JPH10259140A - 腫瘍壊死因子産生抑制剤 - Google Patents
腫瘍壊死因子産生抑制剤Info
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- JPH10259140A JPH10259140A JP8612297A JP8612297A JPH10259140A JP H10259140 A JPH10259140 A JP H10259140A JP 8612297 A JP8612297 A JP 8612297A JP 8612297 A JP8612297 A JP 8612297A JP H10259140 A JPH10259140 A JP H10259140A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明の目的は、腫瘍壊死因子産生抑制剤を
提供することにある。 【解決手段】 抗P−セレクチン抗体またはセレクチン
に結合するシアリルルイスX構造を含む糖を有効成分と
する腫瘍壊死因子産生抑制剤。
提供することにある。 【解決手段】 抗P−セレクチン抗体またはセレクチン
に結合するシアリルルイスX構造を含む糖を有効成分と
する腫瘍壊死因子産生抑制剤。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、腫瘍壊死因子産生
抑制剤に関する。
抑制剤に関する。
【0002】
【従来の技術】腫瘍壊死因子(tumor necrosis factor
、以下TNFと略す)はアミノ酸157個からなる分
子量約17,000のペプチドであり、マクロファージをはじ
めとする各種細胞から産生されるサイトカインの一つで
ある。
、以下TNFと略す)はアミノ酸157個からなる分
子量約17,000のペプチドであり、マクロファージをはじ
めとする各種細胞から産生されるサイトカインの一つで
ある。
【0003】TNFは、免疫・炎症・生体防御反応を基本
から支えるサイトカインであり、サイトカインカスケー
ドの上流に位置しているのみならず、様々な細胞の恒常
性維持に関わるサイトカイン類、内分泌ホルモン類、活
性酸素類等の可溶性因子を放出させる(臨床免疫,27(S
uppl.16),259−268(1995))。その作用は抗腫瘍活
性、抗微生物活性、炎症、組織修復、免疫系の刺激から
食欲、発熱、睡眠、ホルモン分泌調節といった生理機能
にまで多彩な生物活性を示す。
から支えるサイトカインであり、サイトカインカスケー
ドの上流に位置しているのみならず、様々な細胞の恒常
性維持に関わるサイトカイン類、内分泌ホルモン類、活
性酸素類等の可溶性因子を放出させる(臨床免疫,27(S
uppl.16),259−268(1995))。その作用は抗腫瘍活
性、抗微生物活性、炎症、組織修復、免疫系の刺激から
食欲、発熱、睡眠、ホルモン分泌調節といった生理機能
にまで多彩な生物活性を示す。
【0004】一方、TNFの持続的または過剰産生は逆
に、正常細胞に激しい作用をきたし、種々の病態を引き
起こすことも明らかとなってきている。例えば、TNF
は癌や感染症における悪液質(全身の代謝を異化亢進
し、極度の消耗をもたらす)の誘発因子であるカケクチ
ンと同一物質であることが報告されている(Beutler et
al., Nature, 316, 552-554(1985)、川上正舒、生化学,
59, 1244-1247 (1987))。また、敗血症に対しても抗T
NF抗体を用いることで抑制効果が認められている(例
えば、Starnes et al., J. Immunol. 145, 4185-4191(1
990))。さらに、慢性関節リウマチについても、患者関
節滑液中や血中でTNFの増加が認められている(Tett
a et al., Ann. Rheum. Dis., 49, 665-667, (1990)
)。
に、正常細胞に激しい作用をきたし、種々の病態を引き
起こすことも明らかとなってきている。例えば、TNF
は癌や感染症における悪液質(全身の代謝を異化亢進
し、極度の消耗をもたらす)の誘発因子であるカケクチ
ンと同一物質であることが報告されている(Beutler et
