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JPH1073075A - 波の力で作動する波力ポンプ - Google Patents

波の力で作動する波力ポンプ

Info

Publication number
JPH1073075A
JPH1073075A JP8222808A JP22280896A JPH1073075A JP H1073075 A JPH1073075 A JP H1073075A JP 8222808 A JP8222808 A JP 8222808A JP 22280896 A JP22280896 A JP 22280896A JP H1073075 A JPH1073075 A JP H1073075A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
pipe
cylinder
hollow piston
water supply
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8222808A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhiro Manabe
安弘 真鍋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TAIYO PLANT KK
Original Assignee
TAIYO PLANT KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TAIYO PLANT KK filed Critical TAIYO PLANT KK
Priority to JP8222808A priority Critical patent/JPH1073075A/ja
Publication of JPH1073075A publication Critical patent/JPH1073075A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/30Energy from the sea, e.g. using wave energy or salinity gradient

Landscapes

  • Reciprocating Pumps (AREA)
  • Other Liquid Machine Or Engine Such As Wave Power Use (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピストンならびにシリンダの直径を大型化し
た場合にも、ピストンやシリンダを揺動させるための機
構をあまり大きくさせず、防波堤等のコンクリートケー
ソン等に組み込んでも十分に作動でき、シリンダ内部や
ピストン等の摺動部に海水中の付着物を付けない波力ポ
ンプを提供する。 【解決手段】 水中に設けた取水管4より水を吸込み、
送水管31より水を送水するための波力ポンプ1に、取
水管4と送水管31の間に逆止弁6,33で区画された
給排水室50と、その給排水室50より水面近くまで起
立して設けられた中空ピストン管10と、その中空ピス
トン管10の上端に形成したピストン部14に上下摺動
自在に形成され、ピストン部14の上方にポンプ室51
を区画するシリンダ17と、シリンダ17に一体に形成
されシリンダ17を上下摺動させるためのフロート16
とを備えたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地球温暖化ならび
に地球環境破壊、エネルギー資源の枯渇化等が大きな問
題となっている今日において、クリーンな自然エネルギ
ーである波の力を利用して作動させ、水を送水すること
のできる高効率の波力ポンプに係り、特に海洋や湖沼等
の浄化、港湾の換水、揚水発電、海洋温度差発電、濃度
差発電等の揚水ポンプとして用いると同時に、環境破壊
防止と省エネルギー、省資源に役立てる分野に関するも
のである。そして、港湾の換水ならびに海洋及び湖沼、
水源を浄化させることにより、人類の生活に欠かすこと
のできない魚介類や海草類等の水産資源ならびに飲料水
等の水資源を確保する分野にも関するものである。ま
た、装置がコンクリートケーソン等に組み込んだ場合、
シリンダを動揺させる機構すなわち、リング体や、球体
を出来得る限り小型化した上で機構上、機能上十分な役
割を果たせるものすなわちメカニカル分野にも関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】本発明と同様に水を送水する装置には、
太陽電池、風力、波力、潮流など種々の自然エネルギー
を利用するものがある。これら装置のエネルギー源であ
る太陽光、太陽熱、風、波、潮流等は、何れも広範囲に
亘って存在しているため稀薄であり、散逸し易く、また
その変動幅が大きい。それ故、これらのエネルギーを工
業的に利用することは非常に困難なことであった。そし
て、近年、長年の努力によって徐々にではあるがようや
く経済ベースに乗って来つつある。特に、波力を利用す
る分野に関しては、既に出願した「波力ポンプ」(特公
平8−6677号)が、海洋や湖沼を浄化する装置の送
水ポンプとして実用化に向けて、活躍を始めている。
【0003】しかしながら、この波力ポンプは、水中に
配設されるシリンダの中にピストンを上下方向に摺動自
在に配置すると共に、このピストンにチェーン等を介し
てフロートを連結したものであり、波動によって上下動
するフロートでピストンを上下に動かして送水するよう
にしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】したがって、この波力
ポンプはフロートの全浮力をチェーン等を介してピスト
ンに伝える方式であることから、チェーンの摩耗とその
破壊等がはげしいことや、シリンダ上部の外側に、シリ
ンダを揺動させるための軸部が出ており、この軸部がリ
ング体のリング管の内側に接続されているために、シリ
ンダの直径に対し、リング体のリング管の寸法が大きく
ならざるを得ない。
