JPH1095971A - 有機電界発光素子 - Google Patents
有機電界発光素子Info
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- JPH1095971A JPH1095971A JP8251723A JP25172396A JPH1095971A JP H1095971 A JPH1095971 A JP H1095971A JP 8251723 A JP8251723 A JP 8251723A JP 25172396 A JP25172396 A JP 25172396A JP H1095971 A JPH1095971 A JP H1095971A
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Abstract
ル輸送性能を向上し、安定な発光を得る。 【解決手段】 ITO等の陽極と、ホール輸送層との間
に、テトラフェニル金属化合物からなるホール注入層を
挿入する。 【効果】 テトラフェニル金属化合物のホール注入層
は、陽極/ホール輸送層間の密着性、バリア性等を向上
し、陽極からのホール注入効率を向上する。この結果、
消費電力、素子寿命のいずれの評価項目においても優れ
た性能を得ることができる。
Description
光する発光材料および有機ホール輸送材料等をその構成
要素として含む有機電界発光素子に関し、さらに詳しく
は、陽極からホール輸送層へのホール注入手段に特徴を
有する有機電界発光素子に関する。
等の情報通信端末機器の画像表示用ディスプレイとして
はブラウン管が最も普及しており、これは輝度が高く色
再現性が良い特長を有する反面、嵩高で重く、消費電力
が大きい問題点を有する。このため、軽量薄型で高効率
のフラットパネルディスプレイへの要望が大きい。現在
最も多用されているフラットパネルディスプレイはアク
ティブマトリクス駆動方式の液晶ディスプレイである
が、視野角が狭い点、自発光でないためバックライトを
使用する場合にはこのバックライトの消費電力が大きい
点、今後実用化が期待される高精細度かつ高速のビデオ
信号に対して十分な応答性を有さない点、そして大画面
サイズのディスプレイを製造する場合の均一性やコスト
高等の問題点がある。液晶ディスプレイに替わるフラッ
トパネルディスプレイの候補として発光ダイオードの可
能性もあるが、大面積の単一基板上への発光ダイオード
マトリクスの製造は困難であり、ブラウン管に置き替わ
る低コストのディスプレイとなるには至っていない。
フラットパネルディスプレイとして、最近有機電界発光
素子が注目されている。これは、自発光で応答速度が大
きく、視野角依存性がない長所を有する。
は、透光性の陽極と金属陰極との間に、有機発光材料を
含む有機電界発光層を挟み込んだものである。C.W.Tang
and S.A.VanSlyke らは、有機電界発光層をホール輸送
層と電子輸送層との2層構成とし、陽極および陰極から
有機電界発光層に注入されるホールと電子が再結合する
際に発光する素子構造を最初に報告した(Appl. Phys.
Lett.,51(12), 913-915(Sept.1987))。この素子構造は
ホール輸送層または電子輸送層のいずれかが発光層を兼
ねているものである。発光は、発光材料の基底状態と励
起状態とのエネルギギャップに対応した波長帯で起き
る。このように有機電界発光層を2層構造としたこと
で、駆動電圧の大幅な削減、発光効率の向上が図られ、
これ以来、全固体型のフラットパネルディスプレイ等へ
の応用を目指した研究が進められている。高発光効率を
得るための発光材料としては、亜鉛錯体やアルミニウム
錯体等、種々の金属錯体が現在までに提案されている。
Tsutsui and S.Saito らによりホール輸送層、発光層お
よび電子輸送層の3層構造とした例が Jap. J. of App
l. Phys. 27-2, L269-L271 (1988)に報告された。さら
に、電子輸送層に発光材料を含ませ、発光層を兼ねる電
子輸送層とホール輸送層との2層構造が、C.W.Tang, S.