al., Nature, 316, 552-554(1985)、川上正舒、生化学,
59, 1244-1247 (1987))。また、敗血症に対しても抗T
NF抗体を用いることで抑制効果が認められている(例
えば、Starnes et al., J. Immunol. 145, 4185-4191(1
990))。さらに、慢性関節リウマチについても、患者関
節滑液中や血中でTNFの増加が認められている(Tett
a et al., Ann. Rheum. Dis., 49, 665-667, (1990)
)。
【0005】その他、川崎病(Matsubara et al., Cli
n. Immunol. Immunopathol., 56, 29-36(1990))、潰瘍
性大腸炎(Murch et al., Arch. Dis. Child, 66, 561
(1991))、ベーチェット病(Akoglu et al., J. Rheuma
tol., 17, 1107-1108 (1990))、全身性紅斑性狼瘡(S
LE)(Maury et al., Arthritis Rheum., 32, 146-15
0 (1989))、骨髄移植時の拒絶反応(GvHD)(J. E
xp. Med., 175, 405-413(1992))、多臓器不全(藤原俊
文他、臨床医 17(10), 2006-2008(1991))、マラリア
(Grau et al., Science, 237, 1210-1212(1987) )、
後天性免疫不全症候群(AIDS)(川上正舒他, Medi
cal Immunology, 20, 615-620 (1990))、髄膜炎(Waag
e et al., Lancet I, 355-357(1987))、劇症肝炎(菅
野幸三, 肝臓, 33, 213-218 (1992))、ボウル病(前田
征洋, 消化器と免疫, 22, 111-114(1989))などにTN
Fの関与が示唆される疾患が数多く存在する。
n. Immunol. Immunopathol., 56, 29-36(1990))、潰瘍
性大腸炎(Murch et al., Arch. Dis. Child, 66, 561
(1991))、ベーチェット病(Akoglu et al., J. Rheuma
tol., 17, 1107-1108 (1990))、全身性紅斑性狼瘡(S
LE)(Maury et al., Arthritis Rheum., 32, 146-15
0 (1989))、骨髄移植時の拒絶反応(GvHD)(J. E
xp. Med., 175, 405-413(1992))、多臓器不全(藤原俊
文他、臨床医 17(10), 2006-2008(1991))、マラリア
(Grau et al., Science, 237, 1210-1212(1987) )、
後天性免疫不全症候群(AIDS)(川上正舒他, Medi
cal Immunology, 20, 615-620 (1990))、髄膜炎(Waag
e et al., Lancet I, 355-357(1987))、劇症肝炎(菅
野幸三, 肝臓, 33, 213-218 (1992))、ボウル病(前田
征洋, 消化器と免疫, 22, 111-114(1989))などにTN
Fの関与が示唆される疾患が数多く存在する。
【0006】以上のように、過剰のTNF産生は時とし
て生体に悪影響を及ぼすことがわかり、そうした病態の
治療剤となりうるTNF阻害剤の研究開発が望まれてい
る。
て生体に悪影響を及ぼすことがわかり、そうした病態の
治療剤となりうるTNF阻害剤の研究開発が望まれてい
る。
【0007】ところで、P-セレクチン、E-セレクチン
および白血球上に恒常的に存在するL-セレクチン(J.
Immunol. 143, 3318 (1989))がそのリガンドである糖
鎖シアリルルイス Xと結合することで、白血球と内皮
細胞が接着して白血球の炎症部位への遊走・浸潤を誘導
し(J. Cell Biol. 117, 895 (1992))、これら集積し
た白血球からは様々な細胞障害性因子が放出され、細胞
障害・組織障害がひき起こされる。
および白血球上に恒常的に存在するL-セレクチン(J.
