[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JPH10299557A - 内燃機関の燃料噴射装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射装置

Info

Publication number
JPH10299557A
JPH10299557A JP9200601A JP20060197A JPH10299557A JP H10299557 A JPH10299557 A JP H10299557A JP 9200601 A JP9200601 A JP 9200601A JP 20060197 A JP20060197 A JP 20060197A JP H10299557 A JPH10299557 A JP H10299557A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel
pressure
fuel injection
abnormality
amount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9200601A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3796912B2 (ja
Inventor
Yuichi Sotozono
祐一 外薗
Genichi Murakami
元一 村上
Tomihisa Oda
富久 小田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP20060197A priority Critical patent/JP3796912B2/ja
Priority to DE1998609614 priority patent/DE69809614T2/de
Priority to EP19980102970 priority patent/EP0860601B1/en
Publication of JPH10299557A publication Critical patent/JPH10299557A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3796912B2 publication Critical patent/JP3796912B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/22Safety or indicating devices for abnormal conditions
    • F02D41/221Safety or indicating devices for abnormal conditions relating to the failure of actuators or electrically driven elements
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/30Controlling fuel injection
    • F02D41/38Controlling fuel injection of the high pressure type
    • F02D41/3809Common rail control systems
    • F02D41/3827Common rail control systems for diesel engines
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/22Safety or indicating devices for abnormal conditions
    • F02D2041/224Diagnosis of the fuel system
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D2200/00Input parameters for engine control
    • F02D2200/02Input parameters for engine control the parameters being related to the engine
    • F02D2200/06Fuel or fuel supply system parameters
    • F02D2200/0602Fuel pressure
    • F02D2200/0604Estimation of fuel pressure
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D2200/00Input parameters for engine control
    • F02D2200/02Input parameters for engine control the parameters being related to the engine
    • F02D2200/06Fuel or fuel supply system parameters
    • F02D2200/0606Fuel temperature

