JPH10215893A - デキストリンの製造方法 - Google Patents
デキストリンの製造方法Info
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- JPH10215893A JPH10215893A JP3860997A JP3860997A JPH10215893A JP H10215893 A JPH10215893 A JP H10215893A JP 3860997 A JP3860997 A JP 3860997A JP 3860997 A JP3860997 A JP 3860997A JP H10215893 A JPH10215893 A JP H10215893A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 従来の製造方法に比較してろ過や脱イオンの
操作の実施が容易であり、且つ歩留まりが高く、経済的
に有利なデキストリンの製造方法を提供する。 【解決手段】 トウモロコシ澱粉に水を加えて固形分濃
度5〜30重量%のスラリーとし、均一に混合しながら
水酸化カルシウムを加えてpH9.5〜12.4に調節
して温度95〜150℃で加熱し、中和した後に、酵素
液化し、粘度の低い液化液を得る。
操作の実施が容易であり、且つ歩留まりが高く、経済的
に有利なデキストリンの製造方法を提供する。 【解決手段】 トウモロコシ澱粉に水を加えて固形分濃
度5〜30重量%のスラリーとし、均一に混合しながら
水酸化カルシウムを加えてpH9.5〜12.4に調節
して温度95〜150℃で加熱し、中和した後に、酵素
液化し、粘度の低い液化液を得る。
Description
【0001】
【0002】本発明は、澱粉からデキストリンを製造す
る方法に関する。
る方法に関する。
【0003】
【0004】デキストリンとは、一般に、澱粉を酸やア
ミラーゼ等で加水分解して得られる種々の重合度の分解
生成物の混合物の総称であり、多くは特別な構造上の特
徴を持たず、分子量も一定のものではない。
ミラーゼ等で加水分解して得られる種々の重合度の分解
生成物の混合物の総称であり、多くは特別な構造上の特
徴を持たず、分子量も一定のものではない。
【0005】一般に、ヨウ素澱粉反応での呈色の程度に
よって、アミロデキストリン(青色)、エリトロデキス
トリン(赤色)、アクロデキストリン(呈色しない)、
マルトデキストリン(呈色しない)などに区分される。
よって、アミロデキストリン(青色)、エリトロデキス
トリン(赤色)、アクロデキストリン(呈色しない)、
マルトデキストリン(呈色しない)などに区分される。
【0006】近年、これらのデキストリンの性質の中で
も、低甘味、保水性、適度な粘性や、食品への弾力賦
与、揚げ物等に用いた場合のサクサクした食感の賦与等
に着目して利用が増大している。
も、低甘味、保水性、適度な粘性や、食品への弾力賦
与、揚げ物等に用いた場合のサクサクした食感の賦与等
に着目して利用が増大している。
【0007】従来のデキストリンの製造方法としては、
特開昭48−67447号公報に紹介されているよう
な、澱粉を固形分濃度10〜30重量%程度にして酸又
は酵素でDE(デキストロース当量、ブドウ糖の還元力
を100としたときの試料の還元力の割合を表す。)5
〜15まで加水分解して液化液を調製し、これを活性炭
での脱色、ろ過、イオン交換樹脂での脱イオンを経た後
乾燥し、更に170〜300℃で5分〜3時間加熱処理
してデキストリンを得る方法、特公昭52−4629
0号公報に紹介されているような、澱粉にβ−アミラー
ゼを作用させて主としてマルトースとβ−リミットデキ
ストリンからなる糖化液を生成させ、その糖化液をOH
型アニオン交換樹脂でクロマト分離して、高純度のマル
トースとβ−リミットデキストリンとを製造する方法、
特開昭61−205494号公報に紹介されているよ
うな、澱粉にα−アミラーゼをDE25程度になるまで
作用させて分岐デキストリン類と直鎖オリゴ糖類からな
る糖化液を生成させ、ついで得られる糖化液をゲル型の
イオン交換樹脂に接触させることによって分岐デキスト
リン類と直鎖オリゴ糖類を選択分別する方法などがあっ
た。
特開昭48−67447号公報に紹介されているよう
な、澱粉を固形分濃度10〜30重量%程度にして酸又
は酵素でDE(デキストロース当量、ブドウ糖の還元力
を100としたときの試料の還元力の割合を表す。)5
〜15まで加水分解して液化液を調製し、これを活性炭
での脱色、ろ過、イオン交換樹脂での脱イオンを経た後
乾燥し、更に170〜300℃で5分〜3時間加熱処理
してデキストリンを得る方法、特公昭52−4629
0号公報に紹介されているような、澱粉にβ−アミラー
ゼを作用させて主としてマルトースとβ−リミットデキ
ストリンからなる糖化液を生成させ、その糖化液をOH
型アニオン交換樹脂でクロマト分離して、高純度のマル
トースとβ−リミットデキストリンとを製造する方法、
特開昭61−205494号公報に紹介されているよ
