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JPH1017500A - ジアルケニルトラン誘導体 - Google Patents

ジアルケニルトラン誘導体

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Publication number
JPH1017500A
JPH1017500A JP8174825A JP17482596A JPH1017500A JP H1017500 A JPH1017500 A JP H1017500A JP 8174825 A JP8174825 A JP 8174825A JP 17482596 A JP17482596 A JP 17482596A JP H1017500 A JPH1017500 A JP H1017500A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
formula
substituted
liquid crystal
phenyl
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Application number
JP8174825A
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English (en)
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JP3865084B2 (ja
Inventor
Shinji Ogawa
真治 小川
Sadao Takehara
貞夫 竹原
Haruyoshi Takatsu
晴義 高津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP17482596A priority Critical patent/JP3865084B2/ja
Publication of JPH1017500A publication Critical patent/JPH1017500A/ja
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Publication of JP3865084B2 publication Critical patent/JP3865084B2/ja
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Liquid Crystal Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式(I) 【化1】 (R、R’:H原子、C1〜12のアルキル、m、n:
独立的に2〜6の整数)で表わされる化合物及びこれを
含有する液晶組成物。 【効果】 この化合物は屈折率異方性が大きく、従来用
いられている同様あるいは類似構造を有する減粘性液晶
性化合物と比較しても低粘性であり、組成物に添加した
場合の応答性の改善効果が大きく、ネマチック相上限温
度の低下度合いも少ない。また、工業的にも容易に製造
でき、化学的にも極めて安定である。従って、特に高速
応答性を必要とする実用的液晶表示用材料として極めて
有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規液晶性化合物で
ある、ジアルケニルトラン誘導体とそれを含有する液晶
組成物に関する。これらは電気光学的液晶表示用、特に
ネマチック液晶表示用材料として有用である。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、時計、電卓をはじめと
して、各種測定機器、自動車用パネル、ワードプロセッ
サー、電子手帳、プリンター、コンピューター、テレビ
等に用いられるようになっている。液晶表示方式として
は、その代表的なものにTN(捩れネマチック)型、S
TN(超捩れネマチック)型、DS(動的光散乱)型、
GH(ゲスト・ホスト)型あるいはFLC(強誘電性液
晶)等があり、また駆動方式としても従来のスタティッ
ク駆動からマルチプレックス駆動が一般的になり、さら
に単純マトリックス方式、最近ではアクティブマトリッ
クス方式が実用化されている。
【0003】これらの表示方式や駆動方式に応じて、液
晶材料としても種々の特性が要求されている。中でも高
速応答性はほとんどの場合に共通して非常に重要であ
る。応答を高速化するために液晶材料に求められる物性
は直接的には(i)粘性を小さくするか、あるいは(i
i)弾性定数を大きくすることである。しかしながら、
弾性定数を大きくした場合には閾値電圧が上昇すること
が多い。従って、低電圧駆動が要求される場合には、弾
性定数はあまり大きくせずにその粘性を小さくすること
が必要である。
【0004】さらに、液晶素子の応答を高速化するため
の手段としてはセル厚を薄くすることも非常に有効であ
る。しかしながら、液晶素子においては干渉縞の発生に
よる着色やむらを防止するために、セル厚(d)と屈折
率異方性(Δn)の積(Δn・d)をある一定の値(0.
