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JPH108011A - アクリル系接着剤組成物 - Google Patents

アクリル系接着剤組成物

Info

Publication number
JPH108011A
JPH108011A JP4252897A JP4252897A JPH108011A JP H108011 A JPH108011 A JP H108011A JP 4252897 A JP4252897 A JP 4252897A JP 4252897 A JP4252897 A JP 4252897A JP H108011 A JPH108011 A JP H108011A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
copolymer
alkyl
meth
vinyl
adhesive composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4252897A
Other languages
English (en)
Inventor
Masateru Fukuoka
正輝 福岡
Hiroshi Miyashita
拓 宮下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP4252897A priority Critical patent/JPH108011A/ja
Publication of JPH108011A publication Critical patent/JPH108011A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Graft Or Block Polymers (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温から高温までの広い温度範囲において接
着性に優れ、被着体の極性を問わず良好な接着性を示
し、また、ホットメルト型での使用に適したアクリル系
接着剤組成物を提供する。 【解決手段】 重量平均分子量が1万〜400万である
ブロック共重合体(I)からなるアクリル系接着剤組成
物であって、前記ブロック共重合体(I)は、一般式
(A−B)a−A、一般式(B−A)b−B、一般式
(A−B)c、一般式(A−B)m−X、及び一般式A
o−T−Bpで表されるブロック共重合体の群から選ば
れる1種以上のブロック共重合体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアクリル系接着剤組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】接着剤組成物は、その用途の広がりに伴
って要求される性能が高度化する傾向にある。接着剤組
成物としては、従来、ゴム系のものが知られている。し
かし、ゴム系接着剤組成物は高度化する要求性能に応え
ることが困難である。そこで、ゴム系接着剤組成物に比
べ、凝集力、耐候性、耐油性等に優れる(メタ)アクリ
ル酸エステル系ランダム共重合体からなるアクリル系の
接着剤組成物が開発され、各種用途に利用されている。
【0003】アクリル系共重合体は、それ自体にタック
感があり、粘着付与樹脂を添加しなくても接着剤となり
得るが、ポリエチレンやポリプロピレン等の低極性被着
体に対しては良好な接着性を発揮しにくい。また、金属
板等の高極性被着体に対する接着性を向上させるため
に、カルボキシル基含有モノマー等の極性モノマーを共
重合させることが行われるが、このような極性モノマー
の共重合量を増やすと、ポリエチレンやポリプロピレン
等の低極性被着体に対する接着力は事実上許容できない
程度に低下する。このため、低極性被着体に対する接着
力の向上を目的として粘着付与樹脂が添加される。
【0004】しかしながら、アクリル系共重合体に粘着
付与樹脂を添加して得られる接着剤においては、常温に
おける低極性被着体に対する接着力の向上はみられるも
のの、低温時におけるタックが著しく低下する。
【0005】このような問題を解決する方法として、特
開平3−281587号公報には、特定の水酸基含有樹
脂酸エステル化物を粘着付与樹脂として使用したアクリ
ル系接着剤組成物が開示されている。
【0006】しかしながら、このものは低温における接
着性は改善されるが、凝集力は必ずしも満足できるもの
ではない。
【0007】ところで、近年、溶剤を用いる接着剤によ
る環境汚染問題が厳しく取り上げられるようになり、ま
た、省エネルギー、省資源の観点からも溶剤を使用しな
いホットメルト型の接着剤組成物がクローズアップされ
ている。
【0008】現在、ホットメルト型接着剤組成物として
は、熱溶融性、流動性、他の樹脂との相溶性に優れてい
ることから、エチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分と
するものが主流である。
【0009】しかしながら、エチレン−酢酸ビニル共重
合体を主成分とするホットメルト型接着剤組成物はタッ
クが低く、低温時における接着性に劣り、また、ポリエ
チレンやポリプロピレン等のオレフィン系共重合体への
接着力が不充分である。
【0010】オレフィン系共重合体等の低極性被着体へ
の接着性を高めたホットメルト型接着剤組成物として、
特開昭54−91540号公報には、共役ジオレフィン
重合体及びモノビニル置換芳香族化合物重合体からなる
ブロック共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エ
チレン系樹脂、フェノール系樹脂、並びに、粘着付与樹
脂からなるものが開示されている。
【0011】特開昭54−127441号公報には、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、限定された分子量を有す
る液状ゴム、及び粘着付与樹脂からなるものが開示され
ている。
【0012】しかし、これらのものは、その組成中に共
