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JPH10182995A - 新規フタロシアニン化合物、その製造方法および近赤外吸収材料 - Google Patents

新規フタロシアニン化合物、その製造方法および近赤外吸収材料

Info

Publication number
JPH10182995A
JPH10182995A JP8348629A JP34862996A JPH10182995A JP H10182995 A JPH10182995 A JP H10182995A JP 8348629 A JP8348629 A JP 8348629A JP 34862996 A JP34862996 A JP 34862996A JP H10182995 A JPH10182995 A JP H10182995A
Authority
JP
Japan
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phthalocyanine
infrared
substituted
phthalocyanine compound
resin
Prior art date
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Granted
Application number
JP8348629A
Other languages
English (en)
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JP3959143B2 (ja
Inventor
Osamu Kaieda
修 海江田
Masuaki Kitao
倍章 北尾
Yasunori Okumura
康則 奥村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
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Publication of JPH10182995A publication Critical patent/JPH10182995A/ja
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  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 800〜1,000nmの近赤外線域の吸収
能が高く、かつ可視域の透過性に優れ、しかも溶解性、
耐光性ならびに耐熱性に優れたフタロシアニン化合物、
その製造方法ならびに該化合物を用いた近赤外線(熱
線)吸収および遮蔽材を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1) 【化1】 (ただし、式中、MはSnCl2 、Aは置換可能な炭素
原子数1〜8個の範囲の直鎖および分鎖状のアルコキシ
基がオルソ位あるいはパラ位に少なくとも1個置換され
ているアニリノ基を表わす。)で示されるフタロシアニ
ン化合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なフタロシア
ニン化合物およびその製造方法、ならびに近赤外線域の
吸収能が高くかつ可視域に吸収の少ない、樹脂との相溶
性の高い近赤外線(熱線)吸収材料および遮蔽材料に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、コンパクトディスク、レーザーデ
ィスク、光メモリーディスク、光カード等の光記録媒
体、液晶表示装置・光学文字読み取り機等における書き
込みあるいは読み取りのために、半導体レーザーが光源
として用いられることにより、また近赤外線を感知する
センサー、近赤外線光増感剤、感熱転写、感熱紙・感熱
孔版等光熱変換剤、近赤外線吸収カットフィルター、改
ざん偽造防止用バーコード用インク等の近赤外線吸収イ
ンク、近赤外線をカットする眼精疲労防止剤、自動車あ
るいは建材の熱線遮蔽材、あるいは繊維などの蓄熱保温
剤など近赤外線吸収色素への開発要求が高まっている。
【0003】特に、近赤外線を吸収する効果を利用した
近赤外線(熱線)遮蔽材の各種用途への応用が活発であ
り、種々の材料が提案されている。しかしながら、いま
だあらゆる特性を満足したものがないのが現状であり、
より性能の良いものが強く要望されている。近赤外線を
吸収する近赤外線(熱線)遮蔽材の主要な用途としてつ
ぎのものが挙げられる。
【0004】従来メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹
脂などの材料は、優れた透明性および耐候性を有してい
るために建物あるいは乗り物の窓、天井窓、扉、電話ボ
ックス、アーケード、カーポート、工場の屋根あるいは
天井ドーム等のいわゆるグレージング用途にもちいられ
てきているが、太陽光中の熱線透過率も高いために、例
えば直射日光にさらされた場合等には、内部の温度上昇
が著しくなるという欠点を有している。それらの理由か
ら可視光を十分に取り入れながら、室内の温度の上昇を
抑制できるものが望まれている。
【0005】現在、植物の栽培において、温室、ビニー
ルハウスが農作物の収穫内容の改善あるいは収穫時期を
変える目的などのために盛んに用いられている。これら
における課題としてひとつには特に夏期における室内の
温度が上昇することを防止することがある。また、植物
の生育の調節に近赤外線域の光が影響していることはよ
く知られているが、その調節の目的にフィルムへの近赤
外線域の吸収剤の添加がある。これらの理由から植物の
生育に必要な可視光線の透過を実質的に阻止することな
く効果的な、熱線遮蔽フィルムが望まれている。
【0006】以上は、主に熱的作用に由来するものであ
るが、光学的作用に由来する用途もある。現在、テレ
ビ、ビデオあるいは磁気テープなどの電気製品の駆動、
停止、遠隔操作あるいは遠隔制御に近赤外線を用いてい
る場合が多い。しかしながら、外部の近赤外線の遮断あ
るいは電気製品そのものから出る近赤外線をカットして
お互いの電気製品の駆動、停止、遠隔操作あるいは遠隔
制御の誤動作を防止することを必要としており、それら
の用途への利用が要請されている。特に壁掛けテレビと
して注目されている、プラズマディスプレイからは画素
発光に使用される封入ガスから大量の赤外線が出るため
に各種の家電機器リモコンの誤作動を誘発するという問
題点があり、そのために効能の高い近赤外線吸収カット
フィルターが要求されている。
【0007】太陽光中に含まれる赤外線またはコンピュ
ーター端末機ディスプレイもしくは溶接の際に放射され
る光線中に含まれる赤外線は、人間の目に対して有害で
ある。よって、人間の目を保護する目的での近赤外線遮
断効果のあるサングラス、一般メガネ、コンタクトレン
ズ、保護メガネなどが要請されている。
【0008】他方、近赤外線を吸収して、熱に変える効
果を利用した蓄熱材、保温材としてのフィルム、シート
あるいは繊維等も望まれている。
【0009】かくして、従来、近赤外線(熱線)吸収・
遮蔽材としていくつかの提案がなされてきた。その場合