うな、澱粉にα−アミラーゼをDE25程度になるまで
作用させて分岐デキストリン類と直鎖オリゴ糖類からな
る糖化液を生成させ、ついで得られる糖化液をゲル型の
イオン交換樹脂に接触させることによって分岐デキスト
リン類と直鎖オリゴ糖類を選択分別する方法などがあっ
た。
【0008】しかし、従来のデキストリンの製造方法に
は数多くの課題が残されていたのである。例えば、前記
の方法には、製造工程中の脱色後にろ過工程が必要で
あるが、最近のユーザーが望む低DEの製品を得ようと
すると極端に粘度が高くなってしまい、経済的な濃度で
のろ過が困難であった。また、脱イオンの際にイオン交
換樹脂の表面に皮膜を形成する現象が発生し、極めて短
時間のうちにイオン交換樹脂が脱イオン機能を失うとい
う課題もあり、且つ、この方法で得られた製品は水に溶
解したときに濃い黄色乃至茶色を呈するので用途が限定
されるという課題もあった。
は数多くの課題が残されていたのである。例えば、前記
の方法には、製造工程中の脱色後にろ過工程が必要で
あるが、最近のユーザーが望む低DEの製品を得ようと
すると極端に粘度が高くなってしまい、経済的な濃度で
のろ過が困難であった。また、脱イオンの際にイオン交
換樹脂の表面に皮膜を形成する現象が発生し、極めて短
時間のうちにイオン交換樹脂が脱イオン機能を失うとい
う課題もあり、且つ、この方法で得られた製品は水に溶
解したときに濃い黄色乃至茶色を呈するので用途が限定
されるという課題もあった。
【0009】また、前記やの方法には、イオン交換
樹脂により成分をデキストリン画分とオリゴ糖画分とに
クロマト分離する際に極めて低い濃度での実施が要求さ
れるので、その後の製品化の際に濃縮費用が嵩むという
課題があり、また、クロマト分離の際に分離精度が高く
ないので分離しきれないデキストリン成分がオリゴ糖画
分中に入り込んでしまいデキストリンの回収率が低いと
いう課題もあったのである。
樹脂により成分をデキストリン画分とオリゴ糖画分とに
クロマト分離する際に極めて低い濃度での実施が要求さ
れるので、その後の製品化の際に濃縮費用が嵩むという
課題があり、また、クロマト分離の際に分離精度が高く
ないので分離しきれないデキストリン成分がオリゴ糖画
分中に入り込んでしまいデキストリンの回収率が低いと
いう課題もあったのである。
【0010】
【0011】前記課題を解決するため、本発明者等はデ
キストリンの製造方法を鋭意研究した結果、トウモロコ
シ澱粉のスラリーに水酸化カルシウムを加えてpH9.
5〜12.4に調節して加熱し、中和した後に、酵素液
化工程を経由することにより、著しく短く簡便な方法
で、食品工業用途に適した、種々の優れた性質を備えた
デキストリンを調製することに成功し、本発明を完成す
るに至った。
キストリンの製造方法を鋭意研究した結果、トウモロコ
シ澱粉のスラリーに水酸化カルシウムを加えてpH9.
5〜12.4に調節して加熱し、中和した後に、酵素液
化工程を経由することにより、著しく短く簡便な方法
で、食品工業用途に適した、種々の優れた性質を備えた
デキストリンを調製することに成功し、本発明を完成す
るに至った。
【0012】第一の本発明は、デキストリンを製造する
に際し、トウモロコシ澱粉に水を加えて固形分濃度5〜
30重量%のスラリーとし、均一に混合しながら水酸化
カルシウムを加えてpH9.5〜12.4に調節し、温
度95〜150℃で加熱し、中和した後に、酵素液化工
程を経由することを特徴とするデキストリンの製造方法
である。
に際し、トウモロコシ澱粉に水を加えて固形分濃度5〜
30重量%のスラリーとし、均一に混合しながら水酸化
カルシウムを加えてpH9.5〜12.4に調節し、温
度95〜150℃で加熱し、中和した後に、酵素液化工
程を経由することを特徴とするデキストリンの製造方法
である。
【0013】第二の本発明は、加熱を5〜60分間実施
し、酵素液化工程を基質固形分1gあたり1〜20単位
の耐熱液化酵素を用いて温度90〜105℃の範囲内で
DE(デキストロース当量)1.5〜15まで実施する
前記第一の発明に記載のデキストリンの製造方法であ
る。
し、酵素液化工程を基質固形分1gあたり1〜20単位
の耐熱液化酵素を用いて温度90〜105℃の範囲内で
DE(デキストロース当量)1.5〜15まで実施する
前記第一の発明に記載のデキストリンの製造方法であ
る。
【0014】第三の本発明は、デキストリンを製造する
に際し、トウモロコシ澱粉に水を加えて固形分濃度5〜
25重量%のスラリーとし、均一に混合しながら水酸化
カルシウムを加えてpH10〜12に調節し、温度10
5〜135℃で5〜60分間加熱し、中和した後に、耐
熱液化酵素を加え、温度90〜98℃でDE2〜10ま
で液化し、pH4以下で酵素を失活させた後、脱色工
程、脱イオン工程、濃縮工程を経由することを特徴とす
るデキストリンの製造方法である。
に際し、トウモロコシ澱粉に水を加えて固形分濃度5〜
25重量%のスラリーとし、均一に混合しながら水酸化
カルシウムを加えてpH10〜12に調節し、温度10
