JPH10284795A - 歪み量及び層厚変調型多重量子井戸構造を備える半導体レーザ素子および製造方法 - Google Patents
歪み量及び層厚変調型多重量子井戸構造を備える半導体レーザ素子および製造方法Info
- Publication number
- JPH10284795A JPH10284795A JP8499997A JP8499997A JPH10284795A JP H10284795 A JPH10284795 A JP H10284795A JP 8499997 A JP8499997 A JP 8499997A JP 8499997 A JP8499997 A JP 8499997A JP H10284795 A JPH10284795 A JP H10284795A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- quantum well
- layer
- strain
- amount
- thickness
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Semiconductor Lasers (AREA)
Abstract
電流特性を改善し、キャリア注入効率を改善し、安定な
発光波長が得られる多重量子井戸構造の半導体レーザ素
子および製造方法を提供する。 【解決手段】 複数の量子井戸層QW1〜QW4からな
る活性領域Actを挟むp型クラッド層Cd1およびn
型クラッド層Cd2を有し、各量子井戸層QW1〜QW
4は隣接するクラッド層Cd1、Cd2又は/およびバ
リアー層間でポテンシャル障壁ΔEc1〜ΔEc4を形
成するもので、各量子井戸層QW1〜QW4内のキャリ
アの量子化準位μ1〜μ4とポテンシャル障壁ΔEc1
〜ΔEc4との差が所定値になるよう各量子井戸層QW
1〜QW4の歪量ε1〜ε4が形成、または歪量ε1〜
ε4および層厚T1〜T4が形成される。
Description
を備える半導体レーザ素子および製造方法に関し、とり
わけ歪み量及び層厚変調型の多重量子井戸構造を備える
半導体レーザ素子および製造方法に関するものである。
は、活性層がキャリアである電子、正孔のドブロイ波長
程度以下の厚さの量子井戸構造である半導体レーザであ
り、とりわけ量子井戸層(ウエル)と障壁層(バリア
ー)が交互に積層され、量子井戸層が2層以上のものが
多重量子井戸(MQW)半導体レーザとなる。
性層内に形成された量子化準位間の電子遷移がレーザ発
振を支配し、キャリア状態密度がステップ関数状である
ため、光学利得スペクトルの半値幅が狭くなる。この結
果、小さな注入電流密度で利得係数が急激に上昇し、し
きい値電流Ithが減少する。
系の材料を用い、ミスフィット転移発生のないように量
子井戸層の厚みを臨界層厚以下にした、歪量子井戸半導
体レーザまたは歪超格子半導体レーザが広く適用されて
いる。
みによる圧縮または引っ張り応力の大きさを制御するこ
とにより、量子井戸層と障壁層の伝導帯側のポテンシャ
ル差すなわち電子のポテンシャル障壁ΔEc、または/
および、量子井戸層と障壁層の価電子帯側のポテンシャ
ル差すなわち正孔のポテンシャル障壁ΔEvを制御し
て、バンドギャップΔEgを変化させることが可能であ
る。
−x)Pの歪み量子井戸における、伝導帯の電子のポテ
ンシャル障壁ΔEcの歪み量ε依存度を示す線図であ
る。歪み量εは、着目する量子井戸の格子定数をΛq、
隣接するバリアー層あるいはクラッド層の格子定数をΛ
bcとした場合、 ε=(Λq−Λbc)/Λq として定義され、ε>0で圧縮歪みとなり、ε<0で引
張り歪みとなる。同図によれば、バンドギャップΔEg
で正規化された電子のポテンシャル障壁ΔEcは、ε=
0すなわち無歪時の値に対し、圧縮歪(ε>0)で増加
し、引張り歪(ε<0)で減少する。
くバンド構造を変化させる。ε>0(圧縮歪)の領域で
は、価電子帯最頂上に位置するバンドは成長面方向の正
孔質量が軽い。このため、前記組成の物質を半導体レー
ザの利得媒質として用いると、より少数の正孔の注入で
正孔の擬フェルミレベルが容易に上昇しキャリアの反転
分布が得やすくなるなどのため、レーザの低しきい値発
振が可能となる。
いても、価電子の状態と伝導帯との光学的遷移確率が大
きく、そのため微分利得が増大するなどのため、この結
晶を活性層に用い、レーザの発振しきい値低減が可能で
ある。
なるよう層厚が設計された2重量子井戸構造レーザ発振
しきい値のGa(x)In(1−x)P井戸層組成、す
なわち、歪量(ε)依存性である。歪のないレーザと比
較し、歪量が正負それぞれの適切な値、例えばε=+
0.6%あるいはε=−0.5%近傍それぞれで低発振
しきい値Ithが実現している。なお圧縮歪量子井戸で
はTEモードで、引っ張り歪ではTMモードで発振す
る。
利得制御の有力な手段となる。このほか歪は、伝導帯、
価電子帯のエネルギー準位を変えるため、各種ヘテロ接
合デバイスで重要なヘテロ接合のバンド不連続量が変わ
る。このため、逆にバンド不連続量を制御する手段とも
なる。
井戸(MQW)構造におけるエネルギーバンドギャップ
の模式図である。同図で、量子井戸層に加える歪み量ε
は格子ずれ(Δa/a)で定義され、この構造は量子井
戸層がεが+0.5%のGaInP層で構成され、また
バリアー層が無歪みの(Al0.5Ga0.5)0.5
InP層で構成される。
〜QW104に加えられた歪み量εは+0.5%で一定
であり、伝導帯CBD側のポテンシャル障壁ΔEcは各
量子井戸QW101〜QW104につき等しい値とな
り、同様に価電子帯VBD側のポテンシャル障壁ΔEv
も各量子井戸QW101〜QW104につき等しくな
る。したがって、バンドギャップΔEgも等しく、また
伝導帯CBD側の電子の量子化準位μと価電子帯VBD
側の正孔の量子化準位νの差(=フェルミ準位差ΔEf
ermi)も等しい構成となっている。
比を0.5からいずれか一方にずらせて成膜することで
なされる。例えばInを0.57、Gaを0.43と若
干In組成を上げてIn過剰側(x<0.5)に成膜す
ることで、格子ずれ(Δa/a)は約+0.65%とな
り、伝導帯CBD側のポテンシャル障壁ΔEcが増加
し、エネルギーバンドが縮小することが知られている
(IEEE Jounalof Quantum El
ectronics、V29 No.6 1863−1
867)。
n過剰側(x<0.5)で圧縮の、2軸性応力が働き、
歪が生ずる。前記と逆にGaの組成比を上げると、引張
り(マイナス)歪みが発生し、伝導帯CBD側のポテン
シャル障壁ΔEcが減少してエネルギーバンドギャップ
が拡大する。また、歪みを量子井戸層に加えることによ
り生じる利点として、価電子帯の縮退が解け、ゲインが
とれやすくなるためレーザ素子の発振しきい値が下がる
ことが知られている。例えば赤色波長帯のレーザ素子の
うち、635nmのレーザ素子にはマイナス歪みが、6
50nmのレーザ素子にはプラス歪みが加えられてい
る。
し、歪量を量子井戸層毎に異ならせた構成における活性
領域の伝導帯側エネルギーレベルの模式図であり、この
図には伝導帯側のみが示されている。同図で、量子井戸
層QW110〜QW113はn型クラッド層N110と
p型クラッド層P110とに挟まれて配置され、各量子
井戸層QW110〜QW113はすべて同一の層厚T1
10で構成されている。
えられた歪み量は、量子井戸層QW110につきε11
0=0%で無歪、量子井戸層QW111につきε111
=0.1%、量子井戸層QW112につきε112=
0.3%、量子井戸層QW113につきε113=0.