に用いる樹脂としては、透明性のポリカーボネート樹
脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂
等が用いられ、樹脂板、シート、フィルム、塗料あるい
は繊維等が目的に応じて使用されている。一方、近赤外
線を吸収する添加剤として、例えば近赤外線を吸収する
染料・顔料は多数知られており、それらを用いたものも
多数提案されている。例えば、特公昭62−5190号
には染料を添加し、熱線遮蔽材として使用する方法が提
案されているが、近赤外線の吸収能に乏しいために熱線
遮蔽効果を得るためには、大量に添加せねばならず、そ
のために可視光線の透過率が低下し透明性が損なわれる
という問題点を有している。また、特開昭51−135
886号、特開昭61−80106号、特開昭62−9
03号などには近赤外線域に吸収のある顔料を添加する
方法が提案されているが、溶解性に乏しく樹脂との相溶
性が悪いために均一性に問題があり、そのため用途が限
定されるという問題点を有している。
【0010】また、特開昭63−106735号などに
は無機顔料を配合して熱線遮蔽材として使用する方法が
提案されているが、熱線遮蔽効果は有しているが、全く
可視光を透過しないため用途が限定される。さらに、特
開平1−161036号、特開平3−227366号な
どには、六塩化タングステンなどを含有させる方法も提
案されている。しかしながら、これらの方法は近赤外線
吸収効果は良好であるものの光安定性が悪いという欠点
を有している。
【0011】さらに、特公昭43−25335号公報等
に見られるように、有機色素からなる赤外線吸収剤の使
用が考えられ、この赤外線吸収剤を使用した赤外線吸収
板は、透明感があり、加工性も良好なものである。しか
しながら、特公昭43−25533号公報に記載がある
ように、一般に有機系の赤外線吸収剤は200℃を超え
る温度では分解が生じ、実質的にはキャスト重合でしか
使用できない、あるいは繊維の紡糸温度で使用できない
等の取り扱い上の制約がある。
【0012】赤外線吸収剤の耐熱性の問題を解決するた
めに、例として、特開平3−161644号に見られる
ように、成形温度の低い透明樹脂に耐熱温度の低い赤外
線吸収剤を添加したものでフィルムを作成し、成形温度
の高い透明樹脂板に熱ラミネート成形した積層品を作成
する等の方法が考えられる。しかしながら、この方法で
は実質的に赤外線吸収剤の耐熱性の問題の解決にはなっ
ていない。また、この赤外線吸収剤を含有したフィルム
はキャスト重合で作成するものであり、かなり高価なも
のである。
【0013】本発明者らは、これらの問題点を解決する
ために種々検討し、それらに有効な色素として特開平5
−345686号、特開平6−264050号等に各種
のフタロシアニン色素を提案した。
【0014】これらのすでに提案したフタロシアニン化
合物において、中心金属がバナジルで、フタロシアニン
骨格におけるベンゼン核にアニリノ基が約8個置換され
ているフタロシアニン化合物、中心金属が塩化錫でフタ
ロシアニン骨格におけるベンゼン核にアニリノ基が4個
置換されているフタロシアニン化合物等は近赤外線域に
吸収を持ち、耐光性、耐熱性または溶解性に優れている
ために、蒸着あるいは樹脂への煩雑な工程を用いないで
色素を薄膜化、塗料化、あるいは樹脂への練り込みが容
易であり、種々の近赤外線吸収色素として有用である。
【0015】しかしながら、近赤外線吸収カットフィル
ター材、改ざん偽造防止用バーコード用インク等の近赤
外線吸収インク、近赤外線をカットする眼精疲労防止
材、自動車あるいは建材の熱線遮蔽材等は、透明樹脂に
近赤外線吸収色素を含有させて用いられ、近赤外線を吸
収する効果とともに、できるだけ透明性の高いものが望
まれているが、上記における前者のフタロシアニン色素
は近赤外線吸収能は高いが、透明性の点で不十分であ
り、用途が限定されるという問題点を有しており、また
後者のフタロシアニン色素は透明性は比較的良好である
が近赤外線吸収能に劣り、用途が限定されるという問題
点を有していることが判明した。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
有する前記事情に鑑みてなされたものである。すなわ
ち、本発明の目的は、本発明者らが特開平5−3458
61号、特開平6−264050号等に提案した近赤外
線吸収色素の特徴である溶解性、耐光性、耐熱性におい
ては同等以上の性能を持ち、その上に近赤外線域の吸収
能が高くかつ可視域の透過率をさらに向上させた近赤外
線(熱線)吸収・遮蔽材を提供しようとするものであ
る。
【0017】また、本発明のフタロシアニン色素は、各
種の樹脂との相溶性が良好であり、樹脂に含有させて利
用する近赤外線遮蔽材、熱線遮蔽材あるいは蓄熱・保温
材として優れた効果を発揮するものを提供しようとする
ものである。
【0018】また、本発明のフタロシアニン化合物は、
耐熱性が良好であるので、種々の熱可塑性樹脂を用い
て、射出成形、押出成形等の生産性の良い成形方法で近
赤外線(熱線)吸収・遮蔽材を作成することが可能であ
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】前記諸目的は、下記
(1)〜(8)により達成される。
【0020】(1) 下記一般式(1)
【0021】
【化5】
【0022】(ただし、式中、MはSnCl2 、Aは炭
素原子数1〜8個の範囲の直鎖および分鎖状のアルコキ
シ基がオルソ位あるいはパラ位に少なくとも1個置換さ
れているアニリノ基を表わす。)で示されフタロシアニ
ン化合物。
【0023】(2) 前記一般式(1)において、Aは
下記一般式(2)
【0024】
【化6】
【0025】(ただし、式中、R1 およびR2 は炭素原
子数1〜8個の範囲のアルキル基を表わし、nは0〜2
の整数を表わし、R1 とR2 の炭素数の総和は2以上で
ある。)である前記(1)に記載のフタロシアニン化合
物。
【0026】(3) 下記一般式(3)
【0027】
【化7】
【0028】(ただし、式中、A1 は置換可能な炭素原
子数1〜8個の範囲の直鎖および分岐状のアルコキシ基
がオルソ位あるいはパラ位に少なくとも1個置換されて
いるアニリノ基を表わす。)で示されるフタロニトリル
化合物と、ハロゲン化錫とを反応せしめることを特徴と
する前記(1)または(2)に記載のフタロシアニン化
合物の製造方法。
【0029】(4) フタロシアニン化合物において、
中心金属がハロゲン化錫であり、フタロシアニン骨格に
おける4個のベンゼン核の各々が置換可能な炭素数1〜
8個の範囲の直鎖および分岐状のアルコキシ基がオルソ
位あるいはパラ位に少なくとも1個置換されているアニ
リノ基で置換されているフタロシアニン化合物を樹脂1
00重量部に対して0.0005〜20重量部含有する
樹脂からなる800nm〜1000nmの近赤外線を吸
収する近赤外線(熱線)吸収材および遮蔽材。
【0030】(5) 前記フタロシアニン化合物が下記
一般式(4)
【0031】
【化8】
【0032】(ただし、式中、Mは塩化錫、Aは置換可
能な炭素原子数1〜8個の範囲の直鎖および分岐状のア
