JPH10502483A - 非同時電気的接続を行うカードエッジコネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 回路基板と電気的接続を確立するコネクタは基板受容スロット（１４）を有する誘電体ハウジング（１０）及び回路基板（４）の対応するコンタクト（４１−４３）と接触するよう配置された複数の端子（３０）を具える。端子は回路基板上の第１及び第２組のコンタクトと対応する少なくとも第１及び第２組（４１、４３）に配置される。第１組の端子（３０ａ）は、回路基板（４）がスロット（１４）内に挿入された第１位置では第１組のコンタクト（４１）と接触する。回路基板が第２位置に回転されると、第２組の端子（３０ｃ）が第２組のコンタクト（４３）と接触する。回路基板がコネクタから抜去されると、第２組の端子（３０ｃ）は第１組の端子（３０ａ）より前にコンタクトから非接触となる。従って、このコネクタは一部の端子が最初に接触し最後に非接触となるように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】 非同時電気的接続を行うカードエッジコネクタ この発明はプリント回路子基板をプリント回路親基板に結合する電気コネクタ に関し、特に複数の端子を有し、そのうちの一部の端子は残りの端子が子基板上 のコンタクトに接触するより先に接触するよう構成された電気コネクタに関する 。 カードエッジコネクタは子基板の回路トレースを親基板の嵌合する回路トレー スに電気的接続する為に周知である。子基板には一般に複数の電子デバイスが取 付けられており、その端部（エッジ）には複数の電気回路が接続されているコン タクトパッドが所定中心間隔で配置されている。カードエッジコネクタは一般に 回路基板のエッジ部を受容する寸法のスロットを有するハウジングと、このスロ ット内に延び回路基板のコンタクトパッドと接触する１個以上の端子とを具える 。この端子は回路基板のエッジに沿って形成されたコンタクトの間隔に対応する 中心間間隔で配置されている。斯るコネクタは米国特許第４，５５７，５４８号 に開示され、各端子はスロット内に延びる１対の弾性（ばね）コンタクトアーム を有し、これらアームは共通リードに電気的に連結されている。 カードエッジコネクタに多くの端子を、所定中心間隔で設け、基板のエッジか ら異なる距離で相互に反対面に配置したコンタクトパッドと接触させることが知 られている。例えば米国特許第４，２９８，２３７号及び第５，０２４，６０９ 号を参照されたい。これら特許は高密度コネクタを開示し、多数の端子が共通中 心線上にばねアームを有し、これらアームはスロットの底面上異なるレベルに延 び基板の挿入端から異なる距離に配置される対応するコンタクトパッドと接触す る。これら各コネクタにおいて、子基板は直線状にスロット内に挿入され、全て の端子は子基板がコネクタに完全に挿入されると対応するコンタクトパッドに同 時に接触する。 高密度且つ直接挿入型コネクタの問題点は、これらばねアームにより加えられ る力の総合計が極めて大きくなり、子基板の挿入抜去力が大変大きくなることで ある。この問題を克服する為に、ゼロ又は低挿入力のカードエッジコネクタが開 発された。例えば米国特許第３，７９５，８８８号、同第３，９２０，３０３号 、同第４，１８５，８８２号及び同第４，５７５，１７２号を参照されたい。こ れら各特許は回路基板がコネクタに第１角度で低又は無抵抗状態で挿入され、次 に回路基板を第２角度に回転して、これら端子をその弾力に抗して撓ませる。こ の回転挿入により端子とコンタクト間の摩擦力を直線状、又は直接挿入に比して 著しく低減させ、ばねコンタクトアームの撓みを容易にするという機械的利点を 得る。 これら低挿入力カードエッジコネクタは各端子中心線に収容できる端子数が制 限された。