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JPH10258249A - 回転式基板処理装置 - Google Patents

回転式基板処理装置

Info

Publication number
JPH10258249A
JPH10258249A JP6584197A JP6584197A JPH10258249A JP H10258249 A JPH10258249 A JP H10258249A JP 6584197 A JP6584197 A JP 6584197A JP 6584197 A JP6584197 A JP 6584197A JP H10258249 A JPH10258249 A JP H10258249A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
cleaning
developer
processing liquid
guide inclined
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6584197A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Yoshii
弘至 吉井
Shigeru Sasada
滋 笹田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd filed Critical Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Priority to JP6584197A priority Critical patent/JPH10258249A/ja
Publication of JPH10258249A publication Critical patent/JPH10258249A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Coating Apparatus (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Cleaning Or Drying Semiconductors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 超親水化することによって、付着した処理液
を短時間で洗浄除去することができ、装置の稼働率を向
上させることができる。 【解決手段】 スピンチャック1により支持された基板
Wの周囲を囲い、基板Wから周囲に飛散した現像液を下
方に案内する案内傾斜面4b2 と、案内傾斜面4b2
より下方に案内された現像液を回収する排液ゾーン4a
1 とを有する飛散防止カップ4を備えた回転式基板処理
装置において、案内傾斜面4b2 に超親水性層Sを形成
した。超親水性層Sは接触角が小さくなっているので、
現像液は薄膜状に拡がって付着する。付着した現像液と
案内傾斜面4b2 との界面には洗浄液が極めて容易に入
り込み、現像液を容易に離脱させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】半導体ウエハ、フォトマスク
用のガラス基板、液晶表示装置用のガラス基板、光ディ
スク用の基板(以下、単に基板と称する)などに対して
現像液、フォトレジスト液、ポリイミド樹脂、シリカ系
被膜形成材とも呼ばれるSOG(Spin On Glass,)液などの
処理液を吐出して回転自在の基板に対して処理を施す技
術に係り、特に、飛散防止カップや待機ポットに付着し
た処理液を洗浄除去する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の回転式基板処理装置とし
て、例えば、所定のパターンが露光されたフォトレジス
ト被膜を表面に有する基板を回転させ、その表面に現像
液を供給して現像処理を施す回転式基板現像装置が挙げ
られる。この装置の概略構成について図7を参照して以
下に説明する。
【0003】スピンチャック1は、表面にフォトレジス
ト被膜が形成されている基板Wを水平姿勢で吸着支持す
るものであり、軸芯P回りで基板Wを回転駆動するもの
である。スピンチャック1によって吸着支持された基板
Wの表面には、処理液供給ノズル5の先端部から現像液
Dが供給される。スピンチャック1の周囲には、基板W
の表面に供給された現像液Dがその周囲に飛散すること
を防止するとともに、飛散した現像液Dを回収するため
の飛散防止カップ7が配備されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成を有する従来例の場合には、次のような問題が
