JPH10329022A - 研削加工装置および研削加工方法 - Google Patents
研削加工装置および研削加工方法Info
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- JPH10329022A JPH10329022A JP13971997A JP13971997A JPH10329022A JP H10329022 A JPH10329022 A JP H10329022A JP 13971997 A JP13971997 A JP 13971997A JP 13971997 A JP13971997 A JP 13971997A JP H10329022 A JPH10329022 A JP H10329022A
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- grindstone
- discharge
- electrode
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 砥石を消耗させることなく砥石の表面を成形
して研削加工に適切な状態に保持する。 【解決手段】 砥石表面成形手段2は、砥石1と極間距
離を有する状態で配置される放電被覆電極10と、直流
電源11とからなる。直流電源11は、砥石1と放電被
覆電極10に接続される。放電被覆電極10は、導電性
を有する硬質材料から成っており、砥石の研削加工表面
への溶融付着を容易にするような強度的に脆弱な構造に
形成されている。直流電源11により所定の電圧のパル
ス電流が砥石1と放電被覆電極10の間に印加される
と、両者1,10間で放電が発生し、放電熱によって放
電被覆電極10が溶融破壊され、放電被覆電極10の材
料が砥石1の表面に付着して積層されることとなる。
して研削加工に適切な状態に保持する。 【解決手段】 砥石表面成形手段2は、砥石1と極間距
離を有する状態で配置される放電被覆電極10と、直流
電源11とからなる。直流電源11は、砥石1と放電被
覆電極10に接続される。放電被覆電極10は、導電性
を有する硬質材料から成っており、砥石の研削加工表面
への溶融付着を容易にするような強度的に脆弱な構造に
形成されている。直流電源11により所定の電圧のパル
ス電流が砥石1と放電被覆電極10の間に印加される
と、両者1,10間で放電が発生し、放電熱によって放
電被覆電極10が溶融破壊され、放電被覆電極10の材
料が砥石1の表面に付着して積層されることとなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、砥石を用いてワー
クを研削する研削加工装置および研削加工方法に関し、
さらに詳しくは、砥石の表面を研削加工に適切な状態に
保持することができる研削加工装置および研削加工方法
に関するものである。
クを研削する研削加工装置および研削加工方法に関し、
さらに詳しくは、砥石の表面を研削加工に適切な状態に
保持することができる研削加工装置および研削加工方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】砥石は、一般に、ダイヤモンドや酸化ア
ルミニウム、炭化ケイ素、酸化鉄、酸化クロム等の硬質
材料からなると粒(研削材)を結合材により固めて成形
されている。砥石を研削盤に取付けてワークに対して研
削加工を行う際には、一般に砥石を回転させ、結合材の
表面にあらわれていると粒によりワークの研削加工や切
削加工等を行う。砥石は、研削加工または切削加工、荒
加工から仕上加工というように、加工目的に応じてと粒
の粒度や種類、すなわち加工表面荒さが選択される。砥
石は、ワークへの加工数の増加に伴って摩耗したり目づ
まりを起こして研削性能が低下し、これらの摩耗等が不
均一に起こるとその形状が異形となる。そのため、砥石
の研削性能が低下した場合には、表面の結合材を除去す
ることによりと粒を突出させるドレッシング(目立て)
を行い、砥石の形状が異形となった場合には、異形とな
った砥石の表面の突出した部分を削り取ることにより形
状を修正するツルーイング(形直し)を行う。
ルミニウム、炭化ケイ素、酸化鉄、酸化クロム等の硬質
材料からなると粒(研削材)を結合材により固めて成形
されている。砥石を研削盤に取付けてワークに対して研
削加工を行う際には、一般に砥石を回転させ、結合材の
表面にあらわれていると粒によりワークの研削加工や切
削加工等を行う。砥石は、研削加工または切削加工、荒
加工から仕上加工というように、加工目的に応じてと粒
の粒度や種類、すなわち加工表面荒さが選択される。砥
石は、ワークへの加工数の増加に伴って摩耗したり目づ
まりを起こして研削性能が低下し、これらの摩耗等が不
均一に起こるとその形状が異形となる。そのため、砥石
の研削性能が低下した場合には、表面の結合材を除去す
ることによりと粒を突出させるドレッシング(目立て)
を行い、砥石の形状が異形となった場合には、異形とな
った砥石の表面の突出した部分を削り取ることにより形
状を修正するツルーイング(形直し)を行う。
【0003】このようなドレッシングまたはツルーイン
グを行う従来の技術としては、特開平6−210566
号公報に開示されているように、放電加工によって砥石
の形状を成形(整形)するものが知られている。このも
のにあっては、2軸テーブルに支持されたワイヤ走行装
置によりワイヤ電極を走行させることにより、ワイヤ電
極が常に新しい面となって位置が変化しないため、砥石
の高精度の成形(整形)加工を行うことができるという
ものである。また、このものには、砥石の作用面の形状
を検出し、この検出された砥石の作用面の形状に応じて
砥石の成形(整形)を放電加工により行うことが開示さ
れている。
グを行う従来の技術としては、特開平6−210566
号公報に開示されているように、放電加工によって砥石
の形状を成形(整形)するものが知られている。このも
のにあっては、2軸テーブルに支持されたワイヤ走行装
置によりワイヤ電極を走行させることにより、ワイヤ電
極が常に新しい面となって位置が変化しないため、砥石
の高精度の成形(整形)加工を行うことができるという
ものである。また、このものには、砥石の作用面の形状
を検出し、この検出された砥石の作用面の形状に応じて
砥石の成形(整形)を放電加工により行うことが開示さ
れている。
【0004】また、別の従来の技術としては、特開平5
−277937号公報等に開示されているように、電極
をプラス極とし、導電性薄刃砥石をマイナス極として放
電加工することにより、導電性薄刃砥石を微少量消耗さ
せてツルーイング/ドレッシングを行うものも知られて
いる。
−277937号公報等に開示されているように、電極
