JPH1037987A - ディスクブレーキ装置 - Google Patents
ディスクブレーキ装置Info
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- JPH1037987A JPH1037987A JP8195022A JP19502296A JPH1037987A JP H1037987 A JPH1037987 A JP H1037987A JP 8195022 A JP8195022 A JP 8195022A JP 19502296 A JP19502296 A JP 19502296A JP H1037987 A JPH1037987 A JP H1037987A
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- seal
- braking
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Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明は制動解除時にブレーキパッドをディス
クロータから離間させるリトラクション機構を有したデ
ィスクブレーキ装置に関し、キャリパに対するリトラク
ト量の最適化を図ることを課題とする。 【解決手段】制動時にキャリパ33の移動を案内するスラ
イドピン25と、このスライドピン25に形成されたシール
溝48に収納されたリトラクションシール50とを具備し、
制動後の除圧時にリトラクションシール50の弾性復元力
により前記キャリパ33を移動前の状態に戻す構成とされ
たディスクブレーキ装置において、リトラクションシー
ル50へ制動圧を伝達する制動圧伝達通路51と、シール溝
53に形成されリトラクションシール50の変形を許容する
凹部49とを有する構成とする。
クロータから離間させるリトラクション機構を有したデ
ィスクブレーキ装置に関し、キャリパに対するリトラク
ト量の最適化を図ることを課題とする。 【解決手段】制動時にキャリパ33の移動を案内するスラ
イドピン25と、このスライドピン25に形成されたシール
溝48に収納されたリトラクションシール50とを具備し、
制動後の除圧時にリトラクションシール50の弾性復元力
により前記キャリパ33を移動前の状態に戻す構成とされ
たディスクブレーキ装置において、リトラクションシー
ル50へ制動圧を伝達する制動圧伝達通路51と、シール溝
53に形成されリトラクションシール50の変形を許容する
凹部49とを有する構成とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はディスクブレーキ装
置に係り、特に制動解除時にブレーキパッドをディスク
ロータから離間させるリトラクション機構を有したディ
スクブレーキ装置に関する。
置に係り、特に制動解除時にブレーキパッドをディスク
ロータから離間させるリトラクション機構を有したディ
スクブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より知られているディスクブレーキ
装置として、例えば実開昭60−101233号公報に
開示されたものがある。図7は同公報に開示されたディ
スクブレーキ装置1を示しており、また図8はディスク
ブレーキ装置1に設けられたスライドピン2の配設位置
近傍(図7におけるA−A線に沿う断面)を拡大して示
している。
装置として、例えば実開昭60−101233号公報に
開示されたものがある。図7は同公報に開示されたディ
スクブレーキ装置1を示しており、また図8はディスク
ブレーキ装置1に設けられたスライドピン2の配設位置
近傍(図7におけるA−A線に沿う断面)を拡大して示
している。
【0003】図7に示されるように、ディスクブレーキ
装置1は、車輪と共に回転するディスクロータ3の両側
にブレーキパッド4,5が配置され、キャリパ6に配設
されたピストン7が制動時にマスターシリンダー(図示
せず)から供給されるブレーキフルードにより押し出さ
れることにより、各ブレーキパッド4,5がディスクロ
ータ3を挟持するよう押し付け、これによりディスクロ
ータ3の回転が抑制されるよう構成されている。尚、図
中18で示すのはトルク受け部材であり、スライドピン
2はこのトルク受け部材18に固定されている。
装置1は、車輪と共に回転するディスクロータ3の両側
にブレーキパッド4,5が配置され、キャリパ6に配設
されたピストン7が制動時にマスターシリンダー(図示
せず)から供給されるブレーキフルードにより押し出さ
れることにより、各ブレーキパッド4,5がディスクロ
ータ3を挟持するよう押し付け、これによりディスクロ
ータ3の回転が抑制されるよう構成されている。尚、図
中18で示すのはトルク受け部材であり、スライドピン
2はこのトルク受け部材18に固定されている。
【0004】このようなディスクブレーキ装置1には、
制動作用が解除されたときにブレーキパッド4,5とデ
ィスクロータ3との間に所定量のブレーキクリアランス
を生ぜしめるためのリトラクト機構8,9が設けられて
いる。ピストン7側に配設されるリトラクト機構8は、
図7に示されるように、ピストン7の外周に位置するシ
リンダ12に形成された凹部10と、この凹部10に嵌
入されたリトラクションシール11とにより構成されて
いる。この構成において、制動時においてシリンダ室1
6にマスターシリンダーからブレーキフルードが供給さ
れてピストン7が前進(図7に矢印X1で示す方向へ移
動)すると、このピストン7の移動に伴いリトラクショ
ンシール11は弾性変形する。
制動作用が解除されたときにブレーキパッド4,5とデ
ィスクロータ3との間に所定量のブレーキクリアランス
を生ぜしめるためのリトラクト機構8,9が設けられて
いる。ピストン7側に配設されるリトラクト機構8は、
図7に示されるように、ピストン7の外周に位置するシ
リンダ12に形成された凹部10と、この凹部10に嵌
入されたリトラクションシール11とにより構成されて
いる。この構成において、制動時においてシリンダ室1
6にマスターシリンダーからブレーキフルードが供給さ
れてピストン7が前進(図7に矢印X1で示す方向へ移
動)すると、このピストン7の移動に伴いリトラクショ
ンシール11は弾性変形する。
【0005】一方、制動が解除されるとシリンダ室16
は除圧され、またリトラクションシール11はピストン
7に対して弾性復元力を作用する。このリトラクション
シール11の弾性復元力によりピストン7は移動前の状
態に移動し、これに伴い特にインナー側のブレーキパッ
ド4はディスクロータ3から離間する。
は除圧され、またリトラクションシール11はピストン
7に対して弾性復元力を作用する。このリトラクション
シール11の弾性復元力によりピストン7は移動前の状
態に移動し、これに伴い特にインナー側のブレーキパッ
ド4はディスクロータ3から離間する。
【0006】しかるに、ピストン7側にのみリトラクト
機構8を設けた構成では、除圧後もキャリパ6が制動位
置に残る可能性があり、この場合キャリパ6の爪部17
で押圧するアウタ側のブレーキパッド5の引きずり防止
が不充分になる。このため、スライドピン2側にもリト
ラクト機構9が設けられている。
機構8を設けた構成では、除圧後もキャリパ6が制動位
置に残る可能性があり、この場合キャリパ6の爪部17
で押圧するアウタ側のブレーキパッド5の引きずり防止
が不充分になる。このため、スライドピン2側にもリト
ラクト機構9が設けられている。
【0007】スライドピン2側に配設されるリトラクト
機構9は、図8に示されるように、スライドピン2を軸
承するアーム部13(キャリパ6と一体的に形成されて
いる)の内周に形成された凹部14と、この凹部14に
嵌入されたリトラクションシール15とにより構成され
ている。この構成において、制動時においてはピストン
7がブレーキパッド4をディスクロータ3に押圧する押
圧力の反力により、キャリパ6(アーム部13)はトル
ク受け部材18に対して図中矢印X2方向に移動する。
これにより、スライドピン2とアーム部13との間には
相対的な移動が発生し、この移動に伴いリトラクション
シール15は弾性変形する。
機構9は、図8に示されるように、スライドピン2を軸
承するアーム部13(キャリパ6と一体的に形成されて
いる)の内周に形成された凹部14と、この凹部14に