ある。すなわち、図8に示すように、飛散防止カップ7
の内面、特に基板Wの周縁部の側方にあたり、周囲に飛
散した現像液Dを飛散防止カップ7内の下方に案内する
案内傾斜面には大量の現像液Dが飛散してくるので、溶
解したフォトレジスト液を含む現像液Dが著しく付着す
る。この付着した現像液Dは、基板Wを順次に処理する
につれて次第に堆積してゆき、案内傾斜面を含む飛散防
止カップ7の内面に付着堆積することになる。このよう
に現像液Dが飛散防止カップ7の内面に付着すると、こ
れが乾燥してパーティクルとなり、飛散防止カップ7内
を浮遊して基板Wを汚染するという問題点がある。
【0005】したがって、このような問題が生じないよ
うに、飛散防止カップ7を定期的に洗浄する必要があ
る。特に、現像液Dが重金属類を含むものである場合に
は、その汚染による悪影響は深刻な問題である。付着し
ている現像液Dの具体的な洗浄除去の手法としては、飛
散防止カップ7を装置から取り外した後、溶剤などの洗
浄液によって洗浄除去したり、あるいは飛散防止カップ
7の内面に洗浄液を吐出する洗浄機構を配備しておい
て、これを用いて飛散防止カップ7を取り外すことな
く、付着堆積している現像液Dを洗浄除去するものがあ
る。
【0006】しかしながら、洗浄処理を定期的に行う関
係上、付着して一定期間を経過した現像液Dの、飛散防
止カップ7内面への付着力は強固なものとなっているの
で、パーティクルが生じない程度の清浄な状態にまで洗
浄するためには長時間を要する。その結果、現像処理を
停止した状態で行う洗浄処理によって、装置の稼働率が
大幅に低下することになる。
【0007】また、未処理の基板Wを飛散防止カップ7
内に搬入したり、処理済みの基板Wを飛散防止カップ7
外に搬出したりする際には、処理液供給ノズル5が基板
Wおよび図示しない搬送機構と干渉しないように待機位
置にまで移動する。このときにはその先端部に貯留して
いる現像液の乾燥防止などのために、待機ポットにその
先端部を収納するようになっている。
【0008】しかしながら、その待機ポット内におい
て、処理液供給ノズル5の先端部から現像液が漏れ出た
場合には、待機ポットの内面にその漏れ出た現像液が付
着堆積することになる。このように待機ポットの内面に
現像液が付着堆積すると、やはり乾燥した際にパーティ
クルを生じ、パーティクルが処理液供給ノズル5の先端
部に付着して処理液供給ノズル5を供給位置に移動した
際に基板Wを汚染するという問題がある。したがって、
このような不都合を回避するために、定期的に待機ポッ
トを取り外してその内面を洗浄液で洗浄する必要がある
が、上述したように付着力が強くなっているので、洗浄
に長時間を要して装置の稼働率低下を招く。
【0009】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、飛散防止カップを超親水化することに
よって、その内面に付着した処理液を短時間で洗浄除去
することができ、装置の稼働率を向上させることができ
る回転式基板処理装置を提供することを目的とする。
【0010】また、本発明のもう一つの目的は、待機ポ
ットを超親水化することによって、その内面に付着した
処理液を短時間で洗浄除去することができ、装置の稼働
率を向上させることができる回転式基板処理装置を提供
することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、次のような構成をとる。すなわ
ち、請求項1に記載の回転式基板処理装置は、回転支持
手段により支持された基板の周囲を囲い、基板から周囲
に飛散した処理液を下方に案内する案内傾斜面と、案内
傾斜面により下方に案内された処理液を回収する排液ゾ
ーンとを有する飛散防止カップを備えた回転式基板処理
装置において、前記飛散防止カップのうち少なくとも前
記案内傾斜面を超親水性材料で形成したことを特徴とす
るものである。
【0012】また、請求項2に記載の回転式基板処理装
置は、請求項1に記載の回転式基板処理装置において、
さらに前記排液ゾーンを超親水性材料で形成したことを
特徴とするものである。
【0013】また、請求項3に記載の回転式基板処理装
置は、請求項1または請求項2に記載の回転式基板処理
装置において、前記飛散防止カップと前記回転支持手段
との間に介在して基板の周囲の気流の流れを整える整流
部材をさらに備えるとともに、この整流部材を超親水性
材料で形成したことを特徴とするものである。
【0014】また、請求項4に記載の回転式基板処理装
置は、回転支持手段により支持された基板の上方にあた
る処理液の供給位置と、基板から側方に離れた待機位置
