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JPH1072404A - ソルビトールの(メタ)アクリル酸エステル及びその製法 - Google Patents

ソルビトールの(メタ)アクリル酸エステル及びその製法

Info

Publication number
JPH1072404A
JPH1072404A JP22665696A JP22665696A JPH1072404A JP H1072404 A JPH1072404 A JP H1072404A JP 22665696 A JP22665696 A JP 22665696A JP 22665696 A JP22665696 A JP 22665696A JP H1072404 A JPH1072404 A JP H1072404A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
sorbitol
acrylic acid
acrylic
acrylate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP22665696A
Other languages
English (en)
Inventor
Shiyoutaku Ri
承澤 李
Misao Uohama
操 魚浜
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP22665696A priority Critical patent/JPH1072404A/ja
Publication of JPH1072404A publication Critical patent/JPH1072404A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 活性エネルギー線硬化性化合物として有用な
新規化合物を提供することにある。 【解決手段】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、mは平
均して、0.1〜6.0の範囲の数であり、かつm+n
=6である。)で表されるソルビトールの(メタ)アク
リル酸エステル、及びソルビトールを(メタ)アクリル
酸、(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリ
ル酸ハライドと反応させることを特徴とするソルビトー
ルの(メタ)アクリル酸エステルの製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なソルビトー
ルの(メタ)アクリル酸エステル及びその製法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】(メタ)アクリル酸エステルは、単独
で、又は他の重合性モノマー、オリゴマー、ポリマー、
染料、顔料、無機充填剤等と混合して、熱分解や、紫外
線・放射線等の活性エネルギー線照射による分解等によ
って生じるラジカルによって容易に重合し、機械的特
性、耐熱性、耐候性、耐酸化性等に優れたポリマーを生
成する。
【0003】また、(メタ)アクリル酸エステルは、炭
素−炭素二重結合を有する種々の化合物と容易に共重合
するので、用途に応じてポリマーの物性を調節すること
が可能であり、従来、塗料、インキ、コーティング剤、
接着剤、粘着剤、樹脂、ゴム、光学材料等の原料として
広範な分野に利用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来知
られている(メタ)アクリル酸エステルは、用途によっ
ては充分な性能が得られないことがあった。
【0005】硬化性樹脂組成物において重合性モノマー
して用いる際にも、例えば、単官能性(メタ)アクリル
酸エステル化合物は、低粘度で密着性は良好であるが、
硬化が遅いという欠点を有しており、また、多官能性
(メタ)アクリル酸エステル化合物は、硬化速度は優れ
ているが高粘度であり、密着性に問題を有している等、
硬化速度・粘度・密着性等の点で、バランス良く満足す
べき性能を有する化合物は見い出されていない。
【0006】また、環境保全の観点から、塗料・印刷イ
ンキ等の水性化が進められているが、上記の硬化速度・
密着性等に優れ、かつ、このような水性の硬化性樹脂に
用いることが可能な(メタ)アクリル酸エステル化合物
も、知られていない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ソルビトールの
(メタ)アクリル酸エステルは、新規化合物であり、活
