JPH10136787A - 植物の根圏抑制栽培法 - Google Patents
植物の根圏抑制栽培法Info
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- JPH10136787A JPH10136787A JP29674496A JP29674496A JPH10136787A JP H10136787 A JPH10136787 A JP H10136787A JP 29674496 A JP29674496 A JP 29674496A JP 29674496 A JP29674496 A JP 29674496A JP H10136787 A JPH10136787 A JP H10136787A
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Abstract
土壌改良しても、その土地の本来持つ特性の影響を受け
る。これから派生する困難な技術課題を解消する。 【解決手段】 基盤土壌の上に防根透水シート3を敷設
し、その上に栽培用土壌4を載せて基盤土壌と栽培用土
壌とを防根透水シートを介して区分し、区分された栽培
用土壌を、必要に応じて殺菌処理・施肥処理・PH調整
を行うなど栽培する植物に適応した土づくりをする。ま
た栽培用土壌の養液成分濃度を基盤土壌の養液成分濃度
より低くなるように調整し、植物生育用床1を形成し、
この植物生育用床だけに根を張らせて植物を栽培するよ
うにする。
Description
から防根透水シートを介して区分して調整された栽培用
土壌を用いて植物生育用床を形成し、この植物生育用床
だけに根を張らせて植物を栽培するようにしたことを特
徴とする植物の根圏抑制栽培法に関する。
て最も大切なことは、バランスのとれた施肥、作物によ
い水、適切な環境にあるといわれている。この中で最も
改良が可能なものは「バランスのとれた施肥」による良
い土づくりにあるといわれている。このため、多くの人
は、栽培する植物に適応した土をいかにつくるかに腐心
してきた。しかし、もともと土壌は場所によってその特
性が異なっており、その本来もっている土壌特性を人工
的に変えてしまうことは困難である。たとえ部分的に土
壌改良をすべく努めたとしても、農地のすべての土壌を
取り替えてしまうことは不可能である。表層的な土壌改
良をしても一時的なもので、その維持、管理に莫大な経
費がかかるものである。すなわち、塩分を多く含んだ農
地の場合、表層の土壌を改良しても、より深い土壌から
塩分が上昇してきて結局塩害を防ぐことができない。ま
た、その農地が病原菌に汚染されている場合には、表層
の土壌に病原菌が上がってきて汚染し植物がその菌に侵
されてしまうことが多い。このような現象を防ぐことは
非常に困難である。
農地の土壌や基盤土壌を一時的且つ表層的に土壌改良し
ても、その土地の本来持っている特性の影響をうけるこ
とから、次のような技術課題を同時に解消する方法につ
いて鋭意研究した。
隔離すること。 栽培用土壌で造る植物生育用床を少なくとも植物が根
を張るに必要な量と大きさがあって、しかも土壌をコン
トロールできる範囲に造成すること。 上位にある栽培用土壌の余分な水は下位の農地の土壌
や基盤土壌に滲み込み移行するが、下位にある農地の土
壌や基盤土壌の養液成分や病原菌が上位にある栽培用土
壌に上がってこないようにすること。 上記のようにコントロール可能な植物生育用床のみを
根圏として植物を栽培すること。
用土壌とを防根透水シートを介して区分するとともに栽
培用土壌の養液成分濃度を農地の養液成分土壌の濃度よ
り低くなるように調整することによって、上記技術課題
〜を同時に解消出来ることを見出した。
基づいて、基盤土壌や農地の土壌から防根透水シートを
介して区分して調整された栽培用土壌を用いて植物生育
用床を形成し、栽培用土壌の養液成分濃度を調整したう
え、この植物生育用床だけに根を張らせて植物が吸い上
げる養分をコントロールしながら栽培するようにしたこ
とを特徴とする新しい植物の根圏抑制栽培法を開発し
た。
1発明は、基盤土壌の上に防根透水シートを敷設し、そ
の上に栽培用土壌を載せて、基盤土壌と栽培用土壌とを
防根透水シートを介して区分し、区分された栽培用土壌
を、必要に応じて殺菌処理したり、施肥処理をしたり、
PH調整したりするなど栽培する植物に適応した土づく
りをするとともに、当該栽培用土壌の養液成分濃度を基
