JPH10128399A - 汚泥濃縮装置および方法 - Google Patents
汚泥濃縮装置および方法Info
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- JPH10128399A JPH10128399A JP8288554A JP28855496A JPH10128399A JP H10128399 A JPH10128399 A JP H10128399A JP 8288554 A JP8288554 A JP 8288554A JP 28855496 A JP28855496 A JP 28855496A JP H10128399 A JPH10128399 A JP H10128399A
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- concentrating
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 汚泥を重力濃縮する際に、好気状態を高い制
御性で維持し、燐の放出を抑えると共に、重力濃縮性の
悪い汚泥でも十分に濃縮できる汚泥濃縮装置および方法
を提供する。 【解決手段】 汚泥濃縮槽内で自然の重力により汚泥を
沈降・圧密させて濃縮する汚泥濃縮装置において、該汚
泥濃縮槽の下部に曝気手段を配設すると共に、通水性の
支持材で周囲壁の少なくとも一部を構成した中空状の濾
過体を、該汚泥濃縮槽に浸漬配置し、該支持材上に汚泥
の堆積により濾過膜を形成させ、後続槽との水頭差によ
り該濾過膜を介して該濾過体内へ分離液を流入させ且つ
該濾過体内から該分離液を引き抜く。
御性で維持し、燐の放出を抑えると共に、重力濃縮性の
悪い汚泥でも十分に濃縮できる汚泥濃縮装置および方法
を提供する。 【解決手段】 汚泥濃縮槽内で自然の重力により汚泥を
沈降・圧密させて濃縮する汚泥濃縮装置において、該汚
泥濃縮槽の下部に曝気手段を配設すると共に、通水性の
支持材で周囲壁の少なくとも一部を構成した中空状の濾
過体を、該汚泥濃縮槽に浸漬配置し、該支持材上に汚泥
の堆積により濾過膜を形成させ、後続槽との水頭差によ
り該濾過膜を介して該濾過体内へ分離液を流入させ且つ
該濾過体内から該分離液を引き抜く。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、汚泥の重力濃縮装
置および方法に関する。活性汚泥法における汚泥濃縮の
役割は、水処理施設で発生した低濃度の汚泥を濃縮し、
その後に続く汚泥硝化や汚泥脱水の効果を高めることで
ある。濃縮の対象とする汚泥には、最初沈澱池で発生す
る最初汚泥沈澱池汚泥と最終沈澱池で発生する余剰汚泥
とがある。
置および方法に関する。活性汚泥法における汚泥濃縮の
役割は、水処理施設で発生した低濃度の汚泥を濃縮し、
その後に続く汚泥硝化や汚泥脱水の効果を高めることで
ある。濃縮の対象とする汚泥には、最初沈澱池で発生す
る最初汚泥沈澱池汚泥と最終沈澱池で発生する余剰汚泥
とがある。
【0002】汚泥濃縮は、濃縮の手段によって重力濃
縮、遠心濃縮および浮上濃縮に大別される。このうち重
力濃縮は、元来は施設の維持管理が比較的容易であると
されてきたが、近年、汚泥性状の変化等さまざまな要因
により四季を通して安定した濃縮を行うことが難しくな
ってきている。特に水温の上昇する夏期には汚泥が腐敗
しやすいため、他の季節に比べて濃縮しにくいのが一般
的である。
縮、遠心濃縮および浮上濃縮に大別される。このうち重
力濃縮は、元来は施設の維持管理が比較的容易であると
されてきたが、近年、汚泥性状の変化等さまざまな要因
により四季を通して安定した濃縮を行うことが難しくな
ってきている。特に水温の上昇する夏期には汚泥が腐敗
しやすいため、他の季節に比べて濃縮しにくいのが一般
的である。
【0003】汚泥の濃縮が不十分であると、後続の汚泥
処理の効率低下を招くばかりでなく、懸濁物を多量に含
んだ分離液が水処理施設の戻り、処理水質の悪化を招
く。
処理の効率低下を招くばかりでなく、懸濁物を多量に含
んだ分離液が水処理施設の戻り、処理水質の悪化を招
く。
【0004】
【従来の技術】図1に従来の重力濃縮装置を示す。汚泥