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 広い範囲で燃料圧力が変動する場合にも燃料
噴射系統の正確な異常検出を行うことを可能とする。 【解決手段】 高圧燃料噴射ポンプ5からコモンレール
3に高圧燃料を供給し、コモンレールから各燃料噴射弁
1に燃料を供給する。制御回路(ECU)20は、燃料
圧力センサ31で検出したコモンレール燃料圧力に基づ
いて燃料の体積弾性係数を算出するとともに、この体積
弾性係数と燃料噴射量とに基づいて燃料噴射前後のコモ
ンレール内圧力変動を推定する。そして、燃料圧力セン
サで実際に検出した圧力変動と推定した圧力変動との差
が大きい場合には燃料噴射系統の異常と判定する。この
ため、燃料圧力が広い範囲で変動する場合にもそれぞれ
の圧力に応じた体積弾性係数が使用され、正確な判定が
行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関の燃料噴射
装置に関し、詳細には燃料噴射系統の異常を検出する手
段を備えた燃料噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】高圧燃料ポンプから共通の蓄圧室(コモ
ンレール)に燃料を供給し、この蓄圧室に各気筒毎の燃
料噴射弁を接続して蓄圧室内の高圧燃料を各気筒に噴射
する、いわゆるコモンレール式の燃料噴射装置が知られ
ている。また、コモンレール式の燃料噴射装置におい
て、燃料噴射弁のスティックやコモンレールの燃料洩れ
等の燃料噴射系統の異常を検出する異常検出手段を備え
たものとしては、例えば特開平8−4577号公報に記
載されたものがある。
【0003】同公報の装置では、コモンレール内の燃料
圧力を検出する圧力センサを設け、燃料噴射弁からの燃
料噴射開始前と終了後のコモンレール内燃料圧力の差、
すなわち燃料噴射によるコモンレール内の圧力降下を実
測している。また、同公報の装置は、更に機関運転状態
に基づいて燃料噴射開始前と終了後のコモンレール内の
燃料圧力を推定し、上記圧力降下の実測値と圧力降下の
推定値との間の偏差が予め定めた判定値より大きいとき
に燃料噴射系統に異常が生じたと判定する異常検出手段
を備えている。
【0004】すなわち、上記装置では、内燃機関の運転
状態(負荷)から1回の燃料噴射における噴射量Qを算
出し、この燃料噴射量Qを用いて燃料噴射前後のコモン
レール内燃料圧力降下推定値ΔPを、ΔP=(K/V)
×Qとして算出する。ここで、上記式中のKは燃料の体
積弾性係数、Vはコモンレール容積、コモンレールまで
の高圧供給配管容積、コモンレールから燃料噴射弁まで
の配管容積を含む高圧部容積であり、KとVとは一定値
とされる。すなわち、燃料噴射前後のコモンレール圧力
降下は圧力降下検出期間内にコモンレールから流出する
燃料量に比例することになる。従って、実際に燃料噴射
前後にコモンレールから流出した燃料量がQに等しけれ
ば、燃料噴射前後のコモンレール圧力降下実測値は上記
推定値ΔPに等しくなるはずである。このため、コモン
レール内圧力降下の実測値と推定値ΔPとの差が所定の
判定値以上である場合、例えば実際の圧力降下が推定値
ΔPよりある程度以上大きい場合には、実際には燃料噴
射量の指令値Qより多くの量の燃料がコモンレールから
流出しているため、燃料噴射弁が開弁状態でスティック
した等の異常が生じていると判定することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記特開平
8−4577号公報の装置では運転中にコモンレール内
の燃料圧力が大幅に変化すると正確な異常判定ができな
くなる問題が生じる。すなわち、上記公報の装置では圧
力降下推定値ΔPを算出する際に体積弾性係数Kを燃料
圧力にかかわらず一定であると仮定している。ところ
が、実際には体積弾性係数Kは燃料圧力や燃料温度に応
じて変化するため、コモンレール内の燃料圧力が大幅に
変化するような場合には、燃料噴射量Qが同一であって
も高圧時における圧力降下と低圧時における圧力降下と
が異なってくる。例えば、後述するように燃料の体積弾
性係数Kは高圧になるほど大きくなるため、燃料噴射量
Qが同一に維持されていても燃料噴射前後のコモンレー
ル内圧力降下はコモンレール内の圧力が高いほど大きく
なる。従って、体積弾性係数Kを一定値として圧力降下
推定値ΔPを計算していると、コモンレール内圧力によ
っては正確な異常検出をできない場合が生じるのであ
る。
【0006】しかも、コモンレール式燃料噴射装置では
燃料噴射量と噴射率との両方を制御するために燃料噴射
弁開弁時間に加えて燃料噴射圧力(コモンレール内燃料
圧力)を運転状態に応じて変化させる制御を行うものが
あり、この場合にはコモンレール内燃料圧力は極めて大
きな範囲で変化する(例えば運転状態に応じてコモンレ
ール内圧力を10MPaから150MPa程度の範囲で
変化させるコモンレール式燃料噴射装置も使用されてい
る)。このような燃料噴射装置では、運転状態に応じて
コモンレール内の燃料の体積弾性係数も大きな範囲で変
化することになり、体積弾性係数を一定値に固定してい
たのでは上記公報の方法では異常検出を行うことが不可
能になるおそれがある。
【0007】本発明は、上記問題に鑑み燃料圧力が広い
範囲で変動するような場合にも燃料系統の異常を正確に
検出することができる手段を提供することを目的として
いる。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、内燃機関に所定のタイミングで燃料を噴射する
燃料噴射弁と、該燃料噴射弁が接続される、加圧燃料を
貯留する蓄圧室と、該蓄圧室内の燃料圧力が所定値にな
るように所定のタイミングで蓄圧室に燃料を圧送する燃
料ポンプと、前記蓄圧室内の実際の燃料圧力を検出する
圧力検出手段と、前記蓄圧室内の燃料の圧力または温度
の少なくとも一方に基づいて、燃料の体積弾性係数を検
出する手段と、前記検出した体積弾性係数と内燃機関の
運転条件とに基づいて、前記燃料噴射弁からの燃料噴射
前後の前記蓄圧室内の燃料圧力変動、若しくは前記燃料
ポンプからの燃料圧送前後の前記蓄圧室内の燃料圧力変
動、の少なくとも一方を推定する圧力変動推定手段と、
該圧力変動推定手段により推定された燃料噴射前後の圧
力変動の推定値と前記圧力検出手段により検出された燃
料噴射前後の燃料圧力変動の実測値との偏差、若しくは
前記圧力変動推定手段により推定された燃料圧送前後の
圧力変動の推定値と前記圧力検出手段により検出された
燃料圧送前後の圧力変動の実測値との偏差、の少なくと
も一方に基づいて燃料噴射系統の異常を検出する異常検
出手段を備えた内燃機関の燃料噴射装置が提供される。
【0009】すなわち、請求項1の発明では、燃料の体
積弾性係数は一定値に固定せず蓄圧室内の燃料圧力また
は燃料温度の少なくとも一方に基づいて算出される。こ
のため、コモンレール内燃料圧力や温度が運転条件によ
って大幅に変化するような場合にも、体積弾性係数は実
際の燃料圧力や温度条件に対応した値となる。また、本
発明では燃料噴射開始前と終了後のコモンレール内圧力
変動(圧力降下)と、燃料圧送開始前と終了後のコモン
レール内圧力変動(圧力上昇)とのうちいずれか一方ま
たは両方について、上記の体積弾性係数を用いて圧力変
動推定値を算出する。このため、算出された圧力変動推
定値は実際の燃料状態に対応した正確な値となり、圧力
変動推定値と圧力変動実測値との偏差に基づいて正確に
異常を検出することが可能となる。
【0010】また、請求項2に記載の発明によれば、請
求項1の発明において前記圧力変動推定手段は、前記圧
力検出手段により検出された燃料圧力、燃料温度、機関
回転数、燃料噴射弁開弁時間のうち少なくとも一つに基
づいて、蓄圧室から燃料タンクに返戻されるリターン燃
料の量を算出するリターン燃料量算出手段を備え、前記
リターン燃料量と、内燃機関の運転条件により定まる燃
料噴射弁からの燃料噴射量とから前記燃料噴射前後の燃
料圧力変動を推定し、前記リターン燃料と、内燃機関の
運転条件により定まる燃料ポンプからの燃料圧送量とか
ら前記燃料圧送前後の燃料圧力変動を推定する、請求項
1に記載の燃料噴射装置が提供される。
【0011】すなわち、請求項2の発明では、燃料噴射
量や燃料圧送量以外にコモンレール内の実際の圧力変動
に影響を与える要因としてリターン燃料量を考慮する。
リターン燃料量は燃料圧力、燃料温度、機関回転数、燃
料噴射時間等の各条件に応じて変化するため、本発明で
はこれらの条件のうち少なくとも一つに応じてリターン
燃料量を算出する。このように、燃料噴射量や燃料圧送
量以外にコモンレールから燃料タンクへのリターン燃料
量を考慮して圧力変動推定値を求めるようにしたことに
より、算出した圧力変動推定値がより正確になり、より
正確な異常検出が可能となる。
【0012】更に、請求項3に記載の発明によれば、前
記リターン燃料量は前記燃料噴射弁からの燃料噴射動作
に起因して燃料タンクに返戻される動的リターン燃料量
と、それ以外の静的リターン燃料量との和として算出さ
れる請求項2に記載の燃料噴射装置。が提供される。ま
た、請求項4によれば、前記リターン燃料量算出手段
は、前記燃料噴射と燃料圧送との両方を停止していると
きに前記リターン燃料量を計測した結果を学習、記憶す
る学習手段を備え、該学習結果に基づいて静的リターン
燃料量を算出する請求項3に記載の燃料噴射装置が提供
される。
【0013】すなわち、請求項3と請求項4の発明で
は、リターン燃料量は燃料噴射弁の燃料噴射動作を行わ
せるための動的リターン燃料量と、それ以外の、例えば
摺動部からのリーク等による静的リターン燃料量との和
として与えられる。ここで、機関運転条件が一定であれ
ば動的リターン燃料量はほぼ一定であるのに対して、静
的リターン燃料量は、摺動部のクリアランス変化等によ
り経時的に変化する。請求項4の発明では、燃料噴射と
燃料圧送との両方が行われておらず、コモンレールから
静的リターン燃料量に相当する量の燃料のみが流出して
いる状態で静的リターン燃料量を計測し、計測結果を学
習、記憶するとともに、最新の学習結果を用いて静的リ
ターン量を算出する。このため、請求項4の発明では機
関の経時変化等により静的リターン燃料量が変化した場
合でも、正確なリターン燃料量が算出されるので、機関
経時変化にかかわらず正確な異常検出が行われる。
【0014】また、請求項5に記載の発明によれば、上
記請求項1から4の発明において、前記異常検出手段
は、前記燃料噴射前後の燃料圧力変動の推定値と実測値
との偏差に基づく燃料噴射時異常検出と、前記燃料圧送
前後の燃料圧力変動の推定値と実測値との偏差に基づく
燃料圧送時異常検出との両方を行う。すなわち、請求項
5の発明では、燃料圧送前後の圧力変動に基づく異常検
出と燃料圧送前後の燃料圧力変動に基づく異常検出との
両方が行われるため、異常検出動作を実行する頻度が大
幅に増加し、早期に燃料噴射系統の異常を検出すること
が可能となる。
【0015】さらに、請求項6に記載の発明によれば、
請求項5の発明において、前記異常検出手段は更に、前
記燃料噴射時異常検出の結果と、前記燃料圧送時異常検
出の結果との両方に基づいて、異常の種類を判別する異
常状態判別手段を備えている。燃料噴射系統の異常は、
その種類により燃料噴射前後の圧力変動と燃料圧送前後
の圧力変動とに与える影響が異なるものがある。例え
ば、燃料噴射弁の異常により一回当たりの燃料噴射量が
増大したような場合には、燃料噴射前後の圧力変動が推
定値から大きく外れるようになるにもかかわらず燃料圧
送前後の圧力変動には大きな影響が現れない。このた
め、両方の異常検出結果を比較することにより異常の種
類を判別することが可能となる。
【0016】また、請求項7に記載の発明によれば、請
求項6の燃料噴射装置は更に前記燃料ポンプ上流側の燃
料供給配管に配置された燃料フィルタと、該燃料フィル
タと前記燃料ポンプとの間の燃料供給配管内の圧力を検
出する燃料供給圧力検出手段とを備え、前記異常状態判
別手段は、前記燃料噴射時異常検出の結果と、前記燃料
圧送時異常検出の結果との両方に基づいて、少なくとも
前記燃料ポンプまたはその上流側の燃料供給系統に異常
が生じたか否かを判定し、燃料ポンプまたはその上流側
の燃料供給系統の異常が生じており、かつ前記燃料供給
圧力検出手段により検出した圧力が予め定めた判定値よ
り低い場合には、更に前記異常を燃料供給不足によるも
のと判別する。
【0017】すなわち請求項7の発明では、請求項6に
おいて燃料ポンプまたはその上流側の燃料供給系統に異
常が生じていると判定されたときには、更に燃料供給圧
力に基づいて、この異常が燃料供給不足によるものか否
かを判別する。燃料ポンプまたはその上流側に異常が生
じている場合には、例えば燃料ポンプ自体から外部への
燃料洩れが生じていることも考えられるため、直ちに機
関を停止する必要がある。しかし、単なる燃料供給不足
による異常であれば機関の運転を継続しても大きな問題
は生じないため、車両などではいわゆる退避走行が可能
となる。このため、燃料供給不足による異常かそれ以外
の異常かを判別することにより、直ちに機関を停止すべ
きか否かを判定することが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を用いて本発明の
実施形態について説明する。図1は、本発明を自動車用
ディーゼル機関に適用した場合の実施形態の概略構成を
示す図である。図1において、1は内燃機関10(本実
施形態では4気筒ディーゼル機関)の各気筒内に燃料を
