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JPH10228931A - 二次電池の充放電サイクル寿命のモニタ素子 - Google Patents

二次電池の充放電サイクル寿命のモニタ素子

Info

Publication number
JPH10228931A
JPH10228931A JP9030348A JP3034897A JPH10228931A JP H10228931 A JPH10228931 A JP H10228931A JP 9030348 A JP9030348 A JP 9030348A JP 3034897 A JP3034897 A JP 3034897A JP H10228931 A JPH10228931 A JP H10228931A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrolyte
charge
alkali metal
positive electrode
negative electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP9030348A
Other languages
English (en)
Inventor
Fumio Takei
文雄 武井
Hiroaki Yoshida
宏章 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP9030348A priority Critical patent/JPH10228931A/ja
Publication of JPH10228931A publication Critical patent/JPH10228931A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Measurement Of Resistance Or Impedance (AREA)
  • Tests Of Electric Status Of Batteries (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 二次電池の充放電サイクル寿命を客観的に把
握するのを可能にするモニタ素子を提供する。 【解決手段】 絶縁性容器と、この容器内に収容され
た、正極集電体11、正極物質12、電解質13、負極
物質14、及び負極集電体15を順次横に並べて形成し
た集成体とを含み、且つ、この集成体の充放電サイクル
寿命を検知可能な手段を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二次電池の充放電
サイクル寿命をモニタするための素子に関する。より詳
しく言えば、本発明は,アルカリ金属、アルカリ金属と
IIA族又はIII A族の金属からなる合金、又はアルカリ
金属インターカレーションの可能な炭素系材料からなる
負極を含む二次電池の充放電サイクル寿命に相当する信
号ないしは情報を外部に出力可能なモニタ機能を有する
素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、マイクロエレクトロニクス、とり
わけ半導体素子製造技術の顕著な進歩により、大規模集
積回路(VLSI)に代表される、高度に集積化された
高機能デバイスが実現されている。これを種々の装置の
制御系に採用することにより、電子機器は飛躍的な小型
化を達成して、各種産業のみならず、一般家庭における
家電製品の小型化・多機能化にも大きく貢献している。
【0003】このように小型化した電子機器は、自立し
た電源装置を有し、商用電源等に頼ることなく動作可能
な、いわゆるコードレス化の方向に進んでいる。電源装
置としては、一般的に電池が用いられており、中でも、
繰り返し充電して使用可能な、いわゆる二次電池は、1
回の充放電当たりのコストを非常に安くできるため、携
帯電話やハンドヘルドパーソナルコンピュータなどの携
帯式情報機器の電源として有用である。そしてこれらの
電子機器全体の小型軽量化や装置の長時間オペレーショ
ンのために、小型・大容量の高性能電池の開発が求めら
れている。
【0004】電子機器全体の小型軽量化に適したものと
して、近年、電池における重要な構成要素である電解質
として高分子固体電解質を用いた電池が注目されてい
る。これは、固体電解質は電池固有の問題である漏液の
問題がなく、また従来の溶液系の電池に比べて引火性が
低くなるため、安全性が向上すること、及び高分子固体
電解質の優れた製造性により、電池自身の加工性が向上
し、薄型で自由な形状の電池を実現可能である等の特長
を有するためである。電荷のキャリアとしては、起電力
が高く、軽いイオンを提供できるリチウムを使用した、
いわゆるリチウム電池が代表的である。
【0005】従来、このようなリチウムを使用する二次