5%と、漸増している。
して歪み量に依存する。したがって無歪の量子井戸層Q
W110のポテンシャル障壁をΔEc110とすると、
量子井戸層QW111のポテンシャル障壁ΔEc111
はそれより大きく(井戸は深く)、以下順に量子井戸層
QW112〜QW113のポテンシャル障壁ΔEc11
2〜ΔEc113は漸増している。
は電子の量子化準位は、主として電子の有効質量と層厚
に依存するが、ここで有効質量は略同一と見做せるか
ら、層厚に依存することになる。この構成では層厚は各
量子井戸層とも同一であるから、よって各量子井戸層の
量子化準位は各井戸の底を原点として同じ高さに位置す
る。
ように各量子井戸層で異なるから、よって伝導帯側の電
子の量子化準位μ110〜μ113と価電子帯側(図示
されない)の正孔の量子化準位νの差(=フェルミ準位
差ΔEfermi)に差異が生じる。これは主に価電子
帯側の正孔の量子化準位νのプロファイルが異なること
による。このため、発光過程に寄与するエネルギーが各
量子井戸層で異なることから、発振波長分布がブロード
になってしまう。
構成における活性領域の伝導帯側エネルギーレベルの模
式図であり、同図に示される構成は、前記図12の構成
に改善が試みられたものである。また同図には伝導帯側
のみが示されている。前記図12の説明で明らかなよう
に、歪量の大小によってエネルギーバンドギャップが変
動して、発振波長にばらつきが発生する。これを解決す
べく、各量子井戸層に加えられる歪量を与件として、発
振波長を一定に維持するように各量子井戸層厚を調整す
る構成となっている。
4はn型クラッド層N120とp型クラッド層P120
とに挟まれて配置されている。各量子井戸層QW120
〜QW124に加えられた歪み量は、量子井戸層QW1
20につきε120=0%で無歪、量子井戸層QW12
1につきε121=0.1%、量子井戸層QW122に
つきε122=0.3%、量子井戸層QW123につき
ε123=0.3%、量子井戸層QW124につきε1
24=0.5%と、漸増している。
して歪み量に依存する。したがって無歪の量子井戸層Q
W120のポテンシャル障壁をΔEc120とすると、
量子井戸層QW121のポテンシャル障壁ΔEc121
はそれより大きく(井戸は深く)、以下順に量子井戸層
QW122〜QW124のポテンシャル障壁ΔEc12
2〜ΔEc124は横這い又は漸増している。
位は、前記例のように層厚に依存するから、よってこの
構成においては各量子井戸層の量子化準位が一律のμ1
20となるように、各量子井戸層QW120〜QW12
4の層厚T120〜T124がそれぞれ独立に調整され
る。このようにして、発振波長分布をシャープにするも
のである。
ような従来技術では、一律の量子化準位となるように層
厚を調整するから、例えば図13の量子井戸層QW12
2〜QW124の層厚T122〜T124にみられるよ
うに、特定の井戸の層厚が極端に薄くなるような設計値
となる場合がある。例えば量子井戸層厚が30オングス
トローム程度以下の非常に薄い層厚になると、形成が難
しくなり、量子井戸層厚の管理も困難になる。
与する活性領域内の有効エリアが減少してゲインが低下
する。そこで充分なゲインを得るために、活性領域内の
量子井戸の数(multi数)を図13のように増やす
必要があるが、これはバリアー数の増加をまねき、量子
井戸層へのキャリアの注入効率が悪くなり、しきい値上
昇や効率の悪化を引き起こすという問題があった。
ると、実際に製作した場合、ダレ(なまり)が生じるこ
とが多い。この場合井戸型ポテンシャルの劣化で井戸の
底上げが主として起こり、発光波長の短波化を招くほ
か、各量子井戸層の発光波長に差が生じ、動作条件の変
動や利得の低下をまねくという問題があった。
と、ゲインが得やすく、偏向比が大になる利点があるも
のの、層厚限界が狭くなる欠点がある。一方、層厚を大
にすると、キャリアの捕獲が容易になり、製造が容易で
層厚揺らぎの影響が減り、ダレが少ないという利点があ
るものの、MQWでのキャリア均一注入に難があり、Q
W効果(ゲイン大、偏向選択大)が減るという欠点があ
り、最適化が容易ではなかった。したがって従来技術
は、キャリア、とりわけ電子の閉じ込め効果に関わるオ
ーバーフロー特性の改善や、しきい値電流特性の改善に
ついても効果的な技術とはなりえなかった。
問題点を解決するためなされたもので、キャリアを有効
に閉じ込め、あふれ現象の発生を抑えてしきい値電流特
性を改善し、同時にキャリア注入効率の改善がなされる
とともに、安定な発光波長が得られる多重量子井戸構造
の半導体レーザ素子および製造方法を提供することを目
的とする。
本発明に係る多重量子井戸構造を備える半導体レーザ素
子は、活性領域および該活性領域を挟むp型クラッド層
およびn型クラッド層を有し、前記活性領域が複数の量
子井戸層からなり、前記各量子井戸層は隣接する前記ク
ラッド層又は/およびバリアー層間でポテンシャル障壁
を形成する多重量子井戸構造である半導体レーザ素子で
あって、前記各量子井戸層内のキャリアの量子化準位と
前記ポテンシャル障壁との差が所定値になるよう前記各
量子井戸層の歪量が形成、または歪量および層厚が形成
されたことを特徴とする。
子井戸構造を備える半導体レーザ素子によれば、歪量
が、または歪量および層厚の両方が調整されたことによ
り、各量子井戸層内のキャリアの量子化準位とポテンシ
ャル障壁との差を所望の値にでき、よってキャリア閉じ
込めが有効になされてオーバーフロー特性が改善され
る。
を備える半導体レーザ素子について、各量子井戸層の層
厚が狭くなる場合に、予めマイナス歪量を少なくする
か、あるいはプラス歪量を多くしてバンドギャップが調
整される場合は、量子井戸層において生起される井戸型
ポテンシャルの劣化を前以て予防することが可能にな
る。
を備える半導体レーザ素子について、p型クラッド層あ
るいはn型クラッド層の少なくとも一方に隣接する量子
井戸層の層厚が他の量子井戸層の層厚よりも厚く構成さ
れる場合は、電子あるいは/およびホールのオーバーフ
ロー特性、とりわけ電子のオーバーフロー特性が改善さ
れるとともに、ヘテロ界面の数が減少してキャリア注入
効率が改善され、しきい値電流特性の改善がなされる。
さらに、活性領域内の有効出力エリアが拡大される。
を備える半導体レーザ素子について、p型クラッド層あ
るいはn型クラッド層の少なくとも一方に隣接する量子
井戸層の層厚が他の量子井戸層の層厚よりも厚く構成さ
れ、かつ各量子井戸層の層厚が狭くなる場合に、予めマ
イナス歪量を少なくするか、あるいはプラス歪量を多く
してバンドギャップが調整される場合は、従来技術で発
生していたような量子井戸層で発生する井戸型ポテンシ
ャルの劣化を回避でき、さらに電子あるいは/およびホ
ールのオーバーフロー特性が改善されるとともに、活性
領域内の有効出力エリアが拡大し、かつバリアー層の数
が抑えられることでキャリア注入効率が改善され、しき
い値電流特性の改善がなされる。
を備える半導体レーザ素子について、各量子井戸層内の
キャリア密度が異なる際に、キャリア密度に応じた歪量
を各量子井戸層に形成することにより発光波長変動を抑
制する構成とされる場合は、精度のよい歪量制御によっ
て発光波長変動が効果的に抑制される。
を備える半導体レーザ素子について、各量子井戸層の層
厚が狭くなる場合に、予めマイナス歪量を少なくする
か、あるいはプラス歪量を多くしてバンドギャップが調
整され、かつ各量子井戸層内のキャリア密度が異なる際
に、キャリア密度に応じた歪量を各量子井戸層に形成す
ることにより発光波長変動を抑制する構成とされる場合
は、量子井戸層において発生する井戸型ポテンシャルの
劣化を予防でき、また精度のよい歪量制御によって効果
的な発光波長変動の抑制がなされる。
を備える半導体レーザ素子について、p型クラッド層あ