性エネルギー線硬化性化合物として有用であること、更
に、このソルビトールの(メタ)アクリル酸エステル
は、(メタ)アクリロイル基と水酸基との割合を調節す
ることができるため、硬化速度・粘度・密着性等の点
で、バランス良く満足すべき性能を有する活性エネルギ
ー線硬化性化合物として、また、水性の硬化性樹脂原料
として有用な活性エネルギー線硬化性化合物等として、
目的に応じて合成および使用することができることを見
い出し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、(1) 一般式
(1)で表されるソルビトールの(メタ)アクリル酸エ
ステル、
【0009】
【化2】
【0010】(式中、R1は水素原子またはメチル基を
示し、mは平均して、0.1〜6.0の範囲の数であ
り、かつm+n=6である。)
【0011】(2) ソルビトールを(メタ)アクリル
酸、(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリ
ル酸ハライドと反応させることを特徴とするソルビトー
ルの(メタ)アクリル酸エステルの製法、
【0012】(3) (メタ)アクリル酸ハライドが
(メタ)アクリル酸クロリドである請求項2記載の製
法、を提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明におけるソルビトールの
(メタ)アクリル酸エステルは、下記の一般式(1)で
表わされるものであれば良く、その製法は問わない。
【0014】
【化3】
【0015】式中、R1は水素原子またはメチル基を示
す。
【0016】本発明のソルビトールの(メタ)アクリル
酸エステルは、mの異なる化合物が任意の割合で構成さ
れた混合物であり、mはこの混合物において、平均し
て、0.1〜6.0の範囲の数で、好ましくは平均し
て、1.0〜5.5の範囲の数であり、かつ、混合物中
の各化合物におけるnは、m+n=6となるように選ば
れる。
【0017】mとnの割合は、特に限定されるものでは
ないが、使用目的に応じて調節して合成および使用する
ことが可能である。例えば、硬化速度の優れた化合物や
低粘度の化合物を望む場合には、mが平均して、3.0
〜5.5の多官能性の(メタ)アクリル酸エステルが好
適であり、また、水性の硬化樹脂原料の用途には、mが
平均して、1.0〜3.0の水溶性を有する(メタ)ア
クリル酸エステルが好適である。
【0018】また、本発明のソルビトールの(メタ)ア
クリル酸エステルの製法は、ソルビトールを(メタ)ア
クリル酸、(メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)
アクリル酸ハライドと反応させるものである。
【0019】更に詳しくは、ソルビトールと(メタ)ア
クリル酸とを触媒の存在下に反応させる脱水エステル化
法(A)、ソルビトールと(メタ)アクリル酸エステル
を触媒の存在下に反応させるエステル交換法(B)、ま
たは(メタ)アクリル酸ハライドによるソルビトールの
脱ハロゲン化水素化を伴うエステル化法(C)等が挙げ
られる。
【0020】脱水エステル化法(A)の反応における
(メタ)アクリル酸の使用量は、使用するソルビトール
1モルに対して、通常は、0.5〜30モルの範囲で希
望する(メタ)アクリル基の置換数に応じて選択して用
い、また、好ましくは1.0〜15モルの範囲で用途に
応じて選択して用いられる。
【0021】脱水エステル化法(A)で用いられる触媒
としては、酸化合物が好ましく、具体的には、p−トル
エンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、クレゾールスル
ホン酸等の芳香族スルホン酸類;メタンスルホン酸、ト
リフルオロメタンスルホン酸等の脂肪族スルホン酸類;
硫酸、クロル硫酸、フルオロ硫酸、リン酸等の鉱酸類等
が挙げられ、その使用量は、通常、原料のソルビトール
100重量部に対して、0.1〜10重量部である。
【0022】また、脱水エステル化法(A)における反
応は、溶媒中あるいは無溶媒にて行うことができるが、
触媒によるソルビトールの脱水物の生成を抑制し、かつ
反応の進行を容易にするためには、特に水の存在下で反
応を実施することが好ましい。
【0023】また、用いる溶媒の量は、反応によって生
成する水を完全に系外へ共沸させて出すのに必要な量と
して、原料のソルビトール100重量部に対して、通常
は、10〜500重量部、好ましくは30〜100重量
部の量である。
【0024】更にまた、最終反応率を向上させるため
に、水と共沸可能な溶媒を併用して系内の水量を一定限
度に抑制しながら反応させることもできる。この場合、
