JPH10159631A - エンジンの空燃比制御装置 - Google Patents
エンジンの空燃比制御装置Info
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- JPH10159631A JPH10159631A JP31482396A JP31482396A JPH10159631A JP H10159631 A JPH10159631 A JP H10159631A JP 31482396 A JP31482396 A JP 31482396A JP 31482396 A JP31482396 A JP 31482396A JP H10159631 A JPH10159631 A JP H10159631A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- air
- fuel ratio
- gain
- oxygen sensor
- engine
- Prior art date
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- Pending
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- Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
- Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
- Feedback Control In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 空燃比FB制御周期の遅れ原因に応じて適切
なFBゲインの修正を施すことにより、空燃比の修正速
度を高めつつ、空燃比のオ−バ−シュ−トを防止し、エ
ミッションや運転性を好適に保つ技術の提供。 【解決手段】 エンジン1の排気管上で空燃比がリッチ
かリ−ンかを計測する酸素センサ6と、作動ガス計測に
対する遅れ時間を計測する応答計測手段と、酸素センサ
出力信号で作動ガスの空燃比を理論混合比に補正する空
燃比FB補正手段と、空燃比FB周期計測手段と、この
応答計測結果と周期計測結果からFBゲインを修正する
FBゲイン修正手段と、空燃比FB制御を開始して初回
のFB時には、空燃比のFBゲインを小さく設定し初回
のFB時の計測結果が得られるまでFBゲイン修正を停
止する空燃比FBゲイン修正停止手段とを設けた。
なFBゲインの修正を施すことにより、空燃比の修正速
度を高めつつ、空燃比のオ−バ−シュ−トを防止し、エ
ミッションや運転性を好適に保つ技術の提供。 【解決手段】 エンジン1の排気管上で空燃比がリッチ
かリ−ンかを計測する酸素センサ6と、作動ガス計測に
対する遅れ時間を計測する応答計測手段と、酸素センサ
出力信号で作動ガスの空燃比を理論混合比に補正する空
燃比FB補正手段と、空燃比FB周期計測手段と、この
応答計測結果と周期計測結果からFBゲインを修正する
FBゲイン修正手段と、空燃比FB制御を開始して初回
のFB時には、空燃比のFBゲインを小さく設定し初回
のFB時の計測結果が得られるまでFBゲイン修正を停
止する空燃比FBゲイン修正停止手段とを設けた。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、エンジンの空燃
比制御装置に関し、詳しくはエンジンの作動空燃比を、
このエンジンの排気管上に設けられた酸素センサの出力
をもってフィ−ドバック補正する制御装置に関する。
比制御装置に関し、詳しくはエンジンの作動空燃比を、
このエンジンの排気管上に設けられた酸素センサの出力
をもってフィ−ドバック補正する制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】 このようなエンジンの空燃比制御装置
においては、空燃比フィ−ドバックゲインが大きいと、
フィ−ドバック量の過補正を招く場合があり、逆に、空
燃比フィ−ドバックゲインが小さいと、何らかの外乱に
よって空燃比が理論混合比から外れたときの空燃比の修
正を素早く行なえない場合がある。
においては、空燃比フィ−ドバックゲインが大きいと、
フィ−ドバック量の過補正を招く場合があり、逆に、空
燃比フィ−ドバックゲインが小さいと、何らかの外乱に
よって空燃比が理論混合比から外れたときの空燃比の修
正を素早く行なえない場合がある。
【0003】これらは、いずれも、エミッションや運転
性の悪化を招くことがあるため、適切なフィ−ドバック
ゲインを設定する必要があるが、エンジンによっては、
低温時に酸素センサの活性が十分でなく、酸素センサの
応答が低下している場合のゲインを小さくする要求と、
外乱発生時の空燃比修正速度を上げる目的のゲインを大
きくする要求とを両立できない場合があり、このような
場合に対応するため、例えば、特開昭55−11283
8号公報記載の技術では、酸素センサ出力の応答速度に
応じてフィ−ドバックゲインを変更するようにしている
し、特開昭61−232348号公報記載の技術では、
空燃比フィ−ドバック制御周期が所定外のときにフィ−
ドバックゲイン修正するようにしている。
性の悪化を招くことがあるため、適切なフィ−ドバック
ゲインを設定する必要があるが、エンジンによっては、
低温時に酸素センサの活性が十分でなく、酸素センサの
応答が低下している場合のゲインを小さくする要求と、
外乱発生時の空燃比修正速度を上げる目的のゲインを大
きくする要求とを両立できない場合があり、このような
場合に対応するため、例えば、特開昭55−11283
8号公報記載の技術では、酸素センサ出力の応答速度に
応じてフィ−ドバックゲインを変更するようにしている
し、特開昭61−232348号公報記載の技術では、
空燃比フィ−ドバック制御周期が所定外のときにフィ−
ドバックゲイン修正するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、これ
ら従来の空燃比フィ−ドバック制御装置のように酸素セ
ンサ出力の応答や空燃比フィ−ドバック制御周期に応じ
てフィ−ドバックゲインを修正するといった工夫を施し
ても、なお改善の余地がある。即ち、酸素センサの応答
が低下していたり、フィ−ドバック周期が長い場合に
は、基本的には、フィ−ドバック過補正を防止するため
に空燃比フィ−ドバックの積分ゲインを小さくすること
は有効であるものの、フィ−ドバック周期が長い原因
が、供給燃料の機関吸気管壁への付着による機関への吸
