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JPH10264581A - ノック式筆記具 - Google Patents

ノック式筆記具

Info

Publication number
JPH10264581A
JPH10264581A JP9077686A JP7768697A JPH10264581A JP H10264581 A JPH10264581 A JP H10264581A JP 9077686 A JP9077686 A JP 9077686A JP 7768697 A JP7768697 A JP 7768697A JP H10264581 A JPH10264581 A JP H10264581A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
guide
guide portion
locking claw
knock
locking
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9077686A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Ishikawa
真一 石川
Yukihiro Tsukioka
之博 月岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zebra Pen Corp
Original Assignee
Zebra Pen Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Zebra Pen Corp filed Critical Zebra Pen Corp
Priority to JP9077686A priority Critical patent/JPH10264581A/ja
Publication of JPH10264581A publication Critical patent/JPH10264581A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Clips For Writing Implements (AREA)
  • Mechanical Pencils And Projecting And Retracting Systems Therefor, And Multi-System Writing Instruments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ノック機能の確実性(信頼性)と加工性に優
れたノック式筆記具を提供する。 【解決手段】クリップ6の内面部にはノック部4の係止
爪8を係脱自在に係止する係止部を有し、且つノック部
4のノック操作並びに弾性腕片9の弾性復元力並びにリ
ターンスプリングにより前記係止爪8を、インク収容管
2のペン先を軸筒1の先端開口から出没させるその出没
動作に対応させた一連のカム軌跡を描くようにその後退
位置Pから係止部に至る前進範囲と、該係止部から後退
位置Pに至る後退範囲において段階的に案内移行する第
1案内部乃至第6案内部10-1〜10-6からなる出没案内手
段を有するカム部10を一体に備え、クリップによるペン
先の自動戻し機構を備えた上で、本来のノック機能の確
実性を可能にした事である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、ノック式筆記具に
係り、特にリターンスプリングの弾発力により後方へ弾
発された状態で軸筒内に装填されるインク収容管のペン
先を軸筒の先端開口から突出させたり、没入させるその
出没行為が、ノック部のノック操作によりなされる一方
で、該ノック操作によるペン先の軸筒内への戻し操作を
忘れた場合にはクリップの跳ね上げ操作によりその戻し
が自動的に行われる、つまり、衣服のポケット等に収め
る等のクリップを開く行為で、軸筒の先端開口から突出
しているペン先が自動的に軸筒内へ戻されるクリップに
よるペン先の自動戻し機構を備えたノック式筆記具に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来から、クリップによるペン先の自動
戻し機構を備えたこの種のノック式筆記具は知られてい
る(例えば、実開平1−72393 号等の公開公報において
知られている)。例えば、実開平1−72393 号公報に記
載されているノック式筆記具は、後端部をそのままノッ
ク部となすインク収容管(公開明細書ではリフイールと
称している)が、リターンスプリングの弾発力により後
方に弾発させた状態、且つ回転可能な状態で軸筒内へ装
填させられ、前記ノック部を軸筒の後端から突出させる
と共に、インク収容管に設けた係止爪を外部に臨ませる
窓孔(公開明細書では幅広溝部と称している)が軸筒に
開設され、前記係止爪がノック部のノック操作とリター
ンスプリングの弾発力とによりカム形状の窓孔の開口縁
に沿って案内移行される一方、その移行途中部位で前記
係止爪を係脱自在に係止する係止部が軸筒の窓孔を介し
て軸筒内に臨むクリップの内面部に設けられ、前記ノッ
ク部のノック操作がなされ、係止爪がその後退位置(待
機位置)から前進移行されて前記係止部に係脱自在に係
止せしめられることにより、軸筒の先端開口からの前記
インク収容管のペン先の突出状態が保持され、そして、
ノック操作がなされて前記係止部に対する係止爪の係止
並びにその係止状態の解除がなされ、更には、クリップ
の跳ね上げ操作によっても前記係止部に対する係止爪の
係止解除がなされるように構成されている。換言すれ
ば、ノック部のノック操作がなされることにより、軸筒
内に装填されるインク収容管のペン先が軸筒の先端開口
から突出したり、軸筒内に没入されるその出没行為が行
われ、そして該ノック操作によるペン先の軸筒内への戻
し操作を忘れた場合にはクリップの跳ね上げ操作により
その戻しがなされるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし乍ら、上記した
従来のノック式筆記具のカム構造は、夫々が別加工或い
は別成形により備えられた軸筒の窓孔と、この窓孔に内