るいはn型クラッド層の少なくとも一方に隣接する量子
井戸層の層厚が他の量子井戸層の層厚よりも厚く形成さ
れ、かつ各量子井戸層内のキャリア密度が異なる際に、
キャリア密度に応じた歪量を各量子井戸層に形成するこ
とにより発光波長変動を抑制する構成とされる場合は、
電子あるいは/およびホールのオーバーフロー特性、と
りわけ電子のオーバーフロー特性が改善されるととも
に、ヘテロ界面の数が減少してキャリア注入効率が改善
され、しきい値電流特性の改善がなされる。さらに、活
性領域内の有効出力エリアが拡大され、また精度のよい
歪量制御によって効果的な発光波長変動の抑制がなされ
る。
を備える半導体レーザ素子について、前記各量子井戸層
の層厚が狭くなる場合に、予めマイナス歪量を少なくす
るか、あるいはプラス歪量を多くしてバンドギャップが
調整され、かつp型クラッド層あるいはn型クラッド層
の少なくとも一方に隣接する量子井戸層の層厚が他の量
子井戸層の層厚よりも厚く構成され、かつ各量子井戸層
内のキャリア密度が異なる際に、キャリア密度に応じた
歪量を各量子井戸層に形成することにより発光波長変動
を抑制する構成とされる場合は、量子井戸層における井
戸型ポテンシャルの劣化を未然に予防できる。
バーフロー特性、とりわけ電子のオーバーフロー特性が
改善されるとともに、活性領域内の有効出力エリアが拡
大し、かつバリアー層の数が抑えられることでキャリア
注入効率が改善され、しきい値電流特性の改善がなされ
る。また精度のよい歪量制御によって効果的な発光波長
変動の抑制がなされる。
える半導体レーザ素子の製造方法は、活性領域および該
活性領域を挟むp型クラッド層およびn型クラッド層を
有し、活性領域が複数の量子井戸層からなり、各量子井
戸層は隣接するクラッド層又は/およびバリアー層間で
ポテンシャル障壁を形成する多重量子井戸構造である半
導体レーザ素子の、各量子井戸層内のキャリアの量子化
準位とポテンシャル障壁との差が所定値になるよう各量
子井戸層の歪量を形成、または歪量および層厚を形成す
る製造方法とする。
子井戸構造を備える半導体レーザ素子の製造方法によれ
ば、歪量が、または歪量および層厚の両方が調整されて
形成されることにより、各量子井戸層内のキャリアの量
子化準位とポテンシャル障壁との差が所望の値になされ
た、よってオーバーフロー特性が改善された半導体レー
ザ素子の製造が可能になる。
を備える半導体レーザ素子の製造方法について、各量子
井戸層の層厚が狭くなる場合に、予めマイナス歪量を少
なくするか、あるいはプラス歪量を多くしてバンドギャ
ップを調整する場合は、従来にみられたような量子井戸
層で生起される井戸型ポテンシャルの劣化の予防が可能
な半導体レーザ素子が製造される。
を備える半導体レーザ素子の製造方法について、p型ク
ラッド層あるいはn型クラッド層の少なくとも一方に隣
接する量子井戸層の層厚を他の量子井戸層の層厚よりも
厚く形成する場合は、電子あるいは/およびホールのオ
ーバーフロー特性、とりわけ電子のオーバーフロー特性
が改善されるとともに、キャリア注入効率が改善され、
しきい値電流の改善がなされた半導体レーザ素子の製造
が可能になる。
を備える半導体レーザ素子の製造方法について、p型ク
ラッド層あるいはn型クラッド層の少なくとも一方に隣
接する量子井戸層の層厚を他の量子井戸層の層厚よりも
厚く形成し、かつ前記各量子井戸層の層厚が狭くなる場
合に、予めマイナス歪量を少なくするか、あるいはプラ
ス歪量を多くしてバンドギャップを調整する場合は、量
子井戸層において生起される井戸型ポテンシャルの劣化
を予防でき、さらに電子あるいは/およびホールのオー
バーフロー特性、とりわけ電子のオーバーフロー特性が
改善されるとともに、キャリア注入効率が改善され、よ
ってしきい値電流の改善がなされた半導体レーザ素子の
製造が可能になる。
を備える半導体レーザ素子の製造方法について、各量子
井戸層内のキャリア密度が異なる際に、キャリア密度に
応じた歪量を各量子井戸層に形成する場合は、精度のよ
い歪量制御によって発光波長動が効果的に抑制される半
導体レーザ素子の製造が可能になる。
を備える半導体レーザ素子の製造方法について、各量子
井戸層の層厚が狭くなる場合に、予めマイナス歪量を少
なくするか、あるいはプラス歪量を多くしてバンドギャ
ップが調整され、かつ各量子井戸層内のキャリア密度が
異なる際に、キャリア密度に応じた歪量を各量子井戸層
に形成する場合は、量子井戸層にあって井戸型ポテンシ
ャルの劣化が予防され、また精度のよい歪量制御によっ
て効果的な発光波長変動の抑制がなされる半導体レーザ
素子の製造が可能になる。
を備える半導体レーザ素子の製造方法について、p型ク
ラッド層あるいはn型クラッド層の少なくとも一方に隣
接する量子井戸層の層厚が他の量子井戸層の層厚よりも
厚く形成され、かつ各量子井戸層内のキャリア密度が異
なる際に、キャリア密度に応じた歪量を各量子井戸層に
形成する構成とされる場合は、電子あるいは/およびホ
ールのオーバーフロー特性、とりわけ電子のオーバーフ
ロー特性が改善される。
ア注入効率が改善され、しきい値電流特性の改善がなさ
れ、活性領域内の有効出力エリアが拡大され、また精度
のよい歪量制御によって効果的な発光波長変動の抑制が
なされる半導体レーザ素子の製造が可能になる。
を備える半導体レーザ素子の製造方法について、各量子
井戸層の層厚が狭くなる場合に、予めマイナス歪量を少
なくするか、あるいはプラス歪量を多くしてバンドギャ
ップが調整され、かつp型クラッド層あるいはn型クラ
ッド層の少なくとも一方に隣接する量子井戸層の層厚が
他の量子井戸層の層厚よりも厚く形成され、かつ各量子
井戸層内のキャリア密度が異なる際に、キャリア密度に
応じた歪量を各量子井戸層に形成する構成とされる場合
は、量子井戸層において井戸型ポテンシャルの劣化が予
防され、電子あるいは/およびホールのオーバーフロー
特性、とりわけ電子のオーバーフロー特性が改善され、
活性領域内の有効出力エリアが拡大し、かつバリアー層
の数を抑えてキャリア注入効率が改善されるとともに、
しきい値電流特性の改善がなされ、精度のよい歪量制御
によって効果的な発光波長変動の抑制がなされる半導体
レーザ素子の製造が可能になる。
を添付図を参照して詳細に説明する。なお、以下に述べ
る実施形態は、この発明の好適な具現例の一部であり、
技術構成上好ましい種々の限定が付されているが、この
発明の範囲は、以下の説明において特にこの発明を限定
する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるもの
ではない。
レーザ素子の第1実施形態における活性領域の伝導帯側
エネルギーレベルの模式図である。図1に示されるよう
に、本発明に係る多重量子井戸半導体レーザ素子の活性
領域Actは、p型又はn型クラッド層Cd1およびn
型又はp型クラッド層Cd2に挟まれる。
(歪量ε1:層厚T1)、バリア層B1、第2量子井戸
層QW2(歪量ε2:層厚T2)、バリア層B2、第3
量子井戸層QW3(歪量ε3:層厚T3)、バリア層B
3、第4量子井戸層QW4(歪量ε4:層厚T4)が、
この順に、p型又はn型クラッド層Cd1からn型又は
p型クラッド層Cd2に至り形成されている。
隣接する第1量子井戸層QW1の層厚T1を大に設定す
る。同様に、n型又はp型クラッド層Cd2に隣接する
第4量子井戸層QW4の層厚T4を大に設定する。この
ように、クラッド層に隣接する量子井戸層の幅を広くと
ることによって、キャリア捕獲を容易にし、量子井戸層
からクラッド層へのキャリアのあふれを抑制する。
と、量子化準位が価電子帯側にシフトする。そこでこの
シフト分を補償する目的で、第1量子井戸層QW1にお
いては歪量ε1を、マイナス歪では大きく、あるいはプ