5〜135℃で5〜60分間加熱し、中和した後に、耐
熱液化酵素を加え、温度90〜98℃でDE2〜10ま
で液化し、pH4以下で酵素を失活させた後、脱色工
程、脱イオン工程、濃縮工程を経由することを特徴とす
るデキストリンの製造方法である。
【0015】
【0016】以下に本発明の内容を詳細に説明する。
【0017】本発明に用いる澱粉は、トウモロコシ由来
の澱粉であれば有利に採用可能で、原料トウモロコシの
産地や澱粉の製造方法に制約はなく、コーンスターチと
して市販され、一般の澱粉糖製造用原料として用いられ
ている程度のトウモロコシ澱粉の品質で十分である。
の澱粉であれば有利に採用可能で、原料トウモロコシの
産地や澱粉の製造方法に制約はなく、コーンスターチと
して市販され、一般の澱粉糖製造用原料として用いられ
ている程度のトウモロコシ澱粉の品質で十分である。
【0018】本発明をトウモロコシ以外の、例えば馬鈴
薯やタピオカ由来の澱粉に適用した場合には、本発明中
の水酸化カルシウムを加えてpHを9.5〜12.4で
加熱処理した後にデキストリンとその他の成分とが液中
で明確に分離せず、ろ過工程の際に分離が困難になる場
合があるので、それら由来の澱粉の使用は避けるべきで
ある。
薯やタピオカ由来の澱粉に適用した場合には、本発明中
の水酸化カルシウムを加えてpHを9.5〜12.4で
加熱処理した後にデキストリンとその他の成分とが液中
で明確に分離せず、ろ過工程の際に分離が困難になる場
合があるので、それら由来の澱粉の使用は避けるべきで
ある。
【0019】本発明を実施する際にはトウモロコシ澱粉
に水を加えてスターチミルクと称されるスラリー状の混
合物とするが、その際の固形分含量は5〜30重量%が
好ましく、5〜25重量%の範囲が更に好ましい。
に水を加えてスターチミルクと称されるスラリー状の混
合物とするが、その際の固形分含量は5〜30重量%が
好ましく、5〜25重量%の範囲が更に好ましい。
【0020】固形分濃度が5%未満の場合には、本発明
の反応を実行することは可能であるが、設備の規模あた
りの処理能力が小さくなることや後の工程で濃縮費用が
嵩むことなどの経済的な理由から好ましくなく、30%
を超える場合には加熱、撹拌中に粘度が極めて高くなり
反応にむらができたり、本発明を実施するうえでの撹
拌、移動、ろ過などの操作が極めて困難になるなどの理
由からやはり好ましくない。
の反応を実行することは可能であるが、設備の規模あた
りの処理能力が小さくなることや後の工程で濃縮費用が
嵩むことなどの経済的な理由から好ましくなく、30%
を超える場合には加熱、撹拌中に粘度が極めて高くなり
反応にむらができたり、本発明を実施するうえでの撹
拌、移動、ろ過などの操作が極めて困難になるなどの理
由からやはり好ましくない。
【0021】本発明に用いる水酸化カルシウムは、食品
添加物として市販されているものの品質を備えているも
のであれば十分であり、その形態に制約は無く、液状、
スラリー状、粉末状の何れも有利に採用することができ
る。
添加物として市販されているものの品質を備えているも
のであれば十分であり、その形態に制約は無く、液状、
スラリー状、粉末状の何れも有利に採用することができ
る。
【0022】次に、前記で得られた該スラリーを均一に
混合する方法としては一般に澱粉液化の際に用いられて
いる生蒸気と該スラリーとを瞬時に混合して反応管内に
滞留させるような、ジェットクッカーを用いた方法など
が有利に採用可能であり、その方式も回分式、連続式の
何れでもよい。
混合する方法としては一般に澱粉液化の際に用いられて
いる生蒸気と該スラリーとを瞬時に混合して反応管内に
滞留させるような、ジェットクッカーを用いた方法など
が有利に採用可能であり、その方式も回分式、連続式の
何れでもよい。
【0023】本発明の大きな特徴の一つは該澱粉スラリ
ーのpHを9.5〜12.4、更に好ましくは10〜1
2の範囲内に調節して温度95〜150℃、更に好まし
くは105〜130℃の範囲内で加熱することにある
が、この際のpHが9.5未満の場合には、反応が十分
に進行せずに後述するような本発明の効果が十分に得ら
れない場合があるので好ましくなく、一方、本発明では
水酸化カルシウムを用いるので、pHが12.4を超え
る場合には他のpH調整剤が要求されることや副反応が
起こることがあるなどの理由から好ましくない。
ーのpHを9.5〜12.4、更に好ましくは10〜1
2の範囲内に調節して温度95〜150℃、更に好まし
くは105〜130℃の範囲内で加熱することにある
が、この際のpHが9.5未満の場合には、反応が十分
に進行せずに後述するような本発明の効果が十分に得ら
れない場合があるので好ましくなく、一方、本発明では
水酸化カルシウムを用いるので、pHが12.4を超え
る場合には他のpH調整剤が要求されることや副反応が
起こることがあるなどの理由から好ましくない。
【0024】また、加熱温度は本発明の良好な効果を得
るうえで95〜150℃が好ましく、105〜130℃
が更に好ましいが、95℃未満の場合には反応が十分に