【0005】一方、ポンプの揚程、ならびに送水量等の
面から装置の性能を上げるためにはフロートを大型化
し、シリンダの直径を大きくせざるを得ない。しかる
に、このリング体のリング管の寸法を大きくすること
は、装置の構造上曲げモーメントやねじりモーメントを
増大させるばかりでなく、シリンダやリング体を支える
ためのサドルも大規模なものにさせると同時に、リング
管内の脈動流による慣性が増大する。このように、実用
化に必要な水準まで性能を上げようとするとコンクリー
トケーソン等にも組み込めない程大形化するのは、その
装置の機構上の複雑さから生じていることでもあり、装
置が大型化する割りには性能及び強度等が十分に得られ
ず、大量生産品とするには製作費等がかかりすぎるとい
う大きな課題があった。
【0006】また、海水中の付着物等がピストンの摺動
部等に付着してポンプの性能を劣化させることがあると
いう課題があった。
【0007】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、フロートとピストンを結ぶ機構で最も摩耗や破壊の
はげしいチェーン機構を削除しても十分な機能が達成で
きると同時に、ピストンならびにシリンダの直径を大型
化した場合にも、ピストンやシリンダを揺動させるため
の機構、すなわち、リング体のリング管の寸法や球体等
をあまり大きくさせず、防波堤等のコンクリートケーソ
ン等に組み込んでも十分に作動でき、シリンダ内部やピ
ストン等の摺動部に海水中の付着物が付きにくい波の力
で作動する波力ポンプを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、水中に設けた取水管より水を吸込み、送水
管より水を送水する波の力で作動する波力ポンプにおい
て、取水管と送水管の間に逆止弁で区画された給排水室
と、その給排水室に接続され水面近くまで起立して設け
られた中空ピストン管と、その中空ピストン管の上端に
形成したピストン部に上下摺動自在に形成され、ピスト
ン部の上方にポンプ室を区画するシリンダと、このシリ
ンダに一体に形成され、シリンダを上下摺動させるため
のフロートとを備えたものである。
【0009】そして、水底にサドルを固定し、このサド
ルに上記中空ピストン管が自在継手を介して揺動自在と
なるように設けるとよい。
【0010】また、上記ピストン部を上下方向に分割し
てその間に浮体を設けると共に、その下方に延びる中空
ピストン管の下端を動揺自在に支持して上記中空ピスト
ン管をほぼ鉛直に起立させ、ピストン部の上下方向の長
さを長くすることでピストン部をシリンダ内で円滑に相
対的往復動させるようにすると更によい。
【0011】そして、中空ピストン管の内側に水路を形
成し、この水路の下方に上記ポンプ室の水を出入りさせ
て送水するようにするとよい。
【0012】また、水中に設けた取水管より水を吸込
み、送水管より水を送水する波の力で作動する波力ポン
プにおいて、取水管と送水管の間に逆止弁で区画された
給排水室と、その給排水室に接続され水面近くまで起立
して設けられた中空ピストン管と、その中空ピストン管
の上端に形成したピストン部に上下摺動自在に形成さ
れ、ピストン部の上方にポンプ室を区画するシリンダ
と、そのシリンダに固定されてシリンダを上下摺動させ
るためのフロートと、上記中空ピストン管を吊り上げる
ための索を上記シリンダ内に挿通させるべく上記シリン
ダの上部に上下方向に貫通して形成された開閉可能なハ
ッチと、上記中空ピストン管に設けられて上記中空ピス
トン管に上記索を連結するための吊金具とを備えたもの
とする。このようにすると装置の運搬時等にはフロート
の浮力を利用して装置全体を浮上させる事ができるため
に都合がよい。
【0013】そして、上記ポンプ室と上記ハッチとの間
に上記ポンプ室内の水を上記ハッチ内へ流すための流路
を形成すると共に、上記ハッチの上部に開閉可能な蓋を
設け、上記ハッチの下部に自重で閉じる弁を設け、上記
ハッチ内に水を充たすことにより上記弁に背圧をかけて
締めるようにすると更によい。また、このとき上記流路
に上記ポンプ室内から上記ハッチ内へのみ水を流がす逆
止弁を設けるとよい。
【0014】つぎに、水中に設けた取水管より水を吸い
込み、送水管より水を送水する波の力で作動する波力ポ
ンプにおいて、取水管と送水管の間に逆止弁で区画され
た給排水室と、その給排水室に接続され水面近くまで起
立して設けられた中空ピストン管と、その中空ピストン
管の上端に形成したピストン部に上下摺動自在に形成さ
れ、ピストン部の上方にポンプ室を区画するシリンダ
と、そのシリンダに固定されてシリンダを上下摺動させ
るためのフロートと、上記中空ピストン管と上記給排水
室の間に介設され上記中空ピストン管内の水路を上記給
排水室内に屈曲自在に接続するための伸縮管とを備え、
その伸縮管の下端が上記給排水室に接続されると共に、
上端が上記中空ピストン管の内側もしくはその中空ピス
トン管の延長部の内側に挿入されて接続されるものと
し、ある程度伸縮管の長さを長くすると良い。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の好適実施の形態を添付図
面に基づいて詳述する。
【0016】図5に示すように、波の力で作動する波力
ポンプ1aは、港湾39内と外海39aとを仕切るよう
に配置されたコンクリートケーソン2の中に複数組み込
まれ、外海39aから港湾39内に海水を流し込んで海
岸線上に設けられた港湾39内の海水を循環させ浄化す
るようになっている。
【0017】コンクリートケーソン2内に組み込まれた
波力ポンプ1aには、コンクリートケーソン2を貫通し
て外海39aに延びる取水管4が接続されており、この
取水管4の外海39a側の端にはサクションストレーナ
ー5が設けられている。サクションストレーナー5は、
最も取水条件の良い場所に設置されており、常に新鮮な
海水を取水できるようになっている。
【0018】また、波力ポンプ1aには、コンクリート
ケーソン2を貫通して港湾39内に延びる送水管31が
接続されており、送水管31は、港湾39内で集合され
て集合管31aとなっている。集合管31aは、港湾3
9の最奥部まで延びて敷設されており、集合管31aの
