JPH10245684A - 銅及び銅合金の表面処理剤 - Google Patents
銅及び銅合金の表面処理剤Info
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- JPH10245684A JPH10245684A JP6930097A JP6930097A JPH10245684A JP H10245684 A JPH10245684 A JP H10245684A JP 6930097 A JP6930097 A JP 6930097A JP 6930097 A JP6930097 A JP 6930097A JP H10245684 A JPH10245684 A JP H10245684A
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- benzimidazole
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- H05—ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H05K—PRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
- H05K3/00—Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
- H05K3/22—Secondary treatment of printed circuits
- H05K3/28—Applying non-metallic protective coatings
- H05K3/282—Applying non-metallic protective coatings for inhibiting the corrosion of the circuit, e.g. for preserving the solderability
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- Chemical Treatment Of Metals (AREA)
- Electric Connection Of Electric Components To Printed Circuits (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 プレフラックスとして有用な銅表面に良
好な耐熱性を示す化成被膜を短時間のうちに形成する水
溶液型表面処理剤を提供する。 【解決手段】 特定の2−(アリールメチル)ベンズイ
ミダゾール化合物を造膜成分として含有し、これに所定
量のよう素イオンを溶存させる。
好な耐熱性を示す化成被膜を短時間のうちに形成する水
溶液型表面処理剤を提供する。 【解決手段】 特定の2−(アリールメチル)ベンズイ
ミダゾール化合物を造膜成分として含有し、これに所定
量のよう素イオンを溶存させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、銅及び銅合金の
表面に化成被膜を形成する水溶液系表面処理剤に関する
ものであり、特に硬質プリント配線板及びフレキシブル
プリント配線板における銅回路部のプレフラックス処理
剤として好適なものである。
表面に化成被膜を形成する水溶液系表面処理剤に関する
ものであり、特に硬質プリント配線板及びフレキシブル
プリント配線板における銅回路部のプレフラックス処理
剤として好適なものである。
【0002】
【従来の技術】銅あるいは銅合金の表面に、2位長鎖ア
ルキルイミダゾール化合物の被膜を形成する表面処理方
法としては、特公昭46-17046号、同48-11454号、同48-2
5621号、同49- 1983号、同49-26183号、同58-22545号、
同61-41988号及び特開昭61-90492号公報に記載されてい
る。また銅あるいは銅合金の表面に、2位アリール基置
換イミダゾール化合物の被膜を形成する処理方法として
は、特開平4-202780号及び同4-206681号公報に記載され
ている。
ルキルイミダゾール化合物の被膜を形成する表面処理方
法としては、特公昭46-17046号、同48-11454号、同48-2
5621号、同49- 1983号、同49-26183号、同58-22545号、
同61-41988号及び特開昭61-90492号公報に記載されてい
る。また銅あるいは銅合金の表面に、2位アリール基置
換イミダゾール化合物の被膜を形成する処理方法として
は、特開平4-202780号及び同4-206681号公報に記載され
ている。
【0003】他に銅あるいは銅合金の表面にベンズイミ
ダゾール系化合物の化成被膜を形成する方法としては、
5−メチルベンズイミダゾールを用いる処理方法が特開
昭58-501281 号公報に、2−アルキルベンズイミダゾー
ル化合物、2−アリールベンズイミダゾール化合物、2
−アラルキルベンズイミダゾール化合物あるいは2−メ
ルカプトアルキルベンズイミダゾール化合物を用いる処
理方法が、特開平3-124395号、同3-236478号、同4-7207
2 号、同4-80375 号、同4-99285 号、同4-157174号、同
4-165083号、同4-173983号、同4-183874号、同4-202780
