JPH102502A - ナトリウムによる水蒸気過熱器の始動方法 - Google Patents
ナトリウムによる水蒸気過熱器の始動方法Info
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- JPH102502A JPH102502A JP15088796A JP15088796A JPH102502A JP H102502 A JPH102502 A JP H102502A JP 15088796 A JP15088796 A JP 15088796A JP 15088796 A JP15088796 A JP 15088796A JP H102502 A JPH102502 A JP H102502A
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- Control Of Steam Boilers And Waste-Gas Boilers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 水蒸気過熱器の使用開始時、すなわち過熱器
への蒸気通気時に、過熱器への湿分(凝縮水及び飽和蒸
気)の流入を防止することができるナトリウムによる水
蒸気過熱器の始動方法を提供する。 【解決手段】 蒸気排出弁13から蒸気を排出しながら
過熱蒸気弁11から過熱蒸気14dを徐々に供給し、水
蒸気過熱器1の上流側の圧力と温度を検出し、検出圧力
及び検出温度が過熱蒸気領域にあるように保持しなが
ら、過熱器内の圧力及び温度を徐々に高める。具体的に
は、一定温度の過熱蒸気14dを徐々に供給してこの温
度の飽和圧力の手前で供給量を低減し、次いで蒸気温度
の上昇に応じて再度過熱蒸気を供給し、蒸気温度の飽和
圧力以下に保持しながら、徐々に圧力及び温度を高め
る。
への蒸気通気時に、過熱器への湿分(凝縮水及び飽和蒸
気)の流入を防止することができるナトリウムによる水
蒸気過熱器の始動方法を提供する。 【解決手段】 蒸気排出弁13から蒸気を排出しながら
過熱蒸気弁11から過熱蒸気14dを徐々に供給し、水
蒸気過熱器1の上流側の圧力と温度を検出し、検出圧力
及び検出温度が過熱蒸気領域にあるように保持しなが
ら、過熱器内の圧力及び温度を徐々に高める。具体的に
は、一定温度の過熱蒸気14dを徐々に供給してこの温
度の飽和圧力の手前で供給量を低減し、次いで蒸気温度
の上昇に応じて再度過熱蒸気を供給し、蒸気温度の飽和
圧力以下に保持しながら、徐々に圧力及び温度を高め
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ナトリウムを熱媒
体とし、水蒸気を加熱する水蒸気過熱器に係わり、更に
詳しくは、この水蒸気過熱器の始動方法に関する。
体とし、水蒸気を加熱する水蒸気過熱器に係わり、更に
詳しくは、この水蒸気過熱器の始動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高温の液体ナトリウムを熱媒体として水
蒸気を加熱して過熱度の高い過熱蒸気にするために、図
3に模式的に示す水蒸気過熱器1(以下、単に過熱器と
いう)が用いられている。この過熱器1は、ナトリウム
容器1aとこの内部を通る伝熱管1bとからなる一種の
間接熱交換器であり、ナトリウム容器1a内に液体ナト
リウム2が供給されており、蒸発器(エバポレータ3)
で蒸発した水蒸気4aが伝熱管1bの内部を流れ、高温
(例えば約450℃)のナトリウム2により間接加熱さ
れて、過熱度の高い過熱蒸気4bとなり、この過熱蒸気
4bを蒸気タービン5等に供給して発電等を行い、コン
デンサー5aで凝縮水4cに戻し、これを給水ポンプ3
aでエバポレータ3に供給するようになっている。エバ
