JPH10128778A - 複合材製多孔面板の製造方法 - Google Patents
複合材製多孔面板の製造方法Info
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- JPH10128778A JPH10128778A JP8289772A JP28977296A JPH10128778A JP H10128778 A JPH10128778 A JP H10128778A JP 8289772 A JP8289772 A JP 8289772A JP 28977296 A JP28977296 A JP 28977296A JP H10128778 A JPH10128778 A JP H10128778A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 複合材製多孔面板を製造するに当たって、複
合材製多孔面板成形後に大きな加工時間と費用を費やし
て孔を明けたり、特殊な成形型を準備して複合材製多孔
面板成形時に同時に孔明けして多孔面板にするというよ
うな製造コスト低減面で不利な方法を改善し、簡単にし
かも安価に多孔面板を製造する方法を提供すること。 【解決手段】 強化繊維とマトリックス樹脂からなる複
合材料成形用素材(プリプレグ)を積層緻密化した後、
80〜120℃で1〜2時間熱処理し、後行程の硬化の
際に樹脂が孔内に流入しない程度に粘度を向上させた状
態として孔明け加工した後、加熱・加圧して硬化させる
ことを特徴とする複合材製多孔面板の製造方法。
合材製多孔面板成形後に大きな加工時間と費用を費やし
て孔を明けたり、特殊な成形型を準備して複合材製多孔
面板成形時に同時に孔明けして多孔面板にするというよ
うな製造コスト低減面で不利な方法を改善し、簡単にし
かも安価に多孔面板を製造する方法を提供すること。 【解決手段】 強化繊維とマトリックス樹脂からなる複
合材料成形用素材(プリプレグ)を積層緻密化した後、
80〜120℃で1〜2時間熱処理し、後行程の硬化の
際に樹脂が孔内に流入しない程度に粘度を向上させた状
態として孔明け加工した後、加熱・加圧して硬化させる
ことを特徴とする複合材製多孔面板の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軽量化が要求され
る航空機のエンジンナセル等に適用する複合材製多孔面
板の製造方法に関する。
る航空機のエンジンナセル等に適用する複合材製多孔面
板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】航空機のエンジンナセル等に適用する複
合材製多孔面板の製造においては、面板に貫通孔を設け
る何らかの手段が必要である。複合材料成形用素材(以
下、プリプレグと称する)を硬化させて成形品とした後
で、ドリルやメカニカルパンチを用いて行う公知の方法
は比較的に加工時間と費用がかかり、通常、成形品は部
品としての形状を有しているためさらに加工が難しくな
っている。このような問題を解決する方法の一つとし
て、型裏面部と型表面部を有し、かつ該型表面部から間
隔を置いて突出していて各々先端が尖っている複数のス
タッドを有する型を設け、該スタッドの上に部分的に硬
化した強化プラスチック含浸シートを載置し、上記スタ
ッドが該シートを貫通するように該シートと該スタッド
を押圧し、上記シートを上記型表面に押圧しながら上記
シート内のプラスチックを硬化させる工程を有する多孔
強化プラスチック部材の製造方法が提案されている(特
開昭47−2131号公報)。しかし、この手法も特殊
な成形型を部品の形状毎に準備する必要があり、必ずし
も加工費用面で得策とはならないことがわかった。
合材製多孔面板の製造においては、面板に貫通孔を設け
る何らかの手段が必要である。複合材料成形用素材(以
下、プリプレグと称する)を硬化させて成形品とした後
で、ドリルやメカニカルパンチを用いて行う公知の方法
は比較的に加工時間と費用がかかり、通常、成形品は部
品としての形状を有しているためさらに加工が難しくな
っている。このような問題を解決する方法の一つとし
て、型裏面部と型表面部を有し、かつ該型表面部から間
隔を置いて突出していて各々先端が尖っている複数のス
タッドを有する型を設け、該スタッドの上に部分的に硬