をプラス極とし、導電性薄刃砥石をマイナス極として放
電加工することにより、導電性薄刃砥石を微少量消耗さ
せてツルーイング/ドレッシングを行うものも知られて
いる。
【0005】さらに、別の従来の技術としては、特開平
5−277938号公報等に開示されているように、直
流パルス電源等の一方の極から電圧が供給される導電性
砥石と他方の極から電圧が供給されるメタルボンドダイ
ヤモンド砥石の電極とを回転させながら相対移動させ、
導電性砥石とメタルボンドダイヤモンド砥石の電極との
間に放電させることと、メタルボンドダイヤモンド砥石
の電極に対し導電性砥石の外周を研削加工することと
を、同時あるいは交互に行って導電性砥石の外周をツル
ーイングすることにより、放電ギャップの影響による形
状精度の低下を避け、と粒粒径以内の高精度の砥石形状
を得ようとするものが知られている。
5−277938号公報等に開示されているように、直
流パルス電源等の一方の極から電圧が供給される導電性
砥石と他方の極から電圧が供給されるメタルボンドダイ
ヤモンド砥石の電極とを回転させながら相対移動させ、
導電性砥石とメタルボンドダイヤモンド砥石の電極との
間に放電させることと、メタルボンドダイヤモンド砥石
の電極に対し導電性砥石の外周を研削加工することと
を、同時あるいは交互に行って導電性砥石の外周をツル
ーイングすることにより、放電ギャップの影響による形
状精度の低下を避け、と粒粒径以内の高精度の砥石形状
を得ようとするものが知られている。
【0006】さらにまた、別の従来の技術としては、特
開平6−114733号公報等に開示されているよう
に、研削機械の回転軸に装着さた先端R形状のプロファ
イル加工用導電性砥石を回転させ、この回転軸と直交さ
せた回転軸に放電加工用の円盤状電極を取付け、前記砥
石を電極の円盤外周に接近させると共に、前記電極を回
転させ、前記砥石と前記電極との間に直流パルス電源等
の電圧を印加し、前記電極の外周に沿ってその間隔を保
ったまま前記砥石を移動させながら放電し、前記砥石の
先端外周部を整形するものが知られている。
開平6−114733号公報等に開示されているよう
に、研削機械の回転軸に装着さた先端R形状のプロファ
イル加工用導電性砥石を回転させ、この回転軸と直交さ
せた回転軸に放電加工用の円盤状電極を取付け、前記砥
石を電極の円盤外周に接近させると共に、前記電極を回
転させ、前記砥石と前記電極との間に直流パルス電源等
の電圧を印加し、前記電極の外周に沿ってその間隔を保
ったまま前記砥石を移動させながら放電し、前記砥石の
先端外周部を整形するものが知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術は、い
ずれのものであっても、放電加工により砥石の表面を消
耗させる、すなわち除去加工を施すことにより砥石を所
望の形状に整形するものであった。したがって、上記従
来の技術では、砥石の整形を繰り返すことにより、砥石
が次第に消耗して小さくなるため、砥石の寿命が短くな
るという問題があった。また、次第に消耗して小さくな
った砥石は、ワークに対する回転軸の相対位置を変化さ
せなければならず、その制御が複雑となるという問題
や、さらに、研削加工精度が不安定なものとなるといっ
た問題があった。また、上記従来の技術にあっては、加
工目的に応じてと粒の粒度や種類の異なる砥石に交換し
なければならず、交換のための手間や砥石の芯出しのた
めの微調整の手間等がかかるという問題があった。これ
に加えて加工目的に応じた砥石を数多く用意しなければ
ならず、コストやその保管のためのスペースを要すると
いう問題もあった。
ずれのものであっても、放電加工により砥石の表面を消
耗させる、すなわち除去加工を施すことにより砥石を所
望の形状に整形するものであった。したがって、上記従
来の技術では、砥石の整形を繰り返すことにより、砥石
が次第に消耗して小さくなるため、砥石の寿命が短くな
るという問題があった。また、次第に消耗して小さくな
った砥石は、ワークに対する回転軸の相対位置を変化さ
せなければならず、その制御が複雑となるという問題
や、さらに、研削加工精度が不安定なものとなるといっ
た問題があった。また、上記従来の技術にあっては、加
工目的に応じてと粒の粒度や種類の異なる砥石に交換し
なければならず、交換のための手間や砥石の芯出しのた
めの微調整の手間等がかかるという問題があった。これ
に加えて加工目的に応じた砥石を数多く用意しなければ
ならず、コストやその保管のためのスペースを要すると
いう問題もあった。
【0008】本発明は上記問題に鑑みてなされたもの
で、その目的は、砥石を消耗させることなく砥石の表面
を成形して研削加工に適切な状態に保持することがで
き、しかも加工目的に応じて加工表面荒さを調整するこ
とができる研削加工装置および研削加工方法を提供する
ことにある。
で、その目的は、砥石を消耗させることなく砥石の表面
を成形して研削加工に適切な状態に保持することがで
き、しかも加工目的に応じて加工表面荒さを調整するこ
とができる研削加工装置および研削加工方法を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の研削加工装置
に係る発明は、上記目的を達成するため、砥石を用いて
ワークを研削する研削加工装置であって、消耗した砥石
の研削加工表面を放電加工により被覆成形する表面成形
手段を備えたことを特徴とするものである。
に係る発明は、上記目的を達成するため、砥石を用いて
ワークを研削する研削加工装置であって、消耗した砥石
の研削加工表面を放電加工により被覆成形する表面成形
手段を備えたことを特徴とするものである。
【0010】請求項2の研削加工装置に係る発明は、上
記目的を達成するため、請求項1の発明において、砥石
の研削加工表面の修正手段を備えたことを特徴とするも
のである。
記目的を達成するため、請求項1の発明において、砥石
の研削加工表面の修正手段を備えたことを特徴とするも
のである。
【0011】請求項3の研削加工方法に係る発明は、上
記目的を達成するため、砥石を用いてワークを研削する
研削加工方法であって、消耗した砥石の研削加工表面を
放電加工により被覆成形することを特徴とするものであ
る。
記目的を達成するため、砥石を用いてワークを研削する
研削加工方法であって、消耗した砥石の研削加工表面を
放電加工により被覆成形することを特徴とするものであ
る。
【0012】請求項4の研削加工方法に係る発明は、上
記目的を達成するため、請求項3の発明において、砥石
の研削加工表面を被覆成形した後に砥石表面を修正する
ことを特徴とするものである。
記目的を達成するため、請求項3の発明において、砥石
の研削加工表面を被覆成形した後に砥石表面を修正する