役二重結合を有するので、光や熱に対する耐劣化性にお
いて満足できるものではない。
【0013】アクリル系のホットメルト型接着剤組成物
として、特開昭59−75975号公報には、(メタ)
アクリル酸エステルを主成分とする主鎖に重合性ポリマ
ーをグラフト重合させたものが開示されている。
【0014】しかしながら、このものは熱溶融性と凝集
力とをバランスよく付与することが困難である。即ち、
このものをホットメルト型接着剤として使用した場合、
60℃以上の高温になると接着剤が流動して塗布部から
はみ出してしまう。そして、流動性を制御するために凝
集力を高めると、溶融粘度が高くなりすぎて塗布が困難
になる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点に鑑み、低温から高温までの広い温度範囲において接
着性に優れ、被着体の極性を問わず良好な接着性を示
し、また、ホットメルト型での使用に適したアクリル系
接着剤組成物を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明のアクリル系接着
剤組成物は、重量平均分子量が1万〜400万であるブ
ロック共重合体(I)からなるアクリル系接着剤組成物
であって、前記ブロック共重合体(I)は、一般式(A
−B)a−A、一般式(B−A)b−B、一般式(A−
B)c、一般式(A−B)m−X、及び一般式Ao−T
−Bpで表されるブロック共重合体の群から選ばれる1
種以上のブロック共重合体であることを特徴とするもの
である。
【0017】式中、Aは、20℃以上のガラス転移温度
を有するビニル系重合体若しくはビニル系共重合体、又
は、20℃以上のガラス転移温度を有し、水酸基含有ビ
ニル系モノマーを含有するビニル系共重合体を表す。
【0018】Bは、Aが20℃以上のガラス転移温度を
有するビニル系重合体もしくはビニル系共重合体である
ときは、0℃以下のガラス転移温度を有し、水酸基含有
ビニル系モノマー及びアルキル基の炭素数が1〜12の
アルキル(メタ)アクリレートからなる共重合体を表
す。
【0019】又、Bは、Aが20℃以上のガラス転移温
度を有し、水酸基含有ビニル系モノマーを含有すビニル
系共重合体であるときは、0℃以下のガラス転移温度を
有し、アルキル基の炭素数が1〜12のアルキル(メ
タ)アクリレートからなる重合体もしくは共重合体を表
す。
【0020】Xは複数個の共重合体(A−B)を結合す
ることのできる化合物残基、TはAとBとを結合するこ
とのできる化合物残基を表す。mは3〜30の整数を表
し、a、b、cは同一又は異なって1〜10の整数を表
す。o、pは同一又は異なって1以上の整数を表し、o
+p=3〜30の関係にある。以下、このものを「アク
リル系接着剤組成物(I)」という。以下に本発明を詳
述する。
【0021】本発明のアクリル系接着剤組成物(I)
は、ブロック共重合体(I)が配合される。上記ブロッ
ク共重合体(I)は、重量平均分子量1万〜400万の
ものである。1万未満であると、接着剤としての凝集力
が充分でなく、400万を超えると、粘度が上昇し、塗
工性が悪化するので、上記範囲に限定される。好ましく
は25万〜200万のものである。
【0022】上記ブロック共重合体(I)は、一般式
(A−B)a−A、一般式(B−A)b−B、一般式
(A−B)c、一般式(A−B)m−X、及び一般式A
o−T−Bpで表されるブロック共重合体の群から選ば
れる1種以上のブロック共重合体が、少なくとも1個の
AもしくはBを介して結合されているブロック共重合体
である。
【0023】上記各一般式で表されるブロック共重合体
は、Aで表されるブロックとして、ビニル系重合体、ビ
ニル系共重合体、又は、水酸基含有ビニル系モノマーを
含有するビニル系共重合体のいずれかを有するものであ
る。
【0024】上記ビニル系重合体、ビニル系共重合体、
又は、水酸基含有ビニル系モノマーのいずれかを含有す
るビニル系共重合体は、20℃以上のガラス転移温度を
有するものである。20℃未満であると優れた凝集力及
び接着性を発揮することができないので、上記範囲に限
定される。好ましくは50〜200℃のガラス転移温度
を有するものである。
【0025】上記Aで表されるブロックを形成するビニ
ル系重合体及びビニル系共重合体を構成するモノマーと
しては特に限定されず、例えば、スチレン、メチルメタ
クリレート、エチルメタクリレート、α−メチルスチレ
ン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、酢酸ビ
ニル、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、
マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニト
リル、N−ビニルピロリドン、アクリルアミド、メタク
リルアミド等が挙げられる。これらのうち、凝集力向上
の点でスチレン、メチルメタクリレートが好ましい。こ
れらを単独で使用することによりビニル系重合体とする
ことができ、2種以上を使用することによりビニル系共
重合体とすることができる。
【0026】上記Aで表されるブロックを形成する上記
水酸基含有ビニル系モノマーを含有するビニル系共重合
体は、水酸基含有ビニル系モノマーとその他のビニル系
モノマーとを共重合してなるものである。
【0027】上記水酸基含有ビニル系モノマーとしては
特に限定されず、例えば、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、
4−ヒドロキシブチルアクリレート、カプロラクトン変
成(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンオキシド
変成(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0028】その他のビニル系モノマーとしては特に限
定されず、例えば、スチレン、メチルメタクリレート、
エチルメタクリレート、α−メチルスチレン、o−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、アクリロニトリル、
