JPH10303699A - Gm−Cフィルタ回路 - Google Patents
Gm−Cフィルタ回路Info
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- JPH10303699A JPH10303699A JP4079398A JP4079398A JPH10303699A JP H10303699 A JPH10303699 A JP H10303699A JP 4079398 A JP4079398 A JP 4079398A JP 4079398 A JP4079398 A JP 4079398A JP H10303699 A JPH10303699 A JP H10303699A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 所要の回路規模を縮小させ、しかも、フィル
タの精度を向上させたGm−Cフィルタ回路を提供す
る。 【解決手段】 Gm−Cフィルタ(BPF)10を調整
するために、参照信号入力端子21に理想帯域通過フィ
ルタの中心周波数の信号を与える。乗算器32とLPF
33と比較器34から成る位相比較器11は位相遅れ
(進み)としての信号を出力端子に出力する。すると、
アップ/ダウンカウンタ12は、位相遅れ(進み)信号
出力に基づいてカウンタ12の計数値を1つ増加(減
少)させる。微調整バイアス電流発生回路13はアップ
/ダウンカウンタ12の計数出力27によって出力電流
が決定される。各バイアス端子に供給されるバイアス電
流によって各GmアンプのGm値が制御されることで、
Gm−Cフィルタ10の中心周波数が制御される。
タの精度を向上させたGm−Cフィルタ回路を提供す
る。 【解決手段】 Gm−Cフィルタ(BPF)10を調整
するために、参照信号入力端子21に理想帯域通過フィ
ルタの中心周波数の信号を与える。乗算器32とLPF
33と比較器34から成る位相比較器11は位相遅れ
(進み)としての信号を出力端子に出力する。すると、
アップ/ダウンカウンタ12は、位相遅れ(進み)信号
出力に基づいてカウンタ12の計数値を1つ増加(減
少)させる。微調整バイアス電流発生回路13はアップ
/ダウンカウンタ12の計数出力27によって出力電流
が決定される。各バイアス端子に供給されるバイアス電
流によって各GmアンプのGm値が制御されることで、
Gm−Cフィルタ10の中心周波数が制御される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィルタ精度の優
れたGm−Cフィルタ回路に関するものである。
れたGm−Cフィルタ回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】Gm−Cフィルタは、スイッチトキャパ
シタフィルタ等のサンプリング系フィルタと異なって時
間連続系フィルタであるため、高速化が容易であるとい
う特長があり、近年注目されている。
シタフィルタ等のサンプリング系フィルタと異なって時
間連続系フィルタであるため、高速化が容易であるとい
う特長があり、近年注目されている。
【0003】従来から知られているGm−Cフィルタの
一例を図11に示す。図11において50はGmアンプ
と容量から構成されるGm−Cフィルタ、51はGmア
ンプと容量から構成されるGm−C型低域通過フィル
タ、52は位相比較器、53は低域通過フィルタ、54
および55は比較器(コンパレータ)である。そして、
これらの各素子51〜55によりPLL回路56が構成
される。
一例を図11に示す。図11において50はGmアンプ
と容量から構成されるGm−Cフィルタ、51はGmア
ンプと容量から構成されるGm−C型低域通過フィル
タ、52は位相比較器、53は低域通過フィルタ、54
および55は比較器(コンパレータ)である。そして、
これらの各素子51〜55によりPLL回路56が構成
される。
【0004】図12は、図11に示したPLL回路56
の具体的な回路構成を示す。図12において61〜64
はGmアンプ、65および66は容量である。これらの
各素子61〜66を有するGm−Cフィルタ51は、入
力端子を67、出力端子を68としたとき、低域通過フ
ィルタ特性を有すると同時に、図13に示すような低域
では位相シフトが0°、高域では位相シフトが180
°、カットオフ周波数fc のところでは位相シフトが9
0°となる位相特性を有する。すなわち、入力信号の周
波数がカットオフ周波数fc に一致している場合には、
フィルタ入力信号およびフィルタ出力信号がそれぞれコ
ンパレータ55,54を通過し、さらに位相比較器52
として機能する排他論理和回路(EXOR)を通過する
ことにより、周波数が入力信号の2倍でかつ高レベル論
理と低レベル論理のそれぞれの期間が等しくなる、いわ
ゆるデューティ比50%の出力信号となる。このときに
は、位相比較器52から出力された信号を低域通過フィ
ルタとしても機能する積分器53(LPF)を通して
も、積分器53の直流出力レベルに変動はなく、位相ロ
ック状態が実現できる。
の具体的な回路構成を示す。図12において61〜64
はGmアンプ、65および66は容量である。これらの
各素子61〜66を有するGm−Cフィルタ51は、入
力端子を67、出力端子を68としたとき、低域通過フ
ィルタ特性を有すると同時に、図13に示すような低域
では位相シフトが0°、高域では位相シフトが180
°、カットオフ周波数fc のところでは位相シフトが9
0°となる位相特性を有する。すなわち、入力信号の周
波数がカットオフ周波数fc に一致している場合には、
フィルタ入力信号およびフィルタ出力信号がそれぞれコ
ンパレータ55,54を通過し、さらに位相比較器52
として機能する排他論理和回路(EXOR)を通過する
ことにより、周波数が入力信号の2倍でかつ高レベル論
理と低レベル論理のそれぞれの期間が等しくなる、いわ
ゆるデューティ比50%の出力信号となる。このときに
は、位相比較器52から出力された信号を低域通過フィ
ルタとしても機能する積分器53(LPF)を通して
も、積分器53の直流出力レベルに変動はなく、位相ロ
ック状態が実現できる。
【0005】仮に、図12に示した各素子61〜66で
