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JPH10293015A - 光学検出装置 - Google Patents

光学検出装置

Info

Publication number
JPH10293015A
JPH10293015A JP10344097A JP10344097A JPH10293015A JP H10293015 A JPH10293015 A JP H10293015A JP 10344097 A JP10344097 A JP 10344097A JP 10344097 A JP10344097 A JP 10344097A JP H10293015 A JPH10293015 A JP H10293015A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
total reflection
optical
fingerprint
optical surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10344097A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsunori Ueda
充紀 植田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP10344097A priority Critical patent/JPH10293015A/ja
Publication of JPH10293015A publication Critical patent/JPH10293015A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は光学検出装置に関して、簡易な構成に
より確実に検体を検出する。 【解決手段】入射光を反射し、又は裏面に透過する光学
面を有する光学部品と、光学面に対する入射光又は光学
面において反射される反射光を所定方向の偏光とする偏
光手段と、光学面からの反射光を検出する光検出手段
と、光学部品の光学面の外面側に設けられた一組の透明
薄膜電極と、一組の透明薄膜電極間における電気特性を
測定する電気測定手段とを備え、一組は透明薄膜電極に
同時に接触するように検体を光学面の外面側において接
触させると共に、光学面に対して全反射条件を満たす入
射角にて入射光を照射し、当該入射光又は光学面におけ
る反射光を偏光手段によつて所定方向の偏光とすること
により、光学面において透明薄膜電極のある領域とない
領域とにおける反射光強度を同レベルとすることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【目次】以下の順序で本発明を説明する。
【0002】発明の属する技術分野 従来の技術(図3、図5〜図7) 発明が解決しようとする課題(図3、図8及び図9) 課題を解決するための手段 発明の実施の形態(図1〜図4) (1)第1の実施の形態(図1〜図3) (1−1)指紋検出装置の構成(図1及び図2) (1−2)透明電極 (1−3)第1の実施の形態の動作(図3) (1−4)第1の実施の形態の効果 (2)第2の実施の形態(図3及び図4) (3)他の実施の形態 発明の効果
【0003】
【発明の属する技術分野】本発明は光学検出装置に関
し、例えば人の指紋の形状を指先表面からの反射光をも
とに画像処理して、これにより得られる指紋画像をもと
に指紋照合する際に用いる光学検出装置に適用して好適
なものである。
【0004】
【従来の技術】従来、プリズムの反射を用いた図5に示
すような指紋検出装置1が提案されている。この指紋検
出装置1を用いて指紋を検出する場合、図6に示すよう
に、まず直角プリズム2の斜辺の全反射面2Aの外面側
に指紋の検出対象となる検体である指先Fを接触させて
おき、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)3等
の光源から照射される照明光L1を断面が二等辺三角形
でなる直角プリズム2の一方の2等辺にある入射面2B
より入射する。このとき直角プリズム2に入射される照
明光L1は、コリメータレンズ4を介することによつて
平行光に成形され全反射面2Aに対して全反射条件を満
たすような角度で入射される。
【0005】実際、指紋の検出は、直角プリズム2の全
反射面2Aの外面側に指先Fを接触させた状態で照明光