直接噴射する燃料噴射弁、3は各燃料噴射弁1が接続さ
れる共通の蓄圧室(コモンレール)を示す。コモンレー
ル3は、後述する高圧燃料噴射ポンプ5から供給される
加圧燃料を貯留し、各燃料噴射弁1に分配する機能を有
する。
【0019】また、図1において7は機関10の燃料
(本実施形態では軽油)を貯留する燃料タンク、9は高
圧燃料ポンプに燃料を供給する低圧フィードポンプ、9
bは低圧燃料ポンプ9から高圧燃料ポンプ5に燃料を供
給する燃料供給配管13に設けられた燃料フィルタをそ
れぞれ示している。機関運転中、タンク7内の燃料は、
フィードポンプ9により一定圧力に昇圧され、燃料フィ
ルタ9bで異物、水分等を除去された後、燃料供給配管
13を通って高圧燃料噴射ポンプ5に供給される。ま
た、高圧燃料噴射ポンプ5から吐出された燃料は、逆止
弁15、高圧配管17を通ってコモンレール3に供給さ
れ、コモンレール3から各燃料噴射弁1を介して内燃機
関の各気筒内に噴射される。
【0020】なお、図1において19で示したのは各燃
料噴射弁1からのリターン燃料を燃料タンク7に返戻す
るリターン燃料配管である。燃料噴射弁からのリターン
燃料については後述する。図1に20で示すのは、機関
の制御を行うエンジン制御回路(ECU)である。EC
U20は、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムア
クセスメモリ(RAM)、マイクロプロセッサ(CP
U)、入出力ポートを双方向バスで接続した公知の構成
のディジタルコンピュータとして構成され、更にメイン
スイッチがオフにされている間も記憶内容を保持可能な
バックアップRAMを備えている。ECU20は、後述
するように高圧燃料噴射ポンプ5の吸入弁5aの開閉動
作を制御してコモンレール3内の燃料油圧力を機関負
荷、回転数等に応じて制御する燃料圧力制御を行い燃料
噴射弁の噴射率を機関負荷、回転数等に応じて調節する
とともに、燃料噴射弁1の開弁時間を制御して気筒内に
噴射される燃料量を制御する燃料噴射制御を行う。
【0021】また、本実施形態では後述するように、E
CU20はコモンレール内の圧力変動に基づいて燃料噴
射ポンプ5、コモンレール3、燃料噴射弁1等の燃料噴
射系統の異常を検出する異常検出手段として機能する。
上記制御のため、ECU20の入力ポートには、コモン
レール3に設けた燃料圧力センサ31と燃料温度センサ
33とから、それぞれコモンレール3内の燃料圧力と燃
料温度とに対応する電圧信号が、AD変換器34を介し
て入力されている他、機関アクセルペダル(図示せず)
に設けたアクセル開度センサ35からアクセルペダルの
操作量(踏み込み量)に対応する信号が同様にAD変換
器34を介して入力されている。また、燃料フィルタ9
bと高圧燃料ポンプ5との間の燃料供給配管13に設け
られた燃料供給圧力センサ39からは、同様にAD変換
器34を介してフィルタ9b下流側の燃料供給配管13
内の圧力に対応する電圧信号がECU20の入力ポート
に供給されている。更に、ECU20の入力ポートに
は、機関のディストリビュータ(図示せず)に設けたク
ランク角センサ37から、クランク軸が基準回転位置
(例えば第1気筒の上死点)になったときに発生する基
準パルス信号とクランク回転角に応じて発生する、回転
パルス信号との2つの信号が入力されている。
【0022】また、ECU20の出力ポートは、駆動回
路40を介して燃料噴射弁1に接続され、各燃料噴射弁
1の作動を制御している他、駆動回路40を介して高圧
燃料噴射ポンプ5の吸入弁5aの開閉を制御するソレノ
イドアクチュエータに接続され、ポンプ5の吐出量を制
御している。本実施形態では、高圧燃料噴射ポンプ5は
2つのシリンダを有するピストンポンプの形式とされて
いる。ポンプ5の各シリンダ内のピストンは、ポンプ内
のピストン駆動軸に形成されたカムに押圧されてシリン
ダ内を往復運動する。また、各シリンダの吸入ポートに
は、ソレノイドアクチュエータにより開閉駆動される吸
入弁が設けられている。本実施形態ではピストン駆動軸
は機関10のクランク軸(図示せず)により駆動され、
クランク軸と同期してクランク軸の2分の1の速度で回
転する。また、ポンプ5のピストン駆動軸には、それぞ
れのピストンと係合する部分に2つのリフト部を持つカ
ムが形成されており、ポンプ10のピストンは機関10
の各気筒のストロークに同期して燃料を吐出するように
なっている。すなわち、本実施形態では4気筒ディーゼ
ル機関が使用されているため、ポンプ10の2つのシリ
ンダはクランク軸が720度回転する間にそれぞれ2回
ずつ、機関の気筒のストロークに同期して(例えば各気
筒の排気行程毎に)コモンレール3に燃料を圧送する。
【0023】また、ECU20はポンプの各シリンダの
ピストンの上昇(圧送)行程における吸入弁5aの閉弁
時期を変化させることによりポンプからの燃料油の吐出
流量を制御する。すなわち、ECU20は、各シリンダ
のピストン下降行程(吸入行程)の間、及びピストン上
昇行程(吐出行程)開始後所定の期間ソレノイドアクチ
ュエータへの通電を停止して吸入弁5aを開弁状態に維
持する。これにより、各シリンダでピストンが吐出行程
に入ってもシリンダ内の燃料は吸入弁5aからタンクに
逆流しシリンダ内の燃料圧力は上昇しない。そして、上
記期間経過後ECU20は吸入弁5aのソレノイドアク
チュエータに通電して吸入弁5aを閉弁する。これによ
りポンプピストンの上昇に伴いシリンダ内の圧力が上昇
し、シリンダ内圧力がコモンレール3内の圧力より高く
なると各シリンダの逆止弁15が開弁し、シリンダ内の
高圧の燃料油が高圧配管17を経由してコモンレール3
に圧送される。なお、吸入弁5aは一旦閉弁するとシリ
ンダ内燃料圧力が高い間は燃料圧力に押されて閉弁状態
に保持される。従ってコモンレール3への燃料圧送量は
ポンプ5の吸入弁5aの閉弁開始時期により定まる。こ
のため、ECU20はポンプ5の各シリンダの吸入弁5
aの閉弁時間(ソレノイドアクチュエータへの通電時
間)を調節することにより、ポンプ5のピストン有効ス
トロークを変化させコモンレール3に圧送する燃料量を
制御している。
【0024】本実施形態では、ECU20は機関負荷、
回転数に応じて予めROMに格納した関係に基づいて目
標コモンレール燃料圧力を設定するとともに、燃料圧力
センサ31で検出したコモンレール燃料圧力が設定した
目標コモンレール燃料圧力になるようにポンプ5の吐出
量を制御する。また、ECU20は機関負荷、回転数に
応じて予めROMに格納した関係に基づいて燃料噴射弁
1の開弁時間(燃料噴射時間)を制御する。
【0025】すなわち、本実施形態ではコモンレール3
の燃料圧力を機関運転条件に応じて変化させることによ
り、燃料噴射弁1の噴射率を運転条件に応じて調節し、
燃料圧力と燃料噴射時間とを変化させることにより燃料
噴射量を運転条件に応じて調節している。このため、本
実施形態のようなコモンレール式燃料噴射装置では、コ
モンレール内の燃料圧力は機関の運転条件(負荷、回転
数)に応じて極めて広い範囲で(例えば、本実施形態で
は10MPaから150MPa程度までの範囲で)変化
することになる。
【0026】次に、本実施形態における燃料噴射系統の
異常検出原理について説明する。本実施形態では、燃料
噴射弁1からの燃料噴射開始前と終了後との間のコモン
レール3内の燃料圧力変動、又は燃料ポンプ5からコモ
ンレール3への燃料圧送開始前と終了後との間のコモン
レール3内の燃料圧力変動の少なくとも一方に基づいて
燃料噴射系統の異常を検出する。
【0027】図2は、本実施形態での燃料噴射と燃料圧
送の1サイクルにおけるコモンレール3内の燃料圧力の
時間的変動の状況を模式的に示している。図2におい
て、PDで示した期間はいずれかの燃料噴射弁1から燃
料噴射が行われる期間を、PUで示した期間は燃料噴射
終了後燃料ポンプ5からコモンレール3に燃料が圧送さ
れる期間を示している。図2に示すように、本実施形態
では燃料噴射弁1からの燃料噴射と燃料ポンプ5からの
燃料圧送とは別々のタイミングで重複しないように実行
されている。
【0028】図2において、PC10 は燃料噴射(P
D)が開始される前のコモンレール3燃料圧力、PC2
は燃料噴射終了後、かつ燃料ポンプ5からの燃料圧送
(PU)開始前のコモンレール3燃料圧力、PC11
燃料圧送終了後かつ次の燃料噴射開始前の圧力を示して
いる。本実施形態では、燃料圧力センサ31で検出した
上記圧力PC10 、PC2、PC11 から燃料噴射前後
(期間PD前後)のコモンレール3内圧力変動の実測値
DPC12=PC2−PC10 、または燃料圧送前後
(期間PU前後)のコモンレール3内圧力変動の実測値
DPC21=PC11−PC2を算出し、実測値DPC
12と燃料噴射量から算出した燃料噴射前後のコモンレ
ール圧力変動DPDとを比較、または実測値DPC21
と燃料圧送量から算出した燃料圧送前後のコモンレール
圧力変動DPUとを比較することにより燃料噴射系統の
異常を判定する。
【0029】次に、上記圧力変動の推定値DPDとDP
Uとの算出方法について説明する。まず、燃料噴射前後
の圧力変動DPDについて考えると、DPDは期間PD
に燃料噴射弁1から噴射される燃料量QFINCを用い
て、 DPD=−(K/VPC)×QFINC として表される。ここで、Kは燃料の体積弾性係数、V
PCはコモンレール3を含む高圧部の内容積である。ま
た、QFINCは標準圧力(例えば0.1MPa)にお
ける体積で表される。前述のように、ECU20は機関
運転条件から燃料噴射量QFINCを算出し、QFIN
Cの量の燃料が機関に噴射されるように燃料噴射弁1の
開弁時間を制御している。このため、燃料噴射弁1やコ
モンレール3に異常がない場合には実際の燃料噴射期間
PD内にコモンレール3から流出する燃料量はQFIN
Cのみになるため上記推定値DPDと実測値DPC12
とは等しくなるはずである。一方、燃料噴射弁1やコモ
ンレール3に洩れが生じたような燃料噴射系統の異常で
は、期間PD内にコモンレール3から流出する燃料量は
燃料噴射目標値QFINCより大きくなる。このため、
燃料噴射系統に洩れ等の異常が生じたような場合には、
実際の圧力変動PC12の大きさは圧力変動推定値より
大きくなる。そこで、本実施形態では推測値DPDと実
測値DPC12との差dDPD(=DPD−DPC1
2)をとり、このdDPDが予め定めた判定値R1(R
1>0)を越えた場合に、すなわちdDPD>R1の場
合に燃料噴射系統に異常が生じたと判定するようにして
いる。
【0030】また、燃料圧送前後の圧力変動DPUにつ
いては、上記と同様期間PUに燃料ポンプ5からコモン
レール3に流入した燃料量QPMDを用いて、 DPU=(K/VPC)×QPMD として表される。本実施形態では、前述したようにEC
U20は機関運転条件に応じて燃料ポンプ5の吸入弁5
aの閉弁開始時期(ソレノイドアクチュエータへの通電
開始時期)を決定しポンプ5からの燃料圧送量を制御し
ている。従って、燃料ポンプ5やコモンレール5に異常
がない場合には上記QPMDはポンプ5のソレノイドア
クチュエータへの通電時間から算出される燃料ポンプ吐
出量(標準圧力における体積)に等しくなるはずであ
る。そこで、本実施形態では前述のdDPDと同様に、
上記推測値DPUと燃料圧送期間前後の圧力変動実測値
DPC21との差dDPU(=DPU−DPC21)を
とり、このdDPUの値が予め定めた判定値R2(但し
R2>0)を越えた場合(dDPU>R2の場合)に燃
料噴射系統が異常を生じたと判定するようにしている。
【0031】上述のように燃料噴射前後の圧力変動(D
PD、DPC12)による異常検出と燃料圧送前後の圧
力変動(DPU、DPC21)による異常検出とは、そ
れぞれ単独で用いることも可能である。また、両方の異
常検出を実行し、それらの結果を比較することにより発
生した異常の種類(異常発生箇所等)を特定することも
可能となる。これらの異常検出方法の詳細については後
述する。
【0032】ところで、上記のように圧力変動の推定値
DPD、DPU等を用いて異常検出を行う場合には圧力
による燃料油の体積弾性係数の変化が問題になる。燃料
油の体積弾性係数は温度と圧力とによって変化する。図
3は、燃料油(軽油)の体積弾性係数の温度と圧力とに
よる一般的な変化を説明する図である。図3に示すよう
に、軽油の体積弾性係数は圧力が高いほど増大し、温度
が低いほど低下する。
【0033】また、図3から判るように圧力、温度に対
する体積弾性係数の変化率はそれほど大きくない。この
ため、圧力、温度の変化幅があまり大きくない場合には
軽油の体積弾性係数を一定値で近似して前述の式から圧
力変動推定値DPD、DPUを求めても大きな誤差は生
じない。しかし、圧力、温度の変化幅が大きい場合、特
に本実施形態のように燃料圧力が機関の運転状態に応じ
て極めて大きな幅(10MPaから150MPa程度の
範囲)で変化するような場合、には体積弾性係数の変化
も大きくなり、体積弾性係数を一定値に固定してDP
D、DPUを算出すると大きな誤差を生じ、異常判定に
誤差を生じることになる。
【0034】そこで、本実施形態では予め使用する軽油
の体積弾性係数を機関運転中に生じ得る範囲で圧力と温
度とを変えて測定し、その測定結果を温度、圧力を用い
た数値マップとしてECU20のROMに格納してあ
る。異常検出に際しては、燃料圧力センサ31と燃料温
度センサ33で検出したコモンレール3内の燃料圧力P
Cと燃料温度THFとから、その圧力温度条件における
体積弾性係数をROMから読み出し、この体積弾性係数