米国特許第４，９４６，４０３号は各端子が離れた中心に配置され、 回路基板の反対側に接触する１対のばねコンタクトを有する低挿入力回路パネル ソケットを開示している。 高密度コネクタの別の問題点は、端子を極めて接近して配置することにより電 磁誘導及びクロストーク（漏話）を生じ易いということである。また、高密度コ ネクタは信号を高速で伝送することができるが、高速信号はより大きい電磁イン パルスのスパイクを生じるので、隣接端子間にクロストークを生じ易い。 コネクタ端子は子基板上の電源、信号又は接地回路を接続することができる。 これら電磁インパルスが子基板上の電子部品（又はデバイス）を破損から保護す る為に、信号端子を電気的に接続する前に電源及び接地回路を完成しておくのが 好ましい。これにより、インパルスのスパイクが信号回路から接地に逃る通路（ パス）を形成することができる。前述した如く、米国特許第４，２９８，２３７ 号及び第５，０２４，６０９号に開示するコネクタは、子基板を挿入した際に対 応するコンタクトパッドに同時に接触する端子を有する。 本発明は端子の中心線の各側に多数の端子を有する低挿入力のカードエッジコ ネクタ又はソケットを提供する。これら端子はいくつかが子基板の対応するコン タクトに他の端子が接触する前に接触し、これにより、最初に接触し最後に切断 される端子接続を行うよう配置構成されている。 本発明の１つの特徴は、高密度の多数の端子を有する低挿入力型コネクタを提 供することである。 本発明の他の特徴は、各端子中心線に多数の端子を有する低挿入力コネクタを 提供することである。 更に、本発明の別の特徴は、高密度コネクタのストレイ信号伝送を低減するこ とである。 本発明の更に他の特徴は、低背構造の高密度コネクタを提供することである。 これら及びその他の特徴は、回路基板受容スロット付き誘電体ハウジングと回 路基板の対応するコンタクトと接触する複数の端子と を有する電気コネクタにより達成される。端子は夫々少なくとも第１及び第２組 のコンタクトに対応する第１組と第２組に配列される。これら端子は回路基板が 第１位置でスロット内に挿入されたとき第１組の端子が第１組のコンタクトに接 触し、回路基板が第２位置へ角度を変えて回転するにつれて第２組の端子が第２ 組のコンタクトに接触するよう配置構成されている。このコネクタは更にラッチ 手段を有し、回路基板を第２位置に保持する。 １つの実施形態では、スロットは底壁と１対の対向する側壁により形成される 。第１組の端子は一方の側壁を介して底面から離れた位置へ延びる端子を含んで いる。第２組の端子は上記一方の側壁を介して第１組の端子よりも底面から一層 離れている位置でスロット内に延びる。第１組の端子は他方の側壁を介してスロ ット内に延びる端子を含んでいてもよい。 次に、本発明の実施形態を添付図を参照して説明する。尚、異なる図面中同様 素子には同じ参照符号を使用する。 図１は本発明によるコネクタの斜視図である。 図２はこのコネクタの上面図である。 図３はこのコネクタの正面図である。 図４は図３の線４−４に沿う断面図である。 図５は図４と同様の断面図であり、コネクタに直線状に回路基板が挿入され且 つ第１位置にある状態を示す。 図６は回路基板をある角度回転して第２位置にした状態を示す断面図である。 図１乃至図４に示される本発明によるソケットコネクタは適当な 誘電体材料で作られたハウジング１０を具える。このハウジング１０は子基板受 容スロット１４を有し、このスロット１４はハウジング１０の両端１６、１８間 に延びる長さを有する。このハウジング１０は各端子受容キャビティ内に挿入さ れた複数の端子３０ａ、３０ｂ、３０ｃを保持し、これら端子はスロット１４内 に受容される子基板上のコンタクトパッドと電気的に嵌合するよう配置される。 これら複数の端子は少なくとも２組に配列され、子基板がスロット１４内に挿入 されるにつれて、一組の端子が子基板の対応するコンタクトに接触し、その後残 りの組の端子がコンタクトに接触するようにする。