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JPH1075766A - 日本酒製造工程のファジイ制御方法 - Google Patents

日本酒製造工程のファジイ制御方法

Info

Publication number
JPH1075766A
JPH1075766A JP25771796A JP25771796A JPH1075766A JP H1075766 A JPH1075766 A JP H1075766A JP 25771796 A JP25771796 A JP 25771796A JP 25771796 A JP25771796 A JP 25771796A JP H1075766 A JPH1075766 A JP H1075766A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fermentation
baume
tank
degree
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP25771796A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoyuki Nagashio
尚之 長塩
Kazuo Koyama
和夫 小山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TAMON SHUZO KK
Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
TAMON SHUZO KK
Nissin Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TAMON SHUZO KK, Nissin Electric Co Ltd filed Critical TAMON SHUZO KK
Priority to JP25771796A priority Critical patent/JPH1075766A/ja
Publication of JPH1075766A publication Critical patent/JPH1075766A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Alcoholic Beverages (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 日本酒製造は杜氏の経験と勘に多くを負って
いる。杜氏がいない休日でも発酵条件を最適に制御し製
造装置を自動運転できるようにする事が目的である。 【解決手段】 発酵タンクを気密にして発生する炭酸ガ
スの総量を測定し炭酸ガス量からアルコール濃度を決定
し、それにふさわしい発酵タンクの品温をもとめタンク
の冷却水量を制御する。或いは、発酵タンクの中の醪の
ボーメ度を測定し、前日のボーメ度と前々日のボーメ度
の値を外挿して現在のボーメ度を推定し、それにふさわ
しいタンク温度を求めて冷却水量を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、日本酒発酵制御方
法に関する。日本酒製造工程は発酵の工程である。原料
の蒸米、麹米を発酵タンクの中に入れ適当な温度に保
ち、アルコール発酵を起こさせる。酵母の作用によって
原料の米は次第にアルコールと水、炭酸ガスに変わる。
発酵の速度を巧く制御する事が特に重要である。速すぎ
ても遅すぎても芳醇な日本酒を作ることができない。
【0002】現在は、杜氏と呼ばれる熟練者が発酵工程
を全て管理している。特に重要なパラメータは温度であ
る。対象となる米・アルコールの混合物の温度を品温と
呼ぶ。品温が高すぎると発酵が進みすぎる。低すぎると
発酵が遅れる。発酵には適当な速度があってそれは杜氏
の経験と勘でわかる。発酵の速度が適切な範囲から外れ
ると、それによってできた日本酒の風味、香りなどが悪
くなる。しかしどれほどの速度が適切なのかということ
は簡単には決まらない。杜氏の勘に頼っているのが現状
である。
【0003】
【従来の技術】発酵をより遅くした方が良い場合は、品
温Tを下げる。発酵をより速くした方が良いという時は
品温Tを上げる。そのようなことは分かっているが、発
酵速度が速すぎる或いは遅すぎるということは簡単には
分からない。それに温度と発酵速度との関係は一義的で
はない。発酵が進行するに従い米が分解しアルコールが
増えてくる。すると好ましい発酵速度、温度が異なって
くる。発酵の進行を監視してその段階にふさわしい最適
の品温を決定し、そうなるようにタンク温度を制御す
る。つまり発酵開始の時からの経過日数tに対して好ま
しい発酵状態があり、これからずれている場合は発酵の
速度を加減する必要がある。
【0004】発酵の程度はタンク内の液体の比重、アル