濃縮槽1に汚泥2を投入して滞留させると、自然の重力
により汚泥フロックが沈降し、自重により圧密される。
これにより槽1の内容物は上から順に、汚泥フロックが
沈降により除去された分離液の清澄域3、汚泥フロック
が沈降中の沈降域4、および沈降した汚泥フロックが自
重により圧密される圧密域5の三層状になる。
濃縮槽1に汚泥2を投入して滞留させると、自然の重力
により汚泥フロックが沈降し、自重により圧密される。
これにより槽1の内容物は上から順に、汚泥フロックが
沈降により除去された分離液の清澄域3、汚泥フロック
が沈降中の沈降域4、および沈降した汚泥フロックが自
重により圧密される圧密域5の三層状になる。
【0005】清澄域2の分離液は槽1の上縁部から越流
6として排出され、濃縮汚泥7は槽1の底部から排出さ
れる。一方、生物学的燐除去プロセスでは、好気状態と
嫌気状態とが繰り返されており、好気状態では燐が汚泥
フロックに吸着され、嫌気状態になると汚泥フロックに
吸着された燐が放出される。したがって、生物学的燐除
去プロセスの汚泥の濃縮工程では、できるだけ嫌気状態
にしないで好気状態を維持することが望ましい。特に、
濃縮槽内で汚泥滞留が長期になる場合には、嫌気状態に
ならないようにすることが重要になる。
6として排出され、濃縮汚泥7は槽1の底部から排出さ
れる。一方、生物学的燐除去プロセスでは、好気状態と
嫌気状態とが繰り返されており、好気状態では燐が汚泥
フロックに吸着され、嫌気状態になると汚泥フロックに
吸着された燐が放出される。したがって、生物学的燐除
去プロセスの汚泥の濃縮工程では、できるだけ嫌気状態
にしないで好気状態を維持することが望ましい。特に、
濃縮槽内で汚泥滞留が長期になる場合には、嫌気状態に
ならないようにすることが重要になる。
【0006】従来から、嫌気状態をできるだけ避けて好
気状態を維持する工夫が種々行われてきたが、確実に制
御できる手段はなかった。また、燐除去の問題の他に、
濃縮性の悪い汚泥は、重力濃縮では濃縮が難しく、遠心
濃縮のような機械濃縮によらなければならないという問
題もあった。
気状態を維持する工夫が種々行われてきたが、確実に制
御できる手段はなかった。また、燐除去の問題の他に、
濃縮性の悪い汚泥は、重力濃縮では濃縮が難しく、遠心
濃縮のような機械濃縮によらなければならないという問
題もあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、汚泥を重力
濃縮する際に、汚泥フロックから燐が放流されないよう
に、好気状態を高い制御性で維持すると共に、重力濃縮
性の悪い汚泥でも十分に濃縮できる汚泥濃縮装置および
方法を提供することを目的とする。
濃縮する際に、汚泥フロックから燐が放流されないよう
に、好気状態を高い制御性で維持すると共に、重力濃縮
性の悪い汚泥でも十分に濃縮できる汚泥濃縮装置および
方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、本発明に
よれば、汚泥濃縮槽内で自然の重力により汚泥を沈降・
圧密させて濃縮する汚泥濃縮装置において、該汚泥濃縮
槽の下部に曝気手段を配設すると共に、通水性の支持材
で周囲壁の少なくとも一部を構成した中空状の濾過体
を、該汚泥濃縮槽に浸漬配置し、該支持材上に汚泥及び
濁質からなる濾過膜を形成させ、後続槽との水頭差によ
り該濾過膜を介して該濾過体内へ分離液を流入させ且つ
該濾過体内から該分離液を引き抜くことを特徴とする汚
泥濃縮装置によって達成される。
よれば、汚泥濃縮槽内で自然の重力により汚泥を沈降・
圧密させて濃縮する汚泥濃縮装置において、該汚泥濃縮
槽の下部に曝気手段を配設すると共に、通水性の支持材
で周囲壁の少なくとも一部を構成した中空状の濾過体
を、該汚泥濃縮槽に浸漬配置し、該支持材上に汚泥及び
濁質からなる濾過膜を形成させ、後続槽との水頭差によ
り該濾過膜を介して該濾過体内へ分離液を流入させ且つ
該濾過体内から該分離液を引き抜くことを特徴とする汚
泥濃縮装置によって達成される。
【0009】また、上記の目的は、本発明によれば、汚
泥濃縮槽内で自然の重力により汚泥を沈降・圧密させて
濃縮する汚泥濃縮方法において、該汚泥濃縮槽の下部で
曝気を行うと共に、通水性の支持材で周囲壁の少なくと