嵌入されたリトラクションシール15とにより構成され
ている。この構成において、制動時においてはピストン
7がブレーキパッド4をディスクロータ3に押圧する押
圧力の反力により、キャリパ6(アーム部13)はトル
ク受け部材18に対して図中矢印X2方向に移動する。
これにより、スライドピン2とアーム部13との間には
相対的な移動が発生し、この移動に伴いリトラクション
シール15は弾性変形する。
【0008】一方制動が解除されると、リトラクション
シール15はスライドピン2とアーム部13との相対的
な移動を元に戻す方向に作用する弾性復元力を発生させ
る。このリトラクションシール15の弾性復元力により
相対的にスライドピン2とアーム部13は移動前の状態
に移動し、これに伴いキャリパ6も移動前の状態に戻る
ため、特にアウター側のブレーキパッド5をディスクロ
ータ3から離間させることができる。
シール15はスライドピン2とアーム部13との相対的
な移動を元に戻す方向に作用する弾性復元力を発生させ
る。このリトラクションシール15の弾性復元力により
相対的にスライドピン2とアーム部13は移動前の状態
に移動し、これに伴いキャリパ6も移動前の状態に戻る
ため、特にアウター側のブレーキパッド5をディスクロ
ータ3から離間させることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ディスクブ
レーキ装置1はマスターシリンダーから供給されるブレ
ーキフルードの圧力(制動圧)が上昇すると、キャリパ
6に撓みが発生する。このキャリパ6に発生する撓み
は、一般にアウター側のブレーキパッド5をディスクロ
ータ3に近接させる方向に発生し、また制動圧が増大す
るに従い撓み量も増大する特性を有している。
レーキ装置1はマスターシリンダーから供給されるブレ
ーキフルードの圧力(制動圧)が上昇すると、キャリパ
6に撓みが発生する。このキャリパ6に発生する撓み
は、一般にアウター側のブレーキパッド5をディスクロ
ータ3に近接させる方向に発生し、また制動圧が増大す
るに従い撓み量も増大する特性を有している。
【0010】即ち、制動時において、キャリパ6は前記
した反力による移動と、制動圧の大きさに対応した撓み
が共に発生している。そして、この移動と撓みが共にキ
ャリパ6に発生している状態において、ブレーキパッド
4,5はディスクロータ3に押し付けられ制動力を発生
する。従って、制動が解除されたキャリパ6を制動開始
前の状態に戻すには、反力による移動量分を戻す必要が
あると共に、撓みによる変位量分も戻す必要がある。
した反力による移動と、制動圧の大きさに対応した撓み
が共に発生している。そして、この移動と撓みが共にキ
ャリパ6に発生している状態において、ブレーキパッド
4,5はディスクロータ3に押し付けられ制動力を発生
する。従って、制動が解除されたキャリパ6を制動開始
前の状態に戻すには、反力による移動量分を戻す必要が
あると共に、撓みによる変位量分も戻す必要がある。
【0011】しかるに、上記した従来のブレーキディス
ク装置1では、制動圧の上昇に伴う撓み量の変化につい
ては考慮されておらず、撓み量は制動圧の大きさに拘わ
らず一定(以下、この撓み量を設定撓み量という)とし
てリトラクト機構9の設定が行なわれていた。このた
め、従来のブレーキディスク装置1では、前記した反力
に起因したキャリパ6の移動に伴うスライドピン2とア
ーム部13との間における相対変位に対しては、リトラ
クト機構9によりリトラクトすることはできるものの、
制動圧に応じて変化するキャリパ6の撓み分に対しては
リトラクトすることができないという問題点があった。
ク装置1では、制動圧の上昇に伴う撓み量の変化につい
ては考慮されておらず、撓み量は制動圧の大きさに拘わ
らず一定(以下、この撓み量を設定撓み量という)とし
てリトラクト機構9の設定が行なわれていた。このた
め、従来のブレーキディスク装置1では、前記した反力
に起因したキャリパ6の移動に伴うスライドピン2とア
ーム部13との間における相対変位に対しては、リトラ
クト機構9によりリトラクトすることはできるものの、
制動圧に応じて変化するキャリパ6の撓み分に対しては
リトラクトすることができないという問題点があった。
【0012】具体的には、例えば制動時に実際に発生し
た撓み量(以下、実撓み量という)が設定撓み量よりも
大きかった場合には、制動解除時においてリトラクト機
構9で発生するリトラクト量は不十分となりブレーキパ
ッド5の引きずりが発生してしまう。また、実撓み量が
設定撓み量よりも小さかった場合には、制動解除時にお
いてリトラクト機構9で発生するリトラクト量は過剰と
なり、逆にブレーキパッド4の引きずりが発生してしま
う。
た撓み量(以下、実撓み量という)が設定撓み量よりも
大きかった場合には、制動解除時においてリトラクト機
構9で発生するリトラクト量は不十分となりブレーキパ
ッド5の引きずりが発生してしまう。また、実撓み量が
設定撓み量よりも小さかった場合には、制動解除時にお
いてリトラクト機構9で発生するリトラクト量は過剰と
なり、逆にブレーキパッド4の引きずりが発生してしま
う。
【0013】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、リトラクションシールへ制動圧を伝達することに
より制動圧に応じてリトラクションシールを変形させる
と共に、シール溝をリトラクションシールの変形量を増
大させうる構造とすることにより、キャリパに対するリ
トラクト量の最適化を図ったディスクブレーキ装置を提
供することを目的とする。
あり、リトラクションシールへ制動圧を伝達することに
より制動圧に応じてリトラクションシールを変形させる
と共に、シール溝をリトラクションシールの変形量を増
大させうる構造とすることにより、キャリパに対するリ
トラクト量の最適化を図ったディスクブレーキ装置を提
供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、制動時にキャリパの移動を案内するス
ライドピン部と、前記スライドピン部に形成されたシー
ル溝に収納されたリトラクションシールとを具備し、制
動後の除圧時に前記リトラクションシールの弾性復元力
により前記キャリパを移動前の状態に戻す構成とされた
ディスクブレーキ装置において、前記リトラクションシ
ールへ制動圧を伝達する制動圧伝達通路と、前記シール
溝に形成され、前記リトラクションシールの変形を許容
する凹部とを設けたことを特徴とするものである。
に、本発明では、制動時にキャリパの移動を案内するス
ライドピン部と、前記スライドピン部に形成されたシー
ル溝に収納されたリトラクションシールとを具備し、制
動後の除圧時に前記リトラクションシールの弾性復元力
により前記キャリパを移動前の状態に戻す構成とされた
ディスクブレーキ装置において、前記リトラクションシ
ールへ制動圧を伝達する制動圧伝達通路と、前記シール
溝に形成され、前記リトラクションシールの変形を許容
する凹部とを設けたことを特徴とするものである。
【0015】上記した手段は、次のように作用する。ス
ライドピン部は、制動時にキャリパの移動を案内する。
また、リトラクションシールはスライドピン部に形成さ
れたシール溝に収納されており、制動時にスライドピン
部の移動に伴い変形し、制動後の除圧時に弾性復元力に
よりキャリパを移動前の状態に戻す機能を奏する。
ライドピン部は、制動時にキャリパの移動を案内する。
また、リトラクションシールはスライドピン部に形成さ
れたシール溝に収納されており、制動時にスライドピン
部の移動に伴い変形し、制動後の除圧時に弾性復元力に
よりキャリパを移動前の状態に戻す機能を奏する。
【0016】また、制動圧伝達通路は、リトラクション
シールへ制動圧を伝達する。これにより、制動圧はリト
ラクションシールに印加されるため、リトラクションシ
ールは制動圧の大きさに応じて変形することとなる。即
ち、制動圧の大きさがリトラクションシールの変形量に
影響を及ぼす構成となる。
シールへ制動圧を伝達する。これにより、制動圧はリト
ラクションシールに印加されるため、リトラクションシ
ールは制動圧の大きさに応じて変形することとなる。即
ち、制動圧の大きさがリトラクションシールの変形量に
影響を及ぼす構成となる。
【0017】これにより、制動時におけるリトラクショ
ンシールの変形量は制動圧の大きさに対応して増大す