進行せず、150℃を超える場合には焦げ付きや副反応
が起こることがある。
るうえで95〜150℃が好ましく、105〜130℃
が更に好ましいが、95℃未満の場合には反応が十分に
進行せず、150℃を超える場合には焦げ付きや副反応
が起こることがある。
【0025】本発明中の加熱後に中和する場合の中和剤
は一般に澱粉糖化物を調製する際に用いられている酸が
有利に採用できるが、中和後の工程を考慮すると先に用
いたカルシウムを沈殿除去することが有利なので、カル
シウムと結合して沈殿を生成するような酸、例えば蓚
酸、硫酸、燐酸などが最も有利である。
は一般に澱粉糖化物を調製する際に用いられている酸が
有利に採用できるが、中和後の工程を考慮すると先に用
いたカルシウムを沈殿除去することが有利なので、カル
シウムと結合して沈殿を生成するような酸、例えば蓚
酸、硫酸、燐酸などが最も有利である。
【0026】中和するときのpHの目安としては、この
後の酵素液化の際に有利なpH範囲にすることが好まし
いが、好ましいpHとしては例えばα−アミラーゼが安
定で且つ活性の高い範囲、即ち、pH6.0〜6.9、
更に好ましくはpH6.5〜6.8の範囲があげられ
る。
後の酵素液化の際に有利なpH範囲にすることが好まし
いが、好ましいpHとしては例えばα−アミラーゼが安
定で且つ活性の高い範囲、即ち、pH6.0〜6.9、
更に好ましくはpH6.5〜6.8の範囲があげられ
る。
【0027】次に、本発明では酵素液化工程を経由する
ことを必須要件としているが、この際に用いる液化酵素
は、一般の澱粉液化工程の際に採用されている各種α−
アミラーゼが有利に採用可能であるが、それらの中でも
高い温度で使用できる耐熱液化酵素が特に有利であり、
銘柄の種類としては例えば、ノボ・インダストリー社製
のターマミル(登録商標)などが挙げられる。
ことを必須要件としているが、この際に用いる液化酵素
は、一般の澱粉液化工程の際に採用されている各種α−
アミラーゼが有利に採用可能であるが、それらの中でも
高い温度で使用できる耐熱液化酵素が特に有利であり、
銘柄の種類としては例えば、ノボ・インダストリー社製
のターマミル(登録商標)などが挙げられる。
【0028】酵素の添加量は本発明を実現するうえで必
要且つ十分な量であれば任意に採用できるが、発明者の
経験の範囲からは、おおよそ澱粉固形分1グラムあたり
1〜20国際単位(IU)程度が適切である。
要且つ十分な量であれば任意に採用できるが、発明者の
経験の範囲からは、おおよそ澱粉固形分1グラムあたり
1〜20国際単位(IU)程度が適切である。
【0029】酵素反応の温度は、液化酵素が酵素活性を
経済的に有利な程度に発揮出来る範囲が採用されるべき
であるが、好ましい温度範囲としては、80〜108
℃、更に好ましくは耐熱液化酵素を用いる際に更に好適
な90〜105℃、最も好ましくは90〜98℃が挙げ
られる。
経済的に有利な程度に発揮出来る範囲が採用されるべき
であるが、好ましい温度範囲としては、80〜108
℃、更に好ましくは耐熱液化酵素を用いる際に更に好適
な90〜105℃、最も好ましくは90〜98℃が挙げ
られる。
【0030】また、本発明の効果を得るうえで酵素液化
反応をDE1.5〜15、更に好ましくは2〜10の範
囲まで実施するが、DE1.5未満の場合は反応を所望
のDEに停止させること自体が極めて困難であり、且
つ、得られる酵素液化液の粘度が高いので取扱いが困難
なことが多く、DE15を超える場合には、マルトース
やグルコースなどの生成量が多くなり、甘味が強くなる
こと、粘度が低くなりすぎることなどのデキストリンと
して望まれない性質が強まるため好ましくない。
反応をDE1.5〜15、更に好ましくは2〜10の範
囲まで実施するが、DE1.5未満の場合は反応を所望
のDEに停止させること自体が極めて困難であり、且
つ、得られる酵素液化液の粘度が高いので取扱いが困難
なことが多く、DE15を超える場合には、マルトース
やグルコースなどの生成量が多くなり、甘味が強くなる
こと、粘度が低くなりすぎることなどのデキストリンと
して望まれない性質が強まるため好ましくない。
【0031】本発明の酵素液化反応の後に酵素を失活さ
せる操作が必要であるが、その方法は一般に澱粉糖化業
界で用いられている方法が有利に採用可能であり、例え
ば、塩酸、硫酸、燐酸、蓚酸などの酸を加えてpHを下
げる方法、110℃程度に加熱して失活させる方法など
が何れも採用できるが、これらの中でも一定の品質の製
品を得るうえで、酸を加える方法が最も好ましい。
せる操作が必要であるが、その方法は一般に澱粉糖化業
界で用いられている方法が有利に採用可能であり、例え
ば、塩酸、硫酸、燐酸、蓚酸などの酸を加えてpHを下
げる方法、110℃程度に加熱して失活させる方法など
が何れも採用できるが、これらの中でも一定の品質の製
品を得るうえで、酸を加える方法が最も好ましい。
【0032】本発明の好ましい実施態様では脱色工程を
経由するが、ブドウ糖や水飴などの一般的な糖化品に採
