JPH10254499A - 帯域分割型雑音低減方法及び装置 - Google Patents
帯域分割型雑音低減方法及び装置Info
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- JPH10254499A JPH10254499A JP9060390A JP6039097A JPH10254499A JP H10254499 A JPH10254499 A JP H10254499A JP 9060390 A JP9060390 A JP 9060390A JP 6039097 A JP6039097 A JP 6039097A JP H10254499 A JPH10254499 A JP H10254499A
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Abstract
品質劣化を防止する。 【解決手段】 入力信号を帯域分割し、各帯域ごとの信
号Xk (n) についてパワーPX,k (n) を求め(24)、
これを基に雑音平均パワーPavN,k (n) を推定し(5
1)、PX,k (n) ,PavN,k (n) によりSNRk (n) を
推定し(27)、SNRk (n) によりゲインファクター
G(SNRk (n) )を求め(30)、SNR k (n) によ
りS/Nの比率と帯域分割数Mに応じた加算率αを、S
/Nが悪い程大、Mが小さいと大となるように決定し、
Xk (n) にG(SNRk (n) )を掛けて、雑音低減した
信号Yk (n) ′を得(28)、白色雑音を発生し、帯域
分割し、その各帯域に対応したPavN,k (n) を乗算して
疑似背景雑音Nk (n) ′を生成し、αNk (n) ′+(1
−α)Yk (n) ′を時間領域に変換して出力する。
Description
TV会議装置等の音声/音響装置等において、目的とな
る音声信号と不要な雑音等の信号が混在する入力信号か
ら、雑音を低減した音声信号を出力する雑音低減方法に
関する。
は、マイクロホンで受音し、相手側に送出される送話信
号に目的となる音声以外の周囲雑音等が混入すると、音
声の明瞭性が損なわれ通話品質が著しく劣化する。この
為、送話信号に含まれる目的音声以外の周囲雑音を低減
する事が強く求められている。
不要な周囲雑音等の信号が混在する入力信号から、雑音
を低減した信号を出力する技術である。図3Aは収音シ
ステムを示すもので、これを用いて従来の雑音低減方法
を説明する。この明細書においては、信号の時間表現は
離散時間を表わす整数値nを用いて、例えばX(n)と
表わす。今発声者12が発声した目的とする音声信号1
3をS(n)、空調などの不要な周囲雑音14をN
(n)、これら音声信号13と雑音14とがマイクロホ
ン11で受音されて雑音低減装置16へ入力される入力
信号15をX(n)、雑音低減装置16の出力信号17
をY(n)とする。雑音低減装置16への入力信号X
(n)には、目的となる音声信号S(n)以外に周囲雑
音N(n)が混入している。即ち X(n)=S(n)+N(n) (1) と表わされる。この時、入力信号X(n)中の雑音N
(n)を低減し、目的となる音声信号S(n)に近い信
号を出力信号Y(n)として取り出す装置を雑音低減装
置と呼ぶ。
l, IEEE Trans. on ASSP, vol.27, no.2, pp.113-120,
Apr(1979)). Wiener Filer(J.S.Lim. & A.V.Oppenheim,
in Proc. IEEE, vol.67, no.12, pp.1586-1604, Dec(1
979)). Maximum Likelihood Envelop(R.J.McAulay &
M.L.Malpass, IEEE Trans. on ASSP, vol.28, no.2, p
p.137-145, Apr(1980)). minimum mean squared error
method(MMSE)(Y.Ephraim& D.Malah, IEEE Trans. on AS
SP, vol.32, no.6, pp.1109-1121, Dec(1984)).等の短
時間スペクトラル振幅(STSA)評価(Short Time S
pectral Amplitude(STSA) Estimation)を基礎とした雑