ラス歪では小さくすると、ポテンシャル障壁ΔEc1が
減少することにより、量子化準位は伝導帯CBD側にシ
フトして戻り、量子化準位μ1となる。
歪量ε4を、マイナス歪では大きく、あるいはプラス歪
では小さくすると、ポテンシャル障壁ΔEc4が減少す
ることにより、量子化準位は伝導帯CBD側にシフトし
て戻る。このとき歪量ε4、層厚T4を選定して、量子
化準位を前記μ1とすることもできる。図では、同じ量
子化準位μ1を構成する場合を示している。
値が与えられている場合は、ポテンシャル障壁ΔEc1
やΔEc4等との差がこの所定値になるよう、各量子井
戸層の歪量、または歪量および層厚を選定・設定する。
第3量子井戸層QW3については、層厚T2、T3を狭
く、プラス歪量ε2、ε3を大(あるいはマイナス歪量
ε2、ε3を小)として高い発振効率を確保するととも
に、層厚T2と歪量ε2、層厚T3と歪量ε3を可制御
量とみなして、量子化準位の変動を最小とする値を選定
・設定する。とりわけ、量子化準位を前記μ1とするよ
うに選定することが好ましい。このように、挟まれた領
域の量子井戸層は幅狭−高ひずみとすることで、しきい
値電流Ithの改善(低下)をはかることができる。
ては、層厚の選定において最小限界層厚を限度値として
選定・設定作業することが好ましい。これにより、井戸
型ポテンシャルのなまりが生じるような寸法の層厚を排
除することができる。
ーバーフローを両端に作った幅広の井戸で防ぐ構成であ
る。これによって、従来温度特性的に不利であった、6
50nm帯のAlGaInP系レーザの高温動作の改善
が可能となる。また、このように層厚の量子井戸層を混
在させることで、全体のヘテロ界面の数を減らすことが
でき、キャリアの注入効率や素子の信頼性の向上も実現
される。
レーザ素子の第2実施形態における活性領域の伝導帯側
エネルギーレベルの模式図である。本実施形態の活性領
域Act2の構成は、前記第1実施形態の第1量子井戸
層QW1(歪量ε1:層厚T1)を、第1’量子井戸層
QW1’(歪量ε1’)に変更したものであり、歪量ε
1’を前記歪量ε1よりも若干変え、井戸を浅くしたも
のである。前記第1実施形態はプロファイルが対称形で
あったが、本実施形態は非対称のプロファイルとなって
いる。図では特に、全量子井戸層に共通の量子化準位μ
1の他に、量子化準位μ1’が形成されるものを示して
いるが、実施形態はこれに限られない。作用効果は前記
第1実施形態に準ずる。
レーザ素子の第3実施形態における活性領域の伝導帯側
エネルギーレベルの模式図である。図3に非対称な歪み
変調QW構造の1例を示す。これは、前記第1実施形態
におけるような、pおよびn型両クラッド層にそれぞれ
層厚の量子井戸を設ける構成ではなく、特にp型クラッ
ド層Cd11側だけに層厚の量子井戸層を設け、オーバ
ーフローしやすい電子の溜めを意図したものである。一
般にホールは、有効質量も重いため、キャリアオーバー
フローは電子に比べ少ないと言われている。そこで、電
子にのみ大きく効果がある、非対称構造としたものであ
る。
ーザ素子の活性領域Act3は、p型クラッド層Cd1
1およびn型クラッド層Cd12に挟まれる。活性領域
Act3は、第1量子井戸層QW11(歪量ε11:層
厚T11)、バリア層B11、第2量子井戸層QW12
(歪量ε12:層厚T12)、バリア層B12、第3量
子井戸層QW13(歪量ε13:層厚T13)、バリア
層B13、第4量子井戸層QW14(歪量ε14:層厚
T14)が、この順に、p型クラッド層Cd11からn
型クラッド層Cd12に至り形成されている。
る第1量子井戸層QW11の層厚T11を大に設定す
る。また、図示されるような、つぎに隣接する第2量子
井戸層QW12も同様に、層厚T12を大に設定する構
成も可能である。一方、n型クラッド層Cd12に隣接
する第4量子井戸層QW14の層厚T4は小とする。こ
のように、p型クラッド層に隣接する量子井戸層の幅を
広くとることによって、電子の捕獲を容易にし、量子井
戸層からクラッド層への電子のあふれを抑制する。
バーフローをp型クラッド層側に作った層厚の井戸で防
ぐ構成である。また、層厚の量子井戸層を混在させるこ
とで、全体のヘテロ界面の数を減らすことができ、キャ
リアの注入効率や素子の信頼性の向上も実現される。
レーザ素子の第4実施形態における活性領域の伝導帯側
エネルギーレベルの模式図である。本実施形態の活性領
域Act4の構成は、前記第3実施形態の第2量子井戸
層QW12(歪量ε12:層厚T12)を、第2’量子
井戸層QW12’(歪量ε12’)に変更したものであ
り、歪量ε12’を前記歪量ε12よりも若干変え、井
戸を浅くしたものである。図では特に、全量子井戸層に
共通の量子化準位μ11の他に、量子化準位μ12’が
形成されるものを示しているが、実施形態はこれに限ら
れない。作用効果は前記第3実施形態に準ずる。
レーザ素子の第5実施形態における活性領域の伝導帯側
エネルギーレベルの模式図である。本実施形態は、ホー
ルのキャリア注入に発生しがちである不均一を、歪み変
調によって補正する構成としている。
ーザ素子の活性領域Act5は、p型クラッド層Cd2
1およびn型クラッド層Cd22に挟まれる。活性領域
Act5は、第1量子井戸層QW21(歪量ε21:層
厚T21)、バリア層B21、第2量子井戸層QW22
(歪量ε22:層厚T21)、バリア層B22、第3量
子井戸層QW23(歪量ε23:層厚T21)、バリア
層B23、第4量子井戸層QW24(歪量ε24:層厚
T21)が、この順に、p型クラッド層Cd21からn
型クラッド層Cd22に至り形成されている。このよう
に、全ての量子井戸層の層厚は同じT21である。
4に向かい漸減する構成となっている。ここで、例えば
第1量子井戸層QW21に右側からホールが注入される
ことを考えると、最初の最も右の第1量子井戸層QW2
1には充分にホールが注入される。しかし量子井戸層を
トンネルして移動するホール量は、エネルギー減衰にと
もない次第に減少する。
戸層ほどエネルギーバンド的に小さくなり、よって各量
子井戸層からの発光波長が第1量子井戸層QW21から
第4量子井戸層QW24に進むにしたがい、長波長化す
る。これはゲイン的に不利であり、各量子井戸層からの
発光波長は一定にするのが望ましい。
量子井戸層厚の調整による制御でも原理的には可能であ
るが、後述するように実際には制御が容易ではない。そ
こで本実施形態では、制御の容易な歪み変調によって実
現する。
が異なる際に、このキャリア密度に応じた歪量を各量子
井戸層に形成することにより、発光波長変動を抑制す
る。この構成は、発光波長を一定にするために、キャリ
ア密度に応じて歪み量を変化させる。この結果、製作等
が容易な構造を混在させることで、目的の発光波長を出
力させることが可能になる。
レーザ素子の第6実施形態における活性領域の伝導帯側
エネルギーレベルの模式図である。本実施形態の活性領
域Act6の構成は、前記第5実施形態の第1量子井戸
層QW21(歪量ε21:層厚T21)と第2量子井戸
層QW22(歪量ε22:層厚T21)を、交換して新
たな符号:第1’量子井戸層QW21’(歪量ε2
1’:層厚T21)と第2’量子井戸層QW22’(歪
量ε22’:層厚T21)に変更したものである。した
がってp型クラッド層Cd21から2番目の第2’量子
井戸層QW22’に、最大のポテンシャル障壁が位置す
ることになる。作用効果は前記第5実施形態に準ずる。
レーザ素子の第7実施形態における活性領域の伝導帯側
エネルギーレベルの模式図である。本実施形態では、各
量子井戸層の層厚が狭くなる場合に、井戸型ポテンシャ
ルの劣化が発生しないように、予め歪量を少なくしてバ
ンドギャップを調整するものである。これにより、生起
される井戸型ポテンシャルの劣化を回避することができ
