JPH10168234A - トレッドゴム組成物 - Google Patents
トレッドゴム組成物Info
- Publication number
- JPH10168234A JPH10168234A JP8328216A JP32821696A JPH10168234A JP H10168234 A JPH10168234 A JP H10168234A JP 8328216 A JP8328216 A JP 8328216A JP 32821696 A JP32821696 A JP 32821696A JP H10168234 A JPH10168234 A JP H10168234A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- weight
- parts
- silica
- rubber
- silicone
- Prior art date
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- Tires In General (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 湿潤路面でのグリップ性に優れたタイヤを得
ることのできるトレッドゴム組成物を提供すること。 【解決手段】 トレッドゴム組成物は、天然ゴムおよび
ジエン系合成ゴムのうち少なくとも1種からなるジエン
系ゴム100重量部、シリカを必須とする充填剤50〜
150重量部、軟化剤50〜200重量部とシリコーン
系高分子1〜40重量部とを含む。
ることのできるトレッドゴム組成物を提供すること。 【解決手段】 トレッドゴム組成物は、天然ゴムおよび
ジエン系合成ゴムのうち少なくとも1種からなるジエン
系ゴム100重量部、シリカを必須とする充填剤50〜
150重量部、軟化剤50〜200重量部とシリコーン
系高分子1〜40重量部とを含む。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はタイヤのトレッドに
用いられるゴム組成物、特にレース用タイヤに好適なト
レッドゴム組成物に関する。
用いられるゴム組成物、特にレース用タイヤに好適なト
レッドゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】タイヤにおいては雨天等による悪条件下
でぬれた路面(湿潤路面)を走行しなければならないこ
とがあるが、そのウェットグリップ性能を高める方法と
しては、従来から(1)ヒステリシスロスを大きくする
こと、(2)粘着摩擦力を大きくすること、(3)掘り
起こし摩擦力を大きくすること等で、タイヤが路面に接
地するトレッド部を改善することが考えられてきた。
でぬれた路面(湿潤路面)を走行しなければならないこ
とがあるが、そのウェットグリップ性能を高める方法と
しては、従来から(1)ヒステリシスロスを大きくする
こと、(2)粘着摩擦力を大きくすること、(3)掘り
起こし摩擦力を大きくすること等で、タイヤが路面に接
地するトレッド部を改善することが考えられてきた。
【0003】特に、レース用タイヤのトレッドゴム組成
物においては特開平6−122788、特開平6−57
071および特公平7−39510等に開示されている
ように、次のようなことが行われてきた。 高いヒステリシスロス(tanδ)を得るためにスチ
レン成分含有率の高い溶液重合SBR(S−SBR)を
使用する。 オイル等の軟化剤を多量に配合する。 充填剤として比表面積が大きく、補強性の高いカーボ
ンブラックを使用する。
物においては特開平6−122788、特開平6−57
071および特公平7−39510等に開示されている
ように、次のようなことが行われてきた。 高いヒステリシスロス(tanδ)を得るためにスチ
レン成分含有率の高い溶液重合SBR(S−SBR)を
使用する。 オイル等の軟化剤を多量に配合する。 充填剤として比表面積が大きく、補強性の高いカーボ
ンブラックを使用する。
【0004】さらに最近では、充填剤としてシリカ等を
多量に配合して粘着摩擦力を大きくすることによってウ
ェットグリップ性を高めるようになってきている。しか
し、シリカを配合することによるゴム組成物は、低温度
・低歪域で柔らかくなるので、ぬれた路面等のような摩
擦係数の低い路面からの微少入力に対して有効である
が、カーボン配合に比べてtanδを大幅に下げてしま