も一部を構成した中空状の濾過体を、該汚泥濃縮槽に浸
漬配置し、該支持材上に汚泥及び濁質からなる濾過膜を
形成させ、後続槽との水頭差により該濾過膜を介して該
濾過体内へ分離液を流入させ且つ該濾過体内から該分離
液を引き抜くことを特徴とする汚泥濃縮方法によっても
達成される。
泥濃縮槽内で自然の重力により汚泥を沈降・圧密させて
濃縮する汚泥濃縮方法において、該汚泥濃縮槽の下部で
曝気を行うと共に、通水性の支持材で周囲壁の少なくと
も一部を構成した中空状の濾過体を、該汚泥濃縮槽に浸
漬配置し、該支持材上に汚泥及び濁質からなる濾過膜を
形成させ、後続槽との水頭差により該濾過膜を介して該
濾過体内へ分離液を流入させ且つ該濾過体内から該分離
液を引き抜くことを特徴とする汚泥濃縮方法によっても
達成される。
【0010】通水性の支持材としては、例えば網目状の
シート、濾布、多孔質材などが利用できる。
シート、濾布、多孔質材などが利用できる。
【0011】
【作用】本発明においては、汚泥の圧密域内で曝気する
ことにより、汚泥槽内を好気状態に維持し、汚泥フロッ
クからの燐放出を抑制する。そして、後続槽との水頭差
により濾過分離を行うので、被処理水を駆動するための
動力を特に必要としない。
ことにより、汚泥槽内を好気状態に維持し、汚泥フロッ
クからの燐放出を抑制する。そして、後続槽との水頭差
により濾過分離を行うので、被処理水を駆動するための
動力を特に必要としない。
【0012】
〔実施例〕以下に、実施例により本発明を更に詳細に説
明する。図2に、本発明により清澄域内に濾過体を浸漬
配置した汚泥濃縮槽を示す。汚泥濃縮槽1に汚泥2を投
入して滞留させると、自然の重力により汚泥フロックが
沈降し、自重により圧密される。これにより槽1の内容
物は上から順に、汚泥フロックが沈降により除去された
分離液の清澄域3、汚泥フロックが沈降中の沈降域4、
および沈降した汚泥フロックが自重により圧密される圧
密域5の三層状になる。濃縮汚泥7は槽1の底部から排
出される。
明する。図2に、本発明により清澄域内に濾過体を浸漬
配置した汚泥濃縮槽を示す。汚泥濃縮槽1に汚泥2を投
入して滞留させると、自然の重力により汚泥フロックが
沈降し、自重により圧密される。これにより槽1の内容
物は上から順に、汚泥フロックが沈降により除去された
分離液の清澄域3、汚泥フロックが沈降中の沈降域4、
および沈降した汚泥フロックが自重により圧密される圧
密域5の三層状になる。濃縮汚泥7は槽1の底部から排
出される。
【0013】圧密域5内には、散気管8が配置されてい
て、嫌気状態にならないように間欠的あるいは部分的な
曝気を行えるようになっている。これにより、燐の放出
を抑えることができる。曝気を行うと、圧密域5および
沈降域4の汚泥フロックが上昇して清澄域3内に戻り再
懸濁する。
て、嫌気状態にならないように間欠的あるいは部分的な
曝気を行えるようになっている。これにより、燐の放出
を抑えることができる。曝気を行うと、圧密域5および
沈降域4の汚泥フロックが上昇して清澄域3内に戻り再
懸濁する。
【0014】この清澄域3内で再懸濁した汚泥フロック
は、清澄域3内に配置した濾過体9により濾過除去さ
れ、濾過体9からは良好な水質の分離液が排出管10を
通って排出される。図3に、本発明により重力濃縮槽1
内に浸漬配置された状態の濾過体9の一例を示す。
は、清澄域3内に配置した濾過体9により濾過除去さ
れ、濾過体9からは良好な水質の分離液が排出管10を
通って排出される。図3に、本発明により重力濃縮槽1
内に浸漬配置された状態の濾過体9の一例を示す。
【0015】図3において、1組を成す4個の濾過体9
はそれぞれ、構造部材91の側面に所定範囲の目開きお
よび厚さを持つ通水性の支持材92を密着固定したもの
である。構造部材91は、偏平な中空体であり、上端は
閉鎖され下端は流出口94として開口しており、側面に
は多数の流入口91Aが開口している。支持材92上に
は、後に詳細に説明する濾過膜が汚泥フロック及び濁質
により形成される。
はそれぞれ、構造部材91の側面に所定範囲の目開きお
よび厚さを持つ通水性の支持材92を密着固定したもの
である。構造部材91は、偏平な中空体であり、上端は