入速度低下である場合には、機関へ供給される空燃比自
体の応答が遅いので、むしろフィ−ドバックゲインを大
きくして、空燃比の応答を高めた方がエミッションや運
転性の悪化を抑制できる場合もあり、それぞれの状況に
対応するためには、フィ−ドバック周期の遅れの原因を
分け、それぞれに適切なゲイン修正を施す必要がある。
ら従来の空燃比フィ−ドバック制御装置のように酸素セ
ンサ出力の応答や空燃比フィ−ドバック制御周期に応じ
てフィ−ドバックゲインを修正するといった工夫を施し
ても、なお改善の余地がある。即ち、酸素センサの応答
が低下していたり、フィ−ドバック周期が長い場合に
は、基本的には、フィ−ドバック過補正を防止するため
に空燃比フィ−ドバックの積分ゲインを小さくすること
は有効であるものの、フィ−ドバック周期が長い原因
が、供給燃料の機関吸気管壁への付着による機関への吸
入速度低下である場合には、機関へ供給される空燃比自
体の応答が遅いので、むしろフィ−ドバックゲインを大
きくして、空燃比の応答を高めた方がエミッションや運
転性の悪化を抑制できる場合もあり、それぞれの状況に
対応するためには、フィ−ドバック周期の遅れの原因を
分け、それぞれに適切なゲイン修正を施す必要がある。
【0005】従来の工夫では、単に酸素センサの応答遅
れや、フィ−ドバック制御周期の遅れに対応するのみで
あるので、遅れ原因に応じた適切なゲインの修正が行な
えず、状況によってかえって運転性やエミッションの悪
化を招く場合もある、という問題があった。
れや、フィ−ドバック制御周期の遅れに対応するのみで
あるので、遅れ原因に応じた適切なゲインの修正が行な
えず、状況によってかえって運転性やエミッションの悪
化を招く場合もある、という問題があった。
【0006】本発明は、このような従来の問題点に着目
してなされたもので、空燃比フィ−ドバック制御周期の
遅れ原因に応じて適切なフィ−ドバックゲインの修正を
施すことにより、空燃比の修正速度を高めつつ、空燃比
のオ−バ−シュ−トを防止することを可能とし、エミッ
ションや運転性を好適に保つことを目的とする。
してなされたもので、空燃比フィ−ドバック制御周期の
遅れ原因に応じて適切なフィ−ドバックゲインの修正を
施すことにより、空燃比の修正速度を高めつつ、空燃比
のオ−バ−シュ−トを防止することを可能とし、エミッ
ションや運転性を好適に保つことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】 前記目的を達成するた
めの手段として本発明の構成は、エンジンの排気管上に
取り付けられ、作動ガスの空燃比がリッチであるかリ−
ンであるかを計測する酸素センサと;この酸素センサの
作動ガス計測に対する遅れ時間を計測する応答計測手段
と;この酸素センサの出力信号をもとに前記エンジンの
作動ガスの空燃比を理論混合比となるように補正する空
燃比フィ−ドバック補正手段と;この空燃比フィ−ドバ
ック補正手段による空燃比フィ−ドバックの周期を計測
する空燃比フィ−ドバック周期計測手段と;これらの応
答計測結果および周期計測結果をもとに空燃比フィ−ド
バックゲインを修正する空燃比フィ−ドバックゲイン修
正手段と;空燃比フィ−ドバック制御を開始して初回の
フィ−ドバック時には、前記空燃比フィ−ドバックゲイ
ンを小さく設定する手段と、この初回のフィ−ドバック
時の計測結果が得られるまでは、前記フィ−ドバックゲ
イン修正を停止する手段とを設けた空燃比フィ−ドバッ
クゲイン修正停止手段と;からなる構成とした。なお、
前記空燃比フィ−ドバック補正手段、空燃比フィ−ドバ
ックゲイン修正手段、および、空燃比フィ−ドバックゲ
イン修正停止手段は、例えば、コントロ−ルユニット内
のメモリにソフトウェアとしてプログラミングされてい
る。
めの手段として本発明の構成は、エンジンの排気管上に
取り付けられ、作動ガスの空燃比がリッチであるかリ−
ンであるかを計測する酸素センサと;この酸素センサの
作動ガス計測に対する遅れ時間を計測する応答計測手段
と;この酸素センサの出力信号をもとに前記エンジンの
作動ガスの空燃比を理論混合比となるように補正する空
燃比フィ−ドバック補正手段と;この空燃比フィ−ドバ
ック補正手段による空燃比フィ−ドバックの周期を計測
する空燃比フィ−ドバック周期計測手段と;これらの応
答計測結果および周期計測結果をもとに空燃比フィ−ド
バックゲインを修正する空燃比フィ−ドバックゲイン修
正手段と;空燃比フィ−ドバック制御を開始して初回の
フィ−ドバック時には、前記空燃比フィ−ドバックゲイ
ンを小さく設定する手段と、この初回のフィ−ドバック
時の計測結果が得られるまでは、前記フィ−ドバックゲ
イン修正を停止する手段とを設けた空燃比フィ−ドバッ
クゲイン修正停止手段と;からなる構成とした。なお、
前記空燃比フィ−ドバック補正手段、空燃比フィ−ドバ
ックゲイン修正手段、および、空燃比フィ−ドバックゲ
イン修正停止手段は、例えば、コントロ−ルユニット内
のメモリにソフトウェアとしてプログラミングされてい
る。
【0008】
【作用】 空燃比フィ−ドバック補正手段の作用につい
て、従来例における空燃比フィ−ドバック制御方法をも
とに説明する。空燃比フィ−ドバック補正手段は、前述
したように、例えば、エンジンコントロ−ルユニット内
のソフトウェアプログラムとして構成されており、演算
装置(CPU)によって、所定期間毎に以下に説明する
プログラムがメモリから読み出され、その動作が実行さ
れる。前記空燃比フィ−ドバック補正手段の動作は、図
3のフロ−チャ−トに示すように、まず、空燃比フィ−
ドバック(以下、FBと表記する)条件であるか否かを
ステップs1(以下、ステップをsと表記する)で判断
する。空燃比FB条件でない場合とは、エンジンの冷却
水温が低すぎて、理論混合比ではエンジンが不安定にな
る場合や、運転条件が極めて高負荷であり理論混合比で
は作動ガスの燃焼温度が高すぎる場合などで、理論混合
比よりもリッチな混合比で運転する場合や、燃料カット
時およびその直後にエンジンの発生トルク段差を抑える
ため多少希薄な混合比で運転する場合、更に、始動直
後、等で、酸素センサが活性していない場合などであ
り、それ以外が空燃比FB条件である。
て、従来例における空燃比フィ−ドバック制御方法をも
とに説明する。空燃比フィ−ドバック補正手段は、前述
したように、例えば、エンジンコントロ−ルユニット内
のソフトウェアプログラムとして構成されており、演算
装置(CPU)によって、所定期間毎に以下に説明する
プログラムがメモリから読み出され、その動作が実行さ
れる。前記空燃比フィ−ドバック補正手段の動作は、図