る。また、除圧時(制動解除時)におけるリトラクト量
は、制動時におけるリトラクションシールの変形量と相
関する。このため、制動時に制動力が大きかった場合に
は、除圧時におけるリトラクト量も大きくなる。また、
前記したようにキャリパの撓み量は、制動圧が大きい程
増大する。
ンシールの変形量は制動圧の大きさに対応して増大す
る。また、除圧時(制動解除時)におけるリトラクト量
は、制動時におけるリトラクションシールの変形量と相
関する。このため、制動時に制動力が大きかった場合に
は、除圧時におけるリトラクト量も大きくなる。また、
前記したようにキャリパの撓み量は、制動圧が大きい程
増大する。
【0018】従って、制動力が大きくキャリパの撓み量
が大きい場合には、除圧時におけるリトラクト量も大き
くなり、逆に制動力が小さくキャリパの撓み量が小さい
場合には、除圧時におけるリトラクト量も小さくなる。
よって、制動圧伝達通路を用いてリトラクションシール
へ制動圧を伝達することにより、リトラクト量の最適化
を図ることができる。
が大きい場合には、除圧時におけるリトラクト量も大き
くなり、逆に制動力が小さくキャリパの撓み量が小さい
場合には、除圧時におけるリトラクト量も小さくなる。
よって、制動圧伝達通路を用いてリトラクションシール
へ制動圧を伝達することにより、リトラクト量の最適化
を図ることができる。
【0019】しかるに、リトラクションシールが十分に
変形可能な構成でないと、リトラクト量の最適化を図る
ことはできないが、シール溝に凹部を形成することによ
り、リトラクションシールの大なる変形を許容する構成
としている。即ち、シール溝に凹部を形成することによ
り、この凹部内にリトラクションシールが入り込むこと
が可能となる。これにより、リトラクションシールは大
なる変形が許容され、従ってキャリパの撓み分に対して
もリトラクションシールは変形可能となり、制動解除時
にはキャリパの撓み分を含めて確実にキャリパをリトラ
クトさせることが可能となる。
変形可能な構成でないと、リトラクト量の最適化を図る
ことはできないが、シール溝に凹部を形成することによ
り、リトラクションシールの大なる変形を許容する構成
としている。即ち、シール溝に凹部を形成することによ
り、この凹部内にリトラクションシールが入り込むこと
が可能となる。これにより、リトラクションシールは大
なる変形が許容され、従ってキャリパの撓み分に対して
もリトラクションシールは変形可能となり、制動解除時
にはキャリパの撓み分を含めて確実にキャリパをリトラ
クトさせることが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態について
図面と共に説明する。図1乃至図3は、本発明の一実施
例である浮動型のディスクブレーキ装置20を示してい
る。図1はディスクブレーキ装置20の一部切截した状
態を示す正面図であり、図2はディスクブレーキ装置2
0の平面図であり、更に図3はディスクブレーキ装置2
0の一部切截した状態を示す右側面図である。
図面と共に説明する。図1乃至図3は、本発明の一実施
例である浮動型のディスクブレーキ装置20を示してい
る。図1はディスクブレーキ装置20の一部切截した状
態を示す正面図であり、図2はディスクブレーキ装置2
0の平面図であり、更に図3はディスクブレーキ装置2
0の一部切截した状態を示す右側面図である。
【0021】各図において、21はトルクメンバーであ
り、車両のストラット等に固定されるものである。一対
のブレーキパッド22,23は、このトルクメンバー2
1に移動可能に支持されている。ブレーキパッド22,
23は、車輪と一体的に回転するディスクロータ24
(図8に示す)の両面に対向する状態で配置されてお
り、制動時にディスクロータ24に近接する方向に移動
され、回転するディスクロータ24を両側から挟みその
回転を抑制することにより制動力を発生する。
り、車両のストラット等に固定されるものである。一対
のブレーキパッド22,23は、このトルクメンバー2
1に移動可能に支持されている。ブレーキパッド22,
23は、車輪と一体的に回転するディスクロータ24
(図8に示す)の両面に対向する状態で配置されてお
り、制動時にディスクロータ24に近接する方向に移動
され、回転するディスクロータ24を両側から挟みその
回転を抑制することにより制動力を発生する。
【0022】また、トルクメンバー21には、ディスク
ロータ24の軸心と並行な方向に延出した一対のスライ
ドピン25,26(メインピン25,サブピン26)が
設けられている。このスライドピン25,26は、前記
したスライドピン部となるものであり、トルクメンバー
21の雌ねじ穴21aに螺合されたボルト27,28
と、ボルト27,28に嵌入されたスリーブ29,30
とにより構成されている。また、スリーブ29,30に
は、挿通孔31,32を備えたキャリパ33のアーム部
34,35が摺動可能に挿通されている。
ロータ24の軸心と並行な方向に延出した一対のスライ
ドピン25,26(メインピン25,サブピン26)が
設けられている。このスライドピン25,26は、前記
したスライドピン部となるものであり、トルクメンバー
21の雌ねじ穴21aに螺合されたボルト27,28
と、ボルト27,28に嵌入されたスリーブ29,30
とにより構成されている。また、スリーブ29,30に
は、挿通孔31,32を備えたキャリパ33のアーム部
34,35が摺動可能に挿通されている。
【0023】キャリパ33は、インナー側のブレーキパ
ッド22に対向する位置に配置されたシリンダ部36
と、アウター側のブレーキパッド23に対向して配置さ
れた爪部37とを有した構成とれされている。また、シ
リンダ部36にはピストン38が摺動可能に装着されて
おり、シリンダ部36とピストン38の後端部との間に
形成されるシリンダ室39に、フルード導入口40を介
してマスターシリンダーからブレーキフルード41(梨
地で示す)が供給されることにより、ピストン38は図
中矢印X1方向に移動する構成とされている。
ッド22に対向する位置に配置されたシリンダ部36
と、アウター側のブレーキパッド23に対向して配置さ
れた爪部37とを有した構成とれされている。また、シ
リンダ部36にはピストン38が摺動可能に装着されて
おり、シリンダ部36とピストン38の後端部との間に
形成されるシリンダ室39に、フルード導入口40を介
してマスターシリンダーからブレーキフルード41(梨
地で示す)が供給されることにより、ピストン38は図
中矢印X1方向に移動する構成とされている。
【0024】また、ピストン38がX1方向に移動する
ことにより、ピストン38はブレーキパッド22をディ
スクロータ24に押し付け、またその反作用により爪部
37はピストン38の移動方向とは反対方向(矢印X2
方向)に移動させられて、他方のブレーキパッド23を
ディスクロータ24に押し付ける構成とされている。
ことにより、ピストン38はブレーキパッド22をディ
スクロータ24に押し付け、またその反作用により爪部
37はピストン38の移動方向とは反対方向(矢印X2
方向)に移動させられて、他方のブレーキパッド23を
ディスクロータ24に押し付ける構成とされている。
【0025】一方、前記したピストン38とシリンダ部
36との間には第1のリトラクト機構42が設けられる
と共に、前記したスライドピン25とアーム部34との
間には第2のリトラクト機構43が設けられ、制動解除
時にピストン38およびキャリパ33が制動開始前の位
置(以下、原位置という)に戻されるよう構成されてい
る。
36との間には第1のリトラクト機構42が設けられる
と共に、前記したスライドピン25とアーム部34との
間には第2のリトラクト機構43が設けられ、制動解除
時にピストン38およびキャリパ33が制動開始前の位
置(以下、原位置という)に戻されるよう構成されてい
る。
【0026】ピストン38とシリンダ部36との間に配
設される第1のリトラクト機構42は、シリンダ部36
の内周壁に設けられたシール溝44と、このシール溝4
4に装着されたリトラクションシール45とにより構成
されている。シール溝44は円環状形状を有しており、
またその底部のX1方向端部には、シール溝44の深さ
よりも更に深く形成された環状形状の凹部46が形成さ
れている。
設される第1のリトラクト機構42は、シリンダ部36
