JPH1095699A - ニホウ化ジルコニウム単結晶の育成法 - Google Patents
ニホウ化ジルコニウム単結晶の育成法Info
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- JPH1095699A JPH1095699A JP26557496A JP26557496A JPH1095699A JP H1095699 A JPH1095699 A JP H1095699A JP 26557496 A JP26557496 A JP 26557496A JP 26557496 A JP26557496 A JP 26557496A JP H1095699 A JPH1095699 A JP H1095699A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 フローティング・ゾーン法を用い、良質で大
型な二ホウ化ジルコニウム単結晶をより短時間で育成す
る。 【解決手段】 フローティング・ゾーン法による二ホウ
化ジルコニウム単結晶(ZrB2 )の育成法であって、
Heガス雰囲気において、融帯組成B/Zr(原子比)
を1.5〜2.8程度として、3〜10cm/hr程度
の育成速度で結晶を育成する。
型な二ホウ化ジルコニウム単結晶をより短時間で育成す
る。 【解決手段】 フローティング・ゾーン法による二ホウ
化ジルコニウム単結晶(ZrB2 )の育成法であって、
Heガス雰囲気において、融帯組成B/Zr(原子比)
を1.5〜2.8程度として、3〜10cm/hr程度
の育成速度で結晶を育成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、二ホウ化ジルコ
ニウム単結晶の育成法に関するものである。さらに詳し
くは、この発明は、走査型電子顕微鏡や電子描画装置等
に利用される長寿命である高輝度電子放射材料等として
有用な二ホウ化ジルコニウム単結晶の育成法に関するも
のである。
ニウム単結晶の育成法に関するものである。さらに詳し
くは、この発明は、走査型電子顕微鏡や電子描画装置等
に利用される長寿命である高輝度電子放射材料等として
有用な二ホウ化ジルコニウム単結晶の育成法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来より、二ホウ化ジルコニ
ウムは、融点が高く(3220℃)、仕事関数が比較的
低い(約3.6eV)ことから、長寿命である高輝度電
子放射材料として走査型電子顕微鏡や電子描画装置など
にその応用が期待されており、近年では、これら分野へ
の応用については、より純度の高い高品質な単結晶が求
められてもいる。
ウムは、融点が高く(3220℃)、仕事関数が比較的
低い(約3.6eV)ことから、長寿命である高輝度電
子放射材料として走査型電子顕微鏡や電子描画装置など
にその応用が期待されており、近年では、これら分野へ
の応用については、より純度の高い高品質な単結晶が求
められてもいる。
【0003】従来、より純度の高い二ホウ化ジルコニウ
ム単結晶の育成法としては、育成温度が高く、不純物が
蒸発によって除去されるフローティング・ゾーン法が適
しているとされてきた。しかしながら、この従来のフロ
ーティングゾーン法では、育成速度を高速にすると、結
晶中に内包物が含有され、さらに、育成速度が雰囲気ガ
スの種類に大きく依存する等の問題点があった。
ム単結晶の育成法としては、育成温度が高く、不純物が
蒸発によって除去されるフローティング・ゾーン法が適
しているとされてきた。しかしながら、この従来のフロ
ーティングゾーン法では、育成速度を高速にすると、結
晶中に内包物が含有され、さらに、育成速度が雰囲気ガ
スの種類に大きく依存する等の問題点があった。
【0004】そこで、この発明は、このような従来法の
欠点を解消し、フローティング・ゾーン法を用い、良質
で大型な二ホウ化ジルコニウム単結晶をより短時間で育
成することができる新しい方法を提供することを目的と
している。
欠点を解消し、フローティング・ゾーン法を用い、良質
で大型な二ホウ化ジルコニウム単結晶をより短時間で育