在されてカム形状を成す該窓孔の開口縁に沿って一連の
カム軌跡を描くようにノック部のノック操作とリターン
スプリングの弾発力とにより移行される係止爪を係脱自
在に係止するクリップの係止部との組み合わせからな
る。このことから、夫々の加工或いは成形誤差による寸
法的な問題を起し易い。例えば、加工或いは成形誤差に
よる係止部の窓孔に対する組み込み位置に位置ズレが生
じ易く、又、従来のその位置ズレでは組み込み位置によ
り修正することができないことから、リターンスプリン
グの弾発力によって押し戻されるその後退位置からノッ
ク部のノック操作により前進移行される係止爪が位置ズ
レを起し、該係止爪が係止部に対して係止されなかった
り、或いはその係止状態が不安定となって、筆記中に係
止部に対するその係止状態が外れて係止爪がリターンス
プリングの弾発力により前記後退位置に押し戻されてし
まうことになりかねなかった。つまり、本来のノック機
能が正常に作動せずに、筆記中にインク収容管のペン先
が軸筒内に没入してしまうと言った使用上の不具合を引
き起こす虞れがあった。そして、この様な問題は、別加
工或いは別成形によって生じる寸法上の誤差によるとば
かりに限らず、従来のノック式筆記具においてはノック
操作により係止爪を常時確実に前進移行させ、且つ該係
止爪を確実に係止し得る所定位置に係止部をとどめる構
造を備えていないことから、長期に亘る使用においては
係止部がその所定位置から位置ズレを起し、それが原因
となって前述した不具合を引き起こすことも考えられ
る。従って、従来では本来のノック機構が正常に作動し
なくなる虞れがあった。
【0004】因みに、係止爪の後退位置Pとは,ペン先
を軸筒の先端開口から突出させるべくノック部がノック
操作された際に、係止爪が前進移行を開始するその移行
起点となり、そして突出するペン先を軸筒内に没入させ
るべくノック部がノック操作された後にリターンスプリ
ングの弾発力により係止爪が後退移行されて戻されるそ
の移行終着点となる、つまり、ノック操作による係止爪
の移行発着点位置である。
【0005】又、上記した従来のノック式筆記具におけ
る係止爪は、軸筒に回転可能な状態で装填されるインク
収容管に備えられ、この後端部をそのままノック部と成
しており、そしてノック操作とリターンスプリングの弾
発力とにより一連のカム軌跡を描くように係止爪が案内
移行される軸筒の窓孔は、図8に示したように、軸方向
へ直線的、且つ平行に延びる両側開口縁32,33の前端側
に、その一側開口縁32から他側開口縁33へ斜め前方に向
けた前端開口縁34(公開明細書では前壁と称している)
を設け、そして、前記両側開口縁32,33の後端側に、他
側開口縁33から一側開口縁32へ斜め後方に向けた後端開
口縁35(公開明細書では後壁と称している)を設けてな
る略菱形形状を成している。従って、ノック部のノック
操作(押動操作)により係止爪31がその後退位置Pから
窓孔30の一側開口縁32に沿わせて前進移行され、該窓孔
30に組み込み配されているクリップの係止部36に係止さ
れてペン先を軸筒の先端開口から突出させる。その際
に、そのノック操作力(押動力)を加減しないと、係止
爪31が係止部36を越えて前端開口縁34まで前進移行し、
更に該前端開口縁34の傾斜に沿って前進移行せしめ、そ
の状態でノック操作を解放すると、リターンスプリング
の弾発力により後端開口縁35まで押し戻され、該後端開
口縁35の傾斜に沿ってその後退位置Pに戻されてしまう
と言った誤作動が多発する虞れもあり、確実性(信頼
性)に難点を有していた。
【0006】本発明はこの様な従来事情に鑑みてなされ
たもので、その目的とする処は、軸筒の先端開口から突
出するペン先をクリップの跳ね上げ操作により軸筒内へ
自動的に戻すことのできるクリップによるペン先の自動
戻し機構の確実性は勿論、ペン先を軸筒の先端開口から
出没させる本来のノック機能の確実性(信頼性)が図ら
れ、しかも、加工性に優れたノック式筆記具を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を達成するための手段】課題を達成するために本
発明は、インク収容管がリターンスプリングの弾発力に
より後方へ弾発させた状態で軸筒内へ装填され、このイ
ンク収容管に連繋させた状態でノック部を軸筒の後端に
備え、該ノック部には係止爪が備えられて、軸筒の窓孔
を介して軸筒内に臨むクリップの内面部に形成された係
止部に対して係脱自在で、且つ該係止部に係止されるこ
とにより軸筒の先端開口からのペン先の突出状態を保持
し、そして、前記ノック部のノック操作により前記係止
部に対する係止爪の係止とその係止状態の解除が行わ
れ、更には、同係止状態の解除がクリップの跳ね上げ操
作により行われるノック式筆記具に於いて、軸筒へ回転
不能に備えた前記ノック部の前部側に、軸筒の前記窓孔
に向けた軸方向前方に延びる弾性腕片を突設すると共
に、該弾性腕片の突端に係止爪を突設備え、一方、軸筒
の窓孔を介して該軸筒内に臨む前記クリップの内面部に
は前記係止爪を係脱自在に係止する係止部を有し、且つ
ノック部のノック操作並びに前記弾性腕片の弾性復元力
並びにリターンスプリングの弾発力により前記係止爪
が、少なくともリターンスプリングの弾発力により後退
戻されるその後退位置から前記係止部に至る前進範囲
と、前記係止部から後退位置に至る後退範囲とにおいて
段階的に案内移行せしめられてインク収容管のペン先を
軸筒の先端開口から出没させるその出没動作に対応させ
たカム軌跡が描かれるように案内する出没案内手段を有
するカム部を備えてなる事である。斯る技術的手段によ
れば、軸筒内に没入収められているペン先を軸筒の先端
開口から突出させるノック部のノック操作がなされ、そ
して、そのノック操作がある域まで継続せしめられた後
に解除されると、後退位置で待機する係止爪が軸筒の窓
孔から臨むクリップの内面部に形成されたカム部により
ペン先を軸筒の先端開口から突出させるカム軌跡を描く
出没案内手段によって案内移行(前進)せしめられると
共に、その案内移行により蓄えられた弾性腕片の弾性復
元力とリターンスプリングの弾発力により係止部に衝合
係止される。この様に、係止爪がカム奇跡を描く出没案
内手段により案内移行されることにより、インク収容管
のペン先は軸筒の先端開口から突出した突出状態に保持