化した強化プラスチック含浸シートを載置し、上記スタ
ッドが該シートを貫通するように該シートと該スタッド
を押圧し、上記シートを上記型表面に押圧しながら上記
シート内のプラスチックを硬化させる工程を有する多孔
強化プラスチック部材の製造方法が提案されている(特
開昭47−2131号公報)。しかし、この手法も特殊
な成形型を部品の形状毎に準備する必要があり、必ずし
も加工費用面で得策とはならないことがわかった。
【0003】本発明者らはこの方法に代わる手段とし
て、予め孔部を形成した強化繊維強化複合材料とマトリ
ックス樹脂からなるプリプレグの孔部に、注型用樹脂を
樹脂製薄膜を介して充填し、加熱・加圧して硬化させる
ことを特徴とする複合材製多孔面板の製造方法を提案し
た(特開平8−1690号公報)。この方法は成形加工
時間やコストの面で改良効果があるが、注型用樹脂や樹
脂製薄膜等の成形用の間接材料が比較的高価なため、さ
らに安価な製造方法の開発が望まれていた。
て、予め孔部を形成した強化繊維強化複合材料とマトリ
ックス樹脂からなるプリプレグの孔部に、注型用樹脂を
樹脂製薄膜を介して充填し、加熱・加圧して硬化させる
ことを特徴とする複合材製多孔面板の製造方法を提案し
た(特開平8−1690号公報)。この方法は成形加工
時間やコストの面で改良効果があるが、注型用樹脂や樹
脂製薄膜等の成形用の間接材料が比較的高価なため、さ
らに安価な製造方法の開発が望まれていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記技術水準
に鑑みてなされたものであって、複合材製多孔面板を製
造するに当たって、複合材製多孔面板成形後に大きな加
工時間と費用を費やして孔を明けたり、特殊な成形型を
準備して複合材製多孔面板成形時に同時に孔明けして多
孔面板にするというような製造コスト低減面で不利な方
法を改善し、簡単にしかも安価に多孔面板を製造する方
法を提供するものである。
に鑑みてなされたものであって、複合材製多孔面板を製
造するに当たって、複合材製多孔面板成形後に大きな加
工時間と費用を費やして孔を明けたり、特殊な成形型を
準備して複合材製多孔面板成形時に同時に孔明けして多
孔面板にするというような製造コスト低減面で不利な方
法を改善し、簡単にしかも安価に多孔面板を製造する方
法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する手段
として本発明は次の(1)〜(4)の態様を含むもので
ある。 (1)強化繊維とマトリックス樹脂からなる複合材料成
形用素材(プリプレグ)を積層緻密化した後、80〜1
20℃で1〜2時間熱処理し、後行程の硬化の際に樹脂
が孔内に流入しない程度に粘度を向上させた状態として
孔明け加工した後、加熱・加圧して硬化させることを特
徴とする複合材製多孔面板の製造方法。
として本発明は次の(1)〜(4)の態様を含むもので
ある。 (1)強化繊維とマトリックス樹脂からなる複合材料成
形用素材(プリプレグ)を積層緻密化した後、80〜1
20℃で1〜2時間熱処理し、後行程の硬化の際に樹脂
が孔内に流入しない程度に粘度を向上させた状態として
孔明け加工した後、加熱・加圧して硬化させることを特
徴とする複合材製多孔面板の製造方法。
【0006】(2)前記加熱・加圧して硬化させる工程
が、熱処理後孔明け加工したプリプレグを成形型に移
し、バッグフィルムを被せて真空引きしたのちオートク
レーブ中で加熱・加圧して硬化させるものであることを
特徴とする前記(1)の複合材製多孔面板の製造方法。 (3)前記熱処理後孔明け加工したプリプレグとバッグ
フィルムの間に金属プレートを介在させることを特徴と
する前記(2)の複合材製多孔面板の製造方法。 (4)前記熱処理後孔明け加工したプリプレグの表面に
薄布を介在させることを特徴とする前記(2)又は
(3)の複合材製多孔面板の製造方法。
が、熱処理後孔明け加工したプリプレグを成形型に移
し、バッグフィルムを被せて真空引きしたのちオートク
レーブ中で加熱・加圧して硬化させるものであることを
特徴とする前記(1)の複合材製多孔面板の製造方法。 (3)前記熱処理後孔明け加工したプリプレグとバッグ
フィルムの間に金属プレートを介在させることを特徴と
する前記(2)の複合材製多孔面板の製造方法。 (4)前記熱処理後孔明け加工したプリプレグの表面に