酢酸ビニル等が挙げられる。これらのうち凝集力向上の
点で、スチレン、メチルメタクリレートが好ましい。こ
れらは単独で使用することも、又、2種以上を併用する
ことができる。
【0029】上記水酸基含有ビニル系モノマーを含有す
るビニル系共重合体中の水酸基含有ビニル系モノマーの
含有量は、0.1〜10重量%が好ましい。0.1重量
%未満であると接着剤としての凝集力が不足し、充分な
耐熱性を発揮することができず、10重量%を超えると
架橋度が高くなり、充分な接着性能を発揮することがで
きない。より好ましくは0.5〜5重量%である。
【0030】上記ビニル系重合体、ビニル系共重合体、
又は、水酸基含有ビニル系モノマーを含有するビニル系
共重合体は、重量平均分子量500〜100万のものが
好ましい。500未満であるとブロックとしての機能が
発現せず、充分な耐熱性を発揮できず、100万を超え
ると粘度上昇等の問題が生じる。
【0031】上記各一般式で表されるブロック共重合体
は、Bで表されるブロックとしてアルキル基の炭素数が
1〜12のアルキル(メタ)アクリレートからなる重合
体、アルキル基の炭素数が1〜12のアルキル(メタ)
アクリレートからなる共重合体、又は、水酸基含有ビニ
ル系モノマー及びアルキル基の炭素数が1〜12のアル
キル(メタ)アクリレートからなる共重合体を有する。
【0032】上記アルキル基の炭素数が1〜12のアル
キル(メタ)アクリレートからなる重合体、アルキル基
の炭素数が1〜12のアルキル(メタ)アクリレートか
らなる共重合体、及び、水酸基含有ビニル系モノマー及
びアルキル基の炭素数が1〜12のアルキル(メタ)ア
クリレートからなる共重合体は、0℃以下のガラス転移
温度を有するものである。0℃を超えるとタック力が不
足し、低温接着性が低下するので上記範囲に限定され
る。好ましくは−20〜−50℃のガラス転移温度を有
するものである。
【0033】上記アルキル基の炭素数が1〜12のアル
キル(メタ)アクリレートからなる重合体及び上記アル
キル基の炭素数が1〜12のアルキル(メタ)アクリレ
ートからなる共重合体を構成するアルキル基の炭素数が
1〜12のアルキル(メタ)アクリレートとしては特に
限定されず、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アク
リレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブ
チル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリ
レート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキ
シル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アク
リレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エ
チルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メ
タ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等が
挙げられる。これらを単独で使用することにより、アル
キル基の炭素数が1〜12のアルキル(メタ)アクリレ
ートからなる重合体とすることができ、2種以上併用す
ることにより炭素数が1〜12のアルキル基を有するア
ルキル(メタ)アクリレートからなる共重合体とするこ
とができる。
【0034】上記Bで表されるブロックにおいて、水酸
基含有ビニル系モノマー及びアルキル基の炭素数が1〜
12のアルキル(メタ)アクリレートからなる共重合体
は、水酸基含有ビニル系モノマーとアルキル基の炭素数
が1〜12のアルキル(メタ)アクリレートとを共重合
したものである。水酸基含有ビニル系モノマーとして
は、Aで表されるブロックを形成する水酸基含有ビニル
系モノマーを含有するビニル系共重合体において例示し
たものと同様のものを挙げることができる。
【0035】上記Bで表されるブロックを形成する上記
水酸基含有ビニル系モノマー及びアルキル基の炭素数が
1〜12のアルキル(メタ)アクリレートからなる共重
合体における上記水酸基含有ビニル系モノマーの含有量
は0.1〜5重量%が好ましい。0.1重量%未満であ
ると接着剤としての凝集力が不足し、充分な耐熱性を発
揮できず、5重量%を超えると架橋度が高くなり、充分
な接着性能を発揮できない。より好ましくは0.1〜1
重量%である。
【0036】上記アルキル基の炭素数が1〜12のアル
キル(メタ)アクリレートからなる重合体、上記アルキ
ル基の炭素数が1〜12のアルキル(メタ)アクリレー
トからなる共重合体、又は、上記水酸基含有ビニル系モ
ノマー及びアルキル基の炭素数が1〜12のアルキル
(メタ)アクリレートからなる共重合体においては、ガ
ラス転移温度及び接着力の調節のために、必要に応じ
て、更に、他のビニル系モノマーを共重合させることが
できる。上記他のビニル系モノマーとしては特に限定さ
れず、例えば、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリ
ロニトリル、N−ビニルピロリドン、アクリロイルモル
ホリン等が挙げられる。
【0037】水酸基含有ビニル系モノマー及びアルキル
基の炭素数が1〜12のアルキル(メタ)アクリレート
からなる共重合体中において、上記他のビニル系モノマ
ーを共重合する場合においては、その含有量は55.0
重量%以下が好ましい。55重量%を超えると得られる
組成物が硬くなりすぎ、良好な接着性を発現することが
できない。
【0038】アルキル基の炭素数が1〜12のアルキル
(メタ)アクリレートからなる重合体、アルキル基の炭
素数が1〜12のアルキル(メタ)アクリレートからな
る共重合体、又は、水酸基含有ビニル系モノマー及びア
ルキル基の炭素数が1〜12のアルキル(メタ)アクリ
レートからなる共重合体は、重量平均分子量が9500