コール濃度などを測定することによって分かる。アルコ
ール濃度が増えると比重が下がってくる。そこで杜氏は
タンク一つについて1日1回比重(ボーメ度)測定をす
る。しかしアルコール濃度と比重は厳密には比例しな
い。
【0005】タンク内の試料(米+アルコール+酵母)
の温度Tは熱電対又は測温抵抗体によって常時測定され
る。温度の制御はタンク壁を冷却する冷却水の流量Fを
調節する事によって行う。ヒ−タのように加熱手段は別
段設けない。アルコール発酵によって熱がでる。温度が
高いほど発酵速度が高くなる。ほうっておくと正帰還が
かかって温度が上がりすぎる。そこでタンクを冷却す
る。冷却水をタンク壁面に流してタンクを冷やす。タン
クの冷却水量によって温度を制御することができる。つ
まり杜氏は、比重を1日1回測定し、発酵の進行具合を
知り、タンク温度Tも知って、最適の温度にするため冷
却水の量を調整する。
【0006】アルコール濃度は比重測定によっているが
これは手作業による測定である。熟練者が時間を掛けて
測定する必要がある。測定自体時間、労力、熟練を要す
るが、さらにその測定結果を受けて発酵を最適に制御す
るにはどうすればよいかということは長年の経験に基づ
いた微妙な判断を要する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】近年、伝統産業におい
ては、熟練技術者の高齢化が進み、若年層の新規参入が
なく後継者不足がますます際だってきた。にもかかわら
ず日本酒発酵は、依然として熟練技術者の経験と勘によ
っている。熟練の杜氏がこまめに手分析を行い、やっと
高品質の日本酒を製造できているのである。
【0008】しかしながら経験に富み勘の確かな技術者
は減少しつつある。いつまでも熟練だけに依存している
わけにはいかない。それに休日が増えつつある。醸造所
であっても土曜、日曜には無人になる事がある。無人で
あっても最適の条件で発酵させるようにしなければなら
ない。
【0009】熟練や勘に頼る事なく日本酒発酵の品温を
自動的に最適制御することのできる日本酒製造制御方法
を提供する事が本発明の第1の目的である。日本酒発酵
を長期間無人で行う事のできる方法を提供する事が本発
明の第2の目的である。頻繁に測定しなくてもアルコー
ル濃度を常時モニタできる方法を提供することが本発明
の第3の目的である。比重測定を頻繁に行わなくても比
重による制御を可能にした日本酒製造方法を提供するこ
とが本発明の第4の目的である。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、発酵タンク中
から発生する炭酸ガスの量を測定し、タンクのアルコー
ル濃度を、そのタンクから発生した炭酸ガスの積算量に
よって求め、そのアルコール濃度にふさわしい発酵温度
になるように発酵過程を制御する。温度の制御はファジ
イ制御を用いる。さらにボーメ度を定期的に測定し、前
回と前々回の値を外挿して今回のボーメ度を推定し、こ
れによって品温制御するとさらに良い。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施例に係る発酵
制御装置の概略構成図である。発酵タンク1は縦長で密
封できる容器である。密封するのは発生する炭酸ガスが
必ず炭酸ガス流量計2を通るようにするためである。発
酵タンク1には攪拌羽3を下端に持つ攪拌軸4が上方か
ら挿通されている。攪拌軸4は上端で回転駆動装置5に
つながっている。発酵タンク1には原料6が入ってい
る。これは蒸米、麹米、水、酵母、アルコール等の混合
体である。
【0012】初めは蒸した米が主であるから固形物であ
る。これでは攪拌もできないから水を加える。発酵が進
むとともにアルコールが増えていくから柔らかくなって
液状になってくる。発酵タンクには、冷却水を通してタ
ンクを冷却する冷却装置7が設けられる。チラーユニッ
ト8、ポンプ9、冷却装置7よりなる循環系によって冷
却水が循環するようになっている。タンクの内部にはP
tの測温抵抗体10が差し込まれていて試料6の温度T
を常時測定できるようになっている。制御可能な変数
は、したがって冷却水量Qと、攪拌羽3の回転数Nであ
る。重要なのはもちろん冷却水量Qである。これによっ
て温度Tを調整する。
【0013】炭酸ガスが出口11から排出されこれが炭
酸ガス流量計2を通る。これで炭酸ガスの流量fが測定
される。さらにコ−ド12を通り変換器13によって流
量fのデータが0〜5Vの電圧信号に変換される。電圧
信号はデーターレコーダ14に入力される。これは炭酸
ガス流量fを積算しそれまでに排出された全炭酸ガス量
Fを求める。F=∫fdtである。コンピュータ15は
炭酸ガスの積算値Fをデータとして受取り、試料6のア
ルコール濃度(c)を算出し、それに応じた最適の温度
T(c)を求める。さらに攪拌羽の最適の回転数Nをも