構成されるフィルタのカットオフ周波数fc ′が設計値
fc より小さいときには、図14からも判るように、位
相遅れは設計値(=90°)よりも大きくなる。この結
果として、位相比較器52の出力信号は高レベル論理の
期間が低レベル論理期間よりも短くなるため、積分器5
3の出力レベルを下げる方向に動作する。そして、積分
器53の出力レベルが下がったときに発生されるバイア
ス電圧は、すべてのGmアンプ61〜64のGm値を上
げるようになっている。特にGmアンプ62および63
のGm値は、Gm−Cフィルタ51のカットオフ周波数
を決定しているので、このGm値増加に伴いカットオフ
周波数も増加することになる。かくして、積分器53の
出力レベルはフィルタ51のカットオフ周波数が設計値
に等しくなる方向にシフトし、最終的に位相比較器52
の出力信号のデューティ比が50%になったとき、すな
わちフィルタ51のカットオフ周波数が設計値に等しく
なったとき(fc ′=fc)に、積分器出力は一定レベ
ルに落ちつく。また、フィルタ51のカットオフ周波数
が設計値より大きいときにも、同様に動作して、最終的
にはフィルタ51のカットオフ周波数が設計値と等しく
なり、積分器出力が一定レベルに落ちつく。
構成されるフィルタのカットオフ周波数fc ′が設計値
fc より小さいときには、図14からも判るように、位
相遅れは設計値(=90°)よりも大きくなる。この結
果として、位相比較器52の出力信号は高レベル論理の
期間が低レベル論理期間よりも短くなるため、積分器5
3の出力レベルを下げる方向に動作する。そして、積分
器53の出力レベルが下がったときに発生されるバイア
ス電圧は、すべてのGmアンプ61〜64のGm値を上
げるようになっている。特にGmアンプ62および63
のGm値は、Gm−Cフィルタ51のカットオフ周波数
を決定しているので、このGm値増加に伴いカットオフ
周波数も増加することになる。かくして、積分器53の
出力レベルはフィルタ51のカットオフ周波数が設計値
に等しくなる方向にシフトし、最終的に位相比較器52
の出力信号のデューティ比が50%になったとき、すな
わちフィルタ51のカットオフ周波数が設計値に等しく
なったとき(fc ′=fc)に、積分器出力は一定レベ
ルに落ちつく。また、フィルタ51のカットオフ周波数
が設計値より大きいときにも、同様に動作して、最終的
にはフィルタ51のカットオフ周波数が設計値と等しく
なり、積分器出力が一定レベルに落ちつく。
【0006】一方、図11のGm−Cフィルタ50が仮
にPLL回路56内で用いられている低域通過Gm−C
フィルタ51と全く同じ構成であり、かつ、そこで用い
られているGmアンプのGm値および容量値も同じであ
るならば、フィルタ50とフィルタ51の特性は同一に
なる。しかしながら、実際に構成されているGmアンプ
のGm値はMOSFETの素子間ばらつきに起因して設
計値通りに実現できないため、フィルタ間で誤差が生ず
る。
にPLL回路56内で用いられている低域通過Gm−C
フィルタ51と全く同じ構成であり、かつ、そこで用い
られているGmアンプのGm値および容量値も同じであ
るならば、フィルタ50とフィルタ51の特性は同一に
なる。しかしながら、実際に構成されているGmアンプ
のGm値はMOSFETの素子間ばらつきに起因して設
計値通りに実現できないため、フィルタ間で誤差が生ず
る。
【0007】ここで、フィルタ50の回路構成を図15
に示す。図15に示した回路構成は、図12のGm−C
フィルタ51と全く同じである。また、フィルタ50の
カットオフ周波数はGmアンプ92と93のGm値の相
乗平均に比例する。同様に、フィルタ51(図12参
照)のカットオフ周波数はGmアンプ62と63のGm
値の相乗平均に比例する。仮に、フィルタ51(図12
参照)のGmアンプ62,63のGm値の相乗平均値
が、フィルタ50(図15参照)のGmアンプ92,9
3のGm値の相乗平均に比べて1%ほど大きいならば、
フィルタ51のカットオフ周波数はフィルタ50に比べ
1%ほど高くなる。
に示す。図15に示した回路構成は、図12のGm−C
フィルタ51と全く同じである。また、フィルタ50の
カットオフ周波数はGmアンプ92と93のGm値の相
乗平均に比例する。同様に、フィルタ51(図12参
照)のカットオフ周波数はGmアンプ62と63のGm
値の相乗平均に比例する。仮に、フィルタ51(図12
参照)のGmアンプ62,63のGm値の相乗平均値
が、フィルタ50(図15参照)のGmアンプ92,9
3のGm値の相乗平均に比べて1%ほど大きいならば、
フィルタ51のカットオフ周波数はフィルタ50に比べ
1%ほど高くなる。
【0008】このようにGmアンプを全く同じに設計し
たとしても、プロセスの問題でGm値間に誤差が発生す
るため、フィルタ50(図15参照)の特性がフィルタ
51(図12参照)の特性と完全に一致しない。しか
も、この誤差はLSIにおいて頻繁に用いられているS
CF(スイッチト・キャパシタ・フィルタ)に比べて大
きいため、実用に供することが困難であった。
たとしても、プロセスの問題でGm値間に誤差が発生す
るため、フィルタ50(図15参照)の特性がフィルタ
51(図12参照)の特性と完全に一致しない。しか
も、この誤差はLSIにおいて頻繁に用いられているS
CF(スイッチト・キャパシタ・フィルタ)に比べて大
きいため、実用に供することが困難であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このような点を解消す
る方法として、適応フィルタによる補正手法を用いてフ
ィルタに要求されている特性に合わせ込む方法が知られ
ている。この適応フィルタによる補正手法として、例え
ばKAREN A.KOZMAらによるIEEE,CI
RCUITS AND SYSTEMS 1991年1
1月号,1241ページ掲載の方法が知られている。
る方法として、適応フィルタによる補正手法を用いてフ
ィルタに要求されている特性に合わせ込む方法が知られ
ている。この適応フィルタによる補正手法として、例え
ばKAREN A.KOZMAらによるIEEE,CI
RCUITS AND SYSTEMS 1991年1
1月号,1241ページ掲載の方法が知られている。