音低減方式で、従来使用されている方法の機能構成を示
すものである。これを用いて従来の雑音低減方法を説明
する。図3Aと同一の要素には共通の記号を用いた。
た、目的信号と不要な雑音とが混入する入力信号15を
A/D変換部21においてデジタル化し、周波数帯域分
割部22と雑音判別部23に転送する。周波数帯域分割
部22では、転送された信号がM個の周波数帯域に分割
される。周波数帯域への分割は、例えば離散的フーリエ
変換等を用いて行う。ここで、帯域分割された信号は一
般に複素数であるが、分割方法によっては実数となる場
合もある。ここでは一般的に、複素数を仮定して議論す
るが、実数の場合も同じ議論が可能である。周波数帯域
に分割されたk番目の周波数帯域の信号を Xk (n) =Xk,r (n) +jXk,i (n) (2) (Xk,r ,Xk,i はそれぞれXk (n) の実数部分と虚数
部分)とすると、Xk (n) は、入力信号パワー計算部2
4、入力信号位相計算部25、雑音パワー計算部26に
転送される。入力信号パワー計算部24では、各帯域ご
との入力信号のパワーレベル PX,k (n) =Xk,r (n)2+Xk,i (n)2 (3) が、入力信号位相計算部25では各帯域ごとの位相 Φk (n) =tan -1[Xk,i (n) /Xk,r (n) ] (4) それぞれが計算される。その後PX,k (n) はS/N比推
定部27およびゲインファクター挿入部28に転送さ
れ、Φk (n) は時間領域変換部29に転送される。一
方、雑音判別部23ではA/D変換部21から転送され
たきたX(n)に対して、まずパワーレベル PX (n) =Σ{X(n-k) }2 (5) Σはk=0からL−1までが計算される。ここで、Lは
積分時間を表わす。次に例えば予め決められたしきい値
Pthに対し、 PX (n) <Pth (6) の判定が行われ、この条件式を満たした場合には、雑音
であると判別する。雑音パワー計算部26では、雑音判
別部23において入力信号X(n)が雑音であると判定
された時のみ、雑音の各帯域ごとのパワーレベルを PN,k (n) =Xk,r (n)2+Xk,i (n)2 (7) として計算し、その時間平均PavN,k (n) をS/N比推
定部27に転送する。時間平均は、例えば PavN,k (n) =(1/A)Σm γm PN,k (n−m) (8) と計算される。ここでγm は例えば、 γm =(γ)m (9) と表わされるような指数重みづけの係数で(γ<1)、
Aは (1/A)Σm γm =1 (10) となる正規化の為の定数である。
力信号パワー計算部24で計算されたPX,k (n) 及び雑
音パワー計算部26で計算された雑音パワーPav
N,k (n) を用いて目的音声信号対雑音信号の比率である
S/N比が推定される。S/N比推定部27について
は、処理の流れ図を図3Bに記した。詳しい処理の説明
はこの図を用いて行う。
32において、決定したSNRk (n) ′に対して、(1
3)式で表わされる一時刻前の推定値(雑音低減された
パワー)PY,k (n−1)を用いて平均化してSNRk
(n) とする。即ち SNRk (n) =(1−β)P[SNRk (n) ′−1] +β[PY,k (n−1)/PN,k (n−1)] (12) とする。P[*]は*が正なら*を、*が負なら0をと
る。このSNRk (n) 、必要に応じてSNRk (n) ′
は、ゲインファクター計算部30に転送される。
比推定部27より転送されてきたSNRk (n) 、場合に
よると、これとSNRk (n) ′を用いて、各雑音低減方
式で定義されている各周波数におけるゲインファクター
G(SNRk (n) )を計算する。このゲインファクター
G(SNRk (n) )は、ゲインファクター挿入部28に
転送される。図5に各手法によるゲインファクターを表
わす。つまり図5中の上3つの手法ではSNRk (n) の
みを用いてゲインファクターを求めるが、最も下のMM
SE法による時は、SNRk (n) の他にSNRk (n) ′
を用いる。
ごとに、ゲインファクター計算部30において計算され
たゲインファクターを用いて雑音低減を行う。即ち入力
信号パワー計算部24より転送されてきた帯域信号P
X,k (n) に対して、 PY,k (n) =G(SNRk (n) )×PX,k (n) (13) を行い雑音を低減した帯域出力PY,k (n) を出力する。