とにわたって移動自在の処理液供給手段と、前記待機位
置にて前記処理液供給手段の先端部を受け入れる待機ポ
ットとを備えた回転式基板処理装置において、前記待機
ポットの少なくとも内面を超親水性材料で形成したこと
を特徴とするものである。
【0015】また、請求項5に記載の回転式基板処理装
置は、請求項1または請求項4に記載の回転式基板処理
装置において、前記超親水性材料は、接触角が10°以
下のものであることを特徴とするものである。
【0016】
【作用】請求項1に記載の発明の作用は次のとおりであ
る。すなわち、回転支持手段により支持された基板から
周囲に飛散した処理液は、飛散防止カップの案内傾斜面
で最も多く受け止められて下方に案内され、排液ゾーン
で回収される。つまり、飛散防止カップのうち最も多く
の処理液が付着堆積しやすく、かつ強固に付着する部分
が案内傾斜面であるが、その部分を超親水性材料で形成
しておくことにより、案内傾斜面は接触角が極めて小さ
くなり、付着した処理液が極めて馴染みやすい状態とな
っている。したがって、案内傾斜面に付着した処理液は
特定部位に集中することなく拡がって薄膜状になる。さ
らに、親水化によって案内傾斜面が処理液よりも水溶液
に極めて馴染みやすくなっているので、飛散防止カップ
の洗浄時に、処理液と案内傾斜面との界面に洗浄液が入
り込みやすくなる。したがって、案内傾斜面に付着した
処理液を容易に離脱させることができる。
【0017】また、請求項2に記載の発明によれば、案
内傾斜面で下方に案内された処理液は排液ゾーンに滞留
するが、排液ゾーンが超親水性材料で形成されているの
で、排液ゾーンは接触角が極めて小さくなり、付着した
処理液が極めて馴染みやすい状態となっている。したが
って、案内傾斜面により排液ゾーンに案内されて滞留し
ている処理液は特定部位に集中することなく拡がって薄
膜状になる。さらに、親水化によって排液ゾーンが処理
液よりも水溶液に極めて馴染みやすくなっているので、
飛散防止カップの洗浄時に、処理液と排液ゾーンとの界
面にも洗浄液が入り込みやすくなる。したがって、排液
ゾーンに滞留した処理液を容易に離脱させることができ
る。
【0018】また、請求項3に記載の発明によれば、基
板が回転支持手段により回転駆動された場合にその周囲
の気流が乱れることに起因して処理が不均一になること
があるが、飛散防止カップと回転支持手段との間に整流
部材を備えることによりこのような不都合を抑制するこ
とができる。その一方で、飛散した処理液やその霧状の
ミストが整流部材に付着すると、それらが乾燥してパー
ティクルとなって浮遊し、基板を汚染する恐れがある。
そこで、この整流部材を超親水性材料で形成することに
より、気流の乱れに起因する処理不均一を抑制しつつ
も、飛散した処理液やミストが整流部材に付着しても、
飛散防止カップの洗浄時に、処理液と整流部材との界面
に洗浄液が入り込みやすくなる。したがって、整流部材
に付着した処理液やミストを容易に離脱させることがで
きる。
【0019】また、請求項4に記載の発明の作用は次の
とおりである。すなわち、処理液供給手段は処理液を供
給する際には基板の上方にあたる供給位置にその先端部
を移動し、基板の搬送時には待機位置に配設された待機
ポットにその先端部を移動する。その先端部が待機ポッ
トに受け入れられている際に処理液が漏れ出たとして
も、少なくとも待機ポットの内面は超親水性材料で形成
されているので、待機ポットの洗浄時に、付着している
処理液と待機ポット内面との界面に洗浄液が入り込みや
すくなる。したがって、待機ポット内面に付着した処理
液を容易に離脱させることができる。
【0020】また、請求項5に記載の発明によれば、先
端部を形成する材料として一般的に使用されているPTFE
(ポリテトラフルオロエチレン)や PTCFE(ポリクロロ
トリフルオロエチレン)などのフッ素樹脂は、その接触
角が約110°と非常に大きく親水性の低いものであ
る。接触角が10°以下になると水が全く弾かなくなる
ので、超親水性材料として接触角が10°以下のものを
採用することにより、親水性を極めて高くすることがで
きる。よって、付着した処理液が非常に薄い膜状に拡が
るとともに、処理液と各部材の表面との界面に非常に洗
浄液が入り込みやすくなる。
【0021】なお、このように接触角が10°以下の超
親水性材料としては、酸化チタン(TiO2)光触媒に特殊な
組成を組み合わせた薄膜(以下、単に酸化チタン光触媒
薄膜と称する)が例示され、この被膜を部材表面に被着
した後に、紫外線を照射すると上記のような極めて小さ
な接触角を有する先端部を得ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施例を説明する。図1は、本発明の回転式基板処理装