決定する。この値は攪拌制御用のコンピュータ17に送
られ、さらに攪拌制御機構18によって回転駆動装置5
の回転数を調節する。
【0014】本発明の最も重要な点は、試料中のアルコ
ール濃度cを、炭酸ガスの総発生量Fから推定しこれに
よって最適温度T(c)を決める事である。アルコール
濃度と、炭酸ガス発生量の相関を実際に調べてみた。そ
の結果を図2に示す。横軸はアルコール濃度の実測値
(%)であり、縦軸は炭酸ガス発生量(l)である。測
定点は7つあるが、これは直線に載る事が分かる。直線
の勾配は勿論タンクの容量や試料の量による。米がアル
コール発酵して炭酸ガス、水、アルコールを発生するの
で、炭酸ガス量とアルコールの量は比例するはずであ
る。実際の測定をしてそのような推論が正しいことが確
認された。但し、直線関係にはあるが原点を通らない。
関数関係を調べると、
【0015】 F(c)=4.28×104 c−7.91×104 (1)
【0016】であった。零点(原点)を通らない直線に
なるが初期においてもアルコール発生量と炭酸ガス量F
は比例するはずである。アルコール濃度が2%になるま
で炭酸ガスが全く発生しなかったという事ではない。8
%以上でのデータを直線で近似して原点側に延ばした時
のY軸を切る点が−7.91×104 という事に過ぎな
い。しかしcが6%以上であれば直線関係が成り立つ。
Fはアルコールのそのときの流量fそのものではなく
て、発酵開始t0 からその時tまでの流量を積分したも
のである。
【0017】初めタンクには窒素と酸素が存在し、これ
が全部炭酸ガスによって置き換えられる。するとタンク
の容積Uだけの炭酸ガスは炭酸ガス流量計2を通らな
い。これがオフセットを与えるのであろう。このタンク
の場合アルコール濃度が2%になるまでに発生する炭酸
ガスの量とタンク容量がほぼ等しいのであろう。である
から、オフセットも直線の勾配もタンクの大きさによっ
て変わる。タンク毎に炭酸ガス量Fとアルコール濃度c
の関係を求める必要がある。
【0018】いずれにしてもFとcとがこのようにきれ
いな比例関係にあることがわかる。そうであれば容器を
漏れがないように密封し炭酸ガスの量を正確にモニタす
ることによってアルコール濃度を正確に知る事ができ
る。毎日毎日アルコール濃度を比重測定によって求める
必要はないということになる。
【0019】アルコール濃度を知って、タンク温度Tを
制御するのであるが、制御変数は冷却水の流量Qであ
る。この制御はファジイ制御によって行う。ファジイ制
御は公知の技術であり演算操作については既にチップ化
されたものがある。図1のファジイ制御装置16はこの
ようにチップ化されて使いやすい形態になったものであ
る。入力出力のパラメータを選ぶことによって、入力の
状態を判断し、出力パラメータを調整するようになって
いる。ファジイ制御の原理は周知であるから詳しくは述
べない。
【0020】アルコール濃度cと温度Tが入力パラメー
タになる。これらについてメンバシップ関数を定義す
る。cについては「薄い」「中ぐらい」「濃い」など3
〜5のメンバシップ関数を定義できる。cの値によって
これらの関数値が決まる。また冷却水の流量を出力とす
る場合は、これについても3〜5のメンバシップ関数
「とても少ない」「少ない」「中ぐらい」「多い」「非
常に多い」等を想定する。次にcとQを関係づける論理
式を考える。これらの関係式は、時間tと共にアルコー
ル濃度がどのような変化をすべきかという杜氏の経験、
勘をもとに決める。通常の連続的な制御装置と異なり、
発酵は時間tが重要な役割を果たす。cとQを関係づけ
る論理式が時間tによって異なる。
【0021】それで時間tと共に、cのメンバシップ関
数とQのメンバシップ関数の関係が異なってくる。或い
は時間とともに濃度cとメンバシップ関数「薄い」「中
ぐらい」「濃い」などの関係を変えるようにしても良
い。ファジイ制御によって最適制御をすることができる
が、時間tがパラメータとして入るのでファジイ関数の
決め方がやや難しい。
【0022】ボーメ度がもう一つの重要なパラメータで
ある。これは試料の比重を表す量である。比重というの
は4℃の水1gと同じ体積の試料の重さとして定義され
る。実際には清酒の比重は15℃で測定することになっ
ている。それ以外の温度で測定した場合は15℃での値
に換算する。ただし比重というのは1に近い値で有効数
字の桁数が多く、密度変化を分かりやすく表現するには
問題がある。そこでボーメ度、日本酒度、酒精度などの
パラメータが比重を表現するのに用いられる。これらは
比重と一対一の関係にあり比重と等価である。
【0023】 日本酒度= {(1/比重)−1}×1443 重ボーメ度={1−(1/比重)}×144.3
【0024】重ボーメ度は比重が1より大きい液体に対
して定義される。だから重なのである。負数を取らない
ので、比重が1より小さい試料に対しては定義できな
い。日本酒度は正負の値を取り得る。比重が1より小さ