成することができる新しい方法を提供することを目的と
している。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、フローティング・ゾーン法によ
る二ホウ化ジルコニウム単結晶(ZrB2 )の育成法で
あって、Heガスを雰囲気として、融帯組成B/Zr
(原子比)を1.5〜2.8程度とし、3〜10cm/
hr程度の育成速度で結晶を育成することを特徴とする
二ホウ化ジルコニウム単結晶の育成法を提供する(請求
項1)。
を解決するものとして、フローティング・ゾーン法によ
る二ホウ化ジルコニウム単結晶(ZrB2 )の育成法で
あって、Heガスを雰囲気として、融帯組成B/Zr
(原子比)を1.5〜2.8程度とし、3〜10cm/
hr程度の育成速度で結晶を育成することを特徴とする
二ホウ化ジルコニウム単結晶の育成法を提供する(請求
項1)。
【0006】さらにこの発明は、雰囲気ガスとして約3
〜15気圧のHeガスを用いること(請求項2)等の態
様をも提供する。
〜15気圧のHeガスを用いること(請求項2)等の態
様をも提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】この発明のフローティング・ゾー
ン法による二ホウ化ジルコニウム単結晶の育成法では、
特有の融帯組成とし、育成速度が2cm/hr程度まで
の従来の方法よりも高速度の3cm/hr以上の育成速
度とすることで、育成される二ホウ化ジルコニウム単結
晶には不純物が含まれず、さらには高速で育成すること
により、亜粒界の少ない良質な結晶が得られる。
ン法による二ホウ化ジルコニウム単結晶の育成法では、
特有の融帯組成とし、育成速度が2cm/hr程度まで
の従来の方法よりも高速度の3cm/hr以上の育成速
度とすることで、育成される二ホウ化ジルコニウム単結
晶には不純物が含まれず、さらには高速で育成すること
により、亜粒界の少ない良質な結晶が得られる。
【0008】添付した図面の図1は、この発明の二ホウ
化ジルコニウム単結晶の育成方法のための装置構成を例
示した概略図である。この図1に沿ってフローティング
・ゾーン法による単結晶の育成法について説明すると、
まず二ホウ化ジルコニウム粉末とホウ素粉末を所定比に
混合し、ラバープレス(2000kg/cm2 )により
圧粉棒を作製する。この圧粉棒を真空中または不活性ガ
ス中で千数百℃に加熱し、原料焼結棒(5)を作製す
る。この原料焼結棒(5)をホルダー(3)を介して上
軸(2)にセットし、下軸(20)には種結晶または初
期融帯形成用の焼結棒(8)をホルダー(30)を介し
てセットする。次に、原料焼結棒(5)と種結晶または
初期融帯形成用の焼結棒(8)との間に、初期融帯の組
成を制御するためのホウ素焼結体を挟む。次に、ホウ素
焼結体とその周辺を、ワークコイル(4)に高周波電流
を流し、試料に誘導電流を生じさせることで発生するジ
ュール熱によって加熱することで溶融させる。これによ
って、融帯(6)が形成され、上軸(2)と下軸(2
0)をゆっくりと下方に移動させて単結晶(7)を育成
する。
化ジルコニウム単結晶の育成方法のための装置構成を例
示した概略図である。この図1に沿ってフローティング
・ゾーン法による単結晶の育成法について説明すると、
まず二ホウ化ジルコニウム粉末とホウ素粉末を所定比に
混合し、ラバープレス(2000kg/cm2 )により
圧粉棒を作製する。この圧粉棒を真空中または不活性ガ
ス中で千数百℃に加熱し、原料焼結棒(5)を作製す
る。この原料焼結棒(5)をホルダー(3)を介して上
軸(2)にセットし、下軸(20)には種結晶または初
期融帯形成用の焼結棒(8)をホルダー(30)を介し
てセットする。次に、原料焼結棒(5)と種結晶または
初期融帯形成用の焼結棒(8)との間に、初期融帯の組
成を制御するためのホウ素焼結体を挟む。次に、ホウ素
焼結体とその周辺を、ワークコイル(4)に高周波電流
を流し、試料に誘導電流を生じさせることで発生するジ
ュール熱によって加熱することで溶融させる。これによ
って、融帯(6)が形成され、上軸(2)と下軸(2
