JPH10502853A - 寛骨臼栓子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 特別に座ぐりされた寛骨臼杯とともに使用される栓子であって、（ポリマー異物等の）異物が寛骨臼杯に設けられたいずれの穴を通過するのを防止し、且つ、所望であれば、該寛骨臼杯から取り外し自在となる栓子が提供される。該栓子は、金属製であり、前記穴に圧縮締まり嵌めするようにされている。また、異物が寛骨臼杯の穴を通過して患者の体内に入るのを防止する方法が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】 寛骨臼栓子 発明の背景 本発明は、概ね股関節部外科手術に使用する関節再建装置に関し、より詳細に は、寛骨臼関節再建装置に設けられた観察用穴またはねじ固定用またはその他の 目的に使用される穴を閉塞する特別に考案された栓子を備えた寛骨臼関節再建装 置に関する。 股関節外科手術に使用する寛骨臼杯においては、整形外科医が患者の寛骨臼内 への寛骨臼杯の設置を観察するのを可能にする穴が設けられて、該杯が寛骨臼内 に適切に着座されたか否かを確認することが時々ある。外科医が十分な経験を持 ち合わせていて、寛骨臼杯の設置を実際に見ることなしに該杯が適切に着座して いるか否かを知ることができるのであれば、寛骨臼杯に斯かる穴を設ける必要は ないかも知れない。 寛骨臼杯の設置のために該寛骨臼杯にて使用される前記の如き観察穴はいずれ も、一旦寛骨臼杯が最終的に位置決めされると、異物が観察穴を通過するのを防 止するために閉塞する必要がある。 ねじまたはねじの切られた栓子を使用して斯かる観察穴を閉塞し、寛骨臼杯の ポリマー部の摩滅により生じる異物が観察穴を通過して患者の骨に至るのを防止 することは公知のことである。 しかしながら、斯かるねじの切られた栓子には、適切に係止または締付けをし ないと微細な動きを生じると言った欠点があることが明確になっている。従って 、異物が観察穴を通過して患者の骨に接触する。また、ねじの切られた栓子を寛 骨臼杯内へ挿入するには駆動機構が必要となり、該栓子のねじが容易に交差する （即ち、ねじが不適切に整列する）場合がしばしばある。 本発明の目的は、微細な動きを生じず、異物が観察穴を通過して、患者の骨に 到達するのを完全に防止し、且つ、寛骨臼杯から取り外し自在となる寛骨臼杯の 観察穴を閉塞するのに使用する栓子を提供することである。 本発明の別の目的は、寛骨臼杯を患者の体内へ挿入する方法において、該杯が 患者の寛骨臼内に適切に着座し、且つ、ポリマー摩滅により生じる異物が患者の 骨に接触するのを防止するの特徴とした寛骨臼杯の患者の体内への挿入方法を提 供することである。 発明の概要 本発明によれば、寛骨臼再建装置に使用でき、ポリマー異物が患者の骨に接触 するのを防止し、且つ、寛骨臼杯から取り外し自在となる栓子は、中空でねじの 切られていない略杯状の金属片を備えており、該金属片は、側部、リム及び底部 を有するとともに、少なくとも側部の一部にテーパーを有し、栓子と、寛骨臼杯 内の特製の２部分孔（即ち、カウンタボア）とが締まり嵌めするようにされてい る。栓子のリムにリップを設けて該栓子の取り外しを容易にすることが好適であ る。 また、本発明によれば、股関節部の整形外科手術に使用するキットは、（上記 に説明した如き）金属栓子と、特製の２部分孔を備えた寛骨臼杯を備えており、 該特製の２部分孔は、寛骨臼杯を患者の体内に設置するためのものとして該寛骨 臼杯に設けらて、金属栓子と２部分孔が一体に締まり嵌めするようにされており 、金属栓子は２部分孔を貫通することはなく、所望であれば、該栓子は、２部分 孔から引き抜き自在となる。 更に、本発明によれば、寛骨臼杯を患者の体内へ挿入する方法であって、該杯 を患者の寛骨臼内に適切に着座させ、且つ、ポリマー摩滅から生じる異物が患者 の骨に接触するのを防止するようにされた寛骨臼杯を患者の体内へ挿入する方法 は、（１）（上記に説明した）本発明のキットの寛骨臼杯を患者の寛骨臼に挿入 し、観察穴を使用して該寛骨臼杯を適切に着座させる段階と、（２）次いで、本 発明のキットの金属栓子を観察穴内へ挿入して該観察穴を閉塞して、異物が観察 穴を通過して患者の骨に到達するのを防止する段階とを備えている。 図面の簡単な説明 図１は、２部分孔（図１には図示なし）を有する金属寛骨臼杯とともに使用す るテーパーの付いた金属栓子の好適な実施例の断面図であり、該金属栓子はその 側部の全長に沿ってテーパーが付けられている。 図１Ａは、金属寛骨臼杯とともに使用する金属栓子の別の好適な実施例の断面 図であり、該金属栓子はその側部の一部のみにテーパーが付けられている。 図２は、半球部の底に配置した２部分孔を有する寛骨臼杯の好適な実施例の断 面図であり、該２部分孔は肩部を有し且つ図１の栓子とともに使用される。 図３は、図１の栓子と、図２の寛骨臼杯を一体にした時の断面図であり、図に あっては、該栓子は寛骨臼杯内へ完全に挿入されていない。 図４は、図１の栓子が図２の寛骨臼杯内へ挿入完了し、該栓子が寛骨臼杯内に 着座して、該栓子の底部が２部分孔の肩部に接触した時の断面図である。 