の内周壁に設けられたシール溝44と、このシール溝4
4に装着されたリトラクションシール45とにより構成
されている。シール溝44は円環状形状を有しており、
またその底部のX1方向端部には、シール溝44の深さ
よりも更に深く形成された環状形状の凹部46が形成さ
れている。
【0027】リトラクションシール45は、例えば耐油
性ゴム等の弾性材料により形成されており、シール溝4
4の形状に対応した環状形状を有している。またリトラ
クションシール45の内側面はピストン38の外壁と液
密に摺接すると共に、その外周面はシール溝44と係合
している。これにより、リトラクションシール45はピ
ストン38とシリンダ部36との間をシールすると共
に、制動時に弾性変形し制動後の除圧時にピストン38
を原位置に戻す機能を奏する。
性ゴム等の弾性材料により形成されており、シール溝4
4の形状に対応した環状形状を有している。またリトラ
クションシール45の内側面はピストン38の外壁と液
密に摺接すると共に、その外周面はシール溝44と係合
している。これにより、リトラクションシール45はピ
ストン38とシリンダ部36との間をシールすると共
に、制動時に弾性変形し制動後の除圧時にピストン38
を原位置に戻す機能を奏する。
【0028】尚、シール溝44に凹部46を形成するこ
とにより、リトラクションシール45の弾性変形量を大
きくすることができるが、説明の便宜上、凹部46の詳
細な機能説明については、後述する第2のリトラクト機
構43の説明において行なうものとする(第2のリトラ
クト機構43に形成されるシール溝48にも凹部49が
形成されているため)。
とにより、リトラクションシール45の弾性変形量を大
きくすることができるが、説明の便宜上、凹部46の詳
細な機能説明については、後述する第2のリトラクト機
構43の説明において行なうものとする(第2のリトラ
クト機構43に形成されるシール溝48にも凹部49が
形成されているため)。
【0029】続いて、スライドピン25とアーム部34
との間に配設される第2のリトラクト機構43につい
て、図1乃至3に加え図4を用いて説明する。図4は、
第2のリトラクト機構43を拡大して示す断面図であ
る。第2のリトラクト機構43は、大略するとシール溝
48,凹部49,リトラクションシール50,制動圧伝
達通路51(以下、制動圧通路という),制動圧導入溝
52(以下、導入溝という),バックシール溝53,O
リング54,及びバックアップリング55等により構成
されている。
との間に配設される第2のリトラクト機構43につい
て、図1乃至3に加え図4を用いて説明する。図4は、
第2のリトラクト機構43を拡大して示す断面図であ
る。第2のリトラクト機構43は、大略するとシール溝
48,凹部49,リトラクションシール50,制動圧伝
達通路51(以下、制動圧通路という),制動圧導入溝
52(以下、導入溝という),バックシール溝53,O
リング54,及びバックアップリング55等により構成
されている。
【0030】シール溝48は、アーム部34に設けられ
た挿通孔31の内周面に形成された略環状の溝である。
このシール溝48は、図中矢印X1方向側の側壁48a
に環状の面取り部56が形成されると共に、底壁48b
には環状の凹部49が形成されている。
た挿通孔31の内周面に形成された略環状の溝である。
このシール溝48は、図中矢印X1方向側の側壁48a
に環状の面取り部56が形成されると共に、底壁48b
には環状の凹部49が形成されている。
【0031】面取り部56は、リトラクションシール5
0の矢印X1方向への弾性変形を許容するために形成さ
れている。即ち、シール溝48に面取り部56が形成さ
れることにより、リトラクションシール50の側面50
cと面取り部56との間には空間部57が形成される。
よって、この空間部57が形成される範囲にわたり、リ
トラクションシール50は図中矢印X1方向に弾性変形
可能な構成となる。
0の矢印X1方向への弾性変形を許容するために形成さ
れている。即ち、シール溝48に面取り部56が形成さ
れることにより、リトラクションシール50の側面50
cと面取り部56との間には空間部57が形成される。
よって、この空間部57が形成される範囲にわたり、リ
トラクションシール50は図中矢印X1方向に弾性変形
可能な構成となる。
【0032】また、凹部49は、リトラクションシール
50の外側方向(図4における矢印Y1方向)への弾性
変形を許容するために形成されている。即ち、シール溝
48の底壁48Bに環状の凹部49が形成されることに
より、リトラクションシール50の外側面50bと凹部
49との間には空間部58が形成される。
50の外側方向(図4における矢印Y1方向)への弾性
変形を許容するために形成されている。即ち、シール溝
48の底壁48Bに環状の凹部49が形成されることに
より、リトラクションシール50の外側面50bと凹部
49との間には空間部58が形成される。
【0033】よって、この空間部58が形成される範囲
にわたり、リトラクションシール50は外側方向に弾性
変形可能な構成となる。尚、凹部49のX1,X2方向
に対する幅寸法は、シール性を考慮してリトラクション
シール50が凹部49と面取り部56に充填された場合
においても底壁48Bにて充分シールできるよう設定さ
れている。
にわたり、リトラクションシール50は外側方向に弾性
変形可能な構成となる。尚、凹部49のX1,X2方向
に対する幅寸法は、シール性を考慮してリトラクション
シール50が凹部49と面取り部56に充填された場合
においても底壁48Bにて充分シールできるよう設定さ
れている。
【0034】リトラクションシール50は、耐油性ゴム
等の弾性部材により形成された環状の部材であり、前記
したシール溝48内に装着されている。この装着状態に
おいて、リトラクションシール50の内側面50aはス
ライドピン25(詳細にはスリーブ29)の外周面5a
と液密に摺接し、またリトラクションシール50の外側
面50bはシール溝48の底壁48bと液密に当接する
構成とされている。
等の弾性部材により形成された環状の部材であり、前記
したシール溝48内に装着されている。この装着状態に
おいて、リトラクションシール50の内側面50aはス
ライドピン25(詳細にはスリーブ29)の外周面5a
と液密に摺接し、またリトラクションシール50の外側
面50bはシール溝48の底壁48bと液密に当接する
構成とされている。
【0035】上記構成により、リトラクションシール5
0はスライドピン25とキャリパ3(アーム部34)と
の間をシールすると共に、後述するように制動時に弾性
変形し制動解除後の除圧時にスライドピン25とキャリ
パ3との相対位置を原位置に戻す機能を奏する。
0はスライドピン25とキャリパ3(アーム部34)と
の間をシールすると共に、後述するように制動時に弾性
変形し制動解除後の除圧時にスライドピン25とキャリ
パ3との相対位置を原位置に戻す機能を奏する。
【0036】制動圧通路51は、シリンダ部36に形成
されたシリンダ室39と挿通孔31の内周面に形成され
た導入溝52とを連通する通路である。従って、制動時
にマスターシリンダーからシリンダ室39に供給される
ブレーキフルード41の一部は、制動圧通路51を介し
て導入溝52に供給される。
されたシリンダ室39と挿通孔31の内周面に形成され
た導入溝52とを連通する通路である。従って、制動時
にマスターシリンダーからシリンダ室39に供給される
ブレーキフルード41の一部は、制動圧通路51を介し
て導入溝52に供給される。
【0037】導入溝52は挿通孔31の内周面にスライ
ドピン25を囲繞するよう環状に形成された溝であり、
シール溝48の形成位置より上方位置(矢印X2方向位
置)に形成されている。この導入溝52には、前記した
制動圧通路51が接続されると共に、エア抜き通路59
が接続されている。
ドピン25を囲繞するよう環状に形成された溝であり、
シール溝48の形成位置より上方位置(矢印X2方向位
置)に形成されている。この導入溝52には、前記した
制動圧通路51が接続されると共に、エア抜き通路59
が接続されている。
【0038】エア抜き通路59は途中で分岐しており、
一方の分岐通路(図1において上方に延出する通路)に
はエア抜き用のブリーダプラグ60が取り付けられると
共に、他方の分岐通路(図1において上方に延出する通
路)には制動圧通路51及びエア抜き通路59をシール