用いられる溶媒としては水と共沸可能でかつ水と相分離
しうる化合物であれば特に限定されないが、具体的に
は、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素;ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭
化水素等が挙げられる。
【0025】水の存在下で反応を実施する場合、系内の
水量は、原料のソルビトール100重量部に対して、通
常は、1〜1000重量部、好ましくは10〜100重
量部の量である。
【0026】脱水エステル化法(A)における反応は、
通常20〜200℃、好ましくは50〜140℃の範囲
で実施される。また、反応時間は通常0.5〜20時間
であり、反応温度および希望する(メタ)アクリル基の
置換数に応じて調節することができる。
【0027】また、エステル交換法(B)において原料
として用いる(メタ)アクリル酸エステルとしては、特
に制限されるものではないが、エステル交換反応によっ
て生成するアルコールを系外へ留去させ、反応の進行を
容易にするためには、アルコール部分が炭素原子数1〜
4のアルキル基である(メタ)アクリル酸エステルが好
ましい。
【0028】エステル交換法(B)の反応における(メ
タ)アクリル酸の使用量は、使用するソルビトール1モ
ルに対して、通常0.5〜30モルの範囲で希望する
(メタ)アクリル基の置換数に応じて選択して用い、ま
た好ましくは1.0〜15モルの範囲で用途に応じて選
択して用いられる。
【0029】エステル交換法(B)において反応に用い
られる触媒としては、一般にエステル交換反応触媒とし
て知られている公知の化合物を用いることができ、具体
的には、ジブチルスズオキシド、テトラエチルチタネー
ト、テトラブトキシチタン、アセチルアセトネートのコ
バルト錯塩等の有機金属化合物;水酸化リチウム、炭酸
リチウム、塩化カルシウム、リン酸水素カリウム、リン
酸カリウム等の無機化合物;ナトリウムメチラート、カ
リウムメチラート等の金属アルコラート類等が挙げら
れ、その使用量は、通常、原料のソルビトール100重
量部に対して、0.1〜10重量部である。
【0030】また、エステル交換法(B)は、溶媒中あ
るいは無溶媒にて反応を行うことができる。溶媒中で反
応を実施する場合には、用いる溶媒は、反応に不活性で
あり、かつ原料のソルビトールがある程度可溶であれば
特に限定されるものではない。具体的には、ジメチルホ
ルムアミド、スルホラン等の非プロトン性極性溶媒が好
ましい。
【0031】エステル交換法(B)における反応は、通
常20〜200℃、好ましくは50〜140℃の範囲で
実施される。また、反応時間は通常0.5〜20時間で
あり、反応温度および希望する(メタ)アクリル基の置
換数に応じて調節することができる。
【0032】また、脱ハロゲン化水素化を伴うエステル
化法(C)において、用いられる(メタ)アクリル酸ハ
ライドとしては、例えば、(メタ)アクリル酸クロリ
ド、(メタ)アクリル酸ブロミド、(メタ)アクリル酸
アイオダイド等が挙げられ、通常、(メタ)アクリル酸
クロリドを使用する。
【0033】エステル化法(C)の反応における(メ
タ)アクリル酸ハライドの使用量は、通常、ソルビトー
ル1モルに対して0.5〜20モルの範囲で希望する
(メタ)アクリル基の置換数に応じて選択して用い、ま
た好ましくは1.0〜12モルの範囲で用途に応じて選
択して用いられる。
【0034】エステル化法(C)では、反応触媒または
発生するハロゲン化水素補足剤として、塩基を用いるこ
とも可能である。用いる塩基は、特に制限されないが具
体的には、トリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメ
チルアミノピリジン、N,N−ジメチルアミン等のアミ
ン化合物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアル
カリ金属の水酸化物等が挙げられ、その中でも特にN,
N−ジメチルアミノピリジンが好適に用いられる。
【0035】エステル化法(C)の反応で用いる塩基の
使用量は、反応触媒として用いる場合とハロゲン化水素
の補足剤として用いる場合で異なってくる。反応触媒と
して用いる場合には、原料のソルビトール100重量部
に対して0.01〜10重量部の範囲で用いるのが好ま
しく、更に0.1〜5重量部の範囲で用いるのが好まし
い。
【0036】一方、ハロゲン化水素補足剤として用いる
場合には、使用する(メタ)アクリル酸ハライド1モル
に対して、0.5〜5.0モルの範囲で用いるのが好ま
