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JPH10191650A - インバータ回路 - Google Patents

インバータ回路

Info

Publication number
JPH10191650A
JPH10191650A JP8355463A JP35546396A JPH10191650A JP H10191650 A JPH10191650 A JP H10191650A JP 8355463 A JP8355463 A JP 8355463A JP 35546396 A JP35546396 A JP 35546396A JP H10191650 A JPH10191650 A JP H10191650A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
circuit
transistor
power supply
series
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8355463A
Other languages
English (en)
Inventor
Harumi Suzuki
晴美 鈴木
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Individual
Original Assignee
Individual
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Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP8355463A priority Critical patent/JPH10191650A/ja
Publication of JPH10191650A publication Critical patent/JPH10191650A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 他励式インバータ・直列変形ハーフブリッジ
回路の2つのトランジスタの、過渡的な同時オンを防止
する。 【解決手段】 電源Eの正負端子間に2つのNPNトラ
ンジスタQ1とQ2を直列接続した接続点と、電源Eの
負端子間に、コンデンサC1とトランスTR2の1次巻
線であるコイルL4を直列に接続し、TR2の2次巻線
であるコイルL5にはコンデンサC2と放電管LMPを
直列に接続する。矩形波パルス電圧発振回路OSC1の
発振電圧をトランスTR1の1次巻線であるコイルL1
に印加し、互いに逆極性に巻いたTR1の2次巻線であ
るコイルL2とL3を、各々カソードをコイル側にした
ツェナーダイオードZD1とZD2および抵抗器R1と
R2を介してQ1とQ2のベースとエミッタに接続すれ
ば、Q1とQ2のオンの動作が遅くなるので、Q1とQ
2の過渡的な同時オンを防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直流電源正負端子
間に直列接続または実質的に並列接続して、交互にオン
−オフする2つのトランジスタを有するインバータ回路
の、2つのトランジスタの同時オンの防止回路に関する
ものである。本発明回路は説明上、実施例は全て負荷を
冷陰極放電管にしているが、高圧水銀灯あるいはフィラ
メント回路の付加で熱陰極放電管にも適用可能である
し、スイッチング・レギュレータ電源等の他のインバー
タ回路にも適用可能である。
【0002】
【従来の技術】インバータ回路は照明装置やスイッチン
グ・レギュレータ電源あるいはモータ制御回路等の幅広
い分野で使用されている。インバータ回路はインバータ
・1石式回路、または、インバータ・プッシュプル回路
(本文では、インバータ・並列回路と称す)、あるい
は、インバータ・直列回路(ハーフブリッジ回路、変形
ハーフブリッジ回路、フルブリッジ回路を含む)等が広
く使用されている。自励式インバータ・並列回路や自励
式インバータ・直列回路は、他励式インバータ・並列回
路や他励式インバータ・直列回路に比較して部品点数が
少なく小型ではあるが、帰還用のトランスを使用するた
め大型で高価になり、しかも周波数は磁気回路で決って
しまうため、周波数を可変にはできない回路である。イ
ンバータ・1石式回路とインバータ・並列回路の動作時
には、自励式インバータ回路でも他励式インバータ回路
でも電源電圧の2倍の電圧がトランジスタに印加される
ため、中電圧以下の電源電圧の回路に使用されることが
多い。しかし、インバータ・直列回路は、自励式インバ
ータ回路でも他励式インバータ回路でも原理的には電源
電圧以上の電圧はトランジスタには印加されないため、
比較的高い電源電圧の回路に使用されることが多い。イ
ンバータ・直列回路およびインバータ・並列回路は、2
つのトランジスタが交互にオン−オフするが、2つのト
ランジスタが同時にオンすれば、トランジスタには過大
な電力が印加されてトランジスタは損傷または破壊に至
るので、2つのトランジスタの同時オンを防止する回路
にするか、2つのトランジスタの同時オン時に動作する
保護回路を付ける必要がある。従来より使用されてい
る、2つのトランジスタの同時オン時に動作する保護回
路付きの、他励式インバータ・直列ハーフブリッジ回路
の例を図7に示す。
【0003】図7は、直流電源Eの正負端子間に、電源
正端子側よりNPNトランジスタQ17とQ18および
抵抗器R26を直列接続し、Q17とQ18の接続点W
と、直列接続した2つの同じ特性であるコンデンサC1
7とC18の接続点Xとの間に、負荷の一例として放電
管LMPと負荷電流制御素子(安定器)であるコンデン
サC16を直列に接続している。別のNPNトランジス
タQ19のコレクタをトランジスタQ18のベースに接
続し、Q19のベースはQ18のエミッタと抵抗器R2
6の接続点に接続し、Q19のエミッタは電源Eの負端
子に接続している。矩形波パルス電圧発振回路OSC1
の出力を、トランスTR7の1次巻線であるコイルL1
6に接続し、TR7の一方の2次巻線であるコイルL1
7は抵抗器R24を介してトランジスタQ17のベース
とエミッタに接続し、TR7の別の2次巻線であるコイ
ルL18は、抵抗器R25を介してトランジスタQ18
のベースとQ19のエミッタに接続している。
【0004】図7の動作を説明する。矩形波パルス電圧
発振回路OSC1の出力を、トランスTR7の1次巻線
であるコイルL16に接続しているが、TR7の2次巻
線であるコイルL17とL18の黒点側が正であれば、
コイルL17の電流は、コイルL17−抵抗器R24−
トランジスタQ17のベース・エミッタ間−コイルL1
7と流れて、Q17をオンにする。トランジスタQ18
はベース電流は流れないのでオフのままである。トラン
ジスタQ17のオンとQ18のオフにより、電源からの
電流は、電源E−トランジスタQ17−コンデンサC1
6−放電管LMP−コンデンサC18−電源Eと流れ
て、C18を充電する。一方、コンデンサC17に充電
されていた電荷は、コンデンサC17−トランジスタQ
17−コンデンサC16−放電管LMP−コンデンサC
17と放電する。コンデンサC18の充電電流とコンデ
ンサC17の放電電流により、放電管LMPは点灯す
る。つぎに、トランスTR7の2次巻線であるコイルL
17とL18の黒点側が負になれば、コイルL18の電
流は、コイルL18−抵抗器R25−トランジスタQ1
8のベース・エミッタ間−抵抗器R26−コイルL18
と流れて、Q18をオンにする。トランジスタQ17は
ベース電流は流れないのでオフである。トランジスタQ
17のオフとQ18のオンにより、電源からの電流は、
電源E−コンデンサC17−放電管LMP−コンデンサ
C16−トランジスタQ18−抵抗器R26−電源Eと
流れて、C17を充電する。一方、コンデンサC18に
充電されていた電荷は、コンデンサC18−放電管LM