用されている方法が本発明の際にも有利に適用可能であ
り、粒状活性炭または粉末状の活性炭を用いて回分式ま
たは連続式の方法で脱色することが最も好ましい。
経由するが、ブドウ糖や水飴などの一般的な糖化品に採
用されている方法が本発明の際にも有利に適用可能であ
り、粒状活性炭または粉末状の活性炭を用いて回分式ま
たは連続式の方法で脱色することが最も好ましい。
【0033】粉末状の活性炭を採用する場合には脱色後
にろ過工程を挿入する必要があるが、従来のデキストリ
ンの製造方法に比べて本発明の場合はろ過工程の実施が
極めて容易であり、このことは本発明を実施することに
より得られる顕著な効果である。
にろ過工程を挿入する必要があるが、従来のデキストリ
ンの製造方法に比べて本発明の場合はろ過工程の実施が
極めて容易であり、このことは本発明を実施することに
より得られる顕著な効果である。
【0034】また、ろ過工程を実施する際には、通常の
糖化品の製造時に用いられる珪藻土などの適切なろ過助
剤を用いてもよく、ろ布などのろ過材表面にプレコート
しておいたり、活性炭と共に混合したり、前記の両方を
行なうことも有利に採用することができる。
糖化品の製造時に用いられる珪藻土などの適切なろ過助
剤を用いてもよく、ろ布などのろ過材表面にプレコート
しておいたり、活性炭と共に混合したり、前記の両方を
行なうことも有利に採用することができる。
【0035】さらに、本発明の好ましい実施態様では、
脱イオン工程を経由するが、この際にも一般の糖化品の
製造に採用されているゼオライトや脱イオン用樹脂など
のイオン交換材と回分式や連続式などの方法が本発明に
も有利に採用することができる。
脱イオン工程を経由するが、この際にも一般の糖化品の
製造に採用されているゼオライトや脱イオン用樹脂など
のイオン交換材と回分式や連続式などの方法が本発明に
も有利に採用することができる。
【0036】脱イオン工程の際に採用する樹脂の組み合
せの一例を挙げれば、強酸性陽イオン交換樹脂、強塩基
性陰イオン交換樹脂、弱酸性陽イオン交換樹脂、中塩基
性陰イオン交換樹脂、強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基
性陰イオン交換樹脂とのモノベッドの順にイオン交換樹
脂塔を通すことも有利な脱イオン法である。
せの一例を挙げれば、強酸性陽イオン交換樹脂、強塩基
性陰イオン交換樹脂、弱酸性陽イオン交換樹脂、中塩基
性陰イオン交換樹脂、強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基
性陰イオン交換樹脂とのモノベッドの順にイオン交換樹
脂塔を通すことも有利な脱イオン法である。
【0037】この脱イオン工程の際にも、従来のデキス
トリンの製造方法に比べて本発明の場合は液の粘度が著
しく低いことや脱イオン材の表面に粘質膜を形成せず脱
イオン材の寿命を短縮しないことなどから、実施が極め
て容易であり、このことも本発明を実施することにより
得られる顕著な効果である。
トリンの製造方法に比べて本発明の場合は液の粘度が著
しく低いことや脱イオン材の表面に粘質膜を形成せず脱
イオン材の寿命を短縮しないことなどから、実施が極め
て容易であり、このことも本発明を実施することにより
得られる顕著な効果である。
【0038】前記の脱色、脱イオン工程で精製されたデ
キストリン水溶液は、本発明の好ましい実施態様では濃
縮工程を経由するが、その方法については、例えば、一
般に澱粉糖化製品の製造に採用されているような薄膜流
下式などの比較的粘度の高い物質を濃縮する際に適切な
方法であれば採用可能であり、液状の製品として流通さ
せる場合の適切な濃度は製品のDEによって異なり、需
要家の要望に沿った程度まで濃縮すればよいが、粉末品
を得ようとした場合には、濃度30〜65%程度にする
と都合が良い。
キストリン水溶液は、本発明の好ましい実施態様では濃
縮工程を経由するが、その方法については、例えば、一
般に澱粉糖化製品の製造に採用されているような薄膜流
下式などの比較的粘度の高い物質を濃縮する際に適切な
方法であれば採用可能であり、液状の製品として流通さ
せる場合の適切な濃度は製品のDEによって異なり、需
要家の要望に沿った程度まで濃縮すればよいが、粉末品
を得ようとした場合には、濃度30〜65%程度にする
と都合が良い。
【0039】また、濃縮した後、必要に応じて、例えば
噴霧乾燥法等のそれ自体は公知の方法により粉末または
顆粒を調製することも自由である。
噴霧乾燥法等のそれ自体は公知の方法により粉末または
顆粒を調製することも自由である。
【0040】以上に説明した本発明を実施することによ
り、従来の方法よりも、極めて容易にろ過や脱イオンな
どの工程を実行することが可能になり、且つ優れた性質
を有するデキストリンを得ることができる。
り、従来の方法よりも、極めて容易にろ過や脱イオンな
どの工程を実行することが可能になり、且つ優れた性質
を有するデキストリンを得ることができる。
【0041】