するボルト61が取り付けられている。尚、このブリー
ダプラグ60及びボルト61は必ずしも別体にする必要
はなく、一体化した構成としてもよいものである。
一方の分岐通路(図1において上方に延出する通路)に
はエア抜き用のブリーダプラグ60が取り付けられると
共に、他方の分岐通路(図1において上方に延出する通
路)には制動圧通路51及びエア抜き通路59をシール
するボルト61が取り付けられている。尚、このブリー
ダプラグ60及びボルト61は必ずしも別体にする必要
はなく、一体化した構成としてもよいものである。
【0039】また、導入溝52の形成位置よりも更に上
方位置(矢印X2方向位置)には、バックシール溝53
が形成されている。このバックシール溝53も挿通孔3
1の内周面にスライドピン25を囲繞するよう環状に形
成された溝であり、その内部にOリング54及びバック
アップリング55が装着されている。
方位置(矢印X2方向位置)には、バックシール溝53
が形成されている。このバックシール溝53も挿通孔3
1の内周面にスライドピン25を囲繞するよう環状に形
成された溝であり、その内部にOリング54及びバック
アップリング55が装着されている。
【0040】このOリング54及びバックアップリング
55は環状形状を有し、例えば耐油性ゴム等の弾性材に
より形成されている。また、Oリング54及びバックア
ップリング55の内周面はスライドピン25に液密に摺
接すると共に、外側面はバックシール溝53の底面に液
密に当接している。よって、Oリング54及びバックア
ップリング55によりスライドピン25とキャリパ33
(アーム部34)との間はシールされた構成となる。
55は環状形状を有し、例えば耐油性ゴム等の弾性材に
より形成されている。また、Oリング54及びバックア
ップリング55の内周面はスライドピン25に液密に摺
接すると共に、外側面はバックシール溝53の底面に液
密に当接している。よって、Oリング54及びバックア
ップリング55によりスライドピン25とキャリパ33
(アーム部34)との間はシールされた構成となる。
【0041】次に、上記構成とされた第2のリトラクト
機構43の動作及び作用について説明する。スライドピ
ン25は制動時にキャリパ33の移動を案内する機能を
奏するため遊嵌状態とする必要があり、よって図4に示
されるようにスライドピン25の外周面25aと挿通孔
31の内周面との間には隙間62が形成されている。従
って、シリンダ室39から制動圧通路51を介して導入
溝52内に供給されたブレーキフルード41は、この隙
間62を通り矢印X1方向及び矢印X2方向に流出す
る。
機構43の動作及び作用について説明する。スライドピ
ン25は制動時にキャリパ33の移動を案内する機能を
奏するため遊嵌状態とする必要があり、よって図4に示
されるようにスライドピン25の外周面25aと挿通孔
31の内周面との間には隙間62が形成されている。従
って、シリンダ室39から制動圧通路51を介して導入
溝52内に供給されたブレーキフルード41は、この隙
間62を通り矢印X1方向及び矢印X2方向に流出す
る。
【0042】また、前記したように導入溝52の矢印X
1方向位置にはリトラクションシール50が配設される
ことによりスライドピン25とキャリパ33との間はシ
ールされており、また導入溝52の矢印X2方向位置に
はOリング54及びバックアップリング55が配設され
ることによりスライドピン25とキャリパ33との間は
シールされている。即ち、隙間62はリトラクションシ
ール50の配設位置と、Oリング54及びバックアップ
リング55の配設位置との間で密閉された構成となって
いる。
1方向位置にはリトラクションシール50が配設される
ことによりスライドピン25とキャリパ33との間はシ
ールされており、また導入溝52の矢印X2方向位置に
はOリング54及びバックアップリング55が配設され
ることによりスライドピン25とキャリパ33との間は
シールされている。即ち、隙間62はリトラクションシ
ール50の配設位置と、Oリング54及びバックアップ
リング55の配設位置との間で密閉された構成となって
いる。
【0043】従って、制動時に制動圧通路51を介して
ブレーキフルード41が導入溝52に供給されると、導
入溝52内及び隙間62内におけるブレーキフルード4
1の圧力は増大してシリンダ室39内における制動圧と
等しい圧力となる。これにより、リトラクションシール
50及びOリング54,バックアップリング55にも制
動圧が印加されることとなる。
ブレーキフルード41が導入溝52に供給されると、導
入溝52内及び隙間62内におけるブレーキフルード4
1の圧力は増大してシリンダ室39内における制動圧と
等しい圧力となる。これにより、リトラクションシール
50及びOリング54,バックアップリング55にも制
動圧が印加されることとなる。
【0044】ここで、Oリング54及びバックアップリ
ング55は矢印X1,X2方向に対する弾性変形量は少
ないため、制動圧が印加されてもその弾性変形量は無視
することができる程度である。これに対し、リトラクシ
ョンシール50は、前記したようにシール溝48に面取
り部56及び凹部49が形成されているため、制動圧が
印加されることにより弾性変形する。以下、制動圧が印
加された時のリトラクションシール50の変形について
説明する。
ング55は矢印X1,X2方向に対する弾性変形量は少
ないため、制動圧が印加されてもその弾性変形量は無視
することができる程度である。これに対し、リトラクシ
ョンシール50は、前記したようにシール溝48に面取
り部56及び凹部49が形成されているため、制動圧が
印加されることにより弾性変形する。以下、制動圧が印
加された時のリトラクションシール50の変形について
説明する。
【0045】前記のように、ブレーキフルード41はシ
リンダ室39,制動圧通路51,導入溝52,隙間62
を介してシール溝48に供給され、これにより制動圧は
リトラクションシール50の側面50dに印加される。
このようにリトラクションシール50の側面50dに制
動圧が印加されることにより、リトラクションシール5
0は制動圧の大きさに応じて変形することとなる。即
ち、制動圧の大きさがリトラクションシール50の弾性
変形量に影響を及ぼす構成となる。
リンダ室39,制動圧通路51,導入溝52,隙間62
を介してシール溝48に供給され、これにより制動圧は
リトラクションシール50の側面50dに印加される。
このようにリトラクションシール50の側面50dに制
動圧が印加されることにより、リトラクションシール5
0は制動圧の大きさに応じて変形することとなる。即
ち、制動圧の大きさがリトラクションシール50の弾性
変形量に影響を及ぼす構成となる。
【0046】これにより、制動時におけるリトラクショ
ンシール50の弾性変形量は制動圧の大きさに対応した
変形量となり、具体的には制動圧が大きい場合にはリト
ラクションシール50は大きく弾性変形し、また制動圧
が小さい場合にはリトラクションシール50の弾性変形
量も小さくなる。一方、制動時におけるリトラクション
シール50の変形量は除圧時(制動解除時)におけるリ
トラクト量と相関する。即ち、制動時に制動力が大きか
った場合には、除圧時におけるリトラクト量も大きくな
る。
ンシール50の弾性変形量は制動圧の大きさに対応した
変形量となり、具体的には制動圧が大きい場合にはリト
ラクションシール50は大きく弾性変形し、また制動圧
が小さい場合にはリトラクションシール50の弾性変形
量も小さくなる。一方、制動時におけるリトラクション
シール50の変形量は除圧時(制動解除時)におけるリ
トラクト量と相関する。即ち、制動時に制動力が大きか
った場合には、除圧時におけるリトラクト量も大きくな
る。
【0047】ここで、制動時におけるキャリパ33の移
動に注目すると、制動時にシリンダ部26のシリンダ室
39にブレーキフルード41が供給されると、ピストン
38が矢印X1方向に押し出されてブレーキパッド22
をディスクロータ24に押し付け、またその反作用でキ
ャリパ33はピストン38の移動方向とは反対の方向
(矢印X2方向)に移動される。即ち、制動時におい
て、キャリパ33はスライドピン25に対して矢印X2
方向に相対的に移動する。また、ピストン38の移動量
は制動圧の増大に伴い大きくなるため、よって制動時に
おけるキャリパ33の移動量は制動圧に相関した量とな