号、同4-206681号、同4-218679号、同5-25407 号、同5-
93280 号、同5-93281 号、同5-156475号、同5-163585
号、同5-175643号、同5-186880号、同5-186888号、同5-
202492号、同5-230674号、同5-237688号、同5-263275
号、同5-287562号、同5-291729号、同5-287563号及び同
5-291729号公報に記載されている。
ダゾール系化合物の化成被膜を形成する方法としては、
5−メチルベンズイミダゾールを用いる処理方法が特開
昭58-501281 号公報に、2−アルキルベンズイミダゾー
ル化合物、2−アリールベンズイミダゾール化合物、2
−アラルキルベンズイミダゾール化合物あるいは2−メ
ルカプトアルキルベンズイミダゾール化合物を用いる処
理方法が、特開平3-124395号、同3-236478号、同4-7207
2 号、同4-80375 号、同4-99285 号、同4-157174号、同
4-165083号、同4-173983号、同4-183874号、同4-202780
号、同4-206681号、同4-218679号、同5-25407 号、同5-
93280 号、同5-93281 号、同5-156475号、同5-163585
号、同5-175643号、同5-186880号、同5-186888号、同5-
202492号、同5-230674号、同5-237688号、同5-263275
号、同5-287562号、同5-291729号、同5-287563号及び同
5-291729号公報に記載されている。
【0004】これらの他に、2−メルカプトベンズイミ
ダゾールを用いる銅あるいは銅合金の防錆方法が、特開
昭55-83157号、同62-77600号及び同63-118598 号公報に
開示されている。特開平4-165083号及び同4-173983号公
報には、このような水溶液系の表面処理剤に塩素、臭素
などのハロゲンイオンを存在させることによって、前処
理工程から持ちこまれる硫酸根による処理液の汚染に対
して、造膜性を安定化させる方法が開示されており、ま
た特開平6-2176号公報には2−ウンデシルイミダゾー
ル、n−ラウリルアミンなどを含む銅及び銅合金の表面
処理剤に臭素あるいはよう素を含む化合物を含有させる
ことにより、はんだ付け性を向上しうることが記載され
ている。
ダゾールを用いる銅あるいは銅合金の防錆方法が、特開
昭55-83157号、同62-77600号及び同63-118598 号公報に
開示されている。特開平4-165083号及び同4-173983号公
報には、このような水溶液系の表面処理剤に塩素、臭素
などのハロゲンイオンを存在させることによって、前処
理工程から持ちこまれる硫酸根による処理液の汚染に対
して、造膜性を安定化させる方法が開示されており、ま
た特開平6-2176号公報には2−ウンデシルイミダゾー
ル、n−ラウリルアミンなどを含む銅及び銅合金の表面
処理剤に臭素あるいはよう素を含む化合物を含有させる
ことにより、はんだ付け性を向上しうることが記載され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近時プリント配線板の
表面実装方法として、実装密度を向上させた処理方法が
普及している。このような表面実装方法は、チップ部品
のクリームはんだで接合する両面表面実装、チップ部品
のクリームはんだによる表面実装とディスクリート部品
のスルーホール実装を組み合わせた混載実装等に分けら
れる。いずれの実装方法においても、プリント基板は複
数回のはんだづけが行われ、複数回の熱履歴を受ける。
従って、このようなプリント基板の銅回路を空気酸化か
ら保護する化成被膜は、複数回の熱履歴を受けたあとの
良好なはんだづけ性が要求されている。
表面実装方法として、実装密度を向上させた処理方法が
普及している。このような表面実装方法は、チップ部品
のクリームはんだで接合する両面表面実装、チップ部品
のクリームはんだによる表面実装とディスクリート部品
のスルーホール実装を組み合わせた混載実装等に分けら
れる。いずれの実装方法においても、プリント基板は複
数回のはんだづけが行われ、複数回の熱履歴を受ける。
従って、このようなプリント基板の銅回路を空気酸化か
ら保護する化成被膜は、複数回の熱履歴を受けたあとの
良好なはんだづけ性が要求されている。
【0006】従来知られている2位長鎖アルキルイミダ
ゾール化合物を用いてプリント配線板の表面処理を行な
った場合、高温に曝されると表面処理された銅面が変色
し、その後のはんだ付けに際して支障を生じるおそれが
あった。特開平3-124395号公報等に記載のベンズイミダ
ゾール系化合物を用いた表面処理方法によれば、比較的
耐熱性に優れた化成被膜が得られるが、複数回の熱履歴
を受ける表面実装方法においては、未だ満足しうる状態
にあるとは言えない。また、前述のハロゲンイオンを生
じる化合物を添加した表面処理剤についても、実用化に
おいては未だ解決すべき課題を残している。
ゾール化合物を用いてプリント配線板の表面処理を行な
った場合、高温に曝されると表面処理された銅面が変色
し、その後のはんだ付けに際して支障を生じるおそれが
あった。特開平3-124395号公報等に記載のベンズイミダ
ゾール系化合物を用いた表面処理方法によれば、比較的
耐熱性に優れた化成被膜が得られるが、複数回の熱履歴
