JPH1044700A - ３次元効果を有する表面装飾品 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、表面上に置く為の３次元効
果を有する表面装飾品を提供する。 【解決手段】 本発明の表面装飾品は、フィルムの透明
基材シート１と、基材シート１の少なくとも一部分上の
印刷されたデザイン６と、印刷デザイン６により形成さ
れる少なくとも一つの対象物のさし絵４とから構成され
る。又、前記装飾品は前記印刷されたデザイン６により
形成された対象物のさし絵４の陰影のある描写５ａを有
し、この陰影のある描写５ａに於いて印刷されたデザイ
ン６が透明であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はフィルムの透明基材
シートと、基材シートの少なくとも一部分上の印刷され
たデザイン即ち模様と、印刷されたデザインにより形成
される少なくとも一つの対象物のさし絵とから成り、表
面上に配置する為の３次元効果を有する表面装飾品に関
する。更に、本発明は３次元効果を有する表面装飾品の
製造方法に関し、単色または多色の透明印刷デザインに
より形成される物体のさし絵（ｏｂｊｅｃｔ ｉｌｌｕ
ｓｔｒａｔｉｏｎ）を含み、物体の色印刷物（ｂｏｄｙ
ｃｏｌｏｒ ｐｒｉｎｔ）（不透明顔料）または非透
明フィルムシートが基材シート表面の一部分上にわたっ
てフィルムの透明基材シートに付与されて、前記印刷さ
れたデザインがフィルムの基材シートの少なくとも一部
分上にわたって付与される。又、本発明は表面装飾品の
利用にも関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、会社の記章または広告の形で、
装飾品を各種の表面に付与することが知られている。従
って、このような装飾品を床に付与することもまた知ら
れている。しかし乍ら、これらの装飾品は２次元効果し
か与えず、またはせいぜい貧弱な３次元効果を出すよう
な方法でこれまで制作されてきた。

【０００３】この例は欧州の特許申請第６５６，２６５
号に示され、これは透明色から成る印刷された絵が透明
フィルムシートの裏側に印刷されている装飾品を示す。
この印刷された絵の大部分にわたって、非透明色の印刷
が印刷されており、これは大きいか或いは小さい点（ｄ
ｏｔ）から成るスクリーン内に置かれる。この目的は装
飾品の異なる部品が見物人から異なる距離に在るという
印象を見物人に与える為である。大きい点のスクリーン
を導入することにより、このスクリーン内にある装飾品
の部分は、スクリーンの全くない小さな点のスクリーン
内にある装飾品の他の部分より見物人から大きく離れて
いるという印象を与えると言われる。そうであっても、
装飾を作るこの方法は不十分な３次元効果を与える。

【０００４】

【本発明が解決しようとする課題】本発明の目的はこの
ような表面装飾品の３次元効果を改善することである。
これは印刷されたデザイン即ち模様により形成された物
体のさし絵の陰影のある描写により達成され、この陰影
のある描写に於いて、印刷されたデザインは表面装飾品
を作る方法に於いても同様に透明であり、即ち物体のさ
し絵を形成する印刷されたデザインのその部分の表面
が、物体の色印刷または非透明フィルムの表面領域と一
致するように配置され、且つ透明な印刷されたデザイン
の別な部分の表面領域が、物体の色印刷または非透明フ
ィルムの表面領域の外側に来るように配列されて、これ
により前記デザインのこの部分が対象物のさし絵の陰影
のある描写として形成される。

【０００５】従来の不透明な基材シートとは異なり、印
刷されたデザインを支える背景として透明な基材シート
を利用することにより、例えば床の表面が装飾品を通し
て輝く効果を達成することは、透明な装飾色の付加した
利用法により可能である。装飾品の一部分にわたって非
透明な物体色（不透明な顔料）及びまたは不透明なフィ
ルムの表紙を付与してもよく、その装飾品をその装飾表
面の部分にわたって不透明にする。例えば、装飾品の不
透明部分の陰影効果を出す必要がある場合の如き装飾表
面の部分につき、物体色は使用せず、そしてこれによる
“陰影”は透明となる。結果として、例えば、床を通し
て“陰影”を投げかける対象物を描写することが可能と
なる。