〜300万であるものが好ましい。9500未満である
と凝集力が充分でなく、300万を超えると粘度上昇等
の問題が生じる。
【0039】本発明においては、上記Bで表されるブロ
ックは、上記Aで表されるブロックが20℃以上のガラ
ス転移温度を有するビニル系重合体もしくはビニル系共
重合体であるときは、0℃以下のガラス転移温度を有
し、水酸基含有ビニル系モノマー及びアルキル基の炭素
数が1〜12のアルキル(メタ)アクリレートからなる
共重合体である。
【0040】又、上記Bで表されるブロックは、上記A
で表されるブロックが20℃以上のガラス転移温度を有
し、水酸基含有ビニル系モノマーを含有するビニル系共
重合体であるときは、0℃以下のガラス転移温度を有
し、アルキル基の炭素数が1〜12のアルキル(メタ)
アクリレートからなる重合体もしくは共重合体である。
【0041】上記各一般式で表されるブロック共重合体
のいずれにおいても、上記Aで表されるブロックとして
水酸基含有ビニル系モノマーを含有するビニル系共重合
体を使用する場合には、その含有量は0.5〜60.0
モル%が好ましい。0.5モル%未満であると耐熱性が
充分でなく、60.0モル%を超えると低温接着力や初
期接着力が充分でなくなる。
【0042】上記一般式(A−B)a−Aで表されるブ
ロック共重合体、上記一般式(B−A)b−Bで表され
るブロック共重合体、及び、上記一般式(A−B)cで
表されるブロック共重合体において、a、b、cは同一
又は異なって1〜10の整数である。10を超えると粘
度が上昇し、基材への塗工性が悪くなるので上記範囲に
限定される。好ましくは1〜8である。
【0043】一般式(A−B)m−X、一般式Ao−T
−Bpで表されるブロック共重合体で、mは3〜30の
整数を表す。o、pは同一又は異なって1以上の整数を
表し、o+p=3〜30の関係にある。
【0044】一般式(A−B)m−Xにおいて、複数個
の共重合体(A−B)を結合することのできる化合物残
基Xとしては、例えば、共重合体(A−B)をアニオン
重合などのリビング重合で得た場合、テトラクロロシラ
ンあるいはトリクロロメチルベンゼン、テトラクロロメ
チルベンゼン、ペンタクロロメチルベンゼン、ヘキサク
ロロメチルベンゼンなど含ハロゲン基が1分子中に3個
以上含まれる多官能開始剤などが挙げられる。該化合物
残基Xは共重合体(A−B)の重合停止剤として添加す
ることで(A−B)m−Xブロック共重合体が得られ
る。
【0045】又、一般式Ao−T−Bpにおいて、Aと
Bとを結合することのできる化合物残基Tとしては、例
えば、1分子中にパーオキサイド基を3個以上含む開始
剤〔2,2−Bis(4,4−di−t−butylp
eroxycyclohexyl)propane(日
本油脂社製,商品名「パーテトラA」)〕、あるいはO
−allylOO−t−butylmonoperox
ycarbonate(日本油脂社製,商品名「ペロマ
ーAC」)、あるいはO−vinylOO−t−but
ylmonoperoxycarbonateなどビニ
ル基含有パーオキサイドをブロックAあるいはブロック
Bの構成モノマーと共重合させた共重合体が挙げられ
る。
【0046】本発明においては、上記各一般式で表され
るブロック共重合体の構造としては特に限定されず、例
えば、直鎖状構造のもの、櫛型構造のもの、星型構造の
もの等が挙げられる。好ましくは、直鎖状構造のもので
ある。しかしながら、櫛型構造を得るためにマクロモノ
マーを用いることは好ましくない。これはマクロモノマ
ーの製造過程に由来するものであり、以下の3つが問題
点として挙げられる。 (1)マクロモノマー自体に副反応生成物としての2量
体が存在しているため、重合工程でゲルが発生するとい
う問題があり、ゲル化を抑制するためにマクロモノマー
の配合量を低減すると、必然的に目的の性能が得られな
い。 (2)高分子量の枝を有する櫛型構造の共重合体を得る
ためにマクロモノマーの分子量を数万以上にしようとす
ると、付加重合に必要な末端反応基の導入が困難とな
り、多量に副生成する未反応オリゴマーのために所望の
物性が得られなくなる。 (3)マクロモノマーは一般にアニオン重合で合成され
るので、使用できるモノマーの種類が限定され、特に極
性基を少量しか導入できないので設計自由度が狭くなる
という欠点もある。
【0047】これらのブロック共重合体が星型構造であ
る場合においては、例えば、上記水酸基含有ビニル系モ
ノマーを含有するビニル系共重合体が内側にあって上記
アルキル基の炭素数が1〜12のアルキル(メタ)アク
リレートからなる重合体又は上記アルキル基の炭素数が
1〜12のアルキル(メタ)アクリレートからなる共重
合体が外側にある構造であってもよく、また、例えば、
上記アルキル基の炭素数が1〜12のアルキル(メタ)
アクリレートからなる重合体又は上記アルキル基の炭素
数が1〜12のアルキル(メタ)アクリレートからなる
共重合体が内側にあって上記水酸基含有ビニル系モノマ
ーを含有するビニル系共重合体が外側にある構造であっ
てもよい。
【0048】上記各一般式で表されるブロック共重合体
の合成方法としては特に限定されず、例えば、リビング
重合法、反応性の異なる開始点を有する開始剤を用いる
方法、1分子中に反応性基と開始点とを有する開始剤を
もちいる方法、紫外線重合法等を採用することができ
る。
【0049】上記リビング重合法によれば、リビング重
合性の開始剤を用いて、例えば、先ず、水酸基含有ビニ
ル系モノマー及びその他のビニル系モノマー、又は、ア
ルキル基の炭素数が1〜12のアルキル(メタ)アクリ
レートのいずれか一方の重合を行い、Aで表されるブロ
ック又はBで表されるブロックの重合が完結した時点で
他の重合体又は共重合体を構成するモノマーを添加し、
成長鎖末端に更に続けて重合反応を行い、Bで表される
ブロック又はAで表されるブロックの重合を行うことが
できる。
【0050】上記リビング重合法としては特に限定され
ず、例えば、N,N,N′,N′−テトラエチルリチウ
ムジスルフィド、ベンジル−N,N−ジエチルジチオカ
ルバメート、p−キシレンビス(N,N−ジエチルジチ
オカルバメート)等のイニフィータを開始剤として用い