5、1.0、1.6、2.2、通常前二者が用いられることが多
い)に設定する必要がある。従って、セル厚を薄くする
ためには屈折率異方性(Δn)の大きい液晶材料が必要
である。
【0005】また、一般に粘性が小さい化合物は液晶性
が低いことが多い。そのため、組成物中に充分量添加で
きない、あるいはその温度補償のため粘性の大きい高温
液晶を同時に用いる必要があるなど、その効果が十分発
揮できない場合も多い。従って、必ずしも液晶性を示す
必要がないにしても、その添加によるネマチック相上限
温度(TN-I)の低下度合いの小さいことが望まれる。
【0006】以上のことから、粘性が小さく、屈折率異
方性(Δn)の大きい、かつその添加によるネマチック
相上限温度(TN-I)のできるだけ小さい液晶化合物が
望まれている。
【0007】現在、こうした条件を比較的よく備えてい
る低粘性液晶としては、例えば一般式(II)
【0008】
【化2】
【0009】(式中、Ra及びRbは直鎖状アルキル基を
表わす。)で表わされるジアルキルトラン誘導体をあげ
ることができるが、その特性は決して満足できるもので
はなくなっている。
【0010】液晶化合物において、その側鎖基として、
アルキル基に換えて二重結合を導入したアルケニル基を
用いることにより、上記の効果(粘性の低下、屈折率異
方性の増大、TN-Iの上昇)が得られる場合があること
が知られている。この知見に基づき、本発明者らはその
側鎖にアルケニル基を有する一般式(III)
【0011】
【化3】
【0012】(式中、Rcはアルキル基、Rdは水素原子
又はアルキル基、lは2〜6の整数を表わす。)のトラ
ン誘導体を初めて実際に製造し、予想通り上記効果にお
いて一般式(II)のトラン誘導体より優れた特性を有
することを報告した。しかしながら、これを用いても、
表示品質の向上に伴う液晶材料の粘性低下の要求には充
分応え難くなってきており、より優れた減粘剤が望まれ
ている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、以上の目的に応じるため、粘性の低下、屈
折率異方性の増大及びTN-Iの上昇等の効果に優れた液
晶性化合物としてアルケニルトラン誘導体及びその製造
方法を提供し、さらにこれを用いて低粘性で屈折率異方
性(Δn)が大きく、さらに液晶温度範囲が広い液晶組
成物を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、一般式(I)
【0015】
【化4】
【0016】(式中、R及びR’はそれぞれ独立的に水
素原子あるいは炭素原子数1〜5のアルキル基を表わ
し、m及びnはそれぞれ独立的に2〜6の整数を表わ
す。)で表わされるジアルケニルトラン誘導体を提供す
る。
【0017】上式において、R及びR’はそれぞれ独立
的に水素原子又はメチル基が好ましく、R及びR’が共
に水素原子を表わすことがより好ましい。R及び/又は
R’がアルキル基を表わす場合には、二重結合の立体配
置はトランス(E)が好ましい。m及びnはそれぞれ独立
的に2、4又は6の偶数が好ましく、m及びnが共に2
であることがより好ましい。
【0018】一般式(I)においてはそのR、R’、m
及びnの選択により多くの化合物を包含しうるわけであ
るが、それらの中では式(Ia)〜(Ic)
【0019】
【化5】
【0020】の化合物が好ましく、特に式(Ia)が最
も好ましい。一般式(I)の化合物は以下のようにして
製造することができる。即ち、一般式(IV)
【0021】
【化6】
【0022】で表わされるアルケニルベンゼン誘導体及
び一般式(V)
【0023】
【化7】
【0024】で表わされる(4−アルケニルフェニル)
アセチレン誘導体(式中、Xは臭素原子、ヨウ素原子、
塩素原子、p−トルエンスルホニル基、メタンスルホニ
ル基あるいはトリフルオロメタンスルホニル基等の脱離
基を表わすが、臭素原子あるいはヨウ素原子が好まし
く、ヨウ素原子が特に好ましい。また、R、m、R’及
びnは一般式(I)におけると同じ意味を表わす。)と
を遷移金属触媒存在下に反応させることにより容易に製
造することができる。
【0025】遷移金属触媒としてはパラジウム系触媒が
好ましく、さらに銅(I)系化合物特にヨウ化銅(I)を併用
することが効果的であり好ましい。反応は溶媒中で行わ
れ、溶媒としてジメチルホルムアミド(DMF)、ジメ
チルアセトアミド(DMA)、ジメチルスルホキシド
(DMSO)等のいわゆる極性溶媒が好ましく、通常ト
リエチルアミン等のアミン系溶媒を併用する。
【0026】斯くして製造される本発明の一般式(I)