【０００６】

【実施例】付属図を参照して本発明を詳細に記述する。
図１から図５は各段階に於ける装飾品の製造を示し、図
６は床上に置いた完成した装飾品を示す。

【０００７】装飾品を製造する際、図１に参照番号１で
示したフィルムの透明基材シートを最初に準備する。こ
の透明基材シート１に接着層２を予め被覆してもよく、
或いは後の段階で該接着剤を付与してもよい。この透明
基材シート１の上面に、少なくともその表面の一部分上
にわたって物体色（不透明な顔料）３またはフィルムの
表紙を付与する。この物体色またはこの表紙は非透明で
あり、後で付与する装飾色の基材として使用する。前記
物体色３は明るく、好ましくは白とする。これは装飾色
に好ましくない色の投影を与えるのを防ぐ為である。図
２に於いて、この物体色３が前記基材シート１の断面部
４に付与されて示され、その上に後で対象物のさし絵を
形成する印刷物６を付与し、一方前記基材シート１の別
の断面部５については、物体色は何も付与しない。図３
に示すように、それから一つまたはそれ以上の透明な装
飾色６を付与する。この装飾色は、前もって前記物体色
（不透明な顔料）が付与された断面部４と、物体色が何
も付与されない断面部５の陰影をつけた描写５ａと表示
した部分５ａとの両方に配置してもよい。部分５ａに於
いて、前記印刷物は陰影のある描写５ａを形成し、これ
は対象物のさし絵内で対象物から“陰影”の印象を与え
る。ここで例えば、壁のように装飾すべき表面に装飾品
をすでに付与できる。しかし乍ら、例えば床のようにき
びしい摩耗に露出される表面上の使用に対して、図４に
示すように、装飾品上に保護フィルムシート７を置くこ
とが実用的である。この保護フィルムシートに接着層８
を設け、この層は装飾色及びまたは前記基材シートに付
着する。その代わりに、保護フィルムシートを置く前
に、この接着層を装飾品の上面に付与してもよい。図４
からわかる通り、基材シート１の断面部５ｂは物体色ま
たは装飾色の何れによっても被覆されていない。これは
図４と図５の図式さし絵から鮮明には見えないが、断面
部５ｂ上で、接着層８を有する保護フィルムシート７は
前記基材シート１と直接接触している。保護フィルムシ
ート７は接着層と反対側の表面上で波状にしてもよい。

【０００８】図５に於いて、完成した表面装飾品１０を
床９に置いて示す。ここで断面部４に於いて、前記装飾
色は、それらの下から床９がすけて見えることなく、見
ることができ、かつ濃い色の完全な範囲をもつ対象物の
さし絵を生ずる。断面部５ａに於いて、前記装飾色６は
再度目に見えるが、この場合床９は又透明な装飾色６の
下からすけて見え、且つこの部分での暗い印刷物は、対
象物のさし絵内の対象物が床に陰影を投げかけている印
象を与える。断面部５ｂに於いて、床９のみが透明フィ
ルムシート１と７を通して見える。

【０００９】図６に於いて、完成した結果を示す。ここ
で装飾品１０を床９に置く。図６からわかるように、断
面部４は完全に色、即ち物体色（不透明顔料）と装飾色
により完全に覆われる。断面部５ａは装飾色のみを設
け、そして断面部４に描写した対象物の“陰影”として
ここに出現する。床９はこの陰影を通して目に見える。
基材シート１及びまたは保護フィルムシート１０は色で
覆われた断面部４と５ａの外側に延在してもよいが、色
で覆われた範囲のみを覆うように切断し、または切り詰
めてもよい。床の部分的に半透明な可視性を得るため、
装飾品部分にわたって物体色（不透明な顔料）を０〜１
００％の範囲の飽和度で希釈しまたは色合いを下げても
よい。これは例えば物体色を印刷する際スクリーンを使
って達成できる。この方法で、物体色に使用するスクリ
ーンに対応するスクリーン内で装飾色を印刷することに
より、例えば床に散蒔いた砂の幻影を創ることが可能で
ある。接着層２内の接着剤は好ましくは非恒久タイプで
あり、装飾品の除去を可能とする。装飾品が頻繁に変更
され易い広告の場合、これは特に重要である。接着層８
内の接着剤は恒久的または非恒久的であってもよい。保
護フィルムシートは薄くかつ耐摩耗とすべきであり、好
ましくは滑りやすい表面の危険を防ぐため摩擦を増やす
目的で表面を波状にする。保護フィルムシートは、例え
ば、壁の装飾品に於いては除いてもよいが、それでもや
はりまた利点となる。物体色または不透明な顔料及びま
たは装飾色は好ましくは、静電印刷（ｅｌｅｃｔｒｏｓ
ｔａｔｉｃ ｐｒｉｎｔｉｎｇ）により付与されるが、
又シルクスクリーン法（ｓｉｌｋｓｃｒｅｅｎｉｎｇ）
によって製造してもよい。前記装飾色は好ましくは、４
色印刷からなるが、必要ならば少ない色で印刷してもよ
く、或いは灰色の陰影であってもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるフィルムの透明基材シートと接着
層を示す断面図。