る。
半導体レーザ素子の活性領域Act7は、pまたはn型
クラッド層Cd31および、nまたはp型クラッド層C
d32に挟まれる。
31(歪量ε31:層厚T31)、バリア層B31、第
2量子井戸層QW32(歪量ε32:層厚T32)、バ
リア層B32、第3量子井戸層QW33(歪量ε33:
層厚T33)、バリア層B33、第4量子井戸層QW3
4(歪量ε34:層厚T34)が、この順に、p型クラ
ッド層Cd31からn型クラッド層Cd32に至り形成
されている。
く、かつ周囲のクラッド層やバリア層の状態において’
ダレ’(なまり)が生じやすいを量子井戸層を予測し
て、前以て歪量を調整し、前以てバンドギャップを調整
しておく。図7においてはとりわけ、両クラッド層に隣
接する第1量子井戸層QW31と、第4量子井戸層QW
34との歪量ε31、ε34を変化させ、前以てポテン
シャル障壁ΔEc31、ΔEc34’を調整することに
より、バンドギャップを調整しておく。これにより、好
ましくない井戸型ポテンシャルの劣化(所謂’ダレ’)
の発生を未然に防止することができる。
端部に位置する量子井戸層がダレやすく、そのバンドギ
ャップを狭くしやすい場合の補正を示している。すなわ
ち、端部に位置する量子井戸層の歪量を変更し、予めバ
ンドギャップを調整しておくものである。製作条件によ
っては、中央に位置する量子井戸層がダレやすい場合も
あり、この場合は図7とは逆に、中央領域の量子井戸層
の歪みを変更設定すればよい。
レーザ素子の第8実施形態における活性領域の伝導帯側
エネルギーレベルの模式図である。本実施形態の活性領
域Act8の構成は、前記第7実施形態の第4量子井戸
層QW34を第4量子井戸層QW34’に変更し、第1
量子井戸層QW31に隣接してp型クラッド層Cd3
1’、第4量子井戸層QW34’に隣接してn型クラッ
ド層Cd32’を配したものである。したがってp型ク
ラッド層Cd31’に隣接する量子井戸層のポテンシャ
ル障壁は、全量子井戸層のポテンシャル障壁のうちで最
大のものではない。作用効果は前記第7実施形態に準ず
る。
制御は難しく、層厚揺らぎを伴いやすい。一方、歪み制
御は、量子井戸層厚の制御に比べ、その精度が高い。例
えばΔλ/Δ量子井戸層厚は、凡そ1.5nm/1オン
グストロームの精度にとどまるが、これに対して、Δλ
/Δ歪み量は、例えばAlGaInP系の場合、凡そ
0.15nm/0.001%の精度の精密制御が可能で
ある。このように本発明は歪み変調MQWを導入するこ
とで、微妙なエネルギーバンド制御においてとりわけ有
効である。
型の多重量子井戸半導体レーザ素子の一実施形態の概略
断面図である。図示される多重量子井戸半導体レーザ素
子はAlGaInP系混晶の積層構造を有し、この積層
構造は図10に示される製造方法の一実施形態のシーケ
ンスチャートのような工程で製造される。
P系混晶の多重量子井戸半導体レーザLscは、GaA
s基板1の上に、GaAsバッファ層2、AlGaIn
Pクラッド層3、GaInP/AlGaInPのMQW
(多重量子井戸)構造からなるMQW活性領域4、Al
GaInPクラッド層5、GaInP層6、GaAsキ
ャップ層7が、順次積層された構造を有する。
InP層6、GaAsキャップ層7が、例えばフォトリ
ソグラフィを用いた選択的エッチング処理されたメサ構
造を形成しており、さらにメサ部分の両側にGaAs電
流ブロック層8が積層されている。ドーパントはn型が
SeやSi、p型がZnである。
W活性領域4は、第1量子井戸層QW1(歪量ε1:層
厚T1)、バリア層B1、第2量子井戸層QW2(歪量
ε2:層厚T2)、バリア層B2、第3量子井戸層QW
3(歪量ε3:層厚T3)、バリア層B3、第4量子井
戸層QW4(歪量ε4:層厚T4)から構成されてい
る。
振波長の短波化などの目的で使われ、電子のドブロイ波
長程度以下の層厚を持ち、両側をエネルギー障壁により
キャリアが閉じ込められているような超薄構造の、禁制
帯幅の狭い物質による第1〜第4量子井戸層QW1〜Q
W4と、禁制帯幅の広い物質の障壁層B1〜B3からな
るヘテロ接合などにより実現されている。
は、薄層に垂直な方向の電子の運動は量子化されている
ため、それに伴う電子のエネルギーは離散的な値(エネ
ルギー固有値)をとるとともに、電子の自由な運動は、
量子井戸層の層厚方向への自由度が束縛されて層に平行
な方向のみに限られた2次元的なものになる(2次元電
子)。この結果、量子井戸層中に溜められた電子は2次
元電子ガスを形成する。こうした閉じ込めを反映して、
キャリアのエネルギー固有値はバルクと顕著に異なるエ
ネルギーを持つ。
1μm程度、電子やホールは3次元的)をもつDHレー
ザに比べると少ない注入電流量でレーザ発振する。すな
わち、レーザ発振のためのしきい値電流密度(しきい値
電流Ithを活性領域の有効電流断面積で割った量)が
小さくなる。これは状態密度の相違による。
は電子の波動関数が3次元系であり、したがってコンダ
クション・バンドに存する電子の状態密度はEの1/2
乗(Eは電子のエネルギー)に比例して変わるが、多重
量子井戸半導体レーザ素子では前記のように電子の波動
関数が2次元系であるから、コンダクション・バンドに
存する電子の状態密度はEについてステップ関数状にな
る。すなわち、幅がナノメートル級の量子井戸構造中で
は、バルク結晶中での放物線形状の状態密度と大きく異
なって、伝導帯、価電子帯の状態密度が階段状になる。
最もエネルギー準位の低い電子の状態密度が、2次元系
では3次元系よりも大きくなり、よってレーザ発振のた
めのしきい値電流密度が低下し、さらに電流利得が改善
されることになる。
きのべると、例えば第1量子井戸層QW1に着目する
と、有限の障壁高さのヘテロ接合を用いた量子井戸を形
成していて、その中の電子状態は、前記のように障壁の
方向をz方向とすると、z方向に閉じ込められ、x、y
方向には自由な2次元電子となる。電子のエネルギー固
有値E(井戸の底を原点に取る)は、障壁高さVbより
十分低いとき、z方向の運動が障壁の存在で量子化され
ることを反映して、〔数1〕で表示される。
Lzは井戸の幅、m’は有効質量、nは自然数である。
GaAsの伝導帯の量子井戸では、有効質量が0.06
8me(meは自由電子の質量)であるので、kx=k
y=0のときLz=10nmでE=55meVとなる。
散的なエネルギー準位が複数個に分裂し、障壁(バリア
ー層)の厚さが薄い場合には電子は層に垂直z方向にも
トンネル効果で伝搬する。z方向の波動関数は、量子井
戸の中心を原点にとって、〔数2〕で表示される。
される量子化準位の高次項は、キャリアの有効質量に反
比例し、かつ量子井戸層の厚さ(幅)の2乗に反比例す
る。したがって、伝導帯中の電子の量子化準位は、量子
井戸層厚を変えることによって制御可能になる。一方、
価電子帯においても有効質量の異なる重い正孔(HH)
と軽い正孔(LH)との量子化エネルギー準位に差が生
じ、バルク結晶中では縮退していた2種の正孔が異なっ
たエネルギーをもつようになる。
戸QWが複数個、周期的に積層し、かつ隣接する量子井
戸間のエネルギー障壁が大きい構造であるから、とりわ
け、バリアーであるエネルギー障壁層が極めて薄く、量
子井戸間の量子力学的結合が強い構造では超格子とな
る。
4は歪量ε1〜ε4の歪み構造となっている。このよう
な量子井戸層の歪構造では、井戸を形成する材料の格子
定数を、基板結晶やクラッド層の格子定数と異なった値
に設定することで、井戸の結晶格子を歪ませる。この
際、転位などによる格子緩和が生じない条件とする。一
般的に混晶の格子定数は成分比に比例して変化し、物理
的性質は成分比に対して連続的に変化する。
プが広がるとともに、価電子帯の頂上にHH(重い正
孔)バンドが位置する。圧縮応力下では基板面内方向で
