JPH10302199A - 車両の自動操舵装置 - Google Patents
車両の自動操舵装置Info
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- JPH10302199A JPH10302199A JP9111277A JP11127797A JPH10302199A JP H10302199 A JPH10302199 A JP H10302199A JP 9111277 A JP9111277 A JP 9111277A JP 11127797 A JP11127797 A JP 11127797A JP H10302199 A JPH10302199 A JP H10302199A
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Landscapes
- Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
- Power Steering Mechanism (AREA)
- Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)
- Steering-Linkage Mechanisms And Four-Wheel Steering (AREA)
- Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
- Traffic Control Systems (AREA)
Abstract
検出横変位のノイズの影響を確実に抑制防止して、車線
追従自動操舵の正確性と応答性とを両立する。 【解決手段】車線追従制御に用いられる前輪とは個別
に、例えば後輪を補助操舵可能とし、車速vや車線曲率
ρ等から磁気センサ位置での横滑り速度が零になる目標
後輪舵角δrdを設定して、実際の後輪舵角δr が目標値
に一致するようにフィードバック制御することで、検出
される横変位のノイズ成分を低減する。また、トラクシ
ョン制御装置等の横運動量調整装置を用いて、ヨーモー
メント等の横運動量を制御することで、同様に磁気セン
サ位置での横滑り速度を零にして、検出される横変位の
ノイズ成分を低減する。
Description
て走行させるために当該車両の操舵を自動的に行う車両
の自動操舵装置に関するものである。
しては、例えば特開平7−81602号公報に記載され
るものがある。
置は、操舵に係る種々の条件,特にカーブに沿って走行
するときに、より人為的な操舵が行われるように操舵特
性を規定するものである。これにより、乗員に、より自
然な走行感や快適な乗心地を与えるようにしている。
記載される車両の自動操舵装置は、道路情報,より具体
的には車線の状態、つまり直線路か曲線路か、曲線路の
場合、その曲率はどの程度かといった情報をカメラ等の
画像情報から得ることを前提としている。一方、磁気ネ
イルと呼ばれる磁石などの磁力源を車線に沿って埋設
し、これを車両に取付けた磁気センサで検出して、当該
車両の横変位(磁力源に対する横位置情報であり、つま
り車線に対する自車位置情報である)を検出し、この検
出される横変位が目標とする横変位に一致するように、
前輪又は後輪をアクチュエータで操舵制御するものもあ
る。なお、原則的に磁力源は車線の中央に埋設されてお
り、磁気センサと車両との相対位置関係は変わらない。
出したら、その横変位が目標とする横変位に一致するよ
うに操舵アクチュエータを制御する。しかしながら、実
際の車両に、このような自動操舵装置を搭載して自動操
舵を行わせると、制御の正確性が低下してしまうことが
ある。そして、これは、検出される横変位のノイズが車
両の走行状態に応じて変化することに起因することや、
こうした自動操舵装置が離散化されたシステムで構築さ
れていることが関与していることも分かった。
たものであり、例えば車両の走行状態に応じて発生し易
い、検出される横変位のノイズ成分を的確に抑制防止し
て制御の正確性を向上し得る自動操舵装置を提供するこ
とを目的とするものである。
に、本発明のうち請求項1に係る車両の自動操舵装置
は、車線に沿って埋設された磁力源を検出する磁気セン
サと、この磁気センサの検出信号から車両の横変位を検
出する横変位検出手段と、前輪又は後輪を操舵する操舵
アクチュエータと、この操舵アクチュエータによって操
舵される前輪又は後輪の舵角を検出する舵角検出手段
と、前記検出された車両の横変位が目標とする横変位に
なるように前記操舵アクチュエータを制御する操舵制御
手段と、前記磁気センサの位置での磁力源に対する車両
の横方向へのセンサ横滑り速度を低減する横滑り速度低
減手段とを備えたことを特徴とするものである。
自動操舵装置は、前記請求項1に係る発明において、前
記横滑り速度低減手段は、少なくとも前記操舵アクチュ
エータで操舵される前輪又は後輪と異なる後輪又は前輪
を補助操舵する補助操舵アクチュエータと、車両の走行
状態に関する情報を検出する走行状態情報検出手段と、
この走行状態情報検出手段で検出された走行状態情報に
応じて前記センサ横滑り速度を低減するように前記補助
操舵アクチュエータを制御する補助操舵制御手段とを備
えたことを特徴とするものである。
自動操舵装置は、前記請求項2に係る発明において、前
記補助操舵アクチュエータで補助操舵される後輪又は前
輪の舵角を検出する補助舵角検出手段を備えると共に、
前記走行状態情報検出手段として、車速を検出する車速
検出手段と、車線の曲率を検出する車線曲率検出手段と
を備え、前記補助操舵制御手段は、前記車速検出手段で
検出された車速及び車線曲率検出手段で検出された車線
曲率に基づいて、前記センサ横滑り速度を低減するため
に必要な、前記補助操舵アクチュエータで補助操舵され
る後輪又は前輪の目標とする舵角を設定し、この目標と
