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JPH10154488A - 光触媒用蛍光ランプおよび清浄装置 - Google Patents

光触媒用蛍光ランプおよび清浄装置

Info

Publication number
JPH10154488A
JPH10154488A JP9078129A JP7812997A JPH10154488A JP H10154488 A JPH10154488 A JP H10154488A JP 9078129 A JP9078129 A JP 9078129A JP 7812997 A JP7812997 A JP 7812997A JP H10154488 A JPH10154488 A JP H10154488A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluorescent lamp
bulb
photocatalyst
light
mercury
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9078129A
Other languages
English (en)
Inventor
Munetake Takada
宗武 高田
Masasane Takagi
将実 高木
Miho Saito
美保 斉藤
Katsunobu Usui
勝信 薄井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Lighting and Technology Corp
Original Assignee
Toshiba Lighting and Technology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Lighting and Technology Corp filed Critical Toshiba Lighting and Technology Corp
Priority to JP9078129A priority Critical patent/JPH10154488A/ja
Publication of JPH10154488A publication Critical patent/JPH10154488A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Physical Water Treatments (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Vessels And Coating Films For Discharge Lamps (AREA)
  • Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小形で、清浄装置のコンパクト化などに適
し、かつ長寿命で耐久性のすぐれた光触媒用蛍光ランプ
および清浄装置の提供。 【解決手段】 内径 1〜10mmの透光性バルブ1と、バル
ブ1内に封入された希ガスおよび水銀を含む放電媒体
と、バルブ1内の両端部に封装され、バルブ1内に放電
を発生させる一対の冷陰極3,3′と、バルブ1内壁面
に形成され、放電により水銀から放射される水銀輝線に
よって 300〜 400nmの波長域内に主発光ピークを呈する
蛍光体層2とを具備した冷陰極蛍光ランプであって、前
記バルブ1外面から35mm離隔した位置の 300〜 400nmの
紫外線強度が 100μW/cm2 以上であることを特徴とする
光触媒用蛍光ランプである。さらに、上記構成でバルブ
1外面に、少なくとも 300〜 400nmの波長域内の光を透
過する保護ガラス管15または保護チューブ16を設けて、
補強する構成も採られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光触媒用蛍光ランプ
およびその蛍光ランプを用いた清浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題への対応は目覚ましく、
たとえば周囲環境の防臭対策として、光触媒体の応用・
開発が進められている。すなわち、 (a)光触媒体に殺菌
ランプから紫外線を照射し、アセトアルデヒドなどの有
機成分を分解すること、あるいは (b)放電によって紫外
線を放射する水銀などを封有する放電ランプ(殺菌ラン
プ)の外面に、光触媒作用を有する酸化チタン( Ti
O2 )などの物質から成る光触媒層を一体的に設けた放
電ランプが知られている(特公平 6-44976号公報,特開
平1-169866号公報)。
【0003】この種の放電ランプは、放電ランプ内部か
ら放出される 300〜 400nmの近紫外線を受けると、バル
ブの外面に設けた光触媒層の表面が活性化して酸化力を
呈するようになり、付着もしくは接触した有機物を酸化
・分解し、脱臭などの作用を呈する。つまり、前記放電
ランプを設置した雰囲気では、その周囲の脱臭もしくは
消臭、雰囲気中の有機成分の分解などが行われる。
【0004】その他、光触媒作用を有する物質は、建築
材,化学処理用光源,照明器具などへの応用も試みられ
ている(たとえば特開平6-304480号公報,特開平6-2782
41号公報,特開平7-111104号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、光触媒
作用(光触媒機能)を得るために、従来、紫外線放射源
として使用されている殺菌ランプなどは、いわゆる熱陰
極型で、ランプの寸法もしくは形状が比較的大きい。し
たがって、この種の紫外線照射源を装着した場合、たと
えば空気清浄器などの清浄装置は、装置内の装着スペー
スが多く必要であり、装置の小形化が阻害されるという
問題がある。
【0006】また、前記殺菌ランプは、電極が熱陰極で
あるため、ランプ寿命も数1000時間程度と比較的短く、
メンテナンスの点でも問題がある。
【0007】本発明は、上記問題点を解消するものであ
り、小形・長寿命で、かつ耐久性のすぐれた光触媒用蛍
光ランプおよびこの蛍光ランプを用いた清浄装置を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、内径