を受ける表面実装方法においては、未だ満足しうる状態
にあるとは言えない。また、前述のハロゲンイオンを生
じる化合物を添加した表面処理剤についても、実用化に
おいては未だ解決すべき課題を残している。
【0007】すなわち、本発明者の知見によれば、ベン
ズイミダゾール系化合物にハロゲンイオンを生じる化合
物を添加した銅の表面処理剤は、塩素イオン、臭素イオ
ン、よう素イオン等を添加することによって、銅表面に
形成される化成被膜の耐熱性が改善される。そして、こ
の効果はよう素イオンが最も大きく、次いで臭素イオ
ン、塩素イオンの順となる。しかしながら、これらのイ
オンを添加した場合には銅表面に対する化成被膜の形成
速度が低下する傾向があり、その度合いは臭素イオン及
び塩素イオンにおいてはそれほど現れないが、よう素イ
オンを用いた場合、化成被膜の形成速度が著しく低下
し、銅回路を保護するために必要とされている0.1μ
〜0.3μの膜厚を得る処理時間が著しく長くなり、工
場の生産性が低下して実用に供し得ないものであった。
ズイミダゾール系化合物にハロゲンイオンを生じる化合
物を添加した銅の表面処理剤は、塩素イオン、臭素イオ
ン、よう素イオン等を添加することによって、銅表面に
形成される化成被膜の耐熱性が改善される。そして、こ
の効果はよう素イオンが最も大きく、次いで臭素イオ
ン、塩素イオンの順となる。しかしながら、これらのイ
オンを添加した場合には銅表面に対する化成被膜の形成
速度が低下する傾向があり、その度合いは臭素イオン及
び塩素イオンにおいてはそれほど現れないが、よう素イ
オンを用いた場合、化成被膜の形成速度が著しく低下
し、銅回路を保護するために必要とされている0.1μ
〜0.3μの膜厚を得る処理時間が著しく長くなり、工
場の生産性が低下して実用に供し得ないものであった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、このような
事情に基づき、銅あるいは銅合金の表面に化成被膜を形
成するベンズイミダゾール系化合物を用いた表面処理剤
において、耐熱性を向上させるためによう素イオンを生
じる化合物を添加した場合に、銅金属に対する造膜速度
を低下させない化合物について鋭意試験研究を重ねた結
果、化2で示される2−(アリールメチル)ベンズイミ
ダゾール化合物に、10〜150ppmのよう素イオン
を含有させた場合には、耐熱性に優れておりしかも銅に
対する膜形成速度の低下が少なく生産性に優れた銅及び
銅合金の表面処理剤を見い出し、本発明を完遂するに至
った。
事情に基づき、銅あるいは銅合金の表面に化成被膜を形
成するベンズイミダゾール系化合物を用いた表面処理剤
において、耐熱性を向上させるためによう素イオンを生
じる化合物を添加した場合に、銅金属に対する造膜速度
を低下させない化合物について鋭意試験研究を重ねた結
果、化2で示される2−(アリールメチル)ベンズイミ
ダゾール化合物に、10〜150ppmのよう素イオン
を含有させた場合には、耐熱性に優れておりしかも銅に
対する膜形成速度の低下が少なく生産性に優れた銅及び
銅合金の表面処理剤を見い出し、本発明を完遂するに至
った。
【0009】
【化2】 式中、R1 ,R2 は水素原子またはハロゲン原子であ
り、R1 及びR2 のいずれもが水素原子で示される化合
物を除く。
り、R1 及びR2 のいずれもが水素原子で示される化合
物を除く。
【0010】この発明の実施に適する2−(アリールメ
チル)ベンズイミダゾール化合物としては、2−(4−
クロロフェニルメチル)ベンズイミダゾール、2−(4
−ブロモフェニルメチル)ベンズイミダゾール、2−
(3,4−ジクロロフェニルメチル)ベンズイミダゾー
ル、2−(2,4−ジクロロフェニルメチル)ベンズイ
ミダゾール、2−(2−クロロフェニルメチル)ベンズ
イミダゾール等であり、これらの化合物は表面処理剤に
対して0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5
重量%の割合として配合する。
チル)ベンズイミダゾール化合物としては、2−(4−
クロロフェニルメチル)ベンズイミダゾール、2−(4
−ブロモフェニルメチル)ベンズイミダゾール、2−
(3,4−ジクロロフェニルメチル)ベンズイミダゾー
ル、2−(2,4−ジクロロフェニルメチル)ベンズイ
ミダゾール、2−(2−クロロフェニルメチル)ベンズ
イミダゾール等であり、これらの化合物は表面処理剤に
対して0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5
重量%の割合として配合する。
【0011】この発明の実施に当たっては、2−(アリ
ールメチル)ベンズイミダゾール化合物が難溶性である
ため、有機酸または無機酸を用いて水溶液化させたり、
また水と混和しうる有機溶媒を有機酸または無機酸と併
用し水溶液化させても良い。
ールメチル)ベンズイミダゾール化合物が難溶性である
ため、有機酸または無機酸を用いて水溶液化させたり、
また水と混和しうる有機溶媒を有機酸または無機酸と併
用し水溶液化させても良い。
【0012】この発明の実施において、よう素イオンを
供給するために用いられる化合物としては、よう化カリ
ウム、よう化ナトリウム、よう化アンモニウム、よう化
銅、よう化バリウム、よう化カルシウム、よう素酸、よ
う素酸カリウム、ヨード酢酸、2−ヨードプロピオン
酸、3−ヨードプロピオン酸、2−ヨード酪酸、3−ヨ