3のフロ−チャ−トに示すように、まず、空燃比フィ−
ドバック(以下、FBと表記する)条件であるか否かを
ステップs1(以下、ステップをsと表記する)で判断
する。空燃比FB条件でない場合とは、エンジンの冷却
水温が低すぎて、理論混合比ではエンジンが不安定にな
る場合や、運転条件が極めて高負荷であり理論混合比で
は作動ガスの燃焼温度が高すぎる場合などで、理論混合
比よりもリッチな混合比で運転する場合や、燃料カット
時およびその直後にエンジンの発生トルク段差を抑える
ため多少希薄な混合比で運転する場合、更に、始動直
後、等で、酸素センサが活性していない場合などであ
り、それ以外が空燃比FB条件である。
【0009】s1で空燃比FB条件と判定されると、実
際にFBを行うためにs2以下に進む。
際にFBを行うためにs2以下に進む。
【0010】s2では、酸素センサ出力(以下、VO2
と表記する)をコントロ−ルユニット内の入力回路で読
み込んだ値を閾値(以下、SLと表記する)と比較す
る。SLには理論混合比に相当するVO2が充てられ、
VO2がSL以上である場合には、リッチと判定し、エ
ンジンへの燃料供給量を減ずるためにs3以下に進む。
逆に、SLに対してVO2が低い場合には、リ−ンと判
定し、供給燃料量を加すためにs4以下に進む。
と表記する)をコントロ−ルユニット内の入力回路で読
み込んだ値を閾値(以下、SLと表記する)と比較す
る。SLには理論混合比に相当するVO2が充てられ、
VO2がSL以上である場合には、リッチと判定し、エ
ンジンへの燃料供給量を減ずるためにs3以下に進む。
逆に、SLに対してVO2が低い場合には、リ−ンと判
定し、供給燃料量を加すためにs4以下に進む。
【0011】s3では、前回このプログラムを実行した
ときの判断結果を読みだし、前回もリッチであればs5
へ進み、空燃比FB係数(以下、αと表記する)から、
所定積分ゲインIRを減ずる。s3にて前回はリ−ンで
あったと判断された場合は、今回リッチとなったばかり
であるので、IRに比較して大きなステップゲインPR
をs6にて減ずる。ここで、IRにかえて、PRを用い
るのは、後述する加算側のFB補正量のオ−バ−シュ−
ト分をより早期に回収し、空燃比を理論混合比に保つた
めである。
ときの判断結果を読みだし、前回もリッチであればs5
へ進み、空燃比FB係数(以下、αと表記する)から、
所定積分ゲインIRを減ずる。s3にて前回はリ−ンで
あったと判断された場合は、今回リッチとなったばかり
であるので、IRに比較して大きなステップゲインPR
をs6にて減ずる。ここで、IRにかえて、PRを用い
るのは、後述する加算側のFB補正量のオ−バ−シュ−
ト分をより早期に回収し、空燃比を理論混合比に保つた
めである。
【0012】s4では、前回の判定結果を読みだし、前
回もリ−ンであれば、エンジンへの燃料供給量を加すた
めに、s7でαにILを加える。前回がリッチであった
場合は、s8でPLを加える。このようにして、空燃比
がリッチであればαを大きくし、空燃比がリ−ンであれ
ばαを小さくする。
回もリ−ンであれば、エンジンへの燃料供給量を加すた
めに、s7でαにILを加える。前回がリッチであった
場合は、s8でPLを加える。このようにして、空燃比
がリッチであればαを大きくし、空燃比がリ−ンであれ
ばαを小さくする。
【0013】次に、上述した空燃比FB係数をエンジン
への燃料供給量に反映する手法について説明する。ま
ず、エアフロ−メ−タ等によりエンジンへの吸入空気流
量を測定し、回転センサ等でエンジンの吸気頻度を測定
することにより、エンジンのシリンダが吸気1回あたり
に吸入する空気量を求める。この吸入空気量に対し空燃
比が理論混合比付近となるように基本燃料供給量をコン
トロ−ルユニットにて演算し、この演算結果に、上述し
たフィ−ドバック補正を施した上で、その結果を燃料供
給量指令信号として、コントロ−ルユニット内のインジ
ェクタ駆動回路を通じてインジェクタが駆動され、燃料
が機関の吸気管内に噴射される。αは、空燃比がリッチ
であるときには減少し、燃料噴射量を低減し、リ−ンで
あるときには燃料噴射量を増加させ、この動作を繰り返
すことにより、その波形は図2に示すようになり、空燃
比は摂動しながら略理論混合比近傍に保たれる。空燃比
FBを行わないときは、α=1.0に固定される。
への燃料供給量に反映する手法について説明する。ま
ず、エアフロ−メ−タ等によりエンジンへの吸入空気流
量を測定し、回転センサ等でエンジンの吸気頻度を測定
することにより、エンジンのシリンダが吸気1回あたり
に吸入する空気量を求める。この吸入空気量に対し空燃
比が理論混合比付近となるように基本燃料供給量をコン
トロ−ルユニットにて演算し、この演算結果に、上述し
たフィ−ドバック補正を施した上で、その結果を燃料供
給量指令信号として、コントロ−ルユニット内のインジ
ェクタ駆動回路を通じてインジェクタが駆動され、燃料
が機関の吸気管内に噴射される。αは、空燃比がリッチ
であるときには減少し、燃料噴射量を低減し、リ−ンで
あるときには燃料噴射量を増加させ、この動作を繰り返
すことにより、その波形は図2に示すようになり、空燃
比は摂動しながら略理論混合比近傍に保たれる。空燃比
FBを行わないときは、α=1.0に固定される。
【0014】図2で示すような摂動は、αを演算した
後、その結果が酸素センサによって検出されるまでの、
いわゆるフィ−ドバック遅れが存在するために発生す
る。よって、例えば、FBゲインのIL,IRが大きい
と、FB量のオ−バ−シュ−トを過大とし、その結果、
空燃比の摂動が大きくなる。これを避けるため、IL,
IRを小さく設定すると、空燃比が理論混合比を外れた
場合の補正量の追従性の低下を招く。このフィ−ドバッ
ク遅れの原因としては、前述したように、酸素センサの
応答時間や機関作動ガスの排気管内での拡散および移送
時間といった機関での作動空燃比に対する空燃比検出遅
れと、供給燃料の機関吸気管壁への付着によるシリンダ
内への吸入に要する時間といった機関への燃料供給遅れ
とが挙げられる。
後、その結果が酸素センサによって検出されるまでの、
いわゆるフィ−ドバック遅れが存在するために発生す
る。よって、例えば、FBゲインのIL,IRが大きい
と、FB量のオ−バ−シュ−トを過大とし、その結果、
空燃比の摂動が大きくなる。これを避けるため、IL,
IRを小さく設定すると、空燃比が理論混合比を外れた
場合の補正量の追従性の低下を招く。このフィ−ドバッ
ク遅れの原因としては、前述したように、酸素センサの
応答時間や機関作動ガスの排気管内での拡散および移送
時間といった機関での作動空燃比に対する空燃比検出遅