1〜10mmの透光性バルブと;バルブ内に封入された希ガ
スおよび水銀を含む放電媒体と;バルブ内の両端部に封
装され、バルブ内に放電を発生させる一対の冷陰極と;
バルブ内面に形成され、放電により水銀から放射される
水銀輝線によって 300〜 400nmの波長域内に主発光ピー
クを有する蛍光体を主成分とした蛍光体層とを具備した
冷陰極蛍光ランプであって、前記バルブ外面から35mm離
隔した位置の 300〜 400nmの紫外線強度が 100μW/cm2
以上であることを特徴とする光触媒用蛍光ランプであ
る。
【0009】上記の光触媒用蛍光ランプにおいて、バル
ブは、たとえばソーダライム系やホウケイ酸系のガラス
製、石英ガラス製もしくはセラミック製などの透光性バ
ルブである。そして、そのバルブは、内径 1〜10mm(一
般的に外径 1.5〜12mm程度)の範囲、好ましくは内径 1
〜 4mmに選ばれ、その形状は、直管状,環状, U字形,
W字形, H字形,鞍形などが挙げられる。すなわち、蛍
光ランプの形状は、特に限定されないが、小形化や耐久
性(長寿命性)の高い光源という観点からすると、内径
1〜10mm(好ましくは内径 1〜 4mm)に選ぶ必要があ
る。
【0010】また、バルブ管内径が10mm以下であると線
状光源に近付くため、放射された紫外線の光学的設計の
自由度が増すとともに、利用効率も向上する。
【0011】さらに、バルブ内に封入された放電媒体の
うち、希ガスとしては、たとえばアルゴン,クリプト
ン,キセノン,ネオンなどが挙げられ、これらは他のガ
スと混合系であってもよい。一方、水銀はアマルガムか
ら放出される形態を採ってもよく、たとえば冷陰極に担
持させた形態で封入した構成を採ることもできる。ここ
で、冷陰極は、周知の冷陰極放電灯で使用されている構
造でよい。たとえばニッケルスリーブにエミッタを塗布
したスリーブ構造、または Ti-Hgなどの水銀放出構体お
よび Zr-Alゲッターを金属板に被着させたペレット状な
どの構造が挙げられる。なお、少なくとも一方が冷陰極
であれば、他方は外部電極であってもよい。 さらに、
蛍光体層は、通常蛍光ランプで使用されている蛍光体の
いずれであってもよいが、 300〜 400nmの波長域内の近
紫外線を放射する蛍光体を含んでいることが好ましい。
【0012】なお、本発明の光触媒用蛍光ランプにおい
ては、外に放射された紫外線強度が、そのバルブ外面か
ら35mm離隔した位置での測定で、少なくとも 100μW/cm
2 であることが必要である。すなわち、バルブ外面から
35mm離隔した位置での測定で、紫外線強度が 100μW/cm
2 以上でないと、通常の使用状態において、光触媒体や
光触媒層に十分な光触媒作用を与えることができないか
らである。
【0013】また、光触媒用蛍光ランプが空気清浄器の
ような通風路を有する装置に装着される場合、バルブ内
径が10mm以下であると外表面積が小さいので、放熱また
は熱交換され難く温度低下を抑制できる。
【0014】請求項2の発明は、請求項1記載の光触媒
用蛍光ランプにおいて、バルブ外周面に光触媒層が形成
されていることを特徴とする。
【0015】請求項3の発明は、請求項2記載の光触媒
用蛍光ランプにおいて、光触媒層は300〜 400nmの波長
域内の最大透過率が75%以上であることを特徴とする。
【0016】上記光触媒層は、光触媒作用を有する金属
酸化物を主体としたもの、特に、光触媒作用を有するア
ナターゼ形 TiO2 を主体(たとえば重量比ど50%以上を
アナターゼ形が占めている)としたものが好ましい。こ
こで、光触媒作用を有する金属酸化物としては、前記 T
iO2 の外、たとえばWO3 , LaRhO3 , FeTiO3 ,Fe
2O3 ,CdFe2 O 4 ,SrTiO 3 ,CdSe,GaAs, GaP, RuO
2 などの微粒子、もしくは2種以上の微粒子混合系が挙
げられる。
【0017】そして、光触媒層の厚さは、一般的に、0.
01〜 0.3μm 程度が好ましく、また、次のようにして容
易に形成できる。たとえば、テトライソプロピルチタネ
ートモノマーもしくはテトライソプロピルチタネートポ
リマーなどのアルコキシチタネート系化合物の溶液を発
光容器外周面に塗布焼付けることによって、所要の光触
媒体を形成できる。また、たとえばチタンのアルコキシ
ド溶液に平均粒径 5〜10nm程度のアナターゼ型結晶の T
iO2 微粒子を懸濁・分散液を基体面に塗布し、焼成によ
ってチタンアルコキシド成分から平均粒径 5nm未満の T
iO2 を結晶化させることなどによっても形成できる。こ
の場合、チタンアルコキシド成分で形成される光学系膜
と同程度の硬度、強度と、平均粒径 5〜70nmの TiO2
粒子のみで形成される光触媒層と同程度の光触媒作用を
備えた光触媒体を形成できる。
【0018】さらに、アナターゼ形 TiO2 を主体とする
光触媒層を形成する場合は、たとえばテトライソプロピ
ルチタネートモノマーを、グリセリンおよびアセチルア
セトンでキレート化した後、酢酸エチル−エタノール系
混合溶媒に加えて調整したアルコキジ系溶液を保護膜上
に塗布し、 700℃程度の温度で数時間焼成処理すること
により、アナターゼ形結晶の TiO2 微粒子を主体とした
光触媒膜を形成できる。 なお、前記結晶性 TiO2 など
を分散させる金属酸化物相は、一部もしくはすべてが非
晶質性あるいは多孔質性であってもよい。ここで金属酸
化物は、アナターゼ型結晶を主成分としたものが望まし
く、また、 TiO2 などの超微粒子(平均粒径 5nm未満程
度)、および結晶性 TiO2 微粒子(平均粒径 5〜70nm程
度)の混合組成比は、特に限定されないが、一般的に質
量比で 1: 4〜 4: 1程度がよい。 請求項4の発明
は、請求項1ないし請求項3いずれか一記載の光触媒用
蛍光ランプにおいて、透光性バルブがブラックライトブ
ルーガラスで形成されていることを特徴とする。
【0019】この発明において、ブラックライトブルー
(Black Light Blue)ガラスとは、波長 400〜 780μm
程度の可視光をほぼ完全にカットし、波長 400μm 以下
の紫外線を透過するガラスをベースとし、酸化ニッケル