P−コンデンサC16−トランジスタQ18−抵抗器R
26−コンデンサC18と放電する。コンデンサC17
の充電電流とコンデンサC18の放電電流により、放電
管LMPは逆向きの電流が流れて点灯する。この回路で
は、過渡的にトランジスタQ17とQ18が同時にオン
すれば、電源からの電流は、電源E−トランジスタQ1
7−トランジスタQ18−抵抗器R26−電源Eと流れ
るが、このときの電流は通常の動作時に比較して非常に
多くなるので抵抗器R26の電圧は高くなる。抵抗器R
26を小抵抗にして、R26に発生する電圧を、通常の
動作時にはトランジスタQ19のベース・エミッタ間の
立ち上がり電圧以下に設定し、2つのトランジスタが同
時オン時にはQ19のベース・エミッタ間の立ち上がり
電圧以上に設定すれば、2つのトランジスタの同時オン
時にはQ19がオンになり、コイルL18の電流はQ1
8のベース・エミッタ間電流とQ19のコレクタ電流に
分流するのでQ18のベース電流は減少し、前記Q17
とQ18が同時オン時の電源からの電流は抑制され、異
常に大きな電流は流れなくなる。即ち、トランジスタQ
19と抵抗器R26で、保護回路としての動作を行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】第一の問題として、2
つのトランジスタの制御端子に印加される波形が正確な
矩形波パルス電圧であっても、直列接続または並列接続
された2つのトランジスタが、過渡的に同時オンする理
由を述べる。トランジスタの制御端子に印加する波形が
正確な矩形波パルス電圧であっても、トランジスタの遅
延時間、上昇時間、下降時間、蓄積時間(バイポーラト
ランジスタのときで少数キャリアによる)、入力容量
(FETのとき)等のために出力波形は必ず鈍ってく
る。そのため、正弦波パルス電圧や矩形波パルス電圧を
トランジスタの制御端子に印加すれば、インバータ・直
列回路やインバータ・並列回路の2つのトランジスタが
過渡的に同時にオンすることもあり、そのときはトラン
ジスタに電圧と電流が同時に印加されるので過大な損失
が発生し、トランジスタの損傷や破壊を招き、また、ノ
イズの発生原因にもなる。図7の回路で過大な電流が流
れたときは、トランジスタQ19と抵抗器R26により
電源からの電流を抑制して、2つのトランジスタの同時
オン時の保護回路にしている。2つのトランジスタの同
時オンの防止回路は、2つのトランジスタの駆動波形を
操作して別々の波形にして、デッドタイム(両トランジ
スタのオン−オフの切り替え時に両トランジスタ共オフ
になる時間)を設ける方法もある。しかし、図7に示す
トランジスタQ19と抵抗器R26を用いた保護回路
は、通常の動作時に抵抗器で消費する電力は損失にな
り、また、2つのトランジスタの駆動波形を操作して別
々の波形にすることによるデッドタイムを設ける方法
は、大型で複雑な回路となるため、IC化が必要であ
る。第二の問題として、NPNとPNPトランジスタま
たはNチャンネルとPチャンネルFETと、相補形の2
つの出力トランジスタを直列接続したインバータ回路
(信号反転回路を含む)を、別に設けた矩形波パルス電
圧発振回路で駆動し、しかも、発振回路の電源がインバ
ータ回路の電源と異なるときや、出力トランジスタを駆
動する電圧や電流が駆動に必要な電圧や電流に充分でな
くトランジスタと抵抗器の1段増幅による直結型駆動回
路(駆動回路部にトランスを使用せず、直接またはダイ
オードあるいは抵抗器やコンデンサ等を介して結合する
回路)によりレベル変換して駆動することがあるが、発
振回路と2つのトランジスタとの間に設けたトランジス
タと抵抗器の直列回路の接続点に、2つのトランジスタ
の制御端子を接続するだけでは、一方のトランジスタの
ベース電流により抵抗器に発生する電圧で、他方のトラ
ンジスタにベース電流が流れるので、2つのトランジス
タは交互にオン−オフせず、定常的に同時オンになる。
本発明は、このような問題点を解決するもので、その目
的とするところは直列接続または並列接続した2つのト
ランジスタを有するインバータ回路の過渡的な同時オン
の防止回路、および、相補形の2つのトランジスタを使
用した直列インバータ回路のレベル変換回路を使用した
ときの定常的な同時オンの防止回路を、ツェナーダイオ
ードを使用して、小型、軽量、安価に提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決する手段】第一の問題である、直列接続ま
たは並列接続された2つのトランジスタが過渡的に同時
オンする問題は、ツェナーダイオードの使用により、オ
ンの動作を多少遅くし、オフの動作は素早く行う回路に
することで解決できる。具体的方法として、NPNバイ
ポーラトランジスタを使用するときは、直列接続または
並列接続した2つのトランジスタのベースと、矩形波パ
ルス電圧発振回路の出力部との間に、ツェナーダイオー
ドを接続する。ツェナーダイオードの向きは、ツェナー
ダイオードのカソードよりアノードを経由して、トラン
ジスタのベース電流が流れるようにする。この接続で、
発振回路の電圧がツェナー電圧とトランジスタのベース
・エミッタ間の立ち上がり電圧の和の電圧以上になった
時点で始めてベース電流が流れてトランジスタはオンに
なり、発振回路の電圧がツェナー電圧とトランジスタの
ベース・エミッタ間の立ち上がり電圧の和の電圧以下に
なった時点でベース電流はオフになってベース・エミッ
タ間に並列に接続された抵抗器経由で少数キャリアが排
出され、さらにトランジスタのベース・エミッタ間に逆
方向の電圧を印加すれば、少数キャリアは強制的に排出
されて蓄積時間はさらに短くなり、オフの動作はさらに
早くなる。NチャンネルFETを使用するときは、矩形
波パルス電圧発振回路の出力部にツェナーダイオードの
カソードを接続し、抵抗器を電源負端子に接続して、ツ
ェナーダイオードのアノードと抵抗器の別の端子の接続
点にFETのゲートを接続する。この接続で、発振回路
の電圧がツェナー電圧以上になった時点で始めてFET
のゲートに電圧が印加されてFETの入力容量が充電さ
れ、充電電圧がしきい値電圧以上になればFETはオン
になり、発振回路の電圧がツェナー電圧とFETのしき
い値電圧の和の電圧以下になった時点でゲート・ソース
間に並列に接続された抵抗器経由で入力容量に充電され
た電荷が放電し、発振回路の電圧がツェナーダイオード
の順方向電圧とFETの入力容量の充電電圧との差の電
圧以下になった時点で入力容量に充電された電荷はツェ
ナーダイオード経由でも放電するので、オンの動作を遅
くしオフの動作を素早くできる。FETのゲート・ソー
ス間に逆方向の電圧を印加すれば、入力容量に充電され
ていた電荷は急速に放電するので、オフの動作をさらに
素早くすることができる。ツェナーダイオードのカソー
ド・アノード間の容量は、FETの入力容量より1桁小
さいので、ツェナー電圧以上の電圧が印加される前にF
ETの入力容量が充電されることはない。実施例は全て
他励式インバータ回路であるが、請求項1に関しては、
自励式インバータ回路にも同じように考えて適用可能で
ある。この回路は、バイポーラ回路でもFET回路でも
ツェナーダイオードのツェナー電圧が高いほどオンの動
作は遅くなるので、デッドタイムも大きくなる。
【0007】つぎに第二の問題である、直列接続した相
補形の2つのトランジスタの駆動回路のレベル変換に関
する定常的に同時オンする問題も、ツェナーダイオード
の使用で解決できる。具体的回路として、電源の正端子
にPNPトランジスタのエミッタを接続し、電源の負端
子にNPNトランジスタのエミッタを接続し、2つのト
ランジスタのコレクタ同士を接続した相補形の主トラン
ジスタを、インバータ・直列回路の出力トランジスタに
している回路を考える。この相補形の主トランジスタの
駆動回路として、電源の正端子に抵抗器を接続し、電源
の負端子に補助のNPNトランジスタのエミッタを接続
して、抵抗器の別の端子と補助トランジスタのコレクタ