ルコキシ基がオルソ位あるいはパラ位に少なくとも1個
置換されているアニリノ基を表わし、またX1 〜X12
水素原子またはハロゲン原子から選ばれた少なくともひ
とつを表わす。)で示されるフタロシアニン化合物であ
ることを特徴とする前記(4)に記載の近赤外線(熱
線)吸収材および遮蔽材。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明者らは、特開平5−345
861号および特開平6−264050号に近赤外線を
吸収する近赤外線(熱線)吸収および遮蔽材に適合する
フタロシアニン化合物を提供した。本発明では、それら
のフタロシアニン化合物を更に改良したものである。
【0034】すなわち、フタロシアニン化合物におい
て、中心金属がハロゲン化錫でフタロシアニン骨格にお
けるベンゼン核にアニリノ基が4個置換されているフタ
ロシアニン化合物は、比較的可視域の吸収が少なく透明
性に優れているが、λmaxが比較的短波長側にあり、
近赤外線吸収能が低い事が判明した。本発明者らは、こ
の化合物に着目し透明性を保持して近赤外線吸収能を高
めることができないか、鋭意検討を行った。その結果、
アニリノ基のオルソ位あるいはパラ位に、炭素数1〜8
の範囲の直鎖および分岐状のアルコキシ基を少なくとも
1個置換させることによって、中心金属がハロゲン化錫
でフタロシアニン骨格におけるベンゼン核にアニリノ基
が4個置換されているフタロシアニン化合物の近赤外線
吸収能を高めることができることを見出し本発明を完成
させた。
【0035】本発明では、フタロシアニン骨格のベンゼ
ン核のβ位にアニリノ基が置換された上記一般式(4)
のフタロシアニン化合物が好ましい。β位にアニリノ基
を置換させることによって耐光性を向上することができ
る。一般式(4)における炭素原子数1〜8個のアルキ
ル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
ソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert
−ブチル基、直鎖または分鎖のペンチル基、直鎖または
分鎖のヘキシル基、直鎖または分鎖のヘプチル基、直鎖
または分鎖のオクチル基、シクロヘキシル基等が挙げら
れる。
【0036】本発明では、更にフタロシアニン骨格のベ
ンゼン核の残りの置換基が、ハロゲン原子であるのが、
簡便な方法でフタロシアニン化合物を製造できるので好
ましい。ハロゲン原子としては塩素原子、ブロム原子お
よびフッ素原子が挙げられる。ハロゲン原子の中でもフ
ッ素原子が好ましい。フッ素原子を用いることによって
樹脂との相溶性向上の効果をもたせられる。また、フッ
素原子を用いることによって最も効率よくフタロシアニ
ン化合物を製造できる。
【0037】本発明では、更に上記一般式(1)のフタ
ロシアニン化合物が好ましく、また更に一般式(1)の
フタロシアニン化合物におけるAが、上記一般式(2)
であるアニリノ基であることが特に好ましい。アニリノ
基のオルソ位あるいはパラ位に、置換されているアルコ
キシ基の数が多い程近赤外線吸収能が高いので好まし
い。また長鎖のアルコキシ基程透明性に寄与するので好
ましい。長鎖になるとフタロシアニン化合物を製造する
際に生産性が悪くなるので、アルコキシ中の炭素原子数
としては、8個以下が好ましい。特に、アルコキシ中の
炭素原子数としては、全てのアルコキシの総計として2
〜4個が好ましい。
【0038】以下に本発明で使用するフタロシアニン化
合物をより具体的に例示する。
【0039】4−テトラキス(O−メトキシアニリノ)
−3,5,6−ドデカフルオロ塩化錫フタロシアニン、 略称:SnCl2 Pc(2mPhNH)4 12 4−テトラキス(2,4−ジメトキシアニリノ)−3,
5,6−ドデカフルオロ塩化錫フタロシアニン、 略称:SnCl2 Pc(24dmPhNH)4 12 4−テトラキス(2,6−ジメトキシアニリノ)−3,
5,6,−ドデカフルオロ塩化錫フタロシアニン、 略称:SnCl2 Pc(26dmPhNH)4 12 4−テトラキス(2,4,6−トリメトキシアニリノ)
−3,5,6−ドデカフルオロ塩化錫フタロシアニン、 略称:SnCl2 Pc(246tmPhNH)4 12 4−テトラキス(2,4−ジメトキシ−6−メチルアニ
リノ)−3,5,6−ドデカフルオロ塩化錫フタロシア
ニン、 略称:SnClPc(24m6mPhNH)4 12 4−テトラキス(o−エトキシアニリノ)−3,5,6
−ドデカフルオロ塩化錫フタロシアニン、 略称:SnCl2 Pc(2ePhNH)4 12 4−テトラキス(2,4−エトキシアニリノ)−3,
5,6−ドデカフルオロ塩化錫フタロシアニン、 略称:SnCl2 Pc(24ePhNH)4 12 4−テトラキス(p−エトキシアニリノ)−3,5,6
−ドデカフルオロ塩化錫フタロシアニン、 略称:SnCl2 Pc(4cPhNH)4 12 4−テトラキス(o−エトキシアニリノ)−3,5,6
−ドデカフルオロブロム化錫フタロシアニン、 略称:SnBr2 Pc(2mPhNH)4 12 4−テトラキス(2−エトキシ−テトラフルオロアニリ
ノ)−3,5,6−ドデカフルオロ塩化錫フタロシアニ
ン、 略称:SnCl2 Pc(2etfPhNH)4 12 4−テトラキス(2−エトキシ−4−メトキシアニリ
ノ)−3,5,6−ドデカフルオロ塩化錫フタロシアニ
ン、 略称:SnCl2 Pc(2e4mPhNH)4 12 4−テトラキス(o−プロポキシアニリノ)−3,5,
6−ドデカフルオロ塩化錫フタロシアニン、 略称:SnCl2 Pc(2pPhNH)4 12 4−テトラキス(o−イソプロポキシアニリノ)−3,
5,6−ドデカフルオロ塩化錫フタロシアニン、 略称:SnCl2 Pc(2ipPhNH)4 12 4−テトラキス(o−ブトキシアニリノ)−3,5,6
−ドデカフルオロ塩化錫フタロシアニン、 略称:SnCl2 Pc(2bPhNH)4 12 4−テトラキス(o−tertブトキシアニリノ)−
3,5,6−ドデカフルオロ塩化錫フタロシアニン、 略称:SnCl2 Pc(2tbPhNH)4 12 4−テトラキス(o−オクチルオキシアニリノ)−3,
5,6−ドデカフルオロ塩化錫フタロシアニン、 略称:SnCl2 Pc(2oPhNH)4 12 4−テトラキス(4−エトキシアニリノ)−3,5,6
−ドデカクロロ塩化錫フタロシアニン、 略称:SnCl2 Pc(4ePhNH)4 Cl12 4−テトラキス(4−エトキシアニリノ)塩化錫フタロ
シアニン、 略称:SnCl2 Pc(4ePhNH)4 3−テトラキス(2−エトキシアニリノ)塩化錫フタロ
シアニン、 略称:SnCl2 Pcα(2ePhNH)4 本発明では、上記のフタロシアニン化合物の中で、特に
4−テトラキス(2,4−ジメトキシアニリノ)−3,
5,6−ドデカフルオロ塩化錫フタロシアニン、4−テ
トラキス(2,6−ジメトキシアニリノ)−3,5,6
−ドデカフルオロ塩化錫フタロシアニン、4−テトラキ
ス(2,4,6−トリメトキシアニリノ)−3,5,6
−ドデカフルオロ塩化錫フタロシアニン、4−テトラキ
ス(o−エトキシアニリノ)−3,5,6−ドデカフル
オロ塩化錫フタロシアニン、4−テトラキス(2,4−
