JPH10251759A - 冷間圧延性に優れたフェライト系ステンレス熱延鋼帯の製造方法 - Google Patents
冷間圧延性に優れたフェライト系ステンレス熱延鋼帯の製造方法Info
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- JPH10251759A JPH10251759A JP6453697A JP6453697A JPH10251759A JP H10251759 A JPH10251759 A JP H10251759A JP 6453697 A JP6453697 A JP 6453697A JP 6453697 A JP6453697 A JP 6453697A JP H10251759 A JPH10251759 A JP H10251759A
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Abstract
熱延鋼帯の製造方法を提供する。 【解決手段】 C+N:0.03%以下、Ti+Nb:4(C+
N)以上、あるいはさらにMo:2.0 %以下を含有するフ
ェライト系ステンレス鋼連鋳スラブを加熱し、仕上圧延
終了温度を、(800 +A)℃以上とする仕上圧延を施
し、仕上圧延終了後コイル巻き取りまでの平均冷却速度
を10℃/s以下とする。なお、Aは、鋼組成に依存し、A
=(wt%Cr) +10 (wt%Ti)+100(wt%Nb)+30(wt%Mo) で決
定される値である。
Description
ンレス鋼帯の製造方法に関し、とくに冷間圧延性に優れ
たフェライト系ステンレス熱延鋼帯の製造方法に関す
る。
鋳スラブを素材として熱間圧延により熱延鋼帯とされ、
焼鈍と、その後酸洗を施されて鋼板表面に生成した酸化
スケールを除去されたのち、冷間圧延と焼鈍、酸洗を施
されて製造されている。連鋳スラブを素材として製造さ
れるフェライト系ステンレス冷延鋼帯では、鋳造時に形
成される柱状晶が原因でリジングが顕著になるとされて
いるため、熱延時に柱状晶組織を破壊し、圧延方向に平
行な帯状組織の発達を少なくするよう適切な熱延条件と
し、さらに均一な再結晶組織とするため熱延板焼鈍が施
されて製造されている。
の製造方法では、製造工程が長く、生産性に問題があっ
た。熱延鋼帯の焼鈍を必要としないフェライト系ステン
レス冷延鋼帯の製造方法としては、例えば、特開平6-17
9921号公報には、Cr:11〜21wt%で、C:0.02wt%以
下、N:0.02wt%以下とし、さらにTi、Nbの少なくとも
1種を、あるいはさらにMoを添加したステンレス鋼スラ
ブを1200〜1250℃に加熱し、850 〜950 ℃の仕上温度で
熱間圧延し、550 ℃以下で巻取り、さらに100mm φ以上
の大径圧延ロールで圧下率50〜70%の冷間圧延を施し、
高温焼鈍を施す高温強度と成形加工性に優れたフェライ
ト系ステンレス鋼薄板の製造方法が開示されている。
〜20wt%で、C:0.10wt%以下、N:0.04wt%以下、S
i:2.0wt %以下、Mn:1.0wt %以下で、かつTi:0.03
〜0.50wt%、Nb:0.03〜0.50wt%、B:0.0005〜0.0100
wt%を含有したフェライト系ステンレス鋼のスラブを熱
間圧延するに際し、900 ℃以下の圧下率を50%以上と
し、800 ℃以下の仕上り温度で圧延を終了し、コイル巻
取り温度を600 ℃以上としてコイリングしたのち、焼鈍
するか、焼鈍を省略し、その後冷間圧延と冷延板焼鈍を
組み合わせて行うプレス成形加工性と表面特性に優れた
フェライト系ステンレス鋼の製造方法が開示されてい
る。
公平8-26436 号公報に記載された方法のように熱延鋼帯
の焼鈍を省略すると、熱延鋼帯の冷間圧延時に加工硬化
が著しく、鋼帯に耳割れが発生したり、圧延ロールに焼
付疵が発生したり、あるいはリバース式冷間圧延ミルで
の圧延パス数を増加しなければならないといった問題が
あった。熱延鋼帯焼鈍を省略でき、かつ冷間圧延性に優
れたフェライト系ステンレス熱延鋼帯の製造方法は確立
されていなかったのである。
鋼帯の製造方法では、製造工程が長く、生産性が低く、
経済的に高価となるため、熱延鋼帯焼鈍を施すことな
く、直接冷間圧延が可能な熱延鋼帯の開発が要望されて
いた。本発明は、熱延鋼帯焼鈍を省略でき、直接冷間圧
延が可能な冷間圧延性に優れたフェライト系ステンレス
熱延鋼帯の製造方法を提供することを目的とする。