うという問題があった。
多量に配合して粘着摩擦力を大きくすることによってウ
ェットグリップ性を高めるようになってきている。しか
し、シリカを配合することによるゴム組成物は、低温度
・低歪域で柔らかくなるので、ぬれた路面等のような摩
擦係数の低い路面からの微少入力に対して有効である
が、カーボン配合に比べてtanδを大幅に下げてしま
うという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、ウェットグリップ性に優れたタイヤ、およ
びウェットグリップ性に優れたレース用タイヤを提供す
ることができるトレッドゴム組成物を提供することにあ
る。
する課題は、ウェットグリップ性に優れたタイヤ、およ
びウェットグリップ性に優れたレース用タイヤを提供す
ることができるトレッドゴム組成物を提供することにあ
る。
【0006】
【問題を解決するための手段】本願発明者らは、上記課
題を解決するために鋭意検討した結果、撥水性の高いジ
メチルポリシロキサンを主成分とするシリコーン系高分
子をシリカを含むレース用タイヤトレッドゴム組成物に
添加することにより、湿潤路面における粘着摩擦力や掘
り起こし摩擦力が増大し、ウェットグリップ性が向上す
ることを見いだした。シリコーン系高分子は高い撥水性
を有し、S−SBRと化学的に結合しないためトレッド
表面に析出しやすく、析出したシリコーン系高分子が湿
潤路面においてトレッド面と路面との間に存在する水膜
を除去するので粘着摩擦力が増大する。また、トレッド
表面に析出したシリコーン系高分子は、走行中に脱落し
て生じた脱落孔が掘り起こし摩擦力を増大させることか
ら本発明に至ったものである。
題を解決するために鋭意検討した結果、撥水性の高いジ
メチルポリシロキサンを主成分とするシリコーン系高分
子をシリカを含むレース用タイヤトレッドゴム組成物に
添加することにより、湿潤路面における粘着摩擦力や掘
り起こし摩擦力が増大し、ウェットグリップ性が向上す
ることを見いだした。シリコーン系高分子は高い撥水性
を有し、S−SBRと化学的に結合しないためトレッド
表面に析出しやすく、析出したシリコーン系高分子が湿
潤路面においてトレッド面と路面との間に存在する水膜
を除去するので粘着摩擦力が増大する。また、トレッド
表面に析出したシリコーン系高分子は、走行中に脱落し
て生じた脱落孔が掘り起こし摩擦力を増大させることか
ら本発明に至ったものである。
【0007】本発明のトレッドゴム組成物は、ジエン系
ゴムからなるゴム成分100重量部に対して、シリカを
必須とする充填剤を50〜150重量部、軟化剤を50
〜200重量部及びシリコーン系高分子を1〜40重量
部を含む。上記ゴム成分を、溶液重合によって得られる
スチレン成分含有率25〜60重量%のビニル芳香族・
ジエン共重合体とすることによりレースに好適なトレッ
ドゴム組成物がえられる。
ゴムからなるゴム成分100重量部に対して、シリカを
必須とする充填剤を50〜150重量部、軟化剤を50
〜200重量部及びシリコーン系高分子を1〜40重量
部を含む。上記ゴム成分を、溶液重合によって得られる
スチレン成分含有率25〜60重量%のビニル芳香族・
ジエン共重合体とすることによりレースに好適なトレッ
ドゴム組成物がえられる。
【0008】上記のトレッドゴム組成物には、窒素吸着
比表面積(N2SA)が100m2/g以上のカーボンブ
ラックをシリカの配合重量の0.1〜1.5倍の量を配
合することができる。
比表面積(N2SA)が100m2/g以上のカーボンブ
ラックをシリカの配合重量の0.1〜1.5倍の量を配
合することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のトレッドゴム組成物は、
天然ゴム及びジエン系合成ゴムのうち少なくとも1種か
らなるゴム成分、シリコーン系高分子、シリカを必須と
する充填剤と、軟化剤とを含む組成物である。 <ゴム成分>本発明で用いられるゴム成分は、天然ゴム
及びジエン系合成ゴムからなる群の中から選ばれた少な
くとも1種である。前記ジエン系合成ゴムとしては特に
限定されるわけではないが、スチレン・ブタジエンゴム
(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム
(IR)、イソプレン−イソブチレンゴム(IIR)、
ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)等が挙げられる。