のHHの有効質量が小さくなり、しきい値が低減され
る。さらに、バンド構造の変化により正孔がγ点付近に
集中するのでオージェ再結合と価電子帯間吸収が大幅に
減少する結果、低しきい値・高効率動作、温度特性の向
上、微分利得の増大、線幅の狭小化、高速変調動作など
が可能になる。
ャップが狭くなり、価電子帯の頂上には応力の大きさと
井戸幅に応じて重い正孔(HH)と軽い正孔(LH)の
どちらかのバンドが位置するようになる。これら価電子
帯頂上に位置するバンドの制御によってTE/TMモー
ド制御が可能になる。この結果、歪量子井戸の出力は無
歪量子井戸の125%、バルク活性層LDに比べて15
0%と向上する。
定にする場合は、歪みを大きくし層厚を拡げる。臨界層
厚に注意し、あるいはバリアー層に歪み補償を入れる等
の工夫も効果的である。プラス歪みによって発振波長を
一定にする場合は、ゲインを得やすくするため歪みを増
やすが、同時に層厚を狭くする必要があり、かつ量子井
戸層の数も増やす必要がある。
体レーザ素子Lscの製造には、図10に示される、本
発明に係る多重量子井戸構造を備える半導体レーザ素子
の製造方法が適用される。図10は、それぞれの積層半
導体層を成長させる時に反応領域に搬送する材料の組み
合わせを示すシーケンスチャートで、横軸は時間を示し
ている。また各半導体層は図9に示された各半導体層に
対応しており、よって以下の説明では図9を適宜参照し
ている。
にGaAsバッファ層2がエピタキシャル成長される。
ここで基板1上にはTMG(トリメチル・ガリウム)、
AsH3 (三水素化砒素:アルシン)およびH2 Se
(セレン化水素)が、気相状態で供給される。これによ
り、GaAsバッファ層2はn型となる。
されると、ついでこのGaAsバッファ層2上に、Al
GaInPクラッド層3が積層成長される。ここでTM
G(トリメチル・ガリウム)、TMA(トリメチル・ア
ルミニウム)、TMI(トリメチル・インジウム)、P
H3 (ホスフィン)およびH2 Se(セレン化水素)
が、気相状態で供給される。これにより、AlGaIn
Pクラッド層3はn型となる。
nPクラッド層3が形成されると、ついでこのAlGa
InPクラッド層3上に、MQW(多重量子井戸)構造
からなるMQW活性領域4が、積層成長される。MQW
活性領域4は、第1量子井戸層QW1、バリア層B1、
第2量子井戸層QW2、バリア層B2、第3量子井戸層
QW3、バリア層B3、第4量子井戸層QW4が、この
順に積層される。
では、例えば第1量子井戸層QW1が Ga(0.43)In(0.57)P ε1=+0.65% であると、減量されたTMG(トリメチル・ガリウ
ム)、増量されたTMI(トリメチル・インジウム)、
PH3 (ホスフィン)が、気相状態で供給される。第2
〜4量子井戸層QW2〜QW4についても、指定された
組成に対応した原料ガスが、指定された組成比に対応し
た濃度あるいは/および流量で供給される。
G(トリメチル・ガリウム)、TMA(トリメチル・ア
ルミニウム)、TMI(トリメチル・インジウム)、P
H3(ホスフィン)が、気相状態で供給される。
ると、ついでAlGaInPクラッド層5が積層成長さ
れる。ここでTMG(トリメチル・ガリウム)、TMA
(トリメチル・アルミニウム)、TMI(トリメチル・
インジウム)、DMZ(ジメチル亜鉛)、PH3 (ホス
フィン)が、気相状態で供給される。これにより、Al
GaInPクラッド層5はp型となる。
が形成されると、ついでこのAlGaInPクラッド層
5上に、GaInP層6が積層成長される。ここでTM
G(トリメチル・ガリウム)、TMI(トリメチル・イ
ンジウム)、DMZ(ジメチル亜鉛)、PH3 (ホスフ
ィン)が、気相状態で供給される。
層厚に形成されると、ついでこのGaInP層6上に、
GaAsキャップ層7が積層成長される。ここでは、T
MG(トリメチル・ガリウム)とAsH3 (アルシン)
とDMZ(ジメチル亜鉛)のみが、気相状態で時間t6
まで供給される。こののち、エッチング工程でGaAs
電流ブロック層8が形成され、メサ型構造となる。
量子井戸層の歪み量を可制御量として、あるいは歪み量
と層厚(well幅)とを可制御量として最適化された
素子構造を実現するものであり、量子井戸層内のキャリ
アの量子化準位とポテンシャル障壁との差を所定値にす
ることによって電子あるいは/およびホールのオーバー
フロー特性、とりわけ電子のオーバーフロー特性を改善
するとともに、キャリア注入効率の改善と、しきい値電
流Ithの改善を可能にし、かつ発振波長の安定化を実
現することができる。
以上にすることにより、最低限界厚さ以下の構成で生起
される井戸型ポテンシャルの劣化を回避することが可能
になるという効果を奏する。
第1実施形態における活性領域の伝導帯側エネルギーレ
ベルの模式図である。
第2実施形態における活性領域の伝導帯側エネルギーレ
ベルの模式図である。
第3実施形態における活性領域の伝導帯側エネルギーレ
ベルの模式図である。
第4実施形態における活性領域の伝導帯側エネルギーレ
ベルの模式図である。
第5実施形態における活性領域の伝導帯側エネルギーレ
ベルの模式図である。
第6実施形態における活性領域の伝導帯側エネルギーレ
ベルの模式図である。
第7実施形態における活性領域の伝導帯側エネルギーレ
ベルの模式図である。
第8実施形態における活性領域の伝導帯側エネルギーレ
ベルの模式図である。
井戸半導体レーザ素子の一実施形態の概略断面図であ
る。
子井戸半導体レーザ素子の製造方法の一実施形態のシー
ケンスチャートである。
ルギーバンドギャップの模式図である。
おける活性領域の伝導帯側エネルギーレベルの模式図で
ある。
活性領域の伝導帯側エネルギーレベルの模式図である。
依存を示す線図である。
い値電流の歪量依存を示す線図である。
層、QW3……第3量子井戸層、QW4……第4量子井
戸層、T1……第1量子井戸層の層厚、T2……第2量
子井戸層の層厚、T3……第3量子井戸層の層厚、T4
……第4量子井戸層の層厚、ε1……第1量子井戸層の
歪量、ε2……第2量子井戸層の歪量、ε3……第3量
子井戸層の歪量、ε4……第4量子井戸層の歪量、ΔE
c1……第1量子井戸層の伝導帯のポテンシャル障壁、
ΔEc2……第2量子井戸層の伝導帯のポテンシャル障
壁、ΔEc3……第3量子井戸層の伝導帯のポテンシャ
ル障壁、ΔEc4……第4量子井戸層の伝導帯のポテン
シャル障壁、μ1……電子の量子化準位、CBD……伝
導帯、Cd1……p型またはn型クラッド層、Cd2…
…n型またはp型クラッド層、B1……第1バリアー
層、B2……第2バリアー層、B3……第3バリアー層
Claims (16)
- 【請求項1】 活性領域および該活性領域を挟むp型ク
ラッド層およびn型クラッド層を有し、前記活性領域が
複数の量子井戸層からなり、前記各量子井戸層は隣接す
る前記クラッド層又は/およびバリアー層間でポテンシ
ャル障壁を形成する多重量子井戸構造である半導体レー
ザ素子であって、 前記各量子井戸層内のキャリアの量子化準位と前記ポテ
ンシャル障壁との差が所定値になるよう前記各量子井戸
層の歪量が形成、または歪量および層厚が形成されたこ
とを特徴とする多重量子井戸構造を備える半導体レーザ
素子。 - 【請求項2】 前記各量子井戸層の層厚が狭くなる場合
に、予めマイナス歪量を少なくするか、あるいはプラス
歪量を多くしてバンドギャップが調整されたことを特徴
とする請求項1記載の多重量子井戸構造を備える半導体
レーザ素子。 - 【請求項3】 前記p型クラッド層あるいはn型クラッ
ド層の少なくとも一方に隣接する量子井戸層の層厚が他
の量子井戸層の層厚よりも厚く構成されたことを特徴と
する請求項1記載の多重量子井戸構造を備える半導体レ
ーザ素子。 - 【請求項4】 前記p型クラッド層あるいはn型クラッ