電池系の固体電解質においては、高分子固体電解質とし
て、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリロニトリル、
ポリビニルピリジン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアル
コール、あるいはこれらの高分子材料にアクリル基、ビ
ニル基、エポキシ基などの反応性官能基を導入した誘導
体など、比較的誘電率の高い高分子材料のマトリクス
に、カチオンとしてリチウムを含む無機塩を含有させて
作られたもの、あるいはそのような無機塩に分極の大き
い有機溶媒を添加して、全体として大きなイオン導電率
を与える系としたものを上記の如き高分子材料マトリク
スに含有させて作られたものが使用されている。電荷の
キャリアであるリチウムイオンは、LiBF4 ,LiP
6 ,LiClO4 などの無機リチウム塩に由来する。
そしてこれらの無機塩は、電解質中で十分に解離しなく
てはならず、且つリチウムイオンは、電池の分極を解消
すべく、十分な速度で移動しなければならない。
【0006】これらの条件を満足する固体電解質とし
て、例えば、ポリエチレンオキサイドにプロピレンカー
ボネート(炭酸プロピレン)などの非水溶液系有機溶媒
を添加し、更にこれにLiPF6 を1〜3M添加(溶
解)させた系を使用することができる。このような系
は、薄いシート状の電池を構成可能であり、電池形状の
任意性が高いという利点を有する。
【0007】高分子電解質は、全体として固体でありな
がらそのマトリクス中をイオンが移動できるため、高分
子電解質を挟んで正極と負極を対向させることにより電
池を形成することができる。特に、導電性を向上させ、
電池の容量特性並びに放電レート特性を向上させるに
は、有機溶媒成分の含量を増大させ、これを安定に保持
することがポイントである。
【0008】しかし、上述した高分子固体電解質を使用
した電池のみならず、一般的に充電と放電を繰り返して
行える、いわゆる二次電池においては、充放電を繰り返
すに従い、徐々に1回当たりの使用時間(放電容量)が
減少してくる。これは、電池の構成要素であるところの
正極、負極、あるいは電解質のいずれかが劣化してくる
ために起こる現象であり、電池の充放電サイクル寿命を
決定する要因となっている。通常、この劣化の程度は、
1回当たりの使用可能時間の減少によって判断している
が、これは主観的なものに過ぎない。また、常時使用し
ている電池であれば、使用可能時間の減少は明確にわか
るが、使用頻度の低い電池については、使用可能時間の
減少は電池がほとんど使いものにならない状態に至って
から結果として知ることになり、事前に寿命の到来を予
知することが困難である。この現象は特に、金属箔を負
極材料として使用した電池において顕著である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、二次
電池の充放電サイクル特性(寿命)の客観的な把握の手
段として、二次電池の充放電サイクル寿命に相当する信
号ないしは情報を外部に出力可能なモニタ機能を有する
素子を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の二次電池充放電
サイクル寿命のモニタ素子は、絶縁性容器と、この容器
内に収容された、正極集電体、正極物質、電解質、負極
物質、及び負極集電体を順次横に並べて形成した集成体
とを含み、且つ、この集成体の充放電サイクル寿命を検
知可能な手段を有することを特徴とする。
【0011】好ましくは、電解質は高分子固体電解質で
あり、より好ましくはアルカリ金属イオンを電荷のキャ
リアとする高分子固体電解質である。アルカリ金属イオ
ンはリチウムイオンであるのが好ましい。
【0012】正極物質と負極物質は、本発明のモニタ素
子を有効に使用することができる限りどのような材料で
作製してもよい。アルカリ金属イオンを電荷のキャリア
とする高分子固体電解質を使用する場合について言え
ば、正極物質はアルカリ金属インターカレーションが可
能な金属酸化物、酸化還元能を有する導電性高分子、又
はそれらの複合体から作られ、また負極物質はアルカリ
金属、アルカリ金属とIIA族又はIII A族の金属との合
金、又はアルカリ金属インターカレーションが可能な炭
素系材料から作られる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1に、本発明による二次電池の
充放電サイクル寿命のモニタ用素子の基本構成を示す。
図1(a)はモニタ素子の平面図であり、図1(b)は
図1(a)のB−B線断面図である。この図に示したモ
ニタ素子10は、二枚の絶縁性部材16、16’の間に
順次薄膜状に横に並べて形成された正極集電体11、正
極物質12、電解質13、負極物質14、負極集電体1
5の各層の集成体から構成されている。すなわちこのモ
ニタ素子は、電池の構成要素を薄膜状に一次元的に圧縮