を用いて上記の式から圧力変動推定値DPD、DPUを
算出するようにしている。
【0035】次に、図4、図5を用いてECU20の上
記異常検出動作の具体例について説明する。図4は、燃
料噴射前後の圧力変動(DPD、DPC12)に基づく
燃料噴射系統の異常検出動作ルーチンを示すフローチャ
ートである。本ルーチンは、ECU20により所定のタ
イミングで(例えば、機関クランク軸一定回転角毎
に)、実行される。
【0036】図4においてルーチンがスタートすると、
ステップ401では、コモンレール内燃料圧力PC、燃
料温度THF、クランク軸回転角CAが、燃料圧力セン
サ31、燃料温度センサ33、クランク角センサ37か
らそれぞれ読み込まれる。次いで、ステップ403から
409では、現在クランク軸回転角CAが所定値CA1
0 (ステップ403)またはCA2(ステップ407)
のいずれかにあるかが判定され、いずれのタイミングに
もない場合にはステップ407から直ちにルーチンを終
了する。
【0037】ここで、上記クランク軸回転角CA1
0 は、各気筒の燃料噴射開始直前のクランク軸回転角、
すなわち図2のPC10 の計測タイミングに相当するク
ランク軸回転角であり、CA2は、燃料噴射終了後燃料
圧送が開始される前のクランク軸回転角、すなわち図2
のPC2の計測タイミングに相当するクランク軸回転角
である。また、現在PC10 の計測タイミングであった
場合(ステップ403でCA=CA10 の場合)には、
ステップ401で読み込んだコモンレール燃料圧力PC
と燃料温度THFの値がPC10 、THF1として記憶
され(ステップ405)、現在PC2の計測タイミング
であった場合(ステップ407でCA=CA2の場合)
には、ステップ401で読み込んだPCの値のみがPC
2として記憶される(ステップ409)。
【0038】次いで、ステップ411では、記憶したコ
モンレール燃料圧力力PC10 と燃料温度THF1とを
用いて、ECU20のROMに予め格納した数値マップ
から現在の燃料の体積弾性係数Kを算出し、ステップ4
13ではこの体積弾性係数Kと燃料噴射量QFINCと
から、圧力変動推定値DPDを、 DPD=−(K/VPC)×QFINC として算出する。なお、燃料噴射量QFINCは別途E
CU20により実行される燃料噴射量演算ルーチン(図
示せず)により、機関回転数とアクセル開度とに基づい
て算出される。
【0039】そして、ステップ415では、ステップ4
05とステップ409とで記憶したPC10 、PC2か
ら、実際の圧力変動DPC12が、 DPC12=PC2−PC10 として算出され、ステップ417ではステップ413で
求めた圧力変動推測値DPDとステップ415で求めた
実測値DPC12との差dDPDが、 dDPD=DPD−DPC12 として算出される。さらに、ステップ419では上記に
より算出したdDPDの値が予め定めた判定値R1より
大きいか否かが判定され、dDPD>R1である場合に
はコモンレールから流出する燃料量が正常な量以上に大
きくなっていることから燃料噴射系統に異常が生じたと
判定し、ステップ423で異常フラグXDの値を1にセ
ットしてルーチンを終了する。また、dDPD≦R1の
場合には燃料噴射系統に以上が生じていないと判定し、
ステップ421で異常フラグXDの値を0にセットして
ルーチンを終了する。なお、本実施形態では、異常フラ
グXDの値が1にセットされると、別途実行される図示
しないルーチンにより運転席の警告灯が点灯され運転者
に異常発生を報知するようになっている。また、判定結
果(フラグXDの値)をECU20のバックアップRA
Mに格納し、将来の点検修理に備えるようにしてもよ
い。なお、本実施形態では燃料噴射開始前のコモンレー
ル燃料圧力(PC10 )と温度に基づいて体積弾性係数
を検出しているが、燃料噴射によるコモンレール燃料圧
力と温度との変化は比較的小さいため、燃料噴射終了後
のコモンレール燃料圧力(PC2)と温度とに基づいて
体積弾性係数を検出するようにしても良い。また、同様
に燃料噴射前後の圧力平均値と温度平均値とに基づいて
体積弾性係数を検出するようにしても良い。
【0040】図5は、燃料圧送前後の圧力変動(DP
U、DPC21)に基づく異常検出ルーチンを示すフロ
ーチャートである。本ルーチンは、図4のルーチンと同
様クランク軸一定回転角毎に実行される。本ルーチンで
は、図4のルーチンと類似の方法で算出した体積弾性係
数の値を用いて燃料圧送前後のコモンレール燃料圧力変
動の推測値DPUを算出し、実測値DPC21との差d
DPU=DPU−DPC21の値に基づいて燃料噴射系
統の異常の有無を判定している。
【0041】図5のフローチャートの各ステップは図4
の各ステップに類似した操作であるので、ここでは相違
する点についてのみ説明する。図5ステップ503から
509は圧力PC11 とPC2(図2)の読み込み動作
を示す。ステップ503のCA2及びステップ507の
CA11 は、それぞれ燃料噴射終了後燃料圧送開始前の
タイミングに相当するクランク軸回転角と燃料圧送終了
直後のタイミングに相当するクランク軸回転角である。
また、本実施形態では燃料噴射終了後、圧送開始前の圧
力(PC2)と温度とに基づいて体積弾性係数Kを算出
する(ステップ511)が、前述のように、燃料圧送終
了後の圧力(PC11 )と温度とを用いて体積弾性係数
を算出するようにしても良い。
【0042】図5ステップ513では、燃料圧送前後の
圧力変動推測値DPUが、 DPU=(K/VPC)×QPMD として算出される。QPMDは機関運転条件に基づいて
別途図示しないルーチンにより算出されるポンプからの
燃料圧送量である。そして、ステップ515では圧力変
動の実測値DPC21が、DPC21=PC2−PC1
1 として算出され、ステップ517では推測値DPUと
実測値DPC21との差dDPUが、dDPU=DPU
−DPC21として算出さされる。
【0043】更に、ステップ519ではdDPUの値が
所定の判定値R2より大きいか否かに基づいて、異常フ
ラグXUの値が1(異常)(ステップ523)または0
(正常)(ステップ521)にセットされる。なお、図
4、図5の実施形態ではコモンレール内の燃料圧力と温
度との両方の実測値に基づいて体積弾性係数Kの値を算
出しているが、機関運転中のコモンレール内燃料圧力変
動が比較的小さい機関においては燃料温度のみに基づい
て(燃料圧力を一定値で近似して)、また温度変動が比
較的小さい機関では燃料圧力のみに基づいて(燃料温度
を一定値で近似して)それぞれ体積弾性係数Kを算出す
るようにしてもよい。
【0044】次に、燃料噴射前後の圧力変動推定値DP
Dの上記とは別の算出方法について説明する。図4ステ
ップ413では燃料噴射前後の圧力変動は燃料噴射によ
りコモンレールから流出する燃料のみにより生じると仮
定し、燃料噴射量QFINCを用いてDPD=−(K/
VPC)×QFINCとして算出していた。しかし、実
際の燃料噴射系統では正常であっても燃料噴射前後の期
間にコモンレールから流出して燃料タンクに返戻される
リターン燃料が存在する。
【0045】例えば、燃料噴射弁の形式によっては燃料
噴射弁の開弁動作を燃料油の圧力を利用して行うため燃
料噴射動作に伴って燃料噴射条件から定まる一定量の燃
料油が燃料タンクに返戻される形式のものがある。より
詳細には、このような形式の弁では、閉弁時には弁体の
下部(噴孔側)と上部との両方に燃料圧力を作用させる
ことにより燃料圧力により弁体に加わる力をバランスさ
せ、スプリングの力で弁体を弁座に押圧している。一
方、燃料噴射時には弁体上部の燃料油を電磁弁を経由し
てリターン配管に逃がすことにより弁体上部に作用する
圧力を低下させる。これにより、弁体下部に作用する燃
料油圧力により弁体がスプリングに抗して押し上げられ
噴孔が開放され噴射が行われる。すなわち、この形式の
燃料噴射弁では開弁(燃料噴射)期間中にリターン燃料
が発生する。
【0046】また、上記開弁動作に伴うリターン燃料の
他に、常時燃料噴射弁の摺動部クリアランスからリーク
する燃料油があり、これらのリーク燃料も燃料タンクに
返戻される。これらのリターン燃料は各燃料噴射弁1と
燃料タンク7とを接続するリターン燃料配管19を通っ
て燃料タンクに返戻されるが、本明細書では上記燃料噴
射弁の燃料噴射動作に伴って生じるリターン燃料を動的
リターン燃料、摺動部からのリーク燃料等のように燃料
噴射弁の燃料噴射動作とは関係なく常時コモンレールか
ら燃料タンクに返戻されるリターン燃料を静的リターン
燃料と呼ぶことにする。すなわち、燃料噴射前後の期間
には、燃料噴射量QFINC以外にも動的リターン燃料
と静的リターン燃料との和に相当する量のリターン燃料
がコモンレールから流出することになる。
【0047】このため、このような燃料噴射弁を用いる
燃料噴射装置では圧力変動DPDを算出する際に燃料噴
射量QFINCのみでなく、上記リターン燃料量をも考
慮する必要がある。そこで、以下の実施形態では燃料噴
射前後の圧力変動推定値DPDを算出する際に動的リタ
ーン燃料量と静的リターン燃料量とを考慮するようにし
ている。
【0048】以下の実施形態では、動的リターン燃料量
QILDと静的リターン燃料量QILSとはそれぞれ以
下の方法で算出される。動的リターン燃料量QILD
は、前述のように燃料噴射弁開弁中のみに発生するリタ
ーン燃料の量であり、燃料噴射1回当たりに燃料タンク
に返戻される燃料の量で表される。従って、QILDは
燃料噴射弁の弁体上部油圧を逃がす電磁弁の通電時間
(燃料噴射時間)TQFINと燃料噴射直前の燃料油圧
力(すなわちPC10 )との関数になる。本実施形態で
は、予め燃料圧力と燃料噴射時間とを変えて1回の燃料
噴射期間に燃料タンクに戻されるリターン燃料量を実測
し、ECU20のROMに燃料圧力と燃料噴射時間とを
用いた数値マップとして記憶してある。動的リターン燃
料量QILDはECU20による燃料噴射時間(通電時
間)TQFINと燃料圧力PC10 とを用いて、このマ
ップから算出される。
【0049】また、静的リターン燃料量QILSは、燃
料噴射弁の各クリアランス部からのリーク燃料の量であ
り、PC10 計測時からPC2計測時までの時間にリー
クされる燃料の総量で表される。このため、QILSは
燃料圧力(PC10 )と燃料温度THF1(燃料粘
度)、機関回転数NE(PC10 計測時からPC2計測
時までの所要時間)の関数となる。本実施形態では、Q
ILSについても予め燃料圧力、温度、機関回転数の組
合せを変化させてリターン燃料量を実測し、燃料圧力、
温度、機関回転数を用いた数値マップとしてECU20
のROMに格納してある。そして、実際の運転時には静
的リターン燃料量QILSは、実測した燃料圧力(PC
0 )、温度(THF1)、機関回転数NEを用いて、
このマップから算出される。
【0050】図6は、リターン燃料量QILDとQIL
Sとを考慮した場合の燃料噴射前後の圧力変動推定値D
PDの演算ルーチンを示すフローチャートである。本ル
ーチンは、例えばサブルーチンとして図4のステップ4
13で実行される。図6のサブルーチンにおいて、ステ
ップ601では、別途ECU20により実行される燃料
噴射弁制御ルーチン(図示せず)により算出される制御
弁開弁時間(通電時間)TQFINと、機関回転数NE
が読みだされる。
【0051】そして、ステップ603では、上記TQF
INと図4ステップ405で記憶したコモンレール燃料
圧力PC10 とから、ECU20のROMに格納した数
値マップを用いて動的リターン燃料量QILDが算出さ
れる。次いで、ステップ605では、同様に、燃料圧力
PC10 、機関回転数NE、図6ステップ405で記憶
した燃料温度THF1とから、ECU20のROMに格
納した数値マップを用いて静的リターン燃料量QILS
が算出される。
【0052】さらに、ステップ607では燃料噴射量Q
FINCが読みだされ、ステップ609では、上記QF
INC、QILD、QILSと図6ステップ411で算
出した体積弾性係数Kの値を用いて圧力変動DPDが、 DPD=−(K/VPC)×(QFINC+QILD+
QILS) として算出される。(QFINC+QILD+QIL
S)は、(燃料噴射量+リターン燃料の総量)、すなわ
ち燃料噴射前後の期間にコモンレールから流出する燃料
の総量を表している。上記サブルーチンを実行すること
により燃料噴射前後のコモンレール燃料圧力変動推定値
DPDが更に正確に算出されるため、図4のルーチンに
よる異常検出の精度が一層向上する。
【0053】次に、燃料圧送前後の圧力変動推定値DP
Uの図5とは別の算出方法について説明する。上述のよ
うに、燃料噴射前後の圧力変動推定値DPDを算出する
際にコモンレールからのリターン燃料量を考慮すること
により一層正確な異常検出が可能となるが、燃料圧送前
後の圧力変動推定値DPUの算出についても同様のこと
が成り立つ。この場合、燃料圧送前後の期間には燃料噴
射は行われないため、DPD算出の場合とは異なりリタ
ーン燃料量としては上記の静的リターン燃料量QILS
のみを考慮すれば良い。また、その他に燃料ポンプ側で
のリーク燃料量量等を考慮して燃料圧送量QPMDを算
出することにより、より正確なDPUの値の算出が可能
となる。
【0054】ポンプからの燃料圧送量QPMDは、詳細
には次式で表される。 QPMD=QG−QD−QL ここで、QGはポンプの幾何学的燃料圧送量、すなわち
吸入弁5a閉弁中にポンプピストンが上昇する行程容積
に相当し、吸入弁5aのソレノイドアクチュエータに通