しく、更に1.0〜1.5モルの範囲で用いるのが好ま
しい。
【0037】また、反応触媒およびハロゲン化水素補足
剤の両機能を発現させるためには、ハロゲン化水素補足
剤として用いるに適した量すなわち、使用する(メタ)
アクリル酸ハライド1モルに対して、0.5〜5.0モ
ルの範囲で用いるのが好ましく、その中でも1.0〜
1.5モルの範囲で用いるのが更に好ましい。
【0038】エステル化法(C)における反応は、通常
−20〜200℃、好ましくは0〜40℃の範囲で実施
される。また、反応時間は通常0.5〜20時間であ
り、反応温度および希望する(メタ)アクリル基の置換
数に応じて調節することができる。
【0039】上記(A)〜(C)の反応終了後、例え
ば、必要に応じて、反応液を水と相分離する有機溶剤で
希釈した後、水、アルカリ水溶液または無機中性塩類水
溶液等を用いて水洗後、溶剤を除去することにより、目
的のソルビトールの(メタ)アクリル酸エステルを得る
ことができる。
【0040】本発明におけるソルビトール(メタ)アク
リル酸エステルの製造においては、いずれの製法を採用
するにしても、重合禁止剤の存在下に反応および脱溶剤
等の操作を実施することが好ましい。
【0041】用いる重合禁止剤の種類としては、例えば
ハイドロキノン、メチルヒドロキノン、tert−ブチルカ
テコール等のフェノール系化合物;フェノチアジン、ジ
フェニルアミン等のアミン系化合物;硫酸銅、酢酸銅、
塩化銅等の銅化合物;酸素または酸素と不活性ガスの混
合物等が挙げられ、これらの化合物を単独または併用し
て用いることができる。
【0042】前記記載の製法等により、本発明のソルビ
トールの(メタ)アクリル酸エステルが、一般式(1)
において、通常、mおよびnの異なる化合物の混合物と
して得られる。
【0043】mおよびnを希望する所定の範囲とするこ
とは、上述したように、原料の使用割合、反応温度、反
応時間等を調節することによって達成される。
【0044】本発明の、新規なソルビトールの(メタ)
アクリル酸エステルは、活性エネルギー線硬化性化合物
として有用であり、塗料、インキ、各種コーティング材
料等に広範囲に用いられる。
【0045】本発明のソルビトールの(メタ)アクリル
酸エステルを含有する活性エネルギー線硬化型樹脂組成
物は、必要に応じて、該(メタ)アクリル酸エステル以
外の他の重合性単量体、オリゴマー類、ポリマー類、重
合開始剤および各種の添加剤を配合できる。
【0046】他の重合性単量体としては、(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)ア
クリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリ
ル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキ
シル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等のモ
ノ(メタ)アクリルエステル類;
【0047】ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリ
レート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレ
ート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロ
ピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA
ジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリルエステ
ル類;
【0048】ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等のトリ
(メタ)アクリルエステル類;ペンタエリスリトールテ
トラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパン
テトラ(メタ)アクリレート等のテトラ(メタ)アクリ
ルエステル類;
【0049】ジペンタエリスリトールヘキサ(ペンタ)
(メタ)アクリレート等の五価以上の(メタ)アクリル
エステル類;上記化合物のアルコール部分にエチレンオ
キシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシドを
変性させた誘導体の(メタ)アクリルエステル類;等が
挙げられる。
【0050】オリゴマー類としては、ポリエーテルポリ
オールのポリウレタン(メタ)アクリレート、カーボネ
ートポリオールのポリウレタン(メタ)アクリレート、