される。一方、突出するペン先を軸筒内に没入させるノ
ック部のノック操作がなされ、そして、そのノック操作
がある域まで継続せしめられた後に解除されると、係止
部に係止されている係止爪がカム部により突出するペン
先を軸筒の先端開口から没入させるカム軌跡を描く出没
案内手段によって案内移行(後退)せしめられると共
に、その案内移行により前記係止部から離脱し、更にそ
の離脱せしめた後に、弾性腕片の弾性復元力とリターン
スプリングの弾発力とにより後退位置に後退戻される。
この様に、係止爪が係止部から離脱せしめてカム奇跡を
描く出没案内手段により案内移行されることにより、イ
ンク収容管のペン先は先端開口から軸筒内に没入収めら
れる。そして、係止部に対する係止爪の係止解除は、又
クリップの跳ね上げ操作によっても行われる。つまり、
衣服のポケット等に収める等によるクリップの開き行為
によって、係止爪が係止部から瞬時に離脱解除され、弾
性腕片の弾性復元力とリターンスプリングの弾発力とに
より当該係止部位置から後退位置へと直接戻される。
【0008】又、上記カム部は、少なくとも軸筒の窓孔
の開口範囲内において係止爪が、弾性腕片の弾性復元力
とリターンスプリングの弾発力とにより後退戻されるそ
の後退位置近傍から軸方向斜め前方へとノック部のノッ
ク操作がなされることにより案内移行される第1案内部
と、この第1案内部の案内終端から軸方向前方へと継続
する前記ノック操作により更に案内移行される第2案内
部と、この第2案内部の案内終端から前記後端位置側に
戻る周方向へと弾性腕片の弾性復元力とリターンスプリ
ングの弾発力とにより案内移行される第3案内部と、こ
の第3案内部の案内終端から軸方向前方へとノック操作
により案内移行される第4案内部と、この第4案内部の
案内終端から前記後端位置側に戻る周方向へと弾性腕片
の弾性復元力とリターンスプリングとにより更に案内移
行される第5案内部と、この第5案内部の案内終端から
前記後端位置に戻る軸方向後方へと弾性腕片の弾性復元
力とリターンスプリングにより案内移行される第6案内
部とを連設具備し、且つ前記第3案内部の案内終端と第
4案内部の案内始端との連設コーナー部位に係止爪が係
脱自在に係止される前記係止部を備え、更に前記第5案
内部を越えない範囲における前記第2案内部の前方部位
に、ノック操作がなされることにより該第2案内部に沿
って案内移行された後の係止爪の前進移行量が規制され
る規制部を備えた事である。斯る技術的手段によれば、
前述のようにノック部のノック操作がなされると、後退
位置で待機する係止爪が軸筒の窓孔から臨むクリップの
カム部の第1案内部に沿ってその後退位置から斜め前方
へと案内移行されると共にその案内終端から連設する第
2案内部に沿って軸方向前方へと継続的に案内移行され
る。このことにより、ペン先は軸筒の先端開口から突出
されると共に、係止爪を一体に突出備える弾性腕片はノ
ック部との連設部(根元)から係止爪が第1案内部に沿
って案内移行されるに連れて徐々に略弓なり状に変形さ
れて行く。つまり、弾性腕片には弾性復元力が徐々に蓄
えられて行く。そして、第2案内部に沿って軸方向前方
へと案内移行された係止爪が該第2案内部を通過した後
にその前方の規制部に衝合せしめられることで、その前
進移行が止められる。この状態でノック操作が解放され
ると、係止爪が弾性腕片の前記弾性復元力とリターンス
プリングの弾発力とによって第2案内部の案内終端から
連設する第3案内部に沿って前記後退位置側に戻される
周方向へと案内移行されて、該第3案内部の案内終端と
第4案内部の案内始端との連設コーナー部位に形成され
ている係止部に弾性腕片の弾性復元力とリターンスプリ
ングの弾発力とにより衝合係止せしめられる。このこと
により、軸筒の先端開口から突出したペン先の突出状態
が保持される。一方、突出するペン先を軸筒内に没入さ
せるべくノック部のノック操作がなされると、係止部に
係止されている係止爪が該係止部から第4案内部に沿っ
て軸方向前方へと案内移行されて行く。このことによ
り、係止部に対する係止爪の係止状態が離脱解除され
る。そして、係止部から解除された係止爪が第4案内部
の案内終端に達すると、該案内終端から連設する第5案
内部に沿って前記弾性腕片の弾性復元力とリターンスプ
リングの弾発力とにより前記後退位置側に更に戻される
周方向へと案内移行されると共に、この第5案内部の案
内終端から連設する第6案内部に沿って前記弾性腕片の
弾性復元力とリターンスプリングの弾発力とにより後退
位置に後退戻される。つまり、突出するペン先は軸筒内
に没入戻される。
【0009】又、上記第1案内部を、第6案内部から係
止爪の後退位置に至る該係止爪の後退経路を横断するよ
うに延設せしめて、その横断部に前記後退位置側に向け
て傾斜させた傾斜部を設けた事である。斯る技術的手段
によれば、前述したようにノック操作がなされることに
より係止部から離脱解除された係止爪が、第5案内部の
案内終端から連設する第6案内部に沿って弾性腕片の弾
性復元力とリターンスプリングの弾発力とにより後退位
置へと後退戻される際に、前記第6案内部の後退経路を
横断する第1案内部の横断部を、その傾斜部に案内され
つつ通過して後退位置に後退戻される。この時、係止爪
を備える弾性腕片、カム部を備えるクリップのいずれか
一方又は双方が弾性変形せしめる。
【0010】又、上記カム部は、略矩形状に開設された
軸筒の窓孔の周囲開口縁に沿う少なくとも前側に、該窓
孔の両側開口縁に亘る突出幅で且つ同窓孔の前端開口縁
に沿う前壁を設けると共に、該前壁の前面側を傾斜状又
はアーチ状に形成してなる事である。斯る技術的手段に
よれば、衣服のポケット等に収める際、クリップに備え
たカム部がポケット等の開口縁に引っ掛かることはな
い。つまり、クリップを衣服のポケット等に差し込む際
に、カム部は前壁の前面傾斜部又はアーチ部によって案
内される事で、ポケット等の開口縁に引っ掛かることは
ない。又、カム部の前壁は窓孔の両側開口縁に接してい
る事で、カム部を窓孔の開口範囲内の所定位置にとどめ
る。つまり、インク収容管のペン先を軸筒の先端開口か
ら出没させるその出没動作に対応させたカム軌跡を描く
ようにノック部の係止爪が案内移行される第1乃至第6
案内部、そして該係止爪が係脱自在に係止される係止部
を窓孔の開口範囲内における所定位置にとどめる事がで