L1を照射することにより全反射面2Aにおいて得られ
る反射光を直角プリズム2の2等辺のもう一方の出射面
2Cより出射光L2として取り出し、結像光学系5を介
して光検出手段であるCCD(Couple Charged Device)
6等に集光してその反射光L2を光電変換によつて反射
光の強度に応じた電気信号に変換して取り出す。そして
CCD6によつて検出された電気信号に基づいて画像処
理部7において作成される指紋の画像をもとにパターン
マツチング等の手法を用いて指紋照合するようになされ
ている。
【0006】この場合、反射光による指紋検出の原理
は、全反射面2Aの反射率が界面の媒質に依存すること
を用いている。すなわち指先Fの表面と直角プリズム2
の全反射面2Aとの界面においては、指先Fからでる汗
の屈折率が空気に比べて大きいことより、全反射条件を
満たすように入射された光の界面における全反射条件が
くずれる。この結果、全反射面2Aの外面側に接触して
いない指紋FPの凹部では光が多く反射されるのに比し
て指紋FPの凸部からの反射は極めて小さくなる。指紋
検出は、このように全反射面2Aの外面側に接触された
凸部と全反射面2Aの外面側に接触されていない凹部と
で全反射面2Aからの反射光強度に差が生じることを利
用している。
【0007】因みにこの場合の全反射条件は、次式
【0008】
【数1】
【0009】によつて表される入射角θi 以上の角度で
光線がプリズム内から空気中に向かつ出射されたとき、
全ての光線が界面で反射されるための条件である。この
ときの入射角θi を臨界角という。ここでは空気の屈折
率をnair 、またプリズムの材質である光学ガラスの屈
折率をnglass としている。
【0010】例えば直角プリズム2の材質としてBK7
を用いる場合、BK7の屈折率nglass は約1.5 である
ので出射側の媒質が空気であるとすると、(1)式から
臨界角が42.1度と算出される。これにより直角プリズム
2の全反射面2Aに対して42.1度以上の入射角で入射さ
れる光は全て反射されることになる。この場合、全反射
面2Aの反射率は界面の媒質に依存するため出射側の媒
質が汗になると、汗の主成分であるグリセリンエステル
の屈折率nsweat は約1.4 であることから次式
【0011】
【数2】
【0012】より全反射条件の臨界角は約67度となるこ
とがわかる。ここでは汗の屈折率をnsweat 、またプリ
ズムの材質である光学ガラスの屈折率をnglass として
いる。
【0013】これにより出射側の媒質が空気であるとき
の臨界角よりもさらに大きな入射角でないと全反射面2
A上において全反射が起きないことになる。このような
検出原理によつて、CCD6の1ライン9Aにより読み
取られる信号出力S1は図7に示すようになり、これに
より全反射面2Aに接触される指紋FPの凹部と凸部を
識別することができる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで上述したよう
な光学的な検出手段を用いた指紋検出装置1において
は、例えばウレタンやラテツクス等によつて作成したゴ
ム製の疑似指や或いはゼログラフイー方式によりトナー
のインクが盛り上がつて定着されるようなコピー装置を
用いてコピーした指紋を本物の人の指紋として誤認識す
るという問題があつた。
【0015】このため指紋を読み取るときには光学的な
検出手段を用いる指紋の読み取りに加えて読み取つたも
のが実際に人の指先のものであるか否かを検出するため
の生体検出手段を併用することが考えられている。
【0016】この場合、生体検出手段は指紋の形状をも
つている検体が人の指先、つまり生体の一部であるか否
かを判別するために、その検体から誘電率や抵抗値の変
化等の電気特性を検出することが有効な方法として考え
られている。
【0017】ところで図8(A)に示すように、指紋の
読み取り面である直角プリズム2の全反射面2Aに電気
特性を検出するための透明電極8を設けた場合、透明電
極8を形成した部分と透明電極のない部分とにおける全
反射による光量はあまり変わらない。この結果、CCD
6によつて読み取られる信号出力S1は図8(B)に示
すように透明電極8を設けた領域と透明電極8を設けて
いない領域とでほとんど変わらない。
【0018】ところが全反射面2Aに指先Fを接触させ
た場合、透明電極材料の屈折率とプリズム材料の屈折率
とに違いがあることにより図3の比較例1に示すよう