問題に鑑み、熱延鋼帯の冷間圧延性について鋭意検討し
た結果、熱間圧延条件のうち、仕上圧延終了温度およ
び、仕上圧延終了後コイル巻取りまでの冷却速度を最適
化することにより、熱延鋼帯焼鈍を省略しても、冷間圧
延性に問題がないことを新規に見い出し、本発明を構成
した。
る。まず、仕上圧延終了温度の影響について検討した。
表1の鋼No.A1 〜A6に示す組成の連鋳スラブを、1130℃
に加熱したのち、3スタンドからなる粗圧延機および7
スタンドからなる連続仕上圧延機により熱間圧延を行っ
た。この際、仕上圧延終了温度を変化して仕上圧延を実
施し、仕上圧延終了後、平均冷却速度4℃/sで冷却しコ
イルに巻き取り、熱延鋼帯とした。得られた熱延鋼帯を
酸洗し、ワークロール径が100mm φのゼンジマー型冷間
圧延機で圧下率を変化した冷間圧延を施し冷延鋼帯とし
た。この冷延鋼帯について、耳割れ発生の程度を調査し
た。その結果を図1に示す。なお、耳割れ発生度合は耳
割れ長さで評価し、大、中、小、無の4ランクに分類し
評価した。耳割れ長さが大は、30mm以上、中は10〜30m
m、小は10〜3mm、無は3mm未満とした。
(℃)が(800 +A)(℃)以上の場合に、90%の冷間
圧延を行っても耳割れの発生が見られず、耳割れ発生が
防止できることがわかる。なお、A値は鋼組成で決まる
値で、 A=(wt%Cr) +10 (wt%Ti)+100(wt%Nb)+30(wt%Mo) で表される。
に応じ調整することが重要であるとの知見を得た。つぎ
に、仕上圧延終了後の冷却速度の影響について検討し
た。表1の鋼No. A1に示す組成の連鋳スラブを、1130℃
に加熱したのち、3スタンドからなる粗圧延機および7
スタンドからなる連続仕上圧延機により熱間圧延を行い
熱延鋼帯とした。仕上圧延終了温度は850 〜860 ℃とし
た。仕上圧延終了後、種々の平均冷却速度で冷却しコイ
ルに巻き取った。得られた熱延鋼帯を酸洗し、ワークロ
ール径が80mmφのゼンジマー型冷間圧延機で圧下率を変
化した冷間圧延を施し冷延鋼帯とした。この冷延鋼帯に
ついて、耳割れ発生の有無を調査した。その結果を図2
に示す。
℃/s以下で、耳割れ発生が防止できることがわかる。本
発明は、上記した知見をもとに構成されたものである。
すなわち、本発明の要旨は、フェライト系ステンレス鋼
の連鋳スラブを、粗圧延と連続式仕上圧延とからなる熱
間圧延により熱延鋼帯とするフェライト系ステンレス熱
延鋼帯の製造方法において、前記連鋳スラブが重量%
で、Cr:10%以上、C+N:0.03%以下を含み、かつT
i、Nbのうちから選ばれた1種または2種を合計で4
(C+N)以上を含有するフェライト系ステンレス鋼で
あり、前記仕上圧延の仕上圧延終了温度(FDT)
(℃)が、次(1)式 FDT≧(800 +A)……(1) (ここで、FDT:仕上圧延終了温度(℃)、A=(wt%
Cr) +10 (wt%Ti)+100(wt%Nb)+30(wt%Mo) )を満足
し、かつ前記仕上圧延終了後コイル巻き取りまでの平均
冷却速度を10℃/s以下とすることを特徴とする冷間圧延
性に優れたフェライト系ステンレス熱延鋼帯の製造方法
である。
量%で、Cr:10%以上、C+N:0.03%以下、Mo:2.0
%以下を含み、かつTi、Nbのうちから選ばれた1種また
は2種を合計で4(C+N)以上を含有するフェライト
系ステンレス鋼としてもよい。
ブ組成の限定理由について説明する。 Cr:10%以上 Crは、C、N、Ti、Nbとの相乗効果でフェライト単相組
織を得るためには、10%以上を必要とする。一方、30%
を超えると、熱延後に脆化相が生成しやすくなるため、
30%以下に限定するのが好ましい。なお、Crは耐食性、
耐酸化性等の点から好ましくは11〜22%である。
Nbを添加しても、フェライト単相組織を安定して得るた
めにはC、Nはその合計量で0.03%以下とする必要があ
る。なお、C+Nは、0.025 %以下が好ましい。 Ti 、Nbのうちから選ばれた1種または2種の合計:4
(C+N)以上 Ti、Nbはいずれも、強力なオーステナイト安定化元素で
あるC、Nを炭窒化物として固定し、安定してフェライ
ト単相組織を得るために必要な元素である。そのために
は、Ti、Nbのうちから選ばれた1種または2種の合計量
で4(C+N)以上の添加を必要とする。また、一方、
Tiが0.5 %、Nbが0.8 %を超えると、冷延焼鈍鋼帯の伸
びが低下するため、好ましくはTiは0.5 %以下、Nbは0.