置の一例である回転式基板現像装置の概略構成を示す縦
断面図である。
【0023】図中、符号1は、基板Wを水平姿勢で吸着
支持するスピンチャックであり、基板Wの表面に被着さ
れているフォトレジスト被膜には所定のパターンが露光
されている。このスピンチャック1は、図示しない駆動
手段の回転軸に連動連結されており、軸芯P周りで回転
される。なお、スピンチャック1が本発明における回転
支持手段に相当する。
【0024】上記のスピンチャック1の周囲には、基板
Wに対して供給される現像液などが飛散することを防止
するための飛散防止カップ4が配設されている。この飛
散防止カップ4は、下カップ4aと、上部に開口4b1
を有し、下カップ4aの上部内周面に着脱自在に嵌め込
まれた上カップ4bと、回転中心から周縁に向かう下向
きの傾斜面4c1 を有する整流部材4cとから構成され
ている。なお、整流部材4cは、下カップ4aの中心側
底面に着脱自在に嵌め込まれている。
【0025】下カップ4aは、底面周辺部に環状の排液
ゾーン4a1 が形成されており、上カップ4bの下部内
周面に形成された案内傾斜面4b2 によって下方に案内
された、溶解したフォトレジスト被膜を含む現像液など
を一旦受け止める。この排液ゾーン4a1 に滞留してい
る現像液などは、排液ゾーン4a1 の一部位に形成され
た排液口を通して回収され、廃液として処理されるよう
になっている。さらに、整流部材4cの下面と下カップ
4aの底面中心側の間には、環状の排気ゾーン4a2
形成されている。開口4b1 を通って基板Wの周縁を流
下した気流は、現像液などのミストを乗せて、整流部材
4cによって整流された後、この排気ゾーン4a2 の一
部位に形成された排気口を通して排気されるようになっ
ている。なお、この装置では、整流部材4cにより基板
Wの周縁を流下する気流を整流するので、気流の乱れに
起因する処理不均一が防止でき、基板Wの全面にわたっ
て均一に現像処理を施すことができる。
【0026】上述した下カップ4aの排液ゾーン4a1
を含む内面と、上カップ4bの案内傾斜面4b2 を含む
内面と、整流部材4cの傾斜面4c1 には、図中に点線
で示すように超親水性層Sが形成されている。この実施
例では、超親水性層Sを形成するために上記各部の表面
に超親水性材料を薄膜状に被着してある。なお、接触角
が10°以下になると水が全く弾かなくなるので、上記
の超親水性材料としては接触角が10°以下のものが好
ましい。このような材料としては、例えば、酸化チタン
(TiO2)光触媒薄膜があり、この被膜を上記各部の表面に
被着した後に、紫外線を照射することによって超親水化
を図ることができ、接触角がほぼ0°の超親水性層Sを
得ることができる。
【0027】なお、超親水性層Sに対して紫外線を照射
した時刻は図示しない入力手段を介してオペレータによ
り入力されており、その時刻が『照射時刻』として制御
部20に記憶されている。
【0028】処理液供給ノズル5は、その先端部が軸芯
Pの上方にあたる『供給位置』と、図中に二点鎖線で示
す基板Wの側方にあたる『待機位置』との間を移動機構
6によって移動可能に構成されている。この処理液供給
ノズル5は供給配管を介して供給ポンプ7に連通接続さ
れており、供給ポンプ7によって処理液タンク8に貯留
されている現像液が処理液として送り込まれる。なお、
上記の処理液供給ノズル5と、供給ポンプ7と、処理液
タンク8とは本発明の処理液供給手段に相当するもので
ある。
【0029】上述した上カップ4bには、主としてその
内周面に形成された案内傾斜面4b 2 に対して洗浄液を
流下させるための洗浄液貯留部10が形成されている。
この洗浄液貯留部10は、平面視環状に形成されている
とともに、案内傾斜面4b2に開口した多数の供給孔1
0aを有する。上カップ4bの外側面の一部位には洗浄
液貯留部10に連通した供給管10bが突設されてお
り、この供給管10bから、洗浄液タンク12に貯留さ
れている洗浄液が供給ポンプ13によって洗浄液貯留部
10に圧送されるようになっている。なお、供給ポンプ
13の送り出し側には、後述する制御部20によって切
り換え動作される三方弁14が配設されており、洗浄液
貯留部10または『待機位置』に配設された待機ポット
15のいずれか一方に洗浄液が供給されるようになって
いる。
【0030】待機ポット15は、処理液供給ノズル5の
先端部を収納して、その内部に貯留している現像液の固
化を防止したり、先端部の外周面などに付着している現
像液を洗浄除去するためのものである。その上面には、
処理液供給ノズル5の先端部を受け入れ可能な大きさを
有する挿抜孔15aが形成されているとともに、挿抜孔