【0010】図16は、上記適応フィルタによる手法を
用いたGm−Cフィルタ回路の構成を示す。本図におい
て121は理想入力信号源、122はGm−Cフィル
タ、123〜126は勾配フィルタ、127は理想出力
信号源、128〜131は乗算器、132〜135は累
加算器としての機能を果たす積分器、136は減算器で
ある。
用いたGm−Cフィルタ回路の構成を示す。本図におい
て121は理想入力信号源、122はGm−Cフィル
タ、123〜126は勾配フィルタ、127は理想出力
信号源、128〜131は乗算器、132〜135は累
加算器としての機能を果たす積分器、136は減算器で
ある。
【0011】ここで、勾配フィルタ123〜126はフ
ィルタの各係数を補正するために必要な勾配係数(各ブ
ロック中に記載してある)を発生することを目的として
用いられており、その入力信号としてはGm−Cフィル
タ122のある定められた出力を用いている。また、各
勾配フィルタの回路構成は基本的にはGm−Cフィルタ
と同一となっている。
ィルタの各係数を補正するために必要な勾配係数(各ブ
ロック中に記載してある)を発生することを目的として
用いられており、その入力信号としてはGm−Cフィル
タ122のある定められた出力を用いている。また、各
勾配フィルタの回路構成は基本的にはGm−Cフィルタ
と同一となっている。
【0012】Gm−Cフィルタ122の変数を更新する
ためには、Gm−Cフィルタ122に信号を入力させ、
その出力を理想出力信号と比較して誤差信号εが零とな
るように動作させる。
ためには、Gm−Cフィルタ122に信号を入力させ、
その出力を理想出力信号と比較して誤差信号εが零とな
るように動作させる。
【0013】しかしながら、このような動作を行うため
の回路を構成した場合には、回路規模が極めて大きくな
るという問題点があった。
の回路を構成した場合には、回路規模が極めて大きくな
るという問題点があった。
【0014】よって本発明の目的は、上述の点に鑑み、
所要の回路規模を縮小させ、しかも、フィルタの精度を
向上させたGm−Cフィルタ回路を提供することにあ
る。
所要の回路規模を縮小させ、しかも、フィルタの精度を
向上させたGm−Cフィルタ回路を提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明に係るGm−Cフィルタ回路は、Gm値を
制御するための制御端子を備えたGmアンプと容量とを
有する帯域通過型Gm−Cフィルタと、前記Gm−Cフ
ィルタに入力される参照信号と、該Gm−Cフィルタか
ら出力される信号との間の位相関係を比較するために、
乗算器と該乗算器の出力を平均化する平均化手段とを備
えた位相比較手段と、前記位相比較手段から出力される
比較信号基づいて、前記Gm値を制御するための制御信
号を前記制御端子に供給する制御信号生成手段とを具備
したものである。
めに、本発明に係るGm−Cフィルタ回路は、Gm値を
制御するための制御端子を備えたGmアンプと容量とを
有する帯域通過型Gm−Cフィルタと、前記Gm−Cフ
ィルタに入力される参照信号と、該Gm−Cフィルタか
ら出力される信号との間の位相関係を比較するために、
乗算器と該乗算器の出力を平均化する平均化手段とを備
えた位相比較手段と、前記位相比較手段から出力される
比較信号基づいて、前記Gm値を制御するための制御信
号を前記制御端子に供給する制御信号生成手段とを具備
したものである。
【0016】ここで、前記Gm−Cフィルタの特性調整
を行った後に、補正用のバイアス信号を前記制御信号生
成手段に加える構成を採ることもできる(図7参照)。
すなわち、参照信号の周波数の誤差を補正するため、そ
の誤差に見合う分だけ一定の補正値を加算または減算し
てGm−Cフィルタの制御端子に供給するのが好適であ
る。
を行った後に、補正用のバイアス信号を前記制御信号生
成手段に加える構成を採ることもできる(図7参照)。
すなわち、参照信号の周波数の誤差を補正するため、そ
の誤差に見合う分だけ一定の補正値を加算または減算し
てGm−Cフィルタの制御端子に供給するのが好適であ
る。
【0017】また、前記Gm−Cフィルタの特性調整を
行うに先立って、該フィルタの粗調整を行うことも可能
である(図9参照)。
行うに先立って、該フィルタの粗調整を行うことも可能
である(図9参照)。
【0018】さらに加えて、前記Gm−Cフィルタに入
力されている前記参照信号を処理用入力信号に切り換え
ると共に、前記Gm−Cフィルタからの出力信号を前記
位相比較手段に入力することなく所定の出力端へ導く切
換手段を備えた構成とすることができる。
力されている前記参照信号を処理用入力信号に切り換え
ると共に、前記Gm−Cフィルタからの出力信号を前記
位相比較手段に入力することなく所定の出力端へ導く切
換手段を備えた構成とすることができる。
【0019】上述した本発明によれば、Gm−Cフィル
タの位相特性がその理想中心周波数において理想フィル
タのものと等しくなるように中心周波数を調整制御する
ことで、フィルタの周波数特性の精度を向上させること
ができる。
タの位相特性がその理想中心周波数において理想フィル
タのものと等しくなるように中心周波数を調整制御する
ことで、フィルタの周波数特性の精度を向上させること
ができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図10を参照して、
本発明の実施の形態を説明する。
本発明の実施の形態を説明する。
【0021】実施の形態1 図1は、本発明を適用したGm−Cフィルタ回路のブロ
ック図を示す。図1において、10はGmアンプおよび
容量からなるGm−Cフィルタ、11はGm−Cフィル
タ10の入力信号21とGm−Cフィルタ10の出力信
号24の位相を比較するための位相比較器である。この
位相比較器11において、32はGm−Cフィルタ10
の入力信号とGm−Cフィルタ10の出力信号を乗算す
るための乗算器、33は乗算器32の出力の平均値を生
成するための低域通過フィルタ(LPF)、34はLP
F33の出力と基準信号レベルVrefを比較するため
の比較器であって、全体として位相比較器として動作す
る。すなわち、この位相比較器11によって、Gm−C