ード酪酸、4−ヨード酪酸等であり、これらを表面処理
剤中のよう素イオン濃度が、10〜150ppmとなる
ように調整すればよい。
供給するために用いられる化合物としては、よう化カリ
ウム、よう化ナトリウム、よう化アンモニウム、よう化
銅、よう化バリウム、よう化カルシウム、よう素酸、よ
う素酸カリウム、ヨード酢酸、2−ヨードプロピオン
酸、3−ヨードプロピオン酸、2−ヨード酪酸、3−ヨ
ード酪酸、4−ヨード酪酸等であり、これらを表面処理
剤中のよう素イオン濃度が、10〜150ppmとなる
ように調整すればよい。
【0013】この際に用いられる有機酸としては、ギ
酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ヘプタン酸、カプリル
酸、カプリン酸、ラウリル酸、グリコール酸、乳酸、ア
クリル酸、安息香酸、パラニトロ安息香酸、パラトルエ
ンスルホン酸、サリチル酸、ピクリン酸、シュウ酸、コ
ハク酸、マレイン酸、フマール酸、酒石酸、アジピン酸
等であり、無機酸としては、塩酸、リン酸、硫酸、硝酸
等である。これらの酸は、水溶液に対し0.01〜40
重量%の割合、好ましくは0.2〜20重量%の割合に
なるように添加すれば良い。
酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ヘプタン酸、カプリル
酸、カプリン酸、ラウリル酸、グリコール酸、乳酸、ア
クリル酸、安息香酸、パラニトロ安息香酸、パラトルエ
ンスルホン酸、サリチル酸、ピクリン酸、シュウ酸、コ
ハク酸、マレイン酸、フマール酸、酒石酸、アジピン酸
等であり、無機酸としては、塩酸、リン酸、硫酸、硝酸
等である。これらの酸は、水溶液に対し0.01〜40
重量%の割合、好ましくは0.2〜20重量%の割合に
なるように添加すれば良い。
【0014】また、この際に用いられる有機溶媒として
は、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール
などの低級アルコール類や、アセトン、N,N−ジメチ
ルホルムアミドなどの水と混和させることのできるもの
である。
は、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール
などの低級アルコール類や、アセトン、N,N−ジメチ
ルホルムアミドなどの水と混和させることのできるもの
である。
【0015】この発明の表面処理剤によって銅あるいは
銅合金の表面を処理する条件としては、約20℃〜60
℃の液温で1秒ないし3分間接触すれば良い。接触処理
の方法は、浸漬、噴霧、塗布などである。
銅合金の表面を処理する条件としては、約20℃〜60
℃の液温で1秒ないし3分間接触すれば良い。接触処理
の方法は、浸漬、噴霧、塗布などである。
【0016】この発明の表面処理剤に使用に際して、金
属表面における化成被膜の形成速度を高めるために銅化
合物を添加してもよく、また形成された化成被膜の耐熱
性をさらに向上させるために亜鉛化合物を添加してもよ
い。
属表面における化成被膜の形成速度を高めるために銅化
合物を添加してもよく、また形成された化成被膜の耐熱
性をさらに向上させるために亜鉛化合物を添加してもよ
い。
【0017】この発明において使用できる銅化合物の代
表的なものとしては、塩化第一銅、塩化第二銅、水酸化
銅、リン酸銅、酢酸銅、硫酸銅、硝酸銅、臭化銅等であ
り、また亜鉛化合物の代表的なものとしては、酸化亜
鉛、蟻酸亜鉛、酢酸亜鉛、蓚酸亜鉛、乳酸亜鉛、クエン
酸亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、リン酸亜鉛等であり、い
ずれも水溶液に対して0.01〜10重量%の割合、好ま
しくは0.02〜5重量%の割合で添加すれば良い。
表的なものとしては、塩化第一銅、塩化第二銅、水酸化
銅、リン酸銅、酢酸銅、硫酸銅、硝酸銅、臭化銅等であ
り、また亜鉛化合物の代表的なものとしては、酸化亜
鉛、蟻酸亜鉛、酢酸亜鉛、蓚酸亜鉛、乳酸亜鉛、クエン
酸亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、リン酸亜鉛等であり、い
ずれも水溶液に対して0.01〜10重量%の割合、好ま
しくは0.02〜5重量%の割合で添加すれば良い。
【0018】このように、銅化合物あるいは亜鉛化合物
を用いる場合には、有機酸あるいは無機酸の他にアンモ
ニアあるいはアミン類等の緩衝作用を有する物質を添加
して溶液のpHを安定にすることが望ましい。また本発
明表面処理剤を使用する際には、化成被膜上に熱可塑性
樹脂の二重構造を形成し、耐熱性を向上させることも可
能である。
を用いる場合には、有機酸あるいは無機酸の他にアンモ
ニアあるいはアミン類等の緩衝作用を有する物質を添加
して溶液のpHを安定にすることが望ましい。また本発
明表面処理剤を使用する際には、化成被膜上に熱可塑性
樹脂の二重構造を形成し、耐熱性を向上させることも可
能である。
【0019】すなわち、銅あるいは銅合金の表面に2−
(アリールメチル)ベンズイミダゾール化合物の化成被
膜を形成したのち、ロジン、ロジンエステル等のロジン
誘導体、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂等のテ
ルペン樹脂誘導体または芳香族炭化水素樹脂、脂肪族炭