0)をゆっくりと下方に移動させて単結晶(7)を育成
する。
【0009】このとき、下軸(20)の移動速度、すな
わち、結晶育成速度は、育成中、常に一定に保持する。
その範囲は3〜10cm/hr程度とする。なお、この
育成速度については、3cm/hr未満と育成速度が遅
いと育成時間が長くなり、融帯からの蒸発物が多量にワ
ークコイルに付着し、育成時間が長くなる程、育成が困
難になる。このため、単結晶としての品質は所定のもの
にならなくなる。一方、10cm/hrを超える場合、
特に、12cm/hrを越える場合にも、単結晶の品質
が所定のものにならない。
わち、結晶育成速度は、育成中、常に一定に保持する。
その範囲は3〜10cm/hr程度とする。なお、この
育成速度については、3cm/hr未満と育成速度が遅
いと育成時間が長くなり、融帯からの蒸発物が多量にワ
ークコイルに付着し、育成時間が長くなる程、育成が困
難になる。このため、単結晶としての品質は所定のもの
にならなくなる。一方、10cm/hrを超える場合、
特に、12cm/hrを越える場合にも、単結晶の品質
が所定のものにならない。
【0010】このため、この発明では、その育成速度は
3〜10cm/hr程度とする。実際には、後述のよう
に、融帯組成B/Zr(原子比)や、Heガス圧等によ
っても異なるが、育成速度は、3〜10cm/hr、さ
らには4〜10cm/hr程度とするのが好ましい。そ
して、融帯組成B/Zr(原子比)については、この発
明では、良質な単結晶の高速度での育成を可能とするた
めに、略1.5〜2.8程度とする。
3〜10cm/hr程度とする。実際には、後述のよう
に、融帯組成B/Zr(原子比)や、Heガス圧等によ
っても異なるが、育成速度は、3〜10cm/hr、さ
らには4〜10cm/hr程度とするのが好ましい。そ
して、融帯組成B/Zr(原子比)については、この発
明では、良質な単結晶の高速度での育成を可能とするた
めに、略1.5〜2.8程度とする。
【0011】また、上軸(2)の移動速度、すなわち、
原料焼結棒(5)の融帯(6)への供給速度は、原料焼
結棒(5)の密度が低いため、それを補償して原料焼結
棒(5)とほぼ同じ直径の単結晶が育成されるように設
定する。また、雰囲気ガスとしてはHeガスを用いる
が、これはワークコイル(4)で発生する放電を防止
し、育成時の融帯からの蒸発を抑制するものである。
原料焼結棒(5)の融帯(6)への供給速度は、原料焼
結棒(5)の密度が低いため、それを補償して原料焼結
棒(5)とほぼ同じ直径の単結晶が育成されるように設
定する。また、雰囲気ガスとしてはHeガスを用いる
が、これはワークコイル(4)で発生する放電を防止
し、育成時の融帯からの蒸発を抑制するものである。
【0012】雰囲気ガスの種類と育成速度への影響につ
いて調べるため、定比組成をもつ原料焼結棒(5)によ
り、不活性ガスのうちのHeとAr雰囲気での育成速度
と結晶性の関係をみると、融帯組成(B/Zr原子比)
が1.5で、Heガスの雰囲気では3cm/hrの育成
速度においても、内包物を含まない良質な単結晶が得ら
れたのに対し、Ar雰囲気では2cm/hr以上の育成
速度では結晶内に内包物が観察される。
いて調べるため、定比組成をもつ原料焼結棒(5)によ
り、不活性ガスのうちのHeとAr雰囲気での育成速度
と結晶性の関係をみると、融帯組成(B/Zr原子比)
が1.5で、Heガスの雰囲気では3cm/hrの育成
速度においても、内包物を含まない良質な単結晶が得ら
れたのに対し、Ar雰囲気では2cm/hr以上の育成
速度では結晶内に内包物が観察される。
【0013】この結果から、Heガスを雰囲気ガスとし
て用いると、育成速度を50%以上高速化することが明
らかになる。これは、Heガスが大きな冷却効果を有す
ることから、融帯中の温度分布を不均一化させ、対流を
激しくさせたため融液内が激しく攪拌されたためと推測
される。Heガス雰囲気における融帯組成の結晶育成速
度への影響を調べると、たとえばHeガス雰囲気下で
は、結晶中に内包物が含有される育成条件は図2のよう
に例示される。図中の×は内包物を含む場合であり、○
