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JPH1010301A - フォトクロミックプラスチックレンズ及びその製造方法 - Google Patents

フォトクロミックプラスチックレンズ及びその製造方法

Info

Publication number
JPH1010301A
JPH1010301A JP9040979A JP4097997A JPH1010301A JP H1010301 A JPH1010301 A JP H1010301A JP 9040979 A JP9040979 A JP 9040979A JP 4097997 A JP4097997 A JP 4097997A JP H1010301 A JPH1010301 A JP H1010301A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plastic lens
photochromic
lens substrate
photochromic substance
substance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9040979A
Other languages
English (en)
Inventor
Ichirou Ono
五千郎 小野
Koji Yamazaki
浩二 山崎
Hiroko Kawamura
裕子 川村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP9040979A priority Critical patent/JPH1010301A/ja
Publication of JPH1010301A publication Critical patent/JPH1010301A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フォトクロミックプラスチックレンズの製造
を容易にする。 【解決手段】 本願発明では、プラスチックレンズ基材
の表面に真空蒸着法によりフォトクロミック物質を付着
させる工程と、前記フォトクロミック物質が付着した前
記プラスチックレンズ基材を加熱し前記プラスチックレ
ンズ基材表面の内部に前記フォトクロミック物質を浸透
させる工程でフォトクロミックプラスチックレンズを製
造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、フォトクロミッ
クプラスチックレンズ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックレンズは成形が容易なこ
と、軽くて割れにくいこと、染色により容易に着色が可
能であること等の特徴を持つことから、近年、光学レン
ズ、特に眼鏡用レンズとして広く用いられている。最
近、眼鏡用レンズは、フォトクロミック性能を有するも
のの検討が進められてきている。しかし、これまでのプ
ラスチックレンズを用いたレンズでは着色濃度、着色速
度、退色速度、調光性能の耐久性等といったフォトクロ
ミック性能に係わる機能面においては、無機ガラスレン
ズを用いたものに比べると問題にならないほど劣ってい
た。
【0003】従来、プラスチックレンズにフォトクロミ
ック性能を付与する方法としては次のようなものが考え
られている。 フォトクロミック化合物(以下、フォトクロミック物
質)をプラスチックレンズ基材となる粉末または粒状の
材料と混ぜ合わせた後、溶融混練する方法、フォトク
ロミック物質をプラスチックレンズ基材となる液状のプ
ラスチック材料のモノマー中に分散溶解した後に重合さ
せる方法、フォトクロミック物質を適当な溶剤中に分
散させた後に硬化したプラスチックレンズ基材に含浸さ
せる方法、フォトクロミック物質を適当なポリマーお
よび/またはモノマー、必要に応じて溶剤を含んだ溶液
中に分散溶解させた後、無機ガラス、プラスチック等の
各種基材表面にコーティングし、乾燥および/または硬
化させる方法、フォトクロミック物質を適当な溶媒中
に分散させた後にプラスチックレンズ基材上に塗布し、
次いで加熱してフォトクロミック物質をプラスチックレ