れと、供給燃料の機関吸気管壁への付着によるシリンダ
内への吸入に要する時間といった機関への燃料供給遅れ
とが挙げられる。
【0015】そこで本発明では、酸素センサの応答計測
手段によって酸素センサの応答低下を検出するととも
に、FB周期計測手段によって空燃比FB周期を測定
し、これらの測定結果から、空燃比FBの遅れを上述の
原因別に分け、それぞれの状況に適切なフィ−ドバック
ゲイン修正を行う。
手段によって酸素センサの応答低下を検出するととも
に、FB周期計測手段によって空燃比FB周期を測定
し、これらの測定結果から、空燃比FBの遅れを上述の
原因別に分け、それぞれの状況に適切なフィ−ドバック
ゲイン修正を行う。
【0016】これらの測定結果の場合分けの例とその考
え方を以下に示す。 (a)酸素センサ応答が低下しているが、FB周期が比
較的短い場合は、空燃比検出遅れは発生しているが、燃
料供給遅れは比較的小さいと判断してオ−バ−シュ−ト
を低減するためIR,ILを小さく修正する。FB周期
は長くないので、その他の修正は行わない。 (b)酸素センサ応答が低下し、FB周期も長い場合
は、空燃比検出遅れ、燃料供給遅れとも大きいと判断し
て、オ−バ−シュ−トを低減するために、IR,ILは
小さく設定するとともに空燃比補正速度を高めるために
PR,PLは大きく設定する。 (c)酸素センサ応答は低下しておらず、FB周期も速
い場合は、空燃比検出遅れ、燃料供給遅れとも発生して
いないと判断し、各ゲインは修正しない。 (d)酸素センサ応答は低下していないが、FB周期が
長い場合は、燃料供給遅れが大きいと判断して、空燃比
補正速度を高めるためPR,PLは大きく設定する。こ
の場合、空燃比検出の遅れは小さいと判断できるので、
IR,ILは修正しない。 以上のように各条件に応じたFBゲインの設定を行う。
上述の作用によって、どのような条件下においても、適
切なFBゲインを設定し、空燃比を最適に保つことがで
きるので、好適な運転性とエミッションを得ることがで
きる。
え方を以下に示す。 (a)酸素センサ応答が低下しているが、FB周期が比
較的短い場合は、空燃比検出遅れは発生しているが、燃
料供給遅れは比較的小さいと判断してオ−バ−シュ−ト
を低減するためIR,ILを小さく修正する。FB周期
は長くないので、その他の修正は行わない。 (b)酸素センサ応答が低下し、FB周期も長い場合
は、空燃比検出遅れ、燃料供給遅れとも大きいと判断し
て、オ−バ−シュ−トを低減するために、IR,ILは
小さく設定するとともに空燃比補正速度を高めるために
PR,PLは大きく設定する。 (c)酸素センサ応答は低下しておらず、FB周期も速
い場合は、空燃比検出遅れ、燃料供給遅れとも発生して
いないと判断し、各ゲインは修正しない。 (d)酸素センサ応答は低下していないが、FB周期が
長い場合は、燃料供給遅れが大きいと判断して、空燃比
補正速度を高めるためPR,PLは大きく設定する。こ
の場合、空燃比検出の遅れは小さいと判断できるので、
IR,ILは修正しない。 以上のように各条件に応じたFBゲインの設定を行う。
上述の作用によって、どのような条件下においても、適
切なFBゲインを設定し、空燃比を最適に保つことがで
きるので、好適な運転性とエミッションを得ることがで
きる。
【0017】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の実施の形態を説
明する。図1は本実施の形態の機械的構成を示してお
り、図中1はエンジン、2はエアフローメータ、3は回
転センサ、4はコントロールユニット、5はインジェク
タ、6は酸素センサである。そして、前記コントロ−ル
ユニット4内のメモリには空燃比フィ−ドバック補正手
段、空燃比フィ−ドバックゲイン修正手段、空燃比フィ
−ドバックゲイン修正停止手段がソフトウェアとしてプ
ログラミングされている。
明する。図1は本実施の形態の機械的構成を示してお
り、図中1はエンジン、2はエアフローメータ、3は回
転センサ、4はコントロールユニット、5はインジェク
タ、6は酸素センサである。そして、前記コントロ−ル
ユニット4内のメモリには空燃比フィ−ドバック補正手
段、空燃比フィ−ドバックゲイン修正手段、空燃比フィ
−ドバックゲイン修正停止手段がソフトウェアとしてプ
ログラミングされている。
【0018】図4に酸素センサ応答計測およびFB周期
計測によるFBゲイン修正のロジック構成をフロ−チャ
−トとして示す。同フロ−は、FB周期の計測部分、こ
のFB周期計測結果および図5に説明する酸素センサの
応答計測結果を基にゲイン修正を行う部分、および、修
正されたFBゲインによって空燃比補正係数αを演算す
る部分からなる。
計測によるFBゲイン修正のロジック構成をフロ−チャ
−トとして示す。同フロ−は、FB周期の計測部分、こ
のFB周期計測結果および図5に説明する酸素センサの
応答計測結果を基にゲイン修正を行う部分、および、修
正されたFBゲインによって空燃比補正係数αを演算す
る部分からなる。
【0019】(作用)これらの手段の作用を図4に従っ
て説明する。まず、s101で空燃比FB条件かを判断
し、FB条件であればs102以下に進む。FB条件で
ない場合はs123以下に進み、酸素センサ6応答およ
びFB周期計測の各タイマをクリアするとともに、これ
が始動後、空燃比FB制御を開始する前の実行であれ
ば、PR,PLに初期値PR0,PL0を、IR,IL
に初期値IR0,IL0をストアしておく。s102で
は、VO2をもとにリッチかリ−ンかの判断を行い、リ
ッチであれば、s103へ進み、前回の判断結果を読み
だす。前回もリッチであれば、s105以下へ進む。
て説明する。まず、s101で空燃比FB条件かを判断
し、FB条件であればs102以下に進む。FB条件で
ない場合はs123以下に進み、酸素センサ6応答およ
びFB周期計測の各タイマをクリアするとともに、これ
が始動後、空燃比FB制御を開始する前の実行であれ
ば、PR,PLに初期値PR0,PL0を、IR,IL
に初期値IR0,IL0をストアしておく。s102で
は、VO2をもとにリッチかリ−ンかの判断を行い、リ
ッチであれば、s103へ進み、前回の判断結果を読み
だす。前回もリッチであれば、s105以下へ進む。
【0020】s105へ進んだ場合には、現在リッチで
あり続けているので、αの反転周期の半分の意として、
α反転のリッチ時間タイマALPTM1をインクリメン
トする。リッチ時間のタイマは、このようにs105を
この演算ル−チンの実行において通過する間インクリメ
ントし続ける。この演算ル−チンを所定時間間隔に同期