(NiO)や酸化コバルト (CoO)を含有するもので、一般的
に、 BLBガラスとして市販されており、その作用が等価
的なものであれば、組成などは特に限定されない。
【0020】請求項5の発明は、内径 1〜10mmの透光性
バルブと;バルブ内に封入された希ガスおよび水銀を含
む放電媒体と;バルブ内の両端部に封装され、バルブ内
に放電を発生させる一対の冷陰極と;バルブ内面に形成
され、放電により水銀から放射される水銀輝線によって
300〜 400nmの波長域内に主発光ピークを有する蛍光体
を主成分とする蛍光体層と;バルブ外周面に設けられ、
少なくとも 300〜 400nmの波長範囲内の光を少なくとも
90%透過する保護ガラス管とを具備している冷陰極蛍光
ランプであって、前記保護ガラス管外周面から35mm離隔
した位置の 300〜 400nmの紫外線強度が100μW/cm2
上であることを特徴とする光触媒用蛍光ランプである。
【0021】請求項6の発明は、請求項4記載の光触媒
用蛍光ランプにおいて、保護ガラス管外周面に光触媒層
が形成されていることを特徴とする。
【0022】請求項7の発明は、請求項4または請求項
5記載の光触媒用蛍光ランプにおいて、保護ガラス管は
石英ガラス製であることを特徴とする。
【0023】請求項8の発明は、請求項5または請求項
6記載の光触媒用蛍光ランプにおいて、保護ガラス管は
ブラックライトブルー(BLB)ガラスで形成されているこ
とを特徴とする。
【0024】なお、ブラックライトブルー(BLB)ガラス
は、上記で説明したものと同様で、いわゆる可視光をほ
ぼ完全にカットし、紫外線を透過するガラスである。
【0025】請求項5〜8の発明は、バルブ外周面に保
護ガラス管を嵌合的に配置した他は、請求項1〜4の発
明の場合と基本的に同様の構造を成している。ここで、
保護ガラス管は、たとえばホウケイ酸系のガラス製、石
英ガラス製、 BLBガラスなどが挙げられるが、紫外線の
透過性、強度という点で石英ガラス製が、また、可視光
の遮断という点で BLBガラス製が、さらに、比較的安価
なためコスト面で有利という点でホウケイ酸系ガラス製
が望ましい。
【0026】一方、この保護ガラス管は、所要の保護機
能を確保するため、少なくとも肉厚が 0.1mm、好ましく
は 0.3〜 1.0mm程度で、また、バルブ外径に対しては、
内径が少なくとも 0.1mm大きい保護ガラス管を組み合わ
せることが望ましい。なお、この保護ガラス管の組み合
わは、バルブを筒状の保護ガラス管に嵌合または挿入し
て端部をスペーサーなど介して固定する形、あるいはバ
ルブ外周面に保護ガラス管の端部を気密に溶着した形な
どが採られる。特に、バルブ外周面に端部を気密に溶着
して保護ガラス管内壁面との間で形成した領域の真空度
を大きくした場合、断熱作用を呈するので、蛍光ランプ
の立上がり特性を向上させることができる。
【0027】請求項9の発明は、内径 1〜10mmの透光性
バルブと;バルブ内に封入された希ガスおよび水銀を含
む放電媒体と;バルブ内の両端部に封装され、バルブ内
に放電を発生させる一対の冷陰極と;バルブ内面に形成
され、放電により水銀から放射される水銀輝線によって
300〜 400nmの波長域内に主発光ピークを有する蛍光体
を主成分とする蛍光体層と;バルブ外周面に設けられ、
少なくとも 300〜 400nmの波長範囲内の光を透過する保
護チューブとを具備している冷陰極蛍光ランプであっ
て、前記保護チューブ外周面から35mm離隔した位置の 3
00〜 400nmの紫外線強度が100μW/cm2 以上であること
を特徴とする光触媒用蛍光ランプである。
【0028】請求項10の発明は、請求項9記載の光触媒
用蛍光ランプにおいて、保護チューブはシリコーン樹
脂、フッ素系樹脂,ポリカーボネート樹脂の少なくとも
いずれか1種を主成分とする樹脂製であることを特徴と
する。
【0029】請求項11の発明は、請求項9または請求項
10記載の光触媒用蛍光ランプにおいて、保護チューブは
少なくとも表面に酸化チタンが被着または酸化チタンが
含有されていることを特徴とする。
【0030】請求項12の発明は、請求項9ないし請求項
11いずれか一記載の光触媒用蛍光ランプにおいて、保護
チューブは 300〜 400nmの波長範囲内の光透過率が80%
以上であることを特徴とする。
【0031】上記保護チューブは、バルブの機械的な補
強などを目的に、バルブ外周面に装着・配置したもの
で、その肉厚は少なくとも 0.1mmで、また、 300〜 400
nmの波長範囲内の光透過率が80%以上であることが望ま
しい。そして、この保護チューブは、冷陰極蛍光ランプ
に十分対応した耐寿命性や、紫外線透過性などの点か
ら、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂など耐熱性および紫
外線透過性の樹脂を主成分した樹脂類で形成したものが
好ましい。ここで、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂,ポ
リカーボネート樹脂は、特性の調整もしくは改善などの
ために、他の樹脂との混合系を採ることができる。
【0032】また、保護チューブは、前記光触媒作用を
有する金属酸化物粒子の一部が表面に露出するように含
有させるか、あるいは保護チューブ表面を光触媒膜で被
覆する状態に被着させておくことにより、有機物の酸化
分解・除去・清浄化作用などを助長できる。なお、バル
ブ外周面に対する保護チューブの設置は、保護チューブ
にバルブを貫挿・配置する形態など採られるが、両者は
密着せず遊嵌的に配置されていてもよい。
【0033】請求項13の発明は、請求項1ないし請求項
12いずれか一記載の光触媒用蛍光ランプにおいて、バル
ブ内径が 1〜 4mmであることを特徴とする。
【0034】請求項14の発明は、請求項1ないし請求項
13いずれか一記載の光触媒用蛍光ランプにおいて、蛍光
体層は、ユーロピウム付活アルカリ土類金属ホウ酸塩,
鉛付活アルカリ土類金属ケイ酸塩,ユーロピウム付活ア
ルカリ土類金属リン酸塩,セリウム付活希土類リン酸塩
およびユーロピウム付活アルカリ土類金属ホウ酸塩にハ
ロゲンが添加された蛍光体のうちの少なくとも1種を含
んでいることを特徴とする。