15aの直下付近には、排液口15bに向かって傾斜し
た傾斜面15cが形成されている。さらに、挿抜孔15
aから待機ポット15内部に突出した処理液供給ノズル
5の先端部付近の側壁には、洗浄液タンク12からの洗
浄液をその先端部に向けて噴射するための洗浄ノズル1
6が配設されている。なお、待機ポット15の排液口1
5bを含む内面には、飛散防止カップ4と同様に超親水
性層Sが形成されている。
【0031】上述したスピンチャック1の回転数および
回転時間と、移動機構6による処理液供給ノズル5の移
動と、供給ポンプ7による現像液の供給量および供給時
間と、洗浄液を圧送する供給ポンプ13による洗浄液の
供給量および供給時間と、三方弁14による洗浄液の供
給先切り換えなどは、CPUやメモリを内蔵した制御部
20によって統括制御される。
【0032】また、制御部20は、上述した超親水性層
Sに紫外線を照射して超親水化を図った時点(上述した
照射時刻)からの経過時間をタイマ21により参照でき
るようになっている。そして、予め制御部20に記憶さ
れている『再親水化処理時間』と経過時間とが一致した
場合には、レシピーの内容などを表示するモニタ22に
その旨を出力してオペレータに対して報知するととも
に、装置の動作を一時的に停止するようになっている。
経過時間が再親水化処理時間に達した場合には、後述す
る『紫外線照射処理』を行うようになっている。なお、
上記の再親水化処理時間は、超親水性層Sを構成してい
る材料により異なるが、例えば、数十時間程度である。
【0033】上記のような紫外線照射処理を必要とする
理由は、次のとおりである。上述したように本実施例に
おける超親水性層Sは、酸化チタン光触媒薄膜に紫外線
を照射して形成されているが、時間が経過するにつれて
次第に接触角が大きくなって親水性が劣化してゆく。そ
こで、例えば、数十時間ごとに定期的に超親水性層Sに
対して一定量の紫外線を照射し、接触角を再びほぼ0°
にして超親水化を図るためである。なお、当然のことな
がら、超親水性層Sを形成する超親水性材料の接触角が
経時的に劣化しない場合には、上記の紫外線照射処理を
考慮する必要はない。
【0034】次に、図2および図3を参照して上記のよ
うに構成された装置の動作について説明する。なお、図
2は基板Wの現像処理を示し、図3は飛散防止カップ4
の洗浄処理を示す図である。
【0035】「現像処理」まず、スピンチャック1と飛
散防止カップ4とを相対昇降し、図1中に二点鎖線で示
すようにスピンチャック1を開口4b1 から上方に突出
させる。この状態で、図示しない搬送機構が未処理の基
板Wをスピンチャック1に載置する。なお、このとき処
理液供給ノズル5は待機位置にある。
【0036】スピンチャック1が基板Wを吸着支持する
とともに、処理液供給ノズル5が移動機構6によって移
動され、その先端部が軸芯Pの上方にあたる供給位置に
移動される。次に、スピンチャック1の回転を開始する
ことにより基板Wを水平面内で回転駆動し、その回転数
が一定の低速回転に到達した時点で、供給ポンプ7を駆
動して現像液Dの供給を開始する。
【0037】このように現像液Dが基板Wに供給される
と、現像液Dはフォトレジスト被膜の一部を溶解しつつ
基板Wの回転中心付近から周縁部に向けて次第に拡がっ
てゆく。そして、周縁部に達した現像液Dは飛散し、飛
散防止カップ4の案内傾斜面4b2 によってその大部分
が受け止められるとともに、その一部が排液ゾーン4a
1 に案内され、また飛散して霧状になった現像液D(ミ
スト)の一部が気流とともに流下する際に傾斜面4c1
に付着する。案内傾斜面4b2 と、排液ゾーン4a
1 と、傾斜面4c1 を含む飛散防止カップ4の内面は超
親水性層Sによって接触角がほぼ0°となっており、そ
れらの表面が現像液Dと極めて馴染みやすくなっている
ので、現像液Dは各部材の特定部位に集中的に付着堆積
することがなく薄い膜状になって拡がって付着する。
【0038】このようにして現像液Dの供給を開始して
一定時間が経過した後に、その供給を停止する。そし
て、リンス処理を経て、スピンチャック1を高速回転に
切り換えて所定時間だけこれを保持することにより基板
Wの乾燥を行う。基板Wの乾燥後、回転を停止して基板
Wに対する現像処理が完了する。これにより基板W表面
のフォトレジスト被膜には、凹凸を有する所定のパター
ンが形成される。
【0039】なお、上記のようにして一枚の基板Wに対
する現像処理が行われ、順次に基板Wが処理されてゆ
く。しかし、上述したように飛散防止カップ4内には、
飛散した現像液Dが薄膜状に付着して堆積してゆくの
で、定期的に飛散防止カップ4を洗浄処理する必要があ
る。