ことを特徴とするものである。
【0013】請求項1の研削加工装置に係る発明では、
表面成形手段の放電加工により、ワークを研削して消耗
した砥石の研削加工表面を被覆成形し、砥石の消耗を補
償する。放電加工条件によって加工表面荒さが調整され
る。
表面成形手段の放電加工により、ワークを研削して消耗
した砥石の研削加工表面を被覆成形し、砥石の消耗を補
償する。放電加工条件によって加工表面荒さが調整され
る。
【0014】請求項2の研削加工装置に係る発明では、
砥石の研削加工表面に余分に被覆された砥石の研削加工
表面、あるいはワークを研削した際に異形となった砥石
の研削加工表面を除去することにより、砥石の形状を修
正する。
砥石の研削加工表面に余分に被覆された砥石の研削加工
表面、あるいはワークを研削した際に異形となった砥石
の研削加工表面を除去することにより、砥石の形状を修
正する。
【0015】請求項3の研削加工方法に係る発明では、
ワークを研削することにより消耗した砥石の研削加工表
面を放電加工により被覆成形すると、砥石の消耗が補償
される。放電加工の条件を変化させることにより加工表
面荒さが調整される。
ワークを研削することにより消耗した砥石の研削加工表
面を放電加工により被覆成形すると、砥石の消耗が補償
される。放電加工の条件を変化させることにより加工表
面荒さが調整される。
【0016】請求項4の研削加工方法に係る発明では、
砥石の研削加工表面を被覆成形した後に砥石表面の修正
すると、砥石の研削加工表面に余分に被覆された砥石の
研削加工表面、あるいはワークを研削した際に異形とな
った砥石の研削加工表面が除去され、砥石の形状が修正
される。
砥石の研削加工表面を被覆成形した後に砥石表面の修正
すると、砥石の研削加工表面に余分に被覆された砥石の
研削加工表面、あるいはワークを研削した際に異形とな
った砥石の研削加工表面が除去され、砥石の形状が修正
される。
【0017】
【発明の実施の形態】最初に、本発明に係る研削加工装
置の実施の一形態を図1および図2に基づいて詳細に説
明する。なお、図において同一符号は同一部分または相
当部分とする。
置の実施の一形態を図1および図2に基づいて詳細に説
明する。なお、図において同一符号は同一部分または相
当部分とする。
【0018】本発明に係る研削加工装置は、概略、軸回
りに回転駆動されてワークWを研削する砥石1と、研削
により消耗した砥石1の研削加工表面(単に「表面」と
省略して称する)を放電加工により被覆成形する砥石表
面成形手段2とを備え、さらにこの実施の形態では、砥
石表面成形手段2により被覆成形された砥石1の表面を
修正する修正手段3を備えている。
りに回転駆動されてワークWを研削する砥石1と、研削
により消耗した砥石1の研削加工表面(単に「表面」と
省略して称する)を放電加工により被覆成形する砥石表
面成形手段2とを備え、さらにこの実施の形態では、砥
石表面成形手段2により被覆成形された砥石1の表面を
修正する修正手段3を備えている。
【0019】砥石1は、研削盤の回転軸(図示は省略す
る)に取付けられて回転駆動されると共にワークWと相
対的に移動されることにより、ワークWの研削加工を行
う。ワークWまたは砥石1の移動は、NC制御により任
意に行うことができる。砥石1は、導電性を有するもの
からなり、取付けられた回転軸とその表面とが電気的に
接続され得るように構成されている。
る)に取付けられて回転駆動されると共にワークWと相
対的に移動されることにより、ワークWの研削加工を行
う。ワークWまたは砥石1の移動は、NC制御により任
意に行うことができる。砥石1は、導電性を有するもの
からなり、取付けられた回転軸とその表面とが電気的に
接続され得るように構成されている。
【0020】砥石表面成形手段2は、砥石1と所定の間
隔(極間距離Sという)を有する状態で配置される放電
被覆電極10と、直流電源11とからなるもので、直流
電源11の陽極または陰極のいずれか一方が放電被覆電
極10に接続され、直流電源11の陽極または陰極のい
ずれか他方が砥石1に直接、またはブラシ(図示を省略
した)等を介して砥石1が取付けられた回転軸に接続さ
れる。放電被覆電極は、極間距離Sを自在に制御するこ
とができるよう支持されている。
隔(極間距離Sという)を有する状態で配置される放電
被覆電極10と、直流電源11とからなるもので、直流
電源11の陽極または陰極のいずれか一方が放電被覆電
極10に接続され、直流電源11の陽極または陰極のい
ずれか他方が砥石1に直接、またはブラシ(図示を省略
した)等を介して砥石1が取付けられた回転軸に接続さ
れる。放電被覆電極は、極間距離Sを自在に制御するこ
とができるよう支持されている。
【0021】放電被覆電極10の材料としては、導電性
を有し、硬質で高融点である材料、例えば、チタン、タ
ングステンカーバイトの炭化物、窒化物、硼化物とセラ
ミックスまたは他の化合物を加えた複合材料が用いられ
る。また、放電被覆電極10は、電極消耗を促進させ、
砥石の研削加工表面への溶融付着を容易にするため、強
度的に脆弱な構造に形成されることが望ましい。
を有し、硬質で高融点である材料、例えば、チタン、タ
ングステンカーバイトの炭化物、窒化物、硼化物とセラ
ミックスまたは他の化合物を加えた複合材料が用いられ
る。また、放電被覆電極10は、電極消耗を促進させ、
砥石の研削加工表面への溶融付着を容易にするため、強
度的に脆弱な構造に形成されることが望ましい。
【0022】直流電源11は、直流電源回路からパルス
電流を砥石1および放電被覆電極10間に任意的に印加
するものである。また、直流電源11は、砥石1と放電
被覆電極10の間に所定の電圧のパルス電流を印加する
ことができるように、制御装置(図示を省略した)を含
んでいる。なお、この実施の形態においては、図示は省
略するが、砥石1と放電被覆電極10との間には放電加
工液が満たされている。砥石1および放電被覆電極10
を放電加工液が満たされた放電加工槽内に配置して放電
加工液中に浸漬してもよく、あるいは、砥石1と放電被
覆電極10との間に放電加工液を供給流通させるよう構
成してもよい。この場合には、放電加工液は、研削加工
液としても機能するような性質を有する(以下、加工液
という)。さらに、砥石1と放電被覆電極10との間に
放電作用を発生させることができるのであれば、両者
1,10間を大気中あるいは所定のガス雰囲気中とする
こともできる。
電流を砥石1および放電被覆電極10間に任意的に印加
するものである。また、直流電源11は、砥石1と放電
被覆電極10の間に所定の電圧のパルス電流を印加する
ことができるように、制御装置(図示を省略した)を含
んでいる。なお、この実施の形態においては、図示は省