きる。それにより、ノック機能の確実性(信頼性)が図
られる。
【0011】又、上記窓孔の後端開口縁に、少なくとも
カム部の第1案内部の傾斜角度と同一方向に傾斜させた
戻し案内部を設けて、この戻し案内部に案内されて係止
爪が弾性腕片の弾性復元力とリターンスプリングの弾発
力とにより後退位置に戻されるように形成した事であ
る。斯る技術的手段によれば、ペン先を軸筒の先端開口
から出没させるノック操作が繰り返されることにより、
係止爪を備える弾性腕片の前述した弾性復元力が衰えた
としても、リターンスプリングの弾発力により係止爪は
戻し案内部に沿ってその後退位置に確実に戻される。こ
のことにより、ペン先が先端開口から僅かに突出した状
態で残る等の不具合を引き起こすこと無く、軸筒内に没
入された状態に確実に戻される。
【0012】又、上記戻し案内部の傾斜下端部位に、係
止爪の突出形状に相当する幅で軸筒後方に向けた適宜の
深さを有する凹欠部を設けて、該凹欠部を係止爪の後退
位置とした事である。斯る技術的手段によれば、前述し
たように、係止爪がリターンスプリングの弾発力により
戻し案内部に沿って後退位置の凹欠部に収容戻される。
このことにより、例えば係止爪の係止部に対する係止状
態が長時間に亘り継続した(ペン先の突出状態が長時間
に亘り継続した)場合等に起こる虞れがある弾性腕片の
略弓なり状の弾性変形に伴うその変形癖が、係止爪の凹
欠部への収納により強制的に直させる。つまり、弾性腕
片はノック部との連設部(根元)から軸方向前方に向け
て略弓なりに変形する前の直線的な姿勢(状態)に係止
爪の凹欠部に対する収容により強制的に直される。この
ことにより、弾性腕片の弾性復元力の安定維持が図られ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施の具体例を図面に基
づいて説明する。図1乃至図5は本発明ノック式筆記具
の実施の一例を示し、リターンスプリング3の弾発力に
より後方へ弾発させた状態でインク収容管2を軸筒1内
に装填すると共に、このインク収容管2の後端を着脱自
在に接続連繋させた状態で軸筒1の後端にノック部4を
装着し、該ノック部4には軸筒1の窓孔5を介して軸筒
1内に臨むクリップ6の内面部に形成される後述する係
止部7に対して係脱自在で、該係止部7に対する係止に
より軸筒1の先端開口1-1 からのペン先2-1 の突出状態
を保持する係止爪8を後述する弾性腕片9を介して備
え、一方、クリップ6の前記内面部には前記係止部7を
有し、且つノック部4の係止爪8を、インク収容管2の
ペン先2-1 を軸筒1の先端開口1-1 から出没させるその
出没動作に対応させた一連のカム軌跡X1 ,X2 を描く
ようにその後退位置Pから前記係止部7に至る前進範囲
と、該係止部7から後退位置に戻る後退範囲において段
階的に案内移行する出没案内手段を有するカム部10を一
体に備えて、前記ノック部4のノック操作がなされるこ
とにより前記係止部7に対する係止爪8の係止とその係
止状態の解除がなされ、更に同係止状態の解除がクリッ
プ6の跳ね上げ操作によってもなされるように構成して
なる。
【0014】軸筒1は、全体を一体又は図示のように、
ネジにより接続分解可能とする前部側と後部側との前後
2部材からなる周知の構造を成し、同じく周知の構造を
成すインク収容管2を、その前端側外周に巻回備えたリ
ターンスプリング3により後方へ弾発させた状態で装填
せしめて、後端に備えたノック部4のノック操作とクリ
ップ6のカム部10による係止爪8の案内移行とその係脱
自在な係止とによりインク収容管2のペン先2-1 を先端
開口1-1 から出没し得るようにしてなる。そして、軸筒
1の後退側に軸方向に長い略矩形状を呈する窓孔5と軸
方向に長いスリット状の溝孔11とを開設してなる。
【0015】窓孔5は、後部を軸筒1の後端開口から突
出させた状態で該軸筒1内に嵌挿備えられるノック部4
の係止爪8と軸筒1の後端外周に定着された状態で該軸
筒1の外側にその軸方向に添設されるクリップ6のカム
部10とを連繋させるべく軸筒1の後端側に開設されるも
ので、カム部10全体を嵌挿し得る該カム部10と平面的な
突出形状に合わせた軸方向に長い略矩形状に開設してな
る。そして、その後端開口縁5-1 における一側開口縁5-
2 との連設する部位に、少なくともカム部10の後述する
第1案内部10-1の軸方向斜め前方に向けた傾斜角度と同
一方向に傾斜させた戻し案内部12を設けて、当該部位を
係止爪8の後退位置Pとしてなる。つまり、弾性腕片9
の弾性復元力とリターンスプリング3の弾発力とにより
カム部10から後退移行されてくる係止爪8が戻し案内部
12に案内されて後退位置Pに速かに且つ確実に戻される
ように形成してなる。一方、溝孔11は、ノック部4の後
述する凸部13の嵌合により、該ノック部4を軸筒1内に
回転不能に支持する役目と、ノック部4の軸筒1からの
抜け外れを防ぐべくその前後のノック操作範囲(前後の
移動範囲)内にて支持する役目を成すもので、軸筒1の
後端側にノック操作範囲にて軸方向にスリット状に開設
してなる。
【0016】ノック部4は、軸筒1の内径と略同径とす
る所要長さの棒状に形成され、その前端側に、前記窓孔
5方向に向けた軸方向前方に延びる弾性腕片9を突出備
えると共に前記溝孔11にその溝方向に移動可能な状態で
嵌合させる凸部13を突出備え、更に、その前端面軸芯に
インク収容管2の後端部を抜き差し自在に接続連繋させ
る凹部14を備えてなる。尚、ノック部4の外周に対する
凸部13の突出位置はノック部4を軸筒1の後端側内部に
組み込み嵌挿せしめて該凸部13を軸筒1の溝孔11に対し
て嵌合させた際、弾性腕片9が窓孔5の周方向(開口幅
方向)の一側開口縁5-2 に沿った状態で組み込まれるよ
うに配慮する必要がある。
【0017】弾性腕片9は、係止爪8がその後退位置P
から係止部7に至るその前進範囲においてノック部4の
ノック操作によりカム軌跡X1 を描くように連繋するク
リップ6のカム部10の第1案内部10-1により後述する第
2案内部10-2へと案内移行される過程において弾性復元
力を蓄え、この蓄えた弾性復元力により、係止爪8が前
記カム部10の後述する第3案内部10-3に沿って確実に一
連の前記カム軌跡X1を描くように案内移行され、そし