フィルタ10の入力信号と出力信号の位相の平均値と、
基準位相との比較情報を得ることができる。12は位相
比較器11の出力の極性に応じてカウント数値がアップ
またはダウンするアップ/ダウンカウンタである。すな
わち、位相比較器11の出力が正ならばカウントアップ
し、また負ならばカウントダウンするように動作する。
ック図を示す。図1において、10はGmアンプおよび
容量からなるGm−Cフィルタ、11はGm−Cフィル
タ10の入力信号21とGm−Cフィルタ10の出力信
号24の位相を比較するための位相比較器である。この
位相比較器11において、32はGm−Cフィルタ10
の入力信号とGm−Cフィルタ10の出力信号を乗算す
るための乗算器、33は乗算器32の出力の平均値を生
成するための低域通過フィルタ(LPF)、34はLP
F33の出力と基準信号レベルVrefを比較するため
の比較器であって、全体として位相比較器として動作す
る。すなわち、この位相比較器11によって、Gm−C
フィルタ10の入力信号と出力信号の位相の平均値と、
基準位相との比較情報を得ることができる。12は位相
比較器11の出力の極性に応じてカウント数値がアップ
またはダウンするアップ/ダウンカウンタである。すな
わち、位相比較器11の出力が正ならばカウントアップ
し、また負ならばカウントダウンするように動作する。
【0022】13はアップ/ダウンカウンタ12の出力
信号27に応じて出力電流値(バイアス電流値)30が
決まる微調整バイアス電流発生回路、14はGm−Cフ
ィルタ10の周波数特性を自己調整(フィードバック制
御)するために必要な基準バイアス電流IPLL を発生す
るバイアス電流発生回路(PLL回路)、15はバイア
ス電流発生回路14と微調整バイアス電流発生回路13
の各出力電流29(IPLL ),30(ITUNE)を加算す
るための加算器である。そして、加算器15の出力電流
31(IFIL )を、Gm−Cフィルタ10の周波数特性
を調整するためのバイアス端子に供給する。
信号27に応じて出力電流値(バイアス電流値)30が
決まる微調整バイアス電流発生回路、14はGm−Cフ
ィルタ10の周波数特性を自己調整(フィードバック制
御)するために必要な基準バイアス電流IPLL を発生す
るバイアス電流発生回路(PLL回路)、15はバイア
ス電流発生回路14と微調整バイアス電流発生回路13
の各出力電流29(IPLL ),30(ITUNE)を加算す
るための加算器である。そして、加算器15の出力電流
31(IFIL )を、Gm−Cフィルタ10の周波数特性
を調整するためのバイアス端子に供給する。
【0023】20はフィルタ10の入力信号を導入する
入力端子、21はフィルタ10の周波数特性を自己調整
するための参照信号を導入する参照信号入力端子、16
および17はGm−Cフィルタ10に入力する信号を切
り換えるためのスイッチ、22はフィルタ10の出力信
号を出力する出力端子、18および19はフィルタ10
の出力信号を出力端子に出すか又は位相比較器11に出
すかを切り換えるためのスイッチ、28はバイアス電流
発生回路14に入力するための基準クロック信号を印加
する端子である。
入力端子、21はフィルタ10の周波数特性を自己調整
するための参照信号を導入する参照信号入力端子、16
および17はGm−Cフィルタ10に入力する信号を切
り換えるためのスイッチ、22はフィルタ10の出力信
号を出力する出力端子、18および19はフィルタ10
の出力信号を出力端子に出すか又は位相比較器11に出
すかを切り換えるためのスイッチ、28はバイアス電流
発生回路14に入力するための基準クロック信号を印加
する端子である。
【0024】次に、図1に示したGm−Cフィルタの動
作について説明する。
作について説明する。
【0025】帯域通過フィルタ(Gm−Cフィルタ)1
0の周波数特性を図2に示す。ここで、図2(A)は周
波数・ゲイン特性を示す。図2(B)は周波数・位相特
性であり、図に示すように、位相は中心周波数fo のと
ころで零となる性質がある。すなわち、入力信号周波数
が帯域通過フィルタ(以下、BPFと称する)の中心周
波数fo と等しい場合には、出力信号の位相は入力信号
と一致している。
0の周波数特性を図2に示す。ここで、図2(A)は周
波数・ゲイン特性を示す。図2(B)は周波数・位相特
性であり、図に示すように、位相は中心周波数fo のと
ころで零となる性質がある。すなわち、入力信号周波数
が帯域通過フィルタ(以下、BPFと称する)の中心周
波数fo と等しい場合には、出力信号の位相は入力信号
と一致している。
【0026】先ず、Gm−Cフィルタ(BPF)10の
調整のために参照信号入力端子21に与えるトレーニン
グ信号として、理想帯域通過フィルタの中心周波数に対
して図2(A)のように位相が90°ずれるような周波
数f1 またはf2 の信号を選ぶ。本実施の形態では中心
周波数のものより位相が90°遅れるような周波数f2
を選択する。このときスイッチ17および19はオン、
16および18はオフにする。仮に、BPF10の中心
周波数が理想値よりも小さい場合には、出力位相は理想
値よりも遅れることになる。すなわち、位相が90°よ
り大きくなる。
調整のために参照信号入力端子21に与えるトレーニン
グ信号として、理想帯域通過フィルタの中心周波数に対
して図2(A)のように位相が90°ずれるような周波
数f1 またはf2 の信号を選ぶ。本実施の形態では中心
周波数のものより位相が90°遅れるような周波数f2
を選択する。このときスイッチ17および19はオン、
16および18はオフにする。仮に、BPF10の中心
周波数が理想値よりも小さい場合には、出力位相は理想
値よりも遅れることになる。すなわち、位相が90°よ
り大きくなる。
【0027】図3は、位相遅れと、位相比較器11のL
PF33の出力状態との関係について示す。すなわち、
乗算器32に入力される2信号の位相が完全に等しいと
きはLPF33の出力は最大値Vmax を、位相が反転す
なわち180°のときは出力は最小値Vmin を、位相が
90°のときは中間値Vm を示す。比較器34の基準信
号レベルVref として中間値Vm を選ぶと、位相が−9