ンズ基材中に浸透させる方法等である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た従来の、の方法では、視力矯正用眼鏡プラスチッ
クレンズを製造する場合には適した方法ではない。その
理由は以下のようである。前記、の方法で形成され
たフォトクロミックプラスチックレンズは、レンズ中に
フォトクロミック物質が均一に分散した状態で硬化して
いる。一般に眼鏡レンズは、中心部と外周部の厚みが異
なるため、基材の厚みに比例して必ず濃度勾配が生じて
しまい、均一な濃度のレンズが得られないのである。
【0005】また前記、の方法では、フォトクロミ
ック物質を分散させるための溶剤あるいは溶媒を用いる
が、プラスチックレンズ基材表面を侵さない種類の溶剤
や溶媒を選択しなければならないという制約がある。更
に前記の方法では、プラスチックレンズ基材表面にコ
ーティング可能なポリマーやモノマー、フォトクロミッ
ク物質の種類が限られてしまう。また、着色させたい色
ごとにコーティング液をあらかじめ用意しておかなけれ
ばならず、生産性が非常に悪くなるという欠点がある。
【0006】さらに前記の方法でも、フォトクロミッ
ク物質や溶媒の種類には制限があり、プラスチックレン
ズ基材を侵さないものでなければならないという欠点が
あった。また染色レンズのようなフォトクロミックプラ
スチックレンズ以外の製造においては、レンズ基材を加
熱し、加熱されたレンズ表面に抵抗加熱により昇華性染
料を加熱蒸発させ、これを真空中で飛ばし加熱されたレ
ンズ表面へ付着、浸透させる方法が知られている。しか
しこのような染色レンズの製造方法では、染料の付着確
率が悪く、ほとんどがベルジャー内の周辺部に付着して
しまうという問題があった。更にこの方法では、真空中
で昇華性染料をプラスチックレンズ基材表面に付着さ
せ、これを真空中で加熱することにより基材内部へ浸透
させるために、プロセスとしてはかなり時間がかかり、
しかも濃い濃度の着色レンズの製造には向いていないと
いう欠点があった。
【0007】また、従来のフォトクロミックプラスチッ
クレンズの製造方法では、レンズ基材表面の全面が変退
色するフォトクロミックレンズしか得ることができなか
った。更に従来の製造方法では2色以上、特に3色以上
のフォトクロミックプラスチックレンズを得ることは困
難であった。更にフォトクロミックプラスチックレンズ
はその性能上屋外で使用されることが多く、様々な環境
に耐え得るレンズを製造しなければならない。特にプラ
スチックレンズ基材表面の内部にフォトクロミック物質
の浸透領域が存在する場合、耐擦傷性、耐衝撃性、密着
性、防汚性などの耐久性をより向上させる必要がある。
更にフォトクロミックプラスチックレンズの特性である
調光スピード等のフォトクロミック性能も向上させる必
要がある。更にこれら様々な性質を有するフォトクロミ
ックプラスチックレンズは、容易にまた低コストで製造
しなければならない。
【0008】そこで、本願発明は上記のような問題点を
解決し、高耐久性、高フォトクロミック性能のフォトク
ロミックプラスチックレンズを低コスト、高生産性で製
造することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願発明は、上記課題を
解決するために、プラスチックレンズ基材表面にフォト
クロミック物質を真空蒸着法により付着させ、その後こ
のフォトクロミック物質が表面に付着したプラスチック
レンズ基材を加熱することによりフォトクロミック物質
を基材表面に浸透させる。このような方法で形成された
フォトクロミックプラスチックレンズは、基材表面にフ
ォトクロミック物質が浸透した領域が存在するものであ
る。
【0010】そこで本願発明は第1に「プラスチックレ
ンズ基材の表面に真空蒸着法によりフォトクロミック物
質を付着させる工程と、前記フォトクロミック物質が付
着した前記プラスチックレンズ基材を加熱し前記プラス
チックレンズ基材表面の内部に前記フォトクロミック物
質を浸透させる工程からなることを特徴とするフォトク
ロミックプラスチックレンズの製造方法(請求項1)を
提供する。また「紫外線が照射されることにより重合が
開始する重合開始剤を含んだモノマーを成形型に注入す
る工程と、前記成形型に注入された前記モノマーに紫外