Immunol. 143, 3318 (1989))がそのリガンドである糖
鎖シアリルルイス Xと結合することで、白血球と内皮
細胞が接着して白血球の炎症部位への遊走・浸潤を誘導
し(J. Cell Biol. 117, 895 (1992))、これら集積し
た白血球からは様々な細胞障害性因子が放出され、細胞
障害・組織障害がひき起こされる。
【0008】IL-1、TNF等のサイトカインは血管内皮細
胞に細胞接着分子であるP-セレクチン(Biochem. Biop
hys. Res. Commun. 210, 174-180 (1995))、E-セレク
チン(Science 243, 1160-1165 (1989))の発現を惹起
することが知られている。このように、TNF刺激によ
りセレクチンの発現誘導が引き起こされることは知られ
ている。しかし、上記セレクチンに結合してその作用を
阻害する物質によるTNF産生抑制作用についての報告
は、L−セレクチンおよびP−セレクチンのリガンドで
あるスルファチド(脂質の硫酸エステル)がマウスエン
ドトキシンショックモデルにおいて血中TNFの上昇を
抑制したことが報告されているに過ぎない(日本免疫学
会総会・学術集会記録 第26巻1P3-48 (1996))。
胞に細胞接着分子であるP-セレクチン(Biochem. Biop
hys. Res. Commun. 210, 174-180 (1995))、E-セレク
チン(Science 243, 1160-1165 (1989))の発現を惹起
することが知られている。このように、TNF刺激によ
りセレクチンの発現誘導が引き起こされることは知られ
ている。しかし、上記セレクチンに結合してその作用を
阻害する物質によるTNF産生抑制作用についての報告
は、L−セレクチンおよびP−セレクチンのリガンドで
あるスルファチド(脂質の硫酸エステル)がマウスエン
ドトキシンショックモデルにおいて血中TNFの上昇を
抑制したことが報告されているに過ぎない(日本免疫学
会総会・学術集会記録 第26巻1P3-48 (1996))。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明はTNF産生抑
制剤を提供し、さらに、上記のようなTNFが発症に関
与すると考えられる疾患、例えば、悪液質、敗血症、多
臓器不全、慢性関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、ベーチェ
ット病、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、骨髄移植時の拒
絶反応(GvHD)、多臓器不全、マラリア、後天性免
疫不全症候群(AIDS)、髄膜炎、劇症肝炎、ボウル
病等の治療薬を提供するものである。
制剤を提供し、さらに、上記のようなTNFが発症に関
与すると考えられる疾患、例えば、悪液質、敗血症、多
臓器不全、慢性関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、ベーチェ
ット病、全身性紅斑性狼瘡(SLE)、骨髄移植時の拒
絶反応(GvHD)、多臓器不全、マラリア、後天性免
疫不全症候群(AIDS)、髄膜炎、劇症肝炎、ボウル
病等の治療薬を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、セレクチ
ン阻害剤にTNF産生抑制活性があることを見出し、本
発明を完成するに至った。
ン阻害剤にTNF産生抑制活性があることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0011】詳しくいえば、免疫複合体により惹起した
肺障害モデルにおいて、セレクチン阻害剤が、気管支肺
胞洗浄で回収した気管支肺胞洗浄液のTNF濃度を抑制
することを見出した。気管支肺胞洗浄(bronchoalveola
r lavage;BAL)とは、下気道及び肺胞の上皮表面に存
在する細胞やタンパクを採取することを目的として、一
定量の液を肺の亜区域に注入後液を回収する方法であ
る。回収された気管支肺胞洗浄液を解析することによっ
て、下気道及び肺胞で生じている炎症或いは免疫の状態