る方法;有機ランタノイド化合物を開始剤として用いる
方法;アルキルリチウム等を開始剤として用いるアニオ
ン重合法;シリルケテンアセタール等を開始剤として用
いるグループトランスファー法;アルミニウムポルフィ
リンを開始剤として用いる方法;メタルフリーリビング
アニオン法;リビングラジカル法等の公知の各手法を採
用することができる。
【0051】反応性の異なる開始点を有する開始剤を用
いる方法としては特に限定されず、例えば、ラジカル発
生温度の異なるパーオキサイド基を少なくとも2つ有す
る開始剤を用いる方法、ラジカル発生機構の異なるパー
オキサイド基を少なくとも2つ有する開始剤を用いる方
法等を採用することができる。
【0052】上記ラジカル発生温度の異なるパーオキサ
イド基を少なくとも2つ有する開始剤を用いる方法によ
れば、例えば、低温側開始点から、水酸基含有ビニル系
モノマー及びその他のビニル系モノマー、又は、アルキ
ル基の炭素数が1〜12のアルキル(メタ)アクリレー
トの重合反応を開始させ、Aで表されるブロック又はB
で表されるブロックの重合を開始させた後、高温側開始
点から他の重合体又は共重合体を構成するモノマーの重
合を開始させることにより、ブロックB又はブロックA
の重合を行うことができる。
【0053】上記ラジカル発生機構の異なるパーオキサ
イド基を少なくとも2つ有する開始剤を用いる方法によ
れば、例えば、一方の開始点に還元剤を用いてラジカル
を発生させて、水酸基含有ビニル系モノマー及びその他
のビニル系モノマー、又は、アルキル基の炭素数が1〜
12のアルキル(メタ)アクリレートの重合反応を開始
させ、Aで表されるブロック又はBで表されるブロック
の重合を開始させた後、温度を上げて他方の開始点から
他の重合体又は共重合体を構成するモノマーの重合を開
始させて、ブロックB又はブロックBの重合を行うこと
ができる。
【0054】具体的には、例えば、水酸基含有ビニル系
モノマー、その他のビニル系モノマー、及び、一分子中
に2つ以上のパーオキサイド基を有するラジカル重合開
始剤を、設定された温度レベル1で加熱反応させて水酸
基含有ビニル系モノマーを含有するビニル系共重合体を
重合し、次いで、アルキル基の炭素数が1〜12のアル
キル(メタ)アクリレートを加え、上記温度レベル1よ
り高温に設定された温度レベル2で加熱反応させること
により、一般式(A−B)cで表されるブロック共重合
体を合成することができる。
【0055】1分子中に反応性基と開始点とを有する開
始剤を用いる方法としては特に限定されず、例えば、1
分子中にパーオキサイド基とビニル基を少なくとも1つ
ずつ有する開始剤(D)を用いる方法などを採用するこ
とができる。上記1分子中にパーオキサイド基とビニル
基を少なくとも1つずつ有する開始剤(D)を用いるに
は、開始剤(D)とは異なる光開始剤あるいは低温活性
を有する開始剤によって、ビニル系モノマー又はアルキ
ル基の炭素数が1〜12であるアルキル(メタ)アクリ
レートと開始剤(D)のビニル基部分を共重合させ、A
で表されるブロック又はBで表されるブロックの重合を
した後、開始剤(D)のパーオキサイド基によって他方
のブロックを構成するモノマーの重合を行うことによ
り、ブロックB又はブロックAの重合を行うことができ
る。
【0056】紫外線重合法によれば、例えば、先ず、上
記アルキル基の炭素数が1〜12のアルキル(メタ)ア
クリレートとベンジル−N,N−ジエチルジチオカルバ
メートとを混合し、反応容器内を窒素パージした後、紫
外線(UV)ランプにてUV照射して上記アルキル基の
炭素数が1〜12のアルキル(メタ)アクリレートから
なる重合体又は上記アルキル基の炭素数が1〜12のア
ルキル(メタ)アクリレートからなる共重合体を重合さ
せ、次いで、水酸基含有ビニル系モノマー及びその他の
ビニル系モノマーを加え、更にUV照射して水酸基含有
ビニル系モノマーを含有するビニル系共重合体を重合さ
せることにより、一般式(A−B)a−Aで表されるブ
ロック共重合体を合成することができる。
【0057】その他の方法としては、例えば、上記水酸
基含有ビニル系モノマーを含有するビニル系共重合体で
あってアゾ基を有するもの、又は、上記アルキル基の炭
素数が1〜12のアルキル(メタ)アクリレートからな
る重合体であってアゾ基を有するもの若しくは上記アル
キル基の炭素数が1〜12のアルキル(メタ)アクリレ
ートからなる共重合体であってアゾ基を有するものを重
合し、上記アゾ基を開始点として、他の重合体又は共重
合体を構成するモノマーを重合させる方法等を採用する
ことができる。
【0058】又、予め通常のラジカル重合等で水酸基含
有ビニル系モノマーを含有するビニル系共重合体及びア
ルキル基の炭素数が1〜12のアルキル(メタ)アクリ
レートからなる重合体、又はアルキル基の炭素数が1〜
12のアルキル(メタ)アクリレートからなる共重合体
を重合した後、これらを混合して紫外線、電子線、放射
線等を照射することにより、水酸基含有ビニル系モノマ
ーを含有するビニル系共重合体と、アルキル基の炭素数
が1〜12のアルキル(メタ)アクリレートからなる重
合体又はアルキル基の炭素数が1〜12のアルキル(メ
タ)アクリレートからなる共重合体とをブロック重合さ
せる方法等を採用することもできる。
【0059】本発明のアクリル系接着剤組成物(1)に
は、必要に応じてブロックA及びブロックBを構成する
モノマーからなるランダム共重合体及び単独重合体が含
まれてもよい。
【0060】本発明のアクリル系接着剤組成物(I)に
は、必要に応じて、更に、粘着付与樹脂、充填剤、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、カルボン酸金属塩等を添加する
ことができる。
【0061】上記粘着付与樹脂としては特に限定され
ず、例えば、C5 系(水添)石油樹脂、C9 系(水添)
石油樹脂、(水添)ロジン樹脂、(水添)ロジンエステ
ル樹脂、(水添)テルペン樹脂、(水添)テルペンフェ
ノール樹脂、(水添)クマロンインデン樹脂、不均化ロ
ジン樹脂、不均化ロジンエステル樹脂、重合ロジン樹