したものに相当している。図1(b)から明らかなよう
に、この集成体の両側には絶縁性のパッキング17が配
置されている。また、正極集電体と負極集電体とには、
外部との電気的接続のための端子等の手段(図示せず)
が設けられる。このように、正極集電体、正極物質、電
解質、負極物質及び負極集電体からなる集成体は、外部
との電気的接続のための上記の手段を除いて、全体が絶
縁性の容器内に収容されて外部から隔離される。この素
子10を使って二次電池の充放電サイクル寿命をモニタ
するためには、この素子をモニタしようとする電池(以
下、被モニタ電池と称する)と並列に接続して使用す
る。
【0014】電解質13としては、液状の電解質を使用
可能であるとは言え、本発明において好適な電解質は、
液漏れの懸念なく使用でき、特に薄膜状にするといった
ような形状選択性に優れた高分子固体電解質である。そ
のような高分子固体電解質は、例えば、ポリエチレンオ
キサイド、ポリアクリルニトリル、ポリビニルピリジ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、各種多糖
類などから形成された高分子マトリクスに、過塩素酸リ
チウム(LiClO4 )、テトラフルオロホウ酸リチウ
ム(LiBF4 )、テトラフルオロスルホン酸リチウム
(LiSF4 )などに代表される、カチオンとしてアル
カリ金属イオンを含む無機塩を含有させたものである。
また、上記の如き高分子マトリクスに、アルカリ金属イ
オンを含む無機塩と、プロピレンカーボネート、エチレ
ンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメトキシエ
タン、γ−ブチロラクトンなどの有機溶媒とを含有させ
て形成した高分子固体電解質も、有利に使用することが
できる。更に、高分子固体電解質の機械的特性の向上を
目的として、高分子マトリクスを適当な粒子を予め混合
・分散させた単量体溶液あるいは高分子溶液から形成し
たものを使用することも可能である。
【0015】正極物質12としては、コバルト酸化物、
バナジウム酸化物、マンガン酸化物、ニッケル酸化物な
どのアルカリ金属インターカレーションが可能な金属酸
化物、あるいはそれらの複合体を用いることができる。
このような正極活物質材料と、結着能のある材料、例え
ばポリテトラフルオロエチレン、フッ素化エチレン−プ
ロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素
化ポリマー、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸
メチル、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンオキサイ
ドなどの熱可塑性ポリマーなどとの合剤を、正極材料と
して使用してもよい。このとき、正極材料と集電体との
接触性を高める目的で、アセチレンブラック、グラファ
イトなどのカーボン系の導電化剤を混合してもよい。ま
た、酸化還元挙動に基づく電気化学ポテンシャルを利用
することができる高分子物質、例えばポリアニリン、ポ
リピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレンなどの、
いわゆる導電性高分子と呼ばれる範疇に属する高分子物
質を、正極物質として用いてもよい。あるいは、上記の
金属酸化物系の正極活物質と、導電性高分子材料を複合
化して用いてもよい。
【0016】一方、負極物質14としては、還元性の大
きい、すなわち容易に酸化される性質を有する物質が使
用される。代表例を挙げるとすれば、アルカリ金属や、
アルカリ金属とアルカリ土類金属又はアルミニウムなど
との合金を使用することができる。アルカリ金属として
好ましいものはリチウムである。あるいは、電荷キャリ
アとなるアルカリ金属のインターカレーションが可能な
炭素系材料(例えば、コークス系カーボン、グラファイ
ト系カーボン、ピッチ系カーボンなど)も、負極材料と
して使用可能である。
【0017】本発明のモニタ素子を構成する、正極集電
体、正極物質、電解質、負極物質及び負極集電体からな
る集成体の形状はどのようなものでもよい。とは言え、
簡便性の点から特に好ましいのは、薄膜状に形成された
ものを使用することである。上述の正極物質、負極物
質、及び高分子固体電解質の材料は、いずれも周知の方
法により成形して容易に薄膜にすることができる。一例
として、高分子固体電解質層の形成を説明すれば、高分
子マトリクス形成用の単量体溶液又は高分子溶液(場合
により、機械的特性の向上を目的とする粒子を前もって
混合・分散させてもよい)を、本発明のモニタ素子の一
方の絶縁性部材の上に塗布・展開し、所定の方法によ
り、例えば乾燥によるフィルム化により、あるいは光と
熱の作用又は光と熱のどちらかの作用により重合させ
て、固体化させることで、薄膜状の高分子固体電解質を
容易に得ることができる。
