JPH1032146A - アルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方法 - Google Patents
アルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方法Info
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Abstract
酸化工程において、化成電気量の低減を図り、かつ特性
の優れた電極箔の製造方法を提供する。 【解決手段】 表面を粗面化し、実効表面積を拡大させ
たアルミニウム箔を化成して、陽極酸化皮膜を形成する
アルミニウム電解コンデンサ用陽極箔の製造方法におい
て、アルミニウム箔を化成工程における減極処理後、純
水・イオン交換水、アルミン酸塩水溶液、リン酸塩水溶
液、珪酸塩水溶液の少なくとも1種の液により化学処理
し、陽極酸化皮膜を形成することを特徴としている。
Description
コンデンサ用電極箔の製造方法に関するものである。
エッチング処理により実効表面積を拡大させたアルミニ
ウム箔に、化成処理を施し、表面に誘電体となる陽極酸
化皮膜を形成した陽極箔と、陰極箔との間にセパレータ
を介して巻回してなるコンデンサ素子に駆動用電解液を
含浸させ、ケースに挿入し封止することにより構成され
ていた。
させる化成工程は、次のような手順により行っていた。
すなわち、エッチング処理により実効表面積を拡大させ
たアルミニウム箔を、硼酸、リン酸、アジピン酸、クエ
ン酸、またはそれら塩の水溶液中にて定電流で化成を行
い、所定の化成電圧到達後、定電圧にて一定時間保持し
第1段化成を終了する。なお、使用電圧または用途によ
り第一段化成の前に化学処理による皮膜形成工程を行う
こともある。
膜中の欠陥等を取り除くために、生成した陽極酸化皮膜
の一部を溶解処理または熱処理等による減極処理を行
い、再度陽極酸化による修復化成を行う。この工程は必
要により繰り返されることがある。
従来化成工程においては、化成電圧が高いほど第1段化
成にて陽極酸化皮膜中の欠陥が増加し、化成箔特性を維
持するために減極処理条件を厳しくする必要があり、そ
の結果修復化成における電気量が増加するという問題が
あった。
情に鑑み、各種検討した結果見いだされたものであり、
陽極酸化皮膜を形成する工程のうち、減極処理後の修復
化成工程に着目し、減極処理後に化学処理による皮膜生
成工程を設けることにより、電気量の低減を図り、かつ
特性の優れた化成箔を提供することを特徴としている。
アルミニウム箔を化成して、陽極酸化皮膜を形成するア
ルミニウム電解コンデンサ用陽極箔の製造方法におい
て、アルミニウム箔を化成工程で減極処理後、純水・イ
オン交換水、アルミン酸塩水溶液、リン酸塩水溶液、珪
酸塩水溶液の少なくとも一種の液により化学処理し、そ
の後、陽極酸化皮膜を形成することを特徴とし、 (1)化成耐電圧が160V以下の場合におけるアルミ
ニウム箔の化学処理液が、液温40〜60℃の純水・イ
オン交換水、またはpH9〜12のアルミン酸塩水溶液
であることを特徴とする請求項1の化成耐電圧160V
以下のアルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方
法。 (2)化成耐電圧が160V以下の場合におけるアルミ
ニウム箔の化学処理液が液温80〜100℃、pH6〜
9のリン酸塩水溶液またはpH10〜13の珪酸塩水溶
液であることを特徴とする請求項1のアルミニウム電解
コンデンサ用電極箔の製造方法。 (3)化成耐電圧が160Vを超える場合におけるアル
ミニウム箔の化学処理液が液温80〜100℃の純水・
イオン交換水であることを特徴とする請求項1のアルミ
ニウム電解コンデンサの製造方法である。
を行うことにより、形成される皮膜は各々、下記(1)
〜(3)の作用を有する。
耐電圧:160V以下 減極処理後、40〜60℃の純水またはイオン交換水
にて化学処理後、熱処理を行うことにより、露呈した欠
陥に生成した水和皮膜が疑似ベーマイト皮膜となり、修
復化成が容易に行われるため、化成電気量の低減が図