これらについての詳細は後述 する。 図示する好適実施形態においては、複数の端子が直線状の３列ａ、ｂ、ｃに配 列される。各列は夫々複数の端子３０ａ、３０ｂ、３０ｃを含み、各列の端子は スロット１４の長さ方向に沿って中心線間隔Ｄ（図３参照）で離間配置される。 図示の如く、中心線間隔Ｄは各列ａ、ｂ、ｃから１個ずつの３つの端子が中心線 間隔Ｄであるように配置されている。或は、異なる列の端子は異なる中心線間隔 であってもよく、また一つの列の端子は同じ中心線間隔であるが他の列の端子の 中心線間隔とはオフセットしていてもよく、更にまた端子は非線形に配列しても よい。これら及びその他の端子配列は本発明の技術的範囲に含まれると考えられ る。 図示する実施形態において、第１組の端子は列ａ、ｂに端子３０ａ、３０ｂを 有し、第２組の端子は列ｃに端子３０ｃを有する。端子３０ａ、３０ｂ、３０ｃ はハウジング１０のそれぞれのキャビティ１１、１２、１３内に挿入され、ハウ ジング１０により定められ る相補開口の把持壁に寸法が決められる夫々の保持部材３２ａ、３２ｂ、３２ｃ によりハウジング１０内に固定される。端子３０ａ、３０ｂ、３０ｃは夫々のコ ンタクト接触部３４ａ、３４ｂ、３４ｃを有し、スロット１４内に延び、子基板 の対応するコンタクトと接触する。また、夫々リード３６ａ、３６ｂ、３６ｃを 有するが、これらリードは親基板に表面実装半田付してもよい。 スロット１４は底面２２と対向する両側壁２４、２６により形成される。第１ 組の端子は側壁２４を介してスロット１４内に延び、底面２２から離間するコン タクト接触部３４ａを有する端子３０ａを含んでいる。第２組の端子は側壁２４ を介してスロット１４内に延び、底面２２から第１組の端子の接触部３４ａより も大きく離間している端子３０ｃを含んでいる。従って、端子３０ａ、３０ｃは 底面２２から異なる距離でスロット１４内に延びる。 また、第１組の端子は側壁２６を介してスロット１４内に延びるコンタクト接 触部３４ｂを有する端子３０ｂを含んでいる。子基板をコネクタハウジング１０ 内に挿入すると、第１組の端子３０ａ、３０ｂは子基板上のコンタクトの第１組 と夫々接触し、その後第２組の端子３０ｃが夫々第２組のコンタクトと接触する 。 図５及び図６は子基板４が親基板６に取付けられている本発明のコネクタへの 挿入状態を示す。図５において、子基板４は矢印で示す直線方向からスロット１ ４内に挿入され、第１位置にとどまる。子基板４の第１組のコンタクトはコンタ クト４１、４２より成り、子基板４が第１位置にあるとき夫々端子３０ａ、３０ ｂに接触している。コンタクト４１、４２は子基板４上の関連する電源及び接地 回路の電源及び接地コンタクトを含んでもよい。よって、子基板４と親基板６間 で電源及び接地接続が先ず行われる。 子基板４のコネクタハウジング１０内への挿入は子基板４を所定角度回転して 図６に示す第２位置にすることにより完了する。これにより、コンタクト３０ａ 、３０ｂは弾性的に撓む。第２位置で、第２組の端子３０ｃは子基板４上のコン タクト４３より成る第２組のコンタクトと接触する。コンタクト４３は例えば子 基板４上の関連信号回路の信号コンタクトである。子基板４と親基板６間の電源 及び接地接続は信号接続の前に行われるので、電磁誘導により生じるストレイ信 号（ノイズ）は接地に直接導かれて子基板４上の電子部品が破損又は破壊される 虞れは低減する。 このコネクタは子基板４を弾性的に撓められたコンタクト３０ａ、３０ｂ、３ ０ｃの反作用に対抗して第２位置に保持するラッチ手段を含んでいる。このラッ チ手段は１対のラッチ部材５０を含み、これらラッチ部材５０はソケットハウジ ング１０に一体モールドされている。各ラッチ部材５０は１対のスリット５２を 有し、厚さを薄くした連結部５４によりハウジング１０に可撓的に結合され、ラ ッチ部材５０とハウジング１０の間の可撓性を増加する。