【0035】ユーロピウム付活アルカリ土類金属ホウ酸
塩としは、 365nmにピーク波長をもつ SrB4 O 7 :Eu2+
などがが好適であり、鉛付活アルカリ土類金属ケイ酸塩
としては、 370nmにピーク波長を持つ(Ba,Sr,Mg)3
Si2 O 7 :Pb2+や 350nmにピーク波長をもつBaSi2 O
5 :Pb2+がなどが好適である。また、ユーロピウム付
活アルカリ土類金属リン酸塩としては、 380 395nmにピ
ーク長をもつ(SrMg)2P 2 O 7 :Eu2+などが好適で
あり、セリウム付活希土類リン酸塩としては、 357nmに
ピーク波長をもつ YPO4 :Ce3+などが好適である。さら
に、たとえば SrO・ SrF・ B2 O 3 :Eu2+などのよう
に、ユーロピウム付活アルカリ土類金属ホウ酸塩蛍光体
にハロゲンが添加されたものは、光出力増加の効果が期
待できる。
【0036】請求項15の発明は、請求項1ないし請求項
13いずれか一記載の光触媒用蛍光ランプにおいて、蛍光
体層は、ユーロピウム付活アルカリ土類金属ホウ酸塩を
主体とするものであることを特徴とする。
【0037】長寿命の冷陰極とユーロピウム付活アルカ
リ土類金属ホウ酸塩( SrB4 O 7 :Eu2+)との組み合わ
せで、より長寿命な光触媒用蛍光ランプを提供できる。
すなわち、ガスバルブ内壁面の蛍光体層を SrB4 O 7
Eu2+系で形成した光触媒用蛍光ランプ(ランプA)と、
BaSi2 O 5 :Pb2+系で形成した光触媒用蛍光ランプ(ラ
ンプB)とについて、点灯時間と紫外線放射(出力)維
持率を試験・評価したところ、図1に示すような傾向が
認められた。図1において曲線AはランプA(初期の紫
外線出力が約 844μW/cm2 )の場合を、曲線Bはランプ
B(初期の紫外線出力が約 783μW/cm2 )の場合をそれ
ぞれ示す。
【0038】請求項16の発明は、流体が強制的に搬送さ
れる流通路を有する本体と;流通路に配設された光触媒
体と;光触媒体に対して紫外線を放射可能に、本体に配
設された請求項1ないし請求項14いずれか一記載の光触
媒用蛍光ランプとを具備していることを特徴とする清浄
装置である。
【0039】ここで、対象と成る装置は、たとえば空気
清浄器や冷蔵庫などであり、また、流体とは、一般的に
気体である。さらに詳しくは、流体とは有機系の成分を
臭気もしくは塵埃などとして含む空気やその他の気体で
あるが、汚染の程度などによっては汚水も対象になる。
そして、光触媒体の配設は、流体路内壁面に平行させた
形態が望ましく、たとえば薄型のハネカム状構体,メッ
シュ状支持体に光触媒作用を有する金属酸化物を担持さ
せて、流体路内に配設することが望ましい。なお、光触
媒用蛍光ランプ自体が、その外周面に光触媒層を有し、
かつその蛍光ランプを流体路に配置する場合は、紫外線
放射源および光触媒作用を兼ねる形となるので、光触媒
体を別に設置することを省略してもよい。
【0040】また、この光触媒体の配設に当って、補助
的な処理作用を行う手段を適宜併設することもできる。
さらに、紫外線光源として機能する光触媒用蛍光ランプ
の設置位置は、光触媒体の光触媒作用が行われるよう
に、所要の紫外線が放射される限り特に限定されない
が、流体の流動・搬送性が損なわれないように、たとえ
ば流体路内壁面部に沿わせ、もしくは埋込み配設するの
が望ましい。
【0041】請求項1ないし請求項15の発明では、冷陰
極を放電電極として長寿命化が図られるだけでなく、バ
ルブの細管化も容易に図られ、コンパクトな紫外線放射
源が提供される。特に、請求項4,8など、発光バルブ
や保護ガラス管を BLBガラス製とした場合は、効率の高
い紫外線放射源として機能する。また、この冷陰極蛍光
ランプにおいては、寿命末期における異常発熱がないた
め、特別に寿命末期検知手段や保護回路を必要としな
い。
【0042】さらに、請求項5など、発光バルブ外周面
に保護ガラス管または保護チューブを設けた構成では、
所要の紫外線光源として機能しながら、機械的な補強も
なされているため、装置内への装着・交換作業に際して
取扱いが容易となる。また、万一発光バルブが破損して
も、装置内にバルブの破片が飛散することもない。
【0043】特に、保護ガラス管を配置した構成の場合
は、樹脂系の保護チューブを配置した構成に比べて、耐
熱性や耐候性の良好さに伴って、コンパクト化および耐
久性の向上が図られる一方、光触媒作用を励起する紫外
線の吸収も少ないため、所要の光触媒作用が容易に行わ
れる。なお、保護ガラス管を内壁面側に気密な領域を形
成するように設け、かつこの領域の真空度を大きくした
場合は、断熱作用が付与される。
【0044】請求項16の発明では、上記コンパクトで、
かつ長寿命性に伴って、紫外線放射源の交換回数など低
減でき、動作効率およびメンテナンスの点などでも有効
な清浄化作用を容易に達成できる。
【0045】
【発明の実施の形態】以下、図2ないし図12を参照して
実施形態を説明する。
【0046】図2は、第1の実施形態に係る光触媒用蛍
光ランプの要部構成例を断面的に示したものである。1
はガラス管であり、内壁面に紫外線励起で発光する厚さ
20〜22μm 程度の蛍光体層2が設けられ、かつ希ガス
(アルゴンガスなど)数Torr程度および水銀が封入され
ている。ガラス管1の寸法は、外径 4.0mm,内径 3.0m
m,長さ 308mmのガラス管である。3,3′はニッケル
スリーブから成る冷陰極であり、前記ガラス管1の両端
部にそれぞれ封着された一対の導入線4,4′の先端部
にそれぞれ装着されている。ここで、蛍光体層2は、 3
68nmに主発光ピークを持つユーロピウム付活アルカリ土
類金属ホウ酸塩(Sr B4 O 7 :Eu2+)を主体とした蛍光
体で形成されている。
【0047】また、前記冷陰極3,3′は、図3に一部
を拡大して断面的に示すごとく、幅2mm,長さ15mmのニ
ッケル製板体3aを2つに折曲げて形成されており、この
2つの板体3aの向かい合う側に、開口する凹部3bがそれ
ぞれ形成されている。そして、この凹部3b内には、約 2
mg程度のHg−Ti合金およびゲッターとしてのZr−Al合金
粉末が充填されている。また、この冷陰極3,3′は、
たとえば“GEMEDIS ”(商品名,サエス社)から作るこ