0°から90°の範囲では“H”レベルを、また位相が
90°から270°の範囲では“L”レベルを示す。本
例では位相が遅れているため、出力は“L”になる。
PF33の出力状態との関係について示す。すなわち、
乗算器32に入力される2信号の位相が完全に等しいと
きはLPF33の出力は最大値Vmax を、位相が反転す
なわち180°のときは出力は最小値Vmin を、位相が
90°のときは中間値Vm を示す。比較器34の基準信
号レベルVref として中間値Vm を選ぶと、位相が−9
0°から90°の範囲では“H”レベルを、また位相が
90°から270°の範囲では“L”レベルを示す。本
例では位相が遅れているため、出力は“L”になる。
【0028】アップダウンカウンタ12は、比較器34
の出力“L”または“H”に基づいてカウンタの計数を
1つ増加させるか、または減少させる。例えば、カウン
タ12の初期値が“0”であるとすると、この場合、カ
ウンタ12の出力は“1”になる。
の出力“L”または“H”に基づいてカウンタの計数を
1つ増加させるか、または減少させる。例えば、カウン
タ12の初期値が“0”であるとすると、この場合、カ
ウンタ12の出力は“1”になる。
【0029】微調整バイアス電流発生回路13はカウン
タ12の出力によって出力電流が決まる。例えば、カウ
ンタの出力が“N”であるとすると、出力電流ITUNEは
次式で与えられる。
タ12の出力によって出力電流が決まる。例えば、カウ
ンタの出力が“N”であるとすると、出力電流ITUNEは
次式で与えられる。
【0030】
【数1】ITUNE=N×Iref …(1) ここで、Iref はバイアス電流発生回路14で生成され
た電流に比例した微小基準電流、Nはカウンタ12の計
数値である。すなわち、Nは最小値Nmin から最大値N
max の範囲の整数値でNmin =−Nmax となる。加算器
15の出力電流31(IFIL )は、バイアス電流発生回
路14の出力電流IPLL と微調整バイアス電流発生回路
13の出力電流ITUNEを加算しているので、出力バイア
ス電流IFIL は次式で与えられる。
た電流に比例した微小基準電流、Nはカウンタ12の計
数値である。すなわち、Nは最小値Nmin から最大値N
max の範囲の整数値でNmin =−Nmax となる。加算器
15の出力電流31(IFIL )は、バイアス電流発生回
路14の出力電流IPLL と微調整バイアス電流発生回路
13の出力電流ITUNEを加算しているので、出力バイア
ス電流IFIL は次式で与えられる。
【0031】
【数2】IFIL =IPLL +ITUNE …(2) この場合、ITUNEは位相遅れによって増加するので、出
力バイアス電流IFILも同様に増加してくる。かくし
て、出力バイアス電流IFIL によってGm−Cフィルタ
10の周波数特性が制御される。
力バイアス電流IFILも同様に増加してくる。かくし
て、出力バイアス電流IFIL によってGm−Cフィルタ
10の周波数特性が制御される。
【0032】いま、Gm−Cフィルタ10は、バイアス
電流IFIL の増加によって中心周波数が増加するように
設計されているものとする。すると、このような動作に
よってGm−Cフィルタ10の位相遅れが小さくなる。
こうしたカウンタ動作を繰り返すことによって、最終的
に参照入力信号周波数においてGm−Cフィルタ10の
位相は90°になるようになり、結果として中心周波数
は最終的に理想フィルタのものと一致する。
電流IFIL の増加によって中心周波数が増加するように
設計されているものとする。すると、このような動作に
よってGm−Cフィルタ10の位相遅れが小さくなる。
こうしたカウンタ動作を繰り返すことによって、最終的
に参照入力信号周波数においてGm−Cフィルタ10の
位相は90°になるようになり、結果として中心周波数
は最終的に理想フィルタのものと一致する。
【0033】また仮に、Gm−Cフィルタ(BPF)1
0の中心周波数が理想値よりも大きい場合には、出力位
相は理想値である90°よりも進むことになる。従っ
て、比較器34の出力は“H”になる。アップ/ダウン
カウンタ12は比較器34の出力が“H”レベルである
ため、1だけ減少する。例えば、カウンタ12の初期値
が“0”であるとすると、カウンタ12の出力は“−
1”になる。
0の中心周波数が理想値よりも大きい場合には、出力位
相は理想値である90°よりも進むことになる。従っ
て、比較器34の出力は“H”になる。アップ/ダウン
カウンタ12は比較器34の出力が“H”レベルである
ため、1だけ減少する。例えば、カウンタ12の初期値
が“0”であるとすると、カウンタ12の出力は“−
1”になる。
【0034】この結果、カウンタ12の出力は小さくな
り、カウンタ12の出力に基づいて決まる微調整バイア
ス電流発生回路13の出力電流ITUNEも小さくなり、さ
らに加算器15の出力電流IFIL も小さくなる。
り、カウンタ12の出力に基づいて決まる微調整バイア
ス電流発生回路13の出力電流ITUNEも小さくなり、さ
らに加算器15の出力電流IFIL も小さくなる。
【0035】この出力電流IFIL の減少により、Gm−
Cフィルタ10の中心周波数が減少することになる。
Cフィルタ10の中心周波数が減少することになる。
【0036】アップ/ダウンカウンタ12が同様の動作
を繰り返すことで、Gm−Cフィルタ10の入出力位相
差が参照入力信号周波数において零になるようになり、
結果として、中心周波数は最終的に理想フィルタのもの
と一致する。
を繰り返すことで、Gm−Cフィルタ10の入出力位相
差が参照入力信号周波数において零になるようになり、
結果として、中心周波数は最終的に理想フィルタのもの
と一致する。
【0037】図4は、図1に示したGm−Cフィルタ1
0の回路構成を示す。ここで37〜40はGmアンプ、
41および42は容量であり、これら37〜42の要素
によってGm−Cフィルタ10が構成される。そして、
加算器15からの出力バイアス電流IFIL はGmアンプ
のそれぞれのGm値制御用バイアス端子に供給される。
各バイアス端子に供給されるバイアス電流によって各G
mアンプのGm値が制御されることで、Gm−Cフィル
タ10のカットオフ周波数が制御されることになる。な