して実行すれば、前記のインクリメントによってリッチ
と判断され続けている期間が計測できるので、後述する
ように、リッチである状態が停止した時点、即ち、リッ
チからリ−ンへ反転した時点で、このインクリメントさ
れたALPTM1の結果をALPTMRにリッチ期間と
して代入することで、リッチ時間をストアし、その後の
FBゲイン修正演算に用いることが可能となる。その
後、s106で、図5に示す酸素センサ6の応答計測手
段によって測定された酸素センサ6出力のリッチ→リ−
ン応答時間VO2RLによってリッチ時積分ゲインIR
の修正テ−ブルf(VO2RL)を参照し、IR修正値
IR1を検索する。テ−ブルf(VO2RL)の特性
は、図7に示すように、VO2RLが長いとき、即ち、
酸素センサ6の応答が低下しているときには小さくし、
FB過補正を防止する。また、ここで、VO2RL=0
であれば、後述する図5フロ−チャ−トのs215にて
代入されたVO2RL初期値が検出されており、従っ
て、機関始動後初回の酸素センサ6の応答検出が行われ
ていないものと判断して、IRを初期値IR0とする。
この動作により、酸素センサ6の応答が未知の時点での
ゲイン更新を停止し、初期値IR0の設定によってオ−
バ−シュ−トの防止を設定可能としている。s107で
検索結果IR1をIRに代入する。その後、この場合は
リッチであり続けているので、図3の場合と同様にs1
08でαからIRを減じてこのル−チンを抜ける。
あり続けているので、αの反転周期の半分の意として、
α反転のリッチ時間タイマALPTM1をインクリメン
トする。リッチ時間のタイマは、このようにs105を
この演算ル−チンの実行において通過する間インクリメ
ントし続ける。この演算ル−チンを所定時間間隔に同期
して実行すれば、前記のインクリメントによってリッチ
と判断され続けている期間が計測できるので、後述する
ように、リッチである状態が停止した時点、即ち、リッ
チからリ−ンへ反転した時点で、このインクリメントさ
れたALPTM1の結果をALPTMRにリッチ期間と
して代入することで、リッチ時間をストアし、その後の
FBゲイン修正演算に用いることが可能となる。その
後、s106で、図5に示す酸素センサ6の応答計測手
段によって測定された酸素センサ6出力のリッチ→リ−
ン応答時間VO2RLによってリッチ時積分ゲインIR
の修正テ−ブルf(VO2RL)を参照し、IR修正値
IR1を検索する。テ−ブルf(VO2RL)の特性
は、図7に示すように、VO2RLが長いとき、即ち、
酸素センサ6の応答が低下しているときには小さくし、
FB過補正を防止する。また、ここで、VO2RL=0
であれば、後述する図5フロ−チャ−トのs215にて
代入されたVO2RL初期値が検出されており、従っ
て、機関始動後初回の酸素センサ6の応答検出が行われ
ていないものと判断して、IRを初期値IR0とする。
この動作により、酸素センサ6の応答が未知の時点での
ゲイン更新を停止し、初期値IR0の設定によってオ−
バ−シュ−トの防止を設定可能としている。s107で
検索結果IR1をIRに代入する。その後、この場合は
リッチであり続けているので、図3の場合と同様にs1
08でαからIRを減じてこのル−チンを抜ける。
【0021】s103で前回はリ−ンと判断された場合
は、s109へ進む。s109時点では、リ−ンからリ
ッチに変わったばかりであり、α反転周期タイマALP
TM1には後述のリ−ンであった時間中の更新結果がメ
モリされているので、その値をリ−ン時間ALPTML
としてストアする。この場合は、リ−ンであった時間は
FB周期のうち約半分のリ−ンである部分を示すものと
してFB周期の代わりに用いることにする。その後、s
110にてα反転タイマをクリアし、次に来るリッチ時
間計測に備える。s111ではPR修正値PR1を検索
する。PR1は後述するリッチ時間計測結果ALPTM
Rの値からテ−ブルf(ALPTMR)を参照して求め
られる。テ−ブルf(ALPTMR)の特性は、図6に
示すように、LPTMRが長ければPR1の値は大きい
値とする。s112では検索されたPR1をPRに代入
してFBゲインPRを変更し、s113でαからPRを
減じてこのル−チンを抜ける。
は、s109へ進む。s109時点では、リ−ンからリ
ッチに変わったばかりであり、α反転周期タイマALP
TM1には後述のリ−ンであった時間中の更新結果がメ
モリされているので、その値をリ−ン時間ALPTML
としてストアする。この場合は、リ−ンであった時間は
FB周期のうち約半分のリ−ンである部分を示すものと
してFB周期の代わりに用いることにする。その後、s
110にてα反転タイマをクリアし、次に来るリッチ時
間計測に備える。s111ではPR修正値PR1を検索
する。PR1は後述するリッチ時間計測結果ALPTM
Rの値からテ−ブルf(ALPTMR)を参照して求め
られる。テ−ブルf(ALPTMR)の特性は、図6に
示すように、LPTMRが長ければPR1の値は大きい
値とする。s112では検索されたPR1をPRに代入
してFBゲインPRを変更し、s113でαからPRを
減じてこのル−チンを抜ける。
【0022】s102でリ−ンと判定された場合にはs
104へ進み、以下同様の操作を行う。即ち、s104
で前回もリーンと判定された場合はs114へ進み、リ
ーンであり続けているので、リ−ン継続時間のタイマと
してALPTM1をインクリメントする。リ−ン期間中
このタイマインクリメントを繰り返し、リ−ン→リッチ
となったときに前述のs109でこの計時結果をリ−ン
期間として読みだし、ALPTMLに代入する。s11
5では、前述のIR1(s106)と同様に、酸素セン
サ6の図5に示すリ−ン→リッチ応答時間の計測結果V
O2LRから積分ゲインの修正値IL1を検索する。テ
−ブルf(VO2LR)の特性は、図7に示すように、
VO2LRが長いほどIL1を大きくする。また、VO
2LR=0のときは、機関始動後初回の酸素センサ6の
応答計測が未終了と判断してIL1を更新せず、IL1
=IL0とする。その後s116でIL1をILに代入
し、s117でこのILをαに加算してこのル−チンを
抜ける。
104へ進み、以下同様の操作を行う。即ち、s104
で前回もリーンと判定された場合はs114へ進み、リ
ーンであり続けているので、リ−ン継続時間のタイマと
してALPTM1をインクリメントする。リ−ン期間中
このタイマインクリメントを繰り返し、リ−ン→リッチ
となったときに前述のs109でこの計時結果をリ−ン
期間として読みだし、ALPTMLに代入する。s11
5では、前述のIR1(s106)と同様に、酸素セン