【0042】以下に実施例を掲げて本発明の内容を更に
具体的に説明するが、本発明の技術的範囲は、以下の例
によって制限されるものではない。
具体的に説明するが、本発明の技術的範囲は、以下の例
によって制限されるものではない。
【0043】尚、各例中、%は、特に断らない限り全て
重量%を表すものとする。
重量%を表すものとする。
【0044】
【実施例−1】
【0045】容積10リットルの撹拌機付き耐圧液化試
験装置中に市販の澱粉[日本食品化工(株)製、コーンス
ターチ]150gを入れ、水850gを加えて混合した
のち撹拌しながら試薬の水酸化カルシウムを加えてpH
10.5とし、生蒸気を吹き込んで温度125℃で15
分間加熱した。
験装置中に市販の澱粉[日本食品化工(株)製、コーンス
ターチ]150gを入れ、水850gを加えて混合した
のち撹拌しながら試薬の水酸化カルシウムを加えてpH
10.5とし、生蒸気を吹き込んで温度125℃で15
分間加熱した。
【0046】次に、耐圧容器の蓋を解放し、撹拌しなが
ら蓚酸を加えてpH6.5とし、温度95℃に調節しな
がら市販の耐熱液化酵素[ノボ・インダストリー社製、
ターマミル(登録商標)]750IUを添加してDE5ま
で液化し、pH3.9になるまで蓚酸を加えて酵素を失
活させ、市販の粉末活性炭1gを加えて温度50℃で2
0分間撹拌脱色し、更に市販の珪藻土ろ過助剤[昭和化
学株式会社製、商品名ラジオライト(登録商標)]1gを
加えてろ過し、ろ液を得た。
ら蓚酸を加えてpH6.5とし、温度95℃に調節しな
がら市販の耐熱液化酵素[ノボ・インダストリー社製、
ターマミル(登録商標)]750IUを添加してDE5ま
で液化し、pH3.9になるまで蓚酸を加えて酵素を失
活させ、市販の粉末活性炭1gを加えて温度50℃で2
0分間撹拌脱色し、更に市販の珪藻土ろ過助剤[昭和化
学株式会社製、商品名ラジオライト(登録商標)]1gを
加えてろ過し、ろ液を得た。
【0047】更に、該ろ液をイオン交換樹脂で脱イオン
し、回転式薄膜式濃縮装置(東京理化器械株式会社製、
ロータリーエバポレーター、N−1N型)で濃度30%
まで濃縮し、無色で澄明なデキストリン水溶液480g
を得た。(固形分の収率は原料の澱粉を100としたと
き96%である。)
し、回転式薄膜式濃縮装置(東京理化器械株式会社製、
ロータリーエバポレーター、N−1N型)で濃度30%
まで濃縮し、無色で澄明なデキストリン水溶液480g
を得た。(固形分の収率は原料の澱粉を100としたと
き96%である。)
【0048】実施例−1で得られたデキストリン水溶液
の性質を以下に説明する。
の性質を以下に説明する。
【0049】[粘度(濃度)]温度40℃で測定した結
果、実施例−1で得られたデキストリン水溶液の粘度
は、濃度10%では4cp、20%では6cp、30%
では12cp、40%では40cpであった。
果、実施例−1で得られたデキストリン水溶液の粘度
は、濃度10%では4cp、20%では6cp、30%
では12cp、40%では40cpであった。
【0050】[よう素反応]実施例−1で得られたデキ
ストリン水溶液をよう素澱粉反応に供した結果、淡い橙
色であった。この結果から、本発明の操作により大分子
量の成分は殆ど残っていないことが判る。
ストリン水溶液をよう素澱粉反応に供した結果、淡い橙
色であった。この結果から、本発明の操作により大分子
量の成分は殆ど残っていないことが判る。
【0051】[老化の試験]実施例−1で得られた濃度
30%のデキストリン水溶液を温度4℃で貯蔵し、該水
溶液の光の透過率を測定した結果99.2%であり、5
日目毎に、30日目まで測定した結果、光透過率は低下
せず、99.2%であった。この結果から、本発明によ
り得られたデキストリンは保存期間中に極めて老化しに
くいという優れた性質を備えていることが判る。
30%のデキストリン水溶液を温度4℃で貯蔵し、該水
溶液の光の透過率を測定した結果99.2%であり、5
日目毎に、30日目まで測定した結果、光透過率は低下
せず、99.2%であった。この結果から、本発明によ
り得られたデキストリンは保存期間中に極めて老化しに
くいという優れた性質を備えていることが判る。
【0052】[糖組成(ブドウ糖単位をGで示す)]G
1が0.5%、G2が4.5%、G3が8.1%、G4
以上が86.9%であった。
1が0.5%、G2が4.5%、G3が8.1%、G4
以上が86.9%であった。
【0053】
【実施例−2】
【0054】澱粉の量を70g、水の量を930gと
し、水酸化カルシウムを加えた後のpHを10.9と
し、温度110℃で20分間とした他は実施例−1と同
様に加熱した。
し、水酸化カルシウムを加えた後のpHを10.9と
し、温度110℃で20分間とした他は実施例−1と同
様に加熱した。
【0055】次に実施例−1と同様に中和し、酵素量を
澱粉1gあたり10IUとし、温度94℃とした他は実
施例−1と同様にしてDE=3まで酵素液化し、酵素失
活、脱色、脱イオン、濃縮を行なってデキストリン水溶
液を得た。
澱粉1gあたり10IUとし、温度94℃とした他は実