い場合を正、比重が1より大きい場合が負になる。清酒
は大体比重が0.993〜1.014の間にある。日本
酒度でいうと+10〜−20である。つまり比重でいう
と、1を中心として−0.07〜+0.014の範囲を
30の刻みに拡大したのが日本酒度ということができ
る。
【0025】そのために比重の逆数から1を引いた値に
1443という数を掛けるのである。ボーメ度には重ボ
ーメ度と軽ボーメ度がある。ここでは重ボーメ度を用い
る。
【0026】ボーメ度というは結局は比重のことである
が日本酒の比重が取り得る範囲で変化がより分かりやす
いように定義されたものである。比重測定をしてボーメ
度を計算する。比重測定には浮秤(ふひょう)が用いら
れる。これは細長い中空密封のガラス管である。最下点
に錘が付いている。その上は大径の筒になっていて最上
部は細径部で目盛りが付いている。目盛りの付け方で軽
ボーメ度、重ボーメ度、日本酒度、比重を表すことがで
きる。
【0027】ボーメ度を測りたいという場合は、比重測
定して換算するよりはボーメ度用の浮秤を使えば良い。
ガラスの浮秤を試料液体に漬けると錘のために垂直に立
つ。比重が小さい液の場合は深く沈むし、比重が大きい
液の場合は、より高くまで浮き上がる。液面の高さの目
盛りを読んでボーメ度、比重などを求めることができ
る。
【0028】これらは液体の比重を示す値である、日本
酒度といってもアルコール濃度とは違う。本発明では、
アルコール濃度は前述のように炭酸ガスの積算量によっ
て推定するのでこれは既知のパラメータとして扱うこと
ができる。ボーメ度(比重)はアルコール濃度と並んで
清酒の発酵過程を表現する重要なパラメータとなり得
る。
【0029】そこで本発明はさらに比重情報を用いて発
酵タンクの温度を制御することを考える。つまりこの場
合、入力の情報がアルコール濃度、ボーメ度、実際温度
となり、これらのパラメータにふさわしいタンク温度を
求め、それを実現する出力が冷却水量、攪拌羽回転数と
いうことになる。
【0030】ボーメ度は実際に比重測定をしなくてはい
けない。現在は毎日一回杜氏が比重測定してその値をも
とに制御条件を変更している。これでは現在のボーメ度
が分からないから制御に時間遅れが生ずる。そこで本発
明は前回測定値と前々回の測定値を外挿することによっ
て現在の値を推定し、そのボーメ度にふさわしいタンク
温度を求めることにする。毎日同じ時刻にボーメ度を測
るとして、j日目のボーメ度をBj とする。j日目のボ
ーメ度は、
【0031】Bj =2Bj-1 −Bj-2 (2)
【0032】によって推定するのである。実際には測定
時刻が同一でないからこのように単純ではないが、時刻
が違ってもその補正は簡単にできる。実際にボーメ度は
毎日測定するのであるから推定する必要性は薄いように
思われよう。しかし休日の場合がある。その場合ボーメ
度を測定する人がいないのであるから推定値を使うのは
有効である。測定しないので前日のボーメ度Bj-1 を使
うしかないが、本発明は外挿して本日の値を推測するか
らより正確に発酵過程を制御することができる。
【0033】休日における無人運転に役に立つという他
にも、ボーメ度の推定は有用である。発酵過程は時間が
重要なパラメータであって、発酵が進みすぎても遅すぎ
ても良品ができない。発酵開始からの日数tの関数とし
て好ましい発酵状態が杜氏の経験と勘で分かっている。
杜氏は、現実の発酵状態と好ましい発酵状態を比較しそ
の差を少なくするように品温を制御するのである。発酵
状態を表すパラメータとしてここではアルコール濃度と
ボーメ度を採用している。
【0034】日本酒の発酵タンクの温度を制御の対象に
しているのであるが、これは通常の連続的な製造装置の
ように時間を含まないものとは様子が違う。時間tが背
後にあってtとともに発酵が進行するが速すぎても遅す
ぎてもいけないから発酵の進行具合をみて速度を加減す
るのである。制御対象は品温Tであるが、アルコール濃
度cだけによって好ましい品温Tmが決まるというので
はない。むしろ時間tが主な変数であって、好ましい品
温はTm(t,c)と書くべきなのである。
【0035】発酵状態はアルコール濃度cによって評価
するとすれば、好ましい状態で発酵ができたとしたとき
の濃度の時間変化はc(t)として杜氏の勘と経験によ
って与えることができる。もしも最適濃度変化c(t)
が杜氏の経験によって与えられるならば、これを実現す
るような温度制御を行うべきである。するとパラメータ
が一つ減って好ましい品温がTm(t,c(t))と表
現される。つまり経過日数tだけによって最適品温Tm
が決まる。以上は入力としてのパラメータをアルコール
濃度cとしているが、もちろんボーメ度Bを用いること
もできる。
【0036】発酵状態をボーメ度Bで評価し、好ましい
状態で発酵できたとした時のボーメ度Bの経時変化B
(t)を杜氏の経験から決める事ができたとすれば、こ