する舵角に前記補助舵角検出手段で検出される舵角が一
致するように前記補助操舵アクチュエータを制御するこ
とを特徴とするものである。
自動操舵装置は、前記請求項3の発明において、前記補
助操舵される後輪又は前輪の目標とする舵角を、状態推
定器で設定することを特徴とするものである。
自動操舵装置は、前記請求項4の発明において、前記状
態推定器がカルマンフィルタで構成されることを特徴と
するものである。
自動操舵装置は、前記請求項1乃至5の発明において、
前記横滑り速度低減手段は、少なくとも車両に発生する
横方向への横運動量を調整可能な横運動量調整手段と、
車両の走行状態に関する情報を検出する走行状態情報検
出手段と、この走行状態情報検出手段で検出された走行
状態情報に応じて前記センサ横滑り速度を低減するよう
に前記横運動量調整手段を制御する横運動量制御手段と
を備えたことを特徴とするものである。
自動操舵装置は、前記請求項6に係る発明において、前
記横運動量調整手段で調整される車両の横運動量を検出
する横運動量検出手段を備えると共に、前記走行状態情
報検出手段として、車速を検出する車速検出手段と、車
線の曲率を検出する車線曲率検出手段とを備え、前記横
運動量制御手段は、前記車速検出手段で検出された車速
及び車線曲率検出手段で検出された車線曲率に基づい
て、前記センサ横滑り速度を低減するために必要な、前
記横運動量調整手段で調整される車両の目標とする横運
動量を設定し、この目標とする横運動量に前記横運動量
検出手段で検出される横運動量が一致するように前記横
運動量調整手段を制御することを特徴とするものであ
る。
自動操舵装置は、前記請求項7に係る発明において、前
記調整される車両の目標とする横運動量を、状態推定器
で設定することを特徴とするものである。
自動操舵装置は、前記請求項8に係る発明において、前
記状態推定器がカルマンフィルタで構成されることを特
徴とするものである。
の自動操舵装置は、前記請求項6又は9に係る発明にお
いて、前記横運動量調整手段が、各車輪のトラクション
を調整することで車両に発生するヨーモーメントを調整
するトラクション調整手段であることを特徴とするもの
である。
両の自動操舵装置によれば、車線に沿って埋設された磁
力源の磁力を磁気センサで検出して、その検出信号から
車両の横変位を検出し、この検出された横変位が目標と
する横変位に一致するように操舵アクチュエータを制御
して前輪又は後輪を自動操舵するにあたり、磁気センサ
の位置での磁力源に対する車両の横方向へのセンサ横滑
り速度を低減する構成としたため、その分だけ車両,つ
まり磁気センサと磁力源との相対速度が小さくなるの
で、当該磁気センサと磁力源との相対速度に応じ且つ離
散化に伴って発生する横変位のノイズ成分を抑制して制
御の正確性を高めることができる。
自動操舵装置によれば、操舵アクチュエータで主として
操舵される前輪又は後輪とは異なる、後輪又は前輪を補
助操舵アクチュエータで補助操舵可能とし、車両の走行
状態情報に応じて補助操舵アクチュエータを制御するこ
とで、車両の運動特性を制御可能とし、主として操舵さ
れる前輪又は後輪だけでは低減操作できない、前記磁気
センサの位置での磁力源に対する車両の横方向へのセン
サ横滑り速度を、より正確に且つ確実に低減可能とす
る。
自動操舵装置によれば、検出される車速及び車線曲率に
基づいて補助操舵される後輪又は前輪の目標とする舵角
を設定する構成としたため、この目標とする舵角を、前
記磁気センサの位置での磁力源に対する車両の横方向へ
のセンサ横滑り速度が零又は略零となる値に設定するこ
とができ、この目標とする舵角に検出される舵角が一致
するように補助操舵アクチュエータを制御する構成とし
たため、当該センサ横滑り速度を、より正確に且つ確実
に低減可能とする。
自動操舵装置によれば、状態推定器を用いて車両の状態
量を正確に推定しながら、前記補助操舵される後輪又は
前輪の目標とする舵角を設定する構成としたため、これ
に追従するように後輪又は前輪の舵角を補助操舵すれ
ば、前記センサ横滑り速度を、より正確に且つ確実に低
減可能とする。
自動操舵装置によれば、前記状態推定器をカルマンフィ
ルタで構成したため、前記推定される車両の状態量が、
出力誤差に応じて補正されて、より正確なものとなるた
め、前記目標とする舵角をより正確に設定でき、ひいて
は前記センサ横滑り速度を、より正確に且つ確実に低減
可能とする。
自動操舵装置によれば、車両に発生する横方向への横運
動量を調整可能とし、車両の走行状態情報に応じて横運
動量調整手段を制御することで、車両の運動特性を制御
可能とし、主として操舵される前輪又は後輪だけでは低
減操作できない、前記磁気センサの位置での磁力源に対
する車両の横方向へのセンサ横滑り速度を、より正確に
且つ確実に低減可能とする。
自動操舵装置によれば、検出される車速及び車線曲率に
基づいて調整される車両の目標とする横運動量を設定す
る構成としたため、この目標とする横運動量を、前記磁
気センサの位置での磁力源に対する車両の横方向へのセ
ンサ横滑り速度が零又は略零となる値に設定することが
でき、この目標とする横運動量に検出される横運動量が
一致するように横運動量調整手段を制御する構成とした
ため、当該センサ横滑り速度を、より正確に且つ確実に
低減可能とする。
自動操舵装置によれば、状態推定器を用いて車両の状態
量を正確に推定しながら、前記調整される車両の目標と
する横運動量を設定する構成としたため、これに追従す
るように車両の横運動量を調整すれば、前記センサ横滑
り速度を、より正確に且つ確実に低減可能とする。
自動操舵装置によれば、前記状態推定器をカルマンフィ
ルタで構成したため、前記推定される車両の状態量が、
出力誤差に応じて補正されて、より正確なものとなるた
め、前記目標とする横運動量をより正確に設定でき、ひ
いては前記センサ横滑り速度を、より正確に且つ確実に