8 %以下とするのが良い。
る。しかし、2.0 %を超える添加は、鋼材を脆化させる
ため2.0 %を上限とした。上記以外の成分については、
目的により必要に応じ添加させることが可能であり、不
純物を含めて以下に好ましい範囲を示すが、本発明では
これに限定されるものではない。
1 %以下、P:0.05%以下、S:0.015 %以下、O:0.
01%以下、Ca:0.002 %以下、Mg:0.002 %以下、REM
:0.015 %以下、Ni:0.7 %以下、Cu:0.5 %以下、C
o:0.3 %以下、V:0.5 %以下、Zr:0.3 %以下、
W:0.3 %以下、Ta:0.3 %以下、B:0.003 %以下。
次に、熱延条件について説明する。
温度は1160℃以下とするのが好ましい。また、加熱温度
が低下しすぎると、圧延時にロールとの焼付が生じ鋼板
表面に肌荒れ欠陥が発生しやすくなるため、1050℃以上
とするのが好ましい。
は圧延方向に平行な帯状組織が生成しやすく、また950
℃未満では再結晶粒が生成しにくくなるため、粗圧延温
度は950 〜1100℃の範囲とするのが好ましい。なお、よ
り好ましくは980 〜1080℃の範囲である。
0 +A)℃以上 A値は次(1)式 A値=(wt%Cr) +10 (wt%Ti)+100(wt%Nb)+30(wt%Mo) ……(2) で決定される。仕上圧延終了温度が、(800 +A)℃未
満では冷間圧延時に耳割れが発生しやすくなる。このた
め、耳割れの発生を抑え冷間圧延性を高めるためには、
仕上圧延終了温度は(800 +A値)℃以上とする。な
お、脱スケール性の点から(800+A)℃以上930 ℃以
下とするのが好ましい。
冷却速度:10℃/s以下 仕上圧延終了後の冷却速度が10℃/sを超えると冷間圧延
時に耳割れが発生する。このため、仕上圧延終了後の冷
却速度を10℃/s以下に限定した。なお、冷却速度の下限
は特に限定しないが、設備能力の制約上からは、2℃/s
以上とするのが好ましい。
られた熱延鋼帯は、熱延鋼帯焼鈍を省略し、ついで冷間
圧延−焼鈍−酸洗を1回以上繰り返し施され、冷延鋼帯
とすることができる。
を、1120℃〜1160℃に加熱したのち、3スタンドからな
る粗圧延機および7スタンドからなる連続仕上圧延機に
より表2に示す条件で熱間圧延を行い熱延鋼帯とした。
得られた熱延鋼帯を酸洗し、ついでワークロール径が90
mmφのゼンジマー型冷間圧延機で圧下率90%の冷間圧延
を施した。冷間圧延後、これら冷延鋼帯について、耳割
れ発生状況を調査した。その結果を表2に示す。なお、
耳割れ発生状況は、耳割れ長さを測定し評価した。評価
は、○を3mm未満の耳割れ、ロール焼付き疵なし、△を
3mm以上10mm未満の耳割れ発生、×を10mm以上の耳割れ
発生、圧延中止、とした。
、No.12 、No.13 はいずれも、熱延鋼帯焼鈍を省略
し、圧下率90%の冷間圧延を施しても、冷延時に耳割れ
の発生が見られず、またロール焼付疵の発生もなく、表
面外観、表面品質とも良好であり、優れた冷間圧延性を
有するフェライト系ステンレス熱延鋼帯であることがわ
かる。
巻取りまでの冷却速度のいずれかが本発明の範囲を外れ
る比較例である圧延材No.5、No.6、No.9、No.11 では、
いずれも冷延時に2〜5mm長さの耳割れが発生したた
め、トリミング工程を追加し耳割れを除去した。トリミ
ングを行ったことにより幅歩留りの低下が生じた。仕上
圧延終了温度およびコイル巻取りまでの冷却速度いずれ
も本発明の範囲をはずれた比較例である圧延材No.7で
は、冷間圧延途中で10〜30mmの耳割れが発生し、このま
ま圧延を続けるとミル内板破断、火災発生等の重大事故
に繋がる危険があり圧延中止となった。また、圧延材N
o.14 、No.15 は、連鋳スラブの組成が本発明範囲を外
れており、耳割れが発生した。
省略しても耳割れ、ロール焼付疵の発生は認められず、
極めて優れた表面品質を有するフェライト系ステンレス
冷延鋼帯が高能率で製造できる。
ことにより、熱延焼鈍を省略しても冷延時に耳割れ、ロ
ール焼付疵等の発生が回避され、優れた表面品質を有す
る冷間圧延性に優れたフェライト系ステンレス熱延鋼帯
を能率良く製造でき、産業上格段の効果を奏する。
影響を示すグラフである。
りまでの冷却速度の影響を示すグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 フェライト系ステンレス鋼の連鋳スラブ
