熱室、6…ガス発生装置、7
…クーラ、8…露点検出器、9…ヒータ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低炭素鋼から成るシャドウマスク材を、
    CO濃度が0.3〜3%(容積)であり露点が30℃以
    下である発熱型変成ガス雰囲気中で、500℃以下の温
    度に加熱して、前記シャドウマスク材の表面に黒色酸化
    膜を形成することを特徴とするシャドウマスクの黒化処
    理方法。
JP28441397A 1997-09-30 1997-09-30 シャドウマスクの黒化処理方法 Pending JPH11106893A (ja)

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JP28441397A JPH11106893A (ja) 1997-09-30 1997-09-30 シャドウマスクの黒化処理方法

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JPH11106893A true JPH11106893A (ja) 1999-04-20

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JP (1) JPH11106893A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013173977A (ja) * 2012-02-24 2013-09-05 Jfe Steel Corp 金属材料の表面処理方法および金属材料
CN108070818A (zh) * 2018-02-26 2018-05-25 江门市日盈不锈钢材料厂有限公司 一种黑化设备

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