を接続した接続点に、相補形の2つの主トランジスタの
ベースに各々の抵抗器を介して接続するのみでは、補助
トランジスタがオフのときに2つの主トランジスタは同
時オンになる。この回路では、補助トランジスタがオフ
のときに主トランジスタであるNPNトランジスタのベ
ース電流により抵抗器に発生する電圧以上のツェナー電
圧を有するツェナーダイオードを、PNPトランジスタ
のベースに直列に接続することにより、2つの主トラン
ジスタの定常的な同時オンを防止することができる。以
上のように、インバータ・直列回路およびインバータ・
並列回路の2つのトランジスタの同時オン防止回路を、
ツェナーダイオードの使用により、小型、軽量、安価に
提供することができる。本文に記載のFETは、全てエ
ンハンスメント型のMOSFETである。半導体素子は
実施例に示すものだけではなく、回路の多少の変更でバ
イポーラトランジスタからFETへの変更が可能であ
り、その逆も可能である。トランジスタと言う言葉は、
実施例等の特定の回路ではバイポーラトランジスタとF
ETは区別して表現しているが、回路的にバイポーラト
ランジスタもFETも適用可能で両素子を代表する表現
としては、トランジスタとしている。NチャンネルFE
Tはドレイン・ソース間に図面に示すごとく寄生ダイオ
ードが、ドレイン側をカソードにソース側をアノード
(PチャンネルFETではソース側がカソードでドレイ
ン側がアノード)にして存在するのでスイッチング時の
サージ電圧を吸収するが、バイポーラトランジスタでは
寄生ダイオードが存在しないので、必要に応じてダイオ
ードを接続すればよい。PNPトランジスタやPチャン
ネルFETは、NPNトランジスタやNチャンネルFE
Tに比較して価格が高くなることが多いが、パワー用P
NPトランジスタに代えて、小信号用PNPトランジス
タとパワー用NPNトランジスタを擬似ダーリントン接
続にして安価にする回路、または、同極性のトランジス
タを通常のダーリントン接続する回路、あるいは、2段
増幅回路等も採用可能である。この回路は、補助的な駆
動用トランジスタやコンデンサを使用して、スイッチン
グスピードを早める回路等は適宜採用可能である。矩形
波パルス発振回路は、正弦波発振回路等の類似発振回路
も含む。
【0008】
【発明の実施の形態】実施例1〜実施例6を代表して、
実施例1について説明する。NPNバイポーラトランジ
スタを使用した、他励式インバータ・直列変形ハーフブ
リッジ回路を用いた照明装置に適用するときは、直流電
源の正端子に第一のNPNトランジスタのコレクタを接
続し、直流電源の負端子に第二のNPNトランジスタの
エミッタを接続して、第一のトランジスタのエミッタと
第二のトランジスタのコレクタの接続点と、電源の負端
子間に、第一のコンデンサと出力トランスの1次巻線を
直列に接続する。出力トランスの2次巻線は、負荷電流
制御素子である第二のコンデンサと放電管を直列に接続
する。矩形波パルス電圧発振回路で発振した矩形波パル
ス電圧は駆動トランスの1次巻線に接続し、互いに逆極
性に巻いた駆動トランスの2つの2次巻線は、各々ツェ
ナーダイオードと抵抗器の直列回路を介してトランジス
タのベースとエミッタに接続して、他励式インバータ・
直列変形ハーフブリッジ回路にする。このときのツェナ
ーダイオードは、トランジスタがオンするときに流れる
ベース電流が、ツェナーダイオードのカソードから流入
する向きである。この回路で矩形波パルス電圧発振回路
の出力電圧を2つのトランジスタのベースに印加すれ
ば、矩形波パルス電圧のハイ−ロウにより、2つのトラ
ンジスタはデッドタイムを持って交互にオン−オフし
て、他励式インバータ・直列変形ハーフブリッジ回路を
用いた照明装置としての動作をおこなうので、2つのト
ランジスタの同時オンを防止することができる。
【0009】
【実施例1】図1は、本発明の請求項1に係わる回路の
第1の実施例で、他励式インバータ・直列変形ハーフブ
リッジ回路に適用した例である。本回路は、直流電源E
の正端子にNPNバイポーラトランジスタQ1のコレク
タを接続し、直流電源Eの負端子にNPNバイポーラト
ランジスタQ2のエミッタを接続して、Q1のエミッタ
とQ2のコレクタを接続している。トランジスタQ1と
Q2の接続点と電源Eの負端子間に、コンデンサC1と
出力トランスTR2の1次巻線であるコイルL4を直列
に接続し、TR2の2次巻線であるコイルL5には、負
荷電流制御素子であるコンデンサC2と放電管LMPを
直列に接続している。矩形波パルス電圧発振回路OSC
1で発振した矩形波パルス電圧を駆動トランスTR1の
1次巻線であるコイルL1に接続し、TR1の一方の2
次巻線であるコイルL2は、ツェナーダイオードZD1
と抵抗器R1の直列回路を介してトランジスタQ1のベ
ースとエミッタに接続し、TR1の別の2次巻線である
コイルL3は、ツェナーダイオードZD2と抵抗器R2
の直列回路を介してトランジスタQ2のベースとエミッ
タに接続して、他励式インバータ・直列変形ハーフブリ
ッジ回路にする。ツェナーダイオードの向きはトランジ
スタがオンするときのベース電流が、ツェナーダイオー
ドのカソードから流入する向きである。
【0010】図1の動作を説明する。矩形波パルス電圧
発振回路OSC1の出力電圧をトランスTR1の1次巻
線であるコイルL1に印加しているが、TR1の2次巻
線であるコイルL2とL3の電圧が黒点側が正で、その
大きさがツェナーダイオードZD1のツェナー電圧とト
ランジスタQ1のベース・エミッタ間の立ち上がり電圧
の和の電圧以上になれば、コイルL2の電流は、コイル
L2−ツェナーダイオードZD1−トランジスタQ1の
ベース・エミッタ間−抵抗器R1−コイルL2と流れ
て、Q1をオンにする。なお、トランジスタQ2はベー
ス電流は流れないのでオフであるが、ベース・エミッタ
間には逆電圧が印加されるので、少数キャリアが排出さ
れて蓄積時間は短くなる。トランジスタQ1のオンとQ
2のオフにより、電源からの電流は、電源E−トランジ
スタQ1−コンデンサC1−コイルL4−電源Eと流れ
て、C1を充電する。トランスTR2の1次巻線である
コイルL4の電流により、TR2の2次巻線であるコイ
ルL5とコンデンサC2を介して、放電管LMPは電流
が流れて点灯する。つぎに、トランスTR1の2次巻線
であるコイルL2とL3の電圧が非黒点側が正になれ
ば、コイルL3の電流は、コイルL3−ツェナーダイオ
ードZD2−トランジスタQ2のベース・エミッタ間−
抵抗器R2−コイルL3と流れて、Q2をオンにする。
トランジスタQ1はベース電流は流れないのでオフであ
るが、ベース・エミッタ間には逆電圧が印加されるの
で、少数キャリアが排出されて蓄積時間は短くなる。ト
ランジスタQ1のオフとQ2のオンにより、コンデンサ
C1に充電されていた電荷は、コンデンサC1−トラン
ジスタQ2−コイルL4−コンデンサC1と放電する。
コンデンサC1の放電でトランスTR2の1次巻線であ
るコイルL4に電流が流れるので、TR2の2次巻線で
あるコイルL5とコンデンサC2を介して、放電管LM
Pは逆向きの電流が流れて点灯する。この回路は、矩形
波パルス電圧発振回路OSC1の矩形波パルス電圧のハ
イ−ロウにより、2つのトランジスタQ1とQ2のオン
動作は遅延するので、デッドタイムを持って交互にオン
−オフする、他励式インバータ・直列変形ハーフブリッ
ジ回路を用いた照明装置としての動作をおこなうので、
2つのトランジスタの同時オンを防止することができ
る。この回路のオン動作がツェナーダイオードにより遅
延することを、コイルL2とL3、ツェナーダイオード
ZD1とZD2、抵抗器R1とR2、トランジスタQ1
とQ2を含む回路で説明する。コイルL2とL3の非黒
点側の電圧が、プラス→0→マイナス、と変化するとき
は、当初はトランジスタQ2はオンであり、コイルL3
の電圧がツェナーダイオードZD2のツェナー電圧とト
ランジスタQ2のベース・エミッタ間電圧の和の電圧以
下になった時点でQ2のベース電流はオフになるが、少