途中には水車40、発電機41等が接続され、揚水発電
等を行った後、港湾39の最奥部等で尚且つ最も水質の
汚染された場所の奥に、放水するようになっている。そ
して、集合管31aには分岐管31bも接続されてお
り、隣接する養殖場42等にも水を供給できるようにな
っている。また、送水管31ならびに取水管4には図示
しないアキュムレーターが接続されており、波力ポンプ
1aに出入りする海水の脈動流を平滑流に整流するよう
になっている。
【0019】図1及び図2に示すように、波力ポンプ1
aが組み込まれたコンクリートケーソン2は、海底に設
けられたマウンド3の上に設けられており、コンクリー
トケーソン2の下方にはコンクリートケーソン2内に海
水を出入りさせるための通水路としての穴2aが複数設
けられている。そして、外海39aの波がコンクリート
ケーソン2内にも伝わって水面Sが上下動するようにな
っている。また、図2に示すように、波力ポンプ1a
は、コンクリートケーソン2の中心P点に設置されてお
り、P点の真上に後述する中空ピストン管10が位置さ
れるようになっている。
【0020】波力ポンプ1aは、A型式の波力ポンプで
あり、図1に示すように、取水管4と送水管31の間に
逆止弁6,33で区画された給排水室50と、給排水室
50より水面近くまで起立して設けられた中空ピストン
管10と、中空ピストン管10の上端に形成したピスト
ン部14に上下摺動自在に形成され、ピストン部14の
上方にポンプ室51を区画するシリンダ17と、シリン
ダ17の上部に一体に形成されシリンダ17を上下摺動
させるためのフロート16とからなる。
【0021】給排水室50は、取水側と送水側にそれぞ
れ設けられた一対の逆止弁6,33と、中央部に位置さ
れて中空ピストン管10に分岐接続される接続管9と、
接続管9と逆止弁6,33の間及び接続間9と中空ピス
トン管10の間にそれぞれ設けられて伸縮する伸縮管
8,11,32とからなる。中空ピストン管10の内部
には水路27を形成し、水路27は中空ピストン管10
の下方に設けられた給排水室50と、給排水室50の上
方に区画されたポンプ室51を結ぶ。取水側の逆止弁6
は、取水方向にのみ海水を流すように設けられており、
送水側の逆止弁33は、送水方向にのみ海水を流すよう
に設けられている。また、取水側の逆止弁6は取水管4
にフレキシブルホース7を介して接続され、送水側の逆
止弁33は、送水管31にフレキシブルホース34を介
して接続されている。
【0022】なお、コンクリートケーソン2の外部に設
けられた取水管4とサクションストレーナー5の配置
は、図5と図1とでは若干相違するが、これは設置環境
等の相違により適宜変更する設計上の相違であり、機構
的には同じものである。
【0023】中空ピストン管10は、接続管9に伸縮管
11を介して接続されて水面近くまで起立して延びるピ
ストンロッド状の管であり、その上端部にはピストン部
14が設けられており、下部外周には後述するリング体
54の内軸52aを軸支するための軸受12が形成され
ている。中空ピストン管10の下部は、中空ピストン管
10を支持すると共に自由な方向に傾倒させるユニバー
サル機構53を介して、海底に固定されたサドル13に
支持されている。
【0024】ユニバーサル機構53は、具体的には、中
空ピストン管10の外周を環状に囲むリング体54の径
方向内方と外方とにそれぞれ平面視十字状に交叉するよ
うに内軸52a及び外軸52bを突出させて設けてリン
グ体54を形成し、リング体54の径方向内方に突出す
る内軸52a,52aを中空ピストン管10の軸受1
2,12に回動可能に支持させると共に、リング体54
の径方向外方に突出する外軸52b,52bをそれぞれ
サドル13,13に回動可能に支持させてなる自在継手
である。
【0025】サドル13,13は、リング体54の径方
向外側を挟むようにコンクリートケーソン2の底部に起
立して固着された一対の支持脚であり、それぞれサドル
13,13の上部には、リング体54の外軸52b,5
2bを回動可能に支持するための軸穴55,55が互い
に向き合うように形成されている。
【0026】ピストン部14は、中空ピストン管10の
上部を拡径するようにして、かつ、上下方向の長さを直
径程度に長く形成されており、シリンダ17内で円滑に
相対的往復動するようになっている。そして、ピストン
部14は、上下方向に分割されてなる上部ピストン部5
6及び下部ピストン部57と、上部ピストン部56及び
下部ピストン部57の中間部分に設けられた浮体15と
からなり、下部をリング体54に支持された中空ピスト
ン管10をほぼ鉛直に起立させるようになっている。ま
た、上部ピストン部56の外周上部には、鋭角をした刃
物状の付着物除去装置26が配置されており、シリンダ
17の内部を擦り付けてシリンダ17内部に付着した付
着物を刮ぎ落とすようになっている。そして、付着物除
去装置26、上部ピストン部56、浮体15及び下部ピ
ストン部57は、互いに重ね合わされた状態のままこれ
らを上下に貫通する締結ボルト58で十分に締め付けら
れており、常に一体になっている。ただしこの時、上下
に貫通する締結ボルト58が浮体15内を通過する部分
は、管等を溶接して浮体15内に水が入らないようにし
なくてはならない。また、ピストン部56,57は中空
ピストン管10にしっかりと固着させる対策が設けられ
て、ピストンの機能が十分に果せるものである。
【0027】シリンダ17は、筒を伏せたような形状を
有し、その上端には筒の上端を塞いで上面を形成する天
井部59が形成されている。天井部59には、多少の傾
斜が付けられており、そのほぼ中心部60が最も高くな
るようになっている。中心部60には、管等で形成され
た空気抜き管21が設けられており、後述するフロート
16を貫通してフロート16の上方に突出している。空
気抜き管21の上端には逆止弁22と自動空気抜き弁2
3が直列に設けられており、シリンダ17内上部に蓄積
した気泡や空気が常に空気抜き管21から抜き取られる
ようになっている。また、逆止弁22の下方に位置する
空気抜き管21の上端近傍には先端に弁25を有するノ
ズル24が分岐して設けられており、ノズル24から消
泡剤や海水中の生物が装置内部に付着するのを防止する