略するが、砥石1と放電被覆電極10との間には放電加
工液が満たされている。砥石1および放電被覆電極10
を放電加工液が満たされた放電加工槽内に配置して放電
加工液中に浸漬してもよく、あるいは、砥石1と放電被
覆電極10との間に放電加工液を供給流通させるよう構
成してもよい。この場合には、放電加工液は、研削加工
液としても機能するような性質を有する(以下、加工液
という)。さらに、砥石1と放電被覆電極10との間に
放電作用を発生させることができるのであれば、両者
1,10間を大気中あるいは所定のガス雰囲気中とする
こともできる。
【0023】直流電源11により所定の電圧のパルス電
流が砥石1と放電被覆電極10の間に印加されると、両
者1,10間で放電が発生し、放電熱によって放電被覆
電極10が溶融破壊され、図2に示すように、放電被覆
電極10の材料10aが砥石1の表面に付着して積層さ
れることとなる。砥石1は、その表面に放電被覆電極1
0の材料10aが均等に積層されるように、直流電源1
1によってパルス電流を印加するときには回転されてい
る。この砥石1の表面に積層された被覆は、放電被覆電
極10の材料によって異なるが、その硬度が約1000
〜3500mHvで、表面粗さがRz10〜50μm程
度となる。したがって、本発明において使用される砥石
1は、と粒を結合材により結合した従来から使用されて
いる砥石と同様の機能を有する。なお、研削加工を施す
ワークWの硬度や性質等によって砥石1が最適な表面硬
度および表面粗さとなるように、放電被覆電極10の材
料や複合割合、電極成形時の成形強度等を選択すること
ができる。また、砥石の回転速度や加工液の温度および
濃度、印加する電流のパルス幅(時間)や電圧等の条件
を変化させることにより、砥石1の表面硬度および表面
粗さを所望するように調整することができる。このよう
に、本発明では、砥石1の表面に放電被覆電極10の材
料10aが積層されるので消耗することがなく、しか
も、砥石1の表面硬度および表面粗さを加工目的に応じ
て調整することができるため、砥石1を研削盤の回転軸
に取付けた際に芯出し等の微調整を一度行えば、砥石1
を消耗により、あるいは加工目的に応じて交換する必要
がなくなる。また、砥石1が消耗することによるワーク
Wに対する砥石1の回転軸の相対位置誤差を補償する必
要もなくなる。放電被覆電極10は、その材料10aが
砥石1に付着して積層されることで消耗する。この時、
放電被覆電極10と砥石1との極間距離Sが大きくなる
よう変化した場合には、極間距離Sを小さくすべく放電
被覆電極10の先端を砥石1の表面に最適に近接させる
ように、放電被覆電極10が送り出される。
流が砥石1と放電被覆電極10の間に印加されると、両
者1,10間で放電が発生し、放電熱によって放電被覆
電極10が溶融破壊され、図2に示すように、放電被覆
電極10の材料10aが砥石1の表面に付着して積層さ
れることとなる。砥石1は、その表面に放電被覆電極1
0の材料10aが均等に積層されるように、直流電源1
1によってパルス電流を印加するときには回転されてい
る。この砥石1の表面に積層された被覆は、放電被覆電
極10の材料によって異なるが、その硬度が約1000
〜3500mHvで、表面粗さがRz10〜50μm程
度となる。したがって、本発明において使用される砥石
1は、と粒を結合材により結合した従来から使用されて
いる砥石と同様の機能を有する。なお、研削加工を施す
ワークWの硬度や性質等によって砥石1が最適な表面硬
度および表面粗さとなるように、放電被覆電極10の材
料や複合割合、電極成形時の成形強度等を選択すること
ができる。また、砥石の回転速度や加工液の温度および
濃度、印加する電流のパルス幅(時間)や電圧等の条件
を変化させることにより、砥石1の表面硬度および表面
粗さを所望するように調整することができる。このよう
に、本発明では、砥石1の表面に放電被覆電極10の材
料10aが積層されるので消耗することがなく、しか
も、砥石1の表面硬度および表面粗さを加工目的に応じ
て調整することができるため、砥石1を研削盤の回転軸
に取付けた際に芯出し等の微調整を一度行えば、砥石1
を消耗により、あるいは加工目的に応じて交換する必要
がなくなる。また、砥石1が消耗することによるワーク
Wに対する砥石1の回転軸の相対位置誤差を補償する必
要もなくなる。放電被覆電極10は、その材料10aが
砥石1に付着して積層されることで消耗する。この時、
放電被覆電極10と砥石1との極間距離Sが大きくなる
よう変化した場合には、極間距離Sを小さくすべく放電
被覆電極10の先端を砥石1の表面に最適に近接させる
ように、放電被覆電極10が送り出される。
【0024】砥石1の表面の修正手段3は、砥石1と所
定の間隔(極間距離Tという)を有する状態で、放電被
覆電極10の位置から砥石の回転方向(図1および図2
の矢印)の下流側に配置される放電除去電極12と、直
流電源11とからなるもので、直流電源11の陽極また
は陰極のいずれか一方が放電除去電極12に接続され、
直流電源11の陽極または陰極のいずれか他方が砥石1
に直接、またはブラシ(図示を省略した)等を介して砥
石1が取付けられた回転軸に接続される。放電除去電極
12は、極間距離Tが一定となるように固定支持されて
いる。
定の間隔(極間距離Tという)を有する状態で、放電被
覆電極10の位置から砥石の回転方向(図1および図2
の矢印)の下流側に配置される放電除去電極12と、直
流電源11とからなるもので、直流電源11の陽極また
は陰極のいずれか一方が放電除去電極12に接続され、
直流電源11の陽極または陰極のいずれか他方が砥石1
に直接、またはブラシ(図示を省略した)等を介して砥
石1が取付けられた回転軸に接続される。放電除去電極
12は、極間距離Tが一定となるように固定支持されて
いる。
【0025】直流電源11により所定の電圧のパルス電
流が砥石1と放電除去電極12の間に印加されると、両
者1,12間で放電が発生し、放電被覆電極10によっ
て被覆積層された砥石1の表面の材料10aが除去され
る。したがって、砥石表面成形手段2の放電被覆電極1
0の材料10aが表面に積層された砥石1は、所定の形
状に成形維持するよう修正されると共に、表面の粗さが
均一化され、研削加工精度が保証されることとなる。
流が砥石1と放電除去電極12の間に印加されると、両
者1,12間で放電が発生し、放電被覆電極10によっ
て被覆積層された砥石1の表面の材料10aが除去され
る。したがって、砥石表面成形手段2の放電被覆電極1
0の材料10aが表面に積層された砥石1は、所定の形
状に成形維持するよう修正されると共に、表面の粗さが
均一化され、研削加工精度が保証されることとなる。
【0026】なお、図1に示した実施の形態では、放電