PY,k (n) は時間領域変換部29に転送され、入力信号
位相計算部25から送られてきたΦk (n) を用いて、 Yk (n) =Yk,r (n) +jYk,i (n) 但し、Yk,r (n) =PY,k (n) cos [Φk (n) ] Yk,i (n) =PY,k (n) sin [Φk (n) ] (14) に変換され、全帯域信号に合成され、更に例えば逆離散
的フーリエ変換により時間領域信号に変換される。この
結果を、D/A変換部34でアナログ信号にして雑音を
低減した信号17、Y(n)を出力する。なお、Spectr
al subtractionでは(13)式の演算で入力信号パワー
PX,k (n) から雑音パワーPN,k (n) を引算した結果と
なる。
4の周波数帯域に分割して処理が行われる事が多いが、
これを会議システムにそのまま用いると大きな遅延が生
じる。会議を行う際に信号に遅延が生じると、通話性能
が劣化するという問題がある。一方、遅延を小さくする
為に周波数分割の数を減らすと、以下の(15)式で定
義されているS/N比、 S/N=10 log10(PS /PN ) ただし、PS :目的信号の平均パワー PN :雑音信号の平均パワー (15) が15dB程度以上ある場合には、雑音低減によって音
声の品質が向上するが、10dB程度以下の場合には、
雑音は低減されるが、それに伴い音声信号に歪みが生じ
たり、消し残された雑音が時間的に変化するのが原因で
聴感的に悪くなり品質が劣化することが判明した。これ
は、従来の雑音低減方式では、少数の帯域に分割された
信号で処理を行うと、非線形処理に起因する歪が大きく
なる為である。
効果的に雑音低減する事が出来ないという問題がある。
この為、音声会議装置・TV会議装置等、受聴を目的と
し音質が重要であり、またリアルタイム性が要求される
収音においては、この方法をそのまま適用する事はでき
ない。
力信号の雑音を低減する方法として雑音の振幅分を音声
信号から減算する従来の方法では、周波数帯域分割数が
多いと遅延が大きくなり、周波数帯域分割数を減らすと
音声信号に歪が生じたり、引き残された雑音が時間的に
変化する為に聴感上好ましくない音をたてるという問題
があった。この発明の目的は、処理遅延が少なく、聴感
上の音質の劣化が少ない雑音低減処理方法を提供する事
である。
音声信号と周囲雑音などの混在した入力信号を複数の帯
域に分割し、各々の帯域別の信号に対し雑音パワーを推
定し、推定された雑音パワーと実際に入力されてきた入
力信号パワーとを比較して音声信号と雑音信号の比率を
推定し、これに基づいて計算された雑音抑圧の為のゲイ
ンファクターを、各帯域毎の入力信号に掛け合わせる事
によって雑音を抑圧し、その際生じる歪を、推定した雑
音パワーを用いて重みづけた、雑音のスペクトルに近い
疑似背景雑音信号を、音声信号と雑音信号の比率に応じ
て少量加算する事によってマスキングし、その結果歪が
少ない効果的な雑音低減を可能にする。つまり、雑音低
減処理により与えられる歪が相対的に大きくなるような
S/Nが悪い状態では、加工処理がなされていない自然
の音に近い、疑似背景雑音信号により前記歪成分をマス
キングする。
た雑音低減装置の機能構成を示し、図3A,図4と対応
するものについては共通の記号を用いた。雑音パワー推
定部51には、図4に示したものでもよいがここでは、
特願平8−68548や佐々木、羽田“損失制御を用い
た帯域分割型雑音低減方式について”春季日本音響学会
予稿515〜516(1996)で提案された方式を用
いて推定を行う事にして、以下の説明を行う。この方法
によると、音声と雑音とが混在している状態とみなす区
間でも時間的に音声がない区間があれば、雑音パワーを
検出することができる。
た、目的信号と不要な雑音等の混入する入力信号15を
A/D変換部21においてデジタル化し、周波数帯域分
割部22に転送する。周波数帯域分割部22では、転送
された信号が周波数帯域に分割される。分割された各帯
域信号は、入力信号パワー計算部24、ゲインファクタ
ー挿入部28に転送される。以降、入力信号のk番目の
帯域信号をXk (n) として、Xk (n) に対する処理の流
れを説明する。
てきたXk (n) のパワーレベルを前記(7)式で計算
し、S/N比推定部27、雑音パワー推定部51に転送
される。雑音パワー推定部51では転送されてきたP