A.VanSlyke and C.H.Chen らにより、J. of Appl. Phy
s. 65-9, 3610-3616 (1989)に報告された。これらの報
告により、低電圧で高輝度発光の可能性が検証され、有
機電界発光素子の研究開発は近年極めて活発におこなわ
れている。
けては、発光輝度あるいは耐久性等、解決すべき問題が
いくつか残されている。高い発光輝度と、経時安定性に
優れた有機電界発光素子の実現のためには、ホール輸送
能力に優れた、耐久性のある素子構造を開発する必要が
ある。
ては、ホール輸送材料として下式(2)に示すTPD
(N,N'- diphenyl-N,N'- bis(3-methylphenyl)-1,1'-bip
henyl-4,4'-diamineが使用されてきた。しかしながら、
TPDは融点が約170℃、ガラス転移点が約60℃と
比較的低いので、有機電界発光素子のホール輸送材料と
して使用した場合、発光駆動時に発光以外に消費される
無効電流が熱に変換されるためによる素子温度の上昇に
伴い、非発光欠陥の発生や、甚だしい場合にはホール輸
送層の融解が起こり発光が停止する場合があった。
で示されるTPDのN置換基を、N,N'-naphthyl phenyl
とした化合物(米国特許第 5061569号明細書)、また式
(2)で示されるTPDの中心に位置する bipheny基を
naphthalene基とした化合物(例えば、特開平8-87122
号公報)、anthracene基とした化合物(例えば、特開平
8-53397 号公報)、あるいは phenanthlene 基とした化
合物(例えば、特開平8-20770 号公報、特開平8-20771
号公報)等が開示されている。
の化合物も総合的に満足のゆくホール輸送性能を備えた
材料には至っていない。すなわち、ホール輸送材料の性
能向上の他に、陽極からホール輸送層へのホール注入段
階におけるホール注入の高効率化をも併せて考慮し、総
合的なホール輸送能力を高める必要がある。本発明はか
かる技術背景に鑑み提案するものであり、陽極とホール
輸送層間におけるホール輸送性能と耐久性に優れた有機
電界発光素子を提供し、有機電界発光素子のさらなる一
層の性能向上を図ることをその課題とする。
達成するために提案するものである。すなわち本発明の
有機電界発光素子は、陽極および陰極との間に、ホール
輸送層を含む有機電界発光層を挟持した構造を有する有
機電界発光素子において、この陽極およびホール輸送層
との間に、さらにホール注入層を有することを特徴とす
る。
構成としては、陽極上に、ホール注入層と、ホール輸送
層と、発光層と、電子輸送層とからなる有機電界発光層
と、陰極とが、この順に順次積層された構造を有するこ
とを特徴とする。電子輸送層は発光層を兼用してもよ
い。また有機電界発光層中に、螢光色素を含有させても
よい。かかる層構造を採用することにより、高輝度かつ
耐久性に優れたエレクトロルミネセンス素子を得ること
ができる。
式(1)で示される少なくとも一種のテトラフェニル金
属化合物を有することを特徴とする。
子としては、Ge、Sn、Pb、AsおよびAt等が例
示される。またこれらテトラフェニル金属化合物は塩
素、臭素等ハロゲンの塩であってもよい。
0nm以下であることが望ましい。ホール注入層の厚さ
の下限は、均一な連続膜として形成されれば特に限定さ
れないが、成膜装置における膜厚制御の観点からは1分
子層厚以上、実用的には0.5nm以上が望ましい。
ル輸送層との間に新たに極く薄いホール注入層を設けた
ので、ITO等透明導電材料からなる陽極と、ホール輸
送層との界面における密着性が向上し、ホール注入効率
が向上する。またこのホール注入層は、素子発熱時にお
いてITO等の透明導電材料からの酸素や吸着水等のホ
ール輸送層への拡散を防止するバリア層としても機能