【0018】本発明のモニタ素子では、正負電極間の距
離や各層の寸法等は、検出すべき電池の容量等に応じて
適宜設計することができる。上記のような薄膜状の層の
集成体から構成された本発明の好ましいモニタ素子にあ
っては、正極と負極の互いに向き合った面の面積、すな
わち間に存在する電解質を介して電流が流れる電極反応
部の面積Sと、正極−負極間の距離dとの比S/dを、
100以下とすることができる。例えば、下記の実施例
の場合について言えば、電極反応部の面積S=0.1×
10=1mm2 であり、距離d=1mmであることか
ら、S/d=1mmであることがわかる。これに対し、
モニタ素子によりモニタしようとする電池自身の場合に
は、電極反応部の面積が相対的に大きくなり、電極間の
距離が逆に小さくなることから、S/d比は100より
も格段に大きくなる。例を挙げれば、現行の代表的なリ
チウムイオン電池の場合、S/d=80,000程度で
あり、またコイン型リチウムイオン電池の場合、S/d
=2,000程度である。このように、本発明のモニタ
素子においてS/d比が通常の電池よりも格段に小さい
理由は、モニタ素子では電池容量を大きくする必要がな
いため電極反応部の面積を非常に小さくすることができ
るからであり、すなわち被モニタ電池に比べてモニタ素
子を相当小型化することができるからである。
【0019】絶縁性部材16、16’は、それらの間に
正極集電体、正極物質、電解質、負極物質及び負極集電
体からなる集成体を挟持して保持するためのものであ
る。これらの部材を含めて、モニタ素子の集成体を収容
する容器を構成する材料は、絶縁性があり、外部から水
分等が侵入するのを効果的に防ぐことができるものを好
適に使用することができる。被モニタ電池の充放電サイ
クル寿命が尽きかけたことを検出するため、後述のよう
に電極物質や電解質部の劣化を外部から目視観察する場
合には、これを可能にするよう、容器を構成する材料の
うちの少なくとも一部は、電極物質や電解質部の全部又
は一部を目視できるものとする必要がある。このために
は、例えばガラス等の材料を有利に使用することができ
る。
【0020】正極集電体と負極集電体とについては、通
常の電池で使用されている材料を使用することが可能で
ある。一例を挙げると、ステンレス鋼のような材料を用
いることができる。
【0021】正極物質、負極物質及び電解質としては、
充放電サイクル寿命を監視すべき電池におけるそれらの
材料と同一のものを使用することが望ましい。とは言
え、より確実な監視を行うことを目的として、電池にお
ける実際の材料とは異なる材料を適宜選択することも可
能である。例えば、モニタ素子における正極物質、負極
物質及び電解質の材料の一つとして、被モニタ電池にお
ける材料より多少劣化の早いものを使用すれば、被モニ
タ電池の充放電サイクル寿命が完全に尽きる前に寿命の
到来を確実に検知することができる。
【0022】本発明のモニタ素子を使って二次電池の充
放電サイクル寿命を監視するためには、モニタ素子を被
モニタ電池に対して並列に接続することにより、電池と
同一の条件で充放電が進行するようにする。これによ
り、モニタ素子の構成材料を被モニタ電池の構成材料が
変化を受けるのと同じ条件にさらすことができ、そのた
めモニタ素子の集成体の充放電サイクル寿命を外部に知
らせる信号あるいは情報を、被モニタ電池の構成材料の
劣化の状態に相当する信号あるいは情報として表示する
ことがきる。例えば、負極物質としてリチウムを採用し
たリチウムイオン電池をこの電池の構成材料と同じもの
で構成した集成体を含むモニタ素子により監視しようと
する場合には、リチウム負極表面は初期には金属状態を
呈しているが、充放電サイクルの進行とともに界面が灰
色に変色し、この変色を透明な絶縁性部材を通して外部
から観察すれば、その状態が一目瞭然となる。充放電サ
イクルに伴う標準的な変色状態を予め測定し、標準色見
本として参照するようにしておくことで、使用回数を定
量的に割り出すことができるようになる。また、この透
明な絶縁性部材の一部に、電極及び電解質部の観察を容
易にするためのレンズ構造を導入することで、より確実
な検出を可能にすることもできる。
【0023】このような視覚的検出手段以外に、モニタ
素子における電気的インピーダンスの変化を測定しても
よい。これにより、更に定量的な検出が可能となる。こ
の場合は、被モニタ電池と同時に充放電されるモード
と、インピーダンス測定用のモードとの切替え回路を設
けておくことが望ましい。あるいは別法として、コール
−コールプロット(Cole−Coleプロット)を利
用して、測定に交流を使用し、回路に交流を分離するた
めのインダクタンス成分を挿入することで、被モニタ電
池にモニタ素子を接続したままでも測定可能となる。図
2に、このようなコール−コールプロットでの測定のた
めの回路構成の例を示す。
【0024】
【実施例】次に、実施例により本発明を更に説明する。
【0025】〔実施例1〕1cm四方のガラス板(厚み