盤土壌の養液成分濃度より低くなるように調整したう
え、この調整された栽培用土壌を用いて植物生育用床を
造成し、この植物生育用床だけに根を張らせて植物を栽
培するようにしたことを特徴とする植物の根圏抑制栽培
法である。
基本発明である。ここに基盤土壌というのは、栽培用土
壌を保持し、基盤となり得る土壌であれば良く、人工的
に制限された容器や育苗箱などの中に土壌を入れて造成
された基盤土壌であっても良いし、農地等の土地を耕し
て造成した基盤土壌であっても良い。
が、植物の根がそのシートを通過出来ないような布、不
織布、合成樹脂製の膜、織物などのシート状であれば、
その材質を特に限るものではない。
土づくりをするとともに、その養液成分濃度を下位の基
盤土壌や農地の土壌の養液成分濃度より低くなるように
調整する。これにより、上位より滲み込む水分や養液
は、余分な分が防根透水シートを透過して、下位の基盤
土壌のほうに逃げていくが、基盤土壌の土壌養液成分が
浸透圧や毛細管現象などにより上昇することを防ぎ、更
に、基盤土壌の病原菌を上位の栽培用土壌に上がってき
て、植物を害するのを防ぐことができる。このように、
栽培用土壌の養液成分濃度を調整することにより、根圏
の栽培用土壌の植物生育環境を良好に維持できる。
れ良好な環境に管理された栽培用土壌で造成された植物
生育用床だけに根を張らせて、根が大きくなっても他に
はいかないように根圏を抑制して植物を栽培するように
したものである。その結果、栽培する植物は、その根か
ら吸収する養液成分をコントロールできるようになり、
良好な成育状態を維持でき、良好な収穫を得ることがで
きる。
土壌に穴状または溝状の凹部を造成して、当該凹部上に
防根透水シートを敷設し、その上の凹部に栽培用土壌を
載せて凹部を埋め戻し、農地の土壌と栽培用土壌とを防
根透水シートを介して区分するようになし、区分された
栽培用土壌を、必要に応じて殺菌処理したり、施肥処理
をしたり、PH調整したりするなど栽培する植物に適応
した土づくりをするとともに、当該栽培用土壌の養液成
分濃度を基盤土壌の養液成分土壌の濃度より低くなるよ
うに調整し、この調整された栽培用土壌を用いて植物生
育用床を造成し、この植物生育用床だけに根を張らせて
植物を栽培するようにしたことを特徴とする植物の根圏
抑制栽培法である。
土壌と栽培用土壌とを防根透水シートを介して区分する
に際し、農地の土壌に穴状または溝状の凹部を造成し
て、当該凹部上に防根透水シートを敷設し、その上の凹
部に栽培用土壌を載せて凹部を埋め戻す方法である。こ
の方法は、農地をそのまま基盤土壌として利用するもの
で、農地を耕すだけで良く、その作業が容易で簡便であ
ることと、従来の農法に比較して、余分に必要な資材は
防根透水シートだけなので経済的である。しかも、限ら
れた植物生育用床の栽培用土壌だけをコントロールすれ
ば、農地の土壌特性の影響を受けることがないので、農
作物の栽培が簡単となり、多くの病害虫を防ぐことがで
き、その効果は絶大である。従ってこの方法は、新しい
栽培法として実用性の高いものである。
明、第2発明に記載する栽培用土壌の土づくりと調整を
液肥でおこなうようにしたことを特徴とする植物の根圏
抑制栽培法である。
いて造成され、その土づくりと調整を液肥でおこなうよ
うにすると、効率的にしかも容易に調整ができるので、
理想に近い環境下で植物の栽培が出来ることとなる。
する。図1は、本発明にかかる植物の根圏抑制栽培法に
用いる植物生育用床の一実施例を示す説明図であり、図
2は、当該植物生育用床を用いて、この植物生育用床だ
けに根を張らせて植物を栽培する植物の根圏抑制栽培法
を示す説明図である。
生育用床1は、基盤土壌2に造成した凹部の上に防根透
水シート3を敷設し、その凹部の上に栽培用土壌4を載
せて、基盤土壌2と栽培用土壌4とを防根透水シート3
を介して区分してある。しかも、植物生育用床1は、当
該区分された栽培用土壌4を、必要に応じて殺菌処理し
たり、施肥処理をしたり、PH調整したりするなど栽培
する植物に適応した土づくりをするとともに、当該栽培
用土壌4の養液成分濃度を基盤土壌4の養液成分濃度よ
り低くなるように調整したものである。尚、図中5は、
栽培用土壌4に水分や液肥を供給するための潅水チュー
ブである。
ことはできないが、水分や養液は透過できる機能をもっ
た布、不織布、合成樹脂製の膜、織物などで製造された
シートである。