で表わされるジアルケニルトラン誘導体において、代表
的な化合物である式(Ia)
【0027】
【化8】
【0028】はそのTN-Iが43℃であった。これを側
鎖の炭素原子数が比較的類似した、先に示した一般式
(II)のジアルキルトラン誘導体及び一般式(II
I)のアルキルアルケニルトラン誘導体と比較すると、
例えば、一般式(II)で表わされる式(IIa)
【0029】
【化9】
【0030】のジアルキルトラン誘導体及び一般式(I
II)で表わされる式(IIIa)
【0031】
【化10】
【0032】のアルキルアルケニルトラン誘導体が、共
に単独では液晶性を示さないことから、本発明の一般式
(I)の化合物は、一般式(II)や一般式(III)
の化合物に比べて、著しく改善された液晶性を有するこ
とがわかる。
【0033】この本発明の一般式(I)で表わされる式
(Ia)の化合物を、汎用の液晶組成物中に添加するこ
とにより得られる優れた効果は以下の通りである。 汎用のホスト液晶組成物(H)
【0034】
【化11】
【0035】(式中、「%」は『重量%』を表わす。) 70重量%及び式(Ia)の化合物30重量%からなる
液晶組成物(M−1)を調製した。ここでホスト液晶
(H)の物性値及び電気光学的特性値は以下の通りであ
った。
【0036】 TN-I: 116.7℃ 閾値電圧(Vth): 1.88V 粘度(20℃): 19.8cp 応答時間(τr=τd): 21.5m秒 屈折率異方性(Δn): 0.090 ここで、閾値電圧(Vth)は厚さ4.5μmのTNセル
に封入して測定した値であり、粘度は20℃における測
定値、応答時間は立ち上がり時間(τr)と立ち下がり
時間(τd)が等しくなる電圧印加時の測定値である。
【0037】これに対して(M−1)の物性値及び電気
光学的特性値は以下の通りであった。 TN-I: 92.0℃ 閾値電圧(Vth): 2.45V 粘度(20℃): 17.4cp 応答時間(τr=τd): 11.5m秒 屈折率異方性(Δn): 0.146 このようにその粘度はかなり低減され、応答時間も半分
以下と大幅に改善されていることがわかる。また屈折率
異方性も約1.5倍に増大した。TN-Iは約25℃低下
しているが、上述のように式(Ia)の化合物は単独で
もネマチック液晶性を示すので、その添加によるTN-I
の低下は後述するようにジアルキルトラン誘導体やアル
キルアルケニルトラン誘導体の場合と比較すると小さ
い。
【0038】これに対して、前述の式(IIa)のジア
ルキルトラン誘導体30重量%及びホスト液晶(H)7
0重量%からなる比較組成物(MR−1)を調製した。
この物性値及び電気光学的特性値は以下の通りであっ
た。
【0039】 TN-I: 81.7℃ 閾値電圧(Vth): 2.41V 粘度(20℃): 16.3cp 応答時間(τr=τd): 10.5m秒 屈折率異方性(Δn): 0.143 これを(M−1)と比較すると特にそのTN-Iが約10
℃も高く、大幅に改善されていることがわかる。
【0040】次に、前述の式(IIIa)のアルキルア
ルケニルトラン誘導体30重量%及びホスト液晶(H)
70重量%からなる比較組成物(MR−2)を調製し
た。この物性値及び電気光学的特性値は以下の通りであ
った。
【0041】 TN-I: 86.0℃ 閾値電圧(Vth): 2.42V 粘度(20℃): 15.0cp 応答時間(τr=τd): 9.5m秒 屈折率異方性(Δn): 0.146 従って、(MR−1)と比較するとそのTN-Iは改善さ
れているが、(M−1)にはおよばないことがわかる。
【0042】以上のように、本発明の一般式(I)で表
わされる式(Ia)の化合物は、低粘性で応答性に優れ
屈折率異方性が大きくかつネマチック相温度範囲の広い
液晶組成物を得る上において、式(IIa)あるいは式
(IIIa)の化合物より優れた効果を示すことが明ら
かである。
【0043】一般式(I)のジアルケニルトラン誘導体
は、他のネマチック液晶化合物との混合物の状態で、T
N型あるいはSTN型等の電界効果型表示セル用とし
て、特に低粘性高速応答性の材料として好適に使用する
ことができる。また一般式(I)は分子内に強い極性基
を持たないので、大きい比抵抗と高い電圧保持率を得る
ことが容易であり、アクティブマトリックス駆動用液晶
材料の構成成分として使用することも可能である。本発
明はこのように一般式(I)で表わされるジアルケニル
トラン誘導体の少なくとも1種類をその構成成分として
含有する液晶組成物をも提供するものである。
【0044】この組成物中において、一般式(I)と混
合して使用することのできるネマチック液晶化合物の好