添加剤等を注入できるようになっている。
【0028】そして、シリンダ17の下端にはリング状
のストッパー19が設けられている。このストッパー1
9の内径は、ピストン部14の外径よりも小さく形成さ
れており、万一、コンクリートケーソン2内の水面が予
測外に大きな上下動をおこしても、ストッパー19がピ
ストン部14に当たってピストン部14からシリンダ1
7が抜けないようになっている。
【0029】フロート16は、シリンダ17の上部を覆
うようにしてシリンダ17と一体に設けられた浮きであ
り、コンクリートケーソン2内の水面Sに浮かされて、
水面Sの上下動に伴って上下動するようになっている。
そして、浮力のあるフロート16の下に、重量があって
あまり浮力のないシリンダ17を位置させることは、浮
心と重心の関係から浮心を上方に、重心を下方に配置さ
せることにより、シリンダ17の姿勢をほぼ鉛直に保つ
ようになっている。フロート16の内部には、バラスト
タンク20が設けられており、フロート16の水平安定
性等を高めるようになっている。そして更に、シリンダ
17の下部外周には、ウェート18が設けられており、
更に強くシリンダ17の姿勢をほぼ鉛直に保つようにな
っている。
【0030】また、波力ポンプ1aの下部には、中空ピ
ストン管10の傾斜角度を制限するための傾斜角度規制
手段61が設けられている。傾斜角度規制手段61は、
中空ピストン管10の下部から径方向外方に突出して設
けられたストッパー28と、このストッパー28を受け
止めるためのサドル29とからなる。
【0031】ストッパー28は、中空ピストン管10か
ら同心状に径方向外方に延びるフレーム62の突端に環
状の止め部材63を設けてなるものであり、中空ピスト
ン管10が所定角度まで傾倒すると止め部材63がサド
ル29に当たってそれ以上は中空ピストン管10を傾倒
させないようになっている。止め部材63の下端には、
ゴム等からなる緩衝材(図示せず)が設けられており、
止め部材63がサドル29に当たった際の衝撃を吸収す
るようになっている。
【0032】サドル29は、コンクリートケーソン2の
底部に固着されて設けられた受け台であり、中空ピスト
ン管10が所定角度まで傾倒したときに止め部材63が
当る位置に、中空ピストン管10の外周を囲むようにリ
ング状に設けられている。止め部材63が当るサドル2
9の上面にはゴム等からなる緩衝材(図示せず)が設け
られており、止め部材63がサドル29上面に当たった
際の衝撃を更に吸収するようになっている。
【0033】また、ストッパー28の上部には降下する
シリンダ17の下端を受け止めるための停止サドル30
が設けられており、シリンダ17が降下しすぎたときに
シリンダ17下端のストッパー19を受け止めてシリン
ダ17の降下を止めるようになっている。そして、停止
サドル30の上面にもゴムシート等からなる緩衝材(図
示せず)が設けられている。
【0034】次に作用を述べる。
【0035】コンクリートケーソン2の外側に波が打ち
寄せて来て水面S1が上昇した場合、コンクリートケー
ソン2の穴2aより水が流入してコンクリートケーソン
2内の水面Sも上昇する。そうすると、水面Sに浮上し
ているフロート16は、水面Sの上昇に伴って上昇す
る。このとき、シリンダ17も同時に上昇し、シリンダ
17内に区画形成されているポンプ室51の容積が大き
くなる。そして、ポンプ室51内は膨張され、バキュー
ム作用が生じる。このため、給排水室50内の水圧は下
がり、取水側の逆止弁6が開いてサクションストレーナ
ー5及び取水管4を介して外海39aの海水が波力ポン
プ1a内に流入する。また、これと同時に中空ピストン
管10内にある水は、ポンプ室51内に吸い込まれる。
このとき、送水側の逆止弁33は閉じたままであり、送
水管31側からポンプ1a内に海水が逆流することはな
い。
【0036】そして、コンクリートケーソン2の外側の
波が引き、水面S1が下降した場合、コンクリートケー
ソン2内の水は穴2aより外海39aへ流出し、コンク
リートケーソン2内の水面Sも下降する。そうすると、
水面Sに浮上しているフロート16は、水面Sの下降に
伴って下降する。このとき、シリンダ17も同時に降下
し、逆止弁6は閉じると同時にポンプ室51内の水に圧
縮方向の力が働く。そして、この水は先程の水の流れと
逆方向に流れて、中空ピストン管10内に押し込まれ、
中空ピストン管10内の水は、給排水室50に押し込ま
れる。このため、給排水室50内の水圧は上がり、送水
側の逆止弁33が開いて給排水室50内の水は、送水管
31へ送り出される。このとき、取水側の逆止弁6は閉
じたままであり、取水側に給排水室50内の水が流れ出
ることはない。そして、送水管31へ送り出された水
は、図示しないアキュムレーターに入って、その脈動流
を平滑流に整流され、再び送水管31を経て集合管31
aに集合される。集合管31aに集合された水のうち一
部は、分岐管31bから分岐されて養殖場42に給水さ
れ、他は、水車40や発電機41を回転させて揚水発電
等を行った後、港湾39の最奥部に放水される。この港
湾39最奥部の放水位置の手前にある汚染水は、この放
水に押し出されて港湾39の外部、すなわち外海39a
に流出する。外海39aでは、海流、波浪等があるため
に、外海39aの海水と混合されて自然に浄化される。
【0037】また、ポンプ室51内の水及び中空ピスト
ン管10内の水は、往復流するのみで、水の入れ換わり
は少なく、送水管31にはあまり流れて行かないため
に、ピストン部14やシリンダ17の摺動部に海水中の
付着物が付着することはあまりない。
【0038】また、シリンダ17が降下する際、シリン
ダ17の内面64は、ピストン部14の上部に取り付け
られた付着物除去装置26に擦られ、シリンダ17の内
面64に付着した付着物が刮ぎ落とされる。そして、刮
ぎ落とされた付着物は中空ピストン管10の内部を落下
して、送水管31内に流れ込む。このとき、付着物が逆
止弁6,33の弁座6a,33a等につまることも考え
られるが、シリンダ17は常に上下動している事や、台
風時等には大量の海水を送水しており、シリンダ17内
にあまり大きな付着物が付着することはないために、送
水量が半減するなどの不具合はあまり起こらない。ただ