サ6の図5に示すリ−ン→リッチ応答時間の計測結果V
O2LRから積分ゲインの修正値IL1を検索する。テ
−ブルf(VO2LR)の特性は、図7に示すように、
VO2LRが長いほどIL1を大きくする。また、VO
2LR=0のときは、機関始動後初回の酸素センサ6の
応答計測が未終了と判断してIL1を更新せず、IL1
=IL0とする。その後s116でIL1をILに代入
し、s117でこのILをαに加算してこのル−チンを
抜ける。
【0023】s104で前回はリッチと判定された場合
はs118へ進み、リッチ時間中インクリメントされて
きたタイマALPTM1の値をALPTMRに読みだ
す。ALPTMRは後述のs111でIR1の検索に用
いられる。次に119でリ−ン時間計測に備えてALP
TM1をクリアする。s120では、リ−ン時間の計測
結果ALPTMLを基にPL1を検索する。PL1の特
性は図6に示すようにALPTMLが長いほど大きく設
定する。s121で検索結果のPL1をPLに代入し、
s122でαにPLを加えこのル−チンを抜ける。
はs118へ進み、リッチ時間中インクリメントされて
きたタイマALPTM1の値をALPTMRに読みだ
す。ALPTMRは後述のs111でIR1の検索に用
いられる。次に119でリ−ン時間計測に備えてALP
TM1をクリアする。s120では、リ−ン時間の計測
結果ALPTMLを基にPL1を検索する。PL1の特
性は図6に示すようにALPTMLが長いほど大きく設
定する。s121で検索結果のPL1をPLに代入し、
s122でαにPLを加えこのル−チンを抜ける。
【0024】s101でFB制御条件を外れたと判断さ
れた場合は、s123で前述の各タイマをクリアして、
次にFB開始となった場合に備える。機関始動後で酸素
センサ6が活性する前であれば、s124→s125と
進み、PR,PLにはそれぞれ初期値PR0,PL0
を、IR,ILにはそれぞれ初期値IR0,IL0を代
入し、前述したル−チンでFB周期の長さを計測するま
でのIR、ILをこのIR0,IL0で空燃比をFB制
御する。ここで、前述のように、初期値は、酸素センサ
6の応答未検出下でのFBゲインであるので、通常のF
Bゲインよりも小さな値を設定することで、機関始動
後、酸素センサ6活性開始直後の空燃比応答低下時に、
FB過補正の防止を可能とする。酸素センサ6が活性し
てFB制御を開始し、FB周期を把握して後にFB制御
条件を外れ、s101→s123以下を実行する場合に
は、PR,PL,IR,ILは前述のル−チンで修正さ
れた値を用いるのでs125は実行しない。また、この
ときはFBしていないので、s126でα=1.0と
し、このル−チンを抜ける。
れた場合は、s123で前述の各タイマをクリアして、
次にFB開始となった場合に備える。機関始動後で酸素
センサ6が活性する前であれば、s124→s125と
進み、PR,PLにはそれぞれ初期値PR0,PL0
を、IR,ILにはそれぞれ初期値IR0,IL0を代
入し、前述したル−チンでFB周期の長さを計測するま
でのIR、ILをこのIR0,IL0で空燃比をFB制
御する。ここで、前述のように、初期値は、酸素センサ
6の応答未検出下でのFBゲインであるので、通常のF
Bゲインよりも小さな値を設定することで、機関始動
後、酸素センサ6活性開始直後の空燃比応答低下時に、
FB過補正の防止を可能とする。酸素センサ6が活性し
てFB制御を開始し、FB周期を把握して後にFB制御
条件を外れ、s101→s123以下を実行する場合に
は、PR,PL,IR,ILは前述のル−チンで修正さ
れた値を用いるのでs125は実行しない。また、この
ときはFBしていないので、s126でα=1.0と
し、このル−チンを抜ける。
【0025】次に、図5に従って、酸素センサ6の応答
を計測する動作について説明する。まず、s201で酸
素センサ6が活性しているか否かを判断する。酸素セン
サ6の活性判断手法の例としては、図9に示すように、
酸素センサ6の出力電圧をモニタするものがある。即
ち、機関始動後、所定の電圧を示した時点をもって酸素
センサ6が活性したと判断する。
を計測する動作について説明する。まず、s201で酸
素センサ6が活性しているか否かを判断する。酸素セン
サ6の活性判断手法の例としては、図9に示すように、
酸素センサ6の出力電圧をモニタするものがある。即
ち、機関始動後、所定の電圧を示した時点をもって酸素
センサ6が活性したと判断する。
【0026】酸素センサ6が活性していなければs21
5に進み、応答計測に用いるタイマVO2TRL,VO
2TLRをクリアする。また、後述するリッチフラグF
LGRCH=2とする。酸素センサ6が活性した後は、
s202以降に進む。
5に進み、応答計測に用いるタイマVO2TRL,VO
2TLRをクリアする。また、後述するリッチフラグF
LGRCH=2とする。酸素センサ6が活性した後は、
s202以降に進む。
【0027】s202では現在の酸素センサ6の出力が
リッチ側の所定値VO2R未満であるか否かを判断し、
VO2R未満であるときにはs203へ進み、そうでな
いときにはs211へ進む。s203では更に現在の酸
素センサ6出力がリ−ン側の所定値VO2L以上である
か否かを判断し、VO2L以上である場合にはs204
へ進み、そうでないときにはs207へ進む。即ち、V
O2≧VO2Rのときはs211以降を実行し、VO2
L>VO2のときはs207以降を実行し、VO2R>
VO2≧VO2Lのときはs204以降を実行する。
リッチ側の所定値VO2R未満であるか否かを判断し、
VO2R未満であるときにはs203へ進み、そうでな
いときにはs211へ進む。s203では更に現在の酸
素センサ6出力がリ−ン側の所定値VO2L以上である
か否かを判断し、VO2L以上である場合にはs204
へ進み、そうでないときにはs207へ進む。即ち、V
O2≧VO2Rのときはs211以降を実行し、VO2
L>VO2のときはs207以降を実行し、VO2R>
VO2≧VO2Lのときはs204以降を実行する。
【0028】s204へ進む場合とは、酸素センサ6が
リッチ→リ−ンまたはリ−ン→リッチに推移している途
中の状態であるので、s204以降にて、酸素センサ6
の応答を計測するタイマのインクリメントを行う。ま
ず、s204でリッチフラグをチェックする。リッチフ
ラグは、前述の酸素センサ6の出力の判別によって、リ
ッチと判定された場合には1が、リ−ンと判定された場
合には0が、後述のステップにて代入される。また、リ
ッチフラグが2の場合には、酸素センサ6の活性直後に
丁度VO2R>VO2≧VO2Lとなっていたと判断