線を照射し硬化させプラスチックレンズ基材を成形する
工程と、前記プラスチックレンズ基材の表面に真空蒸着
法によりフォトクロミック物質を付着させる工程と、前
記フォトクロミック物質が付着した前記プラスチックレ
ンズ基材を加熱し前記プラスチックレンズ基材表面の内
部に前記フォトクロミック物質を浸透させる工程からな
ることを特徴とするフォトクロミックプラスチックレン
ズの製造方法(請求項2)」を提供する。また「紫外線
が照射されることにより重合が開始する重合開始剤およ
び熱により重合が開始する重合開始剤を含んだモノマー
を成形型に注入する工程と、前記モノマーへの紫外線の
照射と加熱により前記モノマーを重合、硬化させプラス
チックレンズ基材を成形する工程と、前記プラスチック
レンズ基材の表面に真空蒸着法によりフォトクロミック
物質を付着させる工程と、前記フォトクロミック物質が
付着した前記プラスチックレンズ基材を加熱し前記プラ
スチックレンズ基材表面の内部に前記フォトクロミック
物質を浸透させる工程からなることを特徴とするフォト
クロミックプラスチックレンズの製造方法(請求項
3)」を提供する。また「プラスチックレンズ基材の表
面に真空蒸着法により付着されたフォトクロミック物質
を加熱することにより前記プラスチックレンズ基材表面
の内部に前記フォトクロミック物質が浸透された浸透領
域が存在していることを特徴とするフォトクロミックプ
ラスチックレンズ(請求項4)」を提供する。また「フ
ォトクロミックプラスチックレンズを正面から見たとき
にフォトクロミック物質の付着量に勾配が生じるように
前記付着量を制御しながら前記プラスチックレンズ基材
の表面に真空蒸着法により前記フォトクロミック物質を
付着させる工程と、前記フォトクロミック物質が付着し
た前記プラスチックレンズ基材を加熱し、前記プラスチ
ックレンズ基材表面の内部に前記フォトクロミック物質
の付着量に比例した量の前記フォトクロミック物質を浸
透させる工程からなることを特徴とするフォトクロミッ
クプラスチックレンズの製造方法(請求項5)」を提供
する。また「プラスチックレンズ基材の表面に真空蒸着
法によりフォトクロミック物質を付着させる工程と、前
記フォトクロミック物質が付着した前記プラスチックレ
ンズ基材の表面に対して加熱量に勾配が生じるように前
記加熱量を制御しながら加熱し前記プラスチックレンズ
基材表面の内部に前記加熱量に比例した量の前記フォト
クロミック物質を浸透させる工程からなることを特徴と
するフォトクロミックプラスチックレンズの製造方法
(請求項6)」を提供する。また「プラスチックレンズ
基材の表面に真空蒸着法により付着されたフォトクロミ
ック物質を加熱することにより前記プラスチックレンズ
基材表面の内部に前記フォトクロミック物質が浸透され
た浸透領域が存在し、前記浸透領域は前記フォトクロミ
ック物質の浸透量の勾配を有していることを特徴とする
フォトクロミックプラスチックレンズ(請求項7)」を
提供する。また「プラスチックレンズ基材の表面の一部
(領域A)に真空蒸着法により第1のフォトクロミック
物質を付着させる工程と、前記第1のフォトクロミック
物質とは異なる色の第2のフォトクロミック物質を前記
領域Aへの付着を遮断して前記領域A以外の領域に真空
蒸着法により前記第2のフォトクロミック物質を付着さ
せる工程と、前記第1及び第2のフォトクロミック物質
が付着したプラスチックレンズ基材を加熱し、前記第1
及び第2のフォトクロミック物質を前記プラスチックレ
ンズ基材表面の内部に浸透させる工程からなることを特
徴とするフォトクロミックプラスチックレンズの製造方
法(請求項8)」を提供する。また「プラスチックレン
ズ基材表面の内部の異なる領域に真空蒸着法により付着
された各々異なるフォトクロミック物質を加熱すること
により前記異なるフォトクロミック物質が浸透された浸
透領域が存在していることを特徴とするフォトクロミッ
クプラスチックレンズ(請求項8)」を提供する。また
「プラスチックレンズ基材表面の内部の異なる領域に真
空蒸着法により付着された各々異なるフォトクロミック
物質を加熱することにより前記異なるフォトクロミック
物質が浸透された浸透領域が存在していることを特徴と
するフォトクロミックプラスチックレンズ(請求項