を明らかにすることができる。臨床においては、現在ル
ーチンの検査として行われている気管支ファイバースコ
ープ検査の一部として行われている。
肺障害モデルにおいて、セレクチン阻害剤が、気管支肺
胞洗浄で回収した気管支肺胞洗浄液のTNF濃度を抑制
することを見出した。気管支肺胞洗浄(bronchoalveola
r lavage;BAL)とは、下気道及び肺胞の上皮表面に存
在する細胞やタンパクを採取することを目的として、一
定量の液を肺の亜区域に注入後液を回収する方法であ
る。回収された気管支肺胞洗浄液を解析することによっ
て、下気道及び肺胞で生じている炎症或いは免疫の状態
を明らかにすることができる。臨床においては、現在ル
ーチンの検査として行われている気管支ファイバースコ
ープ検査の一部として行われている。
【0012】本発明の要旨は、次のとおりである。 (1)抗セレクチン抗体またはセレクチンに結合する糖
を有効成分とする腫瘍壊死因子産生抑制剤。 (2)抗セレクチン抗体が抗P−セレクチン抗体である
ことを特徴とする上記(1)記載の腫瘍壊死因子産生抑
制剤。 (3)セレクチンに結合する糖がシアリルルイスX構造
を含む糖であることを特徴とする上記(1)記載の腫瘍
壊死因子産生抑制剤。
を有効成分とする腫瘍壊死因子産生抑制剤。 (2)抗セレクチン抗体が抗P−セレクチン抗体である
ことを特徴とする上記(1)記載の腫瘍壊死因子産生抑
制剤。 (3)セレクチンに結合する糖がシアリルルイスX構造
を含む糖であることを特徴とする上記(1)記載の腫瘍
壊死因子産生抑制剤。
【0013】抗セレクチン抗体とは、セレクチンを認識
し、セレクチンに選択的に結合し、これにより細胞間の
接着を抑制する免疫グロブリンを意味する。好ましくは
抗P−セレクチン抗体である。本抗体は、ポリクローナ
ル抗体でもモノクローナル抗体でもよい。本抗体の起源
は制限されないが、マウス、ラットまたはヒト起源の抗
体が挙げられる。また、ヒト及びマウス抗体の両者の一
部分を結合したキメラ抗体、あるいは擬人化抗体等が例
として挙げられる。具体的には、抗P−セレクチン抗体
PB1.3(WO93/21956号公報)、擬人化の抗P−セレクチン
抗体PB1.3(WO94/25067号公報)等が挙げられる。
し、セレクチンに選択的に結合し、これにより細胞間の
接着を抑制する免疫グロブリンを意味する。好ましくは
抗P−セレクチン抗体である。本抗体は、ポリクローナ
ル抗体でもモノクローナル抗体でもよい。本抗体の起源
は制限されないが、マウス、ラットまたはヒト起源の抗
体が挙げられる。また、ヒト及びマウス抗体の両者の一
部分を結合したキメラ抗体、あるいは擬人化抗体等が例
として挙げられる。具体的には、抗P−セレクチン抗体
PB1.3(WO93/21956号公報)、擬人化の抗P−セレクチン
抗体PB1.3(WO94/25067号公報)等が挙げられる。
【0014】セレクチンに結合する糖には、セレクチン
のリガンドであるオリゴサッカライドおよびその誘導体
が含まれる。オリゴサッカライド及びその誘導体とし
て、シアリルルイス X及びシアリルルイス X誘導体、
ルイス X及びルイス X誘導体等が挙げられる。特に、
α1,3-フコシル化、α2,3-シアル化ラクトサミノグリカ
ン構造を含む糖が好ましい。具体的には、WO91/19501、
WO91/19502、WO94/26760及びWO96/20204号公報記載の糖
が挙げられる。
のリガンドであるオリゴサッカライドおよびその誘導体
が含まれる。オリゴサッカライド及びその誘導体とし
て、シアリルルイス X及びシアリルルイス X誘導体、
ルイス X及びルイス X誘導体等が挙げられる。特に、
α1,3-フコシル化、α2,3-シアル化ラクトサミノグリカ
ン構造を含む糖が好ましい。具体的には、WO91/19501、
WO91/19502、WO94/26760及びWO96/20204号公報記載の糖
が挙げられる。
【0015】抗セレクチン抗体およびセレクチンに結合
する糖は、後述するようにラット免疫複合体誘発障害モ
デルにおけるTNF産生を抑制する。このことは、抗セ
レクチン抗体およびセレクチンに結合する糖がTNF産
生抑制作用を通じて、TNFが発症に関与すると考えら
れる疾患を治療し得ることを示す。本発明のTNF産生