低減可能とする。
の自動操舵装置によれば、前記横運動量調整手段をトラ
クション調整手段で構成し、各輪のトラクションを調整
することで車両に発生するヨーモーメントを調整可能と
することにより、前記請求項4又は5の自動操舵装置を
実施化できる。
に基づいて説明する。ここでは、前輪を主として操舵す
る自動操舵装置について説明する。
装置を示す概略構成図である。同図の符号12は前左右
輪、15は後左右輪を示し、前左右輪12にはごく一般
的なラックアンドピニオン式の操舵機構が付加されてい
る。この操舵機構は、前左右輪12の操舵軸(タイロッ
ド)に接続されるラック11と、これに噛合するピニオ
ン10と、このピニオン10をステアリングホイール1
4に与えられる操舵トルクで回転させるステアリングシ
ャフト9とを備えている。
前左右輪12を自動操舵するための自動操舵機構も付加
されている。この自動操舵機構は、前記ステアリングシ
ャフト9に同軸に取付けられたドリブンギヤ8と、これ
に噛合するドライブギヤ7と、このドライブギヤ7を回
転駆動するモータ5である。なお、モータ5とドライブ
ギヤ7との間にはクラッチ機構6が介装されており、自
動操舵制御時にのみクラッチ機構6が接続され、そうで
ないときにはクラッチ機構6が離間してモータ5の回転
力がステアリングシャフト9に入力されないようにして
いる。そして、前記モータ5を含む自動操舵機構は、後
述する自動操舵コントロールユニット13からの制御信
号で制御される。
助操舵するための補助操舵機構も付加されている。この
補助操舵機構は、後左右輪15を連結する操舵杆20と
同軸に取付けられたラック19と、このラック19に噛
合し且つモータ17の回転駆動力でラック19を往動さ
せて後左右輪15を補助操舵するギヤ18とを備えてな
る。このモータ17を含む補助操舵機構も、後述する自
動操舵コントロールユニット13からの制御信号で制御
される。
けられている。符号3は舵角センサであり、ステアリン
グシャフト9の回転角から前左右輪12の実前輪舵角δ
f を割出して自動操舵コントロールユニット13に出力
する。また、図中の符号4は車速センサであり、例えば
変速機の出力軸の回転速度から車両の移動速度(車速)
vを割出して自動操舵コントロールユニット13に出力
する。また、図中の符号16は車線の曲率を検出する車
線曲率検出装置であり、例えば車線脇から無線送信され
る車線曲率情報を得て、その車線曲率ρを自動操舵コン
トロールユニット13に出力する。なお、この車線曲率
検出装置は、コントロールユニット13内で実行される
演算処理によって構成されるようにソフト化してもよ
く、その簡潔な内容については後述する。また、図中の
符号21は補助舵角センサであり、前記操舵杆20の移
動量から後左右輪15の実後輪舵角δr を割出して自動
操舵コントロールユニット13に出力する。
た図示されない磁石の磁力は、車両の前方下部に取付け
られた磁気センサ1で検出される。この磁気センサ1
は、単に磁石の磁力の大きさだけでなく、その磁力ベク
トルを、車両上下方向に相当する縦成分と、車両幅方向
に相当する横成分とに分解して、その夫々の方向と大き
さとを検出することができる。
出手段を構成する横変位検出装置2に出力される。この
横変位検出装置2は、後述する原理に基づいて、検出さ
れる磁力ベクトルの縦横成分比から車両(厳密には磁気
センサ1)の車線(厳密には磁石)に対する横変位の方
向と大きさとを検出(算出)する。なお、この横変位検
出装置2は、図示されないマイクロコンピュータ等の離
散化したディジタルシステムで構成されているため、前
述したような横変位のサンプリングは、予め設定された
サンプリングタイミングでしか行われない。この横変位
検出装置2で検出された車両の横変位yは、制御手段を
構成し且つ自動操舵制御を司る自動操舵コントロールユ
ニット13に出力される。
は、図示されないマイクロコンピュータのような離散化
されたディジタルシステムで構成されている。このディ
ジタルシステムは、既存のマイクロコンピュータと同様
に、前記各センサ類からの検出信号を読込むための入力
インタフェース回路や、必要なプログラムや演算結果等
を記憶するROM,RAM等の記憶装置や、実際に演算
処理を行うと共に或る程度のバッファ機構を備えたマイ
クロプロセサユニット等の演算処理装置や、この演算処
理装置で設定した制御信号を前記自動操舵機構のモータ
5や補助操舵機構のモータ17に出力するための出力イ
ンタフェース回路等を備えている。
トロールユニット13内のマイクロコンピュータ等のデ
ィジタルシステム中に、状態推定器としてのカルマンフ
ィルタが構築されている。ここで、カルマンフィルタに
ついて説明しておく。カルマンフィルタは、現代制御理
論に基づいた状態量を、予め設定されたモデルに従って
幾つか推定し、その夫々にフィードバック制御を行うこ
とを前提として、結果的に種々の連鎖的な応答をなくし
て、単独の状態量のフィードバック制御を容易化,正確
化する場合に、出力される推定状態量と検出された状態
量との出力誤差に応じてモデル,即ち推定される状態量
を補正可能としたものである。具体的には図2aに示す
構成となる。
のモデルは、車両の二輪モデルであるから、これを状態
空間表現を用いて下記12式に示す。但し、この12式
に示す二輪モデルは、後輪を操舵可能とし、更に後輪の
トラクションによってヨーモーメントを制御可能とした
ものであるから、本実施形態のように前輪を主として操
舵して車両の横変位を制御する共に、後輪を補助操舵し
て、前記磁気センサ12の位置における対磁石横方向速
度,つまりセンサ横滑り速度を低減するだけのものの場
合にはヨーモーメントTr を零に設定すればよい。
では左辺,つまり車両重心点の横滑り角速度β' (’は
時間微分値を示す)も、ヨー角加速度r' も、ヨーレイ