エトキシアニリノ)−3,5,6−ドデカフルオロ塩化
錫フタロシアニン、4−テトラキス(o−プロポキシア
ニリノ)−3,5,6−ドデカフルオロ塩化錫フタロシ
アニン、4−テトラキス(o−イソプロポキシアニリ
ノ)−3,5,6−ドデカフルオロ塩化錫フタロシアニ
ン、4−テトラキス(o−ブトキシアニリノ)−3,
5,6−ドデカフルオロ塩化錫フタロシアニン、4−テ
トラキス(o−tertブトキシアニリノ)−3,5,
6−ドデカフルオロ塩化錫フタロシアニン、が樹脂への
相溶性が向上し、耐光性が向上するので好ましい。
【0040】特に原料のアニリンが入手し易く、安価と
いう点で4−テトラキス(2,4−ジメトキシアニリ
ノ)−3,5,6−ドデカフルオロ塩化錫フタロシアニ
ン、4−テトラキス(o−エトキシアニリノ)−3,
5,6−ドデカフルオロ塩化錫フタロシアニン、が好ま
しい。本発明のフタロシアニン化合物の中心金属は、好
ましくは塩化錫であるが、これらに中心金属が酸化錫、
水酸化錫等の中心金属の塩化錫の一部が変化したフタロ
シアニン化合物が混在していてもかまわない。
【0041】本発明の新規フタロシアニンの製造方法に
おいて、それらの出発原料である含フッ素フタロニトリ
ルは、好ましくは下記のスキーム1のルートに従って合
成できる。なお下記の各々のスキームにおいて合成する
際の溶媒としては、ニトロベンゼン、アセトニトリル、
ベンゾニトリル等の不活性溶媒、あるいはピリジン、
N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロ
リジノン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミ
ン、ジメチルスルホン、スルホランなどの非プロトン性
極性溶媒などを用いることができる。特にアセトニトリ
ルおよびベンゾニトリルが好ましい。
【0042】また縮合剤としてトリエチルアミン、トリ
−n−ブチルアミンなどの有機塩基類やフッ化カリウム
を用いるのが好ましい。本発明では、原料として用いる
各種のアニリン自身が縮合剤として働くので、特に新た
な縮合剤を用いる必要がない。新たな縮合剤を用いない
場合には、各種のアニリンは原料のフタロニトリル1モ
ルに対して15モル倍以上、好ましくは2.0〜3.0
モル倍が良い。この合成方法については、本発明者らは
既に特願昭63−65806号、特願平1−10355
4号、特願平1−103555号および特願平1−20
9599号、特願平4−274125、特願平8−21
5828号等に開示している。
【0043】
【化9】
【0044】(式中、A1 は一般式(3)の場合と同じ
意味を有する。)本発明の新規フタロシアニンを製造す
る方法において使用する有機溶剤は、出発原料と反応性
のない不活性な溶媒であればいずれでも良く、例えばベ
ンゼン、トルエン、キシレン、ニトロベンゼン、モノク
ロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼ
ン、クロロナフタレン、メチルナフタレン、エチレング
リコール、ベンゾニトリル等の不活性溶媒、あるいはピ
リジン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメ
チルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリジノン、ト
リエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ジメチルス
ルホン、スルホランなどの非プロトン性極性溶媒などを
用いることができ、好ましくは、クロロナフタレン、ト
リクロロベンゼン、ベンゾニトリル、N−メチル−2−
ピロリジノンである。
【0045】本発明の一般式(1)で表わされる新規フ
タロシアニン化合物の製造方法においては、有機溶媒1
00重量部に対して一般式(3)で示されるフタロニト
リルは2〜30重量部の範囲で仕込むことが好ましい。
一般式(3)で示されるフタロニトリル1モルに対して
ハロゲン化錫は0.20〜0.45モルの範囲で仕込む
ことが好ましく、特に好ましくは0.30〜0.40の
範囲である。ハロゲン化錫としては、塩化第2錫および
臭化第2錫を用いるのがよく、特に塩化第2錫が好まし
い。
【0046】好ましい反応温度としては、100〜30
0℃の範囲が好ましく、特に150〜250℃の範囲が
好ましい。
【0047】なお、中心金属がハロゲン化錫であり、フ
タロシアニン骨格における4個のベンゼン核の各々が、
炭素数1〜8の範囲の直鎖および分岐状のアルコキシ基
がオルソ位あるいはパラ位に少なくとも1個置換されて
いるアニリノ基で置換されているフタロシアニン化合物
の製法は、一般式(1)の化合物と同様にして、つぎの
スキーム2で得られたフタロニトリルから合成できる。
【0048】
【化10】
【0049】(ただし、式中、Xはフッ素原子、臭素原
子、または塩素原子を表わし、R1 は同一または異なっ
ていてもよい水素原子、ハロゲン原子またはR2 基を表
わし、R2 は置換基を有してもよいアルキル基またはア
リール基を表わし、nは1〜4の整数を表わし、A1
一般式(3)の場合と同じ意味を有する。) スキーム1およびスキーム2の方法で合成したフタロニ
トリル化合物としては、以下のものが具体的に挙げられ
る。
【0050】4−(o−メトキシアニリノ)−3,5,
6−トリフルオロフタロニトリル、4−(2,4−ジメ
トキシアニリノ)−3,5,6−トリフルオロフタロニ
トリル、4−(2,6−ジメトキシアニリノ)−3,
5,6−トリフルオロフタロニトリル、4−(2,4,
6−トリメトキシアニリノ)−3,5,6−トリフルオ
ロフタロニトリル、4−(2,4−ジメトキシ−6−メ
チルアニリノ)−3,5,6−トリフルオロフタロニト
リル、4−(o−エトキシアニリノ)−3,5,6−ト
リフルオロフタロニトリル、4−(2,4−ジエトキシ
アニリノ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリ
ル、4−(p−エトキシアニリノ)−3,5,6−トリ
フルオロフタロニトリル、4−(2−エトキシテトラフ
ルオロアニリノ)−3,5,6−トリフルオロフタロニ
トリル、4−(2−エトキシ−4−メトキシアニリノ)
−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル、4−(o
−プロポキシアニリノ)−3,5,6−トリフルオロフ
タロニトリル、4−(o−イソプロポキシアニリノ)−
3,5,6−トリフルオロフタロニトリル、4−(o−
ブトキシアニリノ)−3,5,6−トリフルオロフタロ
ニトリル、4−(o−tertブトキシアニリノ)−
3,5,6−トリフルオロフタロニトリル、4−(o−
オクチルオキシアニリノ)−3,5,6−トリフルオロ
フタロニトリル、4−(p−エトキシアニリノ)−3,
5,6−トリクロロフタロニトリル、4−(p−エトキ
シアニリノ)フタロニトリル、3−(o−エトキシアニ
リノ)フタロニトリル、本発明において使用する樹脂
は、得られる近赤外線(熱線)の吸収材および遮蔽材の
用いる用途によって適宜選択することができるが、実質
的に透明であって吸収・散乱が大きくない樹脂が好まし