ポレータ3から過熱器1を介して蒸気タービン5等に至
る蒸気ラインを主蒸気ラインと呼び、この主蒸気ライン
には、過熱器1の上流側と下流側に蒸気流量を調節及び
遮断する弁6a,6bが設けられている。
蒸気を加熱して過熱度の高い過熱蒸気にするために、図
3に模式的に示す水蒸気過熱器1(以下、単に過熱器と
いう)が用いられている。この過熱器1は、ナトリウム
容器1aとこの内部を通る伝熱管1bとからなる一種の
間接熱交換器であり、ナトリウム容器1a内に液体ナト
リウム2が供給されており、蒸発器(エバポレータ3)
で蒸発した水蒸気4aが伝熱管1bの内部を流れ、高温
(例えば約450℃)のナトリウム2により間接加熱さ
れて、過熱度の高い過熱蒸気4bとなり、この過熱蒸気
4bを蒸気タービン5等に供給して発電等を行い、コン
デンサー5aで凝縮水4cに戻し、これを給水ポンプ3
aでエバポレータ3に供給するようになっている。エバ
ポレータ3から過熱器1を介して蒸気タービン5等に至
る蒸気ラインを主蒸気ラインと呼び、この主蒸気ライン
には、過熱器1の上流側と下流側に蒸気流量を調節及び
遮断する弁6a,6bが設けられている。
【0003】上述したナトリウムを熱媒体とする水蒸気
過熱器1では、伝熱管1bに耐熱性及び耐食性の優れた
ステンレス鋼が使用されている。しかし、高温でステン
レス鋼に水滴が付着すると、その部分で鉄分等が溶解
し、応力腐食割れを引き起こすおそれがある。そこで、
かかる過熱器では、応力腐食割れを防止するため、通気
蒸気の湿分量を厳しく管理する必要がある。
過熱器1では、伝熱管1bに耐熱性及び耐食性の優れた
ステンレス鋼が使用されている。しかし、高温でステン
レス鋼に水滴が付着すると、その部分で鉄分等が溶解
し、応力腐食割れを引き起こすおそれがある。そこで、
かかる過熱器では、応力腐食割れを防止するため、通気
蒸気の湿分量を厳しく管理する必要がある。
【0004】すなわち、過熱器1の使用開始時(始動
時)には、上述した弁6a,6bが閉じており、ナトリ
ウム2がナトリウム容器1aに供給されている状態で
も、弁6a,6bの間の配管は低温のままであり、その
まま弁6a,6bを開くと、配管の温度が十分上昇する
まで、配管内面で水蒸気が凝縮し、水滴が伝熱管1b内
に流入するおそれがある。
時)には、上述した弁6a,6bが閉じており、ナトリ
ウム2がナトリウム容器1aに供給されている状態で
も、弁6a,6bの間の配管は低温のままであり、その
まま弁6a,6bを開くと、配管の温度が十分上昇する
まで、配管内面で水蒸気が凝縮し、水滴が伝熱管1b内
に流入するおそれがある。
【0005】そのため、従来の過熱器では、図3に示す
ように、補助ボイラ7aから過熱蒸気4dを導く補助蒸
気ラインと、ドレン4eを抜くドレンラインを設け、補
助蒸気(過熱蒸気4d)を過熱器入口側から供給してい
く弁6a,6bの間を十分に加熱した後、弁6a,6b
を開く方法(以下、ウォーミングという)を行ってい
た。
ように、補助ボイラ7aから過熱蒸気4dを導く補助蒸
気ラインと、ドレン4eを抜くドレンラインを設け、補
助蒸気(過熱蒸気4d)を過熱器入口側から供給してい
く弁6a,6bの間を十分に加熱した後、弁6a,6b
を開く方法(以下、ウォーミングという)を行ってい
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した過熱
蒸気によるウォーミングの際にも、低温の配管内で水蒸
気が凝縮し、凝縮水が過熱器1内に流入して応力腐食割
れを引き起こすおそれがある。そこで、過熱器1の入口
側配管を過熱器から上流側に下り勾配を設け、凝縮ドレ
ンを排出する機能をもたせているが、過熱器内への湿分
流入を完全には防止できない問題点があった。
蒸気によるウォーミングの際にも、低温の配管内で水蒸