に、電極の設けられた部分と設けられていない部分とで
指紋の凸部の反射率に著しい変化が生じる。この結果、
図9(A)及び図9(B)に示すように、CCD6より
出力される信号出力は透明電極8のない領域では指紋F
Pの凹部に対応する部分の出力レベルに対して指紋FP
の凸部に対応する信号出力S1の出力レベルがほぼ0に
近いのに比して(図中、9Dとして示す)、透明電極8
のある領域においては指紋FPの凸部に対応する信号出
力S1の出力レベル(図中、9Eとして示す)が大きく
なり、信号出力の振幅が小さくなる。このため例えば2
値化信号処理の際には透明電極8側に対応する小さい振
幅に対して2値化の基準値を設定しなくてはならず、こ
のため透明電極を設けた指紋検出装置1においては、指
紋検出の実効感度が低下するという問題がある。
【0019】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、簡易な構成により確実に検体を検出し得る光学検出
装置を提案しようとするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め本発明においては、入射光を反射し、又は裏面に透過
する光学面を有する光学部品と、光学面に対する入射光
又は光学面において反射される反射光を所定方向の偏光
とする偏光手段と、光学面からの反射光を検出する光検
出手段と、光学部品の光学面の外面側に設けられた一組
の透明薄膜電極と、一組の透明薄膜電極間における電気
特性を測定する電気測定手段とを備え、一組の透明薄膜
電極に同時に接触するように光学面の外面側に検体を接
触させると共に、光学面に対して全反射条件を満たす入
射角にて入射光を照射し、当該入射光又は光学面におい
て反射される反射光を偏光手段によつて所定方向の偏光
とすることにより、一組の透明薄膜電極によつて検体の
電気特性を検出するときに、同時に検出する光学面から
の反射光の反射率を透明薄膜電極がある領域とない領域
とに寄らず同レベルで検出することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下図面について、本発明の一実
施の形態を詳述する。
【0022】(1)第1の実施の形態 (1−1)指紋検出装置の構成 図5との対応部分に同一符号を付して示す図1におい
て、10は全体として指紋検出装置を示し、光源である
LED3から照射される照明光L1をコリメータレンズ
4を介して平行光とした後、当該平行光を光源とプリズ
ム間の所定位置に配設した偏光板11を通過させ透過光
をP偏光として、断面が二等辺三角形でなる直角プリズ
ム12に対して二等辺の一方にある入射面12Bから直
角プリズム12の斜面にある全反射面12Aに対して全
反射条件を満たす入射角で入射する。
【0023】この場合、偏光板11は透過光の磁場の方
向ベクトルが全反射面12Aに対して垂直な方向、すな
わち図中紙面に対して垂直方向に向くように配設する。
これにより直角プリズム12に入射される照明光L1を
P偏光とすることができる。
【0024】因みに光は電磁波であり反射屈折時に境界
面の誘電率差の影響を受け入射面内振動方向の光(P
(Parallel)偏光)はそれに対して垂直方向の光(S(S
enkrecht)偏光)に比較して一般に弱くなる。すなわち
光を反射面に対して斜入射させたときにP偏光とS偏光
の強度は一般に等しくなく、またこのときの強度差は表
面材質の屈折率(又は誘電率)によつて異なる。ここで
入射面とは入射光及び境界面の垂線を含む面のことであ
る。
【0025】このとき直角プリズム12の全反射面12
Aの外面側に検出対象となる指紋FPを有する検体、指
先Fを接触させておく。この結果、全反射面12Aにお
いて反射される照明光L1の反射光L20には指紋FP
の凹凸形状に応じた強度差が生じる。
【0026】直角プリズム12の全反射面12Aにおい
て反射された反射光L20は、直角プリズム12の2等
辺の他方の出射面12Cより出射され結像光学系5によ
つて全反射面12A上の像がCCD6の検光部に焦点を
結ぶように結像される。
【0027】CCD6は、反射光L20を電気信号S1
に光電変換して画像処理部7に送出する。画像処理部7
は、電気信号S1に基づいて反射光L20の強度分布に
応じた指紋FPの2値画像を作成する。さらにこの画像
処理部7においては、画像処理によつて得られる指紋F
Pの2値画像を用いて例えばパターンマツチングの手法
により検出した指紋FPを既に登録されている所定の指