し、この時点では、応答計測を開始せず、先にVO2≧
VO2RまたはVO2<VO2Lとなるまで待って応答
計測を行うため、s205,s206を実行せずにこの
ル−チンを抜ける。ただし、図9における活性判定電圧
をそれぞれ(リッチ側)≧VO2R、(リ−ン側)<V
O2Lとしておけば、このような判定は行わずに、活性
判定後、即座に応答計測へ移行できる。
リッチ→リ−ンまたはリ−ン→リッチに推移している途
中の状態であるので、s204以降にて、酸素センサ6
の応答を計測するタイマのインクリメントを行う。ま
ず、s204でリッチフラグをチェックする。リッチフ
ラグは、前述の酸素センサ6の出力の判別によって、リ
ッチと判定された場合には1が、リ−ンと判定された場
合には0が、後述のステップにて代入される。また、リ
ッチフラグが2の場合には、酸素センサ6の活性直後に
丁度VO2R>VO2≧VO2Lとなっていたと判断
し、この時点では、応答計測を開始せず、先にVO2≧
VO2RまたはVO2<VO2Lとなるまで待って応答
計測を行うため、s205,s206を実行せずにこの
ル−チンを抜ける。ただし、図9における活性判定電圧
をそれぞれ(リッチ側)≧VO2R、(リ−ン側)<V
O2Lとしておけば、このような判定は行わずに、活性
判定後、即座に応答計測へ移行できる。
【0029】s204でリッチフラグが1の場合には、
直前にリッチ判定を受けていたことになるので、現在は
リッチ→リ−ン推移中と判断しs205へ進み、リッチ
→リ−ン応答計測用タイマVO2TRLを所定量だけイ
ンクリメントする。この所定量は、図5のル−チンが、
例えば、所定時間間隔で実行されるのであれば、その所
定時間に相当する値とする。このことにより、s205
で酸素センサ6の出力がVO2RからVO2Lへ推移す
るのに要した時間を計測できる。
直前にリッチ判定を受けていたことになるので、現在は
リッチ→リ−ン推移中と判断しs205へ進み、リッチ
→リ−ン応答計測用タイマVO2TRLを所定量だけイ
ンクリメントする。この所定量は、図5のル−チンが、
例えば、所定時間間隔で実行されるのであれば、その所
定時間に相当する値とする。このことにより、s205
で酸素センサ6の出力がVO2RからVO2Lへ推移す
るのに要した時間を計測できる。
【0030】s204でリッチフラグが0と判定された
場合にはs206へ進み、同様にリ−ン→リッチ応答計
測用タイマVO2TLRをインクリメントする。
場合にはs206へ進み、同様にリ−ン→リッチ応答計
測用タイマVO2TLRをインクリメントする。
【0031】酸素センサ6の出力がVO2<VO2Lと
なった場合には、リ−ンになったと判断してs203→
s207へと進み、リッチ→リ−ン応答計測結果をメモ
リにストアする。まず、s207でリッチフラグを確認
する。フラグが1であれば、リ−ンと判定された直後で
あり、まだVO2TRLの計測結果をストアしていない
と識別し、これをストアするため、s208,s209
を実行する。s207でフラグが0であった場合は、既
にVO2TRLのストアは済んでいるとして直接s21
0へ進む。s208でVO2TRLのストアが実行され
たことを示すため、フラグに0を代入し、s209でV
O2TRをVO2RLにストアする。VO2RLは前述
の図4のル−チンにて、空燃比FBゲインの修正に用い
られる。s210ではタイマVO2TRLをクリアし、
次回の計測に備える。酸素センサ6の出力がVO2≧V
O2Rとなった場合には、リッチになったと判断してs
202→s211へと進み、リ−ン→リッチ応答計測結
果をメモリにストアする。まず、s211でリッチフラ
グを確認する。フラグが0であれば、リッチと判定され
た直後であり、まだVO2TLRの計測結果をストアし
ていないと識別し、これをストアするため、s212,
s213を実行する。s211でフラグが1であった場
合は、既にVO2TLRのストアは済んでいるとして直
接s214へ進む。s212でVO2TLRのストアが
実行されたことを示すため、フラグに1を代入し、s2
13でVO2TRをVO2RLにストアする。VO2R
Lは前述の図4のル−チンにて、空燃比FBゲインの修
正に用いられる。s214ではタイマVO2TLRをク
リアし、次回の計測に備える。
なった場合には、リ−ンになったと判断してs203→
s207へと進み、リッチ→リ−ン応答計測結果をメモ
リにストアする。まず、s207でリッチフラグを確認
する。フラグが1であれば、リ−ンと判定された直後で
あり、まだVO2TRLの計測結果をストアしていない
と識別し、これをストアするため、s208,s209
を実行する。s207でフラグが0であった場合は、既
にVO2TRLのストアは済んでいるとして直接s21
0へ進む。s208でVO2TRLのストアが実行され
たことを示すため、フラグに0を代入し、s209でV
O2TRをVO2RLにストアする。VO2RLは前述
の図4のル−チンにて、空燃比FBゲインの修正に用い
られる。s210ではタイマVO2TRLをクリアし、
次回の計測に備える。酸素センサ6の出力がVO2≧V
O2Rとなった場合には、リッチになったと判断してs
202→s211へと進み、リ−ン→リッチ応答計測結
果をメモリにストアする。まず、s211でリッチフラ
グを確認する。フラグが0であれば、リッチと判定され
た直後であり、まだVO2TLRの計測結果をストアし
ていないと識別し、これをストアするため、s212,
s213を実行する。s211でフラグが1であった場
合は、既にVO2TLRのストアは済んでいるとして直
接s214へ進む。s212でVO2TLRのストアが
実行されたことを示すため、フラグに1を代入し、s2
13でVO2TRをVO2RLにストアする。VO2R
Lは前述の図4のル−チンにて、空燃比FBゲインの修
正に用いられる。s214ではタイマVO2TLRをク
リアし、次回の計測に備える。
【0032】以上説明してきたように、図5のフロ−チ
ャ−トの作用により酸素センサ6の応答計測を行い、こ
の結果および図4のフロ−チャ−トの作用によって得ら
れる空燃比FB周期計測とから、図8に示すような空燃
比FBゲインの修正を行うことができる。
ャ−トの作用により酸素センサ6の応答計測を行い、こ
の結果および図4のフロ−チャ−トの作用によって得ら
れる空燃比FB周期計測とから、図8に示すような空燃
比FBゲインの修正を行うことができる。
【0033】
【発明の効果】 上述の作用により、本発明によれば、
空燃比FB周期および酸素センサの応答速度の、双方の
情報によって空燃比FBゲイン修正を行うので、状況に