脂、重合ロジンエステル樹脂等が挙げられる。これらは
単独で使用してもよく、又2種以上を併用することがで
きる。
【0062】上記充填剤としては特に限定されず、例え
ば、炭酸カルシウム、酸化チタン、マイカ、タルク等が
挙げられる。
【0063】上記酸化防止剤としては特に限定されず、
例えば、フェノール系のもの、アミン系のもの等が挙げ
られる。
【0064】上記紫外線吸収剤としては特に限定され
ず、例えば、ベンゾトリアゾール系のもの等が挙げられ
る。
【0065】上記カルボン酸金属塩としては特に限定さ
れず、例えば、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸
マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸
亜鉛、ステアリン酸バリウム、パルミチン酸ナトリウム
等が挙げられる。
【0066】請求項2記載のアクリル系接着剤組成物
は、上記アクリル系接着剤組成物(I)に、更に、水酸
基と反応することができる官能基を少なくとも2個有す
る化合物が配合されたもの(以下、このものを「アクリ
ル系接着剤組成物(II)」という)である。
【0067】上記水酸基と反応することができる官能基
を少なくとも2個有する化合物としては特に限定され
ず、例えば、メラミン、ベンゾグアナミン、尿素等のア
ミノ化合物にホルムアルデヒド、アルコール等を付加縮
合させたアミノ樹脂;トリレンジイソシアネート(TD
I)、トリジンジイソシアネート(TODI)、キシリ
レンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネ
ート(MDI)等の芳香族ジイソシアネート化合物;ヘ
キサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロ
ンジイソシアネート(IDI)等の脂肪族ジイソシアネ
ート化合物又は脂環族ジイソシアネート化合物;トリメ
チロールプロパンのトリレンジイソシアネート3量体付
加物、トリフェニルメタントリイソシアネート等のトリ
イソシアネート化合物等のポリイソシアネート化合物;
テトラヒドロフランのテトラカルボン酸無水物、ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸無水物等の2官能の酸無水
物;Ti、Zn、Al等のアルコキシド及び有機酸金属
塩等が挙げれる。
【0068】上記水酸基と反応することができる官能基
を少なくとも2個有する化合物は、ブロック共重合体
(I)中の水酸基と反応して架橋構造を形成する。
【0069】水酸基と反応することができる官能基を少
なくとも2個有する化合物の配合量は0.5〜10重量
%が好ましい。0.5重量%未満であると接着剤として
の凝集力が不足して充分な耐熱性を発揮できず、10重
量%を超えると接着剤が硬くなりすぎて充分な粘着性能
を発揮することができない。より好ましくは1〜5重量
%である。
【0070】本発明のアクリル系接着剤組成物(I)及
びアクリル系接着剤組成物(II)は、溶剤に溶かした
溶剤型アクリル系接着剤組成物、水に分散させたエマル
ジョン型アクリル系接着剤組成物等として好適に用いる
ことができる。
【0071】また、本発明のアクリル系接着剤組成物
(I)及びアクリル系接着剤組成物(II)は、ホット
メルト型接着剤組成物として好適に用いることができ
る。
【0072】更に、本発明のアクリル系接着剤組成物
(I)及びアクリル系接着剤組成物(II)は、アクリ
ル系感圧性接着剤組成物としても好適に用いることがで
き、例えば、粘着テープ、粘着シート等の粘着剤層とし
て用いることができる。
【0073】上記粘着テープ、上記粘着シート等を製造
する方法としては特に限定されず、例えば、基材の少な
くとも1面に、溶剤塗工、熱溶融塗工等の方法により塗
工する方法を採用することができる。
【0074】本発明のアクリル系接着剤組成物(I)及
びアクリル系接着剤組成物(II)は、高剛性で耐熱性
に優れるブロックAと、柔軟でタック感に富むブロック
Bとを併せ持つ。従って、低温においても、また高温に
おいても、良好な接着性を有する。
【0075】又、低極性なブロックと、水酸基含有ビニ
ル系モノマーを含有する高極性なブロックとを併せ持
つ。従って、金属等の高極性な被着体に対しても、ま
た、プラスチック等の低極性な被着体に対しても、被着
体の極性を問わずに良好な接着性を有する。
【0076】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0077】モノマー混合物(A1)〜(A4)、(B
1)の調製 表1に示した配合に従って各モノマーを均一に混合し、
モノマー混合物(A1)、モノマー混合物(A2)、モ
ノマー混合物(A3)、モノマー混合物(A4)及びモ
ノマー混合物(B1)を調製した。
【0078】(実施例1) A−B−A型ブロック共重合体の合成 モノマー混合物(B1)80重量部、開始剤としてベン
ジル−N,N−ジエチルジチオカルバメート0.2重量
部、及び、溶剤としてエチルアセテート30重量部を三
ツ口フラスコに投入し、20分間窒素パージを行った。
スリーワンモータを用いて攪拌翼を回転させながら、1
0ワットの紫外線(UV)ランプを48時間照射してB
ブロックの重合を行った。反応終了後、反応混合物中に
ビニル基が存在しないことをNMRによって確認した。
【0079】得られた反応混合物に、モノマー混合物
(A1)20重量部、溶剤としてエチルアセテート20
重量部を加えて、10ワットの紫外線(UV)ランプを
48時間照射してAブロックをBブロックにブロック重
合させA−B−A型のブロック共重合体を合成した。反
応終了後、反応混合物中にビニル基が存在しないことを
NMRによって確認した。AブロックのTgは100℃
であり、BブロックのTgは−30℃であった。
【0080】粘着テープの作製 得られたブロック共重合体100重量部に対して、架橋
剤としてトリレンジイソシアネートのトリメチロールプ
ロパン付加物のエチルアセテート溶液(コロネートL5
5E、固形分55重量%、日本ポリウレタン工業社製)