紋パターンと照合するようになされている。
【0028】一方図2に示すように、直角プリズム12
の全反射面12Aの外面側には指先Fを接触させる部分
に対応した領域に膜厚がほぼ一様な(例えば330 〔nm〕
程の)薄膜でなる面状の透明電極13(13A及び13
B)が非接続の状態で一組設けられている。透明電極1
3A及び13Bは、それぞれ導線14を通じて生体検出
装置(図示せず)に接続されている。ここで例えば人の
指先Fが両方の透明電極13A及び13Bに同時に接触
されると、指先Fの表面に付着する汗等によつて透明電
極13A及び13B間の誘電率(又は抵抗値)が変化す
る。生体検出装置は、この誘電率の変化を検出し、当該
検出結果に基づいて透明電極13A及び13Bに接触し
たものが人の指先Fのような生体の一部であるか否かを
判別し得るようになされている。
【0029】(1−2)透明電極 全反射面12A上に形成する透明電極13は、ITO膜
と呼ばれる導電性の薄膜である。ITO膜は、まず例え
ば材質をBK7(ホウケイ酸クラウンガラス)とする直
角プリズム12の表面を330 〔℃〕に加熱し、酸化イン
ジウム(In23 )に錫(Sn)を5〜10〔%〕添加
し、酸素を反応性ガスとして真空蒸着法によつて成膜す
ることができる。
【0030】本実施の形態においては、プリズムの全反
射面12Aの外面に形成したITO膜の外側表面にさら
に真空蒸着法によつて弗化マグネシウム(MgF2 )を
成膜する。この場合、ITO膜及び弗化マグネシウム膜
の膜厚はそれぞれ例えば330〔nm〕及び50〔nm〕の膜厚
に成膜する。このようにITO膜によつて形成される透
明電極13の表面をさらに硬い弗化マグネシウム膜等の
保護膜によつて覆うようにしたことにより、プリズムを
形成するガラスに湿気が侵入するのを未然に防止してプ
リズムの材質であるガラスのもつ特有の化学変化(や
け)を防止し耐天候性を向上し得る。
【0031】因みにプリズムの材質として選ばれるBK
7は、光学ガラスの中で最も安価であり、かつ化学的特
性に優れていると共に、硬い材料であるため傷がつきに
くい。さらに350 〔nm〕より長い波長の光線に対する透
過性が優れている等の特性をもつている。
【0032】(1−3)第1の実施の形態の動作 以上の構成において、人の指先Fの指紋FPを検出する
場合、まず直角プリズム12の全反射面12Aの外面側
に指先Fを接触させる。そしてLED3から照射される
照明光L1をコリメータレンズ4を介して平行光に成形
して透過光をP偏光とするように配設された偏光板11
を透過させる。
【0033】次にこのP偏光された照明光L1を直角プ
リズム12の入射面12Bから全反射面12Aに対して
全反射条件を満たす入射角で入射する。
【0034】この場合、全反射面12Aの外面側に指先
Fが接触されていないときは直角プリズム12に入射さ
れる入射光L1は全反射面12Aの全ての領域において
全反射される。
【0035】また直角プリズム12の全反射面12Aの
外面側に指先Fが接触されている場合、指先Fの凸部と
全反射面12Aとの界面における汗等によつて生ずる屈
折率が空気に比べて大きいことにより、全反射条件がく
ずれ、これにより指紋FPの凸部からの反射率が極めて
小さくなる。
【0036】この結果、指先Fの指紋FPのもつ凹凸形
状に応じて反射光の強度が変化し、これをCCD6によ
つて検出することにより指紋FPの凹凸形状に応じた信
号出力を得ることができる。
【0037】さらにこの場合、LED3より照射される
ランダム偏光の照明光L1が偏光板11によつてP偏光
されることにより、直角プリズム12に入射された照明
光L1の内、反射及び屈折によつて強められるS偏光成
分が取り除かれ、これにより透明電極13の設けられた
領域及び透明電極13のない領域のいずれにおいても全
反射面12Aに接触する指紋FPの凸部から一定レベル
の反射光L20の強度を得ることができる。
【0038】このようにして直角プリズム12の全反射
面12Aの外面側において反射された反射光L20は直
角プリズム12の出射面12Cより取り出され、結像光
学系5を介してCCD6の検出部上に合焦される。この
結果、全反射面12Aの外面側に接触されている指紋F
Pの凹凸形状の情報を含むP偏光された反射光L20を
CCD6に送出することができる。さらにCCD6にお
いて検出された電気信号S1を画像処理部7に送出し、
画像処理することによつて指紋FPの凹凸形状に応じた
画像情報を得ることができる。