閉鎖され下端は流出口94として開口しており、側面に
は多数の流入口91Aが開口している。支持材92上に
は、後に詳細に説明する濾過膜が汚泥フロック及び濁質
により形成される。
【0016】清澄域3内で懸濁している汚泥フロック
は、支持材92を透過する際に上記の濾過膜により濾過
除去され、透過部分(分離液)が構造部材91側面の流
入口91Aを通って濾過体5の内部に流入し、下端の流
出口94から排出管10に集まって、後続の槽または導
管へ導かれる。図4に示すように、支持材92上には汚
泥フロック及び濁質が濃縮して濾過膜が形成される。図
示を簡単にするために図4では構造部材91は省略して
ある。
は、支持材92を透過する際に上記の濾過膜により濾過
除去され、透過部分(分離液)が構造部材91側面の流
入口91Aを通って濾過体5の内部に流入し、下端の流
出口94から排出管10に集まって、後続の槽または導
管へ導かれる。図4に示すように、支持材92上には汚
泥フロック及び濁質が濃縮して濾過膜が形成される。図
示を簡単にするために図4では構造部材91は省略して
ある。
【0017】濾過膜の目詰まりが発生したら、逆洗によ
り支持材から汚泥フロックを除去する。逆洗により脱落
した汚泥フロックは容易に再懸濁するので、特別な操作
は必要ない。逆洗直後、濾過膜が形成されるまでは、多
少のSSの漏出があるが、逆洗を濾過体全体について同
時に行わず、1組の濾過体を複数部分に分割して行うこ
とにより、漏出SSが希釈され全体としてのSS濃度を
低い値に抑えることができる。それには、図3で示した
4個1組の濾過体9が占める体積を複数ユニットに分割
し、各ユニット毎に独立の排出管10を持つ1組の濾過
体9を割り当てて配置することが望ましい。すなわち、
図3では濾過体9を4個並立させ同一の排出管10を共
有する1組として示したが、例えば2個並立させて1ユ
ニットとして図3と同じ並べ方で2ユニット配置し、各
ユニット毎に独立の排出管10を設けてもよいし、ある
いは濾過体9を厚さ方向の切断面で縦横にそれぞれ2等
分して側面面積が4分の1の濾過体9を図3に示した1
組と同じ並べ方で並立させて1ユニットとし、これを縦
横に2ユニットづつ並べ、各ユニット毎に独立の排出管
10を設けてもよいし、更に、前者のような並立方向で
の分割と、後者のような側面面積の分割とを組み合わせ
てもよい。
り支持材から汚泥フロックを除去する。逆洗により脱落
した汚泥フロックは容易に再懸濁するので、特別な操作
は必要ない。逆洗直後、濾過膜が形成されるまでは、多
少のSSの漏出があるが、逆洗を濾過体全体について同
時に行わず、1組の濾過体を複数部分に分割して行うこ
とにより、漏出SSが希釈され全体としてのSS濃度を
低い値に抑えることができる。それには、図3で示した
4個1組の濾過体9が占める体積を複数ユニットに分割
し、各ユニット毎に独立の排出管10を持つ1組の濾過
体9を割り当てて配置することが望ましい。すなわち、
図3では濾過体9を4個並立させ同一の排出管10を共
有する1組として示したが、例えば2個並立させて1ユ
ニットとして図3と同じ並べ方で2ユニット配置し、各
ユニット毎に独立の排出管10を設けてもよいし、ある
いは濾過体9を厚さ方向の切断面で縦横にそれぞれ2等
分して側面面積が4分の1の濾過体9を図3に示した1
組と同じ並べ方で並立させて1ユニットとし、これを縦
横に2ユニットづつ並べ、各ユニット毎に独立の排出管
10を設けてもよいし、更に、前者のような並立方向で
の分割と、後者のような側面面積の分割とを組み合わせ
てもよい。
【0018】また、重力濃縮槽1の規模あるいは必要な
処理容量に応じて、厚さ方向の並立個数を例えば30〜
40個と多数にすることもできるし、側面面積を大きく
することもできる。その際にも、適宜上記のようなユニ
ット分割はもちろん適用できる。なお、本実施例では濾
過体9は偏平状としたが、濾過体9の形状は特に偏平状
に限定する必要はなく、用いる重力濃縮槽の形状や特性
あるいは配管の都合等に応じて他の形状とすることがで
きる。また、本実施例では濾過膜を形成する支持材の設
置位置を濾過体9の側面としたが、これは濾過体9を偏
平状としたときに、濾過膜の安定形成および維持とそれ
による濾過作用の安定確保にとって、側面配置が好まし