い。その具体的なものとしては、ポリカーボネート樹
脂;メチルメタクリレートなどの(メタ)アクリル樹
脂;ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ンなどのポリビニル樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレ
ンなどのポリオレフィン樹脂;ポリブチラール樹脂:ポ
リ酢酸ビニル樹脂;ポリエチレンテレフタレート等のポ
リエステル樹脂、ポリアミド樹脂などを挙げることがで
きる。また、実質的に透明であれば、上記1種類の樹脂
に限らず、2種以上の樹脂をブレンドしたものも用いる
ことができ、透明性のガラスに上記の樹脂をはさみこん
で用いることもできる。ただし、蓄熱・保温材として用
いる場合には、必ずしも透明性の樹脂である必要がな
い。
【0051】これらの樹脂のうちで、耐候性、透明性に
優れるポリカーボネート樹脂、(メタ)アクリル樹脂、
ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹
脂あるいはポリ塩化ビニル樹脂が好ましく、特にポリカ
ーボネート樹脂、メタクリル樹脂、ポリエチレンテレフ
タレート樹脂あるいはポリ塩化ビニル樹脂が好ましい。
蓄熱保温繊維として使用する場合、ポリエチレンテレフ
タレート樹脂あるいはポリアミド樹脂が好ましい。
【0052】ポリカーボネート樹脂は、2価フェノール
とカーボネート前駆体とを溶液法または溶融法で反応さ
せて製造されるものである。2価フェノールの代表的な
例として以下のものが挙げられる。
【0053】2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
プロパン[ ビスフェノールA]、1,1−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メ
チルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スル
ホン等である。好ましい2価のフェノールはビス(4−
ヒドロキシフェニル)アルカン系であり、特にビスフェ
ノールを主成分とするものである。
【0054】アクリル樹脂としてはメタクリル酸メチル
単独またはメタクリル酸メチルを50%以上含む重合性
不飽和単量体混合物またはその共重合物が挙げられる。
メタクリル酸メチルと共重合可能な重合性不飽和単量体
としては例えば以下のものが挙げられる。アクリル酸メ
チル、(メタ)アクリル酸エチル(アクリル酸メチルあ
るいはメタクリル酸メチルの意味。以下同じ)、(メ
タ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキ
シル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メ
タ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エ
トキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチ
ル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル
酸トリブロモフェニル、(メタ)アクリル酸テトラヒド
ロキシフルフリール、エチレングルコールジ(メタ)ア
クリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、
ネオペンチルグルコールジ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタ
エリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどであ
る。
【0055】塩化ビニル樹脂としては、塩化ビニルの単
量体のみの重合体ばかりでなく、塩化ビニルを主成分と
する共重合体も使用できる。塩化ビニルと共重合させる
ことのできる単量体としては、塩化ビニリデン、エチレ
ン、プロピレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、マレ
イン酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸などが
挙げられる。
【0056】本発明の実施にあたっては、使用する目的
に応じ適宜好ましい添加剤を用いることができる。添加
剤としては、例えば着色剤、重合調節剤、酸化防止剤、
紫外線吸収剤、難燃剤、可塑剤、耐衝撃性向上のための
ゴム、あるいは剥離剤などを挙げることができる。
【0057】本発明のフタロシアニン化合物を用いるに
あたり、従来公知の近赤外線吸収剤と組合わせて用いる
こともできる。
【0058】前記フタロシアニン化合物を透明性樹脂に
混合含有させ成形する方法としては、押出成形、射出成
形、注型重合、プレス成形、カレンダー成形あるいは注
型製膜法等が挙げられる。
【0059】さらに、フタロシアニン化合物を含有する
フィルムを作成し、そのフィルムを透明樹脂板に熱プレ
スあるいは熱ラミネート成形することにより熱線遮蔽板
を作成することも可能である。
【0060】また、フタロシアニン化合物を含有する樹
脂インクまたは塗料等を透明樹脂板、透明硝子板、フィ
ルム、繊維、紙等の基材に印刷またはコーティングする
ことにより近赤外線(熱線)の吸収板および遮蔽板、シ
ート、フィルム、繊維、紙等を得ることもできる。
【0061】本発明に使用するフタロシアニン化合物は
市販の赤外線吸収剤と比較して、耐熱性に優れているの
で、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエ
チレンテレフタレート樹脂を使用して射出成形、押出成
形のような樹脂温度が220〜350℃という高温まで
上昇する成形方法でも成形することが可能であり、透明
感が良好で近赤外線の吸収能あるいは熱線遮蔽性能に優
れた成形品を得ることができる。また、ポリエステル樹
脂、ポリアミド樹脂等と220〜350℃で紡糸して、
蓄熱保温繊維を得ることができる。と220℃より下の
成形温度で使用しても問題はない。
【0062】近赤外線(熱線)吸収材および熱遮蔽材の
形状にも格別の制限はなく、最も一般的な平板状やフィ
ルム状のほか波板状、球面状、ドーム状等様々な形状の
ものが含有される。
【0063】本発明において用いられるフタロシアニン
化合物は、目的とする熱近赤外線(熱線)遮蔽材のシー
トあるいはフィルムの可視および近赤外域の透過率の設
定および該材の厚みによってその量を変えることができ
るが、通常透明性樹脂100重量部に対して0.000
5〜20重量部、好ましくは0.0015〜10重量部
である。
【0064】この配合量近赤外線(熱線)遮蔽材の形状
によって異なり、例えば、厚さ3mmの近赤外線(熱
線)遮蔽板を作成する場合には、0.002〜0.06
重量部の配合量が好ましく、さらに好ましくは0.00
5〜0.03重量部である。
【0065】厚さ10mmの近赤外線(熱線)遮蔽板を
作成する場合には、0.0005〜0.02重量部の配
合量が好ましく、さらに好ましくは0.0015〜0.