【0040】「洗浄処理」図示しない入力手段を介して
オペレータが洗浄処理を指示すると、制御部20は飛散
防止カップ4内から基板Wを搬出した後、図3に示すよ
うにスピンチャック1を飛散防止カップ4内に収容した
状態にする。そして、三方弁14を洗浄液貯留部10側
に切り換えるとともに、供給ポンプ13を駆動して洗浄
液タンク12内の洗浄液を低い圧力で送り込む。すると
案内傾斜面4b2 に形成された多数の供給孔10aから
洗浄液Cが滲み出して案内傾斜面4b2 を流下する。流
下する洗浄液Cは超親水性層Sの作用により、付着して
いる現像液Dと案内傾斜面4b2 との界面に極めて容易
に入り込む。したがって、付着している現像液Dは容易
に付着面から浮いて離脱し、洗浄液Cとともに排液ゾー
ン4a1 に流下する。この排液ゾーン4a1 にも現像液
Dが付着しているが、やはり洗浄液Cがその界面に容易
に入り込んで離脱する。
【0041】次いで、供給ポンプ13を駆動して洗浄液
タンク12内の洗浄液を「高い圧力」で洗浄液貯留部1
0に送り込む。すると多数の供給孔10aから洗浄液C
が勢い良く噴出し(図3中の点線矢印)、整流部材4c
の傾斜面4c1 に達する。すると超親水性層Sの作用に
より、傾斜面4c1 に付着している現像液Dが容易に離
脱して排液ゾーン4a1 に流入する。
【0042】上記のようにして飛散防止カップ4の洗浄
処理が行われるが、洗浄液Cは超親水性層Sの作用によ
り付着している現像液Dの界面に極めて容易に入り込む
ので、付着してから時間が経過している現像液Dをも容
易に離脱させることができる。また、付着している現像
液Dは超親水性層Sの作用で薄膜状になっているので、
短時間の洗浄によりパーティクルの生じることのない清
浄な状態にすることができる。よって、定期的に行われ
る「洗浄処理」に要する時間を短縮化することができ、
装置の稼働率を向上させることができる。また、現像液
Dは薄膜状に付着するので、洗浄効率が高められ、定期
的に行う洗浄処理の回数を少なくすることも可能であ
る。
【0043】なお、洗浄液タンク12と、供給ポンプ1
3と、三方弁14と、洗浄液貯留部10とにより飛散防
止カップ4を洗浄するようにしたが、飛散防止カップ4
を装置から取り外して洗浄液に浸漬するなどして洗浄す
るようにしてもよい。この場合でも、洗浄液が容易に付
着面に入り込むので洗浄時間を短縮化できる。
【0044】また、上述した「現像処理」を順次に行う
際には、基板Wに対する現像液の供給が完了した時点で
処理液供給ノズル5が待機位置に移動する。この状態で
は、図4に示すように、その先端部が待機ポット15の
挿抜孔15aに挿入された状態である。このとき、先端
部の内部に貯留している現像液D(図中の二点鎖線)が
待機ポット15内に落下することがある。落下した現像
液Dは、先端部直下の傾斜面15cに付着するが、超親
水性層Sの作用により薄膜状に拡がって付着する。この
ように現像液Dが待機ポット15内に付着堆積して乾燥
するとパーティクルを生じる原因となるので、上述した
飛散防止カップ4と同様に定期的に洗浄する必要があ
る。なお、定期的に待機ポット15を洗浄するのではな
く、供給位置で現像液を供給し終えた処理液供給ノズル
5が待機位置に戻る度に、以下のように洗浄処理を行う
ようにしてもよい。
【0045】「待機ポットの洗浄処理」オペレータが図
示しない入力手段を介して待機ポット15の洗浄処理を
指示すると、制御部20は三方弁14を洗浄ノズル16
側に切り換えるとともに、供給ポンプ13を駆動して洗
浄液タンク12内の洗浄液を圧送する。すると、図5に
示すように洗浄ノズル16から洗浄液Cが噴出し、処理
液供給ノズル5の先端部外周面に付着している恐れのあ
る現像液を洗浄除去するとともに、多量の洗浄液Cが傾
斜面15cに降り注ぐ。傾斜面15cを流下する洗浄液
Cは超親水性層Sの作用により、付着している現像液D
と傾斜面15cとの界面に極めて容易に入り込む。した
がって、付着している現像液Dは容易に傾斜面15cか
ら浮いて離脱し、洗浄液Cとともに排液口15bに流れ
込む。この排液口15bにも現像液Dが付着している
が、やはり洗浄液Cがその界面に容易に入り込むことに
より離脱する。
【0046】上記のようにして待機ポット15の洗浄処
理が行われるが、洗浄液Cが現像液Dの界面に極めて容
易に入り込むので、付着してから時間が経過し、強固に
付着している現像液Dをも容易に離脱させることができ
る。また、現像液Dは薄膜状になっているので、短時間
の洗浄により清浄な状態にすることができる。よって、
定期的に行われる「待機ポットの洗浄処理」に要する時
間を短縮化することができ、装置の稼働率を向上させる
ことができる。