いからであり、支持材の最適な設置位置は濾過体の形状
に応じて配慮すべきである。
処理容量に応じて、厚さ方向の並立個数を例えば30〜
40個と多数にすることもできるし、側面面積を大きく
することもできる。その際にも、適宜上記のようなユニ
ット分割はもちろん適用できる。なお、本実施例では濾
過体9は偏平状としたが、濾過体9の形状は特に偏平状
に限定する必要はなく、用いる重力濃縮槽の形状や特性
あるいは配管の都合等に応じて他の形状とすることがで
きる。また、本実施例では濾過膜を形成する支持材の設
置位置を濾過体9の側面としたが、これは濾過体9を偏
平状としたときに、濾過膜の安定形成および維持とそれ
による濾過作用の安定確保にとって、側面配置が好まし
いからであり、支持材の最適な設置位置は濾過体の形状
に応じて配慮すべきである。
【0019】次に、図2に示した本実施例の重力濃縮装
置による汚泥濃縮を行った結果の一例を説明する。SS
濃度3%の最終沈澱池からの余剰汚泥の濃縮を行った。
清澄域3内に、側面面積30cm×30cmの濾過体9
を浸漬配置し、1m/日の透過流速で、自然流下で20
日間分離液を引き抜いた。濾過体9の支持材92として
は、目開きが分離粒径50μmで厚さが0.4mmのポ
リエステル製不織布を用いた。水頭差(損失水頭)は2
0cmであった。
置による汚泥濃縮を行った結果の一例を説明する。SS
濃度3%の最終沈澱池からの余剰汚泥の濃縮を行った。
清澄域3内に、側面面積30cm×30cmの濾過体9
を浸漬配置し、1m/日の透過流速で、自然流下で20
日間分離液を引き抜いた。濾過体9の支持材92として
は、目開きが分離粒径50μmで厚さが0.4mmのポ
リエステル製不織布を用いた。水頭差(損失水頭)は2
0cmであった。
【0020】得られた分離液は、PO4 3- −Pの濃度が
3.5mg/Lであった。 〔比較例〕比較のために、図1に示した従来の重力濃縮
装置により汚泥濃縮を行った。本発明の濾過体9を用い
ず、重力濃縮槽1の上縁部からの越流6により分離液を
取り出した以外は、実施例と同一の処理条件であった。
その結果、得られた分離液は、PO4 3- −Pの濃度が
8.5mg/Lであった。
3.5mg/Lであった。 〔比較例〕比較のために、図1に示した従来の重力濃縮
装置により汚泥濃縮を行った。本発明の濾過体9を用い
ず、重力濃縮槽1の上縁部からの越流6により分離液を
取り出した以外は、実施例と同一の処理条件であった。
その結果、得られた分離液は、PO4 3- −Pの濃度が
8.5mg/Lであった。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の重力濃縮
装置および方法によれば、好気状態を高い制御性で維持
し、燐の放出をおさえることができる。また、重力のみ
によらず濾過による汚泥の分離作用があるので、重力濃
縮の困難な汚泥であっても濃縮が可能である。更に、重
力濃縮装置の機能を濾過体により補完するので、同じ処
理量に対して重力濃縮装置を小型化できる。
装置および方法によれば、好気状態を高い制御性で維持
し、燐の放出をおさえることができる。また、重力のみ
によらず濾過による汚泥の分離作用があるので、重力濃
縮の困難な汚泥であっても濃縮が可能である。更に、重
力濃縮装置の機能を濾過体により補完するので、同じ処
理量に対して重力濃縮装置を小型化できる。
【図1】図1は、従来の重力濃縮槽を示す断面図であ
る。
る。
【図2】図2は、本発明の重力濃縮槽を示す断面図であ
る。
る。
【図3】図3は、図2の重力濃縮槽内に浸漬配置した本
発明の濾過体を示す断面図である。
発明の濾過体を示す断面図である。
【図4】図4は、支持材を模式的に示す断面図である。
1…重力濃縮槽 2…投入汚泥 3…清澄域 4…沈降域 5…圧密域 6…越流 7…濃縮汚泥 8…散気管 9…濾過体 91…構造部材 91A…流入口 92…支持材 93…濾過膜 94…流出口 10…排出管