化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂等の炭化水素樹脂ある
いはこれらの混合物等からなる耐熱性に優れた熱可塑性
樹脂をトルエン、酢酸エチル、IPA等の溶媒に溶解
し、ロールコーター法等により化成被膜上に膜厚1〜30
μmの厚みになるように均一に塗布して、化成被膜と熱
可塑性樹脂の二層構造を形成すれば良い。
(アリールメチル)ベンズイミダゾール化合物の化成被
膜を形成したのち、ロジン、ロジンエステル等のロジン
誘導体、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂等のテ
ルペン樹脂誘導体または芳香族炭化水素樹脂、脂肪族炭
化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂等の炭化水素樹脂ある
いはこれらの混合物等からなる耐熱性に優れた熱可塑性
樹脂をトルエン、酢酸エチル、IPA等の溶媒に溶解
し、ロールコーター法等により化成被膜上に膜厚1〜30
μmの厚みになるように均一に塗布して、化成被膜と熱
可塑性樹脂の二層構造を形成すれば良い。
【0020】2−(アリールメチル)ベンズイミダゾー
ル化合物と、10〜150ppmのよう素イオンを必須
成分として含有する表面処理剤を用いて表面処理した銅
板あるいは銅合金板には、特異的に優れた耐熱性を有す
る化成被膜が形成され、その造膜速度も目立って低下し
ないものである。しかしながら、よう素イオンの濃度が
前記範囲を上廻ると、はんだ濡れ時間やクリームはんだ
の広がり等の膜物性は向上するが、処理時間を著しく長
くしなければならず作業効率が極度に低下する。また、
よう素イオンの濃度が前記範囲を下廻った場合には、化
成被膜に十分な耐熱性が得られない。
ル化合物と、10〜150ppmのよう素イオンを必須
成分として含有する表面処理剤を用いて表面処理した銅
板あるいは銅合金板には、特異的に優れた耐熱性を有す
る化成被膜が形成され、その造膜速度も目立って低下し
ないものである。しかしながら、よう素イオンの濃度が
前記範囲を上廻ると、はんだ濡れ時間やクリームはんだ
の広がり等の膜物性は向上するが、処理時間を著しく長
くしなければならず作業効率が極度に低下する。また、
よう素イオンの濃度が前記範囲を下廻った場合には、化
成被膜に十分な耐熱性が得られない。
【0021】
【実施例】以下、実施例及び比較例によって、本発明を
具体的に説明する。なお、これらの試験において金属表
面における化成被膜の厚さは、実際にプリント配線板と
して用いられている硬質銅張積層板を所定の大きさに切
断した試験片を用いて所定の浸漬処理を行い、金属表面
に化成被膜を形成したのち、0.5%の塩酸水溶液に浸
漬して、2−(アリールメチル)ベンズイミダゾール化
合物を抽出し、紫外分光光度計を用いて、この抽出液中
に含まれる2−(アリールメチル)ベンズイミダゾール
化合物の濃度を測定し、化成被膜の厚さに換算したもの
である。
具体的に説明する。なお、これらの試験において金属表
面における化成被膜の厚さは、実際にプリント配線板と
して用いられている硬質銅張積層板を所定の大きさに切
断した試験片を用いて所定の浸漬処理を行い、金属表面
に化成被膜を形成したのち、0.5%の塩酸水溶液に浸
漬して、2−(アリールメチル)ベンズイミダゾール化
合物を抽出し、紫外分光光度計を用いて、この抽出液中
に含まれる2−(アリールメチル)ベンズイミダゾール
化合物の濃度を測定し、化成被膜の厚さに換算したもの
である。
【0022】はんだ濡れ性の測定は次のようにして行っ
た。まず、試験片として5mm×50mm×0.3mmの大き
さの銅板を用い、この試験片を脱脂、ソフトエッチング
及び水洗を行ったのち、所定の液温に保持した各実施例
あるいは比較例に記載の組成からなる表面処理剤に夫々
所定時間浸漬し、次いで水洗、乾燥して試験片表面に厚
さ約0.12μmの化成被膜を夫々形成させた。
た。まず、試験片として5mm×50mm×0.3mmの大き
さの銅板を用い、この試験片を脱脂、ソフトエッチング
及び水洗を行ったのち、所定の液温に保持した各実施例
あるいは比較例に記載の組成からなる表面処理剤に夫々
所定時間浸漬し、次いで水洗、乾燥して試験片表面に厚
さ約0.12μmの化成被膜を夫々形成させた。
【0023】被膜形成処理がなされた試験片を表1に示
す条件で放置し、200℃の熱風オーブン中で10分間
加熱処理を行った。次いで、この試験片にポストフラッ
クス(商品名:JS−64MSS、(株)弘輝製)を浸
漬付着させ、はんだ濡れ時間を測定した。測定に当たっ
ては、はんだ濡れ性試験器(製品名:WET−300
0、(株)レスカ製)を用い、その測定条件ははんだ温
度250℃、浸漬深さ2mm、浸漬スピード16mm/秒と
した。
す条件で放置し、200℃の熱風オーブン中で10分間
加熱処理を行った。次いで、この試験片にポストフラッ
クス(商品名:JS−64MSS、(株)弘輝製)を浸
漬付着させ、はんだ濡れ時間を測定した。測定に当たっ
ては、はんだ濡れ性試験器(製品名:WET−300
0、(株)レスカ製)を用い、その測定条件ははんだ温
度250℃、浸漬深さ2mm、浸漬スピード16mm/秒と
した。
【0024】またクリームはんだ広がり性の試験につい
ては、次のようにして行った。試験片としては絶縁抵抗
試験に用いられるくし形電極I形〔JIS Z−319
76.8〕を用い、この試験片を脱脂、ソフトエッチン