る。
動に注目すると、制動時にシリンダ部26のシリンダ室
39にブレーキフルード41が供給されると、ピストン
38が矢印X1方向に押し出されてブレーキパッド22
をディスクロータ24に押し付け、またその反作用でキ
ャリパ33はピストン38の移動方向とは反対の方向
(矢印X2方向)に移動される。即ち、制動時におい
て、キャリパ33はスライドピン25に対して矢印X2
方向に相対的に移動する。また、ピストン38の移動量
は制動圧の増大に伴い大きくなるため、よって制動時に
おけるキャリパ33の移動量は制動圧に相関した量とな
る。
【0048】また、ここでキャリパ33の撓み量に注目
すると、キャリパ33の撓み量も制動圧の大きさに相関
する。即ち、キャリパ33の撓みは、制動圧がピストン
38に作用して各ブレーキパッド22,23がディスク
ロータ24を押圧することにより発生するため、制動圧
が大きくなるほど各ブレーキパッド22,23がディス
クロータ24を押圧する押圧力は大きくなり、従ってキ
ャリパ33の撓み量も大きくなる。
すると、キャリパ33の撓み量も制動圧の大きさに相関
する。即ち、キャリパ33の撓みは、制動圧がピストン
38に作用して各ブレーキパッド22,23がディスク
ロータ24を押圧することにより発生するため、制動圧
が大きくなるほど各ブレーキパッド22,23がディス
クロータ24を押圧する押圧力は大きくなり、従ってキ
ャリパ33の撓み量も大きくなる。
【0049】上記のように、制動時においは制動圧に相
関した移動と撓みの双方がキャリパ33に発生する。従
って、制動解除後の除圧時においては、制動時に発生し
たキャリパ33の移動量と、キャリパ33の撓み量を共
にリトラクトさせる必要がある。前記したように、この
リトラクト作用はリトラクションシール50の弾性復元
力により行なわれる。
関した移動と撓みの双方がキャリパ33に発生する。従
って、制動解除後の除圧時においては、制動時に発生し
たキャリパ33の移動量と、キャリパ33の撓み量を共
にリトラクトさせる必要がある。前記したように、この
リトラクト作用はリトラクションシール50の弾性復元
力により行なわれる。
【0050】従って、従来のように、単にキャリパ33
の移動により発生するスライドピン25とキャリパ33
との間の相対的移動によりリトラクションシール50を
変形させ、その弾性復元力によりキャリパ33をリトラ
クトさせる構成では、制動時におけるキャリパ33の移
動分に対するリトラクトは行なうことはできても、キャ
リパ33の撓み分に対してはリトラクトさせることはで
きない。
の移動により発生するスライドピン25とキャリパ33
との間の相対的移動によりリトラクションシール50を
変形させ、その弾性復元力によりキャリパ33をリトラ
クトさせる構成では、制動時におけるキャリパ33の移
動分に対するリトラクトは行なうことはできても、キャ
リパ33の撓み分に対してはリトラクトさせることはで
きない。
【0051】しかるに本実施例では、上記のように制動
時にリトラクションシール50に制動圧が印加される構
成としているため、制動時においてリトラクションシー
ル50はキャリパ33の移動量に対応した弾性変形に加
え、制動圧に対応した弾性変形が発生している。即ち、
リトラクションシール50の弾性変形量は、スライドピ
ン25とキャリパ33との間の相対的移動量と同じ変形
量となっている。
時にリトラクションシール50に制動圧が印加される構
成としているため、制動時においてリトラクションシー
ル50はキャリパ33の移動量に対応した弾性変形に加
え、制動圧に対応した弾性変形が発生している。即ち、
リトラクションシール50の弾性変形量は、スライドピ
ン25とキャリパ33との間の相対的移動量と同じ変形
量となっている。
【0052】従って、制動解除後の除圧時においては、
リトラクションシール50が弾性復元することにより発
生するキャリパ33のリトラクト量も大きくなるため、
キャリパ33の撓み分も含めて確実にキャリパ33を原
位置に戻すことができる。このように、制動圧通路51
を設けリトラクションシール50へ制動圧を伝達しうる
構成とすることによりリトラクト量の最適化を図ること
ができ、よってブレーキパッド22,23の引きずり発
生を防止することができる。
リトラクションシール50が弾性復元することにより発
生するキャリパ33のリトラクト量も大きくなるため、
キャリパ33の撓み分も含めて確実にキャリパ33を原
位置に戻すことができる。このように、制動圧通路51
を設けリトラクションシール50へ制動圧を伝達しうる
構成とすることによりリトラクト量の最適化を図ること
ができ、よってブレーキパッド22,23の引きずり発
生を防止することができる。
【0053】ところで、上記構成においてリトラクショ
ンシール50が十分に変形可能な構成でないと、リトラ
クト量の最適化を図ることはできなくなる。そこで、本
実施例では、シール溝48に凹部49を形成することに
より、リトラクションシール50の大なる変形を許容す
る構成としている。以下、シール溝48の作用について
図4を用いて説明する。
ンシール50が十分に変形可能な構成でないと、リトラ
クト量の最適化を図ることはできなくなる。そこで、本
実施例では、シール溝48に凹部49を形成することに
より、リトラクションシール50の大なる変形を許容す
る構成としている。以下、シール溝48の作用について
図4を用いて説明する。
【0054】先ず、制動が開始されて制動圧がさほど高
くない状態について説明する。制動圧がさほど高くない
状態では、制動圧によるリトラクションシール50の変
形量は小さく、リトラクションシール50の変形は主と
してキャリパ33の移動に伴うスライドピン25とキャ
リパ33の相対的移動により発生する。また、制動圧が
さほど高くない状態では、キャリパ33に発生する撓み
も殆ど発生していない。このような状態においては、相
対的にスライドピン25はキャリパ33に対して矢印X
1方向に移動し、リトラクションシール50はスライド
ピン25との摺動抵抗によって面取り部56へ弾性変形
し、この面取り部16と係合する(この状態を一点鎖線
で示す)。
くない状態について説明する。制動圧がさほど高くない
状態では、制動圧によるリトラクションシール50の変
形量は小さく、リトラクションシール50の変形は主と
してキャリパ33の移動に伴うスライドピン25とキャ
リパ33の相対的移動により発生する。また、制動圧が
さほど高くない状態では、キャリパ33に発生する撓み
も殆ど発生していない。このような状態においては、相
対的にスライドピン25はキャリパ33に対して矢印X
1方向に移動し、リトラクションシール50はスライド
ピン25との摺動抵抗によって面取り部56へ弾性変形
し、この面取り部16と係合する(この状態を一点鎖線
で示す)。
【0055】このリトラクションシール50が面取り部
16と係合した状態より更に制動力が増大すると、リト
ラクションシール50はシール溝48に形成されている
凹部49内に向け弾性変形する(即ち、リトラクション
シール50の一部が凹部49内に進入する)。
16と係合した状態より更に制動力が増大すると、リト
ラクションシール50はシール溝48に形成されている
凹部49内に向け弾性変形する(即ち、リトラクション
シール50の一部が凹部49内に進入する)。
【0056】このようなリトラクションシール50の弾
性変形時には、リトラクションシール50とスライドピ
ン25の面取り部16側(矢印X1側)の摺接部分では
リトラクションシール50の一部がスライドピン25上
を滑ってスライドピン25に対して相対変位を起こすも
のの、反対側(矢印X2側)の摺接部分ではリトラクシ
ョンシール50はスライドピン25から離れることなく
液密に密着した状態を維持する。このため、制動圧の漏
れはなく、リトラクションシール50に確実に制動圧が
印加される。従って、制動力が増大するに従いリトラク
ションシール50が凹部49内に向け弾性変形する弾性
変形量は増大し、この弾性変形量は制動力の大きさに対
応した値となる。
性変形時には、リトラクションシール50とスライドピ
ン25の面取り部16側(矢印X1側)の摺接部分では
リトラクションシール50の一部がスライドピン25上
を滑ってスライドピン25に対して相対変位を起こすも
のの、反対側(矢印X2側)の摺接部分ではリトラクシ
ョンシール50はスライドピン25から離れることなく