し、弁の形状によっては目詰まりを起こしやすいものも
あるために、逆止弁6,33は、特に目詰まりを起こし
にくいものを使用する必要がある。
【0039】そして、コンクリートケーソン2内の波に
よりフロート16、シリンダ17及び中空ピストン管1
0に横向きの力がかかった場合、中空ピストン管10
は、ユニバーサル機構53を中心にして傾倒してその横
向きの力を逃がす。そして、フロート16がコンクリー
トケーソン2に当る等してポンプ1aを破壊させる限界
の傾倒角度まで中空ピストン管10が傾きそうになる
と、ストッパー28がサドル29に当たり、それ以上の
傾倒を規制する。このために、中空ピストン管10にリ
ング体54が当ったり、フロート16がコンクリートケ
ーソン2に当ったり、伸縮管8,11,32を限界以上
に伸縮させる等してポンプ1aを破壊させることはな
い。しかしながら、安全のために、フロート16の要所
には、ゴム等の緩衝材を設けるとなおさら安全である。
【0040】また、コンクリートケーソン2内の水面S
が下降しすぎた場合、シリンダ17下端のストッパー1
9が停止サドル30に当たってシリンダ17の下降を制
限することからシリンダ17が下降しすぎてポンプ1a
が破損することもない。
【0041】このように、波力ポンプ1aを、取水管4
と送水管31の間に逆止弁6,33で区画された給排水
室50と、給排水室50より水面近くまで起立して設け
られた中空ピストン管10と、中空ピストン管10の上
端に形成したピストン部14に上下摺動自在に形成さ
れ、ピストン部14の上方にポンプ室51を区画するシ
リンダ17と、シリンダ17に一体に形成されシリンダ
17を上下摺動させるためのフロート16とを備えたも
のとしたために、ユニバーサル機構53を大形化しなく
ともピストン部14及びシリンダ17の直径を大型化し
てポンプ室51を大きくすることができ、防波堤等のコ
ンクリートケーソン2等に容易に組み込んで作動させる
ことができる。
【0042】また、水底にサドル13を固定し、このサ
ドル13に中空ピストン管10をユニバーサル機構53
を介して揺動自在に設けたために、フロート16及びシ
リンダ17等にかかる横向きの力を逃がすことができ、
波力ポンプ1aに無理な力がかかるのを防ぐことができ
る。
【0043】そして、ピストン部14の上端外周に鋭利
な刃物状の付着物除去装置26を設けたために、シリン
ダ17内の付着物を波力を利用して自動的に除去でき、
シリンダ17内に付着物が付着するのを防ぐことができ
る。
【0044】また、ピストン部14を上部ピストン部5
6、下部ピストン部57及び浮体15とからなるものと
し、ピストン部14の下方に延びる中空ピストン管10
の下端をユニバーサル機構53を介して揺動自在に支持
するために、中空ピストン管10をほぼ鉛直に起立させ
ることができ、さらにピストン部14の上下方向の長さ
を直径程度に長く形成するため、ピストン部14をシリ
ンダ17内で円滑に相対的往復動させることができる。
【0045】そして、中空ピストン管10の内側に水路
27を形成し、水路27の下方にポンプ室51の水を出
入りさせて送水するようにしたため、フロートの上下動
によりポンプ室51内の水の圧力が圧縮、バキューム作
用を繰り返しても、この圧縮、バキューム作用の全ての
力を中空ピストン管10に直接作用させるのではなく
て、水路27内の水に作用させて取水管4から送水管3
1へ水を送水させるために、中空ピストン管10の耐久
力を著しく増すことができる。
【0046】また、取水管4ならびに送水管31にアキ
ュムレーターを設けて脈動流を平滑流に整流するため
に、送水効率を尚一層向上させることができる。
【0047】次に他の実施の形態を添付図面に基づいて
述べる。
【0048】図3は、B型式の波力ポンプを示す側断面
図である。波力ポンプ1bは、図1及び図2に示す波力
ポンプ1aのユニバーサル機構53を他の機構に置き換
えたものである。具体的には、中空ピストン管10の下
端外周に球体状の回動部35が設けられており、給排水
室66の上部開口67の内周面68に凹面を形成してな
る支持部69が設けられ、支持部69がサドル36を介
してコンクリートケーソン2の底部に固着されている。
そして、支持部69の中に回動部35を嵌合させて回動
部35を回動自在に支持するようになっている。
【0049】波力ポンプ1bのフロート16及びシリン
ダ17等に横向きの力がかかった場合、回動部35がP
1点を中心に支持部69内で回動して中空ピストン管1
0が傾倒し、横向きの力を逃がす。
【0050】このように、中空ピストン管10を回動部
35と支持部69とで支持するようにすると、中空ピス
トン管10と給排水室66とを完全に別体とすることが
でき、接続管9と逆止弁6,33の間及び接続管9と中
空ピストン管10の間に設ける伸縮管8,11,32を
不要とすることができる。ただし、一般的に大径の球体
を製作するには高い費用を要するので、図1及び図2に
示す波力ポンプ1aの方が比較的安い費用で製作でき
る。
【0051】そして、更に他の実施の形態を添付図面に
基づいて述べる。
【0052】図6に示すように、波力ポンプ1cは、コ
ンクリートケーソン2の中に複数組み込まれ、外海39
aの波動を利用して湾39内の汚染された海水を外海3
9aに送り出し、港湾39内の海水を循環させ浄化する
ようになっている。
【0053】コンクリートケーソン2内に組み込まれた
波力ポンプ1cには、コンクリートケーソン2を貫通し
て港湾39内に延びる往復流管38が接続されており、
往復流管38の港湾39側の端には給排水室70が設け
られている。給排水室70には他にも、取水管47と送
水管46とがそれぞれ逆止弁44,45を介して接続さ
れている。取水管47側の逆止弁44は取水方向にのみ
水を流すようになっており、送水管46側の逆止弁45
は送水方向にのみ水を流すようになっている。
【0054】取水管47は、港湾39の中でも最も水深
が深く、かつ、汚染水が最高に滞留している場所まで延
びており、取水管47の先端にはサクションストレーナ
ー43が接続されている。
【0055】送水管46は、コンクリートケーソン2を
貫通するかもしくは、その上方や外側を通過して外海3
9aまで延びて設けられている。また、送水管46には