は内包物を含まない場合である。
て用いると、育成速度を50%以上高速化することが明
らかになる。これは、Heガスが大きな冷却効果を有す
ることから、融帯中の温度分布を不均一化させ、対流を
激しくさせたため融液内が激しく攪拌されたためと推測
される。Heガス雰囲気における融帯組成の結晶育成速
度への影響を調べると、たとえばHeガス雰囲気下で
は、結晶中に内包物が含有される育成条件は図2のよう
に例示される。図中の×は内包物を含む場合であり、○
は内包物を含まない場合である。
【0014】この図2に示されるように、融帯組成が定
比組成付近(B/Zr=2)においては、育成速度が1
0cm/hr以上であっても、内包物を含有しない結晶
を育成することができる。しかしながら、10cm/h
rを超えて高速にすると、得られる結晶に亜粒界が含ま
れることがあり、良質結晶育成の再現性が低下する。し
たがって、好ましくは10cm/hr以下である。
比組成付近(B/Zr=2)においては、育成速度が1
0cm/hr以上であっても、内包物を含有しない結晶
を育成することができる。しかしながら、10cm/h
rを超えて高速にすると、得られる結晶に亜粒界が含ま
れることがあり、良質結晶育成の再現性が低下する。し
たがって、好ましくは10cm/hr以下である。
【0015】また、融帯組成がホウ素過剰側にずれた場
合(すなわち、B/Zr>2)には、ジルコニウム過剰
側にずれた場合(すなわち、B/Zr<2)に比べ、ホ
ウ素過剰側にずれると原子量の小さなホウ素がフラック
ス(溶剤)となることで、成長界面直前の境界層中の拡
散が容易であり、育成速度をそれほど急に下げる必要が
ないこともわかる。
合(すなわち、B/Zr>2)には、ジルコニウム過剰
側にずれた場合(すなわち、B/Zr<2)に比べ、ホ
ウ素過剰側にずれると原子量の小さなホウ素がフラック
ス(溶剤)となることで、成長界面直前の境界層中の拡
散が容易であり、育成速度をそれほど急に下げる必要が
ないこともわかる。
【0016】さらに、融帯組成(B/Zr原子比)が
1.5〜2.8の範囲においては、従来の方法による育
成速度(3cm/hr程度まで)よりも高速な育成速度
(3cm/hr以上)が可能である。化合物結晶を育成
する場合、一般には、育成速度が2cm/h以下である
が、ZrB2 結晶の育成においては、10cm/hrの
高速での育成も可能になる。これは、育成温度が320
0℃と高いことから融液中の原子の動きが活発なことも
影響していると考えられる。
1.5〜2.8の範囲においては、従来の方法による育
成速度(3cm/hr程度まで)よりも高速な育成速度
(3cm/hr以上)が可能である。化合物結晶を育成
する場合、一般には、育成速度が2cm/h以下である
が、ZrB2 結晶の育成においては、10cm/hrの
高速での育成も可能になる。これは、育成温度が320
0℃と高いことから融液中の原子の動きが活発なことも
影響していると考えられる。
【0017】なお、Heガスの圧力については、厳密で
はないが、通常は15気圧以下、さらには3〜15気圧
程度が考慮される。雰囲気ガスには、融帯からの蒸発を
抑制する作用があり、雰囲気圧が低いと蒸発が充分に抑
制できず、ワークコイルに多量の蒸発物が付着し、長時
間の育成が困難になる。Heガスの場合には、3気圧未
満のもとでは30分間の融帯保持も難しく、実際の結晶
育成には適していない。また、15気圧を超えて雰囲気
圧を高くすることには、結晶育成上の意味はなく、効果
において変わらない。
はないが、通常は15気圧以下、さらには3〜15気圧
程度が考慮される。雰囲気ガスには、融帯からの蒸発を
抑制する作用があり、雰囲気圧が低いと蒸発が充分に抑
制できず、ワークコイルに多量の蒸発物が付着し、長時
間の育成が困難になる。Heガスの場合には、3気圧未
満のもとでは30分間の融帯保持も難しく、実際の結晶
育成には適していない。また、15気圧を超えて雰囲気
圧を高くすることには、結晶育成上の意味はなく、効果
において変わらない。
【0018】なお、Heガスに代えて、Ar、Ne、X
e等の他の不活性ガスの使用も考えられるが、Arの場