とができる。なお、図3において、3cは導入線4,4′
の封止接続部のプレス線、3dは封止部を成すビードガラ
スである。
【0048】上記構成の直管形光触媒用蛍光ランプは、
冷陰極3,3′間に、所要の電圧を印加して点灯する
と、発生した初期プラズマのイオンによって、冷陰極
3,3′から二次電子が放出され、ガラス管1内で放電
が開始する。そして、この放電に伴う電子エネルギーに
よって励起された水銀原子の共鳴遷移で紫外線を放射
し、さらに、この紫外線は、ガラス管1内壁面の蛍光体
層2によって可視光などに変換され、 300〜 400nmの近
紫外線および可視光線を含む光出力(全放射光束)3700
μW を発生した。また、近紫外線を含む可視光線を発生
した蛍光ランプから35mm離れた位置で、紫外線の強度を
測定したところ、ほぼ 600μW/cm2 であった。図4は、
上記蛍光ランプについて、常温下、ランプ電流 5mAに設
定し、インバーター回路(CAX-MIOL: TDK社)で点灯し
たときの紫外線の出力・強度(μW/cm2 )と蛍光ランプ
からの距離(mm)との関係例を示す特性図である。な
お、紫外線の出力・強度の測定は、測定機 UVR-365(TOP
CON 社) で行った。
【0049】一方、テトライソプロピルチタネートモノ
マーをグリセリンおよびアセチルアセトンでキレート化
したもの、ガラス質形成剤( P2 O5 )を、酢酸エチル
−エタノール系混合溶媒に加えて溶液化した混合溶液を
用意した。その後、予め用意しておいたソーダライムガ
ラスメッシュ面に塗布し、 500℃×10時間焼成処理を施
して、アナターゼ結晶型の TiO2 微粒子および TiO2
を主体とする光触媒を担持した光触媒体を作成した。
【0050】図5は、前記蛍光ランプを殺菌源などとし
て応用した洗浄器(第2の実施形態)の要部構成を示す
断面図である。図5において、5はポンプ6で圧送され
る流体(たとえば排水)が流れる流通路7を有する本
体、8は前記流通路7の側壁に設けられた紫外線照射用
窓、9は前記紫外線照射用窓8部に設置された光触媒用
蛍光ランプ,10はガラスメッシュにアナターゼ結晶型の
TiO2 微粒子などを担持させて成る光触媒体である。
【0051】上記構成の洗浄器において、流通路7内に
排水を流す一方、光触媒用蛍光ランプ9を点灯し、紫外
線照射用窓8を介して排水に、光触媒用蛍光ランプ9か
らの放射紫外線を、光触媒体10などに照射して殺菌・汚
染洗浄化処理を行ったところ、良好な結果が得られた。
【0052】また、この洗浄器で、排水処理の代りに空
気を流した場合は、紫外線が照射される流通路7領域内
に、光触媒層を担持したガラスメッシュを介在させてあ
るので、効率よく空気の殺菌・脱臭処理を行うことがで
きる。
【0053】さらに、上記光触媒用蛍光ランプの構成に
おいて、ガラス管1として、市販のBLBガラスから作成
した同寸法のガラス管を使用した他は、同様の条件で光
触媒用蛍光ランプ(第3の実施形態)を製造した。そし
て、冷陰極3,3′間に所要の電圧を印加して点灯した
ところ、ガラス管1内壁面の蛍光体層2によって可視光
などに変換され、出力・放射した光(全放射光束)のう
ち、 400nm以上の可視光は、 BLBガラス製のガラス管1
によりほとんど吸収され、 300〜 400nmの近紫外線が出
力・放射した。また、この蛍光ランプから35mm離れた位
置で、紫外線の強度を測定したところ、ほぼ 600μW/cm
2 であり、上記清浄器において、光触媒用蛍光ランプ9
とした場合、より効率的に、殺菌・汚染洗浄化処理を行
うことができる。
【0054】上記では、直管形の光触媒用蛍光ランプの
構成を示したが、環状形,U字形,W字形に構成した場
合にも、同様の結果が認められた。
【0055】図6は、第4の実施形態に係る光触媒用蛍
光ランプの要部構成例を断面的に示したものである。図
6において、図2と同一構成については同一符号を付
し、その詳細な説明を省略する。
【0056】11は前記ガラス管1の外周面に次のように
して、一体的に形成された光触媒層である。すなわち、
テトライソプロピルチタネートモノマーをグリセリンお
よびアセチルアセトンでキレート化したもの、ガラス質
形成剤( P2 O5 )を、酢酸エチル−エタノール系混合
溶媒に加えて溶液化した混合溶液を用意し、この混合溶
液をガラス管1外周面に塗布し、 500℃×10時間焼成処
理を施して、アナターゼ結晶型の TiO2 微粒子および T
iO2 相を主体とする膜厚 0.2〜 0.3μm の光触媒層を作
成した。なお、この光触媒層11は、 300〜 400nmの波長
領域での透過率が75%であった。
【0057】次に、図7は第5の実施形態に係る空気調
和装置の要部構成を示す断面図である。図7において、
12は空気調和装置本体であり、内部に除塵フィルター 1
2a、吸熱器 12bおよび横流しファン 12cなどをケース 1
2dに収納している。また、前記ケース 12dは、空気取り
入れ口 12eおよび空気吹き出し口 12fを備え、空気吹き
出し口 12fには風向調節器 12gが設けられている。さら
に、前記ケース 12d内には、前記横流しファン 12cの空
気流入部 12c′側に光触媒フィルター13が、この光触媒
フィルター13に対向し、かつ約35mm離隔して小形の蛍光
ランプ(光源)14が装着されている。
【0058】ここで、光触媒フィルター13は、セラミッ
クス製のハネカム構造体の区画壁面にアナターゼ結晶型
の TiO2 微粒子などを担持させて成る光触媒体である。
また、光源としての小形の蛍光ランプ14は、内径 7mmの
ガラスバルブ内面に、 300〜400nmの波長域に主発光ピ
ークを有するユールピウム付活アルカリ土類金属ホウ酸
塩蛍光体を主成分とする蛍光体層を形成し、バルブの両
端に冷陰極を封着し、バルブの内部に水銀とアルゴンガ
スとを封入して成るものである。なお、前記吸熱器 12b
は、冷房サイクルを逆にすることによって、ヒートポン
プすなわち放熱器として暖房用として作用するように構
成してもよい。
【0059】この空気調和装置によれば、空気調和装置
本体12を設置した室内の空気は、空気取り入れ口 12eか
ら取り入れられ、除塵フィルター 12aによって除塵さ
れ、吸熱器 12bによって冷却・調和されられた後、横流