ド層の少なくとも一方に隣接する量子井戸層の層厚が他
の量子井戸層の層厚よりも厚く構成され、かつ前記各量
子井戸層の層厚が狭くなる場合に、予めマイナス歪量を
少なくするか、あるいはプラス歪量を多くしてバンドギ
ャップが調整されたことを特徴とする請求項1記載の多
重量子井戸構造を備える半導体レーザ素子。 - 【請求項5】 前記各量子井戸層内のキャリア密度が異
なる際に、前記キャリア密度に応じた歪量を前記各量子
井戸層に形成することにより発光波長変動を抑制する構
成としたことを特徴とする請求項1記載の多重量子井戸
構造を備える半導体レーザ素子。 - 【請求項6】 前記各量子井戸層の層厚が狭くなる場合
に、予めマイナス歪量を少なくするか、あるいはプラス
歪量を多くしてバンドギャップが調整され、かつ前記各
量子井戸層内のキャリア密度が異なる際に、前記キャリ
ア密度に応じた歪量を前記各量子井戸層に形成すること
により発光波長変動を抑制する構成としたことを特徴と
する請求項1記載の多重量子井戸構造を備える半導体レ
ーザ素子。 - 【請求項7】 前記p型クラッド層あるいはn型クラッ
ド層の少なくとも一方に隣接する量子井戸層の層厚が他
の量子井戸層の層厚よりも厚く形成され、かつ前記各量
子井戸層内のキャリア密度が異なる際に、前記キャリア
密度に応じた歪量を前記各量子井戸層に形成することに
より発光波長変動を抑制する構成としたことを特徴とす
る請求項1記載の多重量子井戸構造を備える半導体レー
ザ素子。 - 【請求項8】 前記各量子井戸層の層厚が狭くなる場合
に、予めマイナス歪量を少なくするか、あるいはプラス
歪量を多くしてバンドギャップが調整され、かつ前記p
型クラッド層あるいはn型クラッド層の少なくとも一方
に隣接する量子井戸層の層厚が他の量子井戸層の層厚よ
りも厚く構成され、かつ前記各量子井戸層内のキャリア
密度が異なる際に、前記キャリア密度に応じた歪量を前
記各量子井戸層に形成することにより発光波長変動を抑
制する構成としたことを特徴とする請求項1記載の多重
量子井戸構造を備える半導体レーザ素子。 - 【請求項9】 活性領域および該活性領域を挟むp型ク
ラッド層およびn型クラッド層を有し、前記活性領域が
複数の量子井戸層からなり、前記各量子井戸層は隣接す
る前記クラッド層又は/およびバリアー層間でポテンシ
ャル障壁を形成する多重量子井戸構造である半導体レー
ザ素子の製造方法であって、 前記各量子井戸層内のキャリアの量子化準位と前記ポテ
ンシャル障壁との差が所定値になるよう前記各量子井戸
層の歪量を形成、または歪量および層厚を形成すること
を特徴とする多重量子井戸構造を備える半導体レーザ素
子の製造方法。 - 【請求項10】 前記各量子井戸層の層厚が狭くなる場
合に、予めマイナス歪量を少なくするか、あるいはプラ
ス歪量を多くしてバンドギャップを調整することを特徴
とする請求項9記載の多重量子井戸構造を備える半導体
レーザ素子の製造方法。 - 【請求項11】 前記p型クラッド層あるいはn型クラ
ッド層の少なくとも一方に隣接する量子井戸層の層厚を
他の量子井戸層の層厚よりも厚く形成することを特徴と
する請求項9記載の多重量子井戸構造を備える半導体レ
ーザ素子の製造方法。 - 【請求項12】 前記p型クラッド層あるいは/および
n型クラッド層に隣接する量子井戸層の層厚を他の量子
井戸層の層厚よりも厚く形成し、かつ前記各量子井戸層
の層厚が狭くなる場合に、予めマイナス歪量を少なくす
るか、あるいはプラス歪量を多くしてバンドギャップを
調整することを特徴とする請求項9記載の多重量子井戸
構造を備える半導体レーザ素子の製造方法。 - 【請求項13】 前記各量子井戸層内のキャリア密度が
異なる際に、前記キャリア密度に応じた歪量を前記各量
子井戸層に形成することを特徴とする請求項9記載の多
重量子井戸構造を備える半導体レーザ素子の製造方法。 - 【請求項14】 前記各量子井戸層の層厚が狭くなる場
合に、予めマイナス歪量を少なくするか、あるいはプラ
ス歪量を多くしてバンドギャップを調整し、かつ前記各
量子井戸層内のキャリア密度が異なる際に、前記キャリ
ア密度に応じた歪量を前記各量子井戸層に形成すること
を特徴とする請求項9記載の多重量子井戸構造を備える
半導体レーザ素子の製造方法。 - 【請求項15】 前記p型クラッド層あるいはn型クラ
ッド層の少なくとも一方に隣接する量子井戸層の層厚を
他の量子井戸層の層厚よりも厚く形成し、かつ前記各量
子井戸層内のキャリア密度が異なる際に、前記キャリア
密度に応じた歪量を前記各量子井戸層に形成することを
特徴とする請求項9記載の多重量子井戸構造を備える半
導体レーザ素子の製造方法。 - 【請求項16】 前記各量子井戸層の層厚が狭くなる場
合に、予めマイナス歪量を少なくするか、あるいはプラ
ス歪量を多くしてバンドギャップを調整し、かつ前記p
型クラッド層あるいはn型クラッド層の少なくとも一方
に隣接する量子井戸層の層厚を他の量子井戸層の層厚よ
りも厚く形成し、かつ前記各量子井戸層内のキャリア密
度が異なる際に、前記キャリア密度に応じた歪量を前記
各量子井戸層に形成することを特徴とする請求項9記載
の多重量子井戸構造を備える半導体レーザ素子の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8499997A JPH10284795A (ja) | 1997-04-03 | 1997-04-03 | 歪み量及び層厚変調型多重量子井戸構造を備える半導体レーザ素子および製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8499997A JPH10284795A (ja) | 1997-04-03 | 1997-04-03 | 歪み量及び層厚変調型多重量子井戸構造を備える半導体レーザ素子および製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10284795A true JPH10284795A (ja) | 1998-10-23 |
Family
ID=13846343
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8499997A Pending JPH10284795A (ja) | 1997-04-03 | 1997-04-03 | 歪み量及び層厚変調型多重量子井戸構造を備える半導体レーザ素子および製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10284795A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007201281A (ja) * | 2006-01-27 | 2007-08-09 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 半導体レーザ |
JP2009094410A (ja) * | 2007-10-11 | 2009-04-30 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 半導体光集積素子及びその作製方法 |
JP2010080757A (ja) * | 2008-09-26 | 2010-04-08 | Rohm Co Ltd | 半導体発光素子 |
JP2010087463A (ja) * | 2008-10-01 | 2010-04-15 | Samsung Electro-Mechanics Co Ltd | 窒化物半導体素子 |
JP2012204839A (ja) * | 2011-03-25 | 2012-10-22 | Lg Innotek Co Ltd | 発光素子及びその製造方法 |