各ラッチ部材５０はカ ム面５６と肩５８を形成する突起を有する。子基板４を第１位置から第２位置へ 回転すると、子基板４の端部が両カム面５６に係合してラッチ部材５０を外方に 撓ませる。子基板の端部が肩５８を越すと、ラッチ部材５０は非撓み位置に復帰 し、且つ子基板は肩５８と着座面６０間に止められる。 これに代って、ラッチ部材５０は薄いゲージ金属板の如き高強度 且つ可撓性材料で作られハウジング１０に強固に取付けられた別部材であっても よい。 タブ７４は指状の把持部材であり、ラッチ部材５０が外方に撓み、ラッチ部材 ５０との間のスペースを増加して子基板４が肩５８の後方から解放され、コネク タハウジング１０から抜去可能にする。 子基板４はコネクタハウジング１０から挿入と逆の手順により抜去可能である 。即ち、子基板を先ず図６に示す第２位置から図６に示す第１位置に回転し、次 にコネクタから直線状に抜去する。この抜去中に、信号端子３０ｃは対応するコ ンタクト４３から先ず最初に接触が解かれ、その後電源及び接地端子３０ａ、３ ０ｂが対応するコンタクト４１、４２から非接触となる。よって、本発明は複数 の端子を有し、それらの端子の一部が「最初に接触し最後に遮断」される電気的 接続を行うよう構成配置されている。 このコネクタは更に子基板４がコネクタに完全に挿入されたとき、子基板４の 接地コンタクト４４と接触するよう構成配置されたコンタクト接触部２１を有す る接地端子２０を含んでもよい。この接地端子２０は半田付等により親基板６の 接地面に電気的に接続してもよい。 本発明は多くの作用効果（利点）を有するコネクタを提供する。このコネクタ は多数の端子が密接配置され且つ回路板をコネクタに挿入するのにかなり低い挿 入力を必要とするのみであるので、高端子密度且つ低背構成とすることができる 。本発明のコネクタは高密度信号伝送であってもストレイ伝送（ノイズ）を低減 することでき、且つ多数の端子のうちいくつかの端子を「最初に接触し、最後に 非接触」となる電気的接続を行うよう構成された端子を有するコネクタを提供す る。 以上、本発明の好適実施形態を説明したが、当業者には種々の変形が可能であ ることが理解できよう。そこで本発明は上述した好適実施形態のみならずそれら の合理的均等物にも及ぶものである。そこで、上述の例の説明のみならず以下の 特許請求の範囲を参照して本発明の排他的且つ技術的範囲の判断を行われたい。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．回路基板との電気的接続を確立するコネクタにおいて、 基板受容スロット及び回路基板の対応するコンタクトに接触するよう配置され た複数の端子を具え、該端子は第１及び第２組のコンタクトに対応する少なくと も第１及び第２組に配置され、前記端子は回路基板が第１位置で前記スロット内 に挿入されたとき前記第１組の端子が前記第１組のコンタクトに接触し、前記回 路基板が前記第１位置から第２位置に回転されると、前記第２組の端子が前記第 ２組のコンタクトに接触するよう構成されていることを特徴とするコネクタ。 ２．前記スロットは底面及び対向する１対の側壁を有し、前記第１組のコンタク ト接触部は前記側壁の一方を介して前記底面から離間した位置で前記スロット内 に延びる端子を含むことを特徴とする請求項１のコネクタ。 ３．前記第２組の端子は、前記側壁の一方を介して前記第１組の端子よりも前記 底面からより大きい距離で前記スロット内に延びるコンタクト接触部を含むこと を特徴とする請求項２のコネクタ。 ４．前記第１組の端子は前記側壁の他方を介して前記スロット内に延びるコンタ クト接触部を含むことを特徴とする請求項３のコネクタ。 ５．更に前記回路基板が前記第２位置のとき、前記回路基板の接地領域と接触す るよう構成された少なくとも１つの接地端子を具えることを特徴とする請求項１ のコネクタ。