電する標準通電開始時期(クランク軸回転角)TFとこ
の標準通電時期に対して実際に通電を開始するまでの遅
れ時間TFDとの関数となる。
【0055】また、QDは、ポンプのデッドボリューム
損失、すなわちポンプピストンが上死点に達したときに
圧縮されてシリンダ内に残留する燃料量に相当する燃料
量であり、燃料圧送終了時の燃料圧力PC11 (または
燃料圧送開始時における燃料圧力PC2を近似的に使用
可能)、体積弾性係数Kとの関数となる。さらに、QL
はポンプ内部のリーク燃料量であり、燃料圧力PC11
(またはPC2)と燃料温度THF2 (燃料粘度)、ポ
ンプ回転数(機関回転数NE)の関数となる。
【0056】本実施形態では、予めQG、QD、QLの
値をそれぞれ上記のパラメータを変えて実測し、QGに
ついてはTF、TFDを、QDについてはPC2、K
を、QLについてはPC2、THF2 、NEを用いた数
値マップとしてそれぞれECU20のROMに格納して
あり、それぞれのパラメータからQG、QD、QLの値
を決定することにより正確な燃料圧送量QPMDを算出
するようにしている。
【0057】図7は、静的リターン量QILSと、Q
G、QD、QLを考慮した燃料圧送量QPMDとを用い
た圧送前後の圧力変動DPUの算出ルーチンを示すフロ
ーチャートである。本ルーチンは、図5のルーチンのス
テップ513においてサブルーチンとして実行される。
図7において、ステップ701では、標準通電時期T
F、通電遅れ時間TFD及び機関回転数NEがそれぞれ
読み込まれる。通電時期TF及び遅れ時間TFDは、E
CU20により別途実行されるポンプ制御ルーチン(図
示せず)により、機関運転条件に応じて算出される。
【0058】次に、ステップ703では静的リターン燃
料量QILSが、図5ステップ505で記憶した燃料圧
力PC2、燃料温度THF2及び機関回転数NEに基づ
いて前述したマップから決定される。また、ステップ7
05では、TF及びTFDから幾何学的圧送量QGが、
ステップ707では図5ステップ511で算出した体積
弾性係数Kと燃料圧力PC2とからデッドボリューム損
失QDが、ステップ709では、燃料圧力PC2、燃料
温度THF2、機関回転数NEとからポンプ内部リーク
量QLが、それぞれECU20に記憶した該当するマッ
プから算出される。また、ステップ711では、上記Q
G、QD、QLを用いて正確な燃料圧送量QPMDが、
QPMD=QG−QP−QLとして算出される。
【0059】そして、ステップ713では、図5ステッ
プ511で算出した体積弾性係数Kと上記により算出し
た静的リーク燃料量QILSと実際の燃料圧送量QPM
Dとを用いて燃料圧送前後の圧力変動DPUが、 DPU=(K/VPC)×(QPMD−QILS) として算出される。ここで、QPMDは燃料圧送前後の
期間にコモンレールに流入した燃料の量、QILSは流
出した燃料の量を表している。
【0060】上記サブルーチンを実行することにより、
燃料圧送前後のコモンレール圧力変動推定値DPUがさ
らに正確に算出されることになるため、図5の異常検出
の精度が一層向上することになる。ところで、上述の図
6、図7の実施形態ではコモンレール3からの静的リタ
ーン燃料量QILSをコモンレール燃料圧力、燃料温
度、機関回転数から予め設定した数値マップを用いて求
めていた。このため、燃料圧力、燃料温度、機関回転数
が同一であれば、燃料噴射弁の使用状態にかかわらず静
的リターン燃料量QILSは常に同一の値になる。しか
し、前述したように静的リターン燃料は噴射弁摺動部等
のクリアランス部からリークする燃料の量である。この
ため静的リターン燃料量QILSは、運転条件が同一で
あっても機関稼働期間によるクリアランス変化に伴って
経時的に変化する。このため、上記のように静的リター
ン燃料量を予め設定した数値マップから読みだしている
と経時的変化による静的リターン燃料量の変化がQIL
Sの値に反映されず、圧力変動の推定値DPD、DPU
の値が不正確になるおそれがある。以下に説明する実施
形態では、機関運転中に実際のQILSの値を計測し、
この計測結果を学習、記憶する。そして、DPD、DP
Uの算出時に上記最新の学習結果を用いて静的リターン
燃料量QILSを決定する。これにより、静的リターン
燃料量QILSの経時的変化がDPD、DPUの算出に
反映され、より正確な異常検出が可能となる。
【0061】図8は、上記の静的リターン燃料量QIL
Sの学習ルーチンを説明するフローチャートである。本
ルーチンはECU20により一定時間毎に実行される。
本ルーチンでは、燃料噴射も燃料圧送も行われていない
期間でのコモンレール燃料圧力変動を実測し、この圧力
変動実測値に基づいて静的リターン燃料量QILSを算
出する。
【0062】すなわち、燃料噴射も燃料圧送も行われて
いない状態ではコモンレール燃料圧力変動は静的リター
ン燃料に起因するもののみとなる。従って、燃料噴射も
燃料圧送も行われていない状態のある期間ΔT内の静的
リターン燃料量をQILSとするとこの期間内のコモン
レール燃料圧力変動(降下)ΔPは、 ΔP=−(K/VPC)×QILS となる。また、燃料温度が一定である場合、期間ΔT内
の静的リターン燃料量の合計QILSは、例えばコモン
レール燃料圧力PCの一次関数として、 QILS=ΔT×(a+b×PC) として表すことができる。ここで、PCはコモンレール
燃料圧力、aとbは定数である。燃料温度が一定であり
燃料噴射も燃料圧送も行われていない状態での期間ΔT
内の圧力変動ΔPは、 ΔP=−(K/VPC)×ΔT(a+b×PC) として表される。従って、或る燃料温度において燃料噴
射も燃料圧送もおこなわれていない状態での期間ΔTに
おける圧力変動ΔPを2回実測すれば、二元連立方程式
を解くことによりその温度条件における定数aとbとを
容易に求めることができる。このため、定期的に各燃料
温度領域において上記定数a、bを求めECU20のバ
ックアップRAMに記憶しておき、DPD、DPU算出
時に記憶した定数を用いて静的リターン燃料量QILS
を算出することにより、静的リターン燃料量の経時的変
化を学習することができる。
【0063】本ルーチンでは、燃料噴射も燃料圧送も行
われていない状態として機関減速運転時のフュエルカッ
ト運転中を選び、フュエルカット運転中の本来であれば
燃料噴射が行われる期間の前後のコモンレール燃料圧力
変動実測値DPC12から定数a、bを算出する。すな
わち、図8においてルーチンがスタートすると、ステッ
プ801ではフラグFCの値が1にセットされているか
否かを判定する。フラグFCは別途ECU20により実
行されるフュエルカットルーチン(図示せず)により設
定されるフラグであり、FC=1は現在フュエルカット
が実施されていることを表している。ステップ801で
現在フュエルカット運転が実施されていない(FC≠
1)場合にはステップ803以下で定数a、bを算出す
ることなく本ルーチンは直ちに終了する。
【0064】ステップ801で現在フュエルカット実行
中であった場合、ステップ803で現在のコモンレール
燃料圧力PCと温度THF、クランク軸回転角度位置C
A及び機関回転数NEが読みだされる。そして、ステッ
プ805から811では本来の燃料噴射タイミング直前
のコモンレール燃料圧力PC10 、温度THF1及び燃
料噴射完了タイミング後のコモンレール燃料圧力PC2
(図2参照)が記憶される。更に、ステップ811でP
C2を記憶した後に、ステップ813では燃料圧力PC
0 と温度THF1とから体積弾性係数Kが算出され
る。ステップ803からステップ813は、図4ステッ
プ401から411とほぼ同様の操作である。
【0065】次いで、ステップ815では圧力変動の実
測値DPCがDPC=PC2−PC10 として求められ
る。前述したように、このルーチンはフュエルカット中
に実行されるため上記実測値DPCは燃料噴射も燃料圧
送も行われていない状態での圧力変動の値となる。次い
で、ステップ817では、上記実測値に基づいて静的リ
ターン燃料量QILS算出のための定数a、bが求めら
れる。
【0066】前述のように、燃料噴射も燃料圧送も行わ
れていないときのコモンレールの燃料圧力変動は、上記
DPC、及びK、PC10 、NEの値を用いて、 DPC=−(K/VPC)×ΔT(a+b×PC10 ) となる。ここで、ΔTはNEから算出されるPC2とP
C10 との計測タイミングの時間間隔、ΔT×(a+b
×PC10 )は静的リターン燃料量QILSに相当す
る。
【0067】ステップ817では、今回ルーチン実行時
及び前回ルーチン実行時に実測したDPCの値を用い
て、以下の2元連立方程式を解くことにより定数a、b
を求める。 DPC=−(K/VPC)×ΔT(a+b×PC10 ) DPC(i-1) =−(K(i-1) /VPC)×ΔT
(i-1) (a+b×PC10(i-1)) ここで、添字(i−1)を付した値は、前回ルーチン実
行時に実測または算出した値を示している。
【0068】ステップ819では、上記により算出した
定数a、bをECU20のバックアップRAMに燃料温
度THF1と対応させて記憶し、ステップ821では、
DPC(i-1) 、K(i-1) 、ΔT(i-1) 、PC10(i-1)
各値を更新して次回のルーチン実行に備える。上述のよ
うに、本実施形態ではバックアップRAMに燃料温度毎
に定数a、bが記憶されている。そして機関のフュエル
カット運転が実行される毎に実際のコモンレール圧力変
動に基づいてその時の燃料温度における定数a、bの値
が算出され、バックアップRAMに記憶したその燃料温
度における定数a、bの値が更新される。このため、バ
ックアップRAMには常時燃料噴射弁の摺動部クリアラ
ンスの経時変化に対応した定数a、bの値が格納される
ようになる。
【0069】本実施形態では、図6または図7と同様の
異常検出を実行するが、ステップ605、ステップ70
3で静的リターン燃料QILSを決定する際に、バック
アップRAMからその時の燃料温度THFに対応した定
数a、bを読み出し、この定数を用いて、燃料圧力PC
と機関回転数NE(時間ΔT)とからQILSを、 QILS=ΔT×(a+b×PC) として算出し、算出したQILSの値を用いてDPDま
たはDPUを算出する。これにより、図6、図7のルー
チンで算出される圧力変動推定値DPD、DPUの値は
機関や燃料噴射弁の経時変化に対応した値となるため、
より正確な異常検出が行われるようになる。
【0070】次に、本は発明の別の実施形態について説
明する。上述の実施形態では、コモンレールの燃料噴射
前後の圧力変動(DPD、DPC12)に基づく異常検
出(図4)と燃料圧送前後の圧力変動(DPU、DPC
21)に基づく異常検出(図5)について説明した。こ
れらの方法はそれぞれ単独で使用してもよいが、同時に
両方の異常検出方法を実行することにより、燃料噴射系
統の異常の種類(異常発生箇所等)を特定することが可
能となる。
【0071】例えば、燃料噴射前後の圧力変動に基づく
異常検出では異常が検出されないにもかかわらず、燃料
圧送前後の圧力変動に基づく異常検出で異常が発見され
たような場合には、燃料噴射ポンプ5からコモンレール
3に至る経路での異常(例えば、ポンプ5の逆止弁15
より上流側での洩れ発生、ポンプ5の吸入不良)等が考
えられる。また、逆に、燃料噴射前後の圧力変動に基づ
く異常検出で異常が検出されたにもかかわらず燃料圧送
前後の圧力変動に基づく異常検出では異常が発見されな
いような場合には、燃料噴射弁からの燃料噴射量が何ら
かの原因で過大になっていると考えられる。
【0072】いま、燃料噴射前後の圧力変動に基づく異
常判定の結果をフラグXD(図4)で、燃料圧送前後の
圧力変動に基づく異常判定の結果をフラグXU(図5)
で表すと、それぞれの判定結果の組合せと異常の種類と
の関係は以下のようになる。 (A)XU=1(異常)の場合 (1)XD=1(異常)…高圧配管17系統またはコモン
レール3からの洩れ、異物噛み込み等による燃料噴射弁
の開弁スティック等 (2)XD=0(正常)…ポンプ逆止弁15上流側の燃料
系統の洩れ、ポンプ5の吸入量不足等 (B)XU=0(正常)の場合 (3)XD=1(異常)…燃料噴射弁1の燃料噴射量過大 (4)XD=0(正常)…正常 以下に説明する実施形態では、燃料噴射前後の圧力変動
に基づく異常検出(図4のルーチン)と、燃料圧送前後
の圧力変動に基づく異常検出(図5のルーチン)との両
方を実行し、それぞれの判定結果に基づいて上記の (1)
から (4)のいずれに該当するかを判別するようにしてい
る。
【0073】図9は、本実施形態の異常状態(種類)の
特定のためのルーチンを示すフローチャートである。本
ルーチンはECU20により一定時間毎に実行される。
図9のルーチンでは、図4と図5で設定される異常検出
フラグXDとXUとの組合せに応じて、異常パラメータ
FXの値を1から4のいずれかに設定する。FXの値1
から4は上記の異常の種類 (1)から (4)に対応している
(FX=4は正常状態であることを表している)。ま
た、異常パラメータFXはECU20のバックアップR
AMに格納し、将来の保守点検に備えるようにしても良
い。
【0074】本ルーチンを実行することにより、図4と
図5とのルーチンの異常検出の結果から、異常の状態
(種類)が特定される。また、本実施形態によれば1気
筒の燃料噴射サイクルにつき図4と図5との異常検出を
それぞれ行うことになるため、1サイクル当り2回の異
常検出が行われ燃料噴射系統に異常が生じた場合にも早
期に検出できるという利点がある。