し、ホール輸送材料の劣化を防止する。さらに、これは
推定の段階ではあるが、ITO等の金属酸化物のエネル
ギ準位と、有機物であるホール輸送材料のエネルギ準位
との中間のエネルギ準位を有するテトラフェニル金属化
合物層を挿入することにより、この面からもホール注入
効率の向上に寄与するものと考えられる。このように、
ホール注入層は陽極とホール輸送層間の界面状態を制御
するものであるから、その膜厚は10nm以下の薄膜で
十分である。これらの総合的な作用により、ホール輸送
効率が向上するので、高輝度かつ耐久性に優れた有機電
界発光素子を作製することができる。またこのテトラフ
ェニル金属化合物は昇華性であり、分子線蒸着法等の手
段により、膜厚の制御された緻密な膜を容易に成膜する
ことが可能である。
さらに詳しく説明する。はじめに、本発明の有機電界発
光素子をEL素子に適用した素子構成につき、図1
(a)〜(d)に示す概略断面図を参照して説明する。
これらのうち、図1(a)は透過型の有機電界発光素
子、図1(b)は反射型の有機電界発光素子の素子構成
を示す。また図1(c)および図1(d)は、有機電界
発光層3部分の拡大断面図である。いずれの素子構造に
おいても、符号1はガラス、プラスチックス等の透明材
料やその他適宜の材料からなる基板である。有機電界発
光素子を他の表示素子や駆動回路等と組み合わせて使用
する場合には、基板1を共用することができる。符号2
は陽極であり、ITO(Indium Tin Oxide)やSnO2 の
他に、Sb含有SnO2 、Al含有ZnOあるいはAu
薄膜等の透明導電材料からなる。またポリチオフェン、
ポリピロール等の導電性高分子薄膜を用いてもよい。陽
極の電気抵抗値は、素子の消費電力や発熱を低減するた
めに、低抵抗であることが望ましい。陽極の成膜方法は
特に限定されず、電子ビーム等による真空蒸着法、スパ
ッタリング法、CVD法等その他を適宜採用できる。
徴部分であり、陽極2とホール輸送層6の間に挿入され
るホール注入層である。ホール注入層11は先述した一
般式(1)で示されるテトラフェニル金属化合物の一種
あるいは混合物から構成され、その成膜方法は抵抗加熱
等による真空蒸着法、イオンプレーティング法、分子線
蒸着法、分子線エピタキシ法等の真空技術を用いた成膜
法の他に、化学修飾法、スピンコート法あるいはLB(L
angmuir-Brodjet)法等の湿式成膜法を用いることができ
る。ホール注入層11は10nm以下の極薄膜であるの
で、膜厚制御性のよい成膜方法を採用することが望まし
い。
成については後述する。
えばLi、Mg、Ca等の低仕事関数の活性な金属と、
Ag、Al、In等との合金あるいは積層構造を採用す
ることができる。成膜法は特に限定されず、抵抗加熱等
の真空蒸着法、イオンプレーティング法あるいはスパッ
タリング法等を採用できる。図1(a)に示す透過型の
有機電界発光素子の場合には、この陰極4の厚さを調節
することにより、用途に合った光透過率を得ることがで
きる。また陰極4の導電性を補完するために、さらIT
OやSnO2 等の透明導電膜4aを積層して用いてもよ
い。符号5は保護層であり、気密性を満たす材料であれ
ばプラスチックス等の有機材料やSiO2 等の無機材料
を問わずいずれも採用できる。
発光を得ることができる層構成であれば、従来から提案
されているいずれも構造をも採用できる。すなわち、図
1(c)に示すように、陽極2/ホール輸送層6/発光
層7/電子輸送層8/陰極4の順に積層した3層構造の
他に、ホール輸送層6および電子輸送層8のいずれかが
発光性を有する場合には、発光層7をこれらの層で兼用
し、図1(d)に示すように、陽極2/ホール輸送層6
/電子輸送層8/陰極4の2層構造とすることも可能で
ある。
あるいはホール輸送材料を有機高分子等のマトリクス中
に均質に分散して形成される。ホール輸送材料として