てその第3案内部10-3と後述する第4案内部10-4との連
設コーナー部位に備える係止部7に対する確実な係止、
更にリターンスプリング3の弾発力と協動で行う後退位
置P(待機位置)への確実な戻りを助長する役目を成す
もので、ノック部4の前端側の外周部位に、軸方向に適
宜の長さにて切欠せしめた切欠部15の長さ範囲において
その後端部から前端部方向に向けた軸方向前方に角形或
いは丸形棒状に一体に突設せしめて、その突出根元から
少なくとも軸筒1の窓孔5の開口幅方向(周方向)に略
弓なりに弾性変形し得るように形成してなり、その突端
に軸筒1の窓孔5内に臨ませる係止爪8を突設備えてな
る。
【0018】上記係止爪8の突出高さは、その突端面が
窓孔5から軸筒1の外側に飛び出さない程度であり、そ
の突出形状は円柱状に形成せしめて、ノック部4を押す
ノック操作がなされ、そして弾性腕片9の前記弾性復元
力並びにリターンスプリング3の弾発力により第1案内
部10-1から第3案内部10-3、そして第4案内部10-4から
第6案内部10-6に沿って夫々案内移行される際に、安定
良く摺動し得るようにしてなる。尚、係止爪8の突出形
状は円柱状に限らず、例えば第1案内部10-1、第3案内
部10-3等の傾斜に対応させた略菱形状等の角柱状でも良
く、自由である。
【0019】カム部10は、ノック部4のノック操作がな
され、そして弾性腕片9の弾性復元力並びにリターンス
プリング3の弾発力とによりノック部4の係止爪8をイ
ンク収容管2のペン先2-1 を軸筒1の先端開口1-1 から
出没させるその出没動作に対応させたカム軌跡X1 ,X
2 を描くように案内する役目を成すもので、軸筒1の窓
孔5を介して軸筒1内に臨むクリップ6の内面部に、該
クリップ6の成形時に一体に成形備えてなり、窓孔5の
開口範囲内において前記係止爪8がその後退位置P近傍
から軸方向斜め前方へと案内移行される第1案内部10-1
と、この第1案内部10-1の案内終端から軸方向前方へと
更に案内移行される第2案内部10-2と、この第2案内部
10-2の案内終端から前記後退位置P側に戻る周方向へと
案内移行される第3案内部10-3と、この第3案内部10-3
の案内終端から軸方向前方へと案内移行される第4案内
部10-4と、この第4案内部10-4の案内終端から前記後退
位置P側に戻る周方向へと更に案内移行される第5案内
部10-5と、この第5案内部10-5の案内終端から前記後退
位置Pに戻る軸方向後方へと案内移行される第6案内部
10-6とを一連に連設具備せしめてなる出没案内手段を備
える。そして、前記第3案内部10-3の案内終端と第4案
内部10-4の案内始端との連設コーナー部位に係止爪8を
係脱自在に係止させる係止部7を備える。更に前記第5
案内部10-5を越えない範囲における前記第2案内部10-2
の前方部位に、ノック操作による係止爪8の前進移行量
が規制される規制部16を備えてなる。
【0020】又、上記カム部10は軸筒1の窓孔5の周囲
開口縁の内、その前端開口縁5-3 に沿う前側と、該窓孔
5の両側開口縁5-2 ,5-4 に沿う両側とに出没案内手段
の後方を除いて該出没案内手段を包囲するように前壁10
-7と両側壁10-8,10-9とを連設備えてなる。そして、前
壁10-7の前面側と両側壁10-8,10-9の解放後端側とを傾
斜状又はアーチ状(図ではアーチ状)に形成して、前壁
10-7の前端アーチ部17と両側壁10-8,10-9の後端アーチ
部18とにより、衣服のポケット等に収める際、カム部10
がポケット等の開口縁に引っ掛からないようにしてな
る。
【0021】第1案内部10-1は、ノック部4のノック操
作がなされることにより後退位置Pから前進移行される
係止爪8を第2案内部10-2に向けた斜め前方へと案内移
行せしめると同時に該係止爪8を備える弾性腕片9に弾
性復元力を作用させる役目を成すもので、ペン先2-1 が
軸筒1内に没入収められた状態(図1(イ)の状態)に
おいて前記後退位置Pから軸方向前方に向けて連設する
窓孔5の一側開口縁5-2 に沿うカム部10の一側壁10-8の
解放後端側部位からその他側壁10-9側近傍に向けた軸方
向斜め前方に適宜の傾斜角度にて連設備えて、その案内
終端から軸方向前方に向けて第2案内部10-2に連設備え
る。
【0022】第2案内部10-2は、ノック部4のノック操
作がなされることにより第1案内部10-1に沿って案内移
行される係止爪8を前方に向けて更に案内移行する。つ
まり、インク収容管2のペン先2-1 を軸筒1の先端開口
1-1 から外部へと筆記時の突出状態(突出量)に近い突
出域まで更に突出させる役目を成すもので、第1案内部
10-1の案内終端から前方に向けて連設備えて、その案内
終端から後退位置P側に戻る軸方向斜め後方に向けて第
3案内部10-3を連設備える。尚、第2案内部10-2はカム
部10の他側壁10-9から係止爪8の突出幅と同幅かそれよ
りも僅かに広い間隔をおいて形成する。つまり、第2案
内部10-2に沿う係止爪8の前進経路19の溝幅を、該係止
爪8の突出幅と同幅かそれよりも僅かに広く形成する。
【0023】第3案内部10-3は、ノック部4のノック操
作がなされることにより第2案内部10-2に沿って前方へ
と案内移行されて該第2案内部10-2前方の規制部16によ
りその前進移行量が規制された後に弾性腕片9の弾性復
元力とリターンスプリング3の弾発力とにより後退させ
られる係止爪8を、その後退位置P側に戻す軸方向斜め
後方に向けて案内移行する役目を成すもので、第2案内
部10-2から後退位置P側に向けた軸方向斜め後方に前記
第1案内部10-1の傾斜角度にて且つ該第1案内部10-1の
傾斜方向(長さ方向)略途中部位に至る範囲にて連設備
えて、その案内終端から前方に向けて第4案内部10-4を
連設備える。
【0024】第4案内部10-4は、第1案内部10-1の反対
側に面する前方側において第3案内部10-3と鋭角的に連
設せしめてその連設コーナー部位に、該第3案内部10-3
に沿って案内移行されてきた係止爪8を係脱自在に係止
させる係止部7を形成せしめる一方で、当該係止部7か
ら係止爪8を離脱させるべく前方に向けて該係止爪8を
ノック部4のノック操作により案内移行する役目を成す
もので、第3案内部10-3と鋭角に連設せしめた状態で前
方に向けて適宜の長さにて形成してなり、その案内終端