数キャリアが消滅するまではQ2はオンのままである。
さらにコイルL3の電圧が下降してマイナス電圧に反転
し、非黒点側の電圧がツェナーダイオードZD2の順方
向立ち上がり電圧であるマイナスの0.7Vを越えた時
点でQ2のベース・エミッタ間に逆電圧が印加され、ト
ランジスタQ2の少数キャリアは強制的に排出されてQ
2はオフになる。この動作と同時にコイルL2の黒点側
の電圧は、マイナス→0→プラス、と上昇するが、トラ
ンジスタQ2の少数キャリアが強制的に排出されてQ2
がオフになった時点でのL2の電圧は、ツェナーダイオ
ードZD1のツェナー電圧とトランジスタQ1のベース
・エミッタ間の立ち上がり電圧の和の電圧以下なので、
Q1はオフのままである。さらにコイルL2の電圧が上
昇して、ツェナーダイオードZD1のツェナー電圧とト
ランジスタQ1のベース・エミッタ間の立ち上がり電圧
の和の電圧以上になった時点で、始めてQ1はベース電
流が流れてオンになる。このことを時間的に簡単に記せ
ば、トランジスタQ2のベース電流がゼロになる→Q2
がオフになる→トランジスタQ1がオンになる、の順な
ので、2つのトランジスタの同時オンはない。以上のよ
うにこの回路では、駆動トランスTR1の2次巻線であ
るコイルL2とL3がプラスからマイナスに、あるいは
その逆に変化するときでも、ツェナーダイオードZD1
とZD2により、2つのトランジスタQ1とQ2がデッ
ドタイムを持って交互にオン−オフする、他励式インバ
ータ・直列変形ハーフブリッジ回路を用いた照明装置と
しての動作を行うので、2つのトランジスタの同時オン
を防止することができる。
【0011】この回路での請求項との関連を以下に示
す。この回路は、請求項1に係わる内容で、直流電源正
負端子間に直列接続または並列接続して交互にオン−オ
フする2つのトランジスタを有するインバータ回路にお
いて、ツェナーダイオードを利用してオン動作を遅延さ
せることにより、2つのトランジスタの同時オンを防止
する、インバータ回路である。
【0012】
【実施例2】図2は、本発明の特許請求項1に係わる回
路の第2の実施例で、他励式インバータ・直列ハーフブ
リッジ回路に適用した例である。本回路は、直流電源E
の正端子にPチャンネルFETQ3のソースを接続し、
直流電源Eの負端子にNチャンネルFETQ4のソース
を接続して、2つのFETQ3とQ4のドレイン同士の
接続点Wと、直流電源Eの正負端子間に直列接続された
同じ特性のコンデンサC4とC5の接続点Xとの間に、
負荷である放電管LMPと負荷電流制御素子であるコン
デンサC3を直列に接続している。電源Eの正負端子間
には正端子側より、抵抗器R3、ツェナーダイオードZ
D3、ツェナーダイオードZD4、抵抗器R4を記載し
た順に直列に接続し、R3とZD3の接続点にはFET
Q3のゲートを接続し、ZD4とR4の接続点にはFE
TQ4のゲートを接続して、ZD3とZD4の接続点に
は矩形波パルス電圧発振回路OSC1の出力部を接続し
ている。2つのツェナーダイオードZD3とZD4は、
電源Eの正端子側がツェナーダイオードのカソードであ
る。2つのツェナーダイオードZD3とZD4のツェナ
ー電圧の和は電源電圧以上で、各々のツェナー電圧は電
源電圧より低く電源電圧の1/2より高く設定する。矩
形波パルス電圧発振回路OSC1に、シュミット回路や
オペアンプを用いれば、出力電圧は電源電圧の1/2の
電圧を中心にプラスとマイナスに振れる。矩形波パルス
電圧発振回路OSC1の電源とインバータ回路の電源を
共用すれば、OSC1の出力電圧は、電源Eの正負の電
圧に近い電圧に振れるので、OSC1の出力がハイにな
れば、FETQ3はオフでQ4はオンになり、OSC1
の出力がロウになれば、FETQ3はオンでQ4はオフ
になる。
【0013】図2の動作を説明する。矩形波パルス電圧
発振回路OSC1の出力電圧を、ツェナーダイオードZ
D3とZD4を介してFETQ3とQ4のゲートに印加
しているが、その電圧がロウならばZD3には電流が流
れるが、ZD4には電流が流れないので、電源からのZ
D3を経由する電流は、電源E−抵抗器R3−ツェナー
ダイオードZD3−矩形波パルス電圧発振回路OSC1
の低電位側の出力トランジスタ−電源Eと流れ、R3に
電圧が発生する。その電圧がしきい値電圧である3V程
度(正確には、オン抵抗が充分低くなるゲート・ソース
間電圧)以上あればFETQ3はオンでQ4はオフにな
るので、電源からFETQ3を経由する電流は、電源E
−FETQ3−コンデンサC3−放電管LMP−コンデ
ンサC5−電源Eと流れて、コンデンサC5を充電す
る。一方、コンデンサC4に充電されていた電荷は、コ
ンデンサC4−FETQ3−コンデンサC3−放電管L
MP−コンデンサC4と放電する。放電管LMPは、コ
ンデンサC5の充電電流とコンデンサC4の放電電流の
合成電流により点灯する。矩形波パルス電圧発振回路O
SC1の出力電圧がハイになれば、ツェナーダイオード
ZD3は電流が流れないが、ZD4は電流が流れるの
で、電源からのZD4を経由する電流は、電源E−矩形
波パルス電圧発振回路OSC1の高電位側の出力トラン
ジスタ−ツェナーダイオードZD4−抵抗器R4−電源
Eと流れ、R4に電圧が発生する。その電圧が3V程度
以上あれば、FETQ3はオフでQ4はオンになり、電
源からFETQ4を経由する電流は、電源E−コンデン
サC4−放電管LMP−コンデンサC3−FETQ4−
電源Eと流れて、コンデンサC4を充電する。一方、コ
ンデンサC5に充電されていた電荷は、コンデンサC5
−放電管LMP−コンデンサC3−FETQ4−コンデ
ンサC5と放電する。放電管LMPは、コンデンサC4
の充電電流とコンデンサC5の放電電流の合成電流によ
り点灯する。以後、矩形波パルス電圧発振回路OSC1
の出力電圧のハイ−ロウに合わせて、FETQ3とQ4
は交互にオン−オフをくり返し、放電管LMPは点灯す
る。ツェナーダイオードZD3とZD4のツェナー電圧
は、電源電圧の1/2以上の電圧なので、矩形波パルス
電圧発振回路OSC1の出力電圧が、例えば過渡的に電
源電圧の1/2の電圧になれば、ZD3とZD4は電流
が流れないので、FETQ3とQ4はオフになり、デッ
ドタイムが存在することが理解できる。矩形波パルス電
圧発振回路OSC1の出力電圧がハイに向けて上昇し
て、ツェナーダイオードZD4のツェナー電圧以上にな
れば、ZD4を流れる電流によりFETQ4のゲートの
入力容量が充電されながら、ゲート電圧がしきい値電圧
以上になった時点でQ4はオンになる。一方、発振回路
の出力電圧がロウからハイに上昇するとき、発振回路の
出力電圧がツェナーダイオードZD3のツェナー電圧以
上になった時点でZD3に電流が流れなくなるが、その
時点で前の半サイクルでFETQ3の入力容量に充電さ
れた電荷は抵抗器R3を介して放電を始め、矩形波パル
ス電圧発振回路OSC1の高電位側の出力トランジスタ
が導通を始めれば、そのトランジスタとツェナーダイオ
ードZD3の順方向接合との直列回路からも放電するの
で、Q3のオフを素早く行うことができる。この動作
は、矩形波パルス電圧発振回路OSC1の出力電圧がロ
ウに向けて下降するときも、FET、抵抗器、ツェナー
ダイオードは入れ替わるが、同じように動作を行う。以
上のようにこの回路では、矩形波パルス電圧発振回路O
SC1の出力電圧が過渡的にハイとロウの間にあるとき
でも、ツェナーダイオードZD3とZD4により、2つ
のFETQ3とQ4がデッドタイムを持って交互にオン
−オフする、他励式インバータ・直列ハーフブリッジ回
路を用いた照明装置としての動作を行うので、2つのト
ランジスタの同時オンを防止することができる。必要に
よりツェナーダイオードZD3とZD4の接続点とOS
C1の出力との間、抵抗器R3とZD3の接続点とFE
TQ3のゲート間、および、抵抗器R4とZD4の接続
点とFETQ4のゲート間に、抵抗器を接続してもよ
い。
【0014】この回路での請求項との関連を以下に示