図示しないアキュムレーターが接続されており、ポンプ
1cから送り出される海水の脈動流を整流して平滑流と
するようになっている。
【0056】図4に示すように、複数の波力ポンプ1c
が組み込まれたコンクリートケーソン2は、海底に設け
られたマウンド3の上に設けられており、コンクリート
ケーソン2の下方にはコンクリートケーソン2内に海水
を出入りさせるための通水路としての穴2aが複数設け
られている。そして、外海39aの波がコンクリートケ
ーソン2内にも伝わって水面Sが上下動するようになっ
ている。
【0057】波力ポンプ1cは、C型式の波力ポンプで
あり、中空ピストン管10の下端には屈曲して形成され
た接続管9aが伸縮管32aを介して接続され、接続管
9aには伸縮管32ならびにフレキシブルホース34等
を介して往復流管38が接続されている。
【0058】この実施の形態の作用を述べる。
【0059】コンクリートケーソン2の中に外海39a
の海水が出入りしてコンクリートケーソン2内の水面S
が上下動した場合、水面Sの上下動に伴ってフロート1
6も上下動する。そして、フロート16に固定されてい
るシリンダ17も上下動し、シリンダ17内のポンプ室
51は拡大乃至縮小する。ポンプ室51が拡大した場
合、往復流管38の先に接続された給排水室70の水圧
が下がって取水側の逆止弁44が開き、サクションスト
レーナー43から取水管47に向けて港湾39内の汚染
された海水が吸引され、往復流管38及び給排水室70
の中に取水される。このとき、送水側の逆止弁45は閉
じたままの状態であり、送水側から海水が逆流すること
はない。また、ポンプ室51が縮小した場合、往復流管
38の先に接続された給排水室70の水圧が上がって取
水側の逆止弁44が閉じると同時に送水側の逆止弁45
が開き、給排水室70及び往復流管38内の海水が送水
管46に向けて送り出される。この後、海水は、アキュ
ムレーターを経て整流されて、平滑流となり港湾の外部
である外海39aに排水されることとなる。
【0060】次に他の実施の形態を述べる。
【0061】図7及び図9に示すように、波力ポンプ1
dは、外海39aに設置されている。波力ポンプ1dに
は、それぞれ異なる方向に延びる2本の取水管71,7
1と、同様に異なる方向に延びる2本の送水管72,7
2とが接続されており、取水管71,71の先端にはサ
クションストレーナー73,73がそれぞれ接続されて
いる。また、送水管72,72にはそれぞれアキュムレ
ーター74,74が接続されており、ポンプ1dから送
り出される海水の脈動流を整流して平滑流とするように
なっている。そして、アキュムレーター74,74の排
水側に接続される送水管72a,72aは、合流されて
いる。また、取水管71,71には逆止弁75,75が
設けられて取水方向にのみ水を流すようになっており、
送水管72,72には逆止弁76,76が設けられて送
水方向にのみ水を流すようになっている。
【0062】図7に示すように、波力ポンプ1dは、ベ
ースブロック48の上に設けられ、ベースブロック48
が海底に設置されている。波力ポンプ1dは、D型式の
波力ポンプであり、サクションストレーナー73と送水
管72の間に逆止弁75,76で区画された給排水室1
03と、給排水室103より水面近くまで起立して設け
られた中空ピストン管77と、中空ピストン管77の上
端に形成したピストン部14に上下摺動自在に形成さ
れ、ピストン部14の上方にポンプ室90を区画するシ
リンダ79と、シリンダ79に上下摺動可能に係合され
ると共にシリンダ79の上端に係脱可能に固定されてシ
リンダ79を上下摺動させるためのフロート81と、中
空ピストン管77と給排水室103の間に介設され中空
ピストン管77内の水路104を給排水室103内に屈
曲自在に接続するための伸縮管105とからなる。
【0063】中空ピストン管77内の上端には中空ピス
トン管77を吊るための吊金具78が設けられている。
吊金具78は、中空ピストン管77の管内上端を十字に
区画するようにして中空ピストン管77の管内上端に固
定されており、管内を流れる海水の流通を妨げないよう
になっている。
【0064】つぎにシリンダ79と中空ピストン管77
が上下摺動する際に、座屈作用防止のために中空ピスト
ン管77の外周にはガイドレール77aが複数個縦方向
に摺動できるように設けられて、これに前述したシリン
ダ79の下部に設けたストッパ19の内面が摺動するも
のとする。このガイドレール77aは、中空ピストン管
77の外周にほぼ均等に配置すると共に、摺動部にはプ
ラスチック等の摩擦減少材が設けられている。
【0065】また、シリンダ79の外周にはシリンダ7
9の上端から下端近傍まで延びるガイドレール80が複
数並行に設けられている。これらガイドレール80は、
装置の吊り上げ時にフロート81の中でシリンダ79を
昇降させる時にガイドするためのものであり、十分に強
固にシリンダ79に固定されている。
【0066】フロート81は、ほぼ環状の形状をしてお
り、その内周面82でシリンダ79の外周を囲むように
設けられている。フロート81の内周面82にはガイド
レール80に沿って昇降するためのガイド部(図示せ
ず)が設けられており、シリンダ79の外周を円滑に昇
降するようになっている。また、フロート81の内周上
端には外側に捲り上がった当て板83が設けられてお
り、シリンダ79の上端を拡径して形成された受け板8
4に当たってフロート81がシリンダ79の上方に抜け
ないようになっていると同時に、当て板83及び受け板
84をボルト(図示せず)等で十分に締め付けている。
【0067】そして、シリンダ79の上部には、中空ピ
ストン管77の吊金具78を吊る際に、吊りワイヤ(チ
ェーン等の他の索であってもよい)を通すためのハッチ
85が設けられている。ハッチ85は、シリンダ79の
上面を上下方向に貫通して形成された上下方向に長い孔
であり、ハッチ85の上端は取り外し可能な蓋板86で
閉じられていると共に、下端には自重で閉じる弁87が
設けられている。弁87は、ハッチ85下端を縮径させ
て形成された弁座88と、弁座88上に載置されて弁座
88を液密に塞ぐ重い弁体89とからなる。弁体89の
背面には弁体89が弁座88に対し正常に、尚且つ円滑