お、MOSFET43はカレントミラー回路の一要素で
あって、電流値I1 を電圧値に変換する(I1 に比例し
た電流I2 は、MOSFET44に流れる:図5参
照)。
0の回路構成を示す。ここで37〜40はGmアンプ、
41および42は容量であり、これら37〜42の要素
によってGm−Cフィルタ10が構成される。そして、
加算器15からの出力バイアス電流IFIL はGmアンプ
のそれぞれのGm値制御用バイアス端子に供給される。
各バイアス端子に供給されるバイアス電流によって各G
mアンプのGm値が制御されることで、Gm−Cフィル
タ10のカットオフ周波数が制御されることになる。な
お、MOSFET43はカレントミラー回路の一要素で
あって、電流値I1 を電圧値に変換する(I1 に比例し
た電流I2 は、MOSFET44に流れる:図5参
照)。
【0038】図5は、図4に示した各Gmアンプの詳細
な回路構成を示す。ここで、44は図4のMOSFET
43と対をなしてカレントミラー回路を構成するMOS
FETであり、バイアス電流制御回路で形成された電流
源として働き、この電流値I2 によって各Gmアンプの
Gm値が決められる。具体的にはGm値は、次式で与え
られる。
な回路構成を示す。ここで、44は図4のMOSFET
43と対をなしてカレントミラー回路を構成するMOS
FETであり、バイアス電流制御回路で形成された電流
源として働き、この電流値I2 によって各Gmアンプの
Gm値が決められる。具体的にはGm値は、次式で与え
られる。
【0039】
【数3】Gm=2(I2 K)0.5 …(3) 従って、電流I1 すなわち加算器15からのバイアス電
流IFIL が増加するとGm値が増加して、結果として中
心周波数が高くなる。
流IFIL が増加するとGm値が増加して、結果として中
心周波数が高くなる。
【0040】また、45および46は正ならびに負信号
をゲートに受ける入力MOSFET、47および48は
ロード用MOSFETであって各ゲート端子には同相信
号調整用の信号が印加される。
をゲートに受ける入力MOSFET、47および48は
ロード用MOSFETであって各ゲート端子には同相信
号調整用の信号が印加される。
【0041】なお、本発明は図5に示したGmアンプの
構成にのみ適用されるものではなく、その他の一般的な
Gmアンプにも適用し得ることは勿論である。
構成にのみ適用されるものではなく、その他の一般的な
Gmアンプにも適用し得ることは勿論である。
【0042】また、図1においては、加算器15に入力
する信号として電流(バイアス電流)を用いたが、電流
電圧変換回路を備えることによって、電圧同士の加算を
行うことも可能である。
する信号として電流(バイアス電流)を用いたが、電流
電圧変換回路を備えることによって、電圧同士の加算を
行うことも可能である。
【0043】図6は、図1に示した比較器34の他の回
路構成を示す。すなわち、比較器34として図6に示す
ように2個の比較器70,71を用いることができる。
図6において、70および71は比較器、72は論理回
路、73は入力信号端子、74は基準信号VmHを入力す
る基準信号入力端子、75は他方の基準信号VmLを入力
する基準信号入力端子、76および77は出力端子であ
る。図示した比較器34は、LPF33の出力がVmHよ
り大きいとき出力1が“H”、LPF33の出力がVmL
より小さいとき出力2が“H”、LPF33の出力がV
mLとVmHの中間の場合、出力1および2は共に“L”に
なるようにしてある。このことにより、アップ/ダウン
カウンタ12は、比較器の出力1が“H”のときカウン
トダウン、出力2が“H”のときカウントアップ、出力
1および2が共に“L”のときカウンタは動作しないよ
うにすることができる。こうすると、Gm−Cフィルタ
10の調整がある程度なされて周波数精度がある範囲内
にあるときは、カウンタ12は動作しないので、回路の
不要な動作を抑止できると共に、本信号を利用して、調
整動作を終了させることもできる。
路構成を示す。すなわち、比較器34として図6に示す
ように2個の比較器70,71を用いることができる。
図6において、70および71は比較器、72は論理回
路、73は入力信号端子、74は基準信号VmHを入力す
る基準信号入力端子、75は他方の基準信号VmLを入力
する基準信号入力端子、76および77は出力端子であ
る。図示した比較器34は、LPF33の出力がVmHよ
り大きいとき出力1が“H”、LPF33の出力がVmL
より小さいとき出力2が“H”、LPF33の出力がV
mLとVmHの中間の場合、出力1および2は共に“L”に
なるようにしてある。このことにより、アップ/ダウン
カウンタ12は、比較器の出力1が“H”のときカウン
トダウン、出力2が“H”のときカウントアップ、出力
1および2が共に“L”のときカウンタは動作しないよ
うにすることができる。こうすると、Gm−Cフィルタ
10の調整がある程度なされて周波数精度がある範囲内
にあるときは、カウンタ12は動作しないので、回路の
不要な動作を抑止できると共に、本信号を利用して、調
整動作を終了させることもできる。
【0044】実施の形態2 上述した調整のための参照信号周波数は、理想帯域通過
フィルタの中心周波数に対して図2(A)のように位相
が90°ずれるような周波数f1 またはf2 を選ぶべき
である。しかし、測定装置として任意の周波数を生成す
ることは容易であるが、一般にシステム内に存在するク
ロックから正確な周波数f2 を生成することは困難であ
る。仮に、調整に用いられる周波数がf3 であるとする
と、調整後のフィルタの中心周波数は理想値に対してf
3 −f2 だけずれることになる。この場合、図7に示す
ような回路を用いると、正確な参照周波数信号f2 がな
くても正確な特性のフィルタを得ることができる。
フィルタの中心周波数に対して図2(A)のように位相
が90°ずれるような周波数f1 またはf2 を選ぶべき
である。しかし、測定装置として任意の周波数を生成す
ることは容易であるが、一般にシステム内に存在するク
ロックから正確な周波数f2 を生成することは困難であ
る。仮に、調整に用いられる周波数がf3 であるとする