から後退位置P側に戻る軸方向斜め後方に向けて第5案
内部10-5を連設備える。
【0025】第5案内部10-5は、ノック部4のノック操
作がなされることにより係止部7から離脱され、第4案
内部10-4に沿って更に軸方向前方へと案内移行された後
に弾性腕片9の弾性復元力とリターンスプリング3の弾
発力とにより係止爪8を、その後退位置P側に戻す軸方
向斜め後方に向けて更に案内移行する役目を成すもの
で、第4案内部10-4から後退位置P側に向けた軸方向斜
め後方に前記第3案内部10-3の傾斜角度にて連設備え
て、その案内終端から後退位置P側に戻る軸方向後方に
向けて第6案内部10-6を連設備える。
【0026】第6案内部10-6は、第1案内部10-1を連設
させたカム部10の一側壁10-8との間に、弾性腕片9の弾
性復元力とリターンスプリング3の弾発力とにより係止
爪8をその後退位置P側に確実に案内移行(後退)させ
るための後退経路20を形成する役目を成すもので、第5
案内部10-5から後退経路20を横断する第1案内部10-1の
横断部21に至る軸方向後方に向けて連設備えてなる。
尚、後退経路20の溝幅は係止爪8の突出幅と同幅かそれ
よりも僅かに広く形成する。
【0027】そして、第2案内部10-2前方の規制部16
は、ノック操作がなされることにより第2案内部10-2に
沿って軸方向前方に案内移行されてくる係止爪8のその
前進移行量を第5案内部10-5を越えない範囲で規制す
る。つまり、使用者によって異なるノック部4のノック
操作力(押動力)の強弱、特に強いノック操作力により
係止爪8が第2案内部10-2に沿って軸方向前方に案内移
行されてきても係止爪8が弾性腕片9の弾性復元力によ
り第5案内部10-5を越えてその後退位置P側に戻ってし
まうと言った誤作動を起すことなく、第3案内部10-3に
沿ってその案内終端の係止部7に確実に係止される(軸
筒1の先端開口1-1 から突出したペン先2-1の突出状態
を確実に保持する)ように第2案内部10-2を通過した後
の係止爪8の前進移行量を規制する役目を成すもので、
第2案内部10-2の前方においてカム部10の他側壁10-9か
ら後退位置P側に向けた軸方向斜め後方に第3案内部10
-3の傾斜角度にて形成せしめて、その傾斜突端16-1を第
5案内部10-5を越えない軸方向後方に位置させてなる。
【0028】図中22は、第6案内部10-6とカム部10の一
側壁10-8との間の後退経路20を横断する第1案内部10-1
の横断部21の下面に、後退位置P側に向けて設けた傾斜
部であり、弾性腕片9の弾性復元力とリターンスプリン
グ3の弾発力とにより係止爪8が、第6案内部10-6に沿
って案内移行されて後退位置Pに後退戻される際に、こ
の傾斜部22に案内されつつ横断部21を潜る如く通過する
ようにしてなる。又、図中23は係止爪8の突端後部に前
記傾斜部22の傾斜角度にて設けた傾斜部であり、この双
方の傾斜部23,22により係止爪8が横断部21を速かに通
過し得るようにしてなる(図4参照)。又、図中24は横
断部21から後退位置P側に向けて傾斜状に設けた案内傾
斜部であり、この案内傾斜部24に案内されて係止爪8が
後退位置Pから第1案内部10-1へと前進移行される一方
で、第6案内部10-6に沿って案内移行され、横断部21を
潜る如く通過した後の係止爪8が後退位置Pへと後退移
行されるようにしてなる。
【0029】次に、以上の如く構成した本実施例のノッ
ク式筆記具の動き(作用)を説明すると、まず始めに軸
筒1内に没入収められているペン先2-1 を軸筒1の先端
開口1-1 (図1(イ)の状態)から突出させるべくノッ
ク部4のノック操作がなされると、後退位置Pで待機す
る係止爪8が該後退位置Pから案内傾斜部24に案内され
てカム部10の第1案内部10-1へと前進移行され、該第1
案内部10-1に沿って継続する前記ノック操作により斜め
前方へと案内移行される(図5(ロ)の状態)と共に連
設する第2案内部10-2に沿って前方へと継続的に案内移
行されて行く。この係止爪8の動きにより、ペン先2-1
は軸筒1の先端開口1-1 から突出されると共に、弾性腕
片9は徐々に略弓なりに変形されて行く。つまり、弾性
腕片9には弾性復元力が徐々に蓄えられて行く。そし
て、第2案内部10-2に沿って前方へと案内移行せしめら
れた係止爪8が該第2案内部10-2を通過した後にその前
方の規制部16に衝合せしめられると、その前進移行が止
められる(ノック部4のノック操作は止められる)。こ
の状態でノック操作が解放されると、係止爪8が弾性腕
片9に蓄えられた弾性復元力とリターンスプリング3の
弾発力とにより第3案内部10-3に沿って斜め後方へと案
内移行されてその案内終端の係止部7に衝合係止せしめ
られる(図5(ハ)の状態)。このことにより、軸筒1
の先端開口1-1から突出したペン先2-1 の突出状態が保
持される(図1(ロ)の状態)。つまり、筆記し得る状
態となる。一方、突出するペン先2-1 を軸筒1内に没入
させるべくノック部4のノック操作がなされると、係止
部7に係止されている係止爪8が該係止部7から第4案
内部10-4に沿って軸方向前方へと更に案内移行され、係
止部7に対する係止爪8の係止状態が離脱解除される。
そして、第4案内部10-4に沿って軸方向前方へと案内移
行せしめられた係止爪8が第4案内部10-4を通過した時
点でその動きはノック部4の凸部13が軸筒1の溝孔11の
前端11-1に衝合係止せしめられる一方で、係止爪8が更
に作用する前記弾性腕片9の弾性復元力とリターンスプ
リング3の弾発力とにより第5案内部10-5側に移行され
て該第5案内部10-5に沿って第6案内部10-6側へと案内
移行される(図5(ニ)の状態)。そして、この第6案
内部10-6に案内移行されたきた係止爪8が更に作用する
前記弾性腕片9の弾性復元力とリターンスプリング3の
弾発力とにより第6案内部10-6に沿って後退位置P側へ
と第1案内部10-1の横断部21を、その下面の傾斜部22に
案内されつつ通過して後退位置Pに後退戻される(図5
(イ)の状態)。係止爪8が後退位置Pに完全に戻され
た状態では弾性腕片9の弾性復元力はゼロとなり、又、
ノック部4の凸部13は軸筒1の溝孔11の後端11-2に対し
て衝合係止せしめられた状態となる。