【0039】またこのとき同時に透明電極13A及び1
3Bに接触される指先Fによる誘電率変化を生体検出装
置(図示せず)によつて検出することによつて、当該検
出結果に基づいて全反射面12Aに接触されているもの
が人のものであるか否かを判別することができる。
【0040】このように生体検出装置によつて検出され
た結果と画像処理部7において検出された指紋FPの画
像情報とを用いて指紋照合及び指紋FPを有するものが
実際に人の指先であるか否かを同時に判別することがで
きる。
【0041】この指紋検出装置10は、当該指紋検出装
置10による指紋照合の結果に基づいて例えばドアの開
閉を制御するようなスイツチの判別手段として用いるこ
とができる。
【0042】この場合、図3の実施の形態1に示すよう
に、第1の実施の形態においては、全反射面12Aの透
明電極13A及び13Bの設けられた薄膜部での指紋F
Pの凹部及び凸部の反射率はそれぞれ、100 〔%〕及び
0.07〔%〕であり、また薄膜の設けられていない非薄膜
部における指紋FPの凹部及び凸部の反射率はそれぞ
れ、100 〔%〕及び0.03〔%〕で、薄膜部及び非薄膜で
ほぼ同じ様な反射率の傾向をもつていることが確認し得
る。
【0043】因みにプリズムの入射面及び出射面には反
射防止膜を形成しても良い。これにより入射光強度及び
反射光強度の低下を未然に防止し得る。この場合、全反
射面12Aのコーテイングは特に必要ないが、反射面に
ごみ等の異物が付着すると、その屈折率の影響により全
反射の条件を満たさなくなりプリズム外に光がもれ出る
場合がある。この場合、金属のような光吸収の大きな膜
をつけると反射光の強度が低下することになるが、誘電
体のような光吸収の極めて小さな材料からなる膜をつけ
た場合は、膜がある部分も膜がない部分も全反射する光
の強度は変わらない。そこで反射面に誘電体のような吸
収の極めて小さい膜によるコーテイングを施すようにし
ても良い。
【0044】(1−4)第1の実施の形態の効果 以上の構成によれば、全反射面12Aに対して入射する
照明光L1を偏光板11によつてP偏光とすることによ
り、指紋FPの凸部の反射光L20からS偏光成分を取
り除いて全反射面12Aに接触する検体の凸部の反射率
を透明電極13のある領域とない領域とで同じレベルと
することができる。これによりCCD6により出力され
る電気信号S1の出力振幅を十分に大きくし得、かくし
て画像処理部7における2値化信号処理の際の実効感度
を向上させて指紋検出を容易にし得る。
【0045】(2)第2の実施の形態 図4において20は第2の実施の形態による指紋検出装
置を示し、光源とプリズムの入射面12Bとの間に偏光
板がない代わりに検出側にプリズムの全反射面12Aか
らの反射光L20をP偏光とするように偏光板21が設
けられていること以外は第1の実施の形態と同様の構成
をなしている。
【0046】すなわち光源3より照射される照明光L1
は直角プリズム12の全反射面12Aによつて全反射さ
れ出射面12Bより出射された後、偏光板21によつて
P偏光とした後、結像光学系5を通じてCCD6上に合
焦する。すなわち偏光板21を全反射面12Aからの反
射光L20の磁場の方向ベクトルが図中紙面に対して垂
直な方向に向くように配設する。これにより全反射面1
2AからはS偏光成分が取り除かれた反射光L20が得
られ、かくしてCCD6において、全反射面12A上に
指先Fが接触された場合に得られる反射光強度を透明電
極13A及び13Bのある部分とない部分とにかかわら
ず一定の強度で検出することができる。
【0047】この場合、図3の実施の形態2に示すよう
に、第1の実施の形態と同様に全反射面12Aの透明電
極13A及び13Bの設けられた薄膜部での指紋FPの
凹部及び凸部の反射率はそれぞれ、100 〔%〕及び0.07
〔%〕であり、また薄膜の設けられていない非薄膜部に
おける指紋FPの凹部及び凸部の反射率はそれぞれ、10
0 〔%〕及び0.03〔%〕で、薄膜部及び非薄膜でほぼ同
じ様な反射率の傾向をもつていることが確認し得る。
【0048】以上の構成によれば、全反射面12Aから
の反射光L20を偏光板21によつてP偏光とすること
により、検体の凸部の反射光L20からS偏光成分を取
り除いて凸部の反射率を透明電極13のある領域とない
領域とで同じレベルとすることができる。これにより上
述の第1の実施の形態と同様の効果を得ることができ
る。
【0049】(3)他の実施の形態 なお上述の実施の形態においては、照明光L1からP偏