01重量部である。厚さ10μmの近赤外線(熱線)遮
蔽フィルムを作成する場合には、0.5〜20重量部の
配合量が好ましく、さらに好ましくは1.5〜10重量
部である。近赤外線(熱線)遮蔽材の厚さに関係なくフ
タロシアニン化合物の配合量を表示するとすれば、上方
からの投影面積中の重量と考えて、0.06〜2.4g
/m2 の配合量が好ましく、さらに好ましくは0.18
〜1.2g/m2 である。
【0066】フタロシアニン化合物の配合量が0.06
g/m2 より少ない場合には近赤外線(熱線)遮蔽効果
の少ないものとなり、2.4g/m2 を超える場合は著
しく高価となり、また、可視光線の透過が少なくなり過
ぎる場合がある。
【0067】波板等の異形のものは上方からの投影面積
中の重量と考えればよい。また、外観上問題がない限り
フタロシアニン化合物の濃度の分布にむらがあってもか
まわない。また、フタロシアニン化合物は1種類以上の
ものを混合して使用することも可能であり、吸収波長の
異なるものを2種以上使用した場合には近赤外線(熱
線)吸収遮蔽効果が向上することがある。
【0068】また、フタロシアニン化合物とカーボンブ
ラックを特定量使用することにより、フタロシアニン化
合物を単独で使用した場合と比較して、近赤外線(熱
線)吸収遮蔽効果は同等でフタロシアニン化合物の使用
量を半分以下に減少させることができる。また、フタロ
シアニン化合物と染料を併用した場合と比較して近赤外
線(熱線)吸収遮蔽効果が向上する。
【0069】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明をさらに具体
的に説明する。
【0070】実施例1 4−(o−エトキシアニリノ)−3,5,6−トリフル
オロフタロニトリルの製造 100mlの四ツ口フラスコにテトラフルオロフタロニ
トリル10.00g(50ミリモル)、o−フェネチジ
ン16.45g(120ミリモル)およびアセトニトリ
ル60mlを仕込み、還流下に4時間反応させた。反応
終了後、反応混合物を水に投入し、生成した固形分を
水、ついでヘキサンで洗浄することにより目的物の黄色
ケーキを14.22gを得た(収率93.8%)。
【0071】4−テトラキス(o−エトキシアニリノ)
−3,5,6−ドデカフルオロ塩化錫フタロシアニンの
製造 100mlの四ツ口フラスコに、上記で得られた4−
(o−エトキシアニリノ)−3,5,6−トリフルオロ
フタロニトリル10.00g(32ミリモル)、塩化錫
(II)1.79g(9.46ミリモル)およびベンゾニ
トリル30mlを仕込み、175℃で5時間反応させ
た。反応終了後、ベンゾニトリルを留去した反応混合物
をテトラヒドロフランに溶解させ、ヘキサン中に投入す
ることにより生成した固形分をヘキサンで洗浄すること
により目的物の深青色ケーキ10.50gを得た(収率
91.3%)。
【0072】 可視吸収スペクトル 最大吸収波長 エチルセルソルブ中 809.0nm(ε=4.39×104 ) 薄 膜 838.5nm 溶解度 エチルセルソルブに対して 12重量% 元素分析 H C N F 理論値 2.76 52.70 11.52 15.63 分析値 2.82 52.94 11.70 15.35 この化合物の赤外吸収スペクトルを図1に示す。
【0073】この化合物の熱分解温度ならびに耐光性の
データを表1に示す。
【0074】実施例2 4−テトラキス(2,4−ジメトシキアニリノ)−3,
5,6−ドデカフルオロ塩化錫フタロシアニンの製造 100mlの四ツ口フラスコにテトラフルオロフタロニ
トリル10.00g(50ミリモル)、2,4−ジメト
キシアニリン18.37g(120ミリモル)およびベ
ンゾニトリル60mlを仕込み、80℃で6時間反応さ
せた。反応終了後、反応混合物を水に投入し、分液した
ベンゾニトリル層を水、塩酸水、ついで水で洗浄後、ベ
ンゾニトリル層を分離して4−(2,4−ジメトキシア
ニリノ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリルの
ベンゾニトリル溶液50gを得た。
【0075】ついで、上記で得られた4−(2,4−ジ
メトキシアニリノ)−3,5,6−トリフルオロフタロ
ニトリルのベンゾニトリル溶液を、液体クロマトグラフ
で分析することにより該フタロニトリルの濃度は30.
16重量%と決定した。100mlの四ツ口フラスコに
その4−(2,4−ジメトキシアニリノ)−3,5,6
−トリフルオロフタロニトリルのベンゾニトリル溶液5
0gと塩化錫(II)2.57g(14ミリモル)を仕込
み、175℃で5時間反応させた。反応終了後、ベンゾ
ニトリルを留去した反応混合物をテトラヒドロフランに
溶解させ、ヘキサン中に投入することにより生成した固
形分をヘキサンで洗浄することにより目的物の深青色ケ
ーキ10.86gを得た(収率63.03%)。
【0076】 可視吸収スペクトル 最大吸収波長 エチルセルソルブ中 825.5nm(ε=3.81×104 ) 薄 膜 843.5nm 溶解度 エチルセルソルブに対して 7重量% 元素分析 H C N F 理論値 2.65 50.48 11.04 14.97 分析値 2.77 51.03 10.95 15.10 この化合物の赤外吸収スペクトルを図2に示す。
【0077】この化合物の熱分解温度ならびに耐光性の
データを表1に示す。
【0078】実施例3 4−(2,4,6−トリメトキシアニリノ)−3,5,
6−トリフルオロフタロニトリルの製造 実施例1の4−(o−エトキシアニリノ)−3,5,6
−トリフルオロフタロニトリルの製造において、o−フ
ェネチジンのかわりに、2,4,6−トリメトキシアニ
リン21.97g(120ミリモル)を用いた以外は、
実施例1の4−(o−エトキシアニリノ)−3,5,6
−トリフルオロフタロニトリルの製造と同様に操作して
目的物の黄色ケーキ15.56gを得た(収率85.7
%)。
【0079】4−テトラキス(2,4,6−トリメトキ
シアニリノ)−3,5,6−ドデカフルオロ塩化錫フタ
ロシアニンの製造 実施例1の4−テトラキス(o−エトキシアニリノ)−
3,5,6−ドデカフルオロ塩化錫フタロシアニンの製
造において、4−(o−エトキシアニリノ)−3,5,
6−トリフルオロフタロニトリルのかわりに、4−
(2,4,6−トリメトキシアニリノ)−3,5,6−
トリフルオロフタロニトリル10.00g(28ミリモ
ル)を用いた以外は、実施例1の4−テトラキス(o−
エトキシアニリノ)−3,5,6−ドデカフルオロ塩化
錫フタロシアニンの製造と同様の操作をして目的物の深
青色ケーキ7.10gを得た(収率62.8%)。