【0030】図6は、上記したノック式筆記において、
軸筒1の窓孔5の後端開口縁5-1 に設けた戻し案内部12
の傾斜下端部位(案内終端部位)に、係止爪8の突出形
状に相当する幅で軸筒1の後端側に向けた適宜の深さを
有する凹欠部25を設けてなる他の実施例である。尚、斯
る実施例にあっては戻し案内部12の傾斜下端部位に凹欠
部25を設けた以外の構成においては上記した実施例詳述
と基本的に同じ事から同じ構成部分に同じ符号を用いる
事でその説明は省略する。
【0031】凹欠部25は、上記した実施例詳述のよう
に、係止爪8がリターンスプリング3の弾発力により戻
し案内部12に沿って収容戻されることで、例えば係止爪
8が係止部7に係止せしめられたペン先2-1 の突出状態
が長時間に亘り継続した場合等に起こる虞れがある弾性
腕片9の略弓なり状の弾性変形に伴うその変形癖を強制
的に直す役目を成すもので、カム部10の一側壁10-8に設
けた案内傾斜部24から軸筒1の後端側に向けた適宜の開
口深さにて且つ係止爪8の突出形状によりも僅かに広い
程度の開口幅にて戻し案内部12の傾斜下端部位に形成備
えて、係止爪8がリターンスプリング3の弾発力により
戻し案内部12に沿って収容戻されるようにしてなる。
尚、凹欠部25の開口深さは係止爪8が凹欠部25に収容さ
れた状態においてその開口底縁25-1に係止爪8が接触し
ない程度の深さにすることが望ましい。
【0032】而して、斯る実施例のノック式筆記具によ
れば、係止爪8がカム部10の係止部7から第4案内部乃
至第6案内部10-4,10-5,10-6、そして第1案内部10-1
の横断部21を傾斜部22に沿って通過した後に、戻し案内
部12に沿って後退位置Pの凹欠部25に収容戻されると、
係止爪8は戻し案内部12と連設する凹欠部25の一側開口
縁25-2に接触せしめた状態となる。このことにより、例
え係止爪8が係止部7に係止せしめられたペン先2-1 の
突出状態が長時間に亘り継続し、略弓なり状の弾性変形
に伴う変形癖が弾性腕片9に付いてもその変形癖は係止
爪8が凹欠部25に収容されることで、ノック部4との連
設部(根元)から軸方向前方に向けた直線的な姿勢(状
態)に強制的に直させることから、弾性腕片9の弾性復
元力の長期に亘る安定維持が図られる。つまり、弾性腕
片9の弾性復元力を利用した係止爪8の後退位置Pへの
戻し動作の確実性が長期に亘り安定維持される。
【0033】図7は、上記した実施例詳述のノック式筆
記具のカム部10において、両側壁10-8,10-9の後端を連
設する後壁10-10 を設けて、カム部10の上記した第1乃
至第6案内部10-1,10-2,10-3,10-4,10-5,10-6から
なる出没案内手段をその全周から包囲せしめた他の実施
例であり、斯る実施例にあっては出没案内手段を全周か
ら包囲せしめるべく前壁10-7と同様に後面側を傾斜状又
はアーチ状に形成した後壁10-10 を設けて、該後壁10-1
0 と一側壁10-8との連設コーナー部位を係止爪8の後退
位置Pとした以外の構成においては上記した実施例詳述
と基本的に同じことから同じ構成部分に同じ符号を用い
ることでその説明は省略する。又、ノック部4のノック
操作がなされ、そして、弾性腕片9の弾性復元力とリタ
ーンスプリング3の弾発力による係止爪8の動きにおい
ても上記した実施例詳述の作用説明と基本的に同じこと
からその作用説明においても省略する。
【0034】
【発明の効果】本発明のノック式筆記具は叙上の如く構
成してなるから、下記の作用効果を奏する。ペン先を軸
筒の先端開口から突出させた状態を保持させるべくノッ
ク部の係止爪を係止させる係止部と、軸筒内に没入され
ているペン先を先端開口から突出させるべく係止爪をそ
の後退位置から前記係止部へと段階的に案内移行する。
つまり、ペン先を軸筒の先端開口から出没させるその出
没動作に対応させた一連のカム軌跡を描くように案内す
る出没案内手段とを有するカム部を、軸筒の窓孔を介し
て該軸筒内に臨むクリップの内面部に備えてなることか
ら、係止部と出没案内手段との位置関係に、従来のよう
な加工或いは成形誤差による位置ズレが生じることはな
い。従って、係止爪の係止部に対する係止、そして係止
部から解除させるそれらの動きは確実となる。つまり、
ペン先を軸筒の先端開口から出没させる本来のノック機
能を正常に作動させる事ができる。
【0035】又、ペン先を軸筒の先端開口から出没させ
るその出没動作に対応させた一連のカム軌跡X1 ,X2
を描くように係止爪を案内する出没案内手段と、該係止
爪を係脱自在に係止する係止部とを有するカム部をクリ
ップ側に備えたことにより、従来のように軸筒の窓孔の
開口縁に一連のカム軌跡を描くように案内する案内手段
を設ける必要がなくなる。つまり、軸筒の窓孔は出没案
内手段と係止部とを有するカム部を軸筒内に臨ませる例
えば四角形状等の単純な開口形状でよいことから、その
加工或いは成形性が大幅に改善され、ひいては生産性の
向上が期待できる。
【0036】又、カム部の係止部から出没案内手段の第
4案内部乃至第6案内部に沿って係止爪が案内移行され
てきた後に、戻し案内部によりその傾斜下端部位に設け
た後退位置Pとなる凹欠部に収容戻されるようにしてな
ることら、例え係止爪が係止部に係止せしめられたペン
先の突出状態が長時間に亘り継続し、略弓なり状の弾性
変形に伴う変形癖が弾性腕片に付いてもその変形癖は係
止爪が凹欠部に収容されることにより強制的に直され
る。つまり、ノック部との連設部(根元)から軸方向前
方に向けた直線的な姿勢(状態)に強制的に直させるこ
とから、弾性腕片の弾性復元力の長期に亘る安定維持が
図られる。従って、弾性腕片の弾性復元力を利用した係
止爪の後退位置Pへの戻し動作の確実性が長期に亘り期
待できる。
【0037】従って、本発明によれば、軸筒の先端開口
から突出するペン先をクリップの跳ね上げ操作により軸
筒内に自動的に戻すクリップによるペン先の自動戻し機
構の確実性は勿論、ペン先を軸筒の先端開口から出没さ
せる本来のノック機能の確実性が図られることから、品
質の安定したノック式筆記具を提供することができ、し
かも、加工或いは成形性の改善による生産性に優れたノ
ック式筆記具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明ノック式筆記具の実施の一例を示した