光成分を取り出すために、偏光板を用いた場合について
述べたが、本発明はこれに限らず、例えば半導体レーザ
装置を用いて光源光より出射する照明光L1の偏光面が
プリズムの入射に対してP偏光とするように照明光L1
の偏光方向を設定して全反射面に対して入射させるよう
にしても良い。この場合、半導体レーザ装置から照射さ
れるレーザ光は出射時に高度に偏光されているので、こ
れにより偏光板を用いることなくP偏光成分を得ること
ができ、かくして照明光L1の偏光方向を一意に選ぶこ
とによつて透明電極を設けた全反射面に指先Fを接触さ
せた状態においても、屈折率の異なる全反射面上の各領
域に無関係にほぼ一定の反射率を得ることができ、上述
の第1及び第2の実施の形態と同様の効果を得ることが
できる。
【0050】因みに図3の比較例2に示すように、プリ
ズムに対する入射光の偏光がS偏光となるように配設し
た半導体レーザ装置より照射される照明光をプリズムの
全反射面12Aの薄膜部及び非薄膜部に対して入射した
場合、全反射面12AにS偏光を照射すると指先Fの凸
部の接触された部分の反射率は薄膜部及び非薄膜でそれ
ぞれ15.8〔%〕及び1.61〔%〕となり、比較例1に比し
てもさらに指紋FPの凸部の反射率が高くなることが容
易に確認し得る。
【0051】また上述の実施の形態においては、光源を
LED3又は半導体レーザ装置とした場合について述べ
たが、本発明はこれに限らず、光源は太陽光や白熱灯等
を用いても良く、この場合、照明光はフイルタ等を用い
て所定の波長として照射すれば上述の実施の形態と同様
の効果を得ることができる。
【0052】また上述の実施の形態においては、照明光
L1を全反射させる光学素子として直角プリズム12を
用いた場合について述べたが、本発明はこれに限らず、
入射光を全反射させる条件を満たしていれば他のプリズ
ムを用いても良く、これにより上述の実施の形態と同様
の効果を得ることができる。
【0053】また上述の実施の形態においては、プリズ
ムの材質としてBK7を用いた場合について述べたが、
本発明はこれに限らず、光学ガラスであれば良くまたプ
ラスチツク材質のものでも良い。さらにプリズムの材質
がプラスチツクの場合においても、ITO膜及び二酸化
ケイ素膜等によつて表面をコーテイングすれば、上述の
実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0054】また上述の実施の形態においては、検体を
接触させる光学部品をプリズムとした場合について述べ
たが、本発明はこれに限らず、例えばフアイバーオプテ
イツクプレート(FOP(Fiber Optic Plate))を用い
ても良い。この場合、FOPの胴部を斜めに切断した端
面を光学面としてFOPの側面側から入射光を端面に対
して全反射条件を満たすように入射させてその反射光を
FOPの端部より直接CCDに入射させるようにする。
【0055】さらに光学面に対しては必ずしも全反射条
件をみたすように入射光を入射させずとも光検出に十分
な光量を取り出すことができれば良い。
【0056】また上述の実施の形態においては、偏光素
子として偏光板11又は21を用いた場合について述べ
たが、本発明はこれに限らず、例えば偏光ビームスプリ
ツタ等を用いても良い。
【0057】また上述の実施の形態においては、透明電
極13としてITO膜を用いた場合について述べたが、
本発明はこれに限らず、透明な薄膜電極であれば良い。
【0058】また上述の実施の形態においては、一組の
透明電極13A及び13Bを用いた構成とした場合につ
いて述べたが、本発明はこれに限らず、例えば4端子を
用いたブリツジによつて誘電率又は抵抗値を測定するよ
うにしても良い。
【0059】さらに上述の実施の形態においては、指紋
検出装置による検出対象として人の指先Fの指紋FPと
した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、検
出対象の指紋FPは手の指先Fに限ることなく、足の指
紋FPでも良く、また指紋FPは人の指紋FPに限らず
広く動物一般に適用し得る。さらに検出対象とするもの
は指紋FPに限らず凹凸形状を有する生体の一部分につ
いて、プリズムの全反射面との接触によつて反射光に対
して所定の強度変化を生じさせるような一定の凹凸形状
を有するものであればよい。
【0060】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、光学部品