グ及び水洗を行ったのち、前記はんだ濡れ性の測定と同
様にして表面処理剤に浸漬し、水洗、乾燥して試験片の
表面に適宜な膜厚の化成被膜を夫々形成させたのち、2
00℃のオーブン中で5分間加熱処理を行った。
ては、次のようにして行った。試験片としては絶縁抵抗
試験に用いられるくし形電極I形〔JIS Z−319
76.8〕を用い、この試験片を脱脂、ソフトエッチン
グ及び水洗を行ったのち、前記はんだ濡れ性の測定と同
様にして表面処理剤に浸漬し、水洗、乾燥して試験片の
表面に適宜な膜厚の化成被膜を夫々形成させたのち、2
00℃のオーブン中で5分間加熱処理を行った。
【0025】次いで前記試験片にクリームはんだ(商品
名:AE−53 HGI、四国化成工業(株)製)を印
刷幅3mmで一文字印刷し、赤外線リフロー装置(製品
名:MULTI−PRO−306、ヴィトロニクス社
製)を用いてリフロー加熱(ピーク温度230℃)を行
い、広がったはんだの広がり長さを測定した。
名:AE−53 HGI、四国化成工業(株)製)を印
刷幅3mmで一文字印刷し、赤外線リフロー装置(製品
名:MULTI−PRO−306、ヴィトロニクス社
製)を用いてリフロー加熱(ピーク温度230℃)を行
い、広がったはんだの広がり長さを測定した。
【0026】〔実施例1〕2−(4−クロロフェニルメ
チル)ベンズイミダゾール0.25重量%、ギ酸6重量
%及び酢酸銅0.064重量%からなるpH3.6の処
理水溶液を調製した。さらに、よう素イオン濃度が5、
10、20、50、100、150、200、300及
び400ppmとなるようによう化カリウムを溶解させ
て表面処理剤を作製した。これらの表面処理剤を用いて
試験片に形成される化成被膜の膜厚が0.12μmとな
るまでに要した処理時間、並びに処理された試験片のは
んだ濡れ時間、クリームはんだの広がった長さを測定し
た。これらの結果は表1に示したとおりであり、よう素
イオン濃度が10〜150ppmの場合において、処理
時間が1分以内と生産性に優れ、かつはんだ濡れ時間や
クリームはんだの広がり性の膜物性も優れることが判っ
た。
チル)ベンズイミダゾール0.25重量%、ギ酸6重量
%及び酢酸銅0.064重量%からなるpH3.6の処
理水溶液を調製した。さらに、よう素イオン濃度が5、
10、20、50、100、150、200、300及
び400ppmとなるようによう化カリウムを溶解させ
て表面処理剤を作製した。これらの表面処理剤を用いて
試験片に形成される化成被膜の膜厚が0.12μmとな
るまでに要した処理時間、並びに処理された試験片のは
んだ濡れ時間、クリームはんだの広がった長さを測定し
た。これらの結果は表1に示したとおりであり、よう素
イオン濃度が10〜150ppmの場合において、処理
時間が1分以内と生産性に優れ、かつはんだ濡れ時間や
クリームはんだの広がり性の膜物性も優れることが判っ
た。
【0027】
【表1】
【0028】〔実施例2〕2−(3,4−ジクロロフェ
ニルメチル)ベンズイミダゾール0.15重量%、酢酸
20重量%及び酢酸銅0.047重量%からなるpH
3.9の処理水溶液を調製し、以下実施例1と同様にし
て、前記処理水溶液のよう素イオン濃度が5、10、2
0、50、100、150、200、300及び400
ppmとなるようによう化カリウムを溶解させて表面処
理剤を作製した。これらの表面処理剤を用いて試験片に
形成される化成被膜の膜厚が0.12μmとなるまでに
要した処理時間、並びに処理された試験片のはんだ濡れ
時間、クリームはんだの広がった長さを測定した。これ
らの測定結果は表2に示したとおりであり、よう素イオ
ン濃度が10〜150ppmの場合において、処理時間
が1分以内と生産性に優れ、かつはんだ濡れ時間やクリ
ームはんだの広がり性の膜物性も優れることが判った。
ニルメチル)ベンズイミダゾール0.15重量%、酢酸
20重量%及び酢酸銅0.047重量%からなるpH
3.9の処理水溶液を調製し、以下実施例1と同様にし
て、前記処理水溶液のよう素イオン濃度が5、10、2
0、50、100、150、200、300及び400
ppmとなるようによう化カリウムを溶解させて表面処
理剤を作製した。これらの表面処理剤を用いて試験片に
形成される化成被膜の膜厚が0.12μmとなるまでに
要した処理時間、並びに処理された試験片のはんだ濡れ
時間、クリームはんだの広がった長さを測定した。これ
らの測定結果は表2に示したとおりであり、よう素イオ
ン濃度が10〜150ppmの場合において、処理時間
が1分以内と生産性に優れ、かつはんだ濡れ時間やクリ
ームはんだの広がり性の膜物性も優れることが判った。
【0029】
【表2】
【0030】〔実施例3〕2−(2,4−ジクロロフェ
ニルメチル)ベンズイミダゾール0.20重量%、酢酸
10重量%、ギ酸5重量%及び酢酸銅0.047重量%
からなるpH3.4の処理水溶液を調製した。さらに、
よう素イオン濃度が5、10、20、50、100、1
50、200、300及び400ppmとなるようによ
う化アンモニウムを溶解させた表面処理剤を作製した。
これらの表面処理剤を用いて試験片に形成される化成被
膜の膜厚が0.15μmとなるまでに要した処理時間、
並びに処理された試験片のはんだ濡れ時間、クリームは
んだの広がった長さを測定した。これらの測定結果は表
3に示したとおりであり、よう素イオン濃度が10〜1