被覆電極10と放電除去電極12とを共通の直流電源1
1に接続した場合を示したが、後述するように、両電極
10,12にはそれぞれ所定電圧のパルス電流が独立し
て印加される。
被覆電極10と放電除去電極12とを共通の直流電源1
1に接続した場合を示したが、後述するように、両電極
10,12にはそれぞれ所定電圧のパルス電流が独立し
て印加される。
【0027】次に、本発明に係る研削加工装置の別の実
施の形態を図3ないし図6に基づいて説明する。なお、
上述した実施の形態と同様または相当する部分について
は同じ符号を付してその説明を省略する。
施の形態を図3ないし図6に基づいて説明する。なお、
上述した実施の形態と同様または相当する部分について
は同じ符号を付してその説明を省略する。
【0028】この実施の形態においては、砥石1は外周
縁の断面形状が略台形形状を呈している。そして、この
砥石1の外周縁の形状を研削加工に適切な状態に保持す
るため、一対の放電被覆電極10A,10Bは、略円筒
形に形成され、その外周面に砥石1の外周縁の形状と略
相似形の断面形状の溝20が螺旋状に形成されている。
放電被覆電極10A,10Bは、砥石1の回転軸Cと平
行な軸線回りにそれぞれ回転可能に支持され、螺旋状の
溝が対称にあるいは同様に形成されている。
縁の断面形状が略台形形状を呈している。そして、この
砥石1の外周縁の形状を研削加工に適切な状態に保持す
るため、一対の放電被覆電極10A,10Bは、略円筒
形に形成され、その外周面に砥石1の外周縁の形状と略
相似形の断面形状の溝20が螺旋状に形成されている。
放電被覆電極10A,10Bは、砥石1の回転軸Cと平
行な軸線回りにそれぞれ回転可能に支持され、螺旋状の
溝が対称にあるいは同様に形成されている。
【0029】図4ないし図6に示すように、砥石1の外
周縁の断面形状は、その回転軸Cと平行な先端面1a
と、この先端面aと回転軸Cに直交する両側面1bとの
間に形成された傾斜面1cとが形成されている。また、
放電被覆電極10A,10Bの溝20は、底面20aが
砥石1の先端面1aよりも幅広く、斜面20bが砥石1
の傾斜面1cと略同様の角度に形成されている。放電被
覆電極10A,10Bは、その回転軸が砥石1の回転軸
Cに対して近接・遠退可能に支持されている。図4およ
び図5に対比して示すように、放電被覆電極10Aは、
砥石1の一方の傾斜面1cに対して傾斜面20bの一方
(図4の左側)が近接するように配置され、放電被覆電
極10Bは、砥石1の他方の傾斜面1cに対して傾斜面
20bの他方(図5の右側)が近接するように配置され
る。そして、放電被覆電極10A,10Bは、溝20の
底面20aが砥石1の先端面1aと、片方の斜面20b
が砥石1の傾斜面1cとそれぞれ所定の極間距離を保っ
た状態で同期して回転駆動される。
周縁の断面形状は、その回転軸Cと平行な先端面1a
と、この先端面aと回転軸Cに直交する両側面1bとの
間に形成された傾斜面1cとが形成されている。また、
放電被覆電極10A,10Bの溝20は、底面20aが
砥石1の先端面1aよりも幅広く、斜面20bが砥石1
の傾斜面1cと略同様の角度に形成されている。放電被
覆電極10A,10Bは、その回転軸が砥石1の回転軸
Cに対して近接・遠退可能に支持されている。図4およ
び図5に対比して示すように、放電被覆電極10Aは、
砥石1の一方の傾斜面1cに対して傾斜面20bの一方
(図4の左側)が近接するように配置され、放電被覆電
極10Bは、砥石1の他方の傾斜面1cに対して傾斜面
20bの他方(図5の右側)が近接するように配置され
る。そして、放電被覆電極10A,10Bは、溝20の
底面20aが砥石1の先端面1aと、片方の斜面20b
が砥石1の傾斜面1cとそれぞれ所定の極間距離を保っ
た状態で同期して回転駆動される。
【0030】一方、放電除去電極12は、断面形状がほ
ぼ台形形状に形成された砥石1の外周縁を研削加工に適
切な状態に保持するため、この実施の形態の場合図6に
示すように、ワイヤ状に形成した銅や黄銅等からなる。
このワイヤ状の放電除去電極12は、砥石1の外周縁の
傾斜面1cの角度と略同じ角度に設定された回転軸回り
に回転可能に支持された絶縁体からなる一対のワイヤガ
イドロッド25に連続して巻き掛けられている。ワイヤ
ガイドロッド25の先端には傘歯車26がそれぞれ設け
られており、この傘歯車26はモータ等(図示を省略し
た)によって回転駆動されるシャフト27の先端に設け
られたピニオン28と噛合されている。ピニオン28を
回転駆動することにより、一対のワイヤガイドロッド2
5は互いに同期して回転駆動され、ワイヤ状の放電除去
電極12は、砥石1の外周縁の先端面1aおよび傾斜面
1cに対向するようにして順次供給される。そのため、
ワイヤ状の放電除去電極12は、常に新しい部分により
放電除去加工を行うこととなる。
ぼ台形形状に形成された砥石1の外周縁を研削加工に適
切な状態に保持するため、この実施の形態の場合図6に
示すように、ワイヤ状に形成した銅や黄銅等からなる。
このワイヤ状の放電除去電極12は、砥石1の外周縁の
傾斜面1cの角度と略同じ角度に設定された回転軸回り
に回転可能に支持された絶縁体からなる一対のワイヤガ
イドロッド25に連続して巻き掛けられている。ワイヤ
ガイドロッド25の先端には傘歯車26がそれぞれ設け
られており、この傘歯車26はモータ等(図示を省略し
た)によって回転駆動されるシャフト27の先端に設け
られたピニオン28と噛合されている。ピニオン28を
回転駆動することにより、一対のワイヤガイドロッド2
5は互いに同期して回転駆動され、ワイヤ状の放電除去
電極12は、砥石1の外周縁の先端面1aおよび傾斜面
1cに対向するようにして順次供給される。そのため、
ワイヤ状の放電除去電極12は、常に新しい部分により
放電除去加工を行うこととなる。
【0031】次に、本発明に係る研削加工方法の実施の
一形態を、上述した研削加工装置を用いた場合により、
図7および図8に基づいて説明する。本発明に係る研削
加工方法は、概略、砥石1を用いてワークを研削する研
削加工方法であって、砥石1の研削加工表面と極間距離
Sを有するよう配置された放電被覆電極10との間に電
流を印加し、放電加工により消耗した砥石1の研削加工
表面を被覆成形するもので、さらには、砥石1の研削加
工表面を被覆成形した後に砥石1の表面の修正するもの
である。なお、砥石1の研削加工表面の被覆成形工程お
よび修正工程は、ワークWへの研削加工と平行して、あ
るいは一のワークWへの研削加工が終了してから次のワ
ークWへの研削加工が開始されるまでの間に行われる。
一形態を、上述した研削加工装置を用いた場合により、
図7および図8に基づいて説明する。本発明に係る研削