ましい代表例としては、例えば、4−置換安息香酸4−
置換フェニル、4−置換シクロヘキサンカルボン酸4−
置換フェニル、4−置換シクロヘキサンカルボン酸4’
−置換ビフェニリル、4−(4−置換シクロヘキサンカ
ルボニルオキシ)安息香酸4−置換フェニル、4−(4
−置換シクロヘキシル)安息香酸4−置換フェニル、4
−(4−置換シクロヘキシル)安息香酸4−置換シクロ
ヘキシル、4,4’−置換ビフェニル、1−(4−置換
シクロヘキシル)−4−置換ベンゼン、4,4’−置換
ビシクロヘキサン、1−[2−(4−置換シクロヘキシ
ル)エチル]−4−置換ベンゼン、1−(4−置換シク
ロヘキシル)−2−(4−置換シクロヘキシル)エタ
ン、4,4”−置換ターフェニル、4−(4−置換シク
ロヘキシル)−4’−置換ビフェニル、4−[2−(4
−置換シクロヘキシル)エチル]−4’−置換ビフェニ
ル、4−(4−置換フェニル)−4’−置換ビシクロヘ
キサン、4−[2−(4−置換シクロヘキシル)エチ
ル]−4’−置換ビフェニル、4−[2−(4−置換シ
クロヘキシル)エチル]シクロヘキシル−4’−置換ベ
ンゼン、4−[2−(4−置換フェニル)エチル]−
4’−置換ビシクロヘキサン、1−(4−置換フェニル
エチニル)−4−置換ベンゼン、1−(4−置換フェニ
ルエチニル)−4−(4−置換シクロヘキシル)ベンゼ
ン、2−(4−置換フェニル)−5−置換ピリミジン、
2−(4’−置換ビフェニリル)−5−置換ピリミジン
及び上記各化合物においてベンゼン環が側方置換基を有
する化合物等を挙げることができる。
【0045】このうちアクティブマトリックス駆動用と
しては4,4’−置換ビフェニル、1−(4−置換シク
ロヘキシル)−4−置換ベンゼン、4,4’−置換ビシ
クロヘキサン、1−[2−(4−置換シクロヘキシル)
エチル]−4−置換ベンゼン、1−(4−置換シクロヘ
キシル)−2−(4−置換シクロヘキシル)エタン、
4,4”−置換ターフェニル、4−(4−置換シクロヘ
キシル)−4’−置換ビフェニル、4−[2−(4−置
換シクロヘキシル)エチル]−4’−置換ビフェニル、
4−(4−置換フェニル)−4’−置換ビシクロヘキサ
ン、4−[2−(4−置換シクロヘキシル)エチル]−
4’−置換ビフェニル、4−[2−(4−置換シクロヘ
キシル)エチル]シクロヘキシル−4’−置換ベンゼ
ン、4−[2−(4−置換フェニル)エチル]−4’−
置換ビシクロヘキサン、1−(4−置換フェニルエチニ
ル)−4−置換ベンゼン、1−(4−置換フェニルエチ
ニル)−4−(4−置換シクロヘキシル)ベンゼン及び
上記においてベンゼン環がフッ素置換されている化合物
が適している。
【0046】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明を更に
説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例に限
定されるものではない。
【0047】化合物の構造は、核磁気共鳴スペクトル
(NMR)、質量スペクトル(MS)及び赤外吸収スペ
クトル(IR)により確認した。また、組成物の「%」
は『重量%』を表わす。 (参考例1) 4−ヨード−1−(3−ブテニル)ベン
ゼンの合成
【0048】
【化12】
【0049】マグネシウム16.4gを乾燥したTHF
20mL中に懸濁させ、これに参考例で得られた4−ブ
ロモ−1−(3−ブテニル)ベンゼン150gのTHF
600mL溶液を溶媒が穏やかに還流を続ける速度で滴
下した。滴下終了後、2時間攪拌し、室温まで放冷し
た。ヨウ素162gをTHF480mLに溶解し10℃
で1時間で滴下した。滴下終了後、1時間攪拌した後、
水次いで亜硫酸水素ナトリウム水溶液を加え、トルエン
で抽出した。有機層を水、次いで飽和食塩水で洗滌し無
水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を溜去して得られた
粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキ
サン)で精製して4−ヨード−1−(3−ブテニル)ベ
ンゼン171gを得た。 (参考例2) 4−エチニル−1−(3−ブテニル)ベ
ンゼンの合成
【0050】
【化13】
【0051】参考例1で得た4−ヨード−1−(3−ブ
テニル)ベンゼン86.4g、ジクロロビス(トリフェ
ニルホスフィン)パラジウム(II)2.35g及びヨウ化
銅(I)637mgをDMF120mL及びトリエチルア
ミン90mLに溶解した。これに30℃以下で2−メチ
ル−3−ブチン−2−オール42.2gのDMF60m