50ppmの場合において、処理時間が1分以内と生産
性に優れ、かつはんだ濡れ時間やクリームはんだの広が
り性の膜物性も優れることが判った。
ニルメチル)ベンズイミダゾール0.20重量%、酢酸
10重量%、ギ酸5重量%及び酢酸銅0.047重量%
からなるpH3.4の処理水溶液を調製した。さらに、
よう素イオン濃度が5、10、20、50、100、1
50、200、300及び400ppmとなるようによ
う化アンモニウムを溶解させた表面処理剤を作製した。
これらの表面処理剤を用いて試験片に形成される化成被
膜の膜厚が0.15μmとなるまでに要した処理時間、
並びに処理された試験片のはんだ濡れ時間、クリームは
んだの広がった長さを測定した。これらの測定結果は表
3に示したとおりであり、よう素イオン濃度が10〜1
50ppmの場合において、処理時間が1分以内と生産
性に優れ、かつはんだ濡れ時間やクリームはんだの広が
り性の膜物性も優れることが判った。
【0031】
【表3】
【0032】〔実施例4〕2−(2−クロロフェニルメ
チル)ベンズイミダゾール0.50重量%、ギ酸8重量
%及び酢酸銅0.055重量%からなるpH3.5の処
理水溶液を調製した。さらに、よう素イオン濃度が5、
10、20、50、100、150、200、300及
び400ppmとなるようによう化ナトリウムを溶解さ
せて表面処理剤を作製した。これらの表面処理剤を用い
て試験片に形成される化成被膜の膜厚が0.15μmと
なるまでに要した処理時間、並びに処理された試験片の
はんだ濡れ時間、クリームはんだの広がった長さを測定
した。これらの測定結果は表4に示したとおりであり、
よう素イオン濃度が10〜150ppmの場合におい
て、処理時間が1分以内と生産性に優れ、かつはんだ濡
れ時間やクリームはんだの広がり性の膜物性も優れるこ
とが判った。
チル)ベンズイミダゾール0.50重量%、ギ酸8重量
%及び酢酸銅0.055重量%からなるpH3.5の処
理水溶液を調製した。さらに、よう素イオン濃度が5、
10、20、50、100、150、200、300及
び400ppmとなるようによう化ナトリウムを溶解さ
せて表面処理剤を作製した。これらの表面処理剤を用い
て試験片に形成される化成被膜の膜厚が0.15μmと
なるまでに要した処理時間、並びに処理された試験片の
はんだ濡れ時間、クリームはんだの広がった長さを測定
した。これらの測定結果は表4に示したとおりであり、
よう素イオン濃度が10〜150ppmの場合におい
て、処理時間が1分以内と生産性に優れ、かつはんだ濡
れ時間やクリームはんだの広がり性の膜物性も優れるこ
とが判った。
【0033】
【表4】
【0034】〔比較例1〕2−(5−フェニルペンチ
ル)ベンズイミダゾール0.40重量%、酢酸8重量%
及び酢酸銅0.047重量%からなるpH3.6の処理
水溶液を調製し、以下実施例1と同様にして、よう素イ
オン濃度が5、10、20、50、100、150、2
00、300及び400ppmとなるようによう化カリ
ウムを溶解させて表面処理剤を作製した。これらの表面
処理剤を用いて試験片に形成される化成被膜の膜厚が
0.12μmとなるまでに要した処理時間、並びに処理
された試験片のはんだ濡れ時間、クリームはんだの広が
った長さを測定した。これらの測定結果は表5に示した
とおりであり、前記実施例と異なり、よう素イオンを加
えることによって造膜性の低下が起こり、膜物性の改善
効果が小さく全てを満足することはできなかった。
ル)ベンズイミダゾール0.40重量%、酢酸8重量%
及び酢酸銅0.047重量%からなるpH3.6の処理
水溶液を調製し、以下実施例1と同様にして、よう素イ
オン濃度が5、10、20、50、100、150、2
00、300及び400ppmとなるようによう化カリ
ウムを溶解させて表面処理剤を作製した。これらの表面
処理剤を用いて試験片に形成される化成被膜の膜厚が
0.12μmとなるまでに要した処理時間、並びに処理
された試験片のはんだ濡れ時間、クリームはんだの広が
った長さを測定した。これらの測定結果は表5に示した
とおりであり、前記実施例と異なり、よう素イオンを加
えることによって造膜性の低下が起こり、膜物性の改善
効果が小さく全てを満足することはできなかった。
【0035】
【表5】
【0036】〔比較例2〕2−ベンジルベンズイミダゾ
ール1.0重量%、ギ酸4重量%及び酢酸銅0.094
重量%からなるpH3.5の処理水溶液を調製し、以下
実施例1と同様にして、前記処理水溶液のよう素イオン
濃度が5、10、20、50、100、150、20
0、300及び400ppmとなるようによう化カリウ
ムを溶解させて表面処理剤を作製した。これらの表面処
理剤を用いて試験片に形成される化成被膜の膜厚が0.
12μmとなるまでに要した処理時間、並びに処理され
た試験片のはんだ濡れ時間、クリームはんだの広がった
長さを測定した。これらの測定結果は表6に示したとお
りであり、処理時間が著しく長くなり且つ膜物性の改善
効果も小さく、全てを満足する結果は得られなかった。
ール1.0重量%、ギ酸4重量%及び酢酸銅0.094
重量%からなるpH3.5の処理水溶液を調製し、以下
実施例1と同様にして、前記処理水溶液のよう素イオン
濃度が5、10、20、50、100、150、20
0、300及び400ppmとなるようによう化カリウ
ムを溶解させて表面処理剤を作製した。これらの表面処
理剤を用いて試験片に形成される化成被膜の膜厚が0.