トΔψ' も、横変位速度y' も全て零になると考えられ
るから、このときの各物理量,或いは状態量に添字
“0”を付けて下記14式を得る。なお、このような定
常走行状態における各状態量を平衡点周りの状態量と定
義する。
やヨーモーメントは、この平衡点周りの定常的な舵角や
ヨーモーメントを与えたときに、更にモデル誤差等によ
って発生する補正分をフィードバックした値になるか
ら、下記15−1〜3式が与えられ、更に同様のことが
他の各状態量にも言えることから、ヨー角や横変位等の
状態量についても下記16−1〜4式が成立する。
質的に零である(即ちρ0 =ρ)ことを考慮して以上を
総合して解くと、下記17式を得る。つまり、ここで得
られる状態量のベクトルx(補正横滑り角Δβ,補正ヨ
ーレイトΔr,補正ヨー角Δ2 ψ、補正横変位Δy)が
正確なものであるとすると、このベクトルから補正すべ
き前輪舵角,つまり補正前輪舵角Δδfdや、補正後輪舵
角Δδrdや補正ヨーモーメントΔTrd等を算出可能とな
る。なお、前述と同様に、ヨーモーメントを補正しない
本実施形態のような場合には、前記定常ヨーモーメント
T r0或いは補正ヨーモーメントΔTrd等を全て“0”に
設定すればよいだけである。
に合わせて略記すると下記11式のように表れる。
B,uは夫々、以下のように纏められる。
て、前記状態量のベクトルxから車線追従,つまり補正
横変位Δy=0を実現するための補正前輪舵角Δδ
fdや、補正後輪舵角Δδrdや補正ヨーモーメントΔTrd
を設定するために、最適レギュレータを用いた最適化制
御を考える。ここで、拘束条件は前記11式であり、評
価関数Jは下記18式で与えられる。
トルuの転置ベクトルを示す。また、Qは対称非負定行
列、Rは対称正定行列で、一般に重みと呼ばれる。ベク
トルxにおける補正横変位Δyは4行目であるので、当
該補正横変位Δyを小さくするためには、前記対称非負
定行列Qの4行4列要素を大きくすればよい。但し、ゲ
インを上げれば、その分だけノイズを拾い易くなるとい
うトレードオフを考慮しなければならないことは言うま
でもない。
図2bに示すブロック図に合わせて下記19式で表さ
れ、各要素を列記すると20式が得られる。なお、KR
は定数行列である。
するためには、 となる。
舵角δr についても、このフィードバック分までは補正
しない,つまり目標後輪舵角δrdは前記定常後輪舵角δ
r0に設定されるため、推定される補正横滑り角Δβ、補
正ヨーレイトΔr、補正ヨー角Δ2 ψ、補正横変位Δy
に対して、補正前輪舵角Δδfdは下記21式で端的に与
えられることになる。
滑り角Δβ、補正ヨーレイトΔr、補正ヨー角Δ2 ψが
検出できない場合には、逆に補正横変位Δyと補正前輪
舵角Δδf を用いて状態推定器を構成すれば、それらの
状態量を推定することができる。
て、前述のようにして推定した推定横変位y^(^は推
定値であることを示す)は、前述したモデルに前記補正
前輪舵角Δδfdを代入(直線走行状態から見れば目標前
輪舵角δfdを代入すべきであるように考えられるが、既
にそれ以前のモデル,つまりそれまでの定常旋回走行状
態に相当する平衡点周りのモデルは後述のように補正さ
れているので、実質的に代入されるのは補正前輪舵角Δ
δfdになる)してみた結果、車両が達成する推定値であ
るから、これを推定横変位ye とする。しかしながら、
前述したモデルと実際の車両とは、必ず誤差がある。そ
こで、図2aに示すように、この推定横変位ye と前記
第1実施形態のようにして検出された実横変位yとの偏
差(以下、単に出力誤差とも記す)εを求め、この出力
誤差εに出力誤差フィードバックゲインベクトルKe を
かけて、前記状態推定器内のモデルを補正する。ここで
は、理解を容易化するために、モデルを補正するという
表記を用いるが、実質的には各状態量を直接補正しても
何ら問題がないことから、広義には状態量を補正すると
して取扱う。
ルKe は、ベクトルの特性上、単純に大小の比較ができ
ないが、以上の説明から明瞭なように、そのゲイン特性
が大きければ状態量の補正を速やかにして制御の応答性
を高めることができるが、その反面、ノイズ成分の影響
を受け易いことが分かる。逆に、出力誤差フィードバッ
クゲインベクトルKe のゲイン特性が小さければ、状態
量の補正効果は低下するが、ノイズ成分の影響を抑制防
止して制御の正確性が向上可能であることが分かる。
実行される本実施形態の演算処理について図3のフロー
チャートを用いて説明する。なお、このフローチャート
では、特に情報の授受のためのステップを設けていない
が、演算処理装置で読込まれた情報や物理量或いは演算
された演算結果は随時記憶装置に更新記憶されるし、演
算処理に必要なプログラムやマップ,テーブル等は随時
記憶装置から演算処理装置のバッファに読込まれる。
た予め設定されたサンプリング時間ΔT毎にタイマ割込
処理として実行され、まずステップS1で前記車速セン
サ4からの車速vを読込む。
率検出装置16からの車線曲率ρを読込む。次にステッ
プS3に移行して、下記1式に従って定常前輪舵角δf0
を算出する。なお、下記1式の算出原理については後段
に詳述する。また、この定常前輪舵角δf0は、車両の線
形性により、定常ヨーモーメントTr0=0としたときの
前記14式で表れる平衡点周りの状態量と等価である。
輪舵角δr0を算出する。なお、下記2式の算出原理につ
いては後段に詳述する。また、この定常後輪舵角δ
r0は、車両の線形性により、定常ヨーモーメントTr0=
0としたときの前記14式で表れる平衡点周りの状態量
と等価である。
前輪舵角δf 及び補助舵角センサ21からの後輪舵角δ
r を読込む。
に従って、実前輪舵角δf ,定常前輪舵角δf0から前輪
舵角偏差Δδf を算出する。 Δδf =δf −δf0 ………(22) 次にステップS7に移行して、前記14式に従って、車