れ、かつ特性の優れた化成箔を得ることができる。 減極処理後、pH9〜12のアルミン酸塩水溶液に、
処理温度40〜60℃にて浸漬し、生成する水和皮膜を
熱処理することにより疑似ベーマイト皮膜を生成させ、
この疑似ベーマイト皮膜を利用して修復化成が容易に行
われるため、化成電気量の低減が図れ、かつ特性の優れ
た化成箔を得ることができる。
成耐電圧:160V以下、 pH6〜9のリン酸またはpH10〜13の珪酸塩水溶
液に、処理温度80〜100℃で浸漬した後、熱処理を
行うことにより、保護皮膜が形成され、修復化成時に生
成する皮膜中に化成液中のイオンが侵入することを防止
するので、皮膜の結晶化が進み易くなり、化成電気量の
低減が図れ、かつ特性の優れた化成箔を得ることができ
る。
成耐電圧:160Vを超えるもの 80〜100℃の純水またはイオン交換水に浸漬し、疑
似ベーマイト皮膜を生成させることにより、修復化成が
容易に行われるため、化成電気量の低減が図れ、特性の
優れた化成箔を得ることができる。
の記載に基づき説明する。なお、アジピン酸系化成液と
は液温70℃の5重量%アジピン酸アンモニウム水溶液
であり、リン酸系化成液とは液温85℃の0.1重量%
リン酸二水素アンモニウム水溶液であり、硼酸系化成液
とは液温85℃の3重量%硼酸アンモニウム水溶液であ
る。印加電流密度は全ての化成液において100mA/
cm2である。
大したアルミニウム箔を、アジピン酸系化成液にて70
Vまで化成を行い、0.25重量%硝酸水溶液にて3分
間減極処理を行った。次に化学処理として液温40、5
0、60℃の温度の異なるイオン交換水に各々3分間浸
漬処理し、400℃の熱処理を行った後、リン酸系化成
液にて90Vまで修復化成を行った。このとき、皮膜生
成処理の温度が40℃未満の場合、皮膜の生成量が十分
でないために皮膜処理による効果が得られ難い。また、
60℃を超える場合、生成した皮膜が厚くなり、化成電
気量は低減できるが、箔特性が低下する。
大したアルミニウム箔を、アジピン酸系化成液にて70
Vまで化成を行い、0.25%重量硝酸水溶液にて3分
間減極処理を行った。次に化学処理として液温40、5
0、60の温度の異なるpH11のアルミン酸カリウム
水溶液にて3分間浸漬処理し、400℃の熱処理を行っ
た後、リン酸系化成液にて90Vまで修復化成を行っ
た。また、アルミン酸カリウム水溶液のpHを9、1
1、12と変えたもの3種(5a、5b、5c)につい
ても比較した。なお、アルミン酸カリウム水溶液のpH
が9未満または12を超える場合、皮膜生成より箔の溶
出が多くなり化成箔特性が維持できなくなる。また、皮
膜生成処理の温度が、40℃未満の場合皮膜の生成量が
十分ではないために皮膜処理による効果が得られ難く、
60℃を超える場合生成した皮膜が厚くなり、化成電気
量は低減できるが箔特性は低下する。
大したアルミニウム箔を、アジピン酸系化成液にて70
Vまで化成を行い、0.25重量%硝酸水溶液にて3分
間減極処理を行った。次に化学処理として液温80、9
0、100℃の温度の異なるpH8のリン酸カリウム水
溶液に各々3分間浸漬処理し、400℃の熱処理を行っ
た後、リン酸系化成液にて90Vまで修復化成を行っ
た。また、リン酸カリウム水溶液のpHを6、8、9と
変えたもの3種(8a、8b、8c、)についても比較
した。なお、リン酸カリウム水溶液のpHが6未満また
は9を超える場合、皮膜生成より箔の溶出が多くなり化
成箔特性が維持できなくなる。また、処理温度が80℃
未満の場合、化成電気量を低減させるのに十分な皮膜を
得ることができない。
を拡大したアルミニウム箔を、アジピン酸系化成液にて
70Vまで化成を行い、0.25重量%硝酸水溶液にて
3分間減極処理を行った。次に化学処理として液温8
0、90、100℃の温度の異なるpH11の珪酸カリ
ウム水溶液に各々3分間浸漬処理し、450℃の熱処理
を行った後、リン酸系化成液にて90Vまで修復化成を
行った。また、珪酸カリウム水溶液のpHを10,1
1,13と変えたもの3種(11a、11b、11c)
についても比較した。なお、珪酸塩水溶液のpHが10
未満または13を超える場合、皮膜生成より箔の溶出が