【0080】 可視吸収スペクトル 最大吸収波長 エチルセルソルブ中 830.0nm(ε=3.56×104 ) 薄 膜 849.5nm 溶解度 エチルセルソルブに対して 5重量% 元素分析 H C N F 理論値 2.94 49.72 10.23 13.88 分析値 3.05 50.88 10.95 13.13 この化合物の熱分解温度ならびに耐光性のデータを表1
に示す。
【0081】実施例4 4−(o−イソプロポキシアニリノ)−3,5,6−ト
リフルオロフタロニトリルの製造 実施例1の4−(o−エトキシアニリノ)−3,5,6
−トリフルオロフタロニトリルの製造において、o−フ
ェネチジンのかわりに、o−イソプロポキシアニリン1
8.14g(120ミリモル)を用いた以外は、実施例
1の4−(o−エトキシアニリノ)−3,5,6−トリ
フルオロフタロニトリルの製造と同様に操作して目的物
の黄色ケーキ20.05gを得た(収率91.5%)。
【0082】4−テトラキス(o−イソプロポキシアニ
リノ)−3,5,6−ドデカフルオロ塩化錫フタロシア
ニンの製造 実施例1の4−テトラキス(o−エトキシアニリノ)−
3,5,6−ドデカフルオロ塩化錫フタロシアニンの製
造において、4−(o−エトキシアニリノ)−3,5,
6−トリフルオロフタロニトリルのかわりに、4−(o
−イソプロポキシアニリノ)−3,5,6−トリフルオ
ロフタロニトリル10.00g(30ミリモル)を用い
た以外は、実施例1の4−テトラキス(o−エトキシア
ニリノ)−3,5,6−ドデカフルオロ塩化錫フタロシ
アニンの製造と同様の操作をして目的物の深青色ケーキ
10.22gを得た(収率89.4%)。
【0083】 可視吸収スペクトル 最大吸収波長 エチルセルソルブ中 808.0nm(ε=4.31×104 ) 薄 膜 835.0nm 溶解度 エチルセルソルブに対して 13重量% 元素分析 H C N F 理論値 3.19 53.92 11.10 15.05 分析値 3.31 55.03 10.95 15.87 この化合物の熱分解温度ならびに耐光性のデータを表1
に示す。
【0084】比較例1 4−アニリノ−3,5,6−トリフルオロフタロニトリ
ルの製造 実施例1の4−(o−エトキシアニリノ)−3,5,6
−トリフルオロフタロニトリルの製造において、o−フ
ェネチジンのかわりに、アニリン11.17g(120
ミリモル)を用いた以外は、実施例1の4−(o−エト
キシアニリノ)−3,5,6−トリフルオロフタロニト
リルの製造と同様に操作して目的物の黄色ケーキ12.
52gを得た(収率91.7%)。
【0085】4−テトラキスアニリノ−3,5,6−ド
デカフルオロ塩化錫フタロシアニン(略称:SnCl2
Pc(PhNH)4 12)の製造 実施例1の4−テトラキス(o−エトキシアニリノ)−
3,5,6−ドデカフルオロ塩化錫フタロシアニンの製
造において、4−(o−エトキシアニリノ)−3,5,
6−トリフルオロフタロニトリルのかわりに、4−アニ
リノ−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル10.
00g(37ミリモル)を用いた以外は、実施例1の4
−テトラキス(o−エトシキアニリノ)−3,5,6−
ドデカフルオロ塩化錫フタロシアニンの製造と同様の操
作をして目的物の深青色ケーキ10.35gを得た(収
率88.2%)。
【0086】 可視吸収スペクトル 最大吸収波長 エチルセルソルブ中 805.0nm(ε=7.58×104 ) 薄 膜 828.0nm 溶解度 エチルセルソルブに対して 6重量% 元素分析 H C N F 理論値 1.89 52.45 13.11 17.78 分析値 2.00 51.37 13.19 17.05 この化合物の熱分解温度ならびに耐光性のデータを表1
に示す。
【0087】比較例2 オクタフルオロオクタキスアニリノオキシバナジウムフ
タロシアニン(略称:VOPc(PhNH)8 8 )の
製造 100mlの四ツ口フラスコ中にヘキサデカフルオキシ
バナジウムフタロシアニン5.19g(6ミリモル)、
アニリン26.82g(288ミリモル)を仕込み、還
流温度で4時間反応させた。反応終了後、不溶分を濾別
した後アニリンを留去し得られた固形分をn−ヘキサン
300mlで洗浄することにより目的物の黒色ケーキ
6.72gを得た(収率77.1%)。
【0088】 可視吸収スペクトル 最大吸収波長 メチルエチルケトン中 844.0nm (ε=5.52×104 ) 薄 膜 867.0nm 溶解度 メチルエチルケトンに対して 27重量% 元素分析 H C N F 理論値 3.33 66.16 15.43 10.47 分析値 3.15 65.97 15.21 10.97 この化合物の熱分解温度ならびに耐光性のデータを表1
に示す。
【0089】
【表1】
【0090】熱分解性は、示差熱熱重量分析装置で室温
から温度を上昇させ、その重量が5%減少した時の温度
でつぎの3段階の評価を行なった。
【0091】 ○ 重量が5%減少時の温度 250℃超 △ 重量が5%減少時の温度 200℃超〜250℃ × 重量が5%減少時の温度 200℃以下 耐光性の評価は、以下の方法で行なった。
【0092】色素1gをエチルセルソルブ20gに溶解
させ、ガラス基板上にスピンコート法により色素薄膜を
作成し試料とした。この試料をキセノン耐光性試験機
(照射光量120,000Lux)にセットし、経時で
の吸光度の減少を測定した。そして、100時間経過後
の吸光度の残存率によりつぎの3段階の評価を行なっ
た。
【0093】 ○ 100時間経過後の吸光度の残存率 80%以上 △ 100時間経過後の吸光度の残存率 30%〜80%未満 × 100時間経過後の吸光度の残存率 30%以下 なお、実施例および比較例における最大吸収波長の測定
方法は以下に示す方法を用いて行なったものである。
【0094】溶液中でのデータは、溶媒としてエチルセ
ルソルブを用い、各サンプル濃度を3.75〜4.00
×10-5モル/リットルの範囲に調節し、10mm測定
セルで島津制作所 UV−3100紫外可視分光高度計
を用いて測定した。
【0095】薄膜でのデータは、色素1gをエチレンセ
ルソルブ20gに溶解させ、ガラス基板上にスピンコー
ト法により色素薄膜を作成したものを試料とし、その試
料を島津制作所 UV−3100紫外可視分光高度計を
用いて測定した。
【0096】実施例5〜8 溶融したポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製、
パンライト1285、商品名)100重量部に表1記載
のフタロシアニン化合物を表2記載の量を添加し、Tダ
イ押出機で厚さ3mmのシートを280℃で成形した。
得られた板の可視光透過率および熱光線透過率を測定し
た。
【0097】なお、得られた熱線遮蔽板の透過スペクト
ルおよび透過率は分光光度計(島津製作所製:UV−3
100)で測定した。また、熱線遮蔽板の可視光透過率