速v,車線曲率ρから、少なくとも前記平衡点周りに相
当する定常横変位y0 を算出する。
検出装置2からの横変位yを読込む。次にステップS9
に移行して、下記23式に従って、前記検出された実横
変位y,定常横変位y0 から横変位偏差Δyを算出す
る。なお、既に状態推定による前輪自動操舵が開始され
ている場合には算出される定常横変位y0 は略零であ
り、検出される横変位yは、前述したモデル誤差を補正
すべきフィードバック分でしかないことから、検出され
る横変位yを横変位偏差Δyに直接設定してもよい。
れるカルマンフィルタによって各状態量の推定を行い、
前記状態推定ベクトルxを算出する。
式乃至21式から補正前輪舵角Δδ fdを算出する。次に
ステップS12に移行して、下記24式及び25式に従
って、前記算出された補正前輪舵角Δδfd,定常前輪舵
角δf0から目標前輪舵角δfdを、或いは定常前輪舵角δ
r0から目標後輪舵角δrdを、夫々算出する。
輪舵角δfdに実前輪舵角δf を一致させるフィードバッ
ク制御の制御信号を創成し出力する。
された目標後輪舵角δrdに実後輪舵角δr を一致させる
フィードバック制御の制御信号を創成し出力してからメ
インプログラムに復帰する。
て説明する。本実施形態のように後輪を操舵する場合の
運動方程式は、二輪モデルを用いて下記5式及び6式で
表される。
イトrは車線曲率ρと車速vとから下記7式で表され
る。 r=ρ・v ……… (7) また、旋回運動の定常状態では車両重心点の横滑り角速
度β' もヨー角加速度r' も共に零であるから、それを
下記8式で表す。
トψ' 及び横滑り角βを用いて下記9式で与えられるも
のである。
る定常前輪舵角δf0とすると共に、後輪舵角δr を前記
定常状態における定常後輪舵角δr0とし、これらの夫々
について前記5式乃至9式を解けば前記1式及び2式を
得る。このような算出原理は、前記変更点周りの状態
量,つまり定常状態における各状態量を導出するための
原理と同じであるから、前記14式の定常前輪舵角δf0
や定常後輪舵角δr0と1式や2式のそれらとが夫々等価
であることが理解できる。これは車両の線形性によるも
のである。
記定常前輪舵角δf0を与えたときの横変位yのフィード
バック制御による補正分と考えて、古典制御理論にいう
所謂PID制御に応じて設定してもよい。
る。ここで、磁力源として磁石を用いた場合、当該磁石
からの磁力に基づいて車線に対する車両の横変位を検出
する原理について簡潔に説明する。磁石からの磁力線が
図9のように発生しているとき、磁気センサのレベル
(高さ)は一定であるから、検出される磁力ベクトルの
縦横成分の比が分かれば、磁気センサ,つまり車両は磁
石,つまり車線に対してどの程度横方向にずれているか
が分かる。即ち、磁気センサが磁石の真上にあれば、検
出される磁力ベクトルの縦横成分の比は1:0になる
し、それが横方向にずれればずれるほど、検出される磁
力ベクトルの横成分が大きくなり、縦成分は小さくな
る。また、磁力ベクトルの横成分の発生方向から、磁気
センサ,つまり車両が磁石,つまり車線に対して、どち
らにずれているかも分かる。
の横変位を検出するタイミングについて簡潔に説明す
る。今、車両に取付けられた磁気センサが、図9で説明
したように磁石に対して横方向にずれていないとしたと
き(ずれていても横変位が同じなら結局は同じ)、図1
0aに示すように磁気センサと磁石との距離をDとする
と、距離Dと磁力との関係は図10bのように表れる。
つまり、磁気センサが磁石に最も接近したときに、検出
される磁力も最大になる。従って、検出される磁力が最
大になったとき、その磁力ベクトルの縦横成分比から車
両の横変位を正確に検出することが可能となる。
述のように目標とする横変位に一致するように操舵アク
チュエータを制御する場合に、本実施形態では、前述の
ように出力誤差を補正できるカルマンフィルタのような
オブザーバ(状態推定器)を用いてノイズ成分を除去す
る。
yのノイズ成分について説明する。このような車線に沿
って埋設された磁石等の磁力源の磁力を磁気センサで検
出して車線に対する車両の横変位を検出する手法では、
実際の車両で検出される横変位にノイズ(誤差成分を含
む)が多い。これについては、例えば図10に示すよう
に、車線の幅を示す二本の白線の中央に相当する車線中
央に磁石等の磁力源が正確に埋設されていないせいだと
考えられてきた。つまり、本来、車線中央にあるべき磁
石等の磁力源が横方向にずれて埋設されていれば、検出
される横変位は図11に示すように、車両(正確には磁
気センサ)が仮に車線中央に沿って移動したとしても、
恰も横方向にずれているかのように誤認識してしまう。
ノイズ成分には、この他に、以下のようなノイズ成分も
ある。即ち、前述のような車両の自動操舵装置は、一般
に高度な演算処理を必要とすることから離散化したディ
ジタルシステムで構成される。従って、例えば前述のよ
うに磁気センサで磁石の磁力を検出する,そのサンプリ
ングタイミングと、実際に磁気センサが磁石に最も近づ
くタイミングとがずれてしまう可能性がある。この可能
性は、磁石と磁気センサ,つまり車両との相対速度が大
きくなればなるほど大きくなる。
速vが大きくなるほど、或いは車線曲率ρが大きくなる
ほど、検出される横変位のノイズ成分が大きくなり、結
果的に自動操舵制御の正確性が低下する。このうち、車
線曲率ρが大きくなるということは、図4に示すよう
に、車線中心線に沿って移動しようとする車両の移動方
向と実際に車両が向いている方向との角度,つまりヨー
角が大きいということであり、それは同時に磁気センサ
の横滑り速度が大きいということである。定常的な旋回
運動中であれば、両者は互いに等価であると評価できる
が、前述した磁力のサンプリングタイミングと磁気セン
サの最接近タイミングとのずれは、磁石と磁気センサ,