加工方法は、概略、砥石1を用いてワークを研削する研
削加工方法であって、砥石1の研削加工表面と極間距離
Sを有するよう配置された放電被覆電極10との間に電
流を印加し、放電加工により消耗した砥石1の研削加工
表面を被覆成形するもので、さらには、砥石1の研削加
工表面を被覆成形した後に砥石1の表面の修正するもの
である。なお、砥石1の研削加工表面の被覆成形工程お
よび修正工程は、ワークWへの研削加工と平行して、あ
るいは一のワークWへの研削加工が終了してから次のワ
ークWへの研削加工が開始されるまでの間に行われる。
【0032】研削加工中および被覆成形工程、修正工程
中の砥石1は回転駆動されており、また、砥石1と各電
極10,12の間にはワークWの研削加工屑や砥石1の
表面から剥離した材料の屑を含む加工液が流れているた
め、オプトフォロー(光変位)やレーザ、磁気系計測機
によって砥石1と各電極10,12の極間距離S,Tお
よび砥石1の形状を正確に測定することは困難である。
中の砥石1は回転駆動されており、また、砥石1と各電
極10,12の間にはワークWの研削加工屑や砥石1の
表面から剥離した材料の屑を含む加工液が流れているた
め、オプトフォロー(光変位)やレーザ、磁気系計測機
によって砥石1と各電極10,12の極間距離S,Tお
よび砥石1の形状を正確に測定することは困難である。
【0033】ところで、放電は、離れた電極に電位差を
与えるように電圧を印加すると、所定の電圧値で電極間
の絶縁が破壊されることにより生じるが、電極となる砥
石1と放電被覆電極10または放電除去電極12とが互
いに離れて極間距離SまたはTが広い場合(図7の
(a)を参照)には、一般に、絶縁破壊が起きにくい状
態であり、放電を生じさせるための電圧値(無負荷電圧
値V1aという)を高く設定する必要があり、放電中の
電圧値(極間電圧値V2aという)も高くなる。一方、
電極となる砥石1と放電被覆電極10または放電除去電
極12とが互いに近接して極間距離が狭い場合(図7の
(b)を参照)には、絶縁破壊が起き易い状態であり、
無負荷電圧値V1bおよび極間電圧値V2bは低くな
る。そして、無負荷電圧値V1a,V1bおよび極間電
圧値V2a,V2bは、電極となる砥石1の材質や砥石
1と放電被覆電極10または放電除去電極12との間に
存在する加工液の抵抗値等の条件によって変化する。
与えるように電圧を印加すると、所定の電圧値で電極間
の絶縁が破壊されることにより生じるが、電極となる砥
石1と放電被覆電極10または放電除去電極12とが互
いに離れて極間距離SまたはTが広い場合(図7の
(a)を参照)には、一般に、絶縁破壊が起きにくい状
態であり、放電を生じさせるための電圧値(無負荷電圧
値V1aという)を高く設定する必要があり、放電中の
電圧値(極間電圧値V2aという)も高くなる。一方、
電極となる砥石1と放電被覆電極10または放電除去電
極12とが互いに近接して極間距離が狭い場合(図7の
(b)を参照)には、絶縁破壊が起き易い状態であり、
無負荷電圧値V1bおよび極間電圧値V2bは低くな
る。そして、無負荷電圧値V1a,V1bおよび極間電
圧値V2a,V2bは、電極となる砥石1の材質や砥石
1と放電被覆電極10または放電除去電極12との間に
存在する加工液の抵抗値等の条件によって変化する。
【0034】本発明では、無負荷電圧値V1a,V1b
および/または極間電圧値V2a,V2bを検出して砥
石1と各電極10,12との極間距離S,Tを測定する
ことにより砥石1の状態を検知し、この状態に応じて砥
石1の研削加工表面の被覆成形工程および修正工程、す
なわち、放電被覆電極10または放電除去電極12への
印加、あるいは両電極10,12への印加の停止を判断
制御する。なお、無負荷電圧値V1a,V1bは放電が
開始する極間距離SまたはTに相関する設定された電圧
値であり、電極となる砥石1の材質や砥石1と放電被覆
電極10または放電除去電極12との間に存在する加工
液の抵抗値等の条件によって実際には変化する。一方、
極間電圧値V2a,V2bは加工液を介して実際に砥石
1と放電被覆電極10または放電除去電極12との間で
放電したときの電圧値である。したがって、この実施の
形態の場合では、極間電圧値V2a,V2bにより極間
距離SまたはTの測定を行うこととする。
および/または極間電圧値V2a,V2bを検出して砥
石1と各電極10,12との極間距離S,Tを測定する
ことにより砥石1の状態を検知し、この状態に応じて砥
石1の研削加工表面の被覆成形工程および修正工程、す
なわち、放電被覆電極10または放電除去電極12への
印加、あるいは両電極10,12への印加の停止を判断
制御する。なお、無負荷電圧値V1a,V1bは放電が
開始する極間距離SまたはTに相関する設定された電圧
値であり、電極となる砥石1の材質や砥石1と放電被覆
電極10または放電除去電極12との間に存在する加工
液の抵抗値等の条件によって実際には変化する。一方、
極間電圧値V2a,V2bは加工液を介して実際に砥石
1と放電被覆電極10または放電除去電極12との間で
放電したときの電圧値である。したがって、この実施の
形態の場合では、極間電圧値V2a,V2bにより極間
距離SまたはTの測定を行うこととする。
【0035】以下、この詳細を図8のフローチャートに
従って説明する。最初に、直流電源11により研削加工
を行う前の初期状態の砥石1と放電除去電極12との間
に砥石1の表面の材料10aが削除されない程度の微弱
な電流を印加し、このときの無負荷電圧値V1a,V1
bおよび/または極間電圧値V2a,V2bを検出し、
基準電圧Vtとして読み込み(S1)、研削加工を行う
前の状態の砥石1と放電除去電極12との極間距離T
(図2参照)を計測する。その後、研削盤により砥石1
を回転駆動すると共にワークWに対して相対的に移動
し、ワークWの研削加工を行う。砥石1は、研削加工数
(研削加工時間)の増加に伴って摩耗することとなる。
そこで、研削加工中の砥石1と放電除去電極12との間
に電流を印加し、このときの無負荷電圧値V1a,V1
bおよび/または極間電圧値V2a,V2bを検出し、
加工中電圧Vとして常に読み込む(S2)。次いで、基
準電圧Vtと加工中電圧Vとを比較し(S3)、加工中
電圧Vが基準電圧Vtよりも大きい場合(YESの場
合)には、固定支持された放電除去電極12に対して砥
石1の表面が初期状態から離れた、すなわち砥石1が消
耗したと判断し、放電被覆電極10にパルス電流を印加
することにより砥石1の表面に放電被覆電極10の材料
10aを被覆加工する(S4)。その後、基準電圧Vt
と加工中電圧Vとを比較し(S5)、加工中電圧Vが基
準電圧Vtと等しい場合(YESの場合)には、固定支
持された放電除去電極12に対して砥石1の表面が初期