X,k (n) を用いて雑音パワーPav N,k (n) の推定が行わ
れる。雑音パワー推定部51の処理の流れ図を図2Aに
示す。
たPX,k (n) の時間平均パワーレベルPX,k (n) を前記
(8)式、(9)式、(10)式を用いて計算する。こ
の場合の平均時間としては、例えば5〜6msecをと
る。次に、ステップ62である一定時間におけるPav
X,k (n) のレベル分布のヒストグラムをとる。つまりP
avX,k (n) が属するパワー区間の数を1加算、即ち、 hk (int PavX,k (n))=hk (int PavX,k (n) )+1 (16) を行う。int(*)は小数点以下を切り捨て整数化す
る事を示す。更にステップ63でヒストグラムhk (i)
のピーク区間が検出され記憶される。即ち前後の値に対
して hk (i′)≦hk (i) (17) となるiを求める。このiの中で最も小さなiを雑音の
パワーPavN,x (n) とする。つまりピーク値が複数得ら
れた時、最小の値のピーク値を雑音パワーPavN, k (n)
とし、これはS/N比推定部27及び疑似背景雑音生成
部52に転送される。
計算部24で計算されたPX,k (n)及び雑音パワー推定
部51で推定された雑音パワーPavN,k (n) を用いて、
図4Bで示した方法でSNRk (n)′及びSNRk (n)
が推定される。S/N比推定部27で推定されたSNR
k (n)はゲインファクター計算部30及び疑似背景雑音
加算率決定部53に転送される。ゲインファクター計算
部30で用いる計算法によってはSNRk (n)′も入力
される。
比推定部27より転送されてきたSNRk (n)、必要に
応じてSNRk (n)′を用いて、ゲインファクターG
(SNRk (n))が決定される。ここで、ゲインファク
ターの具体的な計算は、従来技術の項で図5に示した方
法などが用いられる。ゲインファクター計算部30で推
定されたゲインファクターG(SNRk (n))は、ゲイ
ンファクター挿入部28に転送される。なお、S/N比
推定部27の方法およびゲインファクター計算部30の
方法は、この明細書に記載したもの以外の方法でもよ
い。
ファクター計算部30において計算されたゲインファク
ターG(SNRk (n))を用いて雑音低減を行う。即ち
周波数帯域分割部22より転送されてきた帯域信号Xk
(n) に対して(18)式の演算を行う。 Y′k (n) =G(SNRk (n))×Xk (n) (18) この雑音を低減した信号Y′k (n) を疑似背景雑音加算
部54に転送する。
号系列を生成した後、これを周波数帯域分割部22での
分割と同様に複数の帯域に分割し、各帯域において、雑
音パワー推定部51で推定された雑音パワーPavN,k を
用いて重みづけを行い、入力信号X(n) 15に含まれる
雑音N(n) 14のパワースペクトラムに近い疑似背景雑
音を生成する。疑似背景雑音生成部52における処理の
流れを図2Bに示す。
いて、パワー1の白色雑音信号系列Noise(n) 、例えば
要素がL個のランダム数列を生成する。次にステップ7
2で、各時刻nにおいて、この白色雑音信号系列Noise
k (n)をM個の周波数帯域信号Noisek (n) に分割す
る。これは、例えば離散的フーリエ変換等を用いて行
う。帯域分割された信号は一般に複素数である為、周波
数帯域に分割されたk番目の周波数帯域の信号は Noisek (n) =Noisek (n).r +Noisek (n).i (19) (Noisek (n).r,Noisek (n).i はそれぞれNoise
k (n) の実数部分と虚数部分)の様に表わされる。
た白色雑音信号Noisek (n) を(20)式で正規化する。 Rdmk (n).r =Noisek (n).r /M Rdmk (n).i =Noisek (n).i /M (20) (Rdmk (n).r,Rdmk (n).i はそれぞれRdm
k (n) の実数部分と虚数部分)この結果Rdmk (n)
が、各時刻における白色雑音信号の各帯域成分Rdmk
(n) になる。
域成分Rdmk (n) に、急激な変化がないように、時間
軸上で(21)式によりスムージングを行う。 add −noise k [n].r =Rdmk [n-1].r +Rdmrk [n].r add −noise k [n].i =Rdmk [n-1].i +Rdmrk [n].i (21) (add-noise k [n].r,add-noise k [n].i はそれぞれad