L溶液を滴下し、さらに室温で2時間攪拌した。
【0052】稀塩酸及びトルエンを加え、水層はトルエ
ンで抽出して有機層をあわせ、水、次いで飽和食塩水で
洗滌した。無水硫酸水素ナトリウムで脱水乾燥後、減圧
下に溶媒を溜去して4−[4−(3−ブテニル)フェニ
ル]−2−メチル−3−ブチン−2−オールの粗生成物
73.7gを得た。
【0053】この全量に水酸化ナトリウム670mgを
加え、生成するアセトンを溜去しながら、80℃で2時
間攪拌した。減圧下に蒸留(165℃/15mmHg)して
4−エチニル−1−(3−ブテニル)ベンゼン39.3
gを得た。 (実施例1) ビス[4−(3−ブテニル)フェニル]
エチン(式(Ia)の化合物)の合成
【0054】
【化14】
【0055】1−(3−ブテニル)−4−ヨードベンゼ
ン8.76gをDMF15ml及びトリエチルアミン5
mlに溶解し、ジクロロビストリフェニルホスフィンパ
ラジウム(II)370mg及びヨウ化銅(I)55mgを加
えた。4−エチニル−1−(3−ブテニル)ベンゼン
5.0gのDMF15ml溶液を内温30℃以下で滴下
し、さらに室温で3時間撹拌させた。水及び10%塩酸
を加え、水層を分離後、ヘキサンで抽出し、有機層をあ
わせ、10%塩酸、水次いで飽和食塩水で洗滌した。無
水硫酸ナトリウムで脱水乾燥させた後、溶媒を溜去して
ビス[4−(3−ブテニル)フェニル]エチンの粗結晶
9gを得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(ヘキサン)を用いて精製し、さらにエタノールから
再結晶させて精製物2.1gを得た。この化合物は等方
性液体相からの冷却時43℃以下でネマチック相を示
し、その融点は45℃であった。
【0056】4−エチニル−1−(3−ブテニル)ベン
ゼンあるいは1−(3−ブテニル)−4−ヨードベンゼ
ンに換えて、他の1−アルケニル−4−エチニルベンゼ
ンあるいは1−アルケニル−4−ハロゲノベンゼンを用
いることにより、同様にして以下の化合物を得た。
【0057】ビス[4−(4−ペンテニル)フェニル]
エチン ビス[4−(5−ヘキセニル)フェニル]エチン(式
(Ic)の化合物) ビス[4−(6−ヘプテニル)フェニル]エチン ビス[4−(7−オクテニル)フェニル]エチン ビス[4−(3−ペンテニル)フェニル]エチン ビス[4−(3−ヘキセニル)フェニル]エチン ビス[4−(3−ヘプテニル)フェニル]エチン ビス[4−(3−オクテニル)フェニル]エチン 1−[4−(3−ペンテニル)フェニル]−2−[4−
(3−ブテニル)フェニル]エチン 1−[4−(4−ペンテニル)フェニル]−2−[4−
(3−ブテニル)フェニル]エチン 1−[4−(3−ヘキセニル)フェニル]−2−[4−
(3−ブテニル)フェニル]エチン 1−[4−(4−ヘキセニル)フェニル]−2−[4−
(3−ブテニル)フェニル]エチン 1−[4−(5−ヘキセニル)フェニル]−2−[4−
(3−ブテニル)フェニル]エチン(式(Ib)の化合
物) 1−[4−(3−ヘプテニル)フェニル]−2−[4−
(3−ブテニル)フェニル]エチン 1−[4−(4−ヘプテニル)フェニル]−2−[4−
(3−ブテニル)フェニル]エチン 1−[4−(5−ヘプテニル)フェニル]−2−[4−
(3−ブテニル)フェニル]エチン 1−[4−(6−ヘプテニル)フェニル]−2−[4−
(3−ブテニル)フェニル]エチン 1−[4−(3−オクテニル)フェニル]−2−[4−
(3−ブテニル)フェニル]エチン 1−[4−(7−オクテニル)フェニル]−2−[4−
(3−ブテニル)フェニル]エチン (実施例2) 液晶組成物の調製 汎用のホスト液晶(H)
【0058】
【化15】
【0059】を調製した。このホスト液晶(H)は11
6.7℃以下でネマチック相を示し、その融点は11℃
であった。この組成物の20℃における粘度、これを用
いて作成したセル厚4.5μmのTNセルの閾値電圧
(Vth)、そのときの応答時間及び屈折率異方性(Δ
n)は以下の通りであった。
【0060】 閾値電圧(Vth): 1.88V 粘度(20℃): 19.8cp 応答時間(τr=τd): 21.5m秒 屈折率異方性(Δn): 0.090 ここで、応答時間は立ち上がり時間(τr)と立ち下が
り時間(τd)が等しくなる電圧印加時の測定値であ
る。
【0061】次にこのホスト液晶(H)70重量%及び
本発明の化合物である式(Ia)
【0062】
【化16】
【0063】の化合物30重量%からなる液晶組成物
(M−1)を調製した。この組成物の物性値及び電気光