培用土壌4の養液成分濃度を基盤土壌4の養液成分濃度
より低くなるように調整することにより、当該養液成分
は、栽培用土壌4から基盤土壌4側へ透過移行すること
はあってもその逆の現象は起こらない環境にする。つま
り基盤土壌2の特性を構成する土壌養液成分が毛細管現
象などにより上昇することを防ぎ、調整された栽培用土
壌4の環境を維持し、不用意な害などの影響を与えない
ようにしたものである。また、植物生育用床1の栽培用
土壌4の環境を上記のように維持することにより、基盤
土壌2の病原菌が上位の栽培用土壌4に上がって植物を
害するのを防ぐことができる。
用床1に植物6を植えてその根6aを植物生育用床1の
範囲内だけに張らせるようにし、コントロールし易い土
壌内に根圏を抑制する新たな植物の根圏抑制栽培法であ
る。
根圏抑制栽培法を実施する作業工程を示す斜視図であ
る。即ち、図3は、農地の土壌2aに溝状の凹部を造成
して、当該凹部上に防根透水シート3を敷設した状態を
示す斜視図である。図4は、防根透水シート3上の凹部
に栽培用土壌4を載せて凹部を埋め戻し、植物生育用床
を形成した状態を示す斜視図である。図5は、調整され
た栽培用土壌4を用いて植物生育用床を1形成し、この
植物生育用床だけに根を張らせて植物6を栽培する状態
を示す斜視図である。尚、図中5は、植物生育用床の土
づくりと、その養分調整をするための潅水チューブであ
る。
明の実施によりトマトを栽培した際の事例であるが、こ
の際の栽培法について作業工程を詳細に説明する。
行い、その結果に基づき、不足成分をを全面に散布し
て、成分調整したり、pH調整したりたうえ、ローター
リーで全層混和して土壌改良し、土づくりをした。 (2)農地の土壌を、小型管理機で深さ20cm、巾6
0cmの溝状の凹部を掘り、その上に布製の防根透水シ
ート3を敷設した(図3)。 (3)溝状の凹部に添って防根透水シート3を敷設した
上の溝状凹部に、掘った土を小型管理機で埋め戻し、必
要な肥料を入れたうえ、表面をレーキで慣らして植物生
育用床1を造成した(図4)。 (4)この後、土壌殺菌のため、栽培用土壌に活性酸素
の溶解した水を潅水したうえ、当該栽培用土壌の養液成
分濃度を農地の養液成分土壌の濃度より低くなるように
調整した土づくりをし、植物生育用床1を完成させた。 (5)トマト(品種:桃太郎)の苗を所定の間隔で調整
済の植物生育用床1に定植し、活着させた(図5)。 (6)定植したトマトの間の植物生育用床1に水分や液
肥を供給する潅水チューブ15を設置し、これを利用し
て植物生育用床の環境を整えながら栽培した。 (7)定植から10日後、吊上げ作業を完了、16日後
2段花房が開花、24日後3段花房が開花するとともに
2段目に実が付きはじめた。
から防根透水シートを介して区分するので、基盤土壌が
本来持っている特性によって栽培用土壌が不用意に影響
をうけることがなく、栽培用土壌のコントロールが容易
である。
栽培用土壌で造る植物生育用床の範囲に限定され、根圏
が抑制されているので、植物生育用床の養分を調整する
ことにより、容易に植物が吸収する養分を経時的に理想
的状態にコントロールすることがきる。
養液成分濃度を基盤土壌や農地の養液成分土壌の濃度よ
り低くなるように調整したので、上位にある栽培用土壌
の余分な水は下位の農地の土壌や基盤土壌に滲み込み、
下位にある農地の土壌や基盤土壌の養液成分や病原菌が
上位にある栽培用土壌に上がってこない。このため、基
盤土壌や農地の土壌からくる各種の害や病害虫を予防で
きる。
適応した土づくりをした栽培用土壌により造成し、しか
もコントロールし易く、区分した植物生育用床に根圏を
抑制しながら、植物を栽培することにより、従来より効
率的且つ確実に農作物や草木等の生産を行うことができ
る。
植物生育用床の一実施例を示す説明図である。
だけに根を張らせて植物を栽培する植物の根圏抑制栽培
法を示す説明図である。
上に防根透水シートを敷設した状態を示す斜視図であ
る。
用土壌を載せて凹部を埋め戻し植物生育用床を形成した
状態を示す斜視図である。
形成し、この植物生育用床だけに根を張らせて植物を栽
培する状態を示す斜視図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 基盤土壌の上に防根透水シートを敷設
し、その上に栽培用土壌を載せて、基盤土壌と栽培用土
壌とを防根透水シートを介して区分し、区分された栽培