気が凝縮し、凝縮水が過熱器1内に流入して応力腐食割
れを引き起こすおそれがある。そこで、過熱器1の入口
側配管を過熱器から上流側に下り勾配を設け、凝縮ドレ
ンを排出する機能をもたせているが、過熱器内への湿分
流入を完全には防止できない問題点があった。
【0007】本発明はかかる問題点を解決するために創
案されたものである。すなわち、本発明の目的は、水蒸
気過熱器の使用開始時、すなわち過熱器への蒸気通気時
に、過熱器への湿分(凝縮水及び飽和蒸気)の流入を防
止することができる水蒸気過熱器の始動方法を提供する
ことにある。
案されたものである。すなわち、本発明の目的は、水蒸
気過熱器の使用開始時、すなわち過熱器への蒸気通気時
に、過熱器への湿分(凝縮水及び飽和蒸気)の流入を防
止することができる水蒸気過熱器の始動方法を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、高温の
液体ナトリウムを熱媒体とし、水蒸気を間接加熱する水
蒸気過熱器の始動方法において、過熱蒸気弁を有しこの
弁から過熱蒸気を過熱器に供給する過熱蒸気ラインと、
蒸気排出弁を備えこの弁から過熱器を通過した水蒸気を
排出する蒸気排出ラインと、過熱器上流側の圧力と温度
を検出する圧力センサー及び温度センサーを備え、蒸気
排出弁から蒸気を排出しながら過熱蒸気弁から過熱蒸気
を徐々に供給し、過熱器内の圧力と温度を検出し、検出
圧力及び検出温度が過熱蒸気領域にあるように保持しな
がら、過熱器内の圧力及び温度を徐々に高める、ことを
特徴とするナトリウムによる水蒸気過熱器の始動方法が
提供される。
液体ナトリウムを熱媒体とし、水蒸気を間接加熱する水
蒸気過熱器の始動方法において、過熱蒸気弁を有しこの
弁から過熱蒸気を過熱器に供給する過熱蒸気ラインと、
蒸気排出弁を備えこの弁から過熱器を通過した水蒸気を
排出する蒸気排出ラインと、過熱器上流側の圧力と温度
を検出する圧力センサー及び温度センサーを備え、蒸気
排出弁から蒸気を排出しながら過熱蒸気弁から過熱蒸気
を徐々に供給し、過熱器内の圧力と温度を検出し、検出
圧力及び検出温度が過熱蒸気領域にあるように保持しな
がら、過熱器内の圧力及び温度を徐々に高める、ことを
特徴とするナトリウムによる水蒸気過熱器の始動方法が
提供される。
【0009】上記本発明の方法によれば、蒸気排出弁か
ら蒸気を排出しながら過熱蒸気弁から過熱蒸気を徐々に
供給し、過熱器上流側の圧力と温度を検出し、検出圧力
及び検出温度が過熱蒸気領域にあるように保持しなが
ら、過熱器内の圧力及び温度を徐々に高めるので、過熱
器内を常に過熱状態に保持したままで、過熱器内の圧力
及び温度を高めることができる。次いで、過熱器上流側
の圧力及び温度が、主蒸気ラインの運転圧力及び温度と
同等以上になった後に、上述した弁6a,6bを開いて
エバポレータ3からの水蒸気を過熱器に供給する。これ
により、エバポレータ3からの水蒸気が飽和蒸気或いは
過熱度の低い水蒸気であっても、過熱器への湿分(凝縮
水及び飽和蒸気)の流入を確実に防止することができ
る。
ら蒸気を排出しながら過熱蒸気弁から過熱蒸気を徐々に
供給し、過熱器上流側の圧力と温度を検出し、検出圧力
及び検出温度が過熱蒸気領域にあるように保持しなが
ら、過熱器内の圧力及び温度を徐々に高めるので、過熱
器内を常に過熱状態に保持したままで、過熱器内の圧力
及び温度を高めることができる。次いで、過熱器上流側
の圧力及び温度が、主蒸気ラインの運転圧力及び温度と
同等以上になった後に、上述した弁6a,6bを開いて
エバポレータ3からの水蒸気を過熱器に供給する。これ
により、エバポレータ3からの水蒸気が飽和蒸気或いは
過熱度の低い水蒸気であっても、過熱器への湿分(凝縮
水及び飽和蒸気)の流入を確実に防止することができ