に閉じるための手段としてガイドの役目をする架構(図
示せず)等も設けられている。また、ハッチ85内側方
にはポンプ室90につながるバイパス管91が設けられ
ると共に、バイパス管91にはポンプ室90からハッチ
85内へ向かう水のみを流す逆止弁92が設けられ、ポ
ンプ室90内に水が満ちているときにはハッチ85内を
水で満たすようになっている。そして、蓋板86には上
方に貫通する空気抜き管93が設けられると共に、空気
抜き管93には空気のみを外部に放出する自動空気抜弁
94が設けられている。
【0068】この実施の形態の作用を述べる。
【0069】水面S1の動きに伴ってフロート81が上
方に動いた場合、この上方への動きがフロート81の当
て板83からシリンダ79の受け板84に伝わってシリ
ンダ79を上方に引き上げる。このとき、ハッチ85の
中には水が充填されており、弁体89に背圧がかかって
いることや、ポンプ室90内の圧力は負の圧力であるた
めに、弁87が勝手に開くことはない。そして、フロー
ト81が下方に動いた場合、シリンダ79はフロート8
1によって強制的に下降させられる。このとき、ポンプ
室90の水圧がハッチ85内の水圧より高くなった場合
には、ポンプ室90内の水がバイパス管91及び逆止弁
92を通過してハッチ85内に入り、ハッチ85内の水
圧が上昇し、弁体89にかかる背圧が上昇するために、
弁87は開くことはない。そして、万一ハッチ85内に
気泡が入っても、気泡は空気抜き管93及び自動空気抜
弁94を通過して外部に放出される。
【0070】図8に示すように、波力ポンプ1dを運搬
する場合、フロート81の上方に仮架台95をシリンダ
79上を跨ぐように掛け渡して取り付けると共に、仮架
台95の、シリンダ79の真上に位置される場所に中空
ピストン管77を吊り上げるための電動ウィンチ96を
取り付ける。そして、サドル29の上に運搬用架台97
を設け、運搬用架台97の上端にフロート81の底面9
8に当たるゴム板等の緩衝材99を設ける。このとき、
装置の設計次第によっては、運搬用架台97を設けない
でシリンダ79の下部に設けたストッパ19をシリンダ
79の停止サドル30に直接当ててもよい。
【0071】つぎに、アキュムレーター74,74内に
空気を注入して海水を抜き、アキュムレーター74,7
4に浮力を生じさせる。そして、蓋板86をハッチ85
から取り外すと共に弁体89を弁座88上から外す。こ
の時はじめてポンプ室90内の圧力が無負荷(ニュート
ラル)状態となる。つぎに前述したフロート81の当板
83とシリンダ79の上端に設けた受け板84を締め付
けてあるボルトを取り除く。そして、ハッチ85内に電
動ウィンチ96に巻かれた吊りワイヤ101を通す。吊
りワイヤ101の先端にあるフック102を吊り金具7
8に引っ掛けたら、電動ウィンチ96を巻き、中空ピス
トン管77を吊り上げる。シリンダ79内のピストン部
14ならびに中空ピストン管77が上方に移動して運搬
用架台97がシリンダ79の下部に設けたストッパ19
に当たったとすると運搬用架台97にシリンダ79の下
部を万力(シャコマン)100等を用いて仮締め付けを
する。
【0072】そして、更に電動ウィンチ96を巻くと、
シリンダ79の上面はフロート81の上面から次第に離
れて上昇し、最上部に達するまで巻き上がる。運搬時の
最低水深等を確認した上で、フロート81の上部に設け
た当板83とシリンダ79上部に設けた受け板84間に
固定サポート(図示せず)等を設けて固着させる。
【0073】この状態になったら、運搬する。
【0074】このように、シリンダ79の上部にハッチ
85を設けると共に、中空ピストン管77に吊り金具7
8を設け、ハッチ85の上方からハッチ85を経て中空
ピストン管77を吊るようにしたために、容易に中空ピ
ストン管77を吊り上げることができて、フロート81
及びシリンダ79ならびに装置全体を容易に仮固定する
ことができる。
【0075】また、ポンプ室90とハッチ85との間に
ポンプ室90内の水をハッチ85内へ流すためのバイパ
ス管91を形成すると共に、バイパス管91にポンプ室
90内からハッチ85内へのみ水を流がす逆止弁92を
設け、ハッチ85の上部に開閉可能な蓋板86を設け、
ハッチ85の下部に自重で閉じる弁87を設け、ハッチ
85内に水を充たすことにより弁体89に背圧をかけて
締めるようにしたために、簡易な構造で容易かつ十分に
ハッチ85を閉じることができる。
【0076】つぎに説明は前後するがフロート81が横
向きの力を受けて中空ピストン管77が傾倒するときに
は、その対策として伸縮管105が設けられ、伸縮管1
05の下端が給排水室103に接続されると共に、上端
が中空ピストン管77の内側もしくは中空ピストン管7
7の下端が下方に延長してなる延長部106の内側に挿
入されて接続されており、ある程度の長さを有している
ことから、中空ピストン管77が揺動作用を起こした場
合には、伸縮管105に無理が生ぜず装置の耐久性は著
しく上昇するものである。
【0077】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果を奏する。
【0078】(1)請求項1に記載の発明によれば、波
力ポンプを容易に大形化させることができ、防波堤等の
コンクリートケーソンにも容易に組み込むことができ
る。
【0079】(2)請求項2に記載の発明によれば、ポ
ンプにかかる横向きの力を逃がすことができ、ポンプに
無理な力がかかるのを防ぐことができる。
【0080】(3)請求項3に記載の発明によれば、中
空ピストン管をほぼ鉛直に起立させることができてしか
も、ピストン部をシリンダ内で円滑に相対的往復動させ
ることができる。
【0081】(4)請求項4に記載の発明によれば、中
空ピストン管の耐久力を著しく増すことができる。
【0082】(5)請求項5に記載の発明によれば、フ
ロート及びシリンダならびに装置全体を容易に仮固定す
ることができて、装置の運搬を比較的簡単に行える。
【0083】(6)請求項6に記載の発明によれば、簡
易な構造で容易かつ十分にハッチを閉じることができ
る。
【0084】(7)請求項7に記載の発明によれば、中
空ピストン管の内部に設けた水路と給排水室を接続する