つまり車両との相対速度に起因すると考えると、磁気セ
ンサの横滑り速度が大きくなるほど、検出される横変位
のノイズ成分が大きくなる。
の相対速度のうち、車両の前後方向,つまり前記センサ
横滑り速度と直交する方向の速度成分であって、所謂車
速に相当する成分は、車両が所望する速度移動するため
に変更できない、或いは変更すべきでない速度成分であ
る。そこで、本実施形態では、前記センサ横滑り速度を
低減し、望ましくは零として、検出される横変位のノイ
ズ成分を低減しようとする。ところが、通常の車両のよ
うに、前輪のみを操舵する車両にあっては、車両特性に
よっては、磁気センサの位置におけるセンサ横滑り速度
を制御することができない。つまり、センサ横滑り速度
(車両の横滑り速度と同じ)は、舵角と車速が与えられ
ると、車両特性によって一意に決まってしまう(勿論、
路面μや路面の形状等の外乱要素は個別の要素であ
る)。
れる前輪が、あくまでも車線追従制御を司り、更に後輪
を補助操舵することで、前記センサ横滑り速度を低減
し、好ましくは零とする。このとき、補助操舵される後
輪の目標とする舵角には、前記定常後輪舵角δr0を用い
て前記センサ横滑り速度を零に近づけながら車両の挙動
を安定させ、一方で前輪には定常前輪舵角δf0を与えて
車線に大まかに追従できるようにしながら、更に補正前
輪舵角Δδfdを与えて微小横変位Δyを補正して完全な
車線追従を達成する。つまり、本実施形態の車両では、
図5に示すように一般的な車両とはやや異なる車両旋回
運動が達成される。勿論、センサ横滑り速度は零又は略
零となるために、その分だけ、検出される横変位yのノ
イズ成分が低減し、結果的に自動操舵制御の正確性が向
上する。
は、主として操舵される車輪以外の車輪を補助操舵する
ことでセンサ横滑り速度を低減可能とし、更に車速や車
線曲率から、センサ横滑り速度を零とする補助操舵輪の
目標舵角を設定し、この目標舵角に実際の舵角が一致す
るように補助操舵輪用アクチュエータを制御することに
より、検出される横変位のノイズ成分を効果的且つ大幅
に低減して、制御の正確性を向上することができる。
求項1又2又は3に係る車両の自動操舵装置を実施化し
たものであり、前記自動操舵機構が本発明の操舵アクチ
ュエータを構成し、以下同様に、前記横変位検出装置及
び図3の演算処理のステップS8が横変位検出手段を構
成し、前記舵角センサ3及び図3の演算処理のステップ
S5が舵角検出手段を構成し、図3の演算処理のステッ
プS9乃至13が操舵制御手段を構成し、前記補助操舵
機構が補助操舵アクチュエータを構成し、補助舵角セン
サ21及び図3の演算処理のステップS5が補助舵角検
出手段を構成し、車速センサ4及び図3の演算処理のス
テップS1が車速検出手段及び走行状態情報検出手段を
構成し、車線曲率検出装置16及び図3の演算処理のス
テップS2が車線曲率検出手段及び走行状態情報検出手
段を構成し、図3の演算処理のステップS4及びステッ
プS14が補助操舵制御手段を構成し、前記補助操舵機
構及び補助舵角センサ21及び車速センサ4及び車線曲
率検出装置16及び図3の演算処理のステップS1及び
ステップS2及びステップS4及びカルマンフィルタ
(状態推定器)に相当するステップS10及びステップ
S14が横滑り速度低減手段を構成する。
操舵する機構を持ち、更に前記図3の演算処理では、横
変位偏差に対する当該後輪の補正後輪舵角まで算出可能
としながら、横変位偏差の補正に対しては後輪舵角を制
御せず、センサ横滑り速度を零とするための定常後輪舵
角のみを目標後輪舵角に設定したが、勿論、横変位を補
正するために後輪舵角を補正してもよい。但し、この場
合には、定常後輪舵角がセンサ横滑り速度を零とするた
めの値に設定されたのに対して、更に横変位を補正する
ためにこれを補正するのであるから、センサ横滑り速度
の収束性が低下する虞れがあることに留意したい。この
場合には、センサ横滑り速度の出力誤差に対する状態量
の補正か、若しくはセンサ横滑り速度に対する最適レギ
ュレータが必要となろう。
置について説明する。まず、車両に設けられた自動操舵
装置としての概要は、前記第1実施形態の後輪の補助操
舵機構に代えて、横運動量調整手段を構成するトラクシ
ョン調整機構が取付けられている。このトラクション調
整機構は、例えば各車輪に設けられたトラクションコン
トロールアクチュエータ22によって構成され、各車輪
のトラクション(駆動及び制動力)を調整することで車
両に発生するヨーモーメントを調整するものである。よ
り具体的には、本出願人が先に提案した特開平6−32
1087号公報に記載される制動力制御装置や、特開平
8−127258号公報に記載される後左右輪の駆動力
制御装置や、或いは公知の前後輪間駆動力配分制御装置
等を単独で或いは適宜に組み合わせて用いることができ
る。これらのトラクションコントロールアクチュエータ
22の具体的な制御の詳細については、これらの文献を
参照されるものとして、ここでは目標とするヨーモーメ
ントTrdを達成するための制御信号が、前記コントロー
ルユニット13から各トラクションコントロールアクチ
ュエータ22に供給されると、各アクチュエータは単独
で或いは相互に作動して、当該目標とするヨーモーメン
トTrdを達成するものとする。それ以外の構成は、前記
第1実施形態のものと同様又は略同様であり、同等の構
成部材には同等の符号を附してその詳細な説明を省略す
る。
と同様に、前記自動操舵コントロールユニット13内の
マイクロコンピュータ等のディジタルシステム中に、状
態推定器としてのカルマンフィルタが構築されている。
但し、前記12式に示す二輪モデルは、後輪を操舵可能
とし、更にヨーモーメントを制御可能としたものである
から、本実施形態のように前輪を主として操舵して車両
の横変位を制御する共に、ヨーモーメントを制御して、
前記磁気センサ12の位置における対磁石横方向速度,