る。
【0010】本発明の好ましい実施形態によれば、一定
温度の過熱蒸気を徐々に供給して該温度の飽和蒸気圧力
の手前で供給量を低減し、次いで蒸気温度の上昇に応じ
て再度過熱蒸気を供給し、蒸気温度の飽和蒸気圧力以下
に保持しながら、徐々に圧力及び温度を高める。すなわ
ち、水蒸気過熱器へ水蒸気を通気すると、圧力及び温度
が上昇するが、この場合、圧力の上昇が相対的に温度上
昇より速いので、蒸気供給弁開操作直前の過熱器の出口
蒸気温度を計測し、その時の飽和蒸気圧力−α(飽和蒸
気圧力より低い圧力)を次の弁開操作量の指標(SV
値)とし、通気操作を実施する。この操作を繰り返すこ
とにより、過熱器内を常に過熱状態に保持したままで、
過熱器内の圧力及び温度を高めることができる。
温度の過熱蒸気を徐々に供給して該温度の飽和蒸気圧力
の手前で供給量を低減し、次いで蒸気温度の上昇に応じ
て再度過熱蒸気を供給し、蒸気温度の飽和蒸気圧力以下
に保持しながら、徐々に圧力及び温度を高める。すなわ
ち、水蒸気過熱器へ水蒸気を通気すると、圧力及び温度
が上昇するが、この場合、圧力の上昇が相対的に温度上
昇より速いので、蒸気供給弁開操作直前の過熱器の出口
蒸気温度を計測し、その時の飽和蒸気圧力−α(飽和蒸
気圧力より低い圧力)を次の弁開操作量の指標(SV
値)とし、通気操作を実施する。この操作を繰り返すこ
とにより、過熱器内を常に過熱状態に保持したままで、
過熱器内の圧力及び温度を高めることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
を図面を参照して説明する。なお、各図において共通す
る部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略す
る。図1は、本発明による始動方法を用いたナトリウム
による水蒸気過熱器の模式図である。本発明の始動方法
は、高温の液体ナトリウムを熱媒体とし、水蒸気を間接
加熱する水蒸気過熱器1の始動方法であり、図1に示す
ように、過熱蒸気弁11を有しこの弁から過熱蒸気14
dを過熱器1に供給する過熱蒸気ライン12と、蒸気排
出弁13を備えこの弁から過熱器1を通過した水蒸気1
4eを排出する蒸気排出ライン15と、過熱器1の上流
側の圧力と温度を検出する圧力センサー16及び温度セ
ンサー17を備えている。
を図面を参照して説明する。なお、各図において共通す
る部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略す
る。図1は、本発明による始動方法を用いたナトリウム
による水蒸気過熱器の模式図である。本発明の始動方法
は、高温の液体ナトリウムを熱媒体とし、水蒸気を間接
加熱する水蒸気過熱器1の始動方法であり、図1に示す
ように、過熱蒸気弁11を有しこの弁から過熱蒸気14
dを過熱器1に供給する過熱蒸気ライン12と、蒸気排
出弁13を備えこの弁から過熱器1を通過した水蒸気1
4eを排出する蒸気排出ライン15と、過熱器1の上流
側の圧力と温度を検出する圧力センサー16及び温度セ
ンサー17を備えている。
【0012】また、圧力センサー16及び温度センサー
17を過熱器1の下流側にも設け、その出力のいずれか
或いは両方を用いてもよい。なお、この場合、過熱器1
内の液体ナトリウム2による加熱により、下流側の圧力
及び温度は、上流側より通常は高くなる。
17を過熱器1の下流側にも設け、その出力のいずれか
或いは両方を用いてもよい。なお、この場合、過熱器1
内の液体ナトリウム2による加熱により、下流側の圧力
及び温度は、上流側より通常は高くなる。
【0013】過熱蒸気弁11及び蒸気排出弁13は、そ
れぞれ流量調節弁であり、制御装置18により流量を調
節できるようになっている。制御装置18は、例えば記