抑制剤は、非経口的、局所的、経口的、または経皮的に
投与され、投与方法に依存して、種々の単位投与形態で
投与することができる。例えば、経口的投与に適当な単
位投与形態は、粉末、錠剤、ピル、カプセル剤及び糖衣
剤を包含する。本発明のTNF産生抑制剤は例えば静脈
内に投与される。静脈内投与に際しては、医薬として許
容されうる担体、好ましくは水性担体の中に溶解または
懸濁して用いる。水性担体としては、例えば、水、緩衝
化水、生理食塩水などを使用することができる。生ずる
水溶液はそのまま包装するか、あるいは凍結乾燥するこ
とができ、凍結乾燥した調製物は投与の前に無菌の水溶
液と組み合わせる。本発明の治療剤は、生理学的状態に
近似するように、医薬として許容される補助剤、例え
ば、pH調節剤及び緩衝剤、張度調節剤、浸潤剤など、例
えば、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化カリウ
ム、塩化カルシウム、ソルビタンモノラウレート、トリ
エタノールアミンオレエートなどを含有することができ
る。
する糖は、後述するようにラット免疫複合体誘発障害モ
デルにおけるTNF産生を抑制する。このことは、抗セ
レクチン抗体およびセレクチンに結合する糖がTNF産
生抑制作用を通じて、TNFが発症に関与すると考えら
れる疾患を治療し得ることを示す。本発明のTNF産生
抑制剤は、非経口的、局所的、経口的、または経皮的に
投与され、投与方法に依存して、種々の単位投与形態で
投与することができる。例えば、経口的投与に適当な単
位投与形態は、粉末、錠剤、ピル、カプセル剤及び糖衣
剤を包含する。本発明のTNF産生抑制剤は例えば静脈
内に投与される。静脈内投与に際しては、医薬として許
容されうる担体、好ましくは水性担体の中に溶解または
懸濁して用いる。水性担体としては、例えば、水、緩衝
化水、生理食塩水などを使用することができる。生ずる
水溶液はそのまま包装するか、あるいは凍結乾燥するこ
とができ、凍結乾燥した調製物は投与の前に無菌の水溶
液と組み合わせる。本発明の治療剤は、生理学的状態に
近似するように、医薬として許容される補助剤、例え
ば、pH調節剤及び緩衝剤、張度調節剤、浸潤剤など、例
えば、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化カリウ
ム、塩化カルシウム、ソルビタンモノラウレート、トリ
エタノールアミンオレエートなどを含有することができ
る。
【0016】本発明のTNF産生抑制剤は、病気に既に
悩まされる患者に、病気及びその合併症の症状を治癒す
るか、あるいは少なくとも部分的に阻止するために十分
な量で投与される。本発明のTNF産生抑制剤の投与量
は、例えば、特定の有効成分、投与方法、処置する疾患
の程度、患者の全体の健康及び状態、及び処方する医師
に従い変化するが、一般に、体重70kgの患者について、
一日当たり、本発明のTNF産生抑制剤を約0.5mg〜約2
000mgの範囲内であり、好ましくは、体重70kgの患者に
ついて、一日当たり、本発明の有効成分を約5mg〜約500
mgの範囲の投与量を使用する。また本発明のTNF産生
抑制剤は、予防剤としても使用できる。予防的応用にお
いて、本発明のTNF産生抑制剤は、特定の病気に感受
性であるか、あるいはそうでなければその病気の危険が
ある患者に投与される。
悩まされる患者に、病気及びその合併症の症状を治癒す
るか、あるいは少なくとも部分的に阻止するために十分
な量で投与される。本発明のTNF産生抑制剤の投与量
は、例えば、特定の有効成分、投与方法、処置する疾患
の程度、患者の全体の健康及び状態、及び処方する医師
に従い変化するが、一般に、体重70kgの患者について、
一日当たり、本発明のTNF産生抑制剤を約0.5mg〜約2
000mgの範囲内であり、好ましくは、体重70kgの患者に
ついて、一日当たり、本発明の有効成分を約5mg〜約500
mgの範囲の投与量を使用する。また本発明のTNF産生
抑制剤は、予防剤としても使用できる。予防的応用にお
いて、本発明のTNF産生抑制剤は、特定の病気に感受
性であるか、あるいはそうでなければその病気の危険が
ある患者に投与される。