2.0重量部を添加して均一に混合した後、厚さ38μ
mのポリエステルフィルム(♯3811、リンテック社
製)の一面に、乾燥後の厚みが50μmとなるように塗
工し、110℃で5分間乾燥して粘着テープを得た。得
られた粘着テープのステンレス板に対する粘着力、ポリ
エチレン板に対する粘着力、80℃保持力及びタックに
ついて下記方法により評価した。結果を表2に示した。
【0081】評価方法 1.ステンレス板に対する粘着力 JIS Z 0237に準拠して、SUS304板に、
得られた粘着テープを25mm幅で貼り付け、23℃で
20分間放置後、測定温度23℃、引張速度300mm
/分の条件で180度剥離強度を測定した。
【0082】2.ポリエチレン板に対する粘着力 低極性被着体であるポリエチレン樹脂板(ハイゼックス
1300J、三井石油化学工業社製)に、得られた粘着
テープを25mm幅で貼り付け、23℃で20分間放置
後、測定温度23℃、引張速度300mm/分の条件で
180度剥離強度を測定した。
【0083】3.80℃保持力の測定 JIS Z 0237に準拠して、SUS304板に得
られた粘着テープを25×25mmの面積で貼り付け、
23℃で20分間放置後、80℃の恒温槽中で1時間の
エージングを行い、1kgの懸垂荷重を掛け、1時間後
のテープのズレ又は落下時間を測定した。
【0084】4.タック JIS Z 0237に準拠して、測定温度23℃でボ
ールタックを測定した。
【0085】(実施例2)モノマー混合物(A1)の代
わりにモノマー混合物(A2)を用いたこと以外は実施
例1と同様にしてA−B−A型のブロック共重合体を合
成した。AブロックのTgは85℃であり、Bブロック
のTgは−30℃であった。得られたブロック共重合体
を用いたこと以外は実施例1と同様にして粘着テープを
作製し、評価した。結果を表2に示した。
【0086】(比較例1)モノマー混合物(A1)20
重量部、モノマー混合物(B1)80重量部、及び、開
始剤としてアゾイソブチロニトリル(AIBN)を用い
てラジカル重合を行い、ランダム共重合体を得た。得ら
れたランダム共重合体を用いたこと以外は実施例1と同
様にして粘着テープを作製し、評価した。結果を表2に
示した。
【0087】(比較例2)モノマー混合物(A2)20
重量部、モノマー混合物(B1)80重量部、及び、開
始剤としてアゾイソブチロニトリル(AIBN)を用い
てラジカル重合を行い、ランダム共重合体を得た。得ら
れたランダム共重合体を用いたこと以外は実施例1と同
様にして粘着テープを作製し、評価した。結果を表2に
示した。
【0088】(実施例3) ホットメルト型接着剤への応用 減圧乾燥機を用いて、実施例1で合成したA−B−A型
のブロック共重合体から溶剤であるエチルアセテートを
除去し、ホットメルト型接着剤とした。得られたホット
メルト型接着剤の凝集力、190℃溶融粘度、接着力及
び耐酸化性について下記方法により評価した。結果を表
3に示した。
【0089】評価方法 1.凝集力 得られたホットメルト型接着剤を1辺5mmの立方体に
切断した試験片を作り、垂直に保持したアルミニウム板
に得られた試験片を貼付し、80℃のオーブン中で12
時間放置した後、試験片の垂れ長さを測定し、凝集力と
した。
【0090】2.190℃溶融粘度 B型粘度計(東京計器社製)(回転数:2.5rpm、
ロータ:♯HH4)を使用して、190℃における粘度
を測定した。
【0091】3.接着力 表面が清浄なポリエチレン板(厚さ:1.5mm、幅:
20mm)に、190℃に加熱したホットメルト型接着
剤を厚さ1mmで10×20mmの面積で塗布した後、
剪断接着強度を測定し、接着力とした。
【0092】4.耐酸化性 得られたホットメルト型接着剤を厚さ2mmで10mm
×10mmの大きさに切断した試験片を作り、ガラス板
に得られた試験片を貼付し、200℃のオーブン中で8
時間放置した後、試験片の色の変化を観察し、耐酸化性
とした。評価基準は色の変化がなかったものを「良好」
とし、色の変化があったものを「劣る」とした。
【0093】(比較例3)n−ブチルリチウム触媒を用
いてイソプレンをn−ヘプタン溶媒中で重合することに
より、シス−1、4結合量が80%であり、分子量が3
6500の液状シス−1、4−ポリイソプレンゴム、及
び、分子量が206000のシス−1、4−ポリイソプ
レンゴムを得た。得られた液状シス−1、4−ポリイソ
プレンゴム35重量部に、エバフレックス210(酢酸
ビニル含有量28重量%、メルトインデックス(AST
M−D−1238)400、三井ポリケミカル社製)6
5重量部、YSPX1150(ポリテルペン系樹脂、ヤ
スハラケミカル社製)65重量部、及び、ノクラックN
S−6(フェノール系老化防止剤、大内新興化学社製)
2重量部を配合し、150℃の混合槽で30分間攪拌す
ることにより、EVA系接着剤を得た。得られたEVA
系接着剤について、実施例3と同様にして評価した。結
果を表3に示した。
【0094】(比較例4)ガラス及びステンレス鋼製の
反応器に、分子ふるいにより予備乾燥したシクロヘキサ
ン110g、及び、活性化アルミナにより精製したスチ
レン400gを投入し、反応器の温度を70℃に上げ、
s−ブチルリチウム溶液(シクロヘキサン中、1.4
M)を徐々に加えた。淡い赤みがかかったオレンジ色が
得られたら、、更に、s−ブチルリチウム溶液(シクロ
ヘキサン中、0.140モル)100mlを直ちに加え
た。次に、スチレン1680gを30分間にわたって反
応器中に加えた。温度を30分間70℃に保ち、酸化エ
チレン(0.28モル)12.3gを加えて溶液を無色
とした。得られた溶液に塩化メタクロイル(0.154
モル)16.1gを加えて、GPCにより測定した分子
量が12000の高分子重合体を得た。
【0095】冷却器、温度計、滴下ロート及び攪拌器を
備えた樹脂容器にメチルエチルケトン200gを投入
し、加熱して還流させた。得られた高分子重合体(乾燥
重量50.0g)85.3g、2−エチルヘキシルアク
リレート50.0g、n−ブチルアクリレート150.
0g、及び、開始剤としてアゾイソブチロニトリル1.