つまりセンサ横滑り速度を低減するだけのものの場合に
は前記12式中の後輪舵角δr を零に設定すればよい。
また、後輪舵角を補正しない本実施形態のような場合に
は、前記14式,17式,20式中の定常後輪舵角δr0
や補正後輪舵角Δδrd等を全て“0”に設定すればよい
だけである。また、本実施形態では、前記最適レギュレ
ータ及びカルマンフィルタの説明と同様に、前記12式
からなる状態推定器によって、補正横変位Δyと補正前
輪舵角ΔδfdとからヨーモーメントTr を推定可能な構
成となっている。
13内で実行される本実施形態の演算処理について図7
のフローチャートを用いて説明する。なお、このフロー
チャートでも、特に情報の授受のためのステップを設け
ていないが、第1実施形態と同様に、情報の授受は随時
実行される。また、この演算処理は、第1実施形態と同
様に、例えば10msec. といった予め設定されたサンプ
リング時間ΔT毎にタイマ割込処理として実行される。
す第1実施形態の演算処理のステップS3,S4,S
5,S10,S12,S14の夫々が、ステップS
3’,S4’,S5’,S10’,S12’,S14に
代わっている他は、全て第1実施形態と同様であるの
で、同等のステップには同等の符号を附してその詳細な
説明を省略する。
プS3’では、下記26式に従って定常前輪舵角δf0を
算出する。なお、下記26式の算出原理については後段
に詳述する。また、この定常前輪舵角δf0は、車両の線
形性により、定常後輪舵角δ r0=0としたときの前記1
4式で表れる平衡点周りの状態量と等価である。
ーモーメントTr0を算出する。なお、下記27式の算出
原理についても後段に詳述する。また、この定常ヨーモ
ーメントTr0は、車両の線形性により、定常後輪舵角δ
r0=0としたときの前記14式で表れる平衡点周りの状
態量と等価である。
らの前輪舵角δf のみを読込む。
ィルタによる状態推定と共に、前述のように状態推定器
によって現在のヨーモーメントTr を推定する。また、
ステップS12’では、前記24式に従って目標前輪舵
角δfdを算出すると共に、下記28式に従って目標ヨー
モーメントTrdを算出する。
モーメントTrdに実ヨーモーメントTr を一致させるフ
ィードバック制御の制御信号を創成し出力してからメイ
ンプログラムに復帰する。
ついて説明する。本実施形態のように車両のヨーモーメ
ントを制御する場合の運動方程式は、二輪モデルを用い
て下記29式及び30式で表される。
る。まず、検出される横変位yのノイズ成分について
は、前記第1実施形態での説明と同様であるために、こ
こでの説明を省略する。
で車線追従制御を行い、更に各車輪のトラクションを調
整して車両に発生するヨーモーメントを調整すること
で、前記センサ横滑り速度を低減し、好ましくは零とす
る。このとき、目標とするヨーモーメントTrdには、前
記定常ヨーモーメントTr0を用いて前記センサ横滑り速
度を零に近づけながら車両の挙動を安定させ、一方で前
輪には定常前輪舵角δf0を与えて車線に大まかに追従で
きるようにしながら、更に補正前輪舵角Δδfdを与えて
微小横変位Δyを補正して完全な車線追従を達成する。
つまり、本実施形態の車両でも、理想的な旋回運動とし
て、図8に示すように磁気センサの横滑り速度もヨー角
速度も零であり、一定のヨー角を保ったまま、車両は旋
回する。勿論、センサ横滑り速度は零又は略零となるた
めに、その分だけ、検出される横変位yのノイズ成分が
低減し、結果的に自動操舵制御の正確性が向上する。
は、主として操舵される車輪以外にも、トラクション調
整装置等の横運動量調整装置によってヨーモーメント等
の車両の横運動量を調整可能とすることでセンサ横滑り
速度を低減可能とし、更に車速や車線曲率から、センサ
横滑り速度を零とする目標ヨーモーメント等の目標横運
動量を設定し、この目標横運動量に実際の横運動量が一
致するように横運動量調整装置を制御することにより、
検出される横変位のノイズ成分を効果的且つ大幅に低減
して、制御の正確性を向上することができる。
求項1又4又は5又は6に係る車両の自動操舵装置を実
施化したものであり、前記自動操舵機構が本発明の操舵
アクチュエータを構成し、以下同様に、前記横変位検出
装置及び図7の演算処理のステップS8が横変位検出手
段を構成し、前記舵角センサ3及び図7の演算処理のス
テップS5’が舵角検出手段を構成し、図7の演算処理
のステップS9乃至13が操舵制御手段を構成し、前記
トラクション調整機構が横運動量調整手段を構成し、図
7の演算処理のステップS10’が横運動量検出手段を
構成し、車速センサ4及び図7の演算処理のステップS
1が車速検出手段及び走行状態情報検出手段を構成し、
車線曲率検出装置16及び図7の演算処理のステップS
2が車線曲率検出手段及び走行状態情報検出手段を構成
し、図7の演算処理のステップS4’及びステップS1
4’が横運動量制御手段を構成し、前記トラクション調
整機構及び車速センサ4及び車線曲率検出装置16及び
図7の演算処理のステップS1及びステップS2及びス
テップS4’及びカルマンフィルタ(状態推定器)に相
当するステップS10’及びステップS14’が横滑り
速度低減手段を構成する。
してヨーモーメントを調整する機構を持ち、更に前記図
7の演算処理では、横変位偏差に対する補正ヨーモーメ
ントまで算出可能としながら、横変位偏差の補正に対し
てはヨーモーメントを制御せず、センサ横滑り速度を零
とするための定常ヨーモーメントのみを目標ヨーモーメ
ントに設定したが、勿論、横変位を補正するためにヨー
モーメントを補正してもよい。但し、この場合には、前
記定常ヨーモーメントがセンサ横滑り速度を零とするた
めの値に設定されたのに対して、更に横変位を補正する
ためにこれを補正するのであるから、センサ横滑り速度
の収束性が低下する虞れがあることに留意したい。この