す。この回路は、請求項1に係わる内容で、直流電源正
負端子間に直列接続または並列接続して交互にオン−オ
フする2つのトランジスタを有するインバータ回路にお
いて、ツェナーダイオードを利用してオン動作を遅延さ
せることにより、2つのトランジスタの同時オンを防止
する、インバータ回路である。
【0015】
【実施例3】図3は、本発明の特許請求項1に係わる回
路の第3の実施例で、他励式インバータ・直列ハーフブ
リッジ回路に適用した例である。本回路は、主トランジ
スタである2つの電力用NチャンネルFETQ5とQ6
を直列接続し、別に補助トランジスタである1つの小信
号用NチャンネルFETQ7を使用している。直流電源
Eの正端子にNチャンネルFETQ5のドレインとダイ
オードD1のアノードを接続し、直流電源Eの負端子に
はNチャンネルFETQ6とQ7のソースを接続して、
Q6とQ7のゲートは矩形波パルス電圧発振回路OSC
1の出力回路に、各々ツェナーダイオードZD5とZD
6を介して接続している。ツェナーダイオードZD5の
FETQ6のゲート側端子はアノードであり、ツェナー
ダイオードZD6のFETQ7のゲート側端子はカソー
ドである。FETQ7のドレインは、FETQ5のゲー
トに接続している。前述のダイオードD1のカソード
は、コンデンサC6と抵抗器R5の1つの端子に接続
し、コンデンサC6の別の端子はFETQ5のソースと
FETQ6のドレインの接続点Wに接続し、抵抗器R5
の別の端子はFETQ5のゲートに接続している。一
方、電源Eの正負端子間に直列接続した同じ特性のコン
デンサC8とC9の接続点Xと、直列接続したFETQ
5とQ6の接続点Wとの間に、トランスTR3の1次巻
線であるコイルL6と負荷電流制御素子であるコンデン
サC7を直列に接続している。トランスTR3の2次巻
線であるコイルL7には、負荷である放電管LMPを接
続している。ゲート保護用に、抵抗器R6とR7を各々
FETQ6とQ7のゲート・ソース間に接続している。
【0016】図3の動作を説明する。矩形波パルス電圧
発振回路OSC1の出力電圧がハイになれば、ツェナー
ダイオードZD5とZD6を介してFETQ6とQ7の
ゲートは正になるのでFETQ6とQ7はオンになる
が、FETQ5のゲートはFETQ7のドレインに接続
しているので、Q5のゲート電圧は電源Eの負端子に近
い電圧になり、Q5はオフになる。FETQ5がオフで
Q6がオンなので、電源からの電流は、電源E−コンデ
ンサC8−コイルL6−コンデンサC7−FETQ6−
電源Eと流れて、コンデンサC8を充電する。一方、コ
ンデンサC9に充電されていた電荷は、コンデンサC9
−コイルL6−コンデンサC7−FETQ6−コンデン
サC9と放電する。コンデンサC8の充電電流とコンデ
ンサC9の放電電流の合成電流により、トランスTR3
のコイルL7を介して放電管LMPは電流が流れて点灯
する。このときのダイオードD1を含む回路を説明す
る。矩形波パルス電圧発振回路OSC1の出力電圧がハ
イのときは、FETQ6とQ7はオンでQ5はオフにな
るが、電源からの電流は、前述の放電管LMPを点灯さ
せる電流の他に、電源E−ダイオードD1−コンデンサ
C6−FETQ6−電源Eと流れる回路があり、コンデ
ンサC6を電源電圧に近い電圧に充電する。このときは
FETQ7はオンであり、FETQ7のドレイン電圧と
FETQ5のゲート電圧は電源Eの負端子に近い電圧に
なるので、Q5はオフのままである。つぎに、矩形波パ
ルス電圧発振回路OSC1の出力電圧がロウになれば、
FETQ6とQ7はオフになり、電源電圧に近い電圧ま
で充電されたコンデンサC6の電圧が、抵抗器R5を介
してFETQ5のゲート・ソース間に印加されるためQ
5はオンになるが、FETQ6はオフなので、電源から
の電流は、電源E−FETQ5−コンデンサC7−コイ
ルL6−コンデンサC9−電源Eと流れて、コンデンサ
C9を充電する。一方、コンデンサC8に充電されてい
た電荷は、コンデンサC8−FETQ5−コンデンサC
7−コイルL6−コンデンサC8と放電する。コンデン
サC9の充電電流とコンデンサC8の放電電流の合成電
流により、トランスTR3のコイルL7を介して放電管
LMPは逆向きの電流が流れて点灯する。以後、矩形波
パルス電圧発振回路OSC1の出力電圧のハイ−ロウに
合わせてFETQ5とQ6は交互にオン−オフして、放
電管LMPは点灯する。
【0017】矩形波パルス電圧発振回路OSC1の出力
電圧が、ロウからハイに上昇するときを考える。矩形波
パルス電圧発振回路OSC1の電圧がロウからハイに上
昇するが、その電圧がツェナーダイオードZD6の順方
向電圧である約0.7Vになれば、FETQ7の入力容
量は充電されてくる。さらにOSC1の電圧が上昇し
て、その電圧がツェナーダイオードZD5のツェナー電
圧以上になれば、FETQ6の入力容量は充電を始め
る。FETQ7がオンになるOSC1の出力電圧は、F
ETQ7のしきい値電圧とツェナーダイオードZD6の
順方向電圧の和の電圧であり、FETQ6がオンになる
OSC1の出力電圧は、FETQ6のしきい値電圧とツ
ェナーダイオードZD5のツェナー電圧の和の電圧であ
る。この説明でわかるように、FETQ7がFETQ6
より早くオンになるので、FETQ6がオンになるより
早くFETQ5はオフになり、デッドタイムが生じる。
つぎに、矩形波パルス電圧発振回路OSC1の出力波形
がハイのときのFETQ6の入力容量に充電されている
電圧は、OSC1の出力電圧とツェナーダイオードZD
5のツェナー電圧の差の電圧であり、この電圧を仮にQ
6Vとする。同じように、FETQ7の入力容量に充電
されていた電圧は、OSC1の出力電圧とツェナーダイ
オードZD6の順方向電圧の差の電圧であり、この電圧
を仮にQ7Vとすれば、Q7VがQ6Vより高い。矩形
波パルス電圧発振回路OSC1の出力電圧がハイからロ
ウに下降するときを考える。まず、矩形波パルス電圧発
振回路OSC1の出力電圧がQ6V以下に下降すると、
ツェナーダイオードZD5を経由して抵抗器R6に流れ
ていた電流は流れなくなるので、FETQ6の入力容量
に充電された電荷はR6を介して放電する。OSC1の
出力電圧とFETQ6の入力容量に充電されている電圧
との差の電圧がZD5の順方向電圧以上に下降すれば、
ZD5とOSC1の低電位側のトランジスタの直列回路
からも放電する。同じく、FETQ7についてみると、
矩形波パルス電圧発振回路OSC1の出力電圧がQ7V
以下に下降すると、ツェナーダイオードZD6を経由し
て抵抗器R7には電流が流れなくなるので、FETQ7
の入力容量に充電された電荷はR7を介して放電し、Q
7Vよりさらに下降すれば、ZD6とOSC1の低電位
側のトランジスタの直列回路からも放電する。この説明
でわかるように、FETQ6がFETQ7より早くオフ
になるので、FETQ5がオンになるより早くFETQ
6はオフになり、デッドタイムが生じる。以上のように
この回路では、矩形波パルス電圧発振回路OSC1の出
力電圧が過渡的にハイからロウに、またはロウからハイ
に変化するときでも、ツェナーダイオードZD5とZD
6により、2つのFETQ5とQ6がデッドタイムを持
って交互にオン−オフする、他励式インバータ・直列ハ
ーフブリッジ回路を用いた照明装置としての動作を行う
ので、2つのトランジスタの同時オンを防止することが
できる。なお、一般的に小信号FETはパワーFETよ
りも入力容量は小さいので、FETQ6はパワーFET
をFETQ7は小信号FETを使用するとよい。
【0018】この回路での請求項との関連を以下に示
す。この回路は、請求項1に係わる内容で、直流電源正
負端子間に直列接続または並列接続して交互にオン−オ
フする2つのトランジスタを有するインバータ回路にお
いて、ツェナーダイオードを利用してオン動作を遅延さ
せることにより、2つのトランジスタの同時オンを防止
する、インバータ回路である。
【0019】
【実施例4】図4は、本発明の特許請求項1に係わる回