薄布を介在させることを特徴とする前記(2)又は
(3)の複合材製多孔面板の製造方法。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で使用するプリプレグはガ
ラス繊維、炭素繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維などの
強化繊維で織られた強化用の織り布と、エポキシ樹脂、
ビスマレイミド樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹
脂、ポリイミド樹脂などのマトリックス樹脂で構成され
たものが好ましいが、繊維を一方向に引きそろえて樹脂
を含浸したUD( Uni-Directional)プリプレグも使用
できる。このプリプレグは未処理の状態で孔明けした
後、加熱・加圧して硬化させると、硬化時に樹脂が孔部
に流れ込み、孔部を閉塞してしまう。そのため、本発明
の方法ではプリプレグを積層し、緻密化するとともに樹
脂がゲル化しない範囲で平板状態で熱処理して樹脂の流
動性を小さくし、硬化時に樹脂が孔部に流入して閉塞す
るのを防止した後に孔明け加工し、その後で成形型に移
し、加熱・加圧して硬化させる。
ラス繊維、炭素繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維などの
強化繊維で織られた強化用の織り布と、エポキシ樹脂、
ビスマレイミド樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹
脂、ポリイミド樹脂などのマトリックス樹脂で構成され
たものが好ましいが、繊維を一方向に引きそろえて樹脂
を含浸したUD( Uni-Directional)プリプレグも使用
できる。このプリプレグは未処理の状態で孔明けした
後、加熱・加圧して硬化させると、硬化時に樹脂が孔部
に流れ込み、孔部を閉塞してしまう。そのため、本発明
の方法ではプリプレグを積層し、緻密化するとともに樹
脂がゲル化しない範囲で平板状態で熱処理して樹脂の流
動性を小さくし、硬化時に樹脂が孔部に流入して閉塞す
るのを防止した後に孔明け加工し、その後で成形型に移
し、加熱・加圧して硬化させる。
【0008】プリプレグの緻密化は、積層したプリプレ
グを平板状の治具上に置き、バッグフィルムで覆って周
囲をシールした状態で真空引きし、10分以上、好まし
くは10〜30分保持する方法やプレス金型で押さえつ
ける方法などによりプリプレグどうしを十分に密着させ
るとともに、硬化後の板厚とほぼ同程度の板厚とするこ
とによって行うことができる。
グを平板状の治具上に置き、バッグフィルムで覆って周
囲をシールした状態で真空引きし、10分以上、好まし
くは10〜30分保持する方法やプレス金型で押さえつ
ける方法などによりプリプレグどうしを十分に密着させ
るとともに、硬化後の板厚とほぼ同程度の板厚とするこ
とによって行うことができる。
【0009】熱処理は孔明けしたプリプレグを加熱・加
圧して硬化させる際に、樹脂が孔内に流れ出すことのな
いよう樹脂の粘度を向上させるために行うものである
が、熱処理条件が強すぎると硬化が進行してしまい、常
温もしくはヒートガンによる加熱程度では硬化用の形状
を有する治具になじませることができなくなるので、樹
脂がゲル化しない範囲の条件下で行うことが必要であ
る。具体的な処理条件は使用するマトリックス樹脂の種
類や性状などによって異なるが、好ましい熱処理条件の
例としてはマトリックス樹脂が180℃硬化タイプの4
官能エポキシ樹脂の場合、110〜120℃で1〜2時
間程度、120℃硬化タイプの2官能エポキシ樹脂の場
合、80〜90℃で1〜2時間程度であり、この範囲で
あれば、通常樹脂がゲル化してしまうことはなく、前記
のように治具になじませることができなくなるおそれは
ない。
圧して硬化させる際に、樹脂が孔内に流れ出すことのな
いよう樹脂の粘度を向上させるために行うものである
が、熱処理条件が強すぎると硬化が進行してしまい、常
温もしくはヒートガンによる加熱程度では硬化用の形状
を有する治具になじませることができなくなるので、樹
脂がゲル化しない範囲の条件下で行うことが必要であ
る。具体的な処理条件は使用するマトリックス樹脂の種
類や性状などによって異なるが、好ましい熱処理条件の