憶装置を備えたコンピータであり、圧力センサー16及
び温度センサー17の検出出力を入力するようになって
いる。また、過熱蒸気ライン12から供給する過熱蒸気
14dは、弁6aから供給される主蒸気ラインの水蒸気
よりも圧力及び温度の高い過熱蒸気を使用するのがよ
い。なお、その他の部分は図3に示した従来のナトリウ
ムによる水蒸気過熱器と同様である。
れぞれ流量調節弁であり、制御装置18により流量を調
節できるようになっている。制御装置18は、例えば記
憶装置を備えたコンピータであり、圧力センサー16及
び温度センサー17の検出出力を入力するようになって
いる。また、過熱蒸気ライン12から供給する過熱蒸気
14dは、弁6aから供給される主蒸気ラインの水蒸気
よりも圧力及び温度の高い過熱蒸気を使用するのがよ
い。なお、その他の部分は図3に示した従来のナトリウ
ムによる水蒸気過熱器と同様である。
【0014】図2は、本発明の方法を模式的に示す水蒸
気の圧力・温度状態図である。この図において、横軸は
圧力(atg)、縦軸は温度(℃)である。また、図中
の曲線Aは飽和蒸気曲線であり、この曲線の下側は湿分
を含む過飽和蒸気領域、曲線の上側は過熱蒸気領域を示
している。
気の圧力・温度状態図である。この図において、横軸は
圧力(atg)、縦軸は温度(℃)である。また、図中
の曲線Aは飽和蒸気曲線であり、この曲線の下側は湿分
を含む過飽和蒸気領域、曲線の上側は過熱蒸気領域を示
している。
【0015】本発明の方法によれば、図1の装置におい
て、主蒸気ラインの弁6a,6bを閉じた状態で、蒸気
排出弁13から蒸気を排出しながら過熱蒸気弁11から
過熱蒸気14dを徐々に供給し、過熱器1の上流側の圧
力と温度を圧力センサー16及び温度センサー17で検
出し、検出圧力及び検出温度が図2に示す過熱蒸気領域
にあるように保持しながら、過熱器1内の圧力及び温度
を徐々に高める。この方法により、過熱器1の上流側及
び下流側を常に過熱状態に保持したままで、過熱器1内
の圧力及び温度を高めることができる。
て、主蒸気ラインの弁6a,6bを閉じた状態で、蒸気
排出弁13から蒸気を排出しながら過熱蒸気弁11から
過熱蒸気14dを徐々に供給し、過熱器1の上流側の圧
力と温度を圧力センサー16及び温度センサー17で検
出し、検出圧力及び検出温度が図2に示す過熱蒸気領域
にあるように保持しながら、過熱器1内の圧力及び温度
を徐々に高める。この方法により、過熱器1の上流側及
び下流側を常に過熱状態に保持したままで、過熱器1内
の圧力及び温度を高めることができる。
【0016】図2において、曲線Bは過熱蒸気ライン1
2から供給する過熱蒸気14dの等エンタルピー曲線で
あり、この例では、369℃,127atg、過熱度約
41℃の過熱蒸気を用いた場合を示している。また、図
中にジグザク状に示す直線Cは、本発明による過熱器内
の水蒸気の圧力・温度状態を示している。すなわち、図
2にジグザク状の直線Cで示すように、主蒸気ラインの
弁6a,6bを閉じた状態で、一定温度(この図で20
0℃)の過熱蒸気14dを徐々に供給してこの温度の飽
和蒸気圧力(約15atg)の手前で供給量を低減する
と、内部に流入した過熱蒸気14dは、過熱器1内の高
温ナトリウムからの伝熱で徐々に昇温する。次いで蒸気
温度の上昇に応じて再度過熱蒸気14dを供給し、図の
ジグザク状の直線で示すように、蒸気温度の飽和蒸気圧
力以下に保持しながら、徐々に圧力及び温度を高めるこ
とにより、過熱器1の上流側及び下流側を常に過熱状態
に保持したままで、過熱器1内の圧力及び温度を高める
ことができる。
2から供給する過熱蒸気14dの等エンタルピー曲線で
あり、この例では、369℃,127atg、過熱度約
41℃の過熱蒸気を用いた場合を示している。また、図
中にジグザク状に示す直線Cは、本発明による過熱器内