d-noise k [n] の実数部分と虚数部分)次にステップ7
5で、雑音パワー推定部51から転送されてきたPav
N,k を、予め決められた時間について以下の式を用いて
平均し、その平方根を雑音平均振幅Navk (n) とする。
る。この平均時間としては、例えば2〜3secをと
る。最後にステップ76で、スムージングされた白色雑
音信号の各帯域成分に、ステップ75で求めた雑音平均
振幅Navk (n) を(23)式で示すように掛け合わせ、重
みづけを行い、その結果得られたN′k (n) を疑似背景
雑音とする。
数部分と虚数部分)その結果、生成された疑似背景雑音
N′k (n) は、入力信号X(n) 15に含まれる雑音N
(n) 14に近いスペクトラムを持つものになる。生成さ
れた疑似背景雑音N′k (n) は、疑似背景雑音加算部5
4に転送される。
されてきたSNRk (n) を用いて、S/N比に基づいた
疑似背景雑音の加算率α′を決定する。まず、転送され
てきたSNRk (n) を予め決められた時間について、以
下の式を用いて平均しSNRavk (n) とする。 SNRavk (n) =(1/A)Σm γm SNRk (n-m) (24) ここでγm は例えば、(9)式、(10)式で与えられ
る。
cをとる。つまりSNRは通常ミリ秒単位で変化してい
るため、ミリ秒より十分大きな時間、2〜3秒〜30秒
程度平均した方がよい。α′は、SNRavk (n) が小さ
い時は大きい値をとる事が望ましい。例えば、 15≦10 log10[SNRavk (n) ] ⇒ α′=0 5<10 log10[SNRavk (n) ]<15 ⇒ α′=0.1 10 log10[SNRavk (n) ]<5 ⇒ α′=0.3 (25) の様に決定する。更に、この例では周波数帯域分割部2
2での帯域分割数Mに応じて決定される帯域分割数ファ
クターβをα′に掛け合わせて疑似背景雑音加算率αと
する。例えば、 α = β × α′ 1024≦M ⇒ β=0.01 M < 1024 ⇒ β=1 (26) とする。つまり帯域分割数Mが大きい場合は、加算率α
を小さくする。疑似背景雑音加算率αは、疑似背景雑音
加算部54に転送される。
音生成部52、ゲインファクター挿入部28、疑似背景
雑音加算率決定部53から転送されてきた疑似背景雑音
N′ k (n) 、雑音を低減した信号Y′k (n) 及び疑似背
景雑音加算率αを用いて帯域出力信号Yk (n) を次式に
より求めて出力する。 Yk (n) =α×N′k (n) +(1−α)×Y′k (n) (27) Yk (n) は時間領域変換部29に転送され、時間領域に
変換される。この結果を、D/A変換部34でアナログ
信号にして雑音を低減した信号17、Y(n) を出力す
る。
に、つまり(13)式により行い、これより(14)式
によりYk (n) ′を得てもよい。先の実施例から理解さ
れるように、各帯域ごとの入力信号パワーと、対応帯域
ごとの雑音パワーとから、その帯域の目的音声信号に対
する雑音の比率を推定すると共に、その帯域の前記目的
音声信号の雑音低減された信号を推定すればよい。
在した入力信号を周波数帯域に分割し、帯域毎の目的信
号に対する雑音信号の比率を推定し、この推定結果に基
づいて帯域毎のゲインファクターを決定して雑音を低減
する方法において、この発明では、周波数帯域分割数M
が少ない場合に生じる目的音声の歪を低減する為に、雑
音と音声の比率及び分割数に応じて雑音低減音声に少量
の疑似背景雑音信号を加算することによって、歪の少な
い雑音低減音声が得られる。更に、各帯域別の信号の加
算率を音声信号と雑音信号の比率によって変化させる事
によって、雑音が少ない、つまり、雑音低減による処理
歪が小さい場合には、疑似背景雑音信号の加算量を小さ
くし、雑音低減効果を最大限にする事が可能であること
を特徴とする。つまり、雑音低減のための信号処理によ
り、音声信号に歪が生じ、S/Nが悪いと不自然な音と
なって、品質が劣化するが、この発明では推定したS/
Nが悪いと加算する疑似背景雑音信号の量を多くするこ
とにより、加工処理していない自然な音の歪が多くな
り、聴感性がよくなる。
雑音パワーを用いて重みづけを行った、入力信号の混入
雑音に近いスペクトルを持つ信号を用いる事によって、