【0075】次に、本発明の別の実施形態について説明
する。図9の実施形態では図4と図5とで設定される異
常検出フラグXDとXUとの組合せに応じて異常の種類
を判別することが可能となっている。これらの異常のう
ち上記 (1)及び (3)の異常は燃料噴射弁からの噴射量過
大や燃料系統から外部への燃料洩れに起因するものであ
るため、直ちに機関を停止することが好ましい。
【0076】一方、上記 (2)の異常はポンプ逆止弁15
上流側での燃料洩れやポンプの吸入量不足(ポンプへの
燃料供給不足)等のポンプ15またはその上流側の燃料
供給系統の異常であり、必ずしも機関を直ちに停止させ
る必要がない場合が含まれている。例えば、上記 (2)の
異常のうち、逆止弁15近傍やポンプ5本体からの外部
への燃料洩れが生じているような場合には、前述の
(1)、 (3)の異常と同様直ちに機関を停止させることが
好ましい。しかし、ポンプ5への燃料供給不足による異
常は、例えばフィルタ9bの詰まりや低圧燃料ポンプ9
の異常による吐出量低下等により生じるため外部に燃料
が洩れる可能性も低く直ちに機関を停止する必要はな
い。むしろ、この場合には自動車用機関等では運転を継
続したほうが車両の退避走行が可能となり好ましい。
【0077】そこで、本実施形態では図9に示した異常
の種類の判別において前述の (2)の異常(ポンプ逆止弁
15上流側の燃料系統の洩れ、またはポンプ5への燃料
供給不足)が生じていると判別された場合には、更にこ
の異常が燃料系統の洩れによるものなのか、ポンプ5へ
の燃料供給不足によるものなのかを判別するようにして
いる。
【0078】次に、本実施形態におけるポンプ5への燃
料供給不足の有無判定方法について説明する。本実施形
態では、燃料供給配管13に設けた燃料供給圧力センサ
39で検出した圧力に基づいて燃料供給不足の判定を行
う。すなわち、燃料供給不足が生じておらず高圧ポンプ
5に十分な量の燃料が供給されている場合には高圧ポン
プ5の入口圧力は正圧になっている。ところが、燃料フ
ィルタ9bに詰まりが生じたり、低圧ポンプ9の吐出量
が低下するような異常が生じた場合には高圧ポンプ5の
入口圧力は負圧になる。そこで、本実施形態では図9の
異常種類判別において前述の (2)の異常が生じていると
判定された場合には、更に燃料供給圧力センサ39で検
出した燃料ポンプ5入口圧力PINが予め定めた圧力P
IN0 (PIN0<0)以下に低下しているか否かを判
定する。そして、PIN≧PIN0 の場合には異常の種
類がポンプ5等からの燃料洩れによると判定し、PIN
<PIN0の場合には燃料供給不足によるものと特定す
る。
【0079】図10は本実施形態の異常種類特定判別操
作を説明するフローチャートである。本ルーチンは、図
9のルーチンと同様ECU20により一定時間毎に実行
される。図10のフローチャートは、図9のフローチャ
ートにおけるステップ907をステップ1001からス
テップ1007に置換した以外は図9と同一であるの
で、ここでは相違点であるステップ1001からステッ
プ1007のみについて説明する。
【0080】図10において、ステップ903で異常フ
ラグXDの値が0であった場合、すなわち、前述の (2)
の種類の異常が生じている場合には、ステップ1001
で燃料供給圧力センサ39からポンプ入口圧力PINを
読み込み、ステップ1003で、圧力PINが所定の判
定圧力PIN0 より低いか否かを判断する。そして、P
IN≧PIN0 であった場合にはステップ1005に進
み異常パラメータFXの値を21に設定し、逆にPIN
<PIN0 であった場合にはステップ1007に進み異
常パラメータFXの値を22に設定する。FX=22は
本異常が燃料フィルタ9bの詰まりや低圧ポンプ9の吐
出量低下などにより生じた高圧ポンプ5への燃料供給不
足によるものであることを表しており、FX=21は高
圧ポンプ5または燃料供給系統からの燃料もれによるも
のであることを表している。
【0081】なお、上記により設定された異常パラメー
タFXの値が、1、3、及び21の場合には直ちに機関
10を停止し、FXの値が22の場合には運転席の警告
灯を点灯するのみとして、機関の運転を継続するように
しても良い。また、図9の実施形態と同様、異常パラメ
ータFXの値をECU20のバックアップRAMに格納
し将来の保守点検に備えるようにすることも可能であ
る。
【0082】なお、上記の判定において、判定圧力PI
0 の値をある程度の負圧に設定しているのは、燃料供
給配管13から外部に燃料洩れが生じたことによる燃料
供給不足の場合には異常パラメータFXの値を21に設
定するようにしたためである。すなわち、燃料フィルタ
9b、低圧ポンプ9ともに正常であっても燃料供給配管
13から外部に燃料もれが生じた場合には、高圧ポンプ
5への燃料供給不足が生じる可能性がある。しかし、こ
の場合には外部への燃料洩れが生じているのであるから
同じ燃料供給不足であっても燃料フィルタ9bの詰まり
等の場合とは異なり、直ちに機関を停止することが好ま
しい。一方、燃料供給配管13からの燃料洩れが生じた
場合には配管13内の圧力は大気圧以下に低下すること
はない。
【0083】そこで、本実施形態では配管13内の圧力
が所定の負圧PIN0 より低くなった場合にのみ燃料供
給不足による異常が生じたと判定することにより、外部
への燃料洩れによる燃料供給不足が生じた場合と区別す
るようにしている。上記のように、本実施形態によれば
外部への燃料洩れを伴わない異常(FX=22)と外部
への燃料洩れや燃料噴射弁の噴射量過大等による異常
(FX=1,3,21)とを判別することが可能となる
ため、異常が生じた場合に機関を直ちに停止すべきか否
かの判断を容易に行うことが可能となる。
【0084】
【発明の効果】各請求項に記載の発明によれば、実際の
燃料の温度、圧力等の条件に基づいて燃料の体積弾性係
数を算出し、この体積弾性係数を用いて異常検出を実行
するようにしたことにより、機関運転中に燃料圧力等が
広い範囲で変動するような場合でも正確な異常検出を行
うことが可能となる効果を奏する。
【0085】また、請求項2と3の発明では、上記異常
検出を行う際に蓄圧室から燃料タンクに返戻されるリタ
ーン燃料量を考慮するようにしたため、上記効果に加え
て、更に正確な異常検出を行うことが可能となる効果を
奏する。更に、請求項4の発明では、上記リターン燃料
量を学習記憶するようにしたことにより、請求項2と3
の発明の効果に加えて、リターン燃料量の経時的変化が
あった場合でも正確な異常検出を行うことが可能となる
効果を奏する。
【0086】また、請求項5の発明では燃料噴射前後の
圧力変動に基づく異常検出と、燃料圧送前後の圧力変動
に基づく異常検出との両方を行うようにしたことによ
り、1回の気筒サイクルに2回異常検出を行うことがで
き、燃料噴射系統の異常を早期に検出することができる
という効果を奏する。さらに、請求項6の発明では、請
求項5において両方の異常検出の結果の組合わせに基づ
いて異常の種類を特定するようにしたため、請求項5の
効果に加えて、より詳細な異常検出が可能となる効果を
奏する。
【0087】また、請求項7の発明によれば、請求項6
の効果に加えて、異常が生じた場合に、その故障が機関
を直ちに停止させる必要がある故障であるか否かを容易
に判定することが可能となる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料噴射装置の一実施形態の構成概略
を説明する図である。
【図2】本発明の燃料噴射系統の異常検出原理を説明す
る図である。
【図3】軽油の体積弾性係数の温度と圧力による変化の
一例を示す図である。
【図4】本発明の異常検出動作の一実施形態を示すフロ
ーチャートである。
【図5】本発明の異常検出動作の一実施形態を示すフロ
ーチャートである。
【図6】本発明の異常検出動作の一実施形態を示すフロ
ーチャートである。
【図7】本発明の異常検出動作の一実施形態を示すフロ
ーチャートである。
【図8】本発明の異常検出動作の一実施形態を示すフロ
ーチャートである。
【図9】本発明の異常検出動作の一実施形態を示すフロ
ーチャートである。
【図10】本発明の異常検出動作の (1)実施形態を説明
するフローチャートである。
【符号の説明】
1…燃料噴射弁 3…蓄圧室(コモンレール) 5…燃料噴射ポンプ 10…内燃機関 20…制御回路(ECU) 31…燃料圧力センサ 39…燃料供給圧力センサ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関に所定のタイミングで燃料を噴
    射する燃料噴射弁と、 該燃料噴射弁が接続される、加圧燃料を貯留する蓄圧室
    と、 該蓄圧室内の燃料圧力が所定値になるように所定のタイ
    ミングで蓄圧室に燃料を圧送する燃料ポンプと、 前記蓄圧室内の実際の燃料圧力を検出する圧力検出手段
    と、 前記蓄圧室内の燃料の圧力または温度の少なくとも一方
    に基づいて、燃料の体積弾性係数を検出する手段と、 前記検出した体積弾性係数と内燃機関の運転条件とに基
    づいて、前記燃料噴射弁からの燃料噴射前後の前記蓄圧
    室内の燃料圧力変動、若しくは前記燃料ポンプからの燃
    料圧送前後の前記蓄圧室内の燃料圧力変動、の少なくと
    も一方を推定する圧力変動推定手段と、 該圧力変動推定手段により推定された燃料噴射前後の圧
    力変動の推定値と前記圧力検出手段により検出された燃
    料噴射前後の燃料圧力変動の実測値との偏差、若しくは
    前記圧力変動推定手段により推定された燃料圧送前後の
    圧力変動の推定値と前記圧力検出手段により検出された
    燃料圧送前後の圧力変動の実測値との偏差、の少なくと
    も一方に基づいて燃料噴射系統の異常を検出する異常検
    出手段を備えた内燃機関の燃料噴射装置。
  2. 【請求項2】 前記圧力変動推定手段は、前記圧力検出
    手段により検出された燃料圧力、燃料温度、機関回転
    数、燃料噴射弁開弁時間のうち少なくとも一つに基づい
    て、蓄圧室から燃料タンクに返戻されるリターン燃料の
    量を算出するリターン燃料量算出手段を備え、 前記リターン燃料量と、内燃機関の運転条件により定ま
    る燃料噴射弁からの燃料噴射量とから前記燃料噴射前後
    の燃料圧力変動を推定し、 前記リターン燃料と、内燃機関の運転条件により定まる
    燃料ポンプからの燃料圧送量とから前記燃料圧送前後の
    燃料圧力変動を推定する、請求項1に記載の燃料噴射装
    置。
  3. 【請求項3】 前記リターン燃料量は前記燃料噴射弁か
    らの燃料噴射動作に起因して燃料タンクに返戻される動
    的リターン燃料量と、それ以外の静的リターン燃料量と
    の和として算出される請求項2に記載の燃料噴射装置。
  4. 【請求項4】 前記リターン燃料量算出手段は、前記燃
    料噴射と燃料圧送との両方を停止しているときに前記リ
    ターン燃料量を計測した結果を学習、記憶する学習手段
    を備え、該学習結果に基づいて静的リターン燃料量を算
    出する請求項3に記載の燃料噴射装置。
  5. 【請求項5】 前記異常検出手段は、前記燃料噴射前後
    の燃料圧力変動の推定値と実測値との偏差に基づく燃料
    噴射時異常検出と、前記燃料圧送前後の燃料圧力変動の
    推定値と実測値との偏差に基づく燃料圧送時異常検出と
    の両方を行う請求項1から請求項4のいずれか1項に記
    載の燃料噴射装置。
  6. 【請求項6】 前記異常検出手段は更に、前記燃料噴射
    時異常検出の結果と、前記燃料圧送時異常検出の結果と
    の両方に基づいて、異常の種類を判別する異常状態判別
    手段を備えた請求項5に記載の燃料噴射装置。
  7. 【請求項7】 更に、前記燃料ポンプに燃料を供給する
    燃料供給配管に配置された燃料フィルタと、該燃料フィ
    ルタと前記燃料ポンプとの間の燃料供給配管内の圧力を
    検出する燃料供給圧力検出手段とを備え、 前記異常状態判別手段は、前記燃料噴射時異常検出の結
    果と、前記燃料圧送時異常検出の結果との両方に基づい
    て、少なくとも前記燃料ポンプまたはその上流側の燃料
    供給系統に異常が生じたか否かを判定し、燃料ポンプま
    たはその上流側の燃料供給系統の異常が生じており、か
    つ前記燃料供給圧力検出手段により検出した圧力が予め
    定めた判定値より低い場合には、更に前記異常を燃料供
    給不足によるものと判別する請求項6に記載の燃料噴射
    装置。
JP20060197A 1997-02-21 1997-07-25 内燃機関の燃料噴射装置 Expired - Fee Related JP3796912B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20060197A JP3796912B2 (ja) 1997-02-21 1997-07-25 内燃機関の燃料噴射装置
DE1998609614 DE69809614T2 (de) 1997-02-21 1998-02-20 Kraftstoffeinspritzsystem für eine Brennkraftmaschine
EP19980102970 EP0860601B1 (en) 1997-02-21 1998-02-20 A fuel injection system for an internal combustion engine