施例−1と同様にしてDE=3まで酵素液化し、酵素失
活、脱色、脱イオン、濃縮を行なってデキストリン水溶
液を得た。
【0056】操作の中で、脱色後のろ過は容易であり、
脱イオンの際にも操作が容易であり、何ら操作上の困難
はなかった。
脱イオンの際にも操作が容易であり、何ら操作上の困難
はなかった。
【0057】
【実施例−3】
【0058】澱粉の量を200g、水の量を800gと
し、水酸化カルシウムを加えた後のpHを10.8と
し、温度130℃で20分間とした他は実施例−1と同
様に加熱した。
し、水酸化カルシウムを加えた後のpHを10.8と
し、温度130℃で20分間とした他は実施例−1と同
様に加熱した。
【0059】次に実施例−1と同様に中和し、酵素量を
澱粉1gあたり15IUとし、温度95℃とした他は実
施例−1と同様にしてDE=11まで酵素液化し、酵素
失活、脱色、脱イオン、濃縮を行なってデキストリン水
溶液を得た。
澱粉1gあたり15IUとし、温度95℃とした他は実
施例−1と同様にしてDE=11まで酵素液化し、酵素
失活、脱色、脱イオン、濃縮を行なってデキストリン水
溶液を得た。
【0060】工程中のろ過工程、脱イオン工程共に通常
の糖化品の処理と同様に操作することが可能であり、通
常のデキストリン製造時のような高い粘度や粘質物によ
る操作上の困難はなかった。
の糖化品の処理と同様に操作することが可能であり、通
常のデキストリン製造時のような高い粘度や粘質物によ
る操作上の困難はなかった。
【0061】実施例−3で得られたデキストリン水溶液
の性質を以下に説明する。
の性質を以下に説明する。
【0062】[粘度(濃度)]温度40℃で測定した結
果、実施例−3で得られたデキストリン水溶液の粘度
は、濃度10%では3.5cp、20%では5cp、3
0%では10cp、40%では30cpであった。
果、実施例−3で得られたデキストリン水溶液の粘度
は、濃度10%では3.5cp、20%では5cp、3
0%では10cp、40%では30cpであった。
【0063】[よう素反応]実施例−3で得られたデキ
ストリン水溶液をよう素澱粉反応に供した結果、淡い橙
色であった。この結果から、本発明の操作により大分子
量の成分は殆ど残っていないことが判る。
ストリン水溶液をよう素澱粉反応に供した結果、淡い橙
色であった。この結果から、本発明の操作により大分子
量の成分は殆ど残っていないことが判る。
【0064】[老化の試験]実施例−3で得られた濃度
30%のデキストリン水溶液を温度4℃で貯蔵し、該水
溶液の光の透過率を測定した結果99.1%であり、5
日目毎に、30日目まで測定した結果、光透過率は低下
せず、99.0%であった。この結果から、本発明によ
り得られたデキストリンは保存期間中に極めて老化しに
くいという優れた性質を備えていることが判る。
30%のデキストリン水溶液を温度4℃で貯蔵し、該水
溶液の光の透過率を測定した結果99.1%であり、5
日目毎に、30日目まで測定した結果、光透過率は低下
せず、99.0%であった。この結果から、本発明によ
り得られたデキストリンは保存期間中に極めて老化しに
くいという優れた性質を備えていることが判る。
【0065】[糖組成(ブドウ糖単位をGで示す)]G
1が1.5%、G2が8.3%、G3が10.3%、G
4以上が79.9%であった。
1が1.5%、G2が8.3%、G3が10.3%、G
4以上が79.9%であった。
【0066】
【実施例−4】
【0067】水酸化カルシウムを加えた後のpHを1
0.3とし、温度130℃で20分間とした他は全て実
施例−1と同様にしてデキストリン水溶液を得た。
0.3とし、温度130℃で20分間とした他は全て実
施例−1と同様にしてデキストリン水溶液を得た。
【0068】工程中のろ過工程、脱イオン工程共に通常
の糖化品の処理と同様に操作することが可能であり、通
常のデキストリン製造時のような高い粘度や粘質物によ
る操作上の困難はなかった。
の糖化品の処理と同様に操作することが可能であり、通
常のデキストリン製造時のような高い粘度や粘質物によ
る操作上の困難はなかった。
【0069】得られたデキストリン水溶液を減圧下で更
に濃縮し、乾燥した結果、白色粉末状のデキストリンを
得た。
に濃縮し、乾燥した結果、白色粉末状のデキストリンを
得た。
【0070】得られた粉末は甘味が殆ど無く、澱粉臭が
無く、冷水に易溶で、溶解したときは無色澄明な水溶液
となった。
無く、冷水に易溶で、溶解したときは無色澄明な水溶液
となった。
【0071】
【比較例−1】
【0072】澱粉の量を320g、水の量を680gと
した他は実施例−1と同様に水酸化カルシウムを添加し
て加熱したところ、粘度が極めて高いため混合不可能で
撹拌しながらの加熱処理ができなかった。
した他は実施例−1と同様に水酸化カルシウムを添加し
て加熱したところ、粘度が極めて高いため混合不可能で
撹拌しながらの加熱処理ができなかった。
【0073】
【比較例−2】
【0074】水酸化カルシウムを加えた後のpHを8.