状態と等しい、すなわち砥石1が初期状態と同じである
と判断する。そして、研削加工が終了であるかを判断す
る(S6)。
従って説明する。最初に、直流電源11により研削加工
を行う前の初期状態の砥石1と放電除去電極12との間
に砥石1の表面の材料10aが削除されない程度の微弱
な電流を印加し、このときの無負荷電圧値V1a,V1
bおよび/または極間電圧値V2a,V2bを検出し、
基準電圧Vtとして読み込み(S1)、研削加工を行う
前の状態の砥石1と放電除去電極12との極間距離T
(図2参照)を計測する。その後、研削盤により砥石1
を回転駆動すると共にワークWに対して相対的に移動
し、ワークWの研削加工を行う。砥石1は、研削加工数
(研削加工時間)の増加に伴って摩耗することとなる。
そこで、研削加工中の砥石1と放電除去電極12との間
に電流を印加し、このときの無負荷電圧値V1a,V1
bおよび/または極間電圧値V2a,V2bを検出し、
加工中電圧Vとして常に読み込む(S2)。次いで、基
準電圧Vtと加工中電圧Vとを比較し(S3)、加工中
電圧Vが基準電圧Vtよりも大きい場合(YESの場
合)には、固定支持された放電除去電極12に対して砥
石1の表面が初期状態から離れた、すなわち砥石1が消
耗したと判断し、放電被覆電極10にパルス電流を印加
することにより砥石1の表面に放電被覆電極10の材料
10aを被覆加工する(S4)。その後、基準電圧Vt
と加工中電圧Vとを比較し(S5)、加工中電圧Vが基
準電圧Vtと等しい場合(YESの場合)には、固定支
持された放電除去電極12に対して砥石1の表面が初期
状態と等しい、すなわち砥石1が初期状態と同じである
と判断する。そして、研削加工が終了であるかを判断す
る(S6)。
【0036】一方、基準電圧Vtと加工中電圧Vとを比
較した際に(S3)、加工中電圧Vが基準電圧Vtより
も大きくない場合(NOの場合)には、固定支持された
放電除去電極12に対して砥石1の表面が初期状態から
離れていない、すなわち砥石が消耗していないと判断
し、加工中電圧Vが基準電圧Vtよりも小さいかを判断
し(S7)、小さい場合(YESの場合)には、固定支
持された放電除去電極12に対して砥石1の表面が初期
状態よりも近づいた、すなわち砥石1への被覆加工量が
多いと判断し、放電除去電極にパルス電流を印加するこ
とにより砥石の表面から材料10aを除去加工し(S
8)、基準電圧Vtと加工中電圧Vとを比較する(S
9)。また、加工中電圧Vが基準電圧Vtよりも小さい
かを判断した際に(S7)、小さくない場合(NOの場
合)には、次に基準電圧Vtと加工中電圧Vとを比較す
る(S9)。
較した際に(S3)、加工中電圧Vが基準電圧Vtより
も大きくない場合(NOの場合)には、固定支持された
放電除去電極12に対して砥石1の表面が初期状態から
離れていない、すなわち砥石が消耗していないと判断
し、加工中電圧Vが基準電圧Vtよりも小さいかを判断
し(S7)、小さい場合(YESの場合)には、固定支
持された放電除去電極12に対して砥石1の表面が初期
状態よりも近づいた、すなわち砥石1への被覆加工量が
多いと判断し、放電除去電極にパルス電流を印加するこ
とにより砥石の表面から材料10aを除去加工し(S
8)、基準電圧Vtと加工中電圧Vとを比較する(S
9)。また、加工中電圧Vが基準電圧Vtよりも小さい
かを判断した際に(S7)、小さくない場合(NOの場
合)には、次に基準電圧Vtと加工中電圧Vとを比較す
る(S9)。
【0037】加工中電圧Vが基準電圧Vtと等しい場合
(S9がYESの場合)には、固定支持された放電除去
電極12に対して砥石1の表面が初期状態と等しい、す
なわち砥石1が初期状態と同じであると判断し、研削加
工が終了であるかを判断する(S6)。また、加工中電
圧Vが基準電圧Vtと等しくない場合(S9がNOの場
合)には、砥石1の表面が初期状態と同じ状態にまで除
去されていないと判断して、再度、放電除去電極12に
パルス電流を印加して砥石1の表面の除去加工を行う
(S8)。
(S9がYESの場合)には、固定支持された放電除去
電極12に対して砥石1の表面が初期状態と等しい、す
なわち砥石1が初期状態と同じであると判断し、研削加
工が終了であるかを判断する(S6)。また、加工中電
圧Vが基準電圧Vtと等しくない場合(S9がNOの場
合)には、砥石1の表面が初期状態と同じ状態にまで除
去されていないと判断して、再度、放電除去電極12に
パルス電流を印加して砥石1の表面の除去加工を行う
(S8)。
【0038】研削加工が終了していない場合(S6にお
いてNOの場合)には、上述したステップS2以降を再
び行い、研削加工が終了した場合(S6においてYES
の場合)には、研削加工を終了する(エンド)。なお、
ステップS6およびS9においては、加工中電圧Vと基
準電圧Vtとが厳密に等しいかを判断することは困難で
あり、加工中電圧Vに所定の幅の範囲を設けたり、平均
化等の電気的操作を加えることで対応する。
いてNOの場合)には、上述したステップS2以降を再
び行い、研削加工が終了した場合(S6においてYES
の場合)には、研削加工を終了する(エンド)。なお、
ステップS6およびS9においては、加工中電圧Vと基
準電圧Vtとが厳密に等しいかを判断することは困難で
あり、加工中電圧Vに所定の幅の範囲を設けたり、平均
化等の電気的操作を加えることで対応する。
【0039】本発明に係る研削加工方法では、研削加工
を施すワークWの硬度や性質等によって砥石1が最適な
表面硬度および表面粗さとなるように、使用する放電被
覆電極10の材料や複合割合、電極成形時の成形強度等
が選択される。また、砥石1の表面硬度および表面粗さ
を所望するように調整するため、加工液の温度および濃
度、印加する電流のパルス幅(時間)や電圧等の条件を
変化させる。また、上述したように、検知された砥石1
の状態に応じて放電加工による砥石1の表面への被覆加
工および砥石表面の除去加工を行うときには、砥石1の
回転駆動速度は、研削加工時と同様に、あるいは、その
放電加工による砥石1の表面への被覆加工および砥石1
の表面の除去加工に最適となるように調整制御される。
を施すワークWの硬度や性質等によって砥石1が最適な
表面硬度および表面粗さとなるように、使用する放電被
覆電極10の材料や複合割合、電極成形時の成形強度等
が選択される。また、砥石1の表面硬度および表面粗さ
を所望するように調整するため、加工液の温度および濃
度、印加する電流のパルス幅(時間)や電圧等の条件を
変化させる。また、上述したように、検知された砥石1
の状態に応じて放電加工による砥石1の表面への被覆加
工および砥石表面の除去加工を行うときには、砥石1の
回転駆動速度は、研削加工時と同様に、あるいは、その