【0017】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定さ
れるものではない。以下の実施例では、抗セレクチン抗
体として、マウス抗ヒトP-セレクチンモノクローナル
抗体PB1.3(WO93/21956号公報記載の抗体)とマウス抗
ラットP-セレクチンモノクローナル抗体ARP2-4(Glyco
biology 6(4), 463-469(1996))を用いた。セレクチン
に結合する糖としてセレクチンのリガンドとして知られ
るシアリルルイス Xの誘導体(以下、SLeX誘導
体)を用いた。本SLeX誘導体の化合物名は、エチル
(5-アセトアミド-3, 5-ジデオキシ-α-D-グリセロ-D-
ガラクト-2-ノヌロピラノシル酸)-(2-3)-O-(β-D-ガ
ラクトピラノシル)-(1-4)-O-[α-L-フコピラノシル-(1
-3)-O]-(2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラ
ノシル)-(1-3)-O-β-D-ガラクトピラノシド・ナトリウ
ム塩であり、公知の方法(米国特許第5,576,30
5号)にしたがって製造できる。
明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定さ
れるものではない。以下の実施例では、抗セレクチン抗
体として、マウス抗ヒトP-セレクチンモノクローナル
抗体PB1.3(WO93/21956号公報記載の抗体)とマウス抗
ラットP-セレクチンモノクローナル抗体ARP2-4(Glyco
biology 6(4), 463-469(1996))を用いた。セレクチン
に結合する糖としてセレクチンのリガンドとして知られ
るシアリルルイス Xの誘導体(以下、SLeX誘導
体)を用いた。本SLeX誘導体の化合物名は、エチル
(5-アセトアミド-3, 5-ジデオキシ-α-D-グリセロ-D-
ガラクト-2-ノヌロピラノシル酸)-(2-3)-O-(β-D-ガ
ラクトピラノシル)-(1-4)-O-[α-L-フコピラノシル-(1
-3)-O]-(2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラ
ノシル)-(1-3)-O-β-D-ガラクトピラノシド・ナトリウ
ム塩であり、公知の方法(米国特許第5,576,30
5号)にしたがって製造できる。
【0018】実施例 免疫複合体で肺障害を惹起したラットの気管支肺胞洗浄
液中サイトカインに対する作用 (実験方法)ロングエバンス系雄性ラットにペントバル
ビタールナトリウムを投与して麻酔した。抗BSA(ウシ
血清アルブミン)抗体を気管支より投与後、BSAを尾静
脈より投与した(陽性対照群)。陰性対照群にはBSAの
代わりに生理食塩水を投与した。4時間後に生理食塩水
にて気管支肺胞洗浄を実施して気管支肺胞洗浄液(bron
choalveolar lavage fluid: BALF)を回収し、得られた
BALFを遠心分離後に上清のTNF濃度を測定した。TN
F濃度はTNF測定キット(genzyme社)を用いて測定
した。抗P-セレクチン抗体PB1.3は5 mg/kgの用量で、AR
P2-4は2mg/kgの用量でBSA投与直前に静脈内投与した。
SLeX誘導体は30 mg/kgの用量でBSA投与直前に静脈
内投与した。結果を図1、図2および図3に示した。
液中サイトカインに対する作用 (実験方法)ロングエバンス系雄性ラットにペントバル
ビタールナトリウムを投与して麻酔した。抗BSA(ウシ
血清アルブミン)抗体を気管支より投与後、BSAを尾静
脈より投与した(陽性対照群)。陰性対照群にはBSAの
代わりに生理食塩水を投与した。4時間後に生理食塩水
にて気管支肺胞洗浄を実施して気管支肺胞洗浄液(bron
choalveolar lavage fluid: BALF)を回収し、得られた
BALFを遠心分離後に上清のTNF濃度を測定した。TN
F濃度はTNF測定キット(genzyme社)を用いて測定
した。抗P-セレクチン抗体PB1.3は5 mg/kgの用量で、AR
P2-4は2mg/kgの用量でBSA投与直前に静脈内投与した。
SLeX誘導体は30 mg/kgの用量でBSA投与直前に静脈