5とした他は実施例−1と同様に加熱処理し、中和した
後、実施例−1と同様に酵素液化し、酵素を失活させて
脱色工程を行なったところ、ろ過装置粘質物が付着して
ろ過することができなかった。
5とした他は実施例−1と同様に加熱処理し、中和した
後、実施例−1と同様に酵素液化し、酵素を失活させて
脱色工程を行なったところ、ろ過装置粘質物が付着して
ろ過することができなかった。
【0075】
【比較例−3】
【0076】水酸化カルシウムを加えた後の加熱温度を
90℃とした他は実施例−1と同様に加熱処理し、中和
した後、実施例−1と同様に酵素液化し、酵素を失活さ
せて脱色工程を行なったところ、ろ過装置粘質物が付着
してろ過することができなかった。
90℃とした他は実施例−1と同様に加熱処理し、中和
した後、実施例−1と同様に酵素液化し、酵素を失活さ
せて脱色工程を行なったところ、ろ過装置粘質物が付着
してろ過することができなかった。
【0077】
【比較例−4】
【0078】市販の澱粉[日本食品化工(株)製、コーン
スターチ]150gと水850gを混合して固形分濃度
15%とし、pH6.2に調整後、基質1gあたり10
IUの耐熱液化酵素[ノボ・インダストリー社製、ター
マミル(登録商標)]を用い、温度105℃で約3分間加
熱し、次に液を65℃に冷却し、更に該耐熱液化酵素1
0IUを添加して30分間保持した後、蓚酸を加えてp
H3.8とし、DE15のデキストリンを得た。
スターチ]150gと水850gを混合して固形分濃度
15%とし、pH6.2に調整後、基質1gあたり10
IUの耐熱液化酵素[ノボ・インダストリー社製、ター
マミル(登録商標)]を用い、温度105℃で約3分間加
熱し、次に液を65℃に冷却し、更に該耐熱液化酵素1
0IUを添加して30分間保持した後、蓚酸を加えてp
H3.8とし、DE15のデキストリンを得た。
【0079】比較例−4で得られた濃度30%のデキス
トリン水溶液を温度4℃で貯蔵し、該水溶液の光の透過
率を測定した結果製造直後約98.4%であったが、5
日目毎に、30日目まで測定した結果、第1日目には既
に白い濁りが発生し、時間とともに光透過率は低下し続
け、25日目には透過率が約15%となった。
トリン水溶液を温度4℃で貯蔵し、該水溶液の光の透過
率を測定した結果製造直後約98.4%であったが、5
日目毎に、30日目まで測定した結果、第1日目には既
に白い濁りが発生し、時間とともに光透過率は低下し続
け、25日目には透過率が約15%となった。
【0080】
【0081】本発明を実施することにより得られる酵素
液化液が低粘度でありデキストリン以外の成分が極めて
分離しやすい形態で液中に残るので、従来のデキストリ
ンの製造方法に比べ、ろ過、脱イオン等の製造操作の実
施が極めて容易になり、また、酵素反応を過剰に実施し
た後に分画してデキストリンを得る方法に比べて原料あ
たりの製品回収率が格段に高く、経済的に有利なので、
実施の容易な且つ経済的に有利なデキストリンの製造方
法が提供される。
液化液が低粘度でありデキストリン以外の成分が極めて
分離しやすい形態で液中に残るので、従来のデキストリ
ンの製造方法に比べ、ろ過、脱イオン等の製造操作の実
施が極めて容易になり、また、酵素反応を過剰に実施し
た後に分画してデキストリンを得る方法に比べて原料あ
たりの製品回収率が格段に高く、経済的に有利なので、
実施の容易な且つ経済的に有利なデキストリンの製造方
法が提供される。
Claims (3)
- 【請求項1】 デキストリンを製造するに際し、トウモ
ロコシ澱粉に水を加えて固形分濃度5〜30重量%のス
ラリーとし、均一に混合しながら水酸化カルシウムを加
えてpH9.5〜12.4に調節して温度95〜150
℃で加熱し、中和した後に、酵素液化工程を経由するこ
とを特徴とするデキストリンの製造方法。 - 【請求項2】 加熱を5〜60分間実施し、酵素液化工
程を基質固形分1gあたり1〜20国際単位(IU)の
耐熱液化酵素を用いて温度90〜105℃でDE(デキ
ストロース当量)1.5〜15まで実施する請求項1記
載のデキストリンの製造方法。 - 【請求項3】 デキストリンを製造するに際し、トウモ
ロコシ澱粉に水を加えて固形分濃度5〜25重量%のス
ラリーとし、均一に混合しながら水酸化カルシウムを加
えてpH10〜12に調節して温度105〜135℃で
5〜60分間加熱し、中和した後に、耐熱液化酵素を加
えて温度90〜98℃でDE2〜10まで液化し、pH
4以下で酵素を失活させた後、脱色工程、脱イオン工
程、濃縮工程を経由することを特徴とするデキストリン
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3860997A JPH10215893A (ja) | 1997-02-07 | 1997-02-07 | デキストリンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3860997A JPH10215893A (ja) | 1997-02-07 | 1997-02-07 | デキストリンの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10215893A true JPH10215893A (ja) | 1998-08-18 |
Family
ID=12530015
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3860997A Pending JPH10215893A (ja) | 1997-02-07 | 1997-02-07 | デキストリンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10215893A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004061526A1 (ja) | 2002-12-26 | 2004-07-22 | Nissan Chemical Industries, Ltd. | アルカリ溶解型リソグラフィー用ギャップフィル材形成組成物 |
JP2006219345A (ja) * | 2005-02-10 | 2006-08-24 | Showa Denko Kk | ヒドロキシルアミンの製造方法 |
US8916327B2 (en) | 2003-10-30 | 2014-12-23 | Nissan Chemical Industries, Ltd. | Underlayer coating forming composition containing dextrin ester compound |
-
1997
- 1997-02-07 JP JP3860997A patent/JPH10215893A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004061526A1 (ja) | 2002-12-26 | 2004-07-22 | Nissan Chemical Industries, Ltd. | アルカリ溶解型リソグラフィー用ギャップフィル材形成組成物 |
US7361718B2 (en) | 2002-12-26 | 2008-04-22 | Nissan Chemical Industries, Ltd. | Alkali-soluble gap fill material forming composition for lithography |
US8916327B2 (en) | 2003-10-30 | 2014-12-23 | Nissan Chemical Industries, Ltd. | Underlayer coating forming composition containing dextrin ester compound |
JP2006219345A (ja) * | 2005-02-10 | 2006-08-24 | Showa Denko Kk | ヒドロキシルアミンの製造方法 |
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