ジエン系ゴムは1種のみ、または、必要に応じて2種以
上を使用することができる。
天然ゴム及びジエン系合成ゴムのうち少なくとも1種か
らなるゴム成分、シリコーン系高分子、シリカを必須と
する充填剤と、軟化剤とを含む組成物である。 <ゴム成分>本発明で用いられるゴム成分は、天然ゴム
及びジエン系合成ゴムからなる群の中から選ばれた少な
くとも1種である。前記ジエン系合成ゴムとしては特に
限定されるわけではないが、スチレン・ブタジエンゴム
(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム
(IR)、イソプレン−イソブチレンゴム(IIR)、
ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)等が挙げられる。
ジエン系ゴムは1種のみ、または、必要に応じて2種以
上を使用することができる。
【0010】レース用タイヤにおいては、ゴム成分とし
て溶液重合によって得られるスチレン成分含有率25〜
60重量%のビニル芳香族・ジエン共重合体を用いるこ
とが好ましい。スチレン含有率が25重量%未満では、
ウェットグリップ特性の向上が見られず、また60重量
%を越えるとタイヤ製造時の加工がし難くなる。 <シリコーン系高分子>シリコーンとは、有機ケイ素化
合物の重合体からつくられたもの総称で、シロキサン結
合(−Si−O−Si−O−)を分子構造の骨格として
おり、この骨格にアルキル、アリル、アリール等の有機
基及びその誘導基が結合している。
て溶液重合によって得られるスチレン成分含有率25〜
60重量%のビニル芳香族・ジエン共重合体を用いるこ
とが好ましい。スチレン含有率が25重量%未満では、
ウェットグリップ特性の向上が見られず、また60重量
%を越えるとタイヤ製造時の加工がし難くなる。 <シリコーン系高分子>シリコーンとは、有機ケイ素化
合物の重合体からつくられたもの総称で、シロキサン結
合(−Si−O−Si−O−)を分子構造の骨格として
おり、この骨格にアルキル、アリル、アリール等の有機
基及びその誘導基が結合している。
【0011】シリコーン系高分子としてはシリコーンゴ
ム、シリコーン樹脂を挙げることができる。本発明で用
いられるシリコーン系高分子としては、粉末タイプのも
ので、その平均粒子径が100μm以下のものが望まし
い。シリコーン系高分子は、他のゴム成分と化学的結合
を形成しないため、平均粒子径が100μmを越えるも
のを用いると、補強性が低下する。また、シリコーン系
高分子の平均粒子径が0.1μm以上であると、補強性
が向上するため好ましい。さらに、シリコーン系高分子
の製造の容易性のため1〜10μmのものが好ましい。
ム、シリコーン樹脂を挙げることができる。本発明で用
いられるシリコーン系高分子としては、粉末タイプのも
ので、その平均粒子径が100μm以下のものが望まし
い。シリコーン系高分子は、他のゴム成分と化学的結合
を形成しないため、平均粒子径が100μmを越えるも
のを用いると、補強性が低下する。また、シリコーン系
高分子の平均粒子径が0.1μm以上であると、補強性
が向上するため好ましい。さらに、シリコーン系高分子
の製造の容易性のため1〜10μmのものが好ましい。
【0012】シリコーン系高分子の配合量は、ゴム成分
100重量部に対して、1〜40重量部、好ましくは2
0〜40重量部である。1重量部より少ないと、配合に
よる効果はほとんどない。40重量部を越えると、補強
性や耐摩耗性が低下する傾向がある。シリコーン系高分
子としては、シリコーンゴムが好ましい。シリコーンゴ
ムは、たとえば、オルガノポリシロキサンに加硫剤を混
練後、加熱加硫によって弾性体を得るミラブル型シリコ
ーンゴムと、加硫前は液状である液状シリコーンゴムと
に大別されるが、本発明ではいずれを用いても良い。 <充填剤>本発明で用いられる充填剤は、ゴム組成物を
成形してタイヤを製造したときに十分な硬度を得るため
に配合されるものである。充填剤としては、シリカを必
須として含むものであれば特に限定されるものではな
い。
100重量部に対して、1〜40重量部、好ましくは2
0〜40重量部である。1重量部より少ないと、配合に
よる効果はほとんどない。40重量部を越えると、補強
性や耐摩耗性が低下する傾向がある。シリコーン系高分
子としては、シリコーンゴムが好ましい。シリコーンゴ
ムは、たとえば、オルガノポリシロキサンに加硫剤を混