の水蒸気の圧力・温度状態を示している。すなわち、図
2にジグザク状の直線Cで示すように、主蒸気ラインの
弁6a,6bを閉じた状態で、一定温度(この図で20
0℃)の過熱蒸気14dを徐々に供給してこの温度の飽
和蒸気圧力(約15atg)の手前で供給量を低減する
と、内部に流入した過熱蒸気14dは、過熱器1内の高
温ナトリウムからの伝熱で徐々に昇温する。次いで蒸気
温度の上昇に応じて再度過熱蒸気14dを供給し、図の
ジグザク状の直線で示すように、蒸気温度の飽和蒸気圧
力以下に保持しながら、徐々に圧力及び温度を高めるこ
とにより、過熱器1の上流側及び下流側を常に過熱状態
に保持したままで、過熱器1内の圧力及び温度を高める
ことができる。
【0017】次いで、過熱器1内の圧力及び温度が、主
蒸気ラインの運転圧力及び温度と同等以上になった後
に、弁6a,6bを開いてエバポレータ3からの水蒸気
を過熱器に供給する。これにより、エバポレータ3から
の水蒸気が飽和蒸気或いは過熱度の低い水蒸気であって
も、過熱器への湿分(凝縮水及び飽和蒸気)の流入を確
実に防止することができる。
蒸気ラインの運転圧力及び温度と同等以上になった後
に、弁6a,6bを開いてエバポレータ3からの水蒸気
を過熱器に供給する。これにより、エバポレータ3から
の水蒸気が飽和蒸気或いは過熱度の低い水蒸気であって
も、過熱器への湿分(凝縮水及び飽和蒸気)の流入を確
実に防止することができる。
【0018】なお、図1の実施形態では、主蒸気ライン
の他に過熱蒸気ライン12を用いているが、主蒸気ライ
ンのエバポレータ3からの水蒸気が十分高い過熱度を有
する過熱蒸気である場合には、過熱蒸気ライン12を省
略し、主蒸気ラインの弁6a(主蒸気供給弁)を上述し
た過熱蒸気弁11として用いることができる。従って、
本発明は、過熱器通気時の湿分流入防止策として外的な
熱源(補助蒸気によるウォーミング、ヒータによる加熱
等)を用いず、運転操作を工夫することで設備の簡素
化、熱効率の上昇に伴うプラント効率の向上が期待でき
る。
の他に過熱蒸気ライン12を用いているが、主蒸気ライ
ンのエバポレータ3からの水蒸気が十分高い過熱度を有
する過熱蒸気である場合には、過熱蒸気ライン12を省
略し、主蒸気ラインの弁6a(主蒸気供給弁)を上述し
た過熱蒸気弁11として用いることができる。従って、
本発明は、過熱器通気時の湿分流入防止策として外的な
熱源(補助蒸気によるウォーミング、ヒータによる加熱
等)を用いず、運転操作を工夫することで設備の簡素
化、熱効率の上昇に伴うプラント効率の向上が期待でき
る。
【0019】なお、本発明は上述した実施形態に限定さ
れず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更でき
ることは勿論である。
れず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更でき
ることは勿論である。
【0020】
【発明の効果】上述したように、本発明のナトリウムに
よる水蒸気過熱器の始動方法は、過熱器の使用開始時、
すなわち過熱器への蒸気通気時に、過熱器への湿分(凝
縮水及び飽和蒸気)の流入を防止することができ、更
に、外的な熱源を省略することができ、設備の簡素化、
熱効率の上昇を図ることができる、等の優れた効果を有
する。
よる水蒸気過熱器の始動方法は、過熱器の使用開始時、
すなわち過熱器への蒸気通気時に、過熱器への湿分(凝
縮水及び飽和蒸気)の流入を防止することができ、更
に、外的な熱源を省略することができ、設備の簡素化、
熱効率の上昇を図ることができる、等の優れた効果を有
する。
【図1】本発明による始動方法を用いたナトリウムによ
る水蒸気過熱器の模式図である。
る水蒸気過熱器の模式図である。