多くなり化成箔特性が維持できなくなる。また、処理温
度が80℃未満の場合、化成電気量を低減させるのに十
分な皮膜を得ることができない。
たアルミニウム箔を、アジピン酸系化成液にて70Vま
で化成を行い、減極処理として0.25重量%硝酸水溶
液にて3分間浸漬処理し、450℃の熱処理を行った
後、リン酸系化成液にて90Vまで修復化成を行った。
を拡大したアルミニウム箔を、硼酸系化成液にて350
Vまで化成を行い、0.25重量%硝酸水溶液にて4分
間減極処理を行った。次に化学処理として液温80、9
0、100℃のイオン交換水に各々5分間浸漬処理し、
硼酸系化成液にて350V間で修復化成を行い、減極処
理として500℃の熱処理を行い、硼酸系化成液にて3
50Vまで修復化成を行った。なお、皮膜生成処理の温
度が80℃未満の場合、化成電気量を低減できるだけの
厚さを有する疑似ベーマイト皮膜は得られない。
アルミニウム箔を、硼酸系化成液にて350Vまで化成
を行い、減極処理として0.25重量%硝酸水溶液にて
4分間浸漬し、硼酸系化成液にて350V間で修復化成
を行い、減極処理として500℃の熱処理を行い、硼酸
系化成液にて350V間で修復化成を行った。
従来例に対する実施例の化成電気量比率を表3に示す。
法によれば、減極処理後、化学処理を行うことにより化
成電気量の低減を図り、かつ箔特性を向上させることが
できる。また、本発明は減極処理を複数回行う場合は、
その任意の工程または全ての工程にて適用が可能であ
る。
極処理後の化学処理により、修復化成時の化成電気量の
低減を図ることができ、かつ箔特性の向上も図ることが
できる。
Claims (4)
- 【請求項1】 表面を粗面化し、実効表面積を拡大させ
たアルミニウム箔を化成して、陽極酸化皮膜を形成する
アルミニウム電解コンデンサ用陽極箔の製造方法におい
て、該アルミニウム箔を化成工程で減極処理後、純水・
イオン交換水、アルミン酸塩水溶液、リン酸塩水溶液、
珪酸塩水溶液の少なくとも一種の液により化学処理し、
その後、陽極酸化皮膜を形成することを特徴とするアル
ミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方法。 - 【請求項2】 化成耐電圧160V以下の場合における
アルミニウム箔の化学処理液が、液温40〜60℃の純
水・イオン交換水、またはpH9〜12のアルミン酸塩
水溶液であることを特徴とする請求項1のアルミニウム
電解コンデンサ用電極箔の製造方法。 - 【請求項3】 化成耐電圧が160V以下の場合におけ
るアルミニウム箔の化学処理液が、液温80〜100
℃、pH6〜9のリン酸塩水溶液またはpH10〜13
の珪酸塩水溶液であることを特徴とする請求項1のアル
ミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方法。 - 【請求項4】 化成耐電圧が160Vを超える場合にお
けるアルミニウム箔の化学処理液が、液温80〜100
℃の純水・イオン交換水であることを特徴とする請求項
1のアルミニウム電解コンデンサの製造方法。
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JP18631796A JP3853432B2 (ja) | 1996-07-16 | 1996-07-16 | アルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方法 |
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JPH1032146A true JPH1032146A (ja) | 1998-02-03 |
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-
1996
- 1996-07-16 JP JP18631796A patent/JP3853432B2/ja not_active Expired - Fee Related
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