練後、加熱加硫によって弾性体を得るミラブル型シリコ
ーンゴムと、加硫前は液状である液状シリコーンゴムと
に大別されるが、本発明ではいずれを用いても良い。 <充填剤>本発明で用いられる充填剤は、ゴム組成物を
成形してタイヤを製造したときに十分な硬度を得るため
に配合されるものである。充填剤としては、シリカを必
須として含むものであれば特に限定されるものではな
い。
【0013】トレッドゴム組成物中の充填剤の配合量
は、ゴム成分100重量部に対して50〜150重量部
であり、好ましくは90〜130重量部、さらに好まし
くは100〜120重量部である。充填剤の配合量が1
50重量部を越えるとウェットグリップ性が損なわれる
ため好ましくない。充填剤の配合量が50重量部に満た
ない場合には、補強効果がない。
は、ゴム成分100重量部に対して50〜150重量部
であり、好ましくは90〜130重量部、さらに好まし
くは100〜120重量部である。充填剤の配合量が1
50重量部を越えるとウェットグリップ性が損なわれる
ため好ましくない。充填剤の配合量が50重量部に満た
ない場合には、補強効果がない。
【0014】本発明で用いられるシリカは、従来よりタ
イヤの分野で用いれるものであればよいが、ウェットグ
リップ性という点からBET法で測定した窒素吸着比表
面積が100〜200平方メートル/g、DBP吸油量
が200ml/100g以上であることがさらに好まし
い。シリカの配合量は、ゴム成分100重量部に対して
50〜140重量部が好ましい。シリカの配合量が14
0重量部を越えるとトレッドゴム組成物のtanδが著
しく下がりウェットグリップ性能を低下させる。シリカ
の配合量が50重量部未満の場合には、配合の効果が見
られない。
イヤの分野で用いれるものであればよいが、ウェットグ
リップ性という点からBET法で測定した窒素吸着比表
面積が100〜200平方メートル/g、DBP吸油量
が200ml/100g以上であることがさらに好まし
い。シリカの配合量は、ゴム成分100重量部に対して
50〜140重量部が好ましい。シリカの配合量が14
0重量部を越えるとトレッドゴム組成物のtanδが著
しく下がりウェットグリップ性能を低下させる。シリカ
の配合量が50重量部未満の場合には、配合の効果が見
られない。
【0015】本発明においては、補強剤としてシリカと
ともにカーボンブラック、クレー、タルク、炭酸カルシ
ウム、塩基性炭酸マグネシウム、アルミナ、マイカ、グ
ラファイト、ガラス粉を配合することも可能である。特
に、前述のようにシリカを配合することによるtanδ
の低下を補うため、シリカの歪み依存性を多少犠牲にし
てもカーボンを適当量ブレンドすることによってさらに
ウェットグリップ性を向上させることができる。
ともにカーボンブラック、クレー、タルク、炭酸カルシ
ウム、塩基性炭酸マグネシウム、アルミナ、マイカ、グ
ラファイト、ガラス粉を配合することも可能である。特
に、前述のようにシリカを配合することによるtanδ
の低下を補うため、シリカの歪み依存性を多少犠牲にし
てもカーボンを適当量ブレンドすることによってさらに
ウェットグリップ性を向上させることができる。
【0016】本発明で用いられるカーボンブラックは、
従来よりタイヤの分野で用いれるものであればよいが、
窒素吸着比表面積(N2SA)は、耐摩耗性、発熱性と
いう点から80m2/g以上であるのが好ましい。80
平方メートル/g未満ではあまり発熱が得られずtan
δの低下を十分に補うことができないためである。ウェ
ットグリップ性という点から100〜150m2/gで
あるのがさらに好ましい。
従来よりタイヤの分野で用いれるものであればよいが、
窒素吸着比表面積(N2SA)は、耐摩耗性、発熱性と
いう点から80m2/g以上であるのが好ましい。80
平方メートル/g未満ではあまり発熱が得られずtan
δの低下を十分に補うことができないためである。ウェ
ットグリップ性という点から100〜150m2/gで
あるのがさらに好ましい。
【0017】カーボンブラックの配合量は、シリカの配
合量の0.1〜1.5倍が好ましい。カーボンブラック
の配合量がシリカ配合量の1.5倍を越えると複素弾性
率E*が増加し、シリカの低温・低歪域における効果を
現れなくなりウェットグリップ性能を低下させる。ま
た、カーボンブラックの配合量がシリカ配合量の0.1
倍未満の場合には、tanδが増大せず配合の効果が得