例としてはマトリックス樹脂が180℃硬化タイプの4
官能エポキシ樹脂の場合、110〜120℃で1〜2時
間程度、120℃硬化タイプの2官能エポキシ樹脂の場
合、80〜90℃で1〜2時間程度であり、この範囲で
あれば、通常樹脂がゲル化してしまうことはなく、前記
のように治具になじませることができなくなるおそれは
ない。
【0010】熱処理後のプリプレグは、メカニカルパン
チ等を用いて孔明けした後、目的とする製品の形状を有
する成形治具に装着し、加熱・加圧して硬化させること
によって複合材製多孔面板を得ることができる。
チ等を用いて孔明けした後、目的とする製品の形状を有
する成形治具に装着し、加熱・加圧して硬化させること
によって複合材製多孔面板を得ることができる。
【0011】前記加熱・加圧して硬化させる方法として
は、熱処理後孔明け加工したプリプレグを成形型に移
し、バッグフィルムを被せて真空引きしたのちオートク
レーブ中で加熱・加圧して硬化させる方法が好適であ
る。この場合、プリプレグを孔の無いプラスチックフィ
ルムで覆い、真空引きを確実に行うためにガラス繊維や
ナイロン繊維製の織物であるブリーザを入れ、バッグフ
ィルムを被せるようにするのが好ましい。また、孔の無
いプラスチックフィルムとバッグフィルムとの間に厚さ
1〜2mmの金属プレートを介在させることによって、
真空引き又は硬化の際にバッグフィルムが孔内に引き込
まれて孔の上端部が変形するのを防ぐことができる。さ
らに、プリプレグの表裏両面にナイロン、ポリエステル
などの薄布(厚さ0.1〜0.2mm程度)を介在させ
ることにより、成形治具から硬化品表面に移行した離型
剤を容易に除去することができ、次工程で接着作業など
がある場合に表面処理として必要なサンディング作業が
不要化できる利点もある。
は、熱処理後孔明け加工したプリプレグを成形型に移
し、バッグフィルムを被せて真空引きしたのちオートク
レーブ中で加熱・加圧して硬化させる方法が好適であ
る。この場合、プリプレグを孔の無いプラスチックフィ
ルムで覆い、真空引きを確実に行うためにガラス繊維や
ナイロン繊維製の織物であるブリーザを入れ、バッグフ
ィルムを被せるようにするのが好ましい。また、孔の無
いプラスチックフィルムとバッグフィルムとの間に厚さ
1〜2mmの金属プレートを介在させることによって、
真空引き又は硬化の際にバッグフィルムが孔内に引き込
まれて孔の上端部が変形するのを防ぐことができる。さ
らに、プリプレグの表裏両面にナイロン、ポリエステル
などの薄布(厚さ0.1〜0.2mm程度)を介在させ
ることにより、成形治具から硬化品表面に移行した離型
剤を容易に除去することができ、次工程で接着作業など
がある場合に表面処理として必要なサンディング作業が
不要化できる利点もある。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。 (実施例1)図1は本発明の1実施例について熱処理、
加熱・加圧成形の準備要領を示す説明図である。図1
(a)に示すとおり、プリプレグ1(強化繊維:炭素繊
維織物、マトリックス樹脂:180℃硬化タイプの4官
能エポキシ樹脂)には強化繊維形態が織物のプリプレグ
を用い、これを2層積層して、更にメカニカルパンチン
グ加工時の汚染防止のためにプリプレグの両面に離型性
のあるプラスチックフィルム2をプリプレグ1の両表面
に被せた。これを図1(b)に示す平板状熱処理治具3
の上に置き、更にナイロンバッグフィルム4で覆い、周
囲をシール材5でシールして真空引きし、室温で30分
放置して硬化時の板厚が0.9mmに対し1.0〜1.
1mm程度まで緻密化した。
説明する。 (実施例1)図1は本発明の1実施例について熱処理、
加熱・加圧成形の準備要領を示す説明図である。図1
(a)に示すとおり、プリプレグ1(強化繊維:炭素繊
維織物、マトリックス樹脂:180℃硬化タイプの4官
能エポキシ樹脂)には強化繊維形態が織物のプリプレグ
を用い、これを2層積層して、更にメカニカルパンチン
グ加工時の汚染防止のためにプリプレグの両面に離型性
のあるプラスチックフィルム2をプリプレグ1の両表面
に被せた。これを図1(b)に示す平板状熱処理治具3
の上に置き、更にナイロンバッグフィルム4で覆い、周
囲をシール材5でシールして真空引きし、室温で30分
放置して硬化時の板厚が0.9mmに対し1.0〜1.