内投与した。結果を図1、図2および図3に示した。
【0019】(実験結果)陽性対照群では、陰性対照群
と比較して気管支肺胞洗浄液のTNF濃度の増加が認め
られた。PB1.3投与群、ARP2-4投与群あるいはSLeX
誘導体投与群はTNF濃度の増加を抑制した。
と比較して気管支肺胞洗浄液のTNF濃度の増加が認め
られた。PB1.3投与群、ARP2-4投与群あるいはSLeX
誘導体投与群はTNF濃度の増加を抑制した。
【図1】ラット免疫複合体誘発肺障害モデルのBALFのT
NF濃度に対する抗P-セレクチン抗体PB1.3の効果
NF濃度に対する抗P-セレクチン抗体PB1.3の効果
【図2】ラット免疫複合体誘発肺障害モデルのBALFのT
NF濃度に対する抗P-セレクチン抗体ARP2-4の効果
NF濃度に対する抗P-セレクチン抗体ARP2-4の効果
【図3】ラット免疫複合体誘発肺障害モデルのBALFのT
NF濃度に対するSLeX誘導体の効果
NF濃度に対するSLeX誘導体の効果
Claims (3)
- 【請求項1】 抗セレクチン抗体またはセレクチンに結
合する糖を有効成分とする腫瘍壊死因子産生抑制剤。 - 【請求項2】 抗セレクチン抗体が抗P−セレクチン抗
体であることを特徴とする請求項1記載の腫瘍壊死因子
産生抑制剤。 - 【請求項3】 セレクチンに結合する糖がシアリルルイ
スX構造を含む糖であることを特徴とする請求項1記載
の腫瘍壊死因子産生抑制剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8612297A JPH10259140A (ja) | 1997-03-18 | 1997-03-18 | 腫瘍壊死因子産生抑制剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8612297A JPH10259140A (ja) | 1997-03-18 | 1997-03-18 | 腫瘍壊死因子産生抑制剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10259140A true JPH10259140A (ja) | 1998-09-29 |
Family
ID=13877907
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8612297A Pending JPH10259140A (ja) | 1997-03-18 | 1997-03-18 | 腫瘍壊死因子産生抑制剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10259140A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1992636A2 (en) | 1999-11-12 | 2008-11-19 | Amgen Inc. | Process for correction of a disulfide misfold in Fc molecules |
EP2087908A1 (en) | 2001-06-26 | 2009-08-12 | Amgen, Inc. | Antibodies to opgl |
-
1997
- 1997-03-18 JP JP8612297A patent/JPH10259140A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1992636A2 (en) | 1999-11-12 | 2008-11-19 | Amgen Inc. | Process for correction of a disulfide misfold in Fc molecules |
EP2087908A1 (en) | 2001-06-26 | 2009-08-12 | Amgen, Inc. | Antibodies to opgl |
EP3492100A1 (en) | 2001-06-26 | 2019-06-05 | Amgen Inc. | Antibodies to opgl |
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