路の第4の実施例で、他励式インバータ・直列フルブリ
ッジ回路に適用した例である。本回路は、直流電源Eの
正端子にPチャンネルFETQ8とQ10のソースを接
続し、直流電源Eの負端子にはNチャンネルFETQ9
とQ11のソースを接続し、Q8とQ9のドレイン同士
およびQ10とQ11のドレイン同士を接続して、相補
形の2つのFETの直列回路を2つとし、その2つのF
ET回路のドレイン同士の接続点Y・Z間に、負荷電流
制御素子であるコンデンサC10と放電管LMPとを直
列に接続している。FETQ8のゲートは、FETQ1
0とQ11のドレイン同士の接続点Zに抵抗器R14と
ツェナーダイオードZD8の直列回路を介して接続し、
FETQ10のゲートは、FETQ8とQ9のドレイン
同士の接続点Yに抵抗器R13とツェナーダイオードZ
D9の直列回路を介して接続している。ツェナーダイオ
ードZD8とZD9のアノードは、各々接続点Z側とY
側である。電源Eの正端子に抵抗器R12を接続し、電
源Eの負端子に抵抗器R11を接続して、R11とR1
2の接続点はツェナーダイオードZD7のカソードとダ
イオードD2のアノードに接続し、ZD7のアノードは
FETQ11のゲートに接続し、D2のカソードはFE
TQ8とQ9のドレイン同士の接続点Yに接続する。F
ETQ9のゲートは矩形波パルス電圧発振回路OSC1
の出力回路に接続している。FETのゲートの保護のた
め、抵抗器R8、R9、R10が各々FETQ8、Q
9、Q10のゲート・ソース間に接続している。ツェナ
ーダイオードZD7はレベルシフト用で、FETQ9の
オン電圧とダイオードD2の順方向電圧の和が、FET
Q11のしきい値電圧より低ければ、ZD7は必ずしも
必要ではない。FETQ8とQ10のオン動作は、ツェ
ナーダイオードZD8とZD9によりFETQ9とQ1
1のオン動作より遅くして、2組の直列接続したFET
の同時オンを防止している。
【0020】図4の動作を説明する。矩形波パルス電圧
発振回路OSC1の出力電圧をFETQ9のゲートに印
加しているが、その電圧がハイであればFETQ9はオ
ンになるので、電源からの電流は、電源E−抵抗器R1
0−抵抗器R13−ツェナーダイオードZD9−FET
Q9−電源Eと流れ、抵抗器R10に発生する電圧でF
ETQ10はオンになる。一方、電源から抵抗器R12
を経由する電流は、電源E−抵抗器R12−ダイオード
D2−FETQ9−電源Eと流れるが、Q9のオン電圧
とD2の順方向電圧の和の電圧が、ツェナーダイオード
ZD7のツェナー電圧とFETQ11のしきい値電圧の
和の電圧より低いので、Q11はオフのままである。F
ETQ10はオンでQ11がオフなので、抵抗器R14
とツェナーダイオードZD8には電流が流れないので、
FETQ8のゲートには電圧が印加されず、Q8もオフ
になる。即ち、斜交する一方の組のFETQ8とQ11
はオフになり、別の組のFETQ9とQ10はオンにな
るので、電源からの電流は、電源E−FETQ10−コ
ンデンサC10−放電管LMP−FETQ9−電源Eと
流れ、放電管LMPは電流が流れて点灯する。つぎに、
矩形波パルス電圧発振回路OSC1の出力電圧がロウま
たはFETQ9に入力信号が印加されなければFETQ
9はオフになるので、抵抗器R10には電圧が発生せず
FETQ10もオフになる。電源Eの電圧を抵抗器R1
2とR11で分圧した電圧がツェナーダイオードZD7
を介してFETQ11のゲートに印加されるが、その電
圧をFETQ11のしきい値とツェナーダイオードZD
7のツェナー電圧の和の電圧以上に設定しておけばQ1
1はオンになるので、電源からの電流は、電源E−抵抗
器R8−抵抗器R14−ツェナーダイオードZD8−F
ETQ11−電源Eと流れ、抵抗器R8に発生する電圧
でFETQ8はオンになる。即ち、前述の4つのFET
Q8〜Q11は全て反転するため、斜交する一方の組の
FETQ8とQ11がオンになり、別の組のFETQ9
とQ10がオフになるので、電源からの電流は、電源E
−FETQ8−放電管LMP−コンデンサC10−FE
TQ11−電源Eと流れ、放電管LMPは前述とは逆向
きの電流が流れて点灯する。以後、矩形波パルス電圧発
振回路OSC1の出力電圧のハイ−ロウに合わせて、斜
交する2組のFETQ8とQ11およびFETQ9とQ
10は交互にオンーオフして、放電管LMPは点灯す
る。この回路は、矩形波パルス電圧発振回路OSC1の
出力波形がロウからハイに変化するときは、FETQ1
1とQ8はオンからオフになり、FETQ9とQ10は
オフからオンになる。まず、FETQ9とQ10の組の
FETのオン動作では、Q9がオンになってQ9のドレ
イン電圧は下降するが、電源Eの正端子とQ9のドレイ
ン電圧との差の電圧が、ツェナーダイオードZD9のツ
ェナー電圧以上になった時点でZD9は導通し、抵抗器
R10を介してQ10の入力容量に充電を始め、その充
電電圧がしきい値電圧以上になった時点でQ10はオン
になる。FETQ9とQ10のオフ動作では、Q9がオ
フになってQ9のドレイン電圧は上昇するが、電源Eの
正端子とQ9のドレイン電圧との差の電圧が、ツェナー
ダイオードZD9のツェナー電圧以下になった時点でZ
D9を経由する電流はなくなるので、FETQ10の入
力容量に充電されていた電荷は、抵抗器R10を介して
放電を始め、その電圧がしきい値以下になった時点でQ
10はオフする。以上の説明でもわかるようにこの回路
では、ツェナーダイオードZD9の接続により、FET
Q10のオンがQ9のオンより遅延する。FETQ11
とQ8の組のFETについても、同じように動作する。
以上のようにこの回路では、矩形波パルス電圧発振回路
OSC1の出力電圧が過渡的にハイからロウに、または
ロウからハイに変化するときでも、斜交する2組のFE
TQ8とQ11およびFETQ9とQ10の高圧側のF
ETQ8とQ10は、ツェナーダイオードZD8とZD
9によりデッドタイムを持って交互にオン−オフするの
で、直列接続された2つのFETの同時オンを防止す
る、他励式インバータ・直列フルブリッジ回路を用いた
照明装置としての動作を行う。なお、矩形波パルス発振
回路OSC1に反転出力端子があり、その出力をFET
Q11のゲートに接続すれば、抵抗器R12とダイオー
ドD2およびツェナーダイオードZD7は不要になる。
【0021】この回路での請求項との関連を以下に示
す。この回路は、請求項1に係わる内容で、直流電源正
負端子間に直列接続または並列接続して交互にオン−オ
フする2つのトランジスタを有するインバータ回路にお
いて、ツェナーダイオードを利用してオン動作を遅延さ
せることにより、2つのトランジスタの同時オンを防止
する、インバータ回路である。
【0022】
【実施例5】図5は、本発明の請求項1に係わる回路の
第5の実施例で、他励式インバータ・並列回路(プッシ
ュプル回路)に適用した例である。本回路は、2つのト
ランジスタQ12とQ13をNPNバイポーラトランジ
スタとし、Q12のコレクタをトランスTR5の一方の
1次巻線であるコイルL11の非黒点側の端子に接続
し、Q13のコレクタをTR5の別の1次巻線であるコ
イルL12の黒点側の端子に接続して、L11とL12
の別の端子は直流電源Eの正端子に接続している。2つ
のトランジスタQ12とQ13のエミッタは、直流電源
Eの負端子に接続している。トランスTR5の2次巻線
であるコイルL13は、負荷電流制御素子であるコンデ
ンサC11を介して、放電管LMPに接続している。矩
形波パルス電圧発振回路OSC1で発振した矩形波パル
ス電圧は、駆動トランスTR4の1次巻線であるコイル
L8に接続し、TR4の一方の2次巻線であるコイルL
9は、ツェナーダイオードZD10と抵抗器R15を介
してトランジスタQ12のベースとエミッタに接続し、
TR4の別の2次巻線であるコイルL10はツェナーダ
イオードZD11と抵抗器R16を介して、トランジス
タQ13のベースとエミッタに接続して、他励式インバ
ータ・並列回路としている。ツェナーダイオードZD1