応じて最適なFBゲインの設定が可能となり、空燃比が
乱れた場合の修正速度を確保しつつ、空燃比FB補正の
オ−バ−シュ−トを的確に低減することができる。ま
た、機関始動後、酸素センサの活性開始直後の空燃比応
答の低下している期間において、応答計測結果が得られ
るまでは、小さめのFBゲイン設定によって空燃比のオ
−バ−シュ−トを防止できるので、暖機運転条件下にお
いても、良好な運転性と良好なエミッションを得ること
ができる。
空燃比FB周期および酸素センサの応答速度の、双方の
情報によって空燃比FBゲイン修正を行うので、状況に
応じて最適なFBゲインの設定が可能となり、空燃比が
乱れた場合の修正速度を確保しつつ、空燃比FB補正の
オ−バ−シュ−トを的確に低減することができる。ま
た、機関始動後、酸素センサの活性開始直後の空燃比応
答の低下している期間において、応答計測結果が得られ
るまでは、小さめのFBゲイン設定によって空燃比のオ
−バ−シュ−トを防止できるので、暖機運転条件下にお
いても、良好な運転性と良好なエミッションを得ること
ができる。
【図1】 本発明の機械的構成図である。
【図2】 空燃比フィ−ドバック補正波形図である。
【図3】 基本となる空燃比FB制御のフロ−チャ−ト
である。
である。
【図4】 実施の形態のFBゲインの修正作用フロ−チ
ャ−トである。
ャ−トである。
【図5】 実施の形態の酸素センサの応答計測部分のフ
ロ−チャ−トである。
ロ−チャ−トである。
【図6】 空燃比FB制御周期計測結果に対するFBゲ
イン(ステップ分)設定テ−ブルの特性例を示す図であ
る。
イン(ステップ分)設定テ−ブルの特性例を示す図であ
る。
【図7】 酸素センサ応答計測結果に対するFBゲイン
設定テ−ブルの特性例を示す図である。
設定テ−ブルの特性例を示す図である。
【図8】 酸素センサ応答計測結果および空燃比FB制
御周期計測結果を基に空燃比各FBゲインを修正するタ
イミングチャ−トである。
御周期計測結果を基に空燃比各FBゲインを修正するタ
イミングチャ−トである。
【図9】 酸素センサの活性判定手法の説明図である。
1 エンジン 2 エアフローメータ 3 回転センサ 4 コントロールユニット 5 インジェクタ 6 酸素センサ FB 空燃比フィードバック VO2 酸素センサ出力 SL 閾値 α 空燃比FB係数 IR 所定積分ゲイン PR ステップゲイン
Claims (1)
- 【請求項1】 エンジンの排気管上に取り付けられ、作
動ガスの空燃比がリッチであるかリ−ンであるかを計測
する酸素センサと;この酸素センサの作動ガス計測に対
する遅れ時間を計測する応答計測手段と;この酸素セン
サの出力信号をもとに前記エンジンの作動ガスの空燃比
を理論混合比となるように補正する空燃比フィ−ドバッ
ク補正手段と;この空燃比フィ−ドバック補正手段によ
る空燃比フィ−ドバックの周期を計測する空燃比フィ−
ドバック周期計測手段と;これらの応答計測結果および
周期計測結果をもとに空燃比フィ−ドバックゲインを修
正する空燃比フィ−ドバックゲイン修正手段と;空燃比
フィ−ドバック制御を開始して初回のフィ−ドバック時
には、前記空燃比フィ−ドバックゲインを小さく設定す
る手段と、この初回のフィ−ドバック時の計測結果が得
られるまでは、前記フィ−ドバックゲイン修正を停止す
る手段とを設けた空燃比フィ−ドバックゲイン修正停止
手段と;を設けたことを特徴とするエンジンの空燃比制
御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31482396A JPH10159631A (ja) | 1996-11-26 | 1996-11-26 | エンジンの空燃比制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31482396A JPH10159631A (ja) | 1996-11-26 | 1996-11-26 | エンジンの空燃比制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10159631A true JPH10159631A (ja) | 1998-06-16 |
Family
ID=18058036
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31482396A Pending JPH10159631A (ja) | 1996-11-26 | 1996-11-26 | エンジンの空燃比制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10159631A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012160687A1 (ja) * | 2011-05-26 | 2012-11-29 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
CN103562529A (zh) * | 2011-05-30 | 2014-02-05 | 五十铃自动车株式会社 | 内燃机的控制方法、内燃机及搭载该内燃机的车辆 |
-
1996
- 1996-11-26 JP JP31482396A patent/JPH10159631A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012160687A1 (ja) * | 2011-05-26 | 2012-11-29 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
JP5664774B2 (ja) * | 2011-05-26 | 2015-02-04 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
CN103562529A (zh) * | 2011-05-30 | 2014-02-05 | 五十铃自动车株式会社 | 内燃机的控制方法、内燃机及搭载该内燃机的车辆 |
US9732693B2 (en) | 2011-05-30 | 2017-08-15 | Isuzu Motors Limited | Method for controlling internal combustion engine, internal combustion engine, and vehicle equipped with same |
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