加算をした際の不自然さを少なくする事を特徴とする。
更に、加算疑似背景雑音信号の作成に、各帯域ごとに白
色雑音信号系列を発生した場合は帯域が制限された状態
で白色雑音を発生するため合成後に不自然さが残るのに
対し、各時刻において発生させた白色雑音信号系列を帯
域分割したものを用いることによって合成後の不自然感
のないものが得られる。
雑音低減により、遅延が少なく、聞き易い目的信号を得
る事が可能になる。その結果、音声会議・TV会議等の
拡声通話系において、マイクロホンで受音し、相手側に
送出される送話信号に、目的となる音声以外の周囲雑音
が混入した場合でも、この方法による雑音の低減により
音声の明瞭性を保つ事が可能になり、通信品質が向上す
る。
示すブロック図。
理の流れを示す図、Bは図1中の疑似背景雑音生成部5
2における処理の流れを示す図である。
Bは図4中のS/N比推定部27における処理の流れを
示す図である。
を示すブロック図。
計算方法を示す図。
Claims (4)
- 【請求項1】 目的となる音声信号と不要な雑音信号の
混在する入力信号から雑音信号を除去した信号を出力す
る雑音低減処理方法において、 前記入力信号を複数の帯域に分割する周波数帯域分割過
程と、 前記各帯域に分割された入力信号に対して各帯域毎の入
力信号パワーを計算する入力信号パワー計算過程と、 前記各帯域に分割された入力信号を用いて前記各周波数
帯域中の雑音パワーの推定を行う雑音パワー推定過程
と、 前記各帯域毎の入力信号パワーと前記各帯域毎の雑音パ
ワーを用いて、前記各帯域信号中における各帯域毎の目
的音声信号に対する雑音の比率を推定するS/N比推定
過程と、 前記目的音声信号対雑音比率に基づいて前記各帯域毎の
ゲインファクターを決定するゲインファクター計算過程
と、 前記各帯域毎に決定された前記ゲインファクターを用い
て雑音低減された信号を得るゲインファクター挿入過程
と、 前記帯域毎に推定された雑音パワーと同じパワーを有す
る各帯域毎の疑似背景雑音を生成する疑似背景雑音生成
過程と、 前記推定された各帯域毎の前記目的音声信号対雑音比率
の時間平均値に基づいて、前記帯域毎の前記雑音低減さ
れた信号と前記生成された疑似背景雑音信号との加算割
合を決定する過程と、 前記決定された前記加算割合に基づいて、対応する帯域
における前記帯域毎の前記雑音低減された信号と前記生
成された疑似背景雑音信号を加算し、帯域出力信号を出
力する過程と、 前記帯域出力信号を時間領域に変換し全帯域信号に合成
する過程とを有する事を特徴とする帯域分割型雑音低減
方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の雑音低減方法において、 前記周波数帯域分割過程で分割する周波数帯域の数に応
じて、前記帯域毎の前記雑音低減された信号と前記生成
された疑似背景雑音信号の加算割合を修正する過程とを
有することを特徴とする。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の雑音低減方法にお
いて、 前記疑似背景雑音生成過程は、正規化された白色雑音信
号系列を生成する過程と、 前記白色雑音信号系列を複数の帯域に分割する周波数帯
域分割過程と、 前記複数の帯域に分割された白色雑音信号を正規化する
過程と、 前記正規化された各帯域の白色雑音信号を、時間軸上で
スムージングする過程と、 前記各帯域毎で推定された雑音パワーから雑音平均振幅
を計算する過程と、 前記スムージングされた各帯域の白色雑音信号に、前記
各帯域毎の雑音平均振幅を掛け合わせ、前記各帯域毎の
疑似背景雑音を生成する過程とを有することを特徴とす
る。 - 【請求項4】 請求項1乃至3の何れかに記載の雑音低
減方法において、 前記ゲインファクター挿入過程は前記各帯域分割された
入力信号に対応する帯域の前記ゲインファクターを乗算
する過程であることを特徴とする。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06039097A JP3454403B2 (ja) | 1997-03-14 | 1997-03-14 | 帯域分割型雑音低減方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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