ポリエステルポリオールのポリウレタン(メタ)アクリ
レート等のポリウレタン(メタ)アクリレート類;
【0051】ビスフェノールAエポキシ樹脂の(メタ)
アクリレート、ビスフェノールFエポキシ樹脂の(メ
タ)アクリレート、ビスフェノールAウレタン変性樹脂
(メタ)アクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレー
ト類;
【0052】エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、
1,5−ヘキサンジオール等のジオール化合物とコハク
酸、アジピン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸等の
二塩基酸からなるポリエステルジオールの(メタ)アク
リレート類;等が挙げられる。
【0053】これらの重合性単量体およびオリゴマー類
は、必要に応じて、単独で、又は2種以上を任意の割合
で混合して使用することができる。
【0054】また、ポリマー類を用いる場合には、該ポ
リマー類として例えば、無水フタル酸、無水コハク酸、
無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸等の誘導体等
が挙げられる。
【0055】硬化に用いられる活性エネルギー線として
は、例えば、電子線、X線、紫外線、可視光線等が挙げ
られるが、その中でも特に、紫外線を用いて硬化するの
が好ましい。
【0056】一般に紫外線を用いて樹脂を硬化させる場
合は、通常光重合開始剤を使用する。具体的には、1−
ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロ
キシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等
のアセトフェノン系化合物;
【0057】ベンゾイエチルエーテル、ベンゾインイソ
プロピルエーテル、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ
−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン等のベン
ゾイン系化合物;
【0058】ベンゾフェノン、o−ベンゾイルベンゾイ
ックアシドメチルエステル、N,N−ジエチルアミノベ
ンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;2,4−ジ
エチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン等
のチオキサントン系化合物;
【0059】ベンジル、2−エチルアンスラキノン、p
−ジメチルアミノベンジルアルデヒド等のその他化合物
等が挙げられる。
【0060】これらの光開始重合剤は単独で、又は2種
以上を混合して使用することができる。また、その使用
量は、その種類や重合条件等により異なる。
【0061】更に、必要に応じて上記の光重合開始剤と
併用して、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジ
メチルアミノ安息香酸イソアミル等の光開始助剤を用い
ることもできる。
【0062】活性エネルギー線硬化型樹脂組成物に含有
される各種の添加剤は、活性エネルギー線硬化型樹脂組
成物の用途によって異なるが、必要に応じて、有機また
は無機顔料、可塑剤、界面活性剤、熱重合禁止剤、酸化
防止剤、紫外線吸収剤等を添加することもできる。
【0063】このようにして製造された活性エネルギー
線硬化型樹脂組成物に、光源として高圧水銀灯、超高圧
水銀灯、メタルハライドランプ等を用いて照射すること
により重合硬化させてポリマーを得ることができる。
【0064】得られたポリマーは、塗料、被覆材料、繊
維処理剤、紙加工剤等のコーティング材料、インキ、接
着剤、シーリング剤、光学材料、歯科材料、ホットレジ
スト、写真材料、電気絶縁材料、成形樹脂用原料等とし
て使用することができる。
【0065】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明の内容は実施例のみに限定されるもので
はない。なお実施例中の部及び%は重量基準である。
【0066】実施例1 還流冷却器、温度計および撹拌機を付けた3Lガラス製
四つ口フラスコに、ソルビトール80.1g(0.44
モル)、ジメチルアミノピリジン1.02g(ソルビト
ール100部に対し1.3部)およびメチルヒドロキノ
ン342mg(772ppm)を仕込んだ。
【0067】次に、このフラスコ中に空気を30ml/