用土壌を、必要に応じて殺菌処理したり、施肥処理をし
たり、PH調整したりするなど栽培する植物に適応した
土づくりをするとともに、当該栽培用土壌の養液成分濃
度を基盤土壌の養液成分濃度より低くなるように調整
し、この調整された栽培用土壌を用いて植物生育用床を
造成し、この植物生育用床だけに根を張らせて植物を栽
培するようにしたことを特徴とする植物の根圏抑制栽培
法。 - 【請求項2】 農地の土壌に穴状または溝状の凹部を造
成して、当該凹部上に防根透水シートを敷設し、その上
の凹部に栽培用土壌を載せて凹部を埋め戻し、農地の土
壌と栽培用土壌とを防根透水シートを介して区分するよ
うになし、区分された栽培用土壌を、必要に応じて殺菌
処理したり、施肥処理をしたり、PH調整したりするな
ど栽培する植物に適応した土づくりをするとともに、当
該栽培用土壌の養液成分濃度を農地の土壌の養液成分濃
度より低くなるように調整し、この調整された栽培用土
壌を用いて植物生育用床を造成し、この植物生育用床だ
けに根を張らせて植物を栽培するようにしたことを特徴
とする植物の根圏抑制栽培法。 - 【請求項3】 請求項1、請求項2に記載する栽培用土
壌の土づくりと調整を液肥でおこなうようにしたことを
特徴とする植物の根圏抑制栽培法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29674496A JP3814790B2 (ja) | 1996-11-08 | 1996-11-08 | 植物の根圏抑制栽培法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29674496A JP3814790B2 (ja) | 1996-11-08 | 1996-11-08 | 植物の根圏抑制栽培法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10136787A true JPH10136787A (ja) | 1998-05-26 |
JP3814790B2 JP3814790B2 (ja) | 2006-08-30 |
Family
ID=17837554
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29674496A Expired - Lifetime JP3814790B2 (ja) | 1996-11-08 | 1996-11-08 | 植物の根圏抑制栽培法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3814790B2 (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6601340B1 (en) * | 1998-12-31 | 2003-08-05 | Wolfgang Behrens | Vegetation element for greening artificial or natural surfaces and method for producing same |
JP2006197871A (ja) * | 2005-01-21 | 2006-08-03 | Aichi Prefecture | 袋培地栽培法および袋培地 |
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JP2009171847A (ja) * | 2008-01-21 | 2009-08-06 | National Agriculture & Food Research Organization | 土地の汚染改良構造およびその方法 |
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CN109197100A (zh) * | 2018-11-26 | 2019-01-15 | 北京大田果品专业合作社 | 一种控温保墒的苗木养护系统 |
-
1996
- 1996-11-08 JP JP29674496A patent/JP3814790B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JP3814790B2 (ja) | 2006-08-30 |
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