JP2013254894A (ja) * | 2012-06-08 | 2013-12-19 | Toyoda Gosei Co Ltd | 半導体発光素子、発光装置 |
JP2014130897A (ja) * | 2012-12-28 | 2014-07-10 | Toshiba Corp | 半導体発光素子及びその製造方法 |
JP7038913B1 (ja) * | 2020-12-23 | 2022-03-18 | 三菱電機株式会社 | 半導体レーザ装置 |
-
1997
- 1997-04-03 JP JP8499997A patent/JPH10284795A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007201281A (ja) * | 2006-01-27 | 2007-08-09 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 半導体レーザ |
JP4720522B2 (ja) * | 2006-01-27 | 2011-07-13 | 住友電気工業株式会社 | 半導体レーザ |
JP2009094410A (ja) * | 2007-10-11 | 2009-04-30 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 半導体光集積素子及びその作製方法 |
JP2010080757A (ja) * | 2008-09-26 | 2010-04-08 | Rohm Co Ltd | 半導体発光素子 |
JP2010087463A (ja) * | 2008-10-01 | 2010-04-15 | Samsung Electro-Mechanics Co Ltd | 窒化物半導体素子 |
JP2012204839A (ja) * | 2011-03-25 | 2012-10-22 | Lg Innotek Co Ltd | 発光素子及びその製造方法 |
JP2013254894A (ja) * | 2012-06-08 | 2013-12-19 | Toyoda Gosei Co Ltd | 半導体発光素子、発光装置 |
JP2014130897A (ja) * | 2012-12-28 | 2014-07-10 | Toshiba Corp | 半導体発光素子及びその製造方法 |
JP7038913B1 (ja) * | 2020-12-23 | 2022-03-18 | 三菱電機株式会社 | 半導体レーザ装置 |
WO2022137390A1 (ja) * | 2020-12-23 | 2022-06-30 | 三菱電機株式会社 | 半導体レーザ装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5251225A (en) | Quantum-well diode laser | |
EP0616400B1 (en) | Semiconductor laser | |
JPH11274635A (ja) | 半導体発光装置 | |
EP1081817B1 (en) | A semiconductor device | |
JPH09106946A (ja) | 半導体装置,及び半導体レーザ,並びに高電子移動度トランジスタ装置 | |
US4916708A (en) | Semiconductor light-emitting devices | |
JP2933051B2 (ja) | 多重量子井戸構造光半導体装置およびその製造方法 | |
JPH10284795A (ja) | 歪み量及び層厚変調型多重量子井戸構造を備える半導体レーザ素子および製造方法 | |
US7577172B2 (en) | Active region of a light emitting device optimized for increased modulation speed operation | |
JP4045639B2 (ja) | 半導体レーザおよび半導体発光素子 | |
JPH07297485A (ja) | 半導体レーザ装置,及びその製造方法 | |
US7109526B2 (en) | Semiconductor optical device on an indium phosphide substrate for long operating wavelengths | |
US7269196B2 (en) | Method for increasing maximum modulation speed of a light emitting device, and light emitting device with increased maximum modulation speed and quantum well structure thereof | |
US7358523B2 (en) | Method and structure for deep well structures for long wavelength active regions | |
US5652762A (en) | Semiconductor laser device and method for fabricating the same and strained quantum well crystal and method for fabricating the same | |
US7579630B2 (en) | Semiconductor optical device | |
JPH0541560A (ja) | 半導体レーザ素子 | |
Bi et al. | Optimization and characterization of interfaces of InGaAs/InGaAsP quantum well structures grown by gas‐source molecular beam epitaxy | |
JPH1117284A (ja) | 半導体レーザ素子 | |
JPH0669589A (ja) | 半導体レーザ素子 | |
US5491709A (en) | Semiconductor laser device | |
JP4957355B2 (ja) | 半導体発光素子 | |
JP3033333B2 (ja) | 半導体レーザ素子 | |
WO1990004275A1 (en) | Semiconductor light-emitting devices | |
Kito et al. | Enhanced relaxation oscillation frequency of 1.3 μm strained-layer multiquantum well lasers |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040109 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20040109 |
|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20060929 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20061017 |
|
A521 | Written amendment |
Effective date: 20061214 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20070116 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070522 |