と、調整後のフィルタの中心周波数は理想値に対してf
3 −f2 だけずれることになる。この場合、図7に示す
ような回路を用いると、正確な参照周波数信号f2 がな
くても正確な特性のフィルタを得ることができる。
【0045】図7に示した回路構成は、補正用バイアス
電流源78と、Gm−Cフィルタの調整後にバイアス電
流源78の電流が加算または減算されるためのスイッチ
79があること以外、図1と同じである。図7において
も補正のための動作は図1と全く同じであり、Gm−C
フィルタの周波数の調整後スイッチが17,19から1
6,18に切り替わると同時に、またはGm−Cフィル
タの切り替え時定数を考慮して、少し早めにスイッチ7
9をオンすることにより、参照周波数における誤差を補
正することができる。
電流源78と、Gm−Cフィルタの調整後にバイアス電
流源78の電流が加算または減算されるためのスイッチ
79があること以外、図1と同じである。図7において
も補正のための動作は図1と全く同じであり、Gm−C
フィルタの周波数の調整後スイッチが17,19から1
6,18に切り替わると同時に、またはGm−Cフィル
タの切り替え時定数を考慮して、少し早めにスイッチ7
9をオンすることにより、参照周波数における誤差を補
正することができる。
【0046】実施の形態3 図1に示したフィルタ回路を正常に動作させるために、
補正前の周波数の位相誤差としては図8から±180°
であることが要求される。この範囲を越えると比較器3
4の符号が変わってしまい、正常値に調整できなくな
る。例えば、図8において調整前の位相が90°+18
0°より大きいときには、調整後の位相がA点(90
°)でなく別の安定点であるB点(450°)になって
しまい、補正後の周波数が理想値と大幅に異なってしま
うという問題がある。このため、図1のフィルタ回路が
正常に動作するためには、調整前に周波数の精度がある
範囲以内にある必要がある。
補正前の周波数の位相誤差としては図8から±180°
であることが要求される。この範囲を越えると比較器3
4の符号が変わってしまい、正常値に調整できなくな
る。例えば、図8において調整前の位相が90°+18
0°より大きいときには、調整後の位相がA点(90
°)でなく別の安定点であるB点(450°)になって
しまい、補正後の周波数が理想値と大幅に異なってしま
うという問題がある。このため、図1のフィルタ回路が
正常に動作するためには、調整前に周波数の精度がある
範囲以内にある必要がある。
【0047】この問題を回避する方法について、図9の
フィルタ回路を用いて説明する。
フィルタ回路を用いて説明する。
【0048】図9においては、粗補正用回路80が電流
IPLL1を生成していること以外、図1の回路と同じであ
る。すなわち、本調整の前に粗補正回路80によってフ
ィルタ特性をあらかじめあらっぽく修正(粗調整)して
位相が確実に90°±180°に含まれるようにしてお
き、図1で述べた方法で補正する。
IPLL1を生成していること以外、図1の回路と同じであ
る。すなわち、本調整の前に粗補正回路80によってフ
ィルタ特性をあらかじめあらっぽく修正(粗調整)して
位相が確実に90°±180°に含まれるようにしてお
き、図1で述べた方法で補正する。
【0049】粗補正回路80の具体的な回路例を図10
に示す。図10において、29は入力電流端子、81は
出力電流端子である。82〜86の各トランジスタはカ
レントミラー回路を構成しており、87〜89はカレン
トミラーによって生成された電流を出力選択するための
スイッチである。これらスイッチ87〜89の制御は外
部からの調整信号によってなされるほか、ウエハの出荷
検査時にメタルヒューズの手法によってなされる。
に示す。図10において、29は入力電流端子、81は
出力電流端子である。82〜86の各トランジスタはカ
レントミラー回路を構成しており、87〜89はカレン
トミラーによって生成された電流を出力選択するための
スイッチである。これらスイッチ87〜89の制御は外
部からの調整信号によってなされるほか、ウエハの出荷
検査時にメタルヒューズの手法によってなされる。
【0050】このように、予め粗補正して位相誤差をあ
る設定範囲に押さえ込んでから、図1の方法で補正する
ことにより、誤動作することなく調整を行うことが可能
になる。
る設定範囲に押さえ込んでから、図1の方法で補正する
ことにより、誤動作することなく調整を行うことが可能
になる。
【0051】なお、図1の位相比較器11において比較
器34を備えない場合には、位相情報がLPF33の出
力信号レベルに含まれているので、アップ/ダウンカウ
ンタ12の替わりにアナログ信号を処理する演算器を用
い、LPF33の出力信号レベルによって微調整バイア
ス信号を発生することもできる。
器34を備えない場合には、位相情報がLPF33の出
力信号レベルに含まれているので、アップ/ダウンカウ
ンタ12の替わりにアナログ信号を処理する演算器を用
い、LPF33の出力信号レベルによって微調整バイア
ス信号を発生することもできる。
【0052】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明ではGmアン
プのGm値を制御することによりGm−Cフィルタの周
波数特性を自己調整することとしているので、周波数特
性精度の優れたフィルタを実現することができる。すな
わち、周波数特性精度の優れたフィルタを実現するにあ
たり、従来は、相対精度を向上するためにMOSFET
のチャネル長ならびにチャネル幅の大きいものが必要と
され、これによりチップサイズが大きくなっていたが、
本発明を実施することで全体としてチップサイズが小さ
くなりかつ精度の良いフィルタを得ることが可能にな
る。
プのGm値を制御することによりGm−Cフィルタの周
波数特性を自己調整することとしているので、周波数特
性精度の優れたフィルタを実現することができる。すな
わち、周波数特性精度の優れたフィルタを実現するにあ
たり、従来は、相対精度を向上するためにMOSFET
のチャネル長ならびにチャネル幅の大きいものが必要と
され、これによりチップサイズが大きくなっていたが、
本発明を実施することで全体としてチップサイズが小さ
くなりかつ精度の良いフィルタを得ることが可能にな