【0047】なお、洗浄液タンク12と、供給ポンプ1
3と、三方弁14と、洗浄ノズル16とにより待機ポッ
ト15を洗浄するようにしたが、待機ポット15を装置
から取り外して洗浄液に浸漬するなどしても短時間の洗
浄で清浄化することが可能である。
【0048】「紫外線照射処理」なお、上述した「現像
処理」を繰り返し、定期的に「洗浄処理」および「待機
ポットの洗浄処理」を行ってゆくうちに『照射時刻』か
らの経過時間が『再親水化処理時間』に達した場合に
は、制御部20がオペレータにその旨を報知する。これ
とともに処理液供給ノズル5を、待機ポット15から側
方に離れた位置にまで移動した状態で装置を停止させ
る。
【0049】オペレータは、装置から飛散防止カップ4
を取り外すとともに、その下カップ4aから整流部材4
cを取り外す。さらに、待機ポット15を取り外す。そ
して、各部材に形成されている超親水性層Sに十分な量
の紫外線を照射する。例えば、水銀ランプを含む紫外線
照射装置により強力な紫外線を短時間照射したり、また
は蛍光灯によって照らされているクリーンルーム内に数
日間放置して、微弱な紫外線を長時間照射する。
【0050】この処理により、経時変化により次第に接
触角が大きくなって親水性が低下してきた超親水性層S
を再び超親水化する。この処理を定期的に行うことによ
り、上述した洗浄時の効果を長期間にわたって維持する
ことができ、装置の稼働率を同様に維持することが可能
である。
【0051】なお、上述した実施例では、「紫外線照射
処理」を手動にて行うようにしたが、制御部20が再親
水化処理時間を検出するとともに自動的にその処理を行
うようにしてもよい。
【0052】例えば、水銀ランプを含む紫外線照射部か
らの紫外線を光ファイバーで導き、処理液供給ノズル5
と同様の形状を有して、その先端部から周囲に紫外線を
放射する構造の紫外線照射用ノズルを配備し、移動機構
6を介して紫外線照射用ノズルを待機ポット15の挿抜
口15aに一定時間だけ挿入して十分な量の紫外線を超
親水性層Sに照射するようにしてもよい。さらに、上記
光ファイバーからの紫外線を下方および側方に向けて照
射する紫外線照射部材を配備し、移動機構6によりスピ
ンチャック1にその部材を取り付けて回転駆動し、飛散
防止カップ4内の超親水性層Sにムラなく紫外線を照射
するようにしてもよい。このように「紫外線照射処理」
を自動化することにより、人為的なミスが介在して親水
性が劣化したまま現像処理を行ってしまうような事態を
回避することができる。よって、洗浄効果を低下させ、
稼働率を低下させるような不都合が防止でき、長期間に
わたって洗浄効果を維持しつつ稼働率を維持できる。
【0053】なお、上述した超親水性層Sの形成箇所の
他に、図6に示す箇所に超親水性層Sを形成するように
してもよい。すなわち、飛散防止カップ4は、排気ゾー
ン4a2 を形成する整流部材4cの裏面および下カップ
4aの底面中心側にも超親水性層Sを形成する。これに
より霧状の現像液D(ミスト)が付着しやすい箇所の洗
浄時間をも短縮化できる。
【0054】また、待機カップ15は、その上面にも超
親水性層Sを形成する。これにより、処理液供給ノズル
5が待機位置に移動する際に、その先端部から現像液が
落下して付着しても容易に除去することができる。
【0055】なお、本発明は、排液ゾーン4a1 と整流
部材4cに超親水性層Sを形成しなくても、飛散した現
像液が最も顕著に付着する飛散防止カップ4の案内傾斜
面4b2 にさえ超親水性層Sを形成しておけば、従来に
比較して洗浄効率を高めて洗浄時間を短縮化することが
できる。
【0056】また、超親水性層Sを形成することなく、
各々の部材を超親水性材料で一体的に形成するようにし
てもよい。
【0057】また、上記の実施例では、回転式基板現像
装置を例に採って説明したが、本発明はこの装置に限定
されるものではなく、例えば、塗布液を処理液として基
板に供給してフォトレジスト被膜を形成する回転式基板
塗布装置であっても適用可能である。
【0058】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に記載の発明によれば、最も多くの処理液が付着堆積
しやすく、かつ強固に付着する飛散防止カップの案内傾
斜面を超親水性材料で形成しておくことにより、処理液
が極めて馴染みやすい状態にすることができ、案内傾斜
面に付着する処理液を薄膜状に拡げることができる。さ
らに、処理液と案内傾斜面との界面に洗浄液が入り込み
やすく、案内傾斜面に付着した処理液を容易に離脱させ
ることができて洗浄効率を大きく向上させることができ
る。したがって、付着した処理液を短時間の洗浄処理で
除去することができ、装置の稼働率を向上させることが