られない。さらにウェットグリップ性の向上という点か
らシリカ配合量の0.3〜1.2倍がさらに好ましい。
合量の0.1〜1.5倍が好ましい。カーボンブラック
の配合量がシリカ配合量の1.5倍を越えると複素弾性
率E*が増加し、シリカの低温・低歪域における効果を
現れなくなりウェットグリップ性能を低下させる。ま
た、カーボンブラックの配合量がシリカ配合量の0.1
倍未満の場合には、tanδが増大せず配合の効果が得
られない。さらにウェットグリップ性の向上という点か
らシリカ配合量の0.3〜1.2倍がさらに好ましい。
【0018】<軟化剤>本発明においては、ナフテン系
プロセスオイル、アロマオイル等の軟化剤が用いれる。
本発明のトレッドゴム組成物の軟化剤の配合量はゴム成
分100重量部に対して50〜200重量部である。軟
化剤の配合量が200重量部を越えるとタイヤ製造時の
加工性が悪くなるため好ましくない。軟化剤の配合量が
50重量部未満の場合には、硬度が高く複素弾性率E*
が増加し好ましくない。ウェットグリップ性の向上とい
う点から90〜150重量部がさらに好ましい。
プロセスオイル、アロマオイル等の軟化剤が用いれる。
本発明のトレッドゴム組成物の軟化剤の配合量はゴム成
分100重量部に対して50〜200重量部である。軟
化剤の配合量が200重量部を越えるとタイヤ製造時の
加工性が悪くなるため好ましくない。軟化剤の配合量が
50重量部未満の場合には、硬度が高く複素弾性率E*
が増加し好ましくない。ウェットグリップ性の向上とい
う点から90〜150重量部がさらに好ましい。
【0019】<その他の成分>トレッドゴム組成物に
は、必要に応じて硫黄、不溶性硫黄、硫黄化合物等の加
硫剤、酸化亜鉛、ステアリン酸等の加硫補助剤、メルカ
プトベンゾチアゾール(MBT)、N−tert−ブチ
ル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBB
S)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフ
ェンアミド(CBS)等のチアゾール系化合物や、ジフ
ェニルグアニジン(DPG)等のグアニジン系化合物等
からなる加硫促進剤、有機繊維、発泡剤、老化防止剤、
ワックス等の添加剤を配合することができる。
は、必要に応じて硫黄、不溶性硫黄、硫黄化合物等の加
硫剤、酸化亜鉛、ステアリン酸等の加硫補助剤、メルカ
プトベンゾチアゾール(MBT)、N−tert−ブチ
ル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBB
S)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフ
ェンアミド(CBS)等のチアゾール系化合物や、ジフ
ェニルグアニジン(DPG)等のグアニジン系化合物等
からなる加硫促進剤、有機繊維、発泡剤、老化防止剤、
ワックス等の添加剤を配合することができる。
【0020】本発明のトレッドゴム組成物の製造方法と
しては、公知の方法を適用することができる。上記各成
分を、例えば、バンバリーミキサー等の混練り機を用い
て、通常の方法、条件で混練りすることによって得られ
る。なお、混練り温度は80〜140゜Cであるのが好
ましい。タイヤは、以上説明したトレッドゴム組成物を
成形加硫して得られる。
しては、公知の方法を適用することができる。上記各成
分を、例えば、バンバリーミキサー等の混練り機を用い
て、通常の方法、条件で混練りすることによって得られ
る。なお、混練り温度は80〜140゜Cであるのが好
ましい。タイヤは、以上説明したトレッドゴム組成物を
成形加硫して得られる。
【0021】
【実施例】以下に本発明の具体的な実施例及び比較例を
示すが、本発明は下記実施例に限定されるものではな
い。 (実施例1〜6および比較例1〜6)表1及び表2に示
した配合で容量50リットルのバンバリー型ミキサーを
用いて130゜Cで5分間混練りしてトレッドゴム組成
物を調整した。得られたトレッドゴム組成物を170゜
Cで30分間加硫したゴムサンプルについて、以下の評
価方法で性能を評価した。その結果を表1及び表2に併
記した。
示すが、本発明は下記実施例に限定されるものではな
い。 (実施例1〜6および比較例1〜6)表1及び表2に示
した配合で容量50リットルのバンバリー型ミキサーを
用いて130゜Cで5分間混練りしてトレッドゴム組成
物を調整した。得られたトレッドゴム組成物を170゜