伸縮管の耐久性を著しく上昇させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適実施の形態を示すA型式の波力ポ
ンプの側断面図である。
【図2】図1のII−II線矢視図である。
【図3】本発明の他の実施の形態を示すB型式の波力ポ
ンプの側断面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態を示すC型式の波力ポ
ンプの側断面図である。
【図5】A型式及びB型式の波力ポンプの配置位置及び
水の流れ方向を示す平面図である。
【図6】C型式の波力ポンプ配置位置及び水の流れ方向
を示す平面図である。
【図7】本発明の他の実施の形態を示すD型式の波力ポ
ンプの側断面図である。
【図8】運搬時の状態を示すD型式の波力ポンプの側断
面図である。
【図9】図7のIX−IX線矢視断面図である。
【符号の説明】
1a 波力ポンプ 1b 波力ポンプ 1c 波力ポンプ 1d 波力ポンプ 4 取水管 6 逆止弁 10 中空ピストン管 13 サドル 14 ピストン部 15 浮体 16 フロート 17 シリンダ 27 水路 31 送水管 33 逆止弁 35 回動部 36 サドル 44 逆止弁 45 逆止弁 46 送水管 47 取水管 50 給排水室 51 ポンプ室 53 ユニバーサル機構(自在継手) 56 上部ピストン部 57 下部ピストン部 66 給排水室 70 給排水室 71 取水管 72 送水管 75 逆止弁 76 逆止弁 77 中空ピストン管 78 吊金具 79 シリンダ 81 フロート 85 ハッチ 86 蓋板(蓋) 87 弁 90 ポンプ室 91 バイパス管(流路) 92 逆止弁 103 給排水室 104 水路 105 伸縮管 106 延長部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水中に設けた取水管より水を吸込み、送
    水管より水を送水する波の力で作動する波力ポンプにお
    いて、取水管と送水管の間に逆止弁で区画された給排水
    室と、その給排水室に接続され水面近くまで起立して設
    けられた中空ピストン管と、その中空ピストン管の上端
    に形成したピストン部に上下摺動自在に形成され、ピス
    トン部の上方にポンプ室を区画するシリンダと、そのシ
    リンダに一体に形成され、シリンダを上下摺動させるた
    めのフロートとを備えたことを特徴とする波の力で作動
    する波力ポンプ。
  2. 【請求項2】 水底にサドルを固定し、このサドルに上
    記中空ピストン管を自在継手を介して揺動自在に設けた
    請求項1に記載の波の力で作動する波力ポンプ。
  3. 【請求項3】 上記ピストン部を上下方向に分割してそ
    の間に浮体を設けると共に、その下方に延びる中空ピス
    トン管の下端を動揺自在に支持して上記中空ピストン管
    をほぼ鉛直に起立させ、ピストン部の上下方向の長さを
    長くすることでピストン部をシリンダ内で円滑に相対的
    往復動させる請求項1及び2に記載の波の力で作動する
    波力ポンプ。
  4. 【請求項4】 中空ピストン管の内側に水路を形成し、
    この水路の下方に上記ポンプ室の水を出入りさせて送水
    するようにした請求項1、2及び3に記載の波の力で作
    動する波力ポンプ。
  5. 【請求項5】 水中に設けた取水管より水を吸込み、送
    水管より水を送水する波の力で作動する波力ポンプにお
    いて、取水管と送水管の間に逆止弁で区画された給排水
    室と、その給排水室に接続され水面近くまで起立して設
    けられた中空ピストン管と、その中空ピストン管の上端
    に形成したピストン部に上下摺動自在に形成され、ピス
    トン部の上方にポンプ室を区画するシリンダと、そのシ
    リンダに固定されてシリンダを上下摺動させるためのフ
    ロートと、上記中空ピストン管を吊り上げるための索を
    上記シリンダ内に挿通させるべく上記シリンダの上部に
    上下方向に貫通して形成された開閉可能なハッチと、上
    記中空ピストン管に設けられて上記中空ピストン管に上
    記索を連結するための吊金具とを備えたことを特徴とす
    る波の力で作動する波力ポンプ。
  6. 【請求項6】 上記ポンプ室と上記ハッチとの間に上記
    ポンプ室内の水を上記ハッチ内へ流すための流路を形成
    すると共に、上記ハッチの上部に開閉可能な蓋を設け、
    上記ハッチの下部に自重で閉じる弁を設け、上記ハッチ
    内に水を充たすことにより上記弁に背圧をかけて締める
    ようにした請求項5記載の波の力で作動する波力ポン
    プ。
  7. 【請求項7】 水中に設けた取水管より水を吸い込み、
    送水管より水を送水する波の力で作動する波力ポンプに
    おいて、取水管と送水管の間に逆止弁で区画された給排
    水室と、その給排水室に接続され水面近くまで起立して
    設けられた中空ピストン管と、その中空ピストン管の上
    端に形成したピストン部に上下摺動自在に形成され、ピ
    ストン部の上方にポンプ室を区画するシリンダと、その
    シリンダに固定されてシリンダを上下摺動させるための
    フロートと、上記中空ピストン管と上記給排水室の間に
    介設され上記中空ピストン管内の水路を上記給排水室内
    に屈曲自在に接続するための伸縮管とを備え、その伸縮
    管の下端が上記給排水室に接続されると共に、上端が上
    記中空ピストン管の内側もしくはその中空ピストン管の
    延長部の内側に挿入されて接続されたことを特徴とする
    波の力で作動する波力ポンプ。
JP8222808A 1996-07-03 1996-08-23 波の力で作動する波力ポンプ Pending JPH1073075A (ja)

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JP20754996 1996-07-03
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