しファン 12cおよび風向調節器12gを通って空気吹き出
し口 12fから室内に放出される。この間、横流しファン
12cによって吸引される空気は、光触媒フィルター13を
通過するとき、蛍光ランプ14から光照射によって、所要
の光触媒作用を呈し、空気の脱臭および/または抗菌さ
れる。
【0060】なお、上記光触媒用蛍光ランプの構成にお
いて、ガラス管1として、同寸法の市販の BLBガラスか
ら作成した同寸法のガラス管を使用した他は、同様の条
件で光触媒用蛍光ランプ(第6の実施形態)を製造し
た。そして、この光触媒用蛍光ランプで、前記空気調和
装置の光触媒用蛍光ランプ14を代替した場合は、空気の
脱臭および/または抗菌などが、より効果的に行われ
る。
【0061】図8は、第7の実施形態に係る光触媒用蛍
光ランプの要部構成例を断面的に示したものである。1
は鉛ガラス管であり、内壁面に紫外線励起で発光する蛍
光体層2が設けられ、かつ希ガス(アルゴンガスなど)
数Torr程度および水銀が封入されている。鉛ガラス管1
の寸法は、外径 4.0mm,内径 3.0mm,長さ 310mmであ
る。3,3′はニッケルスリーブから成る冷陰極であ
り、前記ガラス管1の両端部にそれぞれ封着された一対
の導入線4,4′の先端部にそれぞれ装着されている。
ここで、蛍光体層2は、 368nmに主発光ピークを持つユ
ーロピウム付活アルカリ土類金属ホウ酸塩(Sr B4 O
7 :Eu2+)を主体とした蛍光体で形成されている。
【0062】なお、前記冷陰極3,3′は、幅 2mm,長
さ15mmのニッケル製板体3aを2つに折曲げて形成されて
おり、この2つの板体3aの向かい合う側に、開口する凹
部3bがそれぞれ形成されている。そして、この凹部3b内
には、Hg−Ti合金およびゲッターとしてのZr−Al合金粉
末が充填されている。また、15は、前記鉛ガラス管1の
外周面に嵌合的に配置され、かつ両端部が鉛ガラス管1
外周面に溶着・一体化した石英ガラス製の保護ガラス管
である。
【0063】ここで、保護ガラス管15は、外径 8.0mm,
内径 7.0mm,長さ 280mmで、鉛ガラス管1外周面との間
に空間部を有しており、保護ガラス管15の外周面に光触
媒層11が設けられている。すなわち、テトライソプロピ
ルチタネートモノマーをグリセリンおよびアセチルアセ
トンでキレート化したもの、およびガラス質形成剤( P
2 O5 )を、酢酸エチル−エタノール系混合溶媒に加え
て溶液化した混合溶液を、保護ガラス管15外周面に塗布
し、 500℃×10時間焼成処理を施して、アナターゼ結晶
型の TiO2 微粒子および TiO2 相を主体とする膜厚 0.2
〜 0.3μm の光触媒層11が設けられている。なお、この
光触媒層11は、 300〜 400nmの波長領域での透過率が75
%であった。
【0064】上記構成の直管形光触媒用蛍光ランプは、
冷陰極3,3′間に、所要の電圧を印加して点灯する
と、前記第1の実施形態の場合と同様に、冷陰極3,
3′から二次電子が放出され、ガラス管1内で放電が開
始する。そして、この放電に伴う電子エネルギーによっ
て励起された水銀原子の共鳴遷移で紫外線を放射し、さ
らに、この紫外線はガラス管1内壁面の蛍光体層2によ
って可視光などに変換され、 300〜 400nmの近紫外線お
よび可視光線を含む光出力(全放射光束)3700μWを発
生した。また、近紫外線を含む可視光線を発生した蛍光
ランプから35mm離れた位置で、紫外線の強度を測定した
ところ 100μW/cm2 であった。
【0065】さらに、上記光触媒用蛍光ランプの構成に
おいて、保護ガラス管15として、市販の BLBガラスから
作成した同寸法の保護ガラス管を使用した他は、同様の
条件で光触媒用蛍光ランプ(第8の実施形態)を製造し
た。そして、冷陰極3,3′間に所要の電圧を印加して
点灯したところ、ガラス管1内壁面の蛍光体層2によっ
て可視光などに変換され、出力・放射した光(全放射光
束)のうち、 400nm以上の可視光は、 BLBガラス製の保
護ガラス管15によりほとんど吸収され、 300〜400nmの
近紫外線が出力・放射した。また、この蛍光ランプから
35mm離れた位置で、紫外線の強度を測定したところ、ほ
ぼ 540μW/cm2 であった。
【0066】図9は、第9の実施形態に係る光触媒用蛍
光ランプの要部構成例を断面的に示したもので、16はガ
ラス管1の外周面に設けた保護チューブである。ここ
で、保護チューブ16は、少なくとも 300〜 400nmの波長
範囲内の光が透過可能な肉厚 0.1〜 1mm程度のシリコー
ンゴム系、ポリカーボネート樹脂系もしくはフッ素樹脂
系のチューブで、前記図2に図示した構成において、ガ
ラス管1を挿入する形で一体的に配置してある。また、
この保護チューブ16は、たとえばアナターゼ結晶形の酸
化チタン微粒子を分散含有した構成としてもよいし、あ
るいは保護チューブ表面に光触媒層を形成した構成を採
ることもできる。なお、図9において、図2と同一構成
については同一符号を付し、その詳細な説明を省略す
る。
【0067】この光触媒用蛍光ランプは、入力電力3Wで
点灯したところ、35mm離れた位置での紫外線強度が1000
μW/cm2 、全放射束が3700μW であった。そして、光触
媒体に近接配置し、アセトアルデヒドを含む空気を接触
させたところ、アセトアルデヒドの濃度低減が認められ
た。また、この光触媒用蛍光ランプは、寿命も数万時間
程度で、メンテナンスの点でも有利であった。
【0068】図10 (a), (b)は、第10の実施形態に係る
光触媒用蛍光ランプの要部構成例を横断面的、縦断面的
にそれぞれ示したもので、16はガラス管1の外周面に離
隔して設けた保護チューブである。ここで、保護チュー
ブ16は、少なくとも 300〜 400nmの波長範囲内の光が透
過可能な肉厚 0.1〜 1mm程度のシリコーンゴム系または
ポリカーボネート樹脂系のチューブであり、このチュー
ブ16がガラス管1を封有・内装する形に一体的に配置さ
れている。すなわち、ガラス管1の両端部にそれぞれ導
出された導入線4,4′を封止・導出する形で、かつガ
ラス管1の外周面にシリコーンゴム製のスペーサー17を
介在させて、ガラス管1を封有・内装して構成を採って
いる。