【図2】本発明の方法を模式的に示す水蒸気の圧力・温
度状態図である。
度状態図である。
【図3】従来のナトリウムによる過熱器の模式図であ
る。
る。
1 水蒸気過熱器(過熱器) 1a ナトリウム容器 1b 伝熱管 2 ナトリウム 3 蒸発器(エバポレータ) 3a 給水ポンプ 4a 水蒸気 4b 過熱蒸気 4c 凝縮水 4d 過熱蒸気 4e ドレン 5 蒸気タービン 6a,6b 弁 7a 補助ボイラ 11 過熱蒸気弁 12 過熱蒸気ライン 13 蒸気排出弁 14d 過熱蒸気 14e 水蒸気 15 蒸気排出ライン 16 圧力センサー 17 温度センサー 18 制御装置
Claims (2)
- 【請求項1】 高温の液体ナトリウムを熱媒体とし水蒸
気を間接加熱する水蒸気過熱器の始動方法において、 過熱蒸気弁を有しこの弁から過熱蒸気を過熱器に供給す
る過熱蒸気ラインと、蒸気排出弁を備えこの弁から過熱
器を通過した水蒸気を排出する蒸気排出ラインと、過熱
器上流側の圧力と温度を検出する圧力センサー及び温度
センサーを備え、 蒸気排出弁から蒸気を排出しながら過熱蒸気弁から過熱
蒸気を徐々に供給し、過熱器上流側の圧力と温度を検出
し、検出圧力及び検出温度が過熱蒸気領域にあるように
保持しながら、過熱器内の圧力及び温度を徐々に高め
る、ことを特徴とするナトリウムによる水蒸気過熱器の
始動方法。 - 【請求項2】 一定温度の過熱蒸気を徐々に供給して該
温度の飽和蒸気圧力の手前で供給量を低減し、次いで蒸
気温度の上昇に応じて再度過熱蒸気を供給し、蒸気温度
の飽和蒸気圧力以下に保持しながら、徐々に圧力及び温
度を高める、ことを特徴とする請求項1に記載のナトリ
ウムによる水蒸気過熱器の始動方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15088796A JPH102502A (ja) | 1996-06-12 | 1996-06-12 | ナトリウムによる水蒸気過熱器の始動方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15088796A JPH102502A (ja) | 1996-06-12 | 1996-06-12 | ナトリウムによる水蒸気過熱器の始動方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH102502A true JPH102502A (ja) | 1998-01-06 |
Family
ID=15506563
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15088796A Pending JPH102502A (ja) | 1996-06-12 | 1996-06-12 | ナトリウムによる水蒸気過熱器の始動方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH102502A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017083153A (ja) * | 2015-10-30 | 2017-05-18 | トクデン株式会社 | 過熱水蒸気生成装置 |
-
1996
- 1996-06-12 JP JP15088796A patent/JPH102502A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017083153A (ja) * | 2015-10-30 | 2017-05-18 | トクデン株式会社 | 過熱水蒸気生成装置 |
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