1mm)上に、正極、負極、及び固体高分子電解質を配
置して、モニタ素子を製作した。正極及び負極とも、幅
10mm、長さ10mm、厚み100μmのステンレス
箔による集電体の端部に、それぞれ正極物質及び負極物
質を接合させて製作した。
【0026】正極については、まず、1N塩酸酸性の
0.2Mアニリン水溶液にアニリンと等モルの過硫酸ア
ンモニウムを添加し、−5℃で化学重合させて、溶媒可
溶性のポリアニリンを得た。このポリアニリンをアンモ
ニア水溶液中で煮沸還流し、続いて純水で洗浄後、加熱
乾燥して、脱ドーピングされた酸化体を得た。次に、こ
のポリアニリン酸化体1重量部をN−メチル−2−ピロ
リドン90重量部に溶解して得た溶液に、コバルト酸リ
チウム(LiCoO2 )5重量部とアセチレンブラック
1重量部を加え、十分に攪拌・分散した混合液を調製し
た。この溶液を、ガラス支持体上に配置したSUS 3
04による正極側集電体(幅10mm、厚み100μ
m)の端部に塗布して150℃で1時間、減圧乾燥して
正極を得た。
【0027】負極側は、リチウム箔(厚み100μ)を
正極側と同様にガラス支持体上に配置したSUS 30
4による負極側集電体に接合して作製した。このとき、
対向する正極物質と負極物質との間隔が1mmとなるよ
うにした。
【0028】固体電解質形成用の重合反応液として、5
00部のポリエチレンオキサイドモノアクリレート(共
栄化学社製ライトアクリレート 90G)と50重量部
のポリエチレンオキサイドジアクリレート(共栄化学社
製ライトアクリレート 9EG−A)を、1Mの四フッ
化ほう酸リチウムを含む500重量部のプロピレンカー
ボネートに溶解し、更に1重量部のリボフラビンと1重
量部の過酸化ベンゾイルを混合・溶解した溶液を調製し
た。
【0029】次に、正極−負極電極間に上記の電解質形
成溶液を流延し、支持体として用いたものと同じ上部ガ
ラス板で蓋をした後、ガラス板を通して超高圧水銀ラン
プの紫外光(1mW/cm2 )を5分間照射し、固体高
分子電解質を形成させて、素子を完成した。
【0030】こうして作製した素子を、この素子を構成
している材料と同一の材料を使って構成された被モニタ
電池(容量30mAh)に対して並列に接続して、0.
5Cの充放電条件でサイクル特性を調べたところ、素子
の負極表面が徐々に灰黒色に変化するのが観察され、そ
して約100回の充放電後に被モニタ電池の容量が初期
の50%を下回り、これとともに最初は透明であった素
子の電解質部が完全に不透明になった。これより、電解
質部の観察によって、当該箇所が不透明になった時点で
被モニタ電池の寿命とすることができるようになった。
【0031】〔実施例2〕実施例1と同様の構成の素子
を作製した。但し、この例においては、正極と固体高分
子電解質をそれぞれ次のようにして作った。
【0032】正極については、コバルト酸リチウムとア
セチレンブラックの9:1混合粉末40重量部に対し、
末端エポキシ化エチレングリコール(ナガセ化成社製E
X−810)8重量部、ジアミノジフェニルメタン1重
量部と、プロピレンカーボネート110重量部を混合・
混練し、SUS 304の正極集電体端部に塗布して1
50℃で30分乾燥して作製した。
【0033】固体高分子電解質については、多糖類の一
種であるプルランのシアノエチル化誘導体(信越化学社
製シアノエチル化プルラン、CR−S)100重量部
を、1Mの四フッ化ほう酸リチウムを含む900部のプ
ロピレンカーボネートに溶解し、更に架橋剤としてポリ
エチレンオキサイドジアクリレート(共栄化学社製ライ
トアクリレート 9EG−A)50部を混合した。この
混合液に、1重量部のリボフラビンと1重量部の過酸化
ベンゾイルを混合・溶解して電解質の反応重合液を得
た。
【0034】得られた素子について、実施例1と同様に
被モニタ電池に対し並列に接続して充放電条件でサイク
ル特性を調べたところ、やはり実施例1と同じように、
素子の負極表面が徐々に灰黒色に変化するのが観察さ
れ、約100回の充放電サイクルで被モニタ電池の容量
が初期の50%を下回り、初めは透明であったセルの電
解質部が完全に不透明になった。これより、電解質部の
観察によって、当該箇所が不透明になった時点で被測定
電池の寿命とすることができるようになった。
【0035】〔実施例3〕この例の素子の構成について
は、実施例2と同様とした。この素子の交流インピーダ
ンス(周波数1kHz)を充放電サイクル毎に測定した
ところ、100回近く充放電を繰り返した時点で、初期
の10kΩから急激に100kΩに上昇した。これは、
実施例2で確認された被モニタ電池の寿命と一致してい
た。
【0036】〔実施例4〕この例の素子の構成について
も、実施例2と同様とした。この素子を100mHのコ
イルを介して被モニタ電池と接続した上で、この接続を
保持したまま素子両端の交流インピーダンスを充放電サ
イクル毎に測定したところ、やはり実施例3と同様に1