は、先に式(2)に示したTPDや、そのビフェニル骨
格を縮合環に置換した化合物、N−イソプロピルカルバ
ゾール等の3級アミン類、ピラゾリン誘導体、スチルベ
ン系化合物、ヒドラゾン系化合物、オキサジアゾール誘
導体やフタロシアニン誘導体で代表される複素環化合
物、ポリマ系ではこれら単量体を側鎖に有するポリカー
ボネート誘導体やポリスチレン誘導体、ポリビニルカル
バゾールあるいはポリシラン等が好ましく使用できる
が、特に限定はされない。
(3)で示される Tris-(8-hydroxyquinoline)-alumini
um(以下、Alqと略記する)、アントラセン、ピレン
の他に、ビススチリルアントラセン誘導体、テトラフェ
ニルブタジエン誘導体、クマリン誘導体、オキサジアゾ
ール誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、ピロロピリジ
ン誘導体、ペリノン誘導体、シクロペンタジエン誘導
体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾロピリジン誘
導体、そしてポリマ系ではポリフェニレンビニレン誘導
体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体
等を使用できるが、これらに限定されるものではない。
また発光層に添加するドーパントとして、ルブレン、キ
ナクリドン誘導体、DCM、ペリノン、ペリレン、クマ
リン等を使用してもよい。
は、電子注入効率および電子輸送効率が高い物質であれ
ばよく、そのためには電子親和力および電子移動度が大
きく、安定性が高く、さらに製造時および発光時に不純
物を発生しない材料であることが望ましい。かかる材料
としては、先述した式(3)で示されるAlqが例示さ
れるが、他の材料でもよい。
のを順次積層することにより形成されるが、高分子ポリ
マ中に分散して積層し、陽極および陰極間に挟持しても
よい。高分子ポリマとしては、ポリ塩化ビニル、ポリカ
ーボネート、ポリスチレン等が例示されるがこれらに限
定されることはない。発光に寄与するこれら各層の形成
方法は、抵抗加熱や電子ビーム等による蒸着法、イオン
プレーティング法、分子線蒸着法、分子線エピタキシ
法、スパッタリング法等の乾式成膜法が好ましいが、こ
の他にも化学修飾法、スピンコート法、LB法等の湿式
成膜法を用いることも可能である。
するためには、ホール輸送層6と電子輸送層8のいずれ
か一方あるいは両方が、複数種の材料を積層した構造、
あるいは複数種の材料を混合した構造であってもよい。
また発光性能を向上するために、ホール輸送層6、発光
層7および電子輸送層8のいずれか一つの層あるいは複
数の層に、螢光材料を含有させてもよい。かかる螢光材
料としては特に限定されないが、例えばキナクリドンや
下記構造式(4)で示されるDCM(4−ジシアノメチ
レン−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−2−メチ
ル4H−ピラン)等が例示される。これらの場合には、
発光効率をさらに改善するために、ホールまたは電子の
輸送を制御するための薄膜をその層構成に含ませること
も可能である。
陽極2と陰極4の間に直流電圧を印加することにより、
陽極2から注入されたホールがホール輸送層6を経て、
また陰極4から注入された電子が電子輸送層8を経て、
それぞれ発光層7に到達する。この結果、発光層7にお
いては電子/ホールの再結合が生じて一重項励起子が生
成し、この一重項励起子から所定波長の発光を発生す
る。図1(d)に示す発光層を省略した層構成の場合に
は、ホール輸送層6と電子輸送層8の界面から所定波長
の発光を発生する。これらの発光は基板1側から観測さ
れる。また図1(a)に示した透過型のEL素子の場合
には、発光は保護層5側からも観測される。