の光学面の外面側に接触されている検体の電気特性を検
出することができると同時に、光学面に対する入射光又
は光学面上における反射光を所定方向の偏光とすること
により、光学面における反射光強度を透明薄膜電極があ
る領域とない領域とのいずれにおいても同レベルにする
ことができ、かくして光学面の外面側に接触する検体の
情報を含む反射光の検出を容易にし得る光学検出装置を
実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による検出装置の第1の実施の形態を示
す略線的ブロツク図である。
【図2】透明電極を設けたプリズムの構成を示す略線図
である。
【図3】本発明による検出装置の第2の実施の形態を示
す略線的ブロツク図である。
【図4】従来の指紋検出装置のを示す略線的ブロツク図
である。
【図5】プリズム内の全反射を用いた指紋の読み取りの
説明に供する略線図である。
【図6】指紋から検出される信号出力の説明に供する略
線図及び信号波形図である。
【図7】透明電極が設けられたプリズムの反射光による
信号出力の説明に供する略線図(図7(A))及び信号
波形図(図7(B))である。
【図8】指紋検出装置によつて検出される反射率の説明
に供する略線図である。
【図9】指紋から検出される信号出力の説明に供する略
線図(図9(A))及び信号波形図(図9(B))であ
る。
【符号の説明】
1、10、20……指紋検出装置、2、12……直角プ
リズム、3……LED、4……コリメータレンズ、5…
…結像光学系、6……CCD、7……画像処理部、8、
13A、13B……透明電極、11、21……偏光素
子。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入射光を反射し、又は裏面に透過する光学
    面を有する光学部品と、 上記光学面に対する上記入射光又は上記光学面において
    反射される反射光を所定方向の偏光とする偏光手段と、 上記光学面からの反射光を検出する光検出手段と、 上記光学部品の上記光学面の外面側に設けられた一組の
    透明薄膜電極と、 上記一組の透明薄膜電極間における電気特性を測定する
    電気測定手段とを具え、検体を上記一組の透明薄膜電極
    に同時に接触するように上記光学面の外面側に接触させ
    ると共に、上記光学面に対して全反射条件を満たす入射
    角にて上記入射光を照射することを特徴とする光学検出
    装置。
  2. 【請求項2】上記偏光手段は、 上記光学面に対する上記入射光又は上記光学面における
    上記反射光の少なくともいずれか一方をP偏光とする偏
    光素子を具えることを特徴とする請求項1に記載の光学
    検出装置。
  3. 【請求項3】上記偏光手段は、 上記光学面に対する上記入射光を上記光学面に対してP
    偏光とするように配設した半導体レーザ装置を具えるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の光学検出装置。
  4. 【請求項4】上記電気測定手段は、 上記一組の透明薄膜電極間において上記検体の誘電率又
    は抵抗値を測定する電気測定手段であることを特徴とす
    る請求項1に記載の光学検出装置。
  5. 【請求項5】上記透明薄膜電極は、 上記透明薄膜電極の外側表面を被膜する硬い薄膜を有す
    ることを特徴とする請求項1に記載の光学検出装置。
  6. 【請求項6】上記光学面は、 上記入射光を全反射するように配設されることを特徴と
    する請求項1に記載の光学検出装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002014210A (ja) * 2000-06-28 2002-01-18 Asahi Optical Co Ltd 側方視型内視鏡に用いられる直角ダハプリズム
KR101525767B1 (ko) * 2013-08-13 2015-06-04 포톤데이즈(주) 광 스캔에 의한 필름 소자의 전기 특성의 측정 장치 및 그 측정 방법
WO2023181669A1 (ja) * 2022-03-25 2023-09-28 浜松ホトニクス株式会社 エンコーダ用光モジュール、エンコーダ、及びエンコーダ用光モジュールの製造方法

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