【0069】また、この保護チューブ16は、たとえばア
ナターゼ結晶形の酸化チタン微粒子を分散含有した構成
としてもよいし、あるいは保護チューブ表面に光触媒層
を形成した構成を採ることもできる。なお、図10 (a),
(b)において、図2と同一構成については同一符号を付
し、その詳細な説明を省略する。
【0070】図11は、前記第7(もしくは第8)、また
は第9の実施形態に係る光触媒用蛍光ランプを応用し、
組み立てた紫外線用光源の構成を側面的に示したもので
ある。図11において、18はガラス管1の外周面に、保護
ガラス管15または保護チューブ16を設けた直管形の光触
媒用蛍光ランプ、19はシリコーン樹脂またはシリコーン
ゴム製のキャップ、20はリード配線、21はコネクタであ
る。ここで、保護ガラス管15は石英ガラス製で、かつ外
周面にアナターゼ結晶形の酸化チタン微粒子を含む光触
媒11を設けたものであり、また、保護チューブ16は、ア
ナターゼ結晶形の酸化チタン微粒子を分散含有した 300
400nmの波長範囲内の光を透過するシリコーンゴム系製
チューブで、前記ガラス管1を挿入する形で一体的に配
置してある。 この紫外線用光源を、前記図4に示した
構成の空気清浄器において、光触媒用蛍光ランプ9と代
替して、空気清浄を行ったところ、近接配置されている
触媒体10が良好な光触媒作用行って、空気中に含まれて
いるアセトアルデヒドなどの濃度が低減し、清浄効果が
認められた。
【0071】図12は第11の実施形態に係る空気清浄器の
要部構成を示す断面図である。図12において、22は流体
が送風手段23で強制的に搬送(供給・排出)される流通
路24を有する本体、25は前記流通路24に配設された光触
媒用蛍光ランプである。この構成例では、光触媒用蛍光
ランプ25が、その外周面に光触媒層を有し、かつその光
触媒層に対し、自らが放射する紫外線を放射して所要の
光触媒作用を持たせることになる。ここで、光触媒用蛍
光ランプ25は、上記図2,図6,図8,図9または図10
にそれぞれ図示したいずれの構成を採ったものでもよ
い。なお、図12において、26は粗の塵埃を除去する第1
のフイルター(たとえばネット製)、27は微小な塵埃を
除去する第2のフイルター(たとえば高電圧の電流電極
板)である。 この第11の実施形態においては、 TiO2
微粒子の塗布,焼き付けで形成した焼結型の光触媒層を
設けてもよく、また、ディップ方式など簡単な成膜手段
により、短時間で所要の膜厚に形成することができる。
さらに、上記光触媒層11の形成に当たって、テトライソ
プロピルチタネートモノマーをグリセリンおよびアセチ
ルアセトンでキレート化したもの、ガラス質形成剤( P
2 O5 )を、酢酸エチル−エタノール系混合溶媒に加え
て溶液化した後、この混合溶液中に、平均粒径7nm,比
表面積300m2 /g のアナターゼ結晶型の TiO2 超微粒子
を分散・懸濁させて調製した懸濁液を用いることもでき
る。
【0072】本発明は、上記実施形態に限定されるもの
でなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、いろいろの変
形を採ることができる。たとえばバルブの内径は許容さ
れる範囲で、また、冷陰極を構成する円筒状カップの材
質、さらには、蛍光体層を形成する蛍光体の種類や光触
媒層を形成する光触媒作用を有する金属酸化物なども、
蛍光ランプの用途や規格に対応して、前記実施形態以外
の寸法,材質など適宜変更した形態で実施できる。
【0073】
【発明の効果】請求項1ないし請求項15の発明によれ
ば、冷陰極を放電電極としたことに伴って光源の長寿命
化が図られる一方、電極部の微小化となるので、バルブ
の細管化も容易に図られ、結果的に、コンパクトな紫外
線放射源が提供される。また、この冷陰極蛍光ランプ
は、寿命末期における異常発熱などの問題もないため、
保護回路なとも不要であり、コンパクト化の助長に寄与
する。さらに、請求項5など、耐熱耐紫外線性で、かつ
紫外線など透過する保護ガラス管または保護チューブを
ガラス管の外周面に設けた場合は、光触媒膜(層)に十
分な光触媒作用を起こさせる取扱易い紫外線放射源を提
供することになる。特に、明るさを要求されない清浄装
置などの光触媒用蛍光ランプとしての用途では、発光管
バルブや保護ガラス管が BLBガラス製であると、処理効
率などがさらに助長される。
【0074】請求項16の発明では、コンパクトで、かつ
長寿命性の蛍光ランプを紫外線放射源とするため、交換
回数などが煩雑な操作を低減でき、動作効率の高い清浄
化作用を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る光触媒用蛍光ランプの紫外線の
出力維持率例を示す特性図。
【図2】第1の実施形態に係る光触媒用蛍光ランプの要
部構成を示す断面図。
【図3】図2に図示した光触媒用蛍光ランプの一部拡大
断面図。
【図4】第1の実施形態に係る光触媒用蛍光ランプにお
いて、光触媒用蛍光ランプからの距離と紫外線出力との
関係を示す特性図。
【図5】第2の実施形態に係る洗浄装置の要部構成を示
す断面図。
【図6】第4の実施形態に係る光触媒用蛍光ランプの要
部構成を示す断面図。
【図7】第5の実施形態に係る洗浄装置の要部構成を示
す断面図。
【図8】第7,8の実施形態に係る光触媒用蛍光ランプ
の要部構成を示す断面図。
【図9】第9の実施形態に係る光触媒用蛍光ランプの要
部構成を示す断面図。
【図10】第10の実施形態に係る光触媒用蛍光ランプの
要部構成を示すもので、 (a)は横断面図、 (b)は縦断面
図。
【図11】図7、図8に図示した光触媒用蛍光ランプを
紫外線源に組み立てた要部構成を示す側面図
【図12】第11の実施形態に係る洗浄装置の要部構成を
示す断面図。
【符号の説明】
1……ガラス管 2……蛍光体層 3,3′……冷陰極 4,4′……導入線 5,12……洗浄装置本体 6,13……流体圧送手段 7,24……流通路 8……紫外線照射窓 9,14……光触媒用蛍光ランプ 10……ガラスメッシュを担体とした光触媒体 11……光触媒層 15……保護ガラス管 16……保護チューブ 18……保護ガラス管またはチューブ付き光触媒用蛍光ラ
ンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01D 53/86 B01J 35/02 J B01J 35/02 C02F 1/32 C02F 1/32 H01J 61/30 L H01J 61/30 61/34 L 61/34 61/35 L 61/35 B01D 53/36 J (72)発明者 薄井 勝信 東京都品川区東品川四丁目3番1号 東芝 ライテック株式会社内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内径 1〜10mmの透光性バルブと;バルブ
    内に封入された希ガスおよび水銀を含む放電媒体と;バ
    ルブ内の両端部に封装され、バルブ内に放電を発生させ
    る一対の冷陰極と;バルブ内面に形成され、放電により
    水銀から放射される水銀輝線によって 300〜 400nmの波
    長域内に主発光ピークを有する蛍光体を主成分とする蛍
    光体層と;を具備している冷陰極蛍光ランプであって、 前記バルブ外周面から35mm離隔した位置の 300〜 400nm
    の紫外線強度が 100μW/cm2 以上であることを特徴とす
    る光触媒用蛍光ランプ。
  2. 【請求項2】 バルブ外周面に光触媒層が形成されてい
    ることを特徴とする請求項1または2記載の光触媒用蛍
    光ランプ。
  3. 【請求項3】 光触媒層は 300〜 400nmの波長域内の最
    大透過率が75%以上であることを特徴とする請求項2記
    載の光触媒用蛍光ランプ。
  4. 【請求項4】 透光性バルブはブラックライトブルーガ
    ラスで形成されていることを特徴とする請求項1ないし
    請求項3いずれか一記載の光触媒用蛍光ランプ。
  5. 【請求項5】 内径 1〜10mmの透光性バルブと;バルブ
    内に封入された希ガスおよび水銀を含む放電媒体と;バ
    ルブ内の両端部に封装され、バルブ内に放電を発生させ
    る一対の冷陰極と;バルブ内面に形成され、放電により
    水銀から放射される水銀輝線によって 300〜 400nmの波
    長域内に主発光ピークを有する蛍光体を主成分とする蛍
    光体層と;バルブ外周面に設けられ、少なくとも 300〜
    400nmの波長範囲内の光を少なくとも90%透過する保護
    ガラス管と;を具備している冷陰極蛍光ランプであっ
    て、 前記保護ガラス管外周面から35mm離隔した位置の 300〜
    400nmの紫外線強度が100μW/cm2 以上であることを特
    徴とする光触媒用蛍光ランプ。
  6. 【請求項6】 保護ガラス管外周面に光触媒層が形成さ
    れていることを特徴とする請求項5または請求項6記載
    の光触媒用蛍光ランプ。
  7. 【請求項7】 保護ガラス管は石英ガラスで形成されて
    いることを特徴とする請求項5または請求項6記載の光
    触媒用蛍光ランプ。
  8. 【請求項8】 保護ガラス管はブラックライトブルーガ
    ラスで形成されていることを特徴とする請求項5または
    請求項6記載の光触媒用蛍光ランプ。
  9. 【請求項9】 内径 1〜10mmの透光性バルブと;バルブ
    内に封入された希ガスおよび水銀を含む放電媒体と;バ
    ルブ内の両端部に封装され、バルブ内に放電を発生させ
    る一対の冷陰極と;バルブ内面に形成され、放電により
    水銀から放射される水銀輝線によって 300〜 400nmの波
    長域内に主発光ピークを有する蛍光体を主成分とする蛍
    光体層と;バルブ外周面に設けられ、少なくとも 300〜
    400nmの波長範囲内の光を透過する保護チューブと;を
    具備している冷陰極蛍光ランプであって、 前記保護チューブ外周面から35mm離隔した位置の 300〜
    400nmの紫外線強度が100μW/cm2 以上であることを特
    徴とする光触媒用蛍光ランプ。
  10. 【請求項10】 保護チューブはシリコーン樹脂、フッ
    素系樹脂、ポリカーボネート樹脂の少なくともいずれか
    1種を主成分とする樹脂製であることを特徴とする請求
    項9記載の光触媒用蛍光ランプ。
  11. 【請求項11】 保護チューブは少なくとも表面に酸化
    チタンが被着または酸化チタンを含有していることを特
    徴とする請求項9または請求項10記載の光触媒用蛍光ラ
    ンプ。
  12. 【請求項12】 保護チューブは 300〜 400nmの波長範
    囲内の光透過率が80%以上であることを特徴とする請求
    項9ないし請求項11いずれか一記載の光触媒用蛍光ラン
    プ。
  13. 【請求項13】 バルブ内径が 1〜 4mmであることを特
    徴とする請求項1ないし請求項12いずれか一記載の光触
    媒用蛍光ランプ。
  14. 【請求項14】 蛍光体層は、ユーロピウム付活アルカ
    リ土類金属ホウ酸塩,鉛付活アルカリ土類金属ケイ酸
    塩,ユーロピウム付活アルカリ土類金属リン酸塩,セリ
    ウム付活希土類リン酸塩およびユーロピウム付活アルカ
    リ土類金属ホウ酸塩にハロゲンが添加された蛍光体のう
    ちの少なくとも1種を含んでいることを特徴とする請求
    項1ないし請求項13いずれか一記載の光触媒用蛍光ラン
    プ。
  15. 【請求項15】 蛍光体層は、ユーロピウム付活アルカ
    リ土類金属ホウ酸塩を主体とするものであることを特徴
    とする請求項1ないし請求項13いずれか一記載の光触媒
    用蛍光ランプ。
  16. 【請求項16】 流体が強制的に流通される流通路を有
    する本体と;流通路に配設された光触媒体と;光触媒体
    に対して紫外線を放射可能に、本体に配設された請求項
    1ないし請求項15いずれか一記載の光触媒用蛍光ランプ
    と;を具備していることを特徴とする清浄装置。
JP9078129A 1996-06-27 1997-03-28 光触媒用蛍光ランプおよび清浄装置 Pending JPH10154488A (ja)

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