合には、前述したように、育成速度が遅くなり、雰囲気
ガスとして最適でない。また他のガスでは、その効果は
充分でなく、また、その入手、コストを考えても実現的
ではない。
e等の他の不活性ガスの使用も考えられるが、Arの場
合には、前述したように、育成速度が遅くなり、雰囲気
ガスとして最適でない。また他のガスでは、その効果は
充分でなく、また、その入手、コストを考えても実現的
ではない。
【0019】以下、実施例を示してさらに詳しくこの発
明の二ホウ化ジルコニウムの単結晶の育成法について説
明する。
明の二ホウ化ジルコニウムの単結晶の育成法について説
明する。
【0020】
【実施例】図1に示した育成装置を用い、二ホウ化ジル
コニウム単結晶を以下の通り育成した。二ホウ化ジルコ
ニウム粉末にホウ素粉末をB/Zr=2.1になるよう
に添加混合した後、直径10mmのゴム袋詰めて円柱状
に成形した。これを2000kg/cm2 のラバープレ
スを行い圧粉体を得た。この圧粉体を真空中で1700
℃で加熱し、直径9mm、長さ150mm程度の原料焼
結体(5)を得た。この原料焼結体(5)の密度は約6
0%であった。
コニウム単結晶を以下の通り育成した。二ホウ化ジルコ
ニウム粉末にホウ素粉末をB/Zr=2.1になるよう
に添加混合した後、直径10mmのゴム袋詰めて円柱状
に成形した。これを2000kg/cm2 のラバープレ
スを行い圧粉体を得た。この圧粉体を真空中で1700
℃で加熱し、直径9mm、長さ150mm程度の原料焼
結体(5)を得た。この原料焼結体(5)の密度は約6
0%であった。
【0021】この原料焼結棒(5)を図1に示すように
育成炉の上軸(2)にホルダー(3)を介して固定し、
下軸(20)にはホルダー(3)を介して二ホウ化ジル
コニウム焼結体を固定した。育成炉に6気圧のHeガス
を充填した後、ワークコイル(4)(内径16mm、3
巻2段)によりホウ素焼結体とその周辺部を溶融し初期
融帯を形成し、9cm/hの速度で下方に移動させ、全
長6cm、直径0.9cmの単結晶を育成した。結晶組
成B/Zr=2.0であった。その際、融帯組成は、B
/Zr=2.0であった。
育成炉の上軸(2)にホルダー(3)を介して固定し、
下軸(20)にはホルダー(3)を介して二ホウ化ジル
コニウム焼結体を固定した。育成炉に6気圧のHeガス
を充填した後、ワークコイル(4)(内径16mm、3
巻2段)によりホウ素焼結体とその周辺部を溶融し初期
融帯を形成し、9cm/hの速度で下方に移動させ、全
長6cm、直径0.9cmの単結晶を育成した。結晶組
成B/Zr=2.0であった。その際、融帯組成は、B
/Zr=2.0であった。
【0022】単結晶のインクリュージョンについて、結
晶終端部から(1120)面を切り出し、鏡面研磨の
後、エッチング(硝酸:フッ酸:水=1:1:2の液で
数分程度)して顕微鏡観察を行った。上記の結晶は、厚
さ1mmの多結晶の皮で覆われるが、中心部にはインク
リュージョンは全く含まれず、さらに亜粒界を含まない
良質結晶であることを確認した。
晶終端部から(1120)面を切り出し、鏡面研磨の
後、エッチング(硝酸:フッ酸:水=1:1:2の液で
数分程度)して顕微鏡観察を行った。上記の結晶は、厚
さ1mmの多結晶の皮で覆われるが、中心部にはインク
リュージョンは全く含まれず、さらに亜粒界を含まない
良質結晶であることを確認した。
【0023】
【発明の効果】この発明により、以上詳しく説明したと
おり、結晶欠陥(亜粒界)を含まない良質な二ホウ化ジ
ルコニウム単結晶を高速育成して得られる。これによ
り、二ホウ化ジルコニウム単結晶を長寿命な高輝度電子
放射材料として利用することが可能となる。
おり、結晶欠陥(亜粒界)を含まない良質な二ホウ化ジ
ルコニウム単結晶を高速育成して得られる。これによ
り、二ホウ化ジルコニウム単結晶を長寿命な高輝度電子
放射材料として利用することが可能となる。
【図1】この発明の二ホウ化ジルコニウム単結晶の育成
のための装置を例示した概略図である。
のための装置を例示した概略図である。
【図2】Heガス雰囲気における結晶中に内包物が含有