1mm程度まで緻密化した。
【0013】この後、工業用のオーブンに入れ110〜
120℃で1.5〜2時間熱処理を行った。この条件で
マトリックス樹脂粘度が上昇し、硬化時の樹脂流動によ
る孔部の閉塞を抑制でき、熱処理後も樹脂がゲル化して
いないので硬化用の形状を有する成形治具にも、常温も
しくはヒートガンで加温してなじませることができる。
120℃で1.5〜2時間熱処理を行った。この条件で
マトリックス樹脂粘度が上昇し、硬化時の樹脂流動によ
る孔部の閉塞を抑制でき、熱処理後も樹脂がゲル化して
いないので硬化用の形状を有する成形治具にも、常温も
しくはヒートガンで加温してなじませることができる。
【0014】次に、プリプレグフィルム2を被せたまま
のプリプレグ1に、メカニカルパンチで直径2mmの孔
6を3mmピッチで明けた後、プラスチックフィルム2
を剥がして図1(c)のように硬化用の形状を有する成
形治具7に移し、孔のないプラスチックフィルム8と通
気用のブリーザ9を被せ、ナイロンバッグフィルム4で
覆い、周囲をシール材5でシールして真空引きし、室温
で10分以上放置して成形準備を整えた。
のプリプレグ1に、メカニカルパンチで直径2mmの孔
6を3mmピッチで明けた後、プラスチックフィルム2
を剥がして図1(c)のように硬化用の形状を有する成
形治具7に移し、孔のないプラスチックフィルム8と通
気用のブリーザ9を被せ、ナイロンバッグフィルム4で
覆い、周囲をシール材5でシールして真空引きし、室温
で10分以上放置して成形準備を整えた。
【0015】この成形準備の整ったプリプレグをオート
クレーブを使って硬化した。本実施例では約3.5kg
/cm2 の圧力と180℃の温度で、約2時間加熱を行
った。なお、真空引きはオートクレーブ加圧時にオート
クレーブ圧が1kg/cm2を越えた時点で大気開放し
た。硬化終了後温度と圧力を下げナイロンバッグフィル
ム4、ブリーザ9及び孔のないプラスチックフィルム8
を取り除き、更に成形治具7から硬化品を取り外し、図
2の複合材製多孔面板10を得た。図2(a)は複合材
製多孔面板の概要を示す斜視図であり、図2(b)は
(a)のA−A断面図である。この方法によれば孔明操
作が容易であり、加熱・加圧による硬化時にマトリック
ス樹脂が孔中に流れ出すこともなく良好な品質の複合材
製多孔面板をえることができるが、図2(b)に示すよ
うにこの複合材製多孔面板10の複合材部11で形成さ
れた孔6の上端部にはバッグフィルムの引き込みによる
若干の変形が認められる。
クレーブを使って硬化した。本実施例では約3.5kg
/cm2 の圧力と180℃の温度で、約2時間加熱を行
った。なお、真空引きはオートクレーブ加圧時にオート
クレーブ圧が1kg/cm2を越えた時点で大気開放し
た。硬化終了後温度と圧力を下げナイロンバッグフィル
ム4、ブリーザ9及び孔のないプラスチックフィルム8
を取り除き、更に成形治具7から硬化品を取り外し、図
2の複合材製多孔面板10を得た。図2(a)は複合材
製多孔面板の概要を示す斜視図であり、図2(b)は
(a)のA−A断面図である。この方法によれば孔明操
作が容易であり、加熱・加圧による硬化時にマトリック
ス樹脂が孔中に流れ出すこともなく良好な品質の複合材
製多孔面板をえることができるが、図2(b)に示すよ
うにこの複合材製多孔面板10の複合材部11で形成さ
れた孔6の上端部にはバッグフィルムの引き込みによる
若干の変形が認められる。
【0016】(実施例2)図3に本発明の他の実施例を
示す。この例は成形準備の段階で熱処理し、孔明けした
プリプレグ1の両表面に薄いナイロン布12(ここでは
東レ社製ナイロンタフタ#100)を被せ、更に孔のな
いプリプレグフィルム8とブリーザ9との間に厚さ1.
6mmの金属プレート13を置いた例である。このよう
に成形準備を整えたプリプレグを前記硬化条件で硬化さ
せることによって、実施例1の硬化品に見られる図2
(b)のような孔上端部の変形はなくなり、図4に示す
ように良好な形状の孔を有する複合材製多孔面板が得ら
れた。また、薄いナイロン布12を剥ぐことによって離
型剤の付着のない硬化品を得ることができた。
示す。この例は成形準備の段階で熱処理し、孔明けした
プリプレグ1の両表面に薄いナイロン布12(ここでは
東レ社製ナイロンタフタ#100)を被せ、更に孔のな
いプリプレグフィルム8とブリーザ9との間に厚さ1.