0とZD11は、カソードがトランジスタのエミッタ側
である。
【0023】図5の動作を説明する。矩形波パルス電圧
発振回路OSC1の出力電圧を、トランスTR4の1次
巻線であるコイルL8に印加しているが、TR4の2次
巻線であるコイルL9とL10の電圧が黒点側が正で、
その大きさがツェナーダイオードZD10のツェナー電
圧とトランジスタQ12のベース・エミッタ間の立ち上
がり電圧の和の電圧以上になれば、コイルL9の電流
は、コイルL9−抵抗器R15−トランジスタQ12の
ベース・エミッタ間−ツェナーダイオードZD10−コ
イルL9と流れて、Q12をオンにする。なお、トラン
ジスタQ13はベース電流は流れないのでオフである
が、ベース・エミッタ間には逆電圧が印加されるので、
少数キャリアが排出されて蓄積時間は短くなる。トラン
ジスタQ12がオンでQ13がオフなので、電源からの
電流は、電源E−コイルL11−トランジスタQ12−
電源Eと流れる。トランスTR5の1次巻線であるコイ
ルL11の電流により、トランスTR5の2次巻線であ
るコイルL13とコンデンサC11を介して、放電管L
MPは電流が流れて点灯する。つぎに、トランスTR4
の2次巻線である、コイルL9とL10の非黒点側が正
になれば、コイルL10の電流は、コイルL10−抵抗
器R16−トランジスタQ13のベース・エミッタ間−
ツェナーダイオードZD11−コイルL10と流れて、
Q13をオンにする。なお、トランジスタQ12はベー
ス電流は流れないのでオフになるが、ベース・エミッタ
間には逆電圧が印加されるので、少数キャリアが排出さ
れて蓄積時間は短くなる。トランジスタQ12がオフで
Q13がオンにより、電源からの電流は、電源E−コイ
ルL12−トランジスタQ13−電源Eと流れる。トラ
ンスTR5の1次巻線であるコイルL12の電流によ
り、トランスTR5の2次巻線であるコイルL13とコ
ンデンサC11を介して、放電管LMPは逆方向に電流
が流れて点灯する。この回路で、コイルL9とL10の
黒点側が負から正に変わってツェナーダイオードZD1
1の順方向電圧以上になれば、トランジスタQ13のベ
ース・エミッタ間に逆電圧を印加するので、少数キャリ
アを排出して蓄積時間を短くし、Q13をオフにする。
さらにコイルL9とL10の電圧が上昇してツェナーダ
イオードZD10のツェナー電圧以上になれば、トラン
ジスタQ12にベース電流が流れてQ12をオンにす
る。以上のようにこの回路では、トランジスタがオンす
るときは駆動コイルの電圧がツェナーダイオードのツェ
ナー電圧とトランジスタのベース・エミッタ間の立ち上
がり電圧の和の電圧以上になったときであり、トランジ
スタがオフするときは駆動コイルの電圧がマイナス電圧
でツェナーダイオードの順方向電圧になった時点でトラ
ンジスタのベース・エミッタ間に逆電圧が印加されて少
数キャリアが排出されるので、ツェナーダイオードZD
10とZD11により、2つのトランジスタQ12とQ
13がデッドタイムを持って交互にオン−オフする、他
励式インバータ・並列回路を用いた照明装置としての動
作を行い、2つのトランジスタの同時オンを防止するこ
とができる。
【0024】この回路での請求項との関連を以下に示
す。この回路は、請求項1に係わる内容で、直流電源正
負端子間に直列接続または並列接続して交互にオン−オ
フする2つのトランジスタを有するインバータ回路にお
いて、ツェナーダイオードを利用してオン動作を遅延さ
せることにより、2つのトランジスタの同時オンを防止
する、インバータ回路である。
【0025】
【実施例6】図6は、本発明の特許請求項1と請求項2
に係わる回路の実施例で、他励式インバータ・直列変形
ハーフブリッジ回路に適用した例である。本回路は、直
流電源Eの正端子にPNPバイポーラトランジスタQ1
4のエミッタを接続し、電源Eの負端子にNPNバイポ
ーラトランジスタQ15のエミッタを接続して、2つの
トランジスタQ14とQ15のコレクタ同士の接続点
と、電源Eの負端子間に、コンデンサC14とトランス
TR6の1次巻線であるコイルL14を直列に接続し、
TR6の2次巻線であるコイルL15は、コンデンサC
15を介して負荷である放電管LMPに接続している。
一方、電源Eの正端子に抵抗器R18を接続し、電源E
の負端子にNPNトランジスタQ16のエミッタを接続
し、R18の別の端子とQ16のコレクタを接続する。
トランジスタQ16と抵抗器R18の接続点とトランジ
スタQ14のベースとの間に、抵抗器R22とコンデン
サC12の並列回路に直列にツェナーダイオードZD1
2を接続し、Q16とR18の接続点とトランジスタQ
15のベースとの間に、抵抗器R23とコンデンサC1
3の並列回路に直列にツェナーダイオードZD13を接
続している。ツェナーダイオードZD12のアノードと
ZD13のカソードは抵抗器R18側で、ZD12とZ
D13のツェナー電圧の和は電源電圧以上であり、各々
のツェナー電圧は電源Eより低い。矩形波パルス電圧発
振回路OSC1の出力は、抵抗器R17を介してトラン
ジスタQ16のベースに接続している。コンデンサC1
2とC13はスピードアップコンデンサである。抵抗器
R19〜R21はリーク電流による誤動作防止用であ
り、R19はトランジスタQ16のベースとエミッタに
接続し、R20はトランジスタQ14のベースとエミッ
タに接続し、R21はトランジスタQ15のベースとエ
ミッタに接続している。ツェナーダイオードZD12の
動作は、2つのトランジスタQ14とQ15の過渡的な
同時オンの防止だけではなく、定常動作上必要なツェナ
ーダイオードである。即ち、ツェナーダイオードZD1
2のツェナー電圧は、トランジスタQ16がオフのとき
に、トランジスタQ15のベース電流により発生する抵
抗器R18の電圧では、トランジスタQ14がオンしな
いツェナー電圧で、しかも、Q16がオンのときにQ1
4にベース電流が流れるツェナー電圧にする必要がある
が、過渡的な同時オンの防止効果も大きくなる。ツェナ
ーダイオードZD13は、トランジスタQ16がオフの
ときに、トランジスタQ15にベース電流が流れるツェ
ナー電圧にする必要があり、過渡的な同時オンの防止用
である。
【0026】図6の動作を説明する。矩形波パルス電圧
発振回路OSC1の出力電圧を、抵抗器R17を介して
トランジスタQ16のベースに印加しているが、その電
圧がハイならばQ16はオンになるので、抵抗器R18
を経由する電流は、電源E−抵抗器R18−トランジス
タQ16−電源Eと流れる。一方、ツェナーダイオード
ZD12を経由する電流は、電源E−トランジスタQ1
4のエミッタ・ベース間−抵抗器R22とコンデンサC
12の並列回路−ツェナーダイオードZD12−トラン
ジスタQ16−電源Eと流れ、Q14をオンにすると同
時に、コンデンサC12を充電する。トランジスタQ1
4がオンで、Q15はベース電流が流れずオフなので、
電源からの電流は、電源E−トランジスタQ14−コン
デンサC14−コイルL14−電源Eと流れると同時
に、コンデンサC14を充電する。コイルL14の電流
により、トランスTR6の2次巻線であるコイルL15
とコンデンサC15を介して、放電管LMPは電流が流
れて点灯する。なお、コンデンサC13に充電されてい
た電荷によりトランジスタQ15のベース・エミッタ間
に逆電圧が印加され、Q15のベース領域にある少数キ
ャリアを強制的に外部に排出して蓄積時間を短くする。
つぎに、矩形波パルス電圧発振回路OSC1の出力電圧
がロウならば、トランジスタQ16はオフなので、抵抗
器R18を経由する電流は、電源E−抵抗器R18−ツ
ェナーダイオードZD13−抵抗器R23とコンデンサ
C13の並列回路−トランジスタQ15のベース・エミ
ッタ間−電源Eと流れ、Q15をオンにすると同時に、
コンデンサC13を充電する。このときのトランジスタ
Q15のベース電流による抵抗器R18に発生する電圧
は、ツェナーダイオードZD12のツェナー電圧とトラ
ンジスタQ14のエミッタ・ベース間の立ち上がり電圧