00回近くの充放電サイクル後に初期の10kΩから急
激に100kΩに上昇が見られた。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
本発明のモニタ素子の正極集電体、正極物質、電解質、
負極物質及び負極集電体からなる集成体と同じ又は同等
の材料構成を採用した二次電池の使用程度を、電池自身
の分解等を行うことなく客観的に知ることができ、ひい
ては電池寿命を確実に且つ定量的に予測可能となる。こ
のため、二次電池を使用する電気機器の作動時の信頼性
が高まるとともに、電池の所定寿命を正当に使い切るこ
とが可能となることから、不要の電池交換の機会を低減
でき、経済性が向上する。それとともに、資源の無駄づ
かいの予防と製造エネルギーの節約にもつながり、環境
への悪影響を少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のモニタ素子の構成を説明する図であっ
て、(a)はその平面図、(b)は(a)のB−B線断
面図である。
【図2】コール−コールプロットでの測定のための回路
構成を例示する図である。
【符号の説明】
10…モニタ素子 11…正極集電体 12…正極物質 13…電解質 14…負極物質 15…負極集電体 16、16’…絶縁性部材 17…パッキング

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性容器と、この容器内に収容され
    た、正極集電体、正極物質、電解質、負極物質、及び負
    極集電体を順次横に並べて形成した集成体とを含み、且
    つ、この集成体の充放電サイクル寿命を検知可能な手段
    を有することを特徴とする、二次電池の充放電サイクル
    寿命のモニタ素子。
  2. 【請求項2】 前記電解質がアルカリ金属イオンを電荷
    のキャリアとする高分子固体電解質であり、前記正極物
    質がアルカリ金属インターカレーションが可能な金属酸
    化物、酸化還元能を有する導電性高分子、又はそれらの
    複合体から作られ、そして前記負極物質がアルカリ金
    属、アルカリ金属とIIA族又はIII A族の金属からなる
    合金、又はアルカリ金属インターカレーションが可能な
    炭素系材料から作られていることを特徴とする、請求項
    1記載のモニタ素子。
  3. 【請求項3】 前記アルカリ金属イオンがリチウムイオ
    ンである、請求項2記載のモニタ素子。
  4. 【請求項4】 前記正極物質と前記負極物質の前記電解
    質を介して互いに向き合った面の面積Sと、これらの互
    いに向き合った面間の距離dとの比S/dが100以下
    であることを特徴とする、請求項1から3までのいずれ
    か一つに記載のモニタ素子。
  5. 【請求項5】 前記充放電サイクル寿命を検知可能な手
    段が前記容器を構成する材料のうちの少なくとも一部で
    あり、前記電極物質あるいは電解質の全部又は一部を目
    視可能にするものであることを特徴とする、請求項1か
    ら4までのいずれか一つに記載のモニタ素子。
  6. 【請求項6】 前記充放電サイクル寿命を検知可能な手
    段が前記集成体の電気的インピーダンスの変化を測定す
    るものであることを特徴とする、請求項1から4までの
    いずれか一つに記載のモニタ素子。
  7. 【請求項7】 アルカリ金属インターカレーションが可
    能な金属酸化物、酸化還元能を有する導電性高分子、又
    はそれらの複合体から作られた正極と、アルカリ金属、
    アルカリ金属とIIA族又はIII A族の金属からなる合
    金、又はアルカリ金属インターカレーションが可能な炭
    素系材料から作られた負極と、これらの正極と負極の間
    に配置された、アルカリ金属イオンを電荷キャリアとす
    る高分子固体電解質によって構成された二次電池であっ
    て、当該二次電池の正極、負極及び電解質と同じ又は同
    等の材料を用いて構成されそして当該二次電池と並列に
    接続された集成体を含み且つこの集成体の充放電サイク
    ル寿命を検知可能な手段を有するモニタ素子を備えてい
    ることを特徴とする二次電池。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013054813A1 (ja) * 2011-10-13 2013-04-18 学校法人早稲田大学 電池システムおよび電池の評価方法

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WO2013054813A1 (ja) * 2011-10-13 2013-04-18 学校法人早稲田大学 電池システムおよび電池の評価方法

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