液密に密着した状態を維持する。このため、制動圧の漏
れはなく、リトラクションシール50に確実に制動圧が
印加される。従って、制動力が増大するに従いリトラク
ションシール50が凹部49内に向け弾性変形する弾性
変形量は増大し、この弾性変形量は制動力の大きさに対
応した値となる。
【0057】上記したように、シール溝48に凹部49
を形成することにより、この凹部49内にリトラクショ
ンシール50が入り込むことが可能となり、これにより
リトラクションシール50は大なる弾性変形が許容さ
れ、従ってキャリパ33の撓み分に対してもリトラクシ
ョンシール50は変形可能となり、制動解除時にはキャ
リパ33の撓み分を含めて確実にキャリパ33をリトラ
クトさせることが可能となる。
を形成することにより、この凹部49内にリトラクショ
ンシール50が入り込むことが可能となり、これにより
リトラクションシール50は大なる弾性変形が許容さ
れ、従ってキャリパ33の撓み分に対してもリトラクシ
ョンシール50は変形可能となり、制動解除時にはキャ
リパ33の撓み分を含めて確実にキャリパ33をリトラ
クトさせることが可能となる。
【0058】図5は、本実施例に係るディスクブレーキ
装置20の特性を従来と比較しつつ示している。同図に
おいて、横軸は制動圧を示しており、縦軸はキャリパの
撓み量及びリトラクト機構により発生するリトラクト量
を示している。図中、二点鎖線で示すのはキャリパの撓
み量であり、同図に示されるようにキャリパの撓み量は
制動力が増大するのに伴い増大する特性を有している。
また、図中実線で示されるのは従来のディスクブレーキ
装置に設けられているリトラクト機構により発生するリ
トラクト量であり、同図に示されるように制動力が増大
に拘わらず一定の値となっている。従って、従来のリト
ラクト機構では、制動力が増大するのに伴い増大する特
性を有するキャリパの撓み分をリトラクトできないこと
は明白である。
装置20の特性を従来と比較しつつ示している。同図に
おいて、横軸は制動圧を示しており、縦軸はキャリパの
撓み量及びリトラクト機構により発生するリトラクト量
を示している。図中、二点鎖線で示すのはキャリパの撓
み量であり、同図に示されるようにキャリパの撓み量は
制動力が増大するのに伴い増大する特性を有している。
また、図中実線で示されるのは従来のディスクブレーキ
装置に設けられているリトラクト機構により発生するリ
トラクト量であり、同図に示されるように制動力が増大
に拘わらず一定の値となっている。従って、従来のリト
ラクト機構では、制動力が増大するのに伴い増大する特
性を有するキャリパの撓み分をリトラクトできないこと
は明白である。
【0059】一方、図中破線で示すのは、本実施例で説
明したシール溝48から凹部49を除いた構成のシール
溝を有したリトラクト機構により発生するリトラクト量
を示している。同図に示すように、凹部49が設けられ
ていない構成では、リトラクションシール50の弾性変
形を大きくすることができず、リトラクションシール5
0が面取り部56と係合するまでの制動圧(図中、矢印
Pで示す)に対応するリトラクト量しか発生させること
ができない。従って、凹部49を除いた構成のリトラク
ト機構でも、制動力が増大するのに伴い増大するキャリ
パの撓み分をリトラクトすることはできない。
明したシール溝48から凹部49を除いた構成のシール
溝を有したリトラクト機構により発生するリトラクト量
を示している。同図に示すように、凹部49が設けられ
ていない構成では、リトラクションシール50の弾性変
形を大きくすることができず、リトラクションシール5
0が面取り部56と係合するまでの制動圧(図中、矢印
Pで示す)に対応するリトラクト量しか発生させること
ができない。従って、凹部49を除いた構成のリトラク
ト機構でも、制動力が増大するのに伴い増大するキャリ
パの撓み分をリトラクトすることはできない。
【0060】これに対し、シール溝48に凹部49を有
する本実施例に係るリトラクト機構43では、制動力の
増大に伴いリトラクションシール50の弾性変形量も増
大するため、同図に示されるようにリトラクト量を増大
させることができる。従って、制動解除時におけるキャ
リパ33のリトラクト量、すなわちブレーキクリアラン
スを大きくとることが可能となり、引きずり現象が発生
することを防止することができる。尚、図5において、
矢印Lで示す量がパッド23とディスクロータ24との
隙間になる。
する本実施例に係るリトラクト機構43では、制動力の
増大に伴いリトラクションシール50の弾性変形量も増
大するため、同図に示されるようにリトラクト量を増大
させることができる。従って、制動解除時におけるキャ
リパ33のリトラクト量、すなわちブレーキクリアラン
スを大きくとることが可能となり、引きずり現象が発生
することを防止することができる。尚、図5において、
矢印Lで示す量がパッド23とディスクロータ24との
隙間になる。
【0061】続いて、本発明の他の実施例であるディス
クブレーキ装置20Aについて説明する。図6は、他の
実施例であるディスクブレーキ装置20Aを示してい
る。尚、図6において前記した図1乃至図4に示したデ
ィスクブレーキ装置20と同一構成については同一符号
を附してその説明を省略する。
クブレーキ装置20Aについて説明する。図6は、他の
実施例であるディスクブレーキ装置20Aを示してい
る。尚、図6において前記した図1乃至図4に示したデ
ィスクブレーキ装置20と同一構成については同一符号
を附してその説明を省略する。
【0062】前記したディスクブレーキ装置20では、
第2のリトラクト機構43を構成するシール溝48に形
成される凹部48の深さをその全周にわたり一定の深さ
とした。これに対し、本実施例に係るディスクブレーキ
装置20Aは、凹部48の深さを異ならせた構成とした
ことを特徴とするものである。以下、この構成とした理
由について説明する。
第2のリトラクト機構43を構成するシール溝48に形
成される凹部48の深さをその全周にわたり一定の深さ
とした。これに対し、本実施例に係るディスクブレーキ
装置20Aは、凹部48の深さを異ならせた構成とした
ことを特徴とするものである。以下、この構成とした理
由について説明する。
【0063】制動時において、キャリパ33は図中矢印
X2方向に移動することについては前述した。しかる
に、実際のキャリパ33の移動はX2方向に対する直線
的な移動に加え、図6に矢印Mで示す方向に回転する移
動を含んでいる。従って、キャリパ33が矢印M方向に
回転移動することにより、第1の凹部70Aが形成され
た側ではアーム部34がX2方向へ大きく変形し、逆に
第2の凹部70Bが形成された側ではアーム部34がX
2方向へ小さく変形する。
X2方向に移動することについては前述した。しかる
に、実際のキャリパ33の移動はX2方向に対する直線
的な移動に加え、図6に矢印Mで示す方向に回転する移
動を含んでいる。従って、キャリパ33が矢印M方向に
回転移動することにより、第1の凹部70Aが形成され
た側ではアーム部34がX2方向へ大きく変形し、逆に
第2の凹部70Bが形成された側ではアーム部34がX
2方向へ小さく変形する。
【0064】従って、図1乃至図4に示された構成のよ
うに、アーム部34が大きく変形する位置と小さく変形
する位置で凹部48の深さを同一とすると、アーム部3
4が大きく変形する側では制動圧が大きい時に凹部49
がリトラクションシール50で充填されリトラクト量が
不足することとなり、逆にアーム部34が小さく変形す
る位置側では凹部48が大き過ぎることによりリトラク
ト量が大き過ぎるおそれがある。
うに、アーム部34が大きく変形する位置と小さく変形
する位置で凹部48の深さを同一とすると、アーム部3
4が大きく変形する側では制動圧が大きい時に凹部49
がリトラクションシール50で充填されリトラクト量が
不足することとなり、逆にアーム部34が小さく変形す
る位置側では凹部48が大き過ぎることによりリトラク
ト量が大き過ぎるおそれがある。
【0065】そこで、本実施例ではアーム部34が大き
く変形する位置に形成された第1の凹部70Aの深さ
(図中、矢印H1で示す)が、アーム部34が小さく変
形する位置に形成された第2の凹部70Bの深さ(図
中、矢印H2で示す)よりも大きくなるよう構成した
(H1>H2)。
く変形する位置に形成された第1の凹部70Aの深さ