の和の電圧より低いために、Q14にはベース電流が流
れずQ14はオフである。トランジスタQ14がオフで
Q15はオンなので、コンデンサC14に充電されてい
た電荷は、コンデンサC14−トランジスタQ15−コ
イルL14−コンデンサC14と放電する。この電流に
よりトランスTR6の2次巻線であるコイルL15とコ
ンデンサC15を介して、放電管LMPは逆向きの電流
が流れて点灯する。なお、コンデンサC12に充電され
ていた電荷により、トランジスタQ14の蓄積時間が短
くなる。以後、矩形波パルス電圧発振回路OSC1の出
力電圧のハイ−ロウに合わせて、トランジスタQ14と
Q15は交互にオン−オフして、放電管LMPは点灯す
る。この回路は、コイルL14の電源負端子側を電源正
端子側に接続しても、同じような動作を行う。なお、ト
ランジスタQ14とQ15のベース間にコンデンサを接
続すれば、Q14とQ15のオン−オフの切り替えがよ
り確実になる。この回路で、抵抗器R18とトランジス
タQ16の接続点がロウからハイに変わる途中で、過渡
的に電源Eの1/2になったときを考える。トランジス
タQ14はオンからオフに、トランジスタQ15はオフ
からオンに変わるが、電源Eの1/2の瞬間はQ14と
Q15の両トランジスタ共ベース電流は流れず、Q14
とQ15はオフになるので、デッドタイムが存在する。
以上のようにこの回路では、矩形波パルス電圧発振回路
OSC1の出力電圧が過渡的にハイからロウに、または
ロウからハイに変化するときでも、ツェナーダイオード
ZD12とZD13により、2つのトランジスタQ14
とQ15がデッドタイムを持って交互にオン−オフす
る、他励式インバータ・変形ハーフブリッジ回路を用い
た照明装置としての動作を行うので、2つのトランジス
タの同時オンを防止することができる。また、トランジ
スタQ16がオフのときは、トランジスタQ15のベー
ス電流により抵抗器R18に発生する電圧では、ツェナ
ーダイオードZD12によってトランジスタQ14にベ
ース電流は流れないので、Q14はオフになっている。
【0027】この回路での請求項との関連を以下に示
す。この回路は請求項1に係わる内容で、直流電源正負
端子間に直列接続または並列接続して交互にオン−オフ
する2つのトランジスタを有するインバータ回路におい
て、ツェナーダイオードを利用してオン動作を遅延させ
ることにより、2つのトランジスタの同時オンを防止す
る、インバータ回路である。この回路は請求項2に係わ
る内容で、直流電源正負端子間に直列接続して交互にオ
ン−オフする相補形の2つのトランジスタを、抵抗器と
トランジスタを直列に接続したレベル変換回路で駆動す
る、他励式インバータ・直列回路において、前記の相補
形の一方のトランジスタをオンさせるための制御端子へ
の印加電圧または印加電流にて前記の抵抗器に発生する
電圧により、相補形の他方のトランジスタの制御端子へ
電流または電圧が印加されることによる2つのトランジ
スタの同時オンを、ツェナーダイオードにより防止する
回路にした、他励式インバータ・直列回路でもある。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、直
流電源正負端子間に直列接続または並列接続して交互に
オン−オフする2つのトランジスタを有するインバータ
回路において、トランジスタの遅延時間、上昇時間、下
降時間、蓄積時間(バイポーラトランジスタのときで少
数キャリアによる)、入力容量(FETのとき)等のた
め出力波形の鈍りによる、2つのトランジスタの同時オ
ンを防止する目的でツェナーダイオードを利用してオン
動作を遅延させる回路にしたインバータ回路、または、
直流電源正負端子間に直列接続して交互にオン−オフす
る相補形の2つのトランジスタを有する他励式インバー
タ・直列回路において、一方のトランジスタをオンさせ
るための制御端子への印加電圧または印加電流により、
他方のトランジスタの制御端子への電圧または電流が印
加されることによる2つのトランジスタの同時オンを防
止する回路に、ツェナーダイオードを用いた他励式イン
バータ・直列回路にすることができるので、小型、軽
量、安価な2つのトランジスタの同時オン防止付きのイ
ンバータ回路を提供することができるという効果が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1を適用した回路図で、トラン
ジスタにNPNバイポーラトランジスタを使用した、他
励式インバータ・直列変形ハーフブリッジ回路よりなる
照明装置である。
【図2】本発明の実施例2を適用した回路図で、トラン
ジスタに相補形のFETを使用した、他励式インバータ
・直列ハーフブリッジ回路よりなる照明装置である。
【図3】本発明の実施例3を適用した回路図で、トラン
ジスタにNチャンネルFETのみを使用した、他励式イ
ンバータ・直列ハーフブリッジ回路よりなる照明装置で
ある。
【図4】本発明の実施例4を適用した回路図で、トラン
ジスタに相補形のFETを直列接続した回路を2つ使用
した、他励式インバータ・直列フルブリッジ回路よりな
る照明装置である。
【図5】本発明の実施例5を適用した回路図で、トラン
ジスタにバイポーラトランジスタを使用した、他励式イ
ンバータ・並列回路よりなる照明装置である。
【図6】本発明の実施例6を適用した回路図で、トラン
ジスタに相補形のバイポーラトランジスタを使用した、
他励式インバータ・直列変形ハーフブリッジ回路よりな
る照明装置である。
【図7】従来の技術に係わる回路図で、トランジスタに
バイポーラトランジスタを使用した、保護回路付きの他
励式インバータ・直列ハーフブリッジ回路よりなる照明
装置である。
【符号の説明】
E 直流電源 R1〜R26 抵抗器 C1〜C18 コンデンサ Q1〜Q19 バイポーラトランジスタまたはF
ET D1〜D2 ダイオード ZD1〜ZD13 ツェナーダイオード TR1〜TR7 トランス L1〜L18 トランスのコイル OSC1 矩形波パルス電圧発振回路 LMP 放電管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 晴美 神奈川県横浜市鶴見区北寺尾七丁目29番3 号

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流電源正負端子間に直列接続または並
    列接続して交互にオン−オフする2つのトランジスタを
    有するインバータ回路において、ツェナーダイオードを
    利用してオン動作を遅延させることにより、2つのトラ
    ンジスタの同時オンを防止する、インバータ回路。
  2. 【請求項2】 直流電源正負端子間に直列接続して交互
    にオン−オフする相補形の2つのトランジスタを、抵抗
    器とトランジスタを直列に接続したレベル変換回路で駆
    動する、他励式インバータ・直列回路において、前記の
    相補形の一方のトランジスタをオンさせるための制御端
    子への印加電圧または印加電流にて前記の抵抗器に発生
    する電圧により、相補形の他方のトランジスタの制御端
    子へ電流または電圧が印加されることによる2つのトラ
    ンジスタの同時オンを、ツェナーダイオードにより防止
    する回路にした、他励式インバータ・直列回路。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013065387A1 (ja) * 2011-11-02 2013-05-10 浜松ホトニクス株式会社 容量性負荷駆動回路

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013065387A1 (ja) * 2011-11-02 2013-05-10 浜松ホトニクス株式会社 容量性負荷駆動回路
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