場合には、センサ横滑り速度の出力誤差に対する状態量
の補正か、若しくはセンサ横滑り速度に対する最適レギ
ュレータが必要となろう。
両運動を制御することも勿論可能であるが、制御すべき
状態量が二つだとしたら、制御する入力も二つにしてお
いたほうが、所謂連鎖的な反応を回避して制御の正確性
を確保し易い。
に車線曲率ρを、外部からの情報として読込む場合につ
いてのみ詳述したが、この車線曲率ρは、前述した横変
位やヨーレート,ヨー角,車速等の運動方程式で表れる
ことは周知であるから、これらを用いて推定することも
可能である。
示す車両概略構成図であり、(a)は側面図、(b)は
平面図である。
ク図、(b)は推定された状態量から制御量を出力する
演算装置の一例を示すブロック図である。
理を示すフローチャートである。
ある。
示す車両概略構成図であり、(a)は側面図、(b)は
平面図である。
理を示すフローチャートである。
ある。
明図である。
を検出する説明図である。
の説明図である。
クション調整手段)
Claims (10)
- 【請求項1】 車線に沿って埋設された磁力源を検出す
る磁気センサと、この磁気センサの検出信号から車両の
横変位を検出する横変位検出手段と、前輪又は後輪を操
舵する操舵アクチュエータと、この操舵アクチュエータ
によって操舵される前輪又は後輪の舵角を検出する舵角
検出手段と、前記検出された車両の横変位が目標とする
横変位になるように前記操舵アクチュエータを制御する
操舵制御手段と、前記磁気センサの位置での磁力源に対
する車両の横方向へのセンサ横滑り速度を低減する横滑
り速度低減手段とを備えたことを特徴とする車両の自動
操舵装置。 - 【請求項2】 前記横滑り速度低減手段は、少なくとも
前記操舵アクチュエータで操舵される前輪又は後輪と異
なる後輪又は前輪を補助操舵する補助操舵アクチュエー
タと、車両の走行状態に関する情報を検出する走行状態
情報検出手段と、この走行状態情報検出手段で検出され
た走行状態情報に応じて前記センサ横滑り速度を低減す
るように前記補助操舵アクチュエータを制御する補助操
舵制御手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載
の車両の自動操舵装置。 - 【請求項3】 前記補助操舵アクチュエータで補助操舵
される後輪又は前輪の舵角を検出する補助舵角検出手段
を備えると共に、前記走行状態情報検出手段として、車
速を検出する車速検出手段と、車線の曲率を検出する車
線曲率検出手段とを備え、前記補助操舵制御手段は、前
記車速検出手段で検出された車速及び車線曲率検出手段
で検出された車線曲率に基づいて、前記センサ横滑り速
度を低減するために必要な、前記補助操舵アクチュエー
タで補助操舵される後輪又は前輪の目標とする舵角を設
定し、この目標とする舵角に前記補助舵角検出手段で検
出される舵角が一致するように前記補助操舵アクチュエ
ータを制御することを特徴とする請求項2に記載の車両
の自動操舵装置。 - 【請求項4】 前記補助操舵される後輪又は前輪の目標
とする舵角を、状態推定器で設定することを特徴とする
請求項3に記載の車両の自動操舵装置。 - 【請求項5】 前記状態推定器がカルマンフィルタで構
成されることを特徴とする請求項4に記載の車両の自動
操舵装置。 - 【請求項6】 前記横滑り速度低減手段は、少なくとも
車両に発生する横方向への横運動量を調整可能な横運動
量調整手段と、車両の走行状態に関する情報を検出する
走行状態情報検出手段と、この走行状態情報検出手段で
検出された走行状態情報に応じて前記センサ横滑り速度
を低減するように前記横運動量調整手段を制御する横運
動量制御手段とを備えたことを特徴とする請求項1乃至
5の何れかに記載の車両の自動操舵装置。 - 【請求項7】 前記横運動量調整手段で調整される車両
の横運動量を検出する横運動量検出手段を備えると共
に、前記走行状態情報検出手段として、車速を検出する
車速検出手段と、車線の曲率を検出する車線曲率検出手
段とを備え、前記横運動量制御手段は、前記車速検出手
段で検出された車速及び車線曲率検出手段で検出された
車線曲率に基づいて、前記センサ横滑り速度を低減する
ために必要な、前記横運動量調整手段で調整される車両
の目標とする横運動量を設定し、この目標とする横運動
量に前記横運動量検出手段で検出される横運動量が一致
するように前記横運動量調整手段を制御することを特徴
とする請求項6に記載の車両の自動操舵装置。 - 【請求項8】 前記調整される車両の目標とする横運動
量を、状態推定器で設定することを特徴とする請求項7
に記載の車両の自動操舵装置。 - 【請求項9】 前記状態推定器がカルマンフィルタで構
成されることを特徴とする請求項8に記載の車両の自動
操舵装置。 - 【請求項10】 前記横運動量調整手段が、各車輪のト
ラクションを調整することで車両に発生するヨーモーメ
ントを調整するトラクション調整手段であることを特徴
とする請求項6乃至9の何れかに記載の車両の自動操舵
装置。
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---|---|---|---|
JP11127797A JP3707199B2 (ja) | 1997-04-28 | 1997-04-28 | 車両の自動操舵装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11127797A JP3707199B2 (ja) | 1997-04-28 | 1997-04-28 | 車両の自動操舵装置 |
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ID=14557154
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