フロントページの続き (71)出願人 000001063 栗田工業株式会社 東京都新宿区西新宿3丁目4番7号 (71)出願人 000006655 新日本製鐵株式会社 東京都千代田区大手町2丁目6番3号 (72)発明者 大同 均 東京都新宿区西新宿二丁目8番1号 東京 都下水道局内 (72)発明者 田島 規行 東京都新宿区西新宿二丁目8番1号 東京 都下水道局内 (72)発明者 長谷川 哲夫 埼玉県熊谷市三ケ尻5200番地 日立金属株 式会社熊谷工場内 (72)発明者 永井 睦郎 埼玉県熊谷市三ケ尻5200番地 日立金属株 式会社熊谷工場内 (72)発明者 岩崎 邦博 東京都新宿区西新宿3丁目4番7号 栗田 工業株式会社内 (72)発明者 松井 謙介 東京都新宿区西新宿3丁目4番7号 栗田 工業株式会社内 (72)発明者 高橋 直哉 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 坂田 守生 東京都千代田区大手町2−6−3 新日本 製鐵株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 汚泥濃縮槽内で自然の重力により汚泥を
沈降・圧密させて濃縮する汚泥濃縮装置において、 該汚泥濃縮槽の下部に曝気手段を配設すると共に、 通水性の支持材で周囲壁の少なくとも一部を構成した中
空状の濾過体を、該汚泥濃縮槽に浸漬配置し、該支持材
上に汚泥及び濁質からなる濾過膜を形成させ、後続槽と
の水頭差により該濾過膜を介して該濾過体内へ分離液を
流入させ且つ該濾過体内から該分離液を引き抜くことを
特徴とする汚泥濃縮装置。 - 【請求項2】 汚泥濃縮槽内で自然の重力により汚泥を
沈降・圧密させて濃縮する汚泥濃縮方法において、 該汚泥濃縮槽の沈降域の下部で曝気を行うと共に、 通水性の支持材で周囲壁の少なくとも一部を構成した中
空状の濾過体を、該汚泥濃縮槽に浸漬配置し、該支持材
上に汚泥の堆積により濾過膜を形成させ、後続槽との水
頭差により該濾過膜を介して該濾過体内へ分離液を流入
させ且つ該濾過体内から該分離液を引き抜くことを特徴
とする汚泥濃縮方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8288554A JPH10128399A (ja) | 1996-10-30 | 1996-10-30 | 汚泥濃縮装置および方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8288554A JPH10128399A (ja) | 1996-10-30 | 1996-10-30 | 汚泥濃縮装置および方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10128399A true JPH10128399A (ja) | 1998-05-19 |
Family
ID=17731756
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8288554A Pending JPH10128399A (ja) | 1996-10-30 | 1996-10-30 | 汚泥濃縮装置および方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10128399A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10217418A1 (de) * | 2002-04-18 | 2003-11-13 | Fraunhofer Ges Forschung | Klärschlammbehälter mit einer Einrichtung zur Schlammvorentwässerung |
-
1996
- 1996-10-30 JP JP8288554A patent/JPH10128399A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10217418A1 (de) * | 2002-04-18 | 2003-11-13 | Fraunhofer Ges Forschung | Klärschlammbehälter mit einer Einrichtung zur Schlammvorentwässerung |
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