【図２】本発明による物体色を付与した断面図。

【図３】本発明による透明な装飾色を付与した断面図。

【図４】本発明による保護フィルムシートを付与した断
面図。

【図５】本発明による完成した表面装飾品を示す断面
図。

【図６】本発明による床上に置いた表面装飾品を示す平
面図。

【符号の説明】

１ 透明基材シート ２ 接着層 ３ 物体色 ４ 断面部（物体のさし絵） ５ 断面部 ５ａ 陰影のある描写断面部 ５ｂ 断面部 ６ 透明な装飾色 ７ 保護フィルムシート ８ 接着層 ９ 床 １０ 完成した表面装飾品

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 フィルムの透明基材シート（１）と、該
   基材シート（１）の少なくとも一部分にある印刷された
   デザイン（６）と、該印刷デザイン（６）により形成さ
   れる少なくとも一つの対象物のさし絵（４）とを有し、
   且つ表面上に配置する為の３次元効果を有する表面装飾
   品に於いて、該印刷されたデザイン（６）により形成さ
   れる対象物のさし絵（４）の陰影のある描写（５ａ）お
   よび、陰影のある描写（５ａ）において該印刷されたデ
   ザイン（６）が透明であることを特徴とする、上記表面
   装飾品。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の表面装飾品に於いて、
   フィルムの透明基材シート（１）と該印刷されたデザイ
   ン（６）との間に置かれた非透明な物体色（不透明な顔
   料）（３）及び或いはフィルムの不透明な覆いシートを
   特徴とする上記表面装飾品。
3. 【請求項３】 請求項２に記載の表面装飾品に於いて、
   該物体色（不透明な顔料）（３）及び或いはフィルムの
   該覆いシートが色彩上明るく、好ましくは白であること
   を特徴とする上記表面装飾品。
4. 【請求項４】 前掲請求項のいずれか１項に記載の表面
   装飾品に於いて、透明な保護フィルムシート（７）が該
   印刷されたデザイン（６）の最上面に置かれ、この保護
   フィルムシート（７）は好ましくは波状になっているこ
   とを特徴とする上記表面装飾品。
5. 【請求項５】 請求項２から請求項４のいずれか１項に
   記載の表面装飾品に於いて、該物体色（３）が該装飾品
   の少なくとも一部分にわたって、これを部分的に透明に
   する為、例えばスクリーン内で該物体色（３）を印刷す
   ることにより薄くなったりまたは色合いを和げることを
   特徴とする上記表面装飾品。
6. 【請求項６】 単色または多色の透明な印刷されたデザ
   イン（６）により形成される対象物のさし絵（４）を有
   し、物体の色印刷（不透明な顔料）または非透明なフィ
   ルムシートが基材シート表面の一部分にわたってフィル
   ムの透明な基材シート（１）に付与され、該印刷された
   デザイン（６）がフィルムの基材シート（１）の少なく
   とも一部分にわたって付与されており、且つ３次元効果
   を有する表面装飾品の製造方法に於いて、前記対象物の
   さし絵を形成する印刷されたデザインのその部分の表面
   が、物体の色印刷物（３）の表面部または非透明フィル
   ムと一致するように配置され、且つ透明な印刷されたデ
   ザインの別の部分の表面部が該物体の色印刷物（３）の
   表面部または非透明フィルムの外側に配置され、それに
   より前記印刷されたデザイン（６）のこの部分が対象物
   のさし絵（４）の陰影のある描写（５ａ）として形成さ
   れることを特徴とする上記表面装飾品。
7. 【請求項７】 請求項６に記載の方法に於いて、好まし
   くは波状の保護フィルムシート（７）が透明な印刷され
   たデザイン（６）の最上面に置かれることを特徴とする
   上記表面装飾品。
8. 【請求項８】 請求項６或いは請求項７の一つに記載の
   方法に於いて、少なくとも装飾品の一部分にわたって、
   前記物体色（３）が、例えばスクリーン内で物体色
   （３）を印刷することにより薄くなったりまたは色合を
   和らげたり、且つそれにより部分的に透明な物体色
   （３）として付与されることを特徴とする上記装飾品。
9. 【請求項９】 表面上に置く為の３次元効果を有する表
   面装飾品の利用であって、床（９）上の装飾品としてフ
   ィルムの透明基材シートと、基材シートの少なくとも一
   部分上の印刷されたデザインと、印刷されたデザインに
   より形成される少なくとも一つの対象物のさし絵とを含
   み、前記床の表面が少なくとも装飾品の部分の下からす
   けて見えることが望ましい上記表面装飾品の利用。