9)」を提供する。また「プラスチックレンズ基材の表
面に真空蒸着法によりフォトクロミック物質を付着させ
る工程と、前記フォトクロミック物質が付着した前記プ
ラスチックレンズ基材を加熱し前記プラスチックレンズ
基材表面の内部に前記フォトクロミック物質を浸透させ
る工程と、前記フォトクロミック物質が基材表面の内部
に浸透した前記プラスチックレンズ基材の上にCVD法
によりハードコート層を形成する工程からなることを特
徴とするフォトクロミックプラスチックレンズの製造方
法(請求項10)」を提供する。また「プラスチックレ
ンズ基材の表面に真空蒸着法により付着されたフォトク
ロミック物質を加熱することにより前記プラスチックレ
ンズ基材表面の内部に前記フォトクロミック物質が浸透
された浸透領域が存在している前記プラスチックレンズ
基材上にCVD法により形成されたハードコート層を有
することを特徴とするフォトクロミックプラスチックレ
ンズ(請求項11)」を提供する。また「プラスチック
レンズ基材の表面に真空蒸着法によりフォトクロミック
物質を付着させる工程と、前記フォトクロミック物質が
付着した前記プラスチックレンズ基材を加熱し前記プラ
スチックレンズ基材表面の内部に前記フォトクロミック
物質を浸透させる工程と、前記フォトクロミック物質が
基材表面の内部に浸透した前記プラスチックレンズ基材
の上にCVD法により厚さ方向に向かって屈折率が変化
している変性層を形成する工程と、前記変性層上にCV
D法によりハードコート層を形成する工程からなること
を特徴とするフォトクロミックプラスチックレンズの製
造方法(請求項12)」を提供する。また「プラスチッ
クレンズ基材の表面に真空蒸着法によりフォトクロミッ
ク物質を付着させる工程と、前記フォトクロミック物質
が付着した前記プラスチックレンズ基材を加熱し前記プ
ラスチックレンズ基材表面の内部に前記フォトクロミッ
ク物質を浸透させる工程と、前記フォトクロミック物質
が基材表面の内部に浸透した前記プラスチックレンズ基
材上にCVD法により形成された厚さ方向に向かって屈
折率が変化している変性層を有し、前記変性層上にCV
D法により形成されたハードコート層を有することを特
徴とするフォトクロミックプラスチックレンズ(請求項
13)」を提供する。また「前記ハードコート層がSi
を含む有機化合物ガスと酸素ガスとの混合ガスを用い、
プラズマを用いた化学気相成長法により形成されるもの
であることを特徴とする請求項10、11、12、13
記載のフォトクロミックプラスチックレンズ及びフォト
クロミックプラスチックレンズの製造方法(請求項1
4)」を提供する。また「前記変性層がSiを含む有機
化合物ガスおよびTiを含む有機化合物ガスの少なくと
も一方を用い、プラズマを用いた気相成長法により形成
されるものであることを特徴とする請求項12、13記
載のフォトクロミックプラスチックレンズ及びフォトク
ロミックプラスチックレンズの製造方法(請求項1
5)」を提供する。また「前記ハードコート層の膜厚が
前記変性層よりも相対的に厚いことを特徴とする請求項
12、13記載のフォトクロミックプラスチックレンズ
及びフォトクロミックプラスチックレンズの製造方法
(請求項16)」を提供する。また「前記ハードコート
層の屈折率がほぼ一定であることを特徴とする請求項1
0、11、12、13、14記載のフォトクロミックプ
ラスチックレンズ及びフォトクロミックプラスチックレ
ンズの製造方法(請求項17)」を提供する。また「プ
ラスチックレンズ基材の表面に真空蒸着法によりフォト
クロミック物質を付着させる工程と、前記フォトクロミ
ック物質が付着した前記プラスチックレンズ基材を加熱
し前記プラスチックレンズ基材表面の内部に前記フォト
クロミック物質を浸透させる工程と、前記フォトクロミ
ック物質が基材表面の内部に浸透した前記プラスチック
レンズ基材の上にウレタン系樹脂または架橋されたポリ
ビニルアセタール樹脂を主成分とする化合物を塗布しプ
ライマー層を形成する工程からなることを特徴とするフ
ォトクロミックプラスチックレンズの製造方法(請求項
18)」を提供する。また「プラスチックレンズ基材の
表面に真空蒸着法により付着されたフォトクロミック物
質を加熱することにより前記プラスチックレンズ基材表