学的特性は以下の通りであった。 TN-I: 92.0℃ 閾値電圧(Vth): 2.45V 粘度(20℃): 17.4cp 応答時間(τr=τd): 11.5m秒 屈折率異方性(Δn): 0.146 このようにその粘度はかなり低減され、応答時間が半分
以下と大幅に改善されていることがわかる。また屈折率
異方性も約1.5倍に増大した。TN-Iは約25℃低下
しているが、上述のように式(Ia)の化合物は単独で
もネマチック液晶性を示すので、その添加によるのT
N-Iの低下は後述するようにジアルキルトラン誘導体や
アルキルアルケニルトラン誘導体の場合と比較すると小
さい。 (比較例1)これに対して、一般式(Ia)と同様にト
ラン骨格を有するが、両側鎖が共に直鎖状アルキル基で
ある式(IIa)
【0064】
【化17】
【0065】の化合物30重量%及びホスト液晶(H)
70重量%からなる比較組成物(MR−1)を調製し
た。同様にして測定したこの組成物の物性値は以下の通
りであった。
【0066】 TN-I: 81.7℃ 閾値電圧(Vth): 2.41V 粘度(20℃): 16.3cp 応答時間(τr=τd): 10.5m秒 屈折率異方性(Δn): 0.143 このように(MR−1)のネマチック相上限温度は(M
−1)より約10゜も低くなってしまった。従って、本
発明の一般式(I)で表わされる式(Ia)の化合物
は、低粘性で屈折率異方性が大きく高速応答性に優れた
液晶組成物であって、かつTN-Iが高く温度範囲の広い
液晶材料を調製する上において、式(IIa)の化合物
よりかなり優れていることがわかる。 (比較例2)次に、一般式(Ia)と同様にトラン骨格
を有するが、アルキルアルケニル誘導体である式(II
Ia)
【0067】
【化18】
【0068】の化合物30重量%及びホスト液晶(H)
70重量%からなる比較組成物(MR−2)を調製し
た。同様にして測定したこの組成物の物性値は以下の通
りであった。
【0069】 TN-I: 86.0℃ 閾値電圧(Vth): 2.42V 粘度(20℃): 15.0cp 応答時間(τr=τd): 9.5m秒 屈折率異方性(Δn): 0.146 従って、(MR−1)と比較するとそのTN-Iは改善さ
れているが、(M−1)にはおよばないことが明らかで
ある。
【0070】以上のように、本発明の一般式(I)で表
わされる式(Ia)の化合物は、低粘性で屈折率異方性
が大きく高速応答性に優れた液晶組成物であって、かつ
N- Iが高く温度範囲の広い液晶材料を調製する上にお
いて、本発明の化合物と類似構造を有する式(IIa)
あるいは式(IIIa)の化合物よりかなり優れている
ことが理解できる。
【0071】
【発明の効果】本発明により提供される、ジアルケニル
トラン誘導体は、実施例にも示したように工業的にも容
易に製造することができる。得られたジアルケニルトラ
ン誘導体は、従来用いらている同様あるいは類似骨格を
有する減粘性液晶性化合物と比較して、ネマチック相上
限温度の低下度合いが少なく、その減粘効果及び応答性
の改善効果にも優れるため、それ含有する液晶組成物は
実用的液晶として特に高速応答を必要とする液晶表示用
として極めて有用である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R及びR’はそれぞれ独立的に水素原子あるい
    は炭素原子数1〜5のアルキル基を表わし、m及びnは
    それぞれ独立的に2〜6の整数を表わす。)で表わされ
    る化合物。
  2. 【請求項2】 R及びR’が共に水素原子であることを
    特徴とする請求項1記載の一般式(I)で表わされる化
    合物。
  3. 【請求項3】 m及びnが共に2であることを特徴とす
    る請求項1又は2記載の一般式(I)で表わされる化合
    物。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の一般式(I)の化合物を
    含有することを特徴とする液晶組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012510523A (ja) * 2008-12-03 2012-05-10 プレシディオ ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド Hcvns5aの阻害剤
JP2020105264A (ja) * 2018-12-26 2020-07-09 Dic株式会社 液晶組成物、それを用いた液晶表示素子、及びその製造方法

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