00gの混合物を30分間以上にわたって徐々に反応器
に加え、2時間還流を行った。反応終了後、重合体溶液
は50.4%の全固体含量を示した。真空下、溶剤を除
去して90500の分子量を有する透明な接着剤を得
た。得られた接着剤について実施例3と同様にして評価
した。結果を表3に示した。
【0096】モノマー混合物(A5)、(A6)、(B
2)〜(B4)の調製 表4に示した配合に従って、各モノマーを均一に混合
し、モノマー混合物(A5)、モノマー混合物(A
6)、モノマー混合物(B2)、モノマー混合物(B
3)及びモノマー混合物(B4)を調製した。
【0097】(実施例4)モノマー混合物(B1)の代
わりにモノマー混合物(B2)を用い、モノマー混合物
(A1)の代わりにモノマー混合物(A5)を用いたこ
と以外は実施例1と同様にしてA−B−A型のブロック
共重合体を合成した。AブロックのTgは100℃であ
り、BブロックのTgは−30℃であった。得られたブ
ロック共重合体を用いたこと以外は実施例1と同様にし
て粘着テープを作製し、評価した。結果を表2に示し
た。
【0098】(実施例5)モノマー混合物(B1)の代
わりにモノマー混合物(B2)を用い、モノマー混合物
(A1)の代わりにモノマー混合物(A6)を用いたこ
と以外は実施例1と同様にしてA−B−A型のブロック
共重合体を合成した。AブロックのTgは85℃であ
り、BブロックのTgは−30℃であった。得られたブ
ロック共重合体を用いたこと以外は実施例1と同様にし
て粘着テープを作製し、評価した。結果を表2に示し
た。
【0099】(比較例5)モノマー混合物(A5)20
重量部、モノマー混合物(B2)80重量部、及び、開
始剤としてアゾイソブチロニトリル(AIBN)を用い
てラジカル重合を行い、ランダム共重合体を得た。得ら
れたランダム共重合体を用いたこと以外は実施例1と同
様にして粘着テープを作製し、評価した。結果を表2に
示した。
【0100】(比較例6)モノマー混合物(A6)20
重量部、モノマー混合物(B2)80重量部、及び、開
始剤としてアゾイソブチロニトリル(AIBN)を用い
てラジカル重合を行い、ランダム共重合体を得た。得ら
れたランダム共重合体を用いたこと以外は実施例1と同
様にして粘着テープを作製し、評価した。結果を表2に
示した。
【0101】(実施例6) ホットメルト型接着剤への応用 真空乾燥機を用いて、実施例4で合成したA−B−A型
のブロック共重合体から溶剤であるエチルアセテートを
除去し、ホットメルト型接着剤とした。得られたホット
メルト型接着剤について実施例3と同様にして評価し
た。結果を表3に示した。
【0102】(比較例7)n−ブチルリチウム触媒を用
いて、イソプレンをn−ヘプタン溶媒中で重合すること
により、シス−1、4結合量が92%であり、分子量が
39600の液状シス−1、4−ポリイソプレンゴム、
及び、分子量が245000のシス−1、4−ポリイソ
プレンゴムを得た。得られた液状シス−1、4−ポリイ
ソプレンゴムを用いたこと以外は比較例5と同様にして
EVA系接着剤を得、評価した。結果を表3に示した。
【0103】(比較例8)アクリル酸2−エチルヘキシ
ルエステルの配合量を50.0g、アクリル酸n−ブチ
ルエステルの配合量を150.0gとしたこと以外は比
較例6と同様にして接着剤を得、評価した。結果を表3
に示した。
【0104】
【表1】
【0105】
【表2】
【0106】
【表3】
【0107】
【表4】
【0108】
【発明の効果】本発明のアクリル系接着剤組成物は上述
の構成よりなるので、低温から高温までの広い温度範囲
において良好な接着性を示す。また、金属等の高極性な
被着体からプラスチック等の低極性な被着体にいたるま
で、被着体の極性を問わずに良好な接着性を示す。
【0109】更に、本発明のアクリル系接着剤組成物は
アクリル系の接着剤組成物であるので、耐候性、耐溶剤
性等に優れている。また、ブロック共重合体からなるも
のであるから、溶融粘度と凝集力とを高度にバランスさ
せることができ、溶融特性に優れているのでホットメル
ト型での使用に適している。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量平均分子量が1万〜400万である
    ブロック共重合体(I)からなるアクリル系接着剤組成
    物であって、前記ブロック共重合体(I)は、一般式
    (A−B)a−A、一般式(B−A)b−B、一般式
    (A−B)c、一般式(A−B)m−X、及び一般式A
    o−T−Bpで表されるブロック共重合体の群から選ば
    れる1種以上のブロック共重合体であることを特徴とす
    るアクリル系接着剤組成物。式中、Aは20℃以上のガ
    ラス転移温度を有するビニル系重合体もしくはビニル系
    共重合体、又は、20℃以上のガラス転移温度を有し、
    水酸基含有ビニル系モノマーを含有するビニル系共重合
    体を表す。Bは、Aが20℃以上のガラス転移温度を有
    するビニル系重合体もしくはビニル系共重合体であると
    きは、0℃以下のガラス転移温度を有し、水酸基含有ビ
    ニル系モノマー及びアルキル基の炭素数が1〜12のア
    ルキル(メタ)アクリレートからなる共重合体を表す。
    又、Bは、Aが20℃以上のガラス転移温度を有し、水
    酸基含有ビニル系モノマーを含有すビニル系共重合体で
    あるときは、0℃以下のガラス転移温度を有し、アルキ
    ル基の炭素数が1〜12のアルキル(メタ)アクリレー
    トからなる重合体もしくは共重合体を表す。Xは複数個
    の共重合体(A−B)を結合することのできる化合物残
    基、TはAとBとを結合することのできる化合物残基を
    表す。mは3〜30の整数を表し、a、b、cは同一又
    は異なって1〜10の整数を表す。o、pは同一又は異
    なって1以上の整数を表し、o+p=3〜30の関係に
    ある。
  2. 【請求項2】 水酸基と反応することができる官能基を
    少なくとも2個有する化合物が、更に配合されてなるこ
    とを特徴とする請求項1記載のアクリル系接着剤組成
    物。
  3. 【請求項3】 20℃以上のガラス転移温度を有し、水
    酸基含有ビニル系モノマーを含有するビニル系共重合体
    中の水酸基含有ビニル系モノマーの含有量が、0.1〜
    10重量%である請求項1記載のアクリル系接着剤組成
    物。
  4. 【請求項4】 0℃以下のガラス転移温度を有し、水酸
    基含有ビニル系モノマー及びアルキル基の炭素数が1〜
    12のアルキル(メタ)アクリレートからなる共重合体
    中の水酸基含有ビニル系モノマーの含有量が、0.1〜
    5重量%である請求項1記載のアクリル系接着剤組成
    物。
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