面の内部に前記フォトクロミック物質が浸透された浸透
領域が存在している前記プラスチックレンズ基材上にウ
レタン系樹脂または架橋されたポリビニルアセタール樹
脂からなるプライマー層を有することを特徴とするフォ
トクロミックプラスチックレンズ(請求項19)」を提
供する。また「前記ウレタン系樹脂が、アルキレングリ
コール類、ポリアルキレングリコール類、ポリ(アルキ
レンアジペート)類、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリ
ブタジエングリコール類、ポリ−(アルキレンカーボネ
ート)類又はシリコンポリオールから選ばれる活性水素
含有化合物とポリイソシアネートとのウレタン溶液から
得られる樹脂であることを特徴とする請求項18、19
記載のフォトクロミックプラスチックレンズ及びフォト
クロミックプラスチックレンズの製造方法(請求項2
0)」を提供する。また「前記ポリビニルアセタール樹
脂が、下記で表される化合物を主成分としてなることを
特徴とする請求項18、19記載のフォトクロミックプ
ラスチックレンズ及びフォトクロミックプラスチックレ
ンズの製造方法。
【0011】少なくとも、一般式中のアセタール基を有
する構成単位の分率(a)(分率とは特定の構成単位の
重合体中の総構成単位数に対する割合である)が10〜9
0、OH基を有する構成単位数の分率(b)が10〜90で
あり、またa+b≦100 である重合体(A)と、(B)
一般式(II)
【0012】
【化1】
【0013】(II) (ただし、式中、R2 、R3 は置換もしくは非置換の炭
素数1〜8の炭化水素基であり、X1 は加水分解物基で
あり、d、eは0から3までの整数である)で表される
加水分解性オルガノシラン化合物もしくはその加水分解
物、又は一般式(III)
【0014】
【化2】
【0015】(III) (ただし、式中、R4 は炭素数2〜8の有機基であり、
5 、R6 は置換もしくは非置換の炭素数1〜8の炭化
水素基であり、X2 は加水分解物基であり、f、gは0
から2までの整数である)で表される加水分解性オルガ
ノシラン化合物もしくはその加水分解物、又は一般式
(IV)
【0016】
【化3】 (IV) (ただし、式中、R7 は置換もしくは非置換の炭素数1
〜6の炭化水素基である)で表されるジアルデヒド化合
物若しくはグリオキサール又は一般式(V)
【0017】
【化4】 (V) (ただし、式中、R8 は置換もしくは非置換の炭素数1
〜6の炭化水素基であり、R9 は炭素数1〜4の飽和炭
化水素基である)で表されるジアルデヒドのアセタール
化合物、の中から選択される少なくとも1種類の架橋剤
と、(C)有機溶媒及び水とからなるプライマー組成物
であって、前記(A)成分の含有率は1〜30重量%で
あり、(B)成分である架橋剤の含有率は0.01〜3
0重量%である(請求項21)」を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】本願発明に関わるフォトクロミッ
ク物質としては、一般的にフォトクロミックプラスチッ
クレンズに用いられるクロメン系、スピロオキサジン
系、スピロナフトオキサジン系、スピロピラン系、ナフ
トピラン系、フルギド系、フルギミド系、ビオローゲン
系、トリアリールメタン系、ジアリールエテン系、ジア
ゾ系が挙げられる。
【0019】例えば、本願発明に使用することのできる
フォトクロミック物質としては、着色機構が次式
【0020】
【化5】
【0021】で表されるスピロピラン系やスピロオキサ
ジン系物質が例示される。実際のフォトクロミック物質
は、種々の置換基が導入されたり、骨格構造が多少異な
る誘導体が含まれる。例えば、次式は、スピロオキサジ
ン系誘導体の各種のものを例示したものである。
【0022】
【化6】
【0023】また、次式
【0024】
【化7】
【0025】
【化8】
【0026】で表されるフルギミド系物質やクロメン系
物質も例示される。 次式
【0027】
【化9】
【0028】で表されるナフトピラン系の各種の誘導体
もこの発明に使用できるフォトクロミック物質として例
示される。これらのフォトクロミック物質の真空蒸着
は、通常真空排気度を5×10-5torr以下とし、フ