放電加工による砥石1の表面への被覆加工および砥石1
の表面の除去加工に最適となるように調整制御される。
【0040】なお、本発明に係る研削加工方法は、上述
したように放電被覆電極10の材料10aが表面に積層
された砥石1を用いた場合の実施の形態に限定されるこ
となく、例えば、従来から公知のと粒を固めるための結
合材に銅、黄銅、ニッケル、鉄等の金属を用いたメタル
レジンボンド砥石のような導電性を有するものにも適用
することができる。
したように放電被覆電極10の材料10aが表面に積層
された砥石1を用いた場合の実施の形態に限定されるこ
となく、例えば、従来から公知のと粒を固めるための結
合材に銅、黄銅、ニッケル、鉄等の金属を用いたメタル
レジンボンド砥石のような導電性を有するものにも適用
することができる。
【0041】
【発明の効果】請求項1の研削加工装置に係る発明によ
れば、消耗した砥石の研削加工表面を放電加工により被
覆成形する表面成形手段を備えたことにより、ワークを
研削して消耗した砥石の研削加工表面を放電加工によっ
て加工目的に応じて所望する表面荒さに被覆成形し、砥
石を消耗させることなく補償することができ、したがっ
て砥石を研削加工に適切な状態に保持することができ
る。
れば、消耗した砥石の研削加工表面を放電加工により被
覆成形する表面成形手段を備えたことにより、ワークを
研削して消耗した砥石の研削加工表面を放電加工によっ
て加工目的に応じて所望する表面荒さに被覆成形し、砥
石を消耗させることなく補償することができ、したがっ
て砥石を研削加工に適切な状態に保持することができ
る。
【0042】請求項2の研削加工装置に係る発明によれ
ば、砥石の研削加工表面の修正手段を備えたことによ
り、砥石の表面を整形することができ、さらに研削加工
に適切な状態に保持することができる。
ば、砥石の研削加工表面の修正手段を備えたことによ
り、砥石の表面を整形することができ、さらに研削加工
に適切な状態に保持することができる。
【0043】請求項3の研削加工方法に係る発明によれ
ば、消耗した砥石の研削加工表面を放電加工により被覆
成形することとしたので、砥石を消耗させることなく加
工目的に応じた所望の表面荒さを得ることができ、砥石
を研削加工に適切な状態に保持することができる。
ば、消耗した砥石の研削加工表面を放電加工により被覆
成形することとしたので、砥石を消耗させることなく加
工目的に応じた所望の表面荒さを得ることができ、砥石
を研削加工に適切な状態に保持することができる。
【0044】請求項4の研削加工方法に係る発明によれ
ば、砥石の研削加工表面を被覆成形した後に砥石表面の
修正することとしたので、砥石の表面が整形されるた
め、さらに研削加工に適切な状態に保持することができ
る。
ば、砥石の研削加工表面を被覆成形した後に砥石表面の
修正することとしたので、砥石の表面が整形されるた
め、さらに研削加工に適切な状態に保持することができ
る。
【図1】本発明に係る切削加工装置の実施の一形態を示
す説明図である。
す説明図である。
【図2】図1の部分拡大図である。
【図3】本発明に係る切削加工装置の別の実施の形態を
示す説明図である。
示す説明図である。
【図4】図3に示した砥石と一方の放電被覆電極の断面
図である。
図である。
【図5】図3に示した砥石と他方の放電被覆電極の断面
図である。
図である。
【図6】本発明に係る切削加工装置の放電除去電極の別
の実施の形態を示す説明図である。
の実施の形態を示す説明図である。
【図7】砥石と電極との極間距離と、放電に必要な電圧
値の関係を示す説明図である。
値の関係を示す説明図である。
【図8】本発明に係る切削加工方法の極間距離を測定し
ながら砥石への放電被覆加工および放電除去加工を行う
手順を示すフローチャートである。
ながら砥石への放電被覆加工および放電除去加工を行う
手順を示すフローチャートである。
1 砥石 2 表面成形手段 3 修正手段
Claims (4)
- 【請求項1】 砥石を用いてワークを研削する研削加工
装置であって、消耗した砥石の研削加工表面を放電加工
により被覆成形する表面成形手段を備えたことを特徴と
する研削加工装置。 - 【請求項2】 砥石の研削加工表面の修正手段を備えた
ことを特徴とする請求項1に記載の研削加工装置。 - 【請求項3】 砥石を用いてワークを研削する研削加工
方法であって、消耗した砥石の研削加工表面を放電加工
により被覆成形することを特徴とする研削加工方法。 - 【請求項4】 砥石の研削加工表面を被覆成形した後に
砥石表面を修正することを特徴とする請求項3に記載の
研削加工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13971997A JPH10329022A (ja) | 1997-05-29 | 1997-05-29 | 研削加工装置および研削加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13971997A JPH10329022A (ja) | 1997-05-29 | 1997-05-29 | 研削加工装置および研削加工方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10329022A true JPH10329022A (ja) | 1998-12-15 |
Family
ID=15251821
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13971997A Pending JPH10329022A (ja) | 1997-05-29 | 1997-05-29 | 研削加工装置および研削加工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10329022A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008238318A (ja) * | 2007-03-27 | 2008-10-09 | Fuji Heavy Ind Ltd | 円筒内周面のホーニング装置 |
-
1997
- 1997-05-29 JP JP13971997A patent/JPH10329022A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008238318A (ja) * | 2007-03-27 | 2008-10-09 | Fuji Heavy Ind Ltd | 円筒内周面のホーニング装置 |
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