Cで30分間加硫したゴムサンプルについて、以下の評
価方法で性能を評価した。その結果を表1及び表2に併
記した。
【0022】<評価方法> 1.E*、tanδ 前述のようにして得られたタイヤトレッドゴム用組成物
について、粘着摩擦項を示す0゜Cにおける複素弾性率
E*および転動抵抗の高低を示す50゜Cにおけるta
nδ(ヒステリシスロス)を、岩本製作所(株)製の粘
弾性スペクトロメータを用いて、周波数10Hz、初期
伸長10%、動的歪み0.3〜5.0%の条件で測定し
た。
について、粘着摩擦項を示す0゜Cにおける複素弾性率
E*および転動抵抗の高低を示す50゜Cにおけるta
nδ(ヒステリシスロス)を、岩本製作所(株)製の粘
弾性スペクトロメータを用いて、周波数10Hz、初期
伸長10%、動的歪み0.3〜5.0%の条件で測定し
た。
【0023】2.ゴム硬度 JIS K6301に規定された方法に従って、室温に
おけるゴム硬度Hs(RT)を測定した。
おけるゴム硬度Hs(RT)を測定した。
【0024】3.ラップタイム トレッドゴム組成物を用いてレースに用いる自動二輪車
の後輪用タイヤを製造した(190/55R17)。こ
のタイヤを排気量750ccの自動二輪車の後輪に、前
輪には120/70R17の市販タイヤを装着して、1
周約5.9kmの湿潤路面のサーキットにおいて連続1
0周走行させ、1周当たりの走行時間の平均値を算出し
た。
の後輪用タイヤを製造した(190/55R17)。こ
のタイヤを排気量750ccの自動二輪車の後輪に、前
輪には120/70R17の市販タイヤを装着して、1
周約5.9kmの湿潤路面のサーキットにおいて連続1
0周走行させ、1周当たりの走行時間の平均値を算出し
た。
【0025】4.実車の官能評価 上記のラップタイム測定時に、比較例1のタイヤを3点
として、1〜5点の間で自動二輪車のグリップ感、接地
感、旋回性、トラクション、スタビリティー性能につい
て、ドライバーがそれらの官能評価を行い、それらの総
合的な評価結果を表1、表2にしめした。官能評価の数
字の大きい方が良好な運転フィーリングを与えたことを
示している。
として、1〜5点の間で自動二輪車のグリップ感、接地
感、旋回性、トラクション、スタビリティー性能につい
て、ドライバーがそれらの官能評価を行い、それらの総
合的な評価結果を表1、表2にしめした。官能評価の数
字の大きい方が良好な運転フィーリングを与えたことを
示している。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】表1、2で用いられたゴム・薬品等の詳細
は以下の通りである。 *1 スチレン−ブタジエンゴム、住友化学製。スチレ
ン成分含有率40%。 *2 三菱化学製のISAF。窒素吸着比表面積(N2
SA)115平方メートル/g。 *3 Degussa製のウルトラシルVN3 *4 東レダウコーニングシリコーン(株)製のトレフ
ィルE500。平均粒子径3μm。 *5 アロマオイル。出光興産製のダイアナプロセスオ
イル。 *6 Degussa製のX50−S。 *7 FLEXYS製の6C。 *8 日本油脂製のステアリン酸桐。 *9 三井金属製の亜鉛華1号。 *10 軽井沢製錬製の粉末硫黄。 *11 N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスル
フェンアミド、(CBS)、 三新化学製のサンセラー
CM。 *12 ジフェニルグアニジン(DPG)、住友化学製
のソクシノールD。
は以下の通りである。 *1 スチレン−ブタジエンゴム、住友化学製。スチレ
ン成分含有率40%。 *2 三菱化学製のISAF。窒素吸着比表面積(N2
SA)115平方メートル/g。 *3 Degussa製のウルトラシルVN3 *4 東レダウコーニングシリコーン(株)製のトレフ
ィルE500。平均粒子径3μm。 *5 アロマオイル。出光興産製のダイアナプロセスオ
イル。 *6 Degussa製のX50−S。 *7 FLEXYS製の6C。 *8 日本油脂製のステアリン酸桐。 *9 三井金属製の亜鉛華1号。 *10 軽井沢製錬製の粉末硫黄。 *11 N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスル
フェンアミド、(CBS)、 三新化学製のサンセラー
CM。 *12 ジフェニルグアニジン(DPG)、住友化学製
のソクシノールD。
【0029】<評価結果>実施例と比較例のラップタイ
ムの比較から、シリコーンゴムを溶液重合SBR100
重量部に対し1〜40重量部を添加することにより湿潤
路面におけるグリップ性が向上していることが判る。
ムの比較から、シリコーンゴムを溶液重合SBR100
重量部に対し1〜40重量部を添加することにより湿潤
路面におけるグリップ性が向上していることが判る。
【0030】比較例4からカーボン量の1.5倍を越え
てシリカを配合しするとグリップが低下していることが
判る。充填剤としてシリカを単独で配合する場合より
も、シリカとカーボンを併用している場合の方が、シリ
コーンゴムの効果が大きいことが判る。比較例3の場合
においては、シリコーンゴムを多量に配合したためアブ
レージョン(波状摩耗)が発生した。
てシリカを配合しするとグリップが低下していることが
判る。充填剤としてシリカを単独で配合する場合より
も、シリカとカーボンを併用している場合の方が、シリ
コーンゴムの効果が大きいことが判る。比較例3の場合
においては、シリコーンゴムを多量に配合したためアブ
レージョン(波状摩耗)が発生した。
【0031】比較例1と比較例2との比較によりカーボ
ンブラックを配合するとtanδは増加するが、逆にE
*が上昇しグリップが低下していることが判る。
ンブラックを配合するとtanδは増加するが、逆にE
*が上昇しグリップが低下していることが判る。
【0032】
【発明の効果】本発明のトレッドゴム組成物は、補強性
の低下を抑えながらウェットグリップ性に優れたタイヤ
を提供することができる。
の低下を抑えながらウェットグリップ性に優れたタイヤ
を提供することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】ジエン系ゴムのうち少なくとも1種からな
るゴム成分100重量部と、該ゴム成分100重量部に
対して、シリカを必須とする50〜150重量部の充填
剤と、50〜200重量部の軟化剤と、及び1〜40重
量部のシリコーン系高分子とからなるトレッドゴム組成
物。 - 【請求項2】溶液重合によって得られるスチレン成分含
有率25〜60重量%のビニル芳香族・ジエン共重合体
を含むゴム成分100重量部と、該ゴム成分100重量
部に対して、シリカを必須とする50〜150重量部の
充填剤と、50〜200重量部の軟化剤と、及び1〜4
0重量部のシリコーン系高分子とからなるレース用トレ
ッドゴム組成物。 - 【請求項3】カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N
2SA)が100m2/g以上であって、充填剤としての
該カーボンブラックの配合量がシリカの配合重量の0.
1〜1.5倍の量を配合したことを特徴とする請求項1
または2記載のトレッドゴム組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8328216A JPH10168234A (ja) | 1996-12-09 | 1996-12-09 | トレッドゴム組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8328216A JPH10168234A (ja) | 1996-12-09 | 1996-12-09 | トレッドゴム組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10168234A true JPH10168234A (ja) | 1998-06-23 |
Family
ID=18207754
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8328216A Withdrawn JPH10168234A (ja) | 1996-12-09 | 1996-12-09 | トレッドゴム組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10168234A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 1996-12-09 JP JP8328216A patent/JPH10168234A/ja not_active Withdrawn
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