ォトクロミック物質をるつぼに入れた状態でヒーター加
熱して蒸着する。本願発明においてフォトクロミック材
料の加熱温度は100 〜200 度である。真空蒸着方法につ
いては、従来周知の手法、あるいはその改良に係わる適
宜な手法を採用することができる。たとえば、真空中で
フォトクロミック物質を抵抗加熱し、その上部に位置す
るプラスチックレンズ基材表面に飛散したフォトクロミ
ック物質を付着させる。このように真空蒸着法によりフ
ォトクロミック物質が付着したプラスチックレンズ基材
を、加熱処理する。これにより、プラスチックレンズ基
材表面にフォトクロミック物質が浸透し、所望のフォト
クロミック性能を持つプラスチックレンズが製造され
る。
【0029】上記のフォトクロミック物質が表面に付着
したプラスチックレンズ基材の加熱処理は大気中または
不活性ガス雰囲気中、大気圧下で行ってよく、この点も
この発明の実際上の重要な特徴である。もちろん、所望
によっては、減圧条件を採用してもよい。また、この加
熱は、フォトクロミック物質のプラスチックレンズ基材
表面への真空蒸着と共に行うことは好ましくない。蒸着
後のフォトクロミック物質が付着したプラスチックレン
ズ基材の加熱は、100 〜200 ℃程度において、約0.5 〜
数時間行う。なお加熱は電磁波、あるいは熱風、水、油
等の熱媒体を適宜用いることができる。
【0030】本願発明によれば、モノマーにフォトクロ
物質を練り込む方法と比較して、フォトクロ物質の使用
量が約10分の1から20分の1で済み、かなりのコス
トダウンになる。また、プラスチックレンズ基材となる
モノマーにフォトクロミック物質を予め混合させておく
方法では、同じ色のレンズを大量に製造するために、1
〜2色のフォトクロミックレンズの製造が限度であった
が、本願発明はバッチ処理であるため、バッチ毎に色に
合ったフォトクロミック物質を秤量することによって、
いろいろな色のフォトクロミックレンズの製造が可能と
なる。
【0031】更に本願発明では、溶媒を用いないために
従来の溶媒分散による方法のように、溶媒選択性の問題
や、溶媒の処理にともなう製造工程上の問題もない。更
に、前記した昇華性染料を用いた真空蒸着法による着色
レンズの製造方法のように染料を基材に付着させると共
にプラスチック基材を加熱することがないので、真空ベ
ルジャー内周辺部への染料の付着や、長時間の工程とな
ること、濃度の調整が必ずしも容易でない等の問題はな
く、再現性良く、安価に、高い生産性で均一着色可能な
フォトクロミックプラスチックレンズを得ることができ
る。
【0032】また、フォトクロミック物質の浸透性、調
光スピード等のフォトクロミック性能を考慮すると、フ
ォトクロミック物質がレンズ基材の表面から内部に容易
に入り込み、かつ自由に動ける体積を有する材料を用い
ることが望ましい。そのためにフォトクロミック物質が
浸透し易い樹脂膜を基材表面にコーティングすることも
効果的である。このフォトクロミック物質が浸透可能な
樹脂膜としては、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂、UV硬
化性樹脂等が好ましい。具体的な材料を例示すると、ポ
リアミド樹脂、フェノール樹脂、ブチラール樹脂、メラ
ミン樹脂、ポリビニルアルコール、セルロース樹脂、ア
ルキド、アクリル、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリ
エステル樹脂、シリコン樹脂等の樹脂が挙げられる。こ
れらの樹脂は、1種のみ、数種の混合、共重合体として
使用することも可能である。これらの樹脂は、耐衝撃
性、密着性を向上させるプライマー層として機能する。
樹脂膜の膜厚は、約0.5 〜2μm程度とすることが好ま
しい。また、樹脂膜をプラスチックレンズ基材表面に形
成する場合は、使用するフォトクロミック物質の種類と
基材材料との組み合わせ、膜厚を適宜選択することが好
ましい。
【0033】本願発明において使用されるプラスチック
レンズ基材は、従来知られているものをはじめ各種のも
の、例えばポリメチルメタクリレートおよびその共重合
体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリカーボ
ネート、セルロースアセテート、ポリ塩化ビニル、ポリ