できる。
【0059】また、処理液の付着状態が飛散防止カップ
内面で薄膜状にほぼ均一になるので、定期的な洗浄回数
を少なくしても短時間の洗浄で清浄な状態にすることが
できる。
【0060】また、請求項2に記載の発明によれば、案
内傾斜面で下方に案内されて排液ゾーンに滞留した処理
液をも容易に離脱させることができ、洗浄効率をさらに
向上させることができる。したがって、付着した処理液
をより短時間の洗浄処理で除去することができ、装置の
稼働率をさらに高めることができる。
【0061】また、請求項3に記載の発明によれば、整
流部材に付着した処理液やミストを容易に離脱させるこ
とができる。したがって、気流の乱れに起因する処理不
均一を防止しつつも、洗浄効率を高めて装置の稼働率を
より向上させることができる。
【0062】また、請求項4に記載の発明によれば、待
機ポットの内面に付着した処理液を容易に離脱させるこ
とができるので、待機ポットの洗浄を短時間で行うこと
ができ、装置の稼働率を向上させることができる。
【0063】また、請求項5に記載の発明によれば、接
触角が10°以下の超親水性材料を採用することで各部
材の親水性を極めて高くできるので、付着した処理液と
各部材との界面に洗浄液が極めて入りやすくなる。した
がって、より効果的に洗浄効率を向上させることができ
て、さらに短時間の洗浄で残渣を生じることなく付着し
た処理液をほぼ完全に除去することができる。その結
果、装置の稼働率をさらに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る回転式基板現像装置の概略構成を
示す縦断面図である。
【図2】現像処理の説明に供する図である。
【図3】洗浄処理の説明に供する図である。
【図4】処理液供給ノズルが待機中にある状態を説明す
る図である。
【図5】待機ポットの洗浄処理の説明に供する図であ
る。
【図6】変形例を示す縦断面図である。
【図7】従来装置の概略構成を示す図である。
【図8】従来装置に生じる問題の説明に供する図であ
る。
【符号の説明】
W … 基板 S … 超親水性層 D … 現像液 C … 洗浄液 1 … スピンチャック(回転支持手段) 4 … 飛散防止カップ 4a … 下カップ 4a1 … 排液ゾーン 4b … 上カップ 4b2 … 案内傾斜面 4c … 整流部材 4c1 … 傾斜面 5 … 処理液供給ノズル(処理液供給手段) 7 … 供給ポンプ(処理液供給手段) 8 … 処理液タンク(処理液供給手段) 10 … 洗浄液貯留部 15 … 待機ポット 16 … 洗浄ノズル

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転支持手段により支持された基板の周
    囲を囲い、基板から周囲に飛散した処理液を下方に案内
    する案内傾斜面と、案内傾斜面により下方に案内された
    処理液を回収する排液ゾーンとを有する飛散防止カップ
    を備えた回転式基板処理装置において、 前記飛散防止カップのうち少なくとも前記案内傾斜面を
    超親水性材料で形成したことを特徴とする回転式基板処
    理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の回転式基板処理装置に
    おいて、さらに前記排液ゾーンを超親水性材料で形成し
    たことを特徴とする回転式基板処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の回転式
    基板処理装置において、前記飛散防止カップと前記回転
    支持手段との間に介在して基板の周囲の気流の流れを整
    える整流部材をさらに備えるとともに、この整流部材を
    超親水性材料で形成したことを特徴とする回転式基板処
    理装置。
  4. 【請求項4】 回転支持手段により支持された基板の上
    方にあたる処理液の供給位置と、基板から側方に離れた
    待機位置とにわたって移動自在の処理液供給手段と、前
    記待機位置にて前記処理液供給手段の先端部を受け入れ
    る待機ポットとを備えた回転式基板処理装置において、 前記待機ポットの少なくとも内面を超親水性材料で形成
    したことを特徴とする回転式基板処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項4に記載の回転式
    基板処理装置において、前記超親水性材料は、接触角が
    10°以下のものであることを特徴とする回転式基板処
    理装置。
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