する育成条件を示した図である。×は内包物を含む場合
であり、○は内包物を含まない場合である。
する育成条件を示した図である。×は内包物を含む場合
であり、○は内包物を含まない場合である。
1 上軸駆動部 10 下軸駆動部 2 上軸 20 下軸 3 ホルダー 30 ホルダー 4 ワークコイル 5 原料焼結棒 6 融帯 7 単結晶 8 種結晶または初期融帯形成用の焼結棒
Claims (2)
- 【請求項1】 フローティング・ゾーン法による二ホウ
化ジルコニウム単結晶(ZrB2 )の育成法であって、
Heガスを雰囲気として、融帯組成B/Zr(原子比)
を1.5〜2.8程度とし、3〜10cm/hr程度の
育成速度で結晶を育成することを特徴とする二ホウ化ジ
ルコニウム単結晶の育成法。 - 【請求項2】 約3〜15気圧のHeガスを雰囲気とし
て用いる請求項1の二ホウ化ジルコニウム単結晶の育成
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26557496A JPH1095699A (ja) | 1996-09-13 | 1996-09-13 | ニホウ化ジルコニウム単結晶の育成法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP26557496A JPH1095699A (ja) | 1996-09-13 | 1996-09-13 | ニホウ化ジルコニウム単結晶の育成法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1095699A true JPH1095699A (ja) | 1998-04-14 |
Family
ID=17419014
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP26557496A Pending JPH1095699A (ja) | 1996-09-13 | 1996-09-13 | ニホウ化ジルコニウム単結晶の育成法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1095699A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003104800A (ja) * | 2001-09-28 | 2003-04-09 | National Institute For Materials Science | ホウ化物単結晶と半導体形成用基板及びその製造方法 |
JP2005154233A (ja) * | 2003-11-28 | 2005-06-16 | Kyocera Corp | 二ホウ化物単結晶の製造方法 |
EP1749905A1 (en) | 2005-07-26 | 2007-02-07 | Kyocera Corporation | Method for manufacturing boride single crystal and substrate |
JP2009173512A (ja) * | 2007-12-27 | 2009-08-06 | National Institute For Materials Science | 二ホウ化ジルコニウム(ZrB2)単結晶とその育成法並びに半導体形成用基板 |
JP4515674B2 (ja) * | 2001-09-11 | 2010-08-04 | 独立行政法人物質・材料研究機構 | ホウ化物単結晶と半導体形成用基板 |
-
1996
- 1996-09-13 JP JP26557496A patent/JPH1095699A/ja active Pending
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JP4538619B2 (ja) * | 2001-09-28 | 2010-09-08 | 独立行政法人物質・材料研究機構 | ホウ化物単結晶と半導体形成用基板及びその製造方法 |
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