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9-37996 1997-02-21
JP3799697 1997-02-21
JP20060197A JP3796912B2 (ja) 1997-02-21 1997-07-25 内燃機関の燃料噴射装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10299557A true JPH10299557A (ja) 1998-11-10
JP3796912B2 JP3796912B2 (ja) 2006-07-12

Family

ID=26377181

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20060197A Expired - Fee Related JP3796912B2 (ja) 1997-02-21 1997-07-25 内燃機関の燃料噴射装置

Country Status (3)

Country Link
EP (1) EP0860601B1 (ja)
JP (1) JP3796912B2 (ja)
DE (1) DE69809614T2 (ja)

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000055495A1 (fr) * 1999-03-17 2000-09-21 Hitachi, Ltd. Pompe d'alimentation en combustible
WO2001059292A1 (fr) * 2000-02-07 2001-08-16 Bosch Automotive Systems Corporation Injecteur de carburant
EP1201905A2 (en) 2000-10-27 2002-05-02 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha A device for detecting failure in a high pressure fuel supply system
JP2002538368A (ja) * 1999-02-26 2002-11-12 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 例えば自動車の内燃機関を駆動するためのシステム
EP1571317A2 (en) 2004-03-02 2005-09-07 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Exhaust gas recirculation controller
JP2006316771A (ja) * 2005-05-16 2006-11-24 Denso Corp 燃料供給装置の吸入経路監視装置
JP2007071067A (ja) * 2005-09-06 2007-03-22 Suzuki Motor Corp エンジンの高圧燃料系システムの故障診断装置
JP2009508054A (ja) * 2005-09-15 2009-02-26 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 燃料調量システムの監視のための方法及び装置
JP2010048258A (ja) * 1999-04-09 2010-03-04 Cummins Engine Co Inc 内燃エンジンのための障害認識のシステムおよび方法
CN101892920A (zh) * 2009-05-20 2010-11-24 罗伯特.博世有限公司 用于确定燃料温度的方法
JP2011111985A (ja) * 2009-11-27 2011-06-09 Denso Corp 燃料噴射システムの故障診断装置
JP2011127549A (ja) * 2009-12-18 2011-06-30 Toyota Motor Corp 燃料供給系の異常判定装置
CN102644519A (zh) * 2011-02-18 2012-08-22 株式会社电装 用于内燃引擎的燃料喷射系统
JP2012167645A (ja) * 2011-02-16 2012-09-06 Denso Corp 燃料噴射システムの故障部位判定装置
JP5220122B2 (ja) * 2008-10-28 2013-06-26 ボッシュ株式会社 圧力センサ診断方法及びコモンレール式燃料噴射制御装置
JP2013133714A (ja) * 2011-12-26 2013-07-08 Denso Corp 内燃機関制御システムの異常診断装置
WO2023026514A1 (ja) * 2021-08-23 2023-03-02 日立Astemo株式会社 電磁弁制御装置