縦断面図で、(イ)はペン先が軸筒内に収められた状態
を示す、(ロ)はペン先を軸筒の先端開口から突出させ
た状態を示す
【図2】 図1のII−II線の横断拡大図
【図3】 要部を分解して示した斜視図で、一部を切欠
して示す
【図4】 図2のIV−IV線の要部の縦断面図
【図5】 ペン先の出没動作に対応させて一連のカム奇
跡を描くように案内移行される係止爪の動きを示した要
部の横断面図で、(イ)は係止爪がその後退位置に戻さ
れている(待機している)状態を示す、(ロ)はノック
操作により係止爪がその後退位置からカム部の第1案内
部に沿って案内移行された状態を示す、(ハ)はノック
操作、そして弾性腕片の弾性復元力並びにリターンスプ
リングにより係止爪がカム部の2案内部、第3案内部に
沿って係止部へと案内移行された状態を示す、(ニ)は
ノック操作、そして弾性腕片の弾性復元力並びにリター
ンスプリングにより係止爪がカム部の係止部に対する係
止状態が離脱解除されて第4案内部乃至第6案内部に沿
って案内移行されて後退位置へと後退戻されるその途中
の状態を示す
【図6】 本発明ノック式筆記具の他の実施例で、ペン
先の出没動作に対応させて一連のカム奇跡を描くように
移行する係止爪の動きを示した要部の横断面図
【図7】 本発明ノック式筆記具の他の実施例で、ペン
先の出没動作に対応させて一連のカム奇跡を描くように
移行する係止爪の動きを示した要部の横断面図
【図8】 従来例を示した要部の横断面図
【符号の説明】
1…軸筒 1-1 …先端開口 2…インク収容管 2-1 …ペン先 3…リターンスプリング 4…ノック部 5…窓孔 5-1 …後端開口
縁 5-2 …一側開口縁 5-3 …前端開
口縁 5-4 …他側開口縁 6…クリッ
プ 7…係止部 8…係止爪 9…弾性腕片 10…カム部 10-1…第1案内部 10-2…第2案
内部 10-3…第3案内部 10-4…第4案
内部 10-5…第5案内部 10-6…第6案
内部 10-7…前壁 10-8…一側壁 10-9…他側壁 10-10 …後壁 11…溝孔 12…戻し案内
部 25…凹欠部 X1 ,X2 …カム軌跡 P…後退位置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 係止爪を備えたノック部のノック操作と
    インク収容管を後方へ弾発するリターンスプリングによ
    り軸筒の窓孔を介して臨むクリップの係止部に対する前
    記係止爪の係止とその係止状態の解除が行われ、更に同
    係止状態の解除がクリップの跳ね上げ操作により行われ
    るノック式筆記具に於いて、 軸筒へ回転不能に備えた前記ノック部に、軸筒の前記窓
    孔に向けた軸方向前方に延びる弾性腕片を備えると共
    に、該弾性腕片の突端に前記係止爪を突出備え、一方、
    軸筒の窓孔を介して該軸筒内に臨む前記クリップの内面
    部には前記係止部を有し、且つノック部のノック操作並
    びに前記弾性腕片の弾性復元力並びにリターンスプリン
    グの弾発力により前記係止爪を、少なくともリターンス
    プリングの弾発力により後退戻されるその後退位置から
    前記係止部に至る前進範囲と、該係止部から前記後退位
    置に至る後退範囲とにおいて段階的に案内移行せしめて
    インク収容管のペン先を軸筒の先端開口から出没させる
    その出没動作に対応させた一連のカム軌跡を描くように
    案内する出没案内手段を有するカム部を備えてなる事を
    特徴とするノック式筆記具。
  2. 【請求項2】請求項1記載のノック式筆記具において、 カム部は、少なくとも窓孔の開口範囲内において係止爪
    が、その後退位置近傍から斜め前方へと案内移行される
    第1案内部と、この第1案内部の案内終端から前方へと
    更に案内移行される第2案内部と、この第2案内部の案
    内終端から前記後退位置側に戻る周方向へと案内移行さ
    れる第3案内部と、この第3案内部の案内終端から前方
    へと案内移行される第4案内部と、この第4案内部の案
    内終端から前記後退位置側に戻る周方向へと更に案内移
    行される第5案内部と、この第5案内部の案内終端から
    前記後退位置に戻る後方へと案内移行される第6案内部
    とを連設具備し、且つ前記第3案内部の案内終端と第4
    案内部の案内始端との連設コーナー部位に係止部を備
    え、更に前記第5案内部を越えない範囲における前記第
    2案内部の前方部位に、ノック操作による係止爪の前進
    移行量が規制される規制部を具備してなる事を特徴とす
    るノック式筆記具。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のノック式筆記具におい
    て、 第1案内部を、第6案内部から係止爪の後退位置に至る
    該係止爪の後退経路を横断するように延設せしめて、そ
    の横断部に前記後退位置側に向けて傾斜させた傾斜部を
    設けた事を特徴とするノック式筆記具。
  4. 【請求項4】 請求項2記載のノック式筆記具におい
    て、 カム部は、略矩形状に開設された軸筒の窓孔の周囲開口
    縁に沿う少なくとも前側に、該窓孔の両側開口縁に亘る
    突出幅で且つ同窓孔の前端開口縁に沿う前壁を設けると
    共に、該前壁の前面側を傾斜状又はアーチ状に形成して
    なる事を特徴とするノック式筆記具。
  5. 【請求項5】請求項2乃至4いずれかに記載のノック式
    筆記具において、 窓孔の後端開口縁に、少なくともカム部の第1案内部の
    傾斜角度と同一方向に傾斜させた戻し案内部を設けて、
    この戻し案内部に案内されて係止爪がリターンスプリン
    グにより後退位置に戻されるように形成した事を特徴と
    するノック式筆記具。
  6. 【請求項6】請求項5記載のノック式筆記具において、 戻し案内部の傾斜下端部に、係止爪の突出形状に相当す
    る幅で軸筒の後方に向けた適宜の深さを有する凹欠部を
    設けて、該凹欠部を係止爪の後退位置とした事を特徴と
    するノック式筆記具。
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