(図中、矢印H1で示す)が、アーム部34が小さく変
形する位置に形成された第2の凹部70Bの深さ(図
中、矢印H2で示す)よりも大きくなるよう構成した
(H1>H2)。
【0066】上記構成としたことにより、アーム部34
が大きく変形する位置側では、リトラクションシール5
0は大なる容積を有する第1の凹部70Aに進入するた
めその弾性変形量は大きくなり、制動解除時において大
きなリトラクト量を発生させることができる。また、ア
ーム部34が小さく変形する位置側では、第2の凹部7
0Bの容積は小さいため小さなリトラクト量を発生し、
アーム部34の変形に対応したリトラクト量を発生させ
ることができる。
が大きく変形する位置側では、リトラクションシール5
0は大なる容積を有する第1の凹部70Aに進入するた
めその弾性変形量は大きくなり、制動解除時において大
きなリトラクト量を発生させることができる。また、ア
ーム部34が小さく変形する位置側では、第2の凹部7
0Bの容積は小さいため小さなリトラクト量を発生し、
アーム部34の変形に対応したリトラクト量を発生させ
ることができる。
【0067】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、制動力が大
きくキャリパの撓み量が大きい場合には、除圧時におけ
るリトラクト量も大きくなり、逆に制動力が小さくキャ
リパの撓み量が小さい場合には、除圧時におけるリトラ
クト量も小さくなるため、リトラクト量の最適化を図る
ことができる。
きくキャリパの撓み量が大きい場合には、除圧時におけ
るリトラクト量も大きくなり、逆に制動力が小さくキャ
リパの撓み量が小さい場合には、除圧時におけるリトラ
クト量も小さくなるため、リトラクト量の最適化を図る
ことができる。
【0068】また、シール溝に凹部を形成することによ
り、この凹部内にリトラクションシールが入り込むこと
が可能となり、これによりリトラクションシールは大な
る変形が許容され、制動解除時にはキャリパの撓み分を
含めて確実にキャリパをリトラクトさせることが可能と
なる。
り、この凹部内にリトラクションシールが入り込むこと
が可能となり、これによりリトラクションシールは大な
る変形が許容され、制動解除時にはキャリパの撓み分を
含めて確実にキャリパをリトラクトさせることが可能と
なる。
【図1】本発明の一実施例であるディスクブレーキ装置
の一部切截した状態を示す正面図である。
の一部切截した状態を示す正面図である。
【図2】本発明の一実施例であるディスクブレーキ装置
の平面図である。
の平面図である。
【図3】本発明の一実施例であるディスクブレーキ装置
の一部切截した状態を示す右側面図である。
の一部切截した状態を示す右側面図である。
【図4】リトラクト機構を拡大して示す図である。
【図5】本発明の一実施例であるディスクブレーキ装置
の特性を示す図である。
の特性を示す図である。
【図6】本発明の変形例であるディスクブレーキ装置の
一部切截した状態を示す側面図である。
一部切截した状態を示す側面図である。
【図7】従来の一例であるディスクブレーキ装置の一部
切截した状態を示す図である。
切截した状態を示す図である。
【図8】図7に示すディスクブレーキ装置のA−A線に
沿う断面図である。
沿う断面図である。
20,20A ディスクブレーキ装置 21 トルクメンバー 22,23 ブレーキパッド 24 ディスクロータ 25,26 スライドピン 27,28 ボルト 29,30 スリーブ 33 キャリパ 34,35 アーム部 36 シリンダ部 38 ピストン 39 シリンダ室 41 ブレーキフルード 42 第1のリトラクト機構 43 第2のリトラクト機構 44,48 シール溝 45,50 リトラクションシール 46,49 凹部 51 制動圧通路 52 導入溝 53 バックシール溝 54 Oリング 55 バックアップリング
Claims (1)
- 【請求項1】 制動時にキャリパの移動を案内するスラ
イドピン部と、前記スライドピン部に形成されたシール
溝に収納されたリトラクションシールとを具備し、制動
後の除圧時に前記リトラクションシールの弾性復元力に
より前記キャリパを移動前の状態に戻す構成とされたデ
ィスクブレーキ装置において、 前記リトラクションシールへ制動圧を伝達する制動圧伝
達通路と、 前記シール溝に形成され、前記リトラクションシールの
変形を許容する凹部とを具備することを特徴とするディ
スクブレーキ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8195022A JPH1037987A (ja) | 1996-07-24 | 1996-07-24 | ディスクブレーキ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8195022A JPH1037987A (ja) | 1996-07-24 | 1996-07-24 | ディスクブレーキ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1037987A true JPH1037987A (ja) | 1998-02-13 |
Family
ID=16334241
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8195022A Pending JPH1037987A (ja) | 1996-07-24 | 1996-07-24 | ディスクブレーキ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1037987A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010123100A1 (ja) * | 2009-04-23 | 2010-10-28 | トヨタ自動車株式会社 | ディスクブレーキ装置 |
US9758134B2 (en) | 2012-04-11 | 2017-09-12 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Disk brake |
DE102017202219A1 (de) | 2017-02-13 | 2018-08-16 | Audi Ag | Schwimmsattelbremse |
-
1996
- 1996-07-24 JP JP8195022A patent/JPH1037987A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010123100A1 (ja) * | 2009-04-23 | 2010-10-28 | トヨタ自動車株式会社 | ディスクブレーキ装置 |
JP2010255712A (ja) * | 2009-04-23 | 2010-11-11 | Toyota Motor Corp | ディスクブレーキ装置 |
CN102341611A (zh) * | 2009-04-23 | 2012-02-01 | 丰田自动车株式会社 | 盘式制动装置 |
DE112010001718T5 (de) | 2009-04-23 | 2012-08-09 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Scheibenbremse |
US8783425B2 (en) | 2009-04-23 | 2014-07-22 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Disc brake device |
US9758134B2 (en) | 2012-04-11 | 2017-09-12 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Disk brake |
DE102017202219A1 (de) | 2017-02-13 | 2018-08-16 | Audi Ag | Schwimmsattelbremse |
DE102017202219B4 (de) | 2017-02-13 | 2021-11-04 | Audi Ag | Schwimmsattelbremse |
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