る。
【0053】さらに、カウンタ回路などの動作周波数を
低くすることが可能であるため、アナログ回路にとって
誤動作を引き起こし易いデジタルノイズを低減できると
いう効果も得られる。
低くすることが可能であるため、アナログ回路にとって
誤動作を引き起こし易いデジタルノイズを低減できると
いう効果も得られる。
【図1】本発明を適用したGm−Cフィルタを示す回路
図である。
図である。
【図2】図1に示したGm−Cフィルタが有するゲイン
および位相特性を示す図である。
および位相特性を示す図である。
【図3】位相比較器の出力特性を示す図である。
【図4】図1に示したGm−Cフィルタの具体的な回路
例を示す図である。
例を示す図である。
【図5】図4に示した各Gmアンプの回路図である。
【図6】位相比較器の回路例を示す図である。
【図7】本発明を適用した他のGm−Cフィルタを示す
図である。
図である。
【図8】位相比較器の出力特性を示す図である。
【図9】本発明を適用した他のGm−Cフィルタを示す
回路図である。
回路図である。
【図10】図9に示した粗補正回路の一例を示す図であ
る。
る。
【図11】従来から知られているGm−Cフィルタの一
例を示すブロック図である。
例を示すブロック図である。
【図12】図11に示したPLL回路56をより具体的
に示した図である。
に示した図である。
【図13】図12に示したGm−Cフィルタ51の位相
特性を示す図である。
特性を示す図である。
【図14】図12に示したGm−Cフィルタ51の位相
特性を示す図である。
特性を示す図である。
【図15】図11に示したGm−Cフィルタ50の詳細
な回路図である。
な回路図である。
【図16】従来の適応フィルタを用いたGm−Cフィル
タの一例を示す図である。
タの一例を示す図である。
10 Gm−Cフィルタ 11 位相比較器 12 アップ/ダウンカウンタ 13 微調整バイアス電流発生回路 14 バイアス電流発生回路 15 加算器 32 乗算器 33 LPF 34 比較器
Claims (4)
- 【請求項1】 Gm値を制御するための制御端子を備え
たGmアンプと容量とを有する帯域通過型Gm−Cフィ
ルタと、 前記Gm−Cフィルタに入力される参照信号と、該Gm
−Cフィルタから出力される信号との間の位相関係を比
較するために、乗算器と該乗算器の出力を平均化する平
均化手段とを備えた位相比較手段と、 前記位相比較手段から出力される比較信号基づいて、前
記Gm値を制御するための制御信号を前記制御端子に供
給する制御信号生成手段とを具備したことを特徴とする
Gm−Cフィルタ回路。 - 【請求項2】 請求項1において、前記Gm−Cフィル
タの特性調整を行った後に、補正用のバイアス信号を前
記制御信号生成手段に加えることを特徴とするGm−C
フィルタ回路。 - 【請求項3】 請求項1において、前記Gm−Cフィル
タの特性調整を行うに先立って、該フィルタの粗調整を
行うことを特徴とするGm−Cフィルタ回路。 - 【請求項4】 請求項1において、さらに加えて、前記
Gm−Cフィルタに入力されている前記参照信号を処理
用入力信号に切り換えると共に、前記Gm−Cフィルタ
からの出力信号を前記位相比較手段に入力することなく
所定の出力端へ導く切換手段を備えたことを特徴とする
Gm−Cフィルタ回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4079398A JPH10303699A (ja) | 1997-02-26 | 1998-02-23 | Gm−Cフィルタ回路 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9-42083 | 1997-02-26 | ||
JP4208397 | 1997-02-26 | ||
JP4079398A JPH10303699A (ja) | 1997-02-26 | 1998-02-23 | Gm−Cフィルタ回路 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10303699A true JPH10303699A (ja) | 1998-11-13 |
Family
ID=26380312
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4079398A Withdrawn JPH10303699A (ja) | 1997-02-26 | 1998-02-23 | Gm−Cフィルタ回路 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10303699A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004047291A1 (ja) * | 2002-11-19 | 2004-06-03 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | フィルタ装置 |
US7477099B2 (en) | 2004-12-03 | 2009-01-13 | Panasonic Corporation | Filter adjustment circuit |
-
1998
- 1998-02-23 JP JP4079398A patent/JPH10303699A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004047291A1 (ja) * | 2002-11-19 | 2004-06-03 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | フィルタ装置 |
US7477099B2 (en) | 2004-12-03 | 2009-01-13 | Panasonic Corporation | Filter adjustment circuit |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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