図面の詳細な説明 図１を参照すると、本発明の寛骨臼栓子１０の好適な実施例の断面図が図示さ れている。寛骨臼栓子１０は、金属から形成され、それ自体略杯状の形状にされ 、且つ、中空部１２、略平らな底部１４及び少なくともその一部にテーパー１６ の付けられた側部１５を有している。図１に示した好適な実施例では、側部１５ の全長に沿ってテーパー１８が設けられている。 別の好適な実施例を示す図１Ａでは、テーパー１８は、側部１５の一部に沿っ てのみ伸長している（時折、「リーダー」と呼ばれる）。テーパー１８は、栓子 １０の略平らな底部１４に垂直（または直角）な線に対して一定の角度α（アル ファ）でテーパーが付けられている。 図２には本発明の栓子とともに使用される寛骨臼杯の好適な実施例の断面図が 図示されている。該寛骨臼杯は、概ね符号２４で示され、略半球の形状を有し、 中空部２６を有しており、寛骨臼杯２４が患者の寛骨臼内に位置決めされると、 該中空部内において股関節再建装置のボール部（図示なし）が寛骨臼杯２４内の ポリエチレンシェル（図示なし）内で回転自在となる。寛骨臼杯２４が患者の寛 骨臼内に移植されると、寛骨臼杯２４の外部表面２８が患者の寛骨臼の骨と接触 する。寛骨臼杯２４に畝部２９が設けられて寛骨臼杯２４内のポリエチレンイン サート（図示なし）を保持するようにされている。 患者の寛骨臼内に寛骨臼杯２４を適切に着座させるために、寛骨臼杯２４の外 側表面２８に該表面を貫通する孔３０が穿孔されるのが好適である。該孔３０は 、該孔３０を貫通する中心線３２が寛骨臼杯２４を形成する半球の中心３４を通 るように位置決めされるのが好適である。 前記孔３０は、高さＨ、３６を有し、この高さは、２つの部分の高さ、即ち、 高さｈ₁、３８と高さｈ₂、４０との合計である。孔３０は、第１の孔部４２及び 第２の孔部４４から構成されている。第１の孔部４２は、一定の径４６を有し、 第２の孔部４４は、一定の径４８を有して、第２の孔部４４の径４８が第１の孔 部４２の径４６より大きくされており、従って、肩部５０が形成される。この肩 部５０（図４に図示）は、栓子１０が該肩部５０を越えて孔３０を貫通するのを 防止する機能を果たしている。 本発明の実施に当たっては、寛骨臼栓子１０が少なくとも側部１５の一部に沿 ってテーパー１６が付けられて、側部１５と、第２の孔部４４とが締まり嵌めす るようにされることが必要となる。 第２の孔部４４及び第１の孔部４２は、（寛骨臼杯２４の設置を目視できるよ うにするために使用される）孔の形成を容易にするためにテーパーの付いていな い真っすぐな側部を備えた円筒として形成されるのが好適である。 所望であるならば、寛骨臼栓子１０の側部１５にその一部、即ち、寛骨臼栓子 １０の略平らな底部１４から最も遠方に位置する側部１５の頂部縁５２近傍に沿 ってテーパーを施すことが可能である。頂部縁５２を内側方向に伸長してリップ ５３（図３に図示）として、寛骨臼栓子１０の取り外しを所望する場合に、該栓 子１０の取り外しを容易にするようにすることが可能である。 図３には、寛骨臼栓子１０が孔３０の第２の孔部４４内に挿入される前の様子 が図示されている。図１、図１Ａ、図２、図３及び図４では、対応する部分には 対応する符号が付してある。 図４には、寛骨臼栓子１０が孔３０の第２の孔部４４内に着座されて、該栓子 １０の進行が肩部５０により停止されている様子が図示されている。 本発明の寛骨臼栓子１０は、コバルト−クロム−モリブデン、ステンレススチ ールまたはチタニウム等の生体適応材料から形成することが可能である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 底部と、少なくとも部分的にテーパーの付けられたねじの切られていない 側部とを備えた略中空杯の形状をした金属片を備えたことを特徴とする寛骨臼栓 子。 ２． 前記栓子が内側方向に伸長するリップを備えた頂部縁を有していることを 特徴とする請求項１に記載の栓子。 ３． 前記杯の側部がその全長に沿ってテーパーが付けられていることを特徴と する請求項１に記載の栓子。 ４． 前記杯の側部がその全長の一部に沿ってテーパーが付けられていることを 特徴とする請求項１に記載の栓子。 ５． 金属栓子と、寛骨臼杯補てつとを備えたキットであって、 （ａ）前記寛骨臼杯補てつが第１の略円筒状のテーパーが付いてなく且つねじ の切られていない孔及び該孔内の第２の略円筒状のテーパーが付いてなく且つね じの切られていない孔を有し、該第１の孔及び該第２の孔が不等の径を有し且つ 同一の中心を有し、前記第１の孔及び前記第２の孔の間に肩部が形成され、且つ （ｂ）前記栓子が、底部と、ねじの切られていない側部と、少なくとも該側部 の一部に形成されたテーパーとを備えた略中空杯の形状をした金属片から成るキ ットであって、 前記金属栓子及び前記第２の孔が、該金属栓子と該第２の孔が互いに締まり嵌 めするような形状にされ、且つ、前記肩部が前記金属栓子が前記寛骨臼杯補てつ を貫通移動するのを防止するようにされていることを特徴とする金属栓子と、寛 骨臼杯補てつとを備えたキット。 ６． 前記金属栓子が前記側部の全長に沿ってテーパを有することを特徴とする 請求項５に記載のキット。