流であるが、パルス電流や交流を用いてもよい。電流
値、電圧値は素子破壊しない範囲内であれば特に制限は
ないが、有機電界発光素子の消費電力や寿命を考慮する
と、可及的に小さい電気エネルギで効率良く発光させる
ことが望ましい。
適用した具体例を、図2の概略斜視図に示す。図2のE
L素子は、ホール輸送層6と、発光層7および電子輸送
層8のいずれか少なくとも一方からなる積層体を、陰極
4と陽極2の間に配設したものである。陰極4と陽極2
は、ともにストライプ状にパターニングするとともに互
いにマトリクス状に直交させ、シフトレジスタ内蔵の制
御回路9および10により時系列的に信号電圧を印加
し、その交叉位置で発光するように構成されたものであ
る。かかる構成のEL素子は、文字・記号等のディスプ
レイとしては勿論、画像再生装置としても使用できる。
また陰極4と陽極2のストライプ状パターンを赤
(R)、緑(G)、青(B)の各色毎に配し、マルチカ
ラーあるいはフルカラーの全固体型フラットパネルディ
スプレイを構成することが可能となる。
適宜比較例を加えながら詳細に説明を加える。
のうち、テトラフェニルゲルマニウム(TPGe)をホ
ール注入層材料として採用し、有機電界発光素子を作製
した例である。
ITOからなる陽極が一表面に形成された30mm×3
0mmのガラスの基板をセッティングした。蒸着マスク
として、複数の2.0mm×2.0mmの単位開口を有
する金属マスクを基板に近接して配置し、分子線蒸着法
により10-7Pa以下の超高真空下で、TPGeを例え
ば1nmの厚さに蒸着し、ホール注入層を形成した。成
膜レートは、水晶振動子による膜厚モニタにより0.1
nm/sec以下に制御した。ホール注入層の形成に分
子線蒸着法を採用したのは、通常の抵抗加熱蒸着法等に
比較して極薄膜形成における膜厚制御が容易であるため
である。つぎにホール注入層が形成された基板を抵抗加
熱方式の真空蒸着装置に搬送し、蒸着源の上方25cm
の位置にセッティングした。蒸着マスクとして、同じく
複数の2.0mm×2.0mmの単位開口を有する金属
マスクを基板に近接して配置し、真空蒸着法により10
-4Pa以下の真空下でホール輸送層として先述した式
(2)で示されるTPDを例えば50nmの厚さに成膜
した。蒸着レートは2nm/secとした。さらに発光
層と電子輸送層を兼ねる材料として、先述した式(3)
に示されるAlqをホール輸送層に接して蒸着した。A
lqの層厚も例えば50nmとし、蒸着レートも2nm
/secとした。陰極材料としてはMgとAgの積層膜
を採用し、これも蒸着により、蒸着レートを4nm/s
ecとして例えば50nm(Mg)および150nm
(Ag)の厚さに形成し、実施例1による有機電界発光
素子の基本形を作製した。
素雰囲気下で順バイアス直流電圧を加えて発光特性を評
価した。発光色は緑色であり、分光測定をおこなった結
果、図3に示す540nmに発光ピークを有するスペク
トルを得た。分光測定は、大塚電子製のフォトダイオー
ドアレイを検出器とした分光器を用いた。図3のスペク
トルはAlqの発光スペクトルと一致し、EL素子の発
光はAlqによるものであることが確認された。印加電
圧を漸増し、輝度計により輝度の測定をおこなったとこ
ろ、印加電圧9Vで1000cd/m2 の輝度が得られ
た。この有機電界発光素子を作製後、室内に1月間放置
したが、素子劣化は観測されなかった。また印加電圧1
0Vを連続的に通電して連続発光して強制劣化させた
際、発光が完全に消失する迄の素子寿命は10日間であ
った。
したTPGeに替えて、テトラフェニルスズ(TPS
n)を採用した他は、各有機電界発光層の層構成、成膜
法とも前実施例1に準拠して有機電界発光素子を作製し
た。
と同様の緑色の発光を呈した。分光測定の結果、スペク
トルは実施例1の有機電界発光素子のスペクトルと一致