12μmとなるまでに要した処理時間、並びに処理され
た試験片のはんだ濡れ時間、クリームはんだの広がった
長さを測定した。これらの測定結果は表6に示したとお
りであり、処理時間が著しく長くなり且つ膜物性の改善
効果も小さく、全てを満足する結果は得られなかった。
【0037】
【表6】
【0038】〔比較例3〕実施例1において、よう化カ
リウムを臭化カリウムに置き換え、処理水溶液に臭素イ
オン濃度が5、10、20、50、100、150、2
00、300及び400ppmとなる表面処理剤を作製
した。これらの表面処理剤を用いて試験片に形成される
化成被膜の膜厚が0.12μmとなるまでに要した処理
時間、並びに処理された試験片のはんだ濡れ時間、クリ
ームはんだの広がった長さを測定した。これらの測定結
果は表7に示したとおりであり、臭素イオンは造膜性の
低下が小さい代わりに膜物性、特にクリームはんだの広
がり性の改善効果が小さく、実施例1による表面処理剤
が全ての項目において満足し得ることが判った。
リウムを臭化カリウムに置き換え、処理水溶液に臭素イ
オン濃度が5、10、20、50、100、150、2
00、300及び400ppmとなる表面処理剤を作製
した。これらの表面処理剤を用いて試験片に形成される
化成被膜の膜厚が0.12μmとなるまでに要した処理
時間、並びに処理された試験片のはんだ濡れ時間、クリ
ームはんだの広がった長さを測定した。これらの測定結
果は表7に示したとおりであり、臭素イオンは造膜性の
低下が小さい代わりに膜物性、特にクリームはんだの広
がり性の改善効果が小さく、実施例1による表面処理剤
が全ての項目において満足し得ることが判った。
【0039】
【表7】
【0040】〔比較例4〕実施例1において、よう化カ
リウムを塩化カリウムに置き換え、処理水溶液に塩素イ
オン濃度が5、10、20、50、100、150、2
00、300及び400ppmとなる表面処理剤を作製
した。これらの表面処理剤を用いて試験片に形成される
化成被膜の膜厚が0.12μmとなるまでに要した処理
時間、並びに処理された試験片のはんだ濡れ時間、クリ
ームはんだの広がった長さを測定した。これらの測定結
果は表7に示したとおりであり、塩素イオンは造膜性の
低下が最も小さいものの、クリームはんだの広がり性な
どの膜物性の改善効果も最も小さいものであり、実施例
1による表面処理剤が全ての項目において満足し得るこ
とが判った。
リウムを塩化カリウムに置き換え、処理水溶液に塩素イ
オン濃度が5、10、20、50、100、150、2
00、300及び400ppmとなる表面処理剤を作製
した。これらの表面処理剤を用いて試験片に形成される
化成被膜の膜厚が0.12μmとなるまでに要した処理
時間、並びに処理された試験片のはんだ濡れ時間、クリ
ームはんだの広がった長さを測定した。これらの測定結
果は表7に示したとおりであり、塩素イオンは造膜性の
低下が最も小さいものの、クリームはんだの広がり性な
どの膜物性の改善効果も最も小さいものであり、実施例
1による表面処理剤が全ての項目において満足し得るこ
とが判った。
【0041】
【表8】
【0042】
【発明の効果】この発明の表面処理剤は、特定の2−
(アリールメチル)ベンズイミダゾール化合物を造膜成
分とし、その水溶液によう素化合物をよう素イオン濃度
が所定量となる範囲で配合することにより、はんだ濡れ
時間、クリームはんだの広がり等の膜物性が特異的に優
れており、しかもプリント配線基板の処理ラインにおけ
る生産性が良好であるなど、実践面の効果は多大であ
る。
(アリールメチル)ベンズイミダゾール化合物を造膜成
分とし、その水溶液によう素化合物をよう素イオン濃度
が所定量となる範囲で配合することにより、はんだ濡れ
時間、クリームはんだの広がり等の膜物性が特異的に優
れており、しかもプリント配線基板の処理ラインにおけ
る生産性が良好であるなど、実践面の効果は多大であ
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 化1で示される2−(アリールメチル)
ベンズイミダゾール化合物と、10〜150ppmのよ
う素イオンを必須成分として含有する水溶液からなる銅
及び銅合金の表面処理剤。 【化1】 式中、R1 ,R2 は水素原子またはハロゲン原子であ
り、R1 及びR2 のいずれもが水素原子で示される化合
物を除く。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6930097A JPH10245684A (ja) | 1997-03-05 | 1997-03-05 | 銅及び銅合金の表面処理剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6930097A JPH10245684A (ja) | 1997-03-05 | 1997-03-05 | 銅及び銅合金の表面処理剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10245684A true JPH10245684A (ja) | 1998-09-14 |
Family
ID=13398589
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6930097A Pending JPH10245684A (ja) | 1997-03-05 | 1997-03-05 | 銅及び銅合金の表面処理剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10245684A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005060754A (ja) * | 2003-08-08 | 2005-03-10 | Nikko Materials Co Ltd | 銅、銅合金の表面処理剤 |
WO2007007945A1 (en) * | 2005-07-07 | 2007-01-18 | Baik Yang Chemical Co., Ltd. | Preflux composition |
-
1997
- 1997-03-05 JP JP6930097A patent/JPH10245684A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005060754A (ja) * | 2003-08-08 | 2005-03-10 | Nikko Materials Co Ltd | 銅、銅合金の表面処理剤 |
WO2007007945A1 (en) * | 2005-07-07 | 2007-01-18 | Baik Yang Chemical Co., Ltd. | Preflux composition |
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