を、粗圧延と連続式仕上圧延とからなる熱間圧延により
熱延鋼帯とするフェライト系ステンレス熱延鋼帯の製造
方法において、前記連鋳スラブが重量%で、Cr:10%以
上、C+N:0.03%以下を含み、かつTi、Nbのうちから
選ばれた1種または2種を合計で4(C+N)以上を含
有するフェライト系ステンレス鋼であり、前記仕上圧延
の仕上圧延終了温度(FDT)(℃)が、下記(1)式
を満足し、かつ前記仕上圧延終了後コイル巻き取りまで
の平均冷却速度を10℃/s以下とすることを特徴とする冷
間圧延性にすぐれたフェライト系ステンレス熱延鋼帯の
製造方法。 記 FDT≧(800 +A)……(1) ここで、FDT:仕上圧延終了温度(℃) A=(wt%Cr) +10 (wt%Ti)+100(wt%Nb)+30(wt%Mo) - 【請求項2】 前記連鋳スラブが、重量%で、Cr:10%
以上、C+N:0.03%以下、Mo:2.0 %以下を含み、か
つTi、Nbのうちから選ばれた1種または2種を合計で4
(C+N)以上を含有するフェライト系ステンレス鋼で
あることを特徴とする請求項1記載のフェライト系ステ
ンレス熱延鋼帯の製造方法。
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JP06453697A JP3879164B2 (ja) | 1997-03-18 | 1997-03-18 | 冷間圧延性に優れたフェライト系ステンレス熱延鋼帯の製造方法 |
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Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3879164B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001003143A (ja) * | 1999-06-22 | 2001-01-09 | Nippon Steel Corp | 加工性と表面性状に優れたフェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法 |
KR100538683B1 (ko) * | 1997-05-29 | 2006-03-23 | 위지노르 | 페라이트스테인레스강의얇은스트립제조방법및상기방법으로얻어진얇은스트립 |
JP2013204128A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-10-07 | Nippon Steel & Sumikin Stainless Steel Corp | 溶接部の耐食性に優れるフェライト系ステンレス鋼 |
WO2013179616A1 (ja) * | 2012-05-28 | 2013-12-05 | Jfeスチール株式会社 | フェライト系ステンレス鋼 |
-
1997
- 1997-03-18 JP JP06453697A patent/JP3879164B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100538683B1 (ko) * | 1997-05-29 | 2006-03-23 | 위지노르 | 페라이트스테인레스강의얇은스트립제조방법및상기방법으로얻어진얇은스트립 |
JP2001003143A (ja) * | 1999-06-22 | 2001-01-09 | Nippon Steel Corp | 加工性と表面性状に優れたフェライト系ステンレス鋼板およびその製造方法 |
JP2013204128A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-10-07 | Nippon Steel & Sumikin Stainless Steel Corp | 溶接部の耐食性に優れるフェライト系ステンレス鋼 |
WO2013179616A1 (ja) * | 2012-05-28 | 2013-12-05 | Jfeスチール株式会社 | フェライト系ステンレス鋼 |
JP5505570B1 (ja) * | 2012-05-28 | 2014-05-28 | Jfeスチール株式会社 | フェライト系ステンレス鋼 |
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