6mmの金属プレート13を置いた例である。このよう
に成形準備を整えたプリプレグを前記硬化条件で硬化さ
せることによって、実施例1の硬化品に見られる図2
(b)のような孔上端部の変形はなくなり、図4に示す
ように良好な形状の孔を有する複合材製多孔面板が得ら
れた。また、薄いナイロン布12を剥ぐことによって離
型剤の付着のない硬化品を得ることができた。
【0017】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、プリプレグ
の孔明けが容易で、硬化中に樹脂の流動により孔が閉塞
することもなく、複合材製多孔面板を得ることができ
る。また、高価な成形治具は不要で、特別な治工具や間
接材料類の準備も必要としないのでこの面からも製造コ
ストを低減することができる。さらに、加熱・加圧して
硬化させる方法として、熱処理後孔明け加工したプリプ
レグを成形型に移し、バッグフィルムを被せて真空引き
したのちオートクレーブ中で加熱・加圧して硬化させる
方法を採る場合、金属プレートを介在させることにより
孔の変形のない硬化品を得ることができ、プリプレグの
表面に薄い布を介在させることにより、成形治具から硬
化体への離型剤の移行を防ぐことができる。
の孔明けが容易で、硬化中に樹脂の流動により孔が閉塞
することもなく、複合材製多孔面板を得ることができ
る。また、高価な成形治具は不要で、特別な治工具や間
接材料類の準備も必要としないのでこの面からも製造コ
ストを低減することができる。さらに、加熱・加圧して
硬化させる方法として、熱処理後孔明け加工したプリプ
レグを成形型に移し、バッグフィルムを被せて真空引き
したのちオートクレーブ中で加熱・加圧して硬化させる
方法を採る場合、金属プレートを介在させることにより
孔の変形のない硬化品を得ることができ、プリプレグの
表面に薄い布を介在させることにより、成形治具から硬
化体への離型剤の移行を防ぐことができる。
【図1】本発明の第1実施例についてプリプレグの熱処
理、加熱・加圧成形の準備要領を示す説明図。
理、加熱・加圧成形の準備要領を示す説明図。
【図2】本発明の第1実施例に係る複合材製多孔面板の
状態を示す説明図。
状態を示す説明図。
【図3】本発明の第2実施例に係るプリプレグの硬化要
領説明図。
領説明図。
【図4】本発明の第2実施例に係る複合材製多孔面板の
孔の状態を示す断面図。
孔の状態を示す断面図。
Claims (4)
- 【請求項1】 強化繊維とマトリックス樹脂からなる複
合材料成形用素材を積層・緻密化した後、80〜120
℃で1〜2時間熱処理し、後行程の硬化の際に樹脂が孔
内に流入しない程度に粘度を向上させた状態として孔明
け加工した後、加熱・加圧して硬化させることを特徴と
する複合材製多孔面板の製造方法。 - 【請求項2】 前記加熱・加圧して硬化させる工程が、
熱処理後孔明け加工した複合材料成形用素材を成形型に
移し、バッグフィルムを被せて真空引きしたのちオート
クレーブ中で加熱・加圧して硬化させるものであること
を特徴とする請求項1に記載の複合材製多孔面板の製造
方法。 - 【請求項3】 前記熱処理後孔明け加工した複合材料成
形用素材とバッグフィルムの間に金属プレートを介在さ
せることを特徴とする請求項2に記載の複合材製多孔面
板の製造方法。 - 【請求項4】 前記熱処理後孔明け加工した複合材料成
形用素材の表面に薄布を介在させることを特徴とする請
求項2又は3に記載の複合材製多孔面板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8289772A JPH10128778A (ja) | 1996-10-31 | 1996-10-31 | 複合材製多孔面板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8289772A JPH10128778A (ja) | 1996-10-31 | 1996-10-31 | 複合材製多孔面板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10128778A true JPH10128778A (ja) | 1998-05-19 |
Family
ID=17747571
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8289772A Withdrawn JPH10128778A (ja) | 1996-10-31 | 1996-10-31 | 複合材製多孔面板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10128778A (ja) |
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