エチレンテレフタレート、エポキシ樹脂、不飽和ポリエ
ステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ジエチレングリコール
ビスアリルカーボネートポリマー等からなるプラスチッ
クレンズ成形物が例示される。
【0034】また紫外線硬化型樹脂または紫外線硬化性
と熱硬化性の両者を兼ね備えた樹脂を用いることも可能
である。紫外線硬化型樹脂からなる硬化物は、硬化後の
分子間の空隙が熱硬化性樹脂からなる硬化物よりも大き
く、そのためフォトクロミック物質が浸透し易くより構
造変化もし易いためフォトクロミック性能がより優れた
ものになる。
【0035】本願発明に用いる紫外線硬化樹脂としては
以下に挙げる紫外線照射により重合する紫外線硬化樹脂
が使用される。但し、前記のごとく紫外線硬化と熱硬化
の併用でも構わない。この場合、紫外線により重合を開
始する重合開始剤と熱により重合を開始する重合開始剤
をモノマーに添加する。紫外線重合反応系としては、紫
外線照射によってラジカルを発生する光重合ラジカル開
始剤と、ラジカル重合するモノマーあるいはオリゴマー
やプレポリマーが必要であり、この他に増感剤,貯蔵安
定剤,重合禁止剤や目的に応じたポリマーや色材などを
配合してもよい。また、光カチオン重合系も適宜利用さ
れている。
【0036】光ラジカル開始材としては、特に限定され
るものではなく公知のものが使用でき、代表的なものを
以下に示すと、ビアセチル、アセトフェノン、ベンゾフ
ェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベン
ゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケター
ル、テトラメチルチウラムスルフィド、アゾビスイソブ
チルニトリル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェノ
ン、メチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパ
ーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、クメンハイ
ドロパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパー
オキシイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルパーオキシ
イソプロピルカーボネート、ベンゾイルパーオキサイ
ド、ジ(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、t−
ブチルパーオキシベンゾエート、3,3’,4,4’−
テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェ
ノンなどが挙げられる。
【0037】また光ラジカル種が効率よく硬化をおこす
ために、ラジカル重合性のオリゴマーが用いられ、また
粘度を調整する目的で重合性モノマーが適宜添加され
る。光重合オリゴマーの種類は究めて多彩であるが、不
飽和ポリエステル/スチレン系、エポキシ/ルイス酸
系、ポリエン/チオール系およびアクリル酸エステルな
どがある。また、不飽和ポリエステル以外には重合性の
単位としてはアクリル基が多用されている。アクリル系
のオリゴマーとしては、その基本構造によりポリエステ
ルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、エポキシ
アクリレート、ポリエーテルアクリレート、オリゴアク
リレート、アルキッドアクリレート、ポリオールアクリ
レート、に大別されているが、希釈モノマーも含めたこ
れら素材の選択が可能である。この中で重要なものは、
ポリエステル、エポキシ、ウレタン、ポリオール各アク
リレートである。主な光重合性モノマーを挙げると、単
官能:ラウリルアクリレート、2−エチルヘキシルアク
リレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート、1,6−ヘキサンジオ
ールモノアクリレート、ジシクロペンタジエンアクリレ
ート等