minで吹き込みながら、内温を20℃以下に保ちつ
つ、塩化アクリロイル132.0g(1.46モル)を
3時間かけて滴下した。滴下終了後、20℃以下でさら
に6時間撹拌と空気吹き込みを続けた。
【0068】反応終了後、反応液に酢酸エチル300m
lを添加後、200mlの水で2回、200mlの10
%NaOH水溶液で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥、さらに減圧下で溶媒を留去して、ソルビト
ールのアクリル酸エステル123.8gを得た。
【0069】得られたソルビトールのアクリル酸エステ
ルは、粘度560cps(25℃)であり、ソルビトー
ル1モルに対して、平均してアクリル酸3.3モルが付
加した化合物であった。なお、アクリル酸の付加数は、
1H−NMRおよびFDMSスペクトルから決定した。 <1H−NMRスペクトル> (δ値) 1.2 2.8 3.5 3.8 4.0〜4.5
4.9〜5.7 5.9 6.1 6.4 <FDMSスペクトル> (検出分子量) 344、 398、 290
【0070】実施例2 塩化アクリロイルの代わりに、塩化メタクロイル15
2.4g(1.46モル)を用いた以外は、実施例1と
同様に実験を行った。その結果、ソルビトールのメタア
クリル酸エステル144.6gを得た。得られたソルビ
トールのメタアクリル酸エステルは、粘度540cps
(25℃)であり、ソルビトール1モルに対して、平均
してメタアクリル酸3.1モルが付加した化合物であっ
た。 <1H−NMRスペクトル> (δ値) 1.2 1.4 2.8 3.5 3.9 4.0
〜4.6 4.9〜5.2 5.9 6.2 6.7 <FDMSスペクトル> (検出分子量) 318、 250、 386
【0071】実施例3 還流冷却器、温度計および撹拌機を付けた3Lガラス製
四つ口フラスコに、ソルビトール501.0g(2.7
5モル)、アクリル酸713.0g(9.9モル)、水
75g、o−クレゾールスルホン酸26.0gおよび硫
酸銅0.76gを仕込んだ。
【0072】次に、このフラスコ中に空気を30ml/
minで吹き込みながら、75℃で9時間撹拌した。反
応終了後、減圧で水および未反応のアクリル酸を留去
し、さらに酢酸エチル1000mlを加え、飽和食塩水
200mlで2回洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾
燥、さらに減圧下で溶媒を留去して、ソルビトールのア
クリル酸エステル356.9gを得た。
【0073】得られたソルビトールのアクリル酸エステ
ルは、粘度4280cps(25℃)であり、ソルビト
ール1モルに対して、平均してアクリル酸1.4モルが
付加した化合物であった。 <1H−NMRスペクトル> (δ値) 1.2 2.8 3.5 3.8 4.0〜4.5
4.9〜5.7 5.9 6.1 6.4 <FDMSスペクトル> (検出分子量) 290、 236
【0074】実施例4 塩化アクリロイル47.9g(0.53モル)を3時間
かけて滴下した以外は実施例1と同様に実験を行った。
その結果、得られたソルビト−ルのアクリル酸エステル
混合物は、粘度4860cps(25℃)であり、ソル
ビトール1モルに対して、平均してアクリル酸1.2モ
ルが付加した化合物であった。
【0075】実施例5 塩化アクリロイル262.6g(2.90モル)を6時
間かけて滴下した以外は実施例1と同様に実験を行っ
た。その結果、得られたソルビト−ルのアクリル酸エス
テル混合物は、粘度86cps(25℃)であり、ソル
ビトール1モルに対して、平均してアクリル酸5.8モ
ルが付加した化合物であった。
【0076】
【発明の効果】本発明のソルビト−ルの(メタ)アクリ
ルエステルは、活性エネルギー線硬化性化合物として有
用である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で表されるソルビトールの
    (メタ)アクリル酸エステル。 【化1】 (式中、R1は水素原子またはメチル基を示し、mは平
    均して、0.1〜6.0の範囲の数であり、かつm+n
    =6である。)
  2. 【請求項2】 ソルビトールを(メタ)アクリル酸、
    (メタ)アクリル酸エステルまたは(メタ)アクリル酸
    ハライドと反応させることを特徴とするソルビトールの
    (メタ)アクリル酸エステルの製法。
  3. 【請求項3】 (メタ)アクリル酸ハライドが(メタ)
    アクリル酸クロリドである請求項2記載の製法。
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