れを実現するような品温の制御を行うべきなのである。
この場合も同様にパラメータが一つ減って、好ましい品
温がTm(t,B(t))と表現される。つまり時間t
だけによって最適の温度Tmが決まる。
【0037】そのような思想に基づいて、醸造を完全に
自動操作しようとして、最適のボーメ度変化B(t)を
決定した。これは経験と勘から割りだしたBの最適変化
を試行錯誤的に与えている。これが図3の■の点であ
る。図3において横軸は醸造日数tである。縦軸はボー
メ度Bである。比重が1の試料のボーメ度は0である。
ボーメ度は比重を表現しており発酵とともに比重が変化
するが、ボーメ度の変化は発酵の進行と等価でないが発
酵の進行状況の指標となる。
【0038】このようなボーメ度変化を起こさせるよう
に発酵タンクの品温を制御しようとする。この場合、前
日、前々日のボーメ度の外挿値を今日の値として推定す
るとそのボーメ度と望ましいボーメ度の差がすぐに計算
できるから、冷却水量をそれに応じて変化させる。その
ようにして予定ボーメ度変化(■)に沿うような制御を
した。その結果は、同じ図3の●によって示される。5
日目まではかなり食い違うが、6日〜18日の間でほぼ
所望のボーメ度変化を実現している。であるからボーメ
度を(2)のように外挿して求めるということは、長期
間ボーメ度を頼りに自動運転する場合にも有効である。
【0039】
【発明の効果】炭酸ガスの積算量によってアルコール濃
度を求め、これによってその時の発酵タンクの温度をフ
ァジイ制御するようにしている。さらに過去のボーメ度
測定値を外挿して現在のボーメ度を求め、これによって
もタンク温度をファジイ制御する。このようにして発酵
工程を最適化制御できる。休日があっても自動運転する
ことができる。日本酒の発酵は通常20日程度かかるが
その全工程を無人運転することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る日本酒製造装置の概略構
成図。
【図2】発酵タンクにおいて総炭酸ガス発生量とアルコ
ール濃度の関係についての測定値を示すグラフ。
【図3】大容量の発酵タンクにおいて醸造日数tの関数
として好ましいボーメ度の変化を予定し、それを実現す
るように自動制御した時の予定ボーメ度と実際のボーメ
度の変化を示すグラフ。
【符号の説明】
1 発酵タンク 2 炭酸ガス流量計 3 攪拌羽 4 攪拌軸 5 回転駆動装置 6 原料 7 冷却装置 8 チラーユニット 9 ポンプ 10 熱電対 11 炭酸ガス出口 12 コード 13 変換器 14 データーレコーダー 15 コンピュータ 16 ファジイ制御装置 17 コンピュータ 18 攪拌制御機構

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発酵開始時からの時間tについて好まし
    いアルコール濃度cの変化を与えておき、発酵タンク中
    から発生する炭酸ガスの量を測定しタンクのアルコール
    濃度をそのタンクから発生した炭酸ガスの積算量によっ
    て求め、任意の時刻tにおいて好ましいアルコール濃度
    cを実現するように発酵タンクの温度をファジイ制御す
    ることを特徴とする日本酒製造工程のファジイ制御方
    法。
  2. 【請求項2】 発酵タンクの中の醪のボーメ度Bを測定
    し、前回のボーメ度と前々回のボーメ度の値を外挿して
    現在のボーメ度を推定し、発酵開始からの時間tの関数
    としての好ましいボーメ度変化Bを与えておき、任意の
    時刻tにおいて好ましいボーメ度を実現するように発酵
    タンクの温度をファジイ制御することを特徴とする日本
    酒製造工程のファジイ制御方法。
JP25771796A 1996-09-05 1996-09-05 日本酒製造工程のファジイ制御方法 Pending JPH1075766A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1298197A1 (de) * 2001-09-28 2003-04-02 Stingel ITT OEG Verfahren und Vorrichtung zum Behandeln von Maische
DE102005015530A1 (de) * 2005-04-04 2006-10-05 Leo Kübler GmbH Thermometer-Aräometerfabrik Verfahren und Vorrichtung zum Überwachen eines Gärvorgangs
CN102901795A (zh) * 2012-10-16 2013-01-30 熊鹏 简易的实时测定酒精发酵过程中发酵液酒精浓度的方法

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