(400〜800nm)および熱光線部透過率(800
〜1,000nm)の値はJIS R 3106の規格
に準じて求めた。
【0098】すなわち、可視光透過率はJIS R 3
106により求めた日射透過率の400〜800nmの
値を0.545で除算した値であり、熱光線透過率はJ
ISR 3106により求めた日射透過率の800〜
1,000nmの値を0.173で除算した値である。
なお、太陽光線のエネルギー分布は400〜800nm
の範囲が0.545、800〜1,000nmの範囲が
0.173である。なお、340〜400nmの範囲は
紫外領域のため除外してある。
【0099】比較例3〜4 特開平5−345861号および特開平6−26405
0号に本発明者らが提案したフタロシアニン化合物を実
施例5〜8と同様にして配合し、実施例5〜8と同様に
操作して表2の結果を得た。
【0100】比較例5 実施例5〜8にフタロシアニン化合物を添加しない以外
は、実施例5〜8と同様に操作して表2の結果を得た。
【0101】
【表2】
【0102】表2の結果からわかるように、VOPc
(PhNH)8 8 は可視光線透過率は良くないが、8
00〜1,000nmの近赤外線域の熱線はよく吸収す
る。一方、SnCl2 Pc(PhNH)4 12は可視光
線透過率は高く透明性はあるが、800〜1,000n
mの近赤外線域の熱線の吸収率が悪い。本発明の実施例
1〜4の化合物は、それらのものに比較して800〜
1,000nmの近赤外線域も良く吸収し、かつ可視光
線の透過率も高い。
【0103】かくして本発明では近赤外線(熱線)吸収
材および遮蔽材として、本発明のフタロシアニン化合物
を使う場合、フタロシアニン化合物を溶融したポリカー
ボネート樹脂に0.01%添加して厚さ3mmのシート
を作成した。該シートの400〜800nmの可視光線
透過率が45%以上であり(好ましくは50%以上)、
800〜1,000nmの熱光線透過率が30%以下
(好ましくは25%以下)のものを用いるのが良い。
【0104】
【発明の効果】本発明にかかる新規なフタロシアニン化
合物は、800〜1000nmの近赤外線域に吸収を有
し、有機溶媒に対しての溶解性に優れており、またフタ
ロシアニンが元来保有している耐光性にも優れているの
で、近赤外線(熱線)遮蔽効果を利用するものとしての
電子機器用赤外線カットフィルター、写真用赤外線フィ
ルター、自動車あるいは建材向けの熱線遮蔽剤、農業用
フィルム、保護メガネ、サングラスあるいは半導体レー
ザーを使う光記媒体、液晶表示素子、また近赤外線(熱
線)の吸収効果を利用するものとしての光学文字読み取
り機等における書き込みあるいは読み取りのための近赤
外線吸収色素、テレビ・ビデオなどの近赤外線を感知す
るセンサー、写真用・電子写真用などの近赤外線光増感
剤、感熱転写、感熱紙・感熱孔版等光熱変換剤、改ざん
偽造防止用バーコード用インク等の近赤外線吸収イン
ク、さらに繊維などの蓄熱保温剤として優れた効果を発
揮するものである。
【0105】また、本発明の近赤外線(熱線)吸収材お
よび遮蔽材は近赤外線吸収に優れ、樹脂との相溶性に優
れ、耐光性、耐熱性に優れ、かつ可視域の吸収の少ない
フタロシアニン化合物を含有する樹脂からなり、建物あ
るいは乗り物の窓、天井窓、扉、電話ボックス、アーケ
ード、カーポート、工場の屋根あるいは天井ドーム、園
芸用温室、サングラスあるいは保護メガネなどの半透明
ないし透明性を有しかつ熱線を遮蔽する目的の樹脂板、
シート、フィルム、繊維あるいは塗料として用いること
ができるし、近赤外線を吸収し熱に変えることができる
ので蓄熱、保温を目的として樹脂板、シート、フィル
ム、繊維あるいは塗料として用いることができるし、ま
た半導体受光素子、カラー固体撮像素子、CRTディス
プレイ、プラズマディスプレイなどの半透明ないし透明
性を有しかつ近赤外線を遮蔽する目的の樹脂板、シー
ト、フィルム、繊維あるいは塗料として用いることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1によるフタロシアニン化合
物の赤外線吸収スペクトルである。
【図2】 本発明の実施例2によるフタロシアニン化合
物の赤外線吸収スペクトルである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (ただし、式中、MはSnCl2 、Aは炭素原子数1〜
    8個の範囲の直鎖および分鎖状のアルコキシ基がオルソ
    位あるいはパラ位に少なくとも1個置換されているアニ
    リノ基を表わす。)で示されるフタロシアニン化合物。
  2. 【請求項2】 前記一般式(1)において、Aは下記一
    般式(2) 【化2】 (ただし、式中、R1 およびR2 は炭素原子数1〜8個
    の範囲のアルキル基を表わし、nは0〜2の整数を表わ
    し、R1 とR2 の炭素数の総和は2以上である。)であ
    る請求項1に記載のフタロシアニン化合物。
  3. 【請求項3】 下記一般式(3) 【化3】 (ただし、式中、A1 は置換可能な炭素原子数1〜8個
    の範囲の直鎖および分岐状のアルコキシ基がオルソ位あ
    るいはパラ位に少なくとも1個置換されているアニリノ
    基を表わす。)で示されるフタロニトリル化合物と、ハ
    ロゲン化錫とを反応せしめることを特徴とする請求項1
    または2に記載のフタロシアニン化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】 フタロシアニン化合物において、中心金
    属がハロゲン化錫であり、フタロシアニン骨格における
    4個のベンゼン核の各々が、置換可能な炭素数1〜8個
    の範囲の直鎖および分岐状のアルコキシ基がオルソ位あ
    るいはパラ位に少なくとも1個置換されているアニリノ
    基で置換されているフタロシアニン化合物を樹脂100
    重量部に対して0.0005〜20重量部含有する樹脂
    からなる800nm〜1000nmの近赤外線を吸収す
    る近赤外線(熱線)吸収材および遮蔽材。
  5. 【請求項5】 前記フタロシアニン化合物が下記一般式
    (4) 【化4】 (ただし、式中、Mは塩化錫、Aは置換可能な炭素原子
    数1〜8個の範囲の直鎖および分岐状のアルコキシ基が
    オルソ位あるいはパラ位に少なくとも1個置換されてい
    るアニリノ基を表わし、またX1 〜X12は水素原子また
    はハロゲン原子から選ばれた少なくともひとつを表わ
    す。)で示されるフタロシアニン化合物であることを特
    徴とする請求項4に記載の近赤外線(熱線)吸収材およ
    び遮蔽材。
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