し、Alqの発光によるものであることが確認された。
印加電圧を漸増し、輝度計により輝度の測定をおこなっ
たところ、印加電圧10Vで1500cd/m2 の輝度
が得られた。この有機電界発光素子を作製後、室内に1
月間放置したが、素子劣化は観測されなかった。
したTPGeに替えて、テトラフェニル鉛(TPPb)
を採用した他は、各有機電界発光層の層構成、成膜法と
も前実施例1に準拠して有機電界発光素子を作製した。
と同様の緑色の発光を呈した。分光測定の結果、スペク
トルは実施例1の有機電界発光素子のスペクトルと一致
し、Alqの発光によるものであることが確認された。
印加電圧を漸増し、輝度計により輝度の測定をおこなっ
たところ、印加電圧10Vで1200cd/m2 の輝度
が得られた。この有機電界発光素子を作製後、室内に1
月間放置したが、素子劣化は観測されなかった。
ル金属化合物によるホール注入層を形成しなかった他は
各有機電界発光層の層構成、成膜法とも前実施例1に準
拠して有機電界発光素子を作製した。
様の緑色の発光を呈した。分光測定の結果、スペクトル
は実施例1の有機電界発光素子のスペクトルと一致し、
Alqの発光によるものであることが確認された。しか
しながら、実施例1の有機電界発光素子と同一の輝度を
得るための消費電力は、約32%増加し、素子寿命も実
施例1の有機電界発光素子の10日間から2日間に減少
した。
細な説明を加えたが、本発明はこれら実施例によりなん
ら限定されるものではない。例えば、ホール注入層材料
として採用するテトラフェニル金属化合物として実施例
にあげたTPGe、TPSnおよびTPPbの他にも各
種金属化合物やそのハロゲン塩を採用してよい。またホ
ール輸送層のホール輸送材料や電子輸送層の電子輸送材
料として、実施例の化合物の他に、従来公知の他のホー
ル輸送材料や電子輸送材料を用いてもよい。また有機電
界発光層の各層構成や電極構造も、従来既知の構造はい
ずれも採用できる。
によれば、有機電界発光素子におけるホール輸送性能が
向上し、安定な有機電界発光素子を提供することが可能
となる。
構成を示す概略断面図である。
た素子構成を示す概略斜視図である。
である。
4a…透明導電膜、5…保護層、6…ホール輸送層、7
…発光層、8…電子輸送層、9,10…制御回路、11
…ホール注入層
Claims (7)
- 【請求項1】 陽極および陰極との間に、ホール輸送層
を含む有機電界発光層を挟持した構造を有する有機電界
発光素子において、 前記陽極および前記ホール輸送層との間に、さらにホー
ル注入層を有することを特徴とする有機電界発光素子。 - 【請求項2】 陽極上に、 ホール注入層と、 ホール輸送層と、発光層と、電子輸送層とからなる有機
電界発光層と、 陰極とが、 この順に順次積層された構造を有することを特徴とする
請求項1記載の有機電界発光素子。 - 【請求項3】 陽極上に、 ホール注入層と、 ホール輸送層と、電子輸送層とからなる有機電界発光層
と、 陰極とが、 この順に順次積層された構造を有することを特徴とする
請求項1記載の有機電界発光素子。 - 【請求項4】 前記ホール注入層は、下記一般式(1)
で示される少なくとも一種のテトラフェニル金属化合物
を有することを特徴とする請求項1記載の有機電界発光
素子。 【化1】 (式中、Mは金属原子を表す。) - 【請求項5】 前記ホール注入層の厚さは、10nm以
下であることを特徴とする請求項1記載の有機電界発光
素子。 - 【請求項6】 前記有機電界発光層は、 さらに螢光色素を含むことを特徴とする請求項1記載の
有機電界発光素子。 - 【請求項7】前記有機電界発光素子は、エレクトロルミ
ネセンス素子であることを特徴とする請求項1ないし6
いずれか1項記載の有機電界発光素子。
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