Families Citing this family (29)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0860600B1 (en) * 1997-02-21 2003-09-17 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha A fuel injection system for an internal combustion engine
DE19833086B4 (de) * 1998-07-23 2013-08-01 Robert Bosch Gmbh MaximalwertVerfahren und Vorrichtung zur Erkennung einer Leckage in einem Kraftstoffversorgungssystem einer Brennkraftmaschine
DE60045229D1 (de) * 1999-02-15 2010-12-30 Toyota Motor Co Ltd Krafstoffdrucksteuervorrichtung und Verfahren für ein Hochdruckkraftstoffeinspritzsystem
FR2803875B1 (fr) * 2000-01-13 2002-07-19 Magneti Marelli France Procede de determination et de surveillance de la pression du carburant contenu dans une rampe d'alimentation d'un moteur a combustion interne
JP4052261B2 (ja) * 2004-03-02 2008-02-27 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の燃料供給装置
JP4089640B2 (ja) * 2004-03-02 2008-05-28 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
WO2006040617A1 (en) * 2004-10-12 2006-04-20 Ford Otomativ Sanayi Anonim Sirketi A method and apparatus for monitoring fuel injection
DE102004055575A1 (de) * 2004-11-18 2006-05-24 Robert Bosch Gmbh Verfahren und Vorrichtung zur Leckageprüfung eines Kraftstoffeinspritzventils einer Brennkraftmaschine
JP2006258039A (ja) * 2005-03-18 2006-09-28 Toyota Motor Corp 内燃機関の燃料供給装置
DE102007005685B4 (de) * 2007-02-05 2009-04-23 Continental Automotive Gmbh Verfahren zur Bestimmung einer Regelgröße für eine Druckregelung eines Hochdruckspeichers in einem Einspritzsystem
DE102007011654A1 (de) * 2007-03-09 2008-09-11 Continental Automotive Gmbh Verfahren und Vorrichtung zur Volumenstromregelung eines Einspritzsystems
JP4951380B2 (ja) 2007-03-26 2012-06-13 日立オートモティブシステムズ株式会社 高圧燃料系の制御装置
GB2449706A (en) * 2007-06-01 2008-12-03 Scania Cv Ab Identifying a Malfunctioning Fuel Injector
DE102008017160B3 (de) * 2008-04-03 2009-07-09 Continental Automotive Gmbh Verfahren zum Bestimmen des effektiven Kompressibilitätsmoduls eines Einspritzsystems
DE102008031535B3 (de) * 2008-07-03 2010-01-21 Continental Automotive Gmbh Verfahren zum Ermitteln einer Temperatur eines Kraftstoffes eines Einspritzsystems
DE102010013602B4 (de) 2010-03-31 2015-09-17 Continental Automotive Gmbh Verfahren zur Erkennung eines Fehlverhaltens eines elektronisch geregelten Kraftstoffeinspritzsystems eines Verbrennungsmotors
JP5126311B2 (ja) * 2010-07-22 2013-01-23 株式会社デンソー 燃料温度検出装置
DE102011077404B4 (de) * 2011-06-10 2012-12-27 Continental Automotive Gmbh Verfahren zur Bestimmung des Kraftstofftyps in einer Hochdruck-Einspritzvorrichtung eines Verbrennungsmotors
CN103075286B (zh) * 2012-12-27 2014-11-05 潍柴动力股份有限公司 一种高压油泵无法建立低轨压的故障检测方法及装置
DE102013201997A1 (de) 2013-02-07 2014-08-07 Robert Bosch Gmbh Verfahren und Vorrichtung zum Betrieb einer Kraftstoffeinspritzeinrichtung insbesondere eines Kraftfahrzeuges
EP2835518A1 (en) * 2013-08-05 2015-02-11 Delphi International Operations Luxembourg S.à r.l. Method to Determine Bulk Modulus of a Fuel
SE539683C2 (sv) * 2013-11-08 2017-10-31 Scania Cv Ab Förfarande för bestämning av bulkmodulen hos bränslen
DE102016224481A1 (de) * 2016-12-08 2018-06-14 Robert Bosch Gmbh Verfahren zur Prädiktion eines Drucks in einem Kraftstoffinjektor
DE102016225435B3 (de) * 2016-12-19 2018-02-15 Continental Automotive Gmbh Verfahren zum Betreiben einer Brennkraftmaschine mit Kraftstofferkennung
US10801462B2 (en) 2019-02-20 2020-10-13 Ford Global Technologies, Llc Fuel composition and aging estimation
US11181089B2 (en) 2019-02-20 2021-11-23 Ford Global Technologies, Llc Fuel composition and aging estimation
US10801428B2 (en) 2019-02-20 2020-10-13 Ford Global Technologies, Llc Fuel composition and aging estimation
DE102019205680B4 (de) * 2019-04-18 2021-08-05 Vitesco Technologies GmbH Verfahren und Vorrichtung zum Ermitteln der Kraftstofftemperatur eines Kraftstoffs
CN111237072B (zh) * 2020-03-27 2022-08-05 潍柴动力股份有限公司 一种电控柴油机喷嘴故障识别方法、系统及电子控制单元

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5058553A (en) * 1988-11-24 1991-10-22 Nippondenso Co., Ltd. Variable-discharge high pressure pump
JP3033214B2 (ja) * 1991-02-27 2000-04-17 株式会社デンソー 複数の燃料圧送手段による蓄圧式燃料供給方法及び装置と、複数の流体圧送手段を有する機器における異常判断装置
JP3115467B2 (ja) * 1993-11-02 2000-12-04 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の燃料噴射装置
US5529044A (en) * 1994-07-29 1996-06-25 Caterpillar Inc. Method for controlling the fuel injection rate of a hydraulically-actuated fuel injection system
EP0860600B1 (en) * 1997-02-21 2003-09-17 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha A fuel injection system for an internal combustion engine

Cited By (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002538368A (ja) * 1999-02-26 2002-11-12 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 例えば自動車の内燃機関を駆動するためのシステム
WO2000055495A1 (fr) * 1999-03-17 2000-09-21 Hitachi, Ltd. Pompe d'alimentation en combustible
JP2010048258A (ja) * 1999-04-09 2010-03-04 Cummins Engine Co Inc 内燃エンジンのための障害認識のシステムおよび方法
WO2001059292A1 (fr) * 2000-02-07 2001-08-16 Bosch Automotive Systems Corporation Injecteur de carburant
EP1201905A2 (en) 2000-10-27 2002-05-02 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha A device for detecting failure in a high pressure fuel supply system
EP1201905A3 (en) * 2000-10-27 2003-09-24 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha A device for detecting failure in a high pressure fuel supply system
EP1571317A2 (en) 2004-03-02 2005-09-07 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Exhaust gas recirculation controller
US7059309B2 (en) 2004-03-02 2006-06-13 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Exhaust gas recirculation controller
JP2006316771A (ja) * 2005-05-16 2006-11-24 Denso Corp 燃料供給装置の吸入経路監視装置
JP4539503B2 (ja) * 2005-09-06 2010-09-08 スズキ株式会社 エンジンの高圧燃料系システムの故障診断装置
JP2007071067A (ja) * 2005-09-06 2007-03-22 Suzuki Motor Corp エンジンの高圧燃料系システムの故障診断装置
JP4646261B2 (ja) * 2005-09-15 2011-03-09 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 燃料調量システムの監視のための方法及び装置
JP2009508054A (ja) * 2005-09-15 2009-02-26 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 燃料調量システムの監視のための方法及び装置
JP5220122B2 (ja) * 2008-10-28 2013-06-26 ボッシュ株式会社 圧力センサ診断方法及びコモンレール式燃料噴射制御装置
CN101892920A (zh) * 2009-05-20 2010-11-24 罗伯特.博世有限公司 用于确定燃料温度的方法
JP2011111985A (ja) * 2009-11-27 2011-06-09 Denso Corp 燃料噴射システムの故障診断装置
JP2011127549A (ja) * 2009-12-18 2011-06-30 Toyota Motor Corp 燃料供給系の異常判定装置
JP2012167645A (ja) * 2011-02-16 2012-09-06 Denso Corp 燃料噴射システムの故障部位判定装置
DE102012100735B4 (de) * 2011-02-16 2020-02-06 Denso Corporation Detektor für einen fehlerhaften Abschnitt für ein Kraftstoffeinspritzsystem
CN102644519A (zh) * 2011-02-18 2012-08-22 株式会社电装 用于内燃引擎的燃料喷射系统
JP2013133714A (ja) * 2011-12-26 2013-07-08 Denso Corp 内燃機関制御システムの異常診断装置
WO2023026514A1 (ja) * 2021-08-23 2023-03-02 日立Astemo株式会社 電磁弁制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
DE69809614D1 (de) 2003-01-09
EP0860601B1 (en) 2002-11-27
EP0860601A2 (en) 1998-08-26
JP3796912B2 (ja) 2006-07-12
DE69809614T2 (de) 2003-04-10
EP0860601A3 (en) 2000-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3796912B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射装置
EP0860600B1 (en) A fuel injection system for an internal combustion engine
JP3834918B2 (ja) エンジンの燃料噴射方法及びその装置
EP1832737B1 (en) Abnormality-determining device and method for fuel supply system
US9002666B2 (en) Defective-portion detector for fuel injection system
US7210459B2 (en) Common-rail fuel injection system
US20080041331A1 (en) System for dynamically detecting fuel leakage
US20120255521A1 (en) Fuel supply device and fuel supply control method for internal combustion engine
JP2009085164A (ja) 噴射異常検出装置及び燃料噴射システム
EP1441120B1 (en) Pressure accumulation type fuel injection system
EP1308616B1 (en) Fuel injection system with fuel pressure sensor
JP3339326B2 (ja) 燃料供給装置
JP2000303887A (ja) 内燃機関の燃料噴射装置
EP1201905B1 (en) A device for detecting failure in a high pressure fuel supply system
JP5813531B2 (ja) 燃料噴き放し検出装置
JP2013177823A (ja) 燃料漏れ検出装置
JP3966133B2 (ja) ポンプ異常診断装置
KR100612784B1 (ko) 축압식 연료 분사 시스템
JP2003239794A (ja) 蓄圧式燃料噴射装置
JP3587011B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JPH1130150A (ja) 蓄圧式燃料噴射装置
JP3282581B2 (ja) コモンレール式燃料噴射装置の燃料リターン量算出方法と実燃料噴射量算出方法、及び燃料噴射制御方法
JPH1054317A (ja) 燃料供給装置
JP4218218B2 (ja) コモンレール式燃料噴射装置
JP3879137B2 (ja) 蓄圧式燃料噴射装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040630

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040706

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040903

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050621

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050721

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060328

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060410

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090428

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100428

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100428

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110428

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120428

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120428

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130428

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees