JPH10151996A - 無線発信器の取付装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 無線発信器の取り付けを簡単に行うことによ
り、ダッシュボードに対するワイヤハーネスの引き込み
を行うことなく、エンジンルーム内の電気接続箱等との
通信を可能とする。 【解決手段】 可撓性の取付ベース１２をステアリング
ボス２２の外形に沿って湾曲させ、一方の面に設けた両
面粘着シートからなる第１の係合シート１３によって、
ステアリングボス２２の外面に接合させる。他方の面に
設けた両面粘着シートからなる第２の係合シート１４に
無線発信器２０を接合させて、無線発信器２０の取り付
けを行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、家庭電気製品や自
動車に搭載されている各種機器を駆動したり、制御する
ために使用する無線発信器を取り付ける取付装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】ヘッドライト、テレビ、ナビゲータ、そ
の他の機器を標準装備として搭載している自動車では、
機器を駆動するためのスイッチ類が車室側のインストル
メントパネルに設けられることにより、運転中でのスイ
ッチのオン、オフ（ＯＮ，ＯＦＦ）を可能としている。

【０００３】図５はこのようなスイッチの従来の接続構
造を示し、符号１は、エンジンルーム２と車室３とを仕
切るダッシュボードであり、スイッチ４が車室３内に配
置されている。このスイッチ４への操作による機器類の
駆動を行うため、バッテリーからの電力を機器類に分配
供給する電気接続箱５が、スイッチ４との接続状態でエ
ンジンルーム２内に配置される。

【０００４】スイッチ４と電気接続箱５との接続は、ダ
ッシュボード１に開設されているボード穴６を利用して
なされるものである。この接続は、ボード穴６にグロメ
ット７を嵌め込み、スイッチ４からのワイヤハーネス８
をグロメット７に貫通させてエンジンルーム２内に引き
込み、このワイヤハーネス８と電気接続箱５からのワイ
ヤハーネス９とを端子１０によって接続することによっ
てなされる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
接続構造では、ワイヤハーネス８、９やグロメット６、
さらには端子１０を必要としており、接続のための部品
が多く、構造や工程が複雑となり、接続作業が面倒とな
っている。

【０００６】又、ボード穴６の開設によって、車室３に
対する防音性が低下したり、ダッシュボード１の強度が
低下するため、ボード穴６の数を多くすることができな
い。このため、これらを考慮した位置及び数となるよう
に、ボード穴６が限定的に形成されており、この限定さ
れたボード穴を利用した接続では、接続の自由度が小さ
くなり、スイッチ４を配置する設計の自由度が小さくな
る問題を有している。

【０００７】さらには、スイッチ４の配置や電気接続箱
５の配置によっては、ボード穴６を利用することができ
ないこともあり、接続が不便ともなっている。

【０００８】このようなことは家庭電気製品についても
同様であり、電気製品本体に対して、コードを使用して
スイッチを接続する場合、スイッチ及び電気製品本体の
接続や、スイッチの配置に苦慮する原因となっている。

【０００９】本発明は、このような従来の接続構造の問
題点を考慮してなされたものであり、無線を使用して接
続することにより、ボード穴を利用することなく、車体
側のスイッチと、エンジンルーム内の電気接続箱とを簡
単に接続できるようにするための無線発信器の取付装置
を提供することを目的とする。

【００１０】同様に本発明は、家庭電気製品とスイッチ
とを無線で接続する場合の無線発信器の取付構造を提供
することを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１の発明は、相手部材の外形に沿って変形可
能な可撓性を有した取付ベースと、この取付ベースの一
方の面に設けられ、相手部材と係合して取り付けられる
第１の係合シートと、取付ベースの他方の面に設けら
れ、無線発信器と係合して無線発信器が取り付けられる
第２の係合シートと、を備えていることを特徴とする。

【００１２】請求項２の発明は、請求項１記載の無線発
信器の取付装置であって、前記取付ベースに溝及び／又
は穴が形成されていることを特徴とする。

【００１３】請求項３の発明は、請求項１記載の無線発
信器の取付装置であって、前記第１及び第２の係合シー
トが両面粘着シートであることを特徴とする。

【００１４】請求項４の発明は、請求項１〜３のいずれ
かに記載の無線発信器の取付装置であって、前記取付ベ
ースが溝及び／又は穴を境として連設されている複数の
分割片からなり、前記第１及び第２の係合シートが分割
片を単位として配置されていることを特徴とする。

【００１５】請求項５の発明は、請求項１記載の無線発
信器の取付装置であって、前記相手部材が自動車のステ
アリングボスであることを特徴とする。

【００１６】

【発明の効果】請求項１の発明では、取付ベースを相手
部材の外形に沿って変形させながら、一方の面の第１の
係合シートを相手部材に係合させることにより、取付ベ
ースを相手部材の外形に合わせて取り付けることができ
る。この取付ベースに対し、他方の面の第２の係合シー
トに無線発信器を係合させて固定することにより、配設
が終了する。固定された無線発信器はスイッチとして作
用し、無線発信器を操作することにより、電気接続箱や
電気製品本体のスイッチングが可能となる。

【００１７】従って、自動車においては、ボード穴、ワ
イヤハーネス等を使用することなく、電気接続箱との接
続ができ、接続作業が簡単となる。又、ボード穴の位置
や数に関係なく電気接続箱と接続することができ、設計
の自由度が飛躍的に増大する。家庭電気製品において
は、柱、机その他の家庭用品に対して、取付ベースを取
り付けることにより簡単に装着できる。

【００１８】請求項２の発明では、請求項１の発明の効
果に加えて、取付ベースに溝及び／又は穴が形成される
ことにより、相手部材の外形に沿った変形が容易となる
と共に、軽量となり、取り扱い性が向上する。

【００１９】請求項３の発明では、、請求項１の発明の
効果に加えて、第１及び第２の係合シートが両面粘着シ
ートのため、相手部材への取り付け及び無線発信器の取
り付けを粘着力を利用して行うことができる。このた
め、相手部材や無線発信器に係合のための特別の加工を
行う必要がなく、そのまま使用できるため、簡単な取り
付けができ、汎用性が増大すると共に、繰り返し着脱に
耐えることができる。

【００２０】請求項４の発明では、請求項１〜３の発明
の効果に加えて、溝及び／又は穴を境として連設されて
いる取付ベースの複数の分割片を単位として、第１及び
第２の係合シートが配置されるため、係合シートを規則
正しく配設でき、相手部材への取り付けや無線発信器の
取り付けを簡単に行うことができ、しかも外観が向上す
る。

【００２１】請求項５の発明では、請求項１の発明の効
果に加えて、取付ベースが取り付けられる相手部材が自
動車のステアリングボスであり、自動車への簡単な取り
付けが可能となる、

【００２２】

【発明の実施の形態】図１〜図４は本発明の一実施形態
であり、取付ベース１２及び第１の係合シート１３、第
２の係合シート１４によって取付装置１１が構成されて
いる。

【００２３】取付ベース１２は、アルミニウム、ステン
レス等の金属、或いはゴム等のプラスチックなどによっ
て、図１及び図２に示すように全体が薄いシート状に形
成されており、可撓性を有している。これにより取付ベ
ース１２は屈曲、湾曲が可能となっており、取り付けを
行う相手部材（図示省略）の外形に沿って変形すること
ができる。従って、相手部材の外面に沿った取り付けが
でき、嵩張ることのない取り付け状態となることができ
る。

【００２４】取付ベース１２は、横長の矩形状に成形さ
れているが、外周部に溝１５が複数形成されると共に、
その平面内には、穴１６が複数形成されている。これら
の溝１５及び穴１６の形成によって、取付ベース１２は
剛性が小さくなっており、上述した相手部材の外形に沿
った変形が、さらに容易となっていると共に、取付装置
１１全体の軽量化ができ、取り扱いが容易となる。

【００２５】図示する実施形態では、溝１５及び穴１６
は縦長となっていると共に、一直線上に位置している。
加えて、一直線上に位置する溝１５及び穴１６は、取付
ベース１２の横方向の２箇所に形成されており、取付ベ
ース１２は一直線上に位置する溝１５及び穴１６を境と
して、３箇所の分割片１７、１８、１９が連設された状
態となっている。

【００２６】第１の係合シート１３は、取付ベース１２
の一方の面に取り付けられ、第２の係合シート１４は、
他方の面に取り付けられている。これらの係合シート１
３、１４は、上述した分割片１７、１８、１９を単位と
して、取付ベース１２に取り付けられる。

【００２７】この場合、第１の係合シート１３は取付ベ
ース１２の一方の面の全ての分割片１７、１８、１９に
対して取り付けられる。この第１の係合シート１３は相
手部材に係合することによって相手部材側に取り付けら
れるものであり、全ての分割片１７、１８、１９に取り
付けられることによって、取付ベース１２が相手部材の
外形に沿って変形しても、取付ベース１２の全体が相手
部材から浮き上がることがなく、確実に取り付けられる
ようになっている。

【００２８】一方、第２の係合シート１４は、取付ベー
ス１２の中央部分の分割片１８に対して取り付けられて
いる。第２の係合シート１４は図１に示すように、無線
発信器２０が取り付けられるものであり、その取り付け
が可能であれば、取り付ける分割片は他の位置の分割片
であっても良い。

【００２９】このように取付ベース１２の分割片１７、
１８、１９を単位として、係合シート１３、１４を配置
することによって、係合シート１３、１４を規則正しく
配置できるため、相手部材への取り付けや、無線発信器
２０の取り付けを簡単に行うことができる。

【００３０】第１の係合シート１３及び第２の係合シー
ト１４としては、両面粘着シートが使用される。この両
面粘着シートは、片面側の粘着剤が粘着力によって取付
シート１２に接合し、反対側の粘着剤が粘着力によって
相手部材及び無線発信器２０に接合する。このため、相
手部材や無線発信器２０さらには取付シート１２に相互
に係合するフック等を設ける必要なく、取り付けること
ができる。これにより相手部材や無線発信器２０に特別
の加工を行う必要がなく、そのまま使用できるため、簡
単な取り付けができ、汎用性が増大すると共に、繰り返
し着脱に耐えることができる。

【００３１】このような係合シート１３、１４として
は、両面粘着シートに限るものではなく、植毛が相互に
係合する面ファスナーであっても良い。

【００３２】なお、図１において、２１は無線発信器２
０の上面に設けられることによって押圧操作される押釦
スイッチであり、押圧操作する押釦スイッチ２１によっ
て、無線発信器が発信する電波の周波数が異なってい
る。このため、受信する周波数が異なった複数の機器へ
の対応が可能となっている。又、無線発信器２０は発信
のためのバッテリーを内蔵するものである。

【００３３】図３及び図４は、この実施形態の取付装置
１１を自動車に適用した状態を示し、自動車の操舵を行
うステアリングに取付装置１１が装着されて使用され
る。

【００３４】図３において、２２はステアリングポスト
２３に取り付けられたステアリングボスであり、ステア
リングスポーク２４が立ち上がり状に形成されている。
取付装置１１は、このステアリングボス２２に取り付け
られる。

【００３５】ステアリングボス２２に対する取り付け
は、図４に示すように取付シート１２をステアリングボ
ス２２の外形に沿って湾曲させながら、一方の面の第１
の係合シート１３をステアリングボス２２の外面に接合
させ、その後、他方の面の第２の係合シート１４に無線
発信器２０を接合することにより、簡単に行うことがで
きる。そして、この取り付け状態で、無線発信器２０の
押釦を操作することにより、エンジンルーム内の電気接
続箱（図示省略）や車室内の機器に対して、信号を出力
することができる。

【００３６】このような取付装置１１を使用した取り付
けでは、ダッシュボードに対するワイヤハーネスの引き
込みが不要となると共に、ダッシュボードのボード穴を
利用する必要がなく、取り付けの自由度が増大する。こ
のため引き込みのためのボード穴をダッシュボードに形
成する必要がなく、ダッシュボードに対する加工が少な
くなり、その強度や防音性を確保することができる。

【００３７】なお、取付装置１１は、家庭電気製品の本
体に対しても同様に適用することができる。この場合
は、取付ベース１２を柱、机その他の家庭用品に対し
て、取り付けることにより簡単に装着できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態の分解斜視図である。

【図２】取付ベースの正面図である。

【図３】一実施形態の取り付け状態の正面図である。

【図４】一実施形態の取り付け状態を示す図３のＡ−Ａ
線断面図である。

【図５】自動車における従来の接続構造を示す断面図で
ある。

【符号の説明】

１１ 取付装置 １２ 取付ベース １３ 第１の係合シート １４ 第２の係合シート １５ 溝 １６ 穴 １７ １８ １９ 分割片 ２０ 無線発信器

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 相手部材の外形に沿って変形可能な可撓
   性を有した取付ベースと、この取付ベースの一方の面に
   設けられ、相手部材と係合して取り付けられる第１の係
   合シートと、取付ベースの他方の面に設けられ、無線発
   信器と係合して無線発信器が取り付けられる第２の係合
   シートと、を備えていることを特徴とする無線発信器の
   取付装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載の無線発信器の取付装置で
   あって、 前記取付ベースに溝及び／又は穴が形成されていること
   を特徴とする無線発信器の取付装置。
3. 【請求項３】 請求項１記載の無線発信器の取付装置で
   あって、 前記第１及び第２の係合シートが両面粘着シートである
   ことを特徴とする無線発信器の取付装置。
4. 【請求項４】 請求項１〜３のいずれかに記載の無線発
   信器の取付装置であって、 前記取付ベースが溝及び／又は穴を境として連設されて
   いる複数の分割片からなり、前記第１及び第２の係合シ
   ートが分割片を単位として配置されていることを特徴と
   する無線発信器の取付装置。
5. 【請求項５】 請求項１記載の無線発信器の取付装置で
   あって、 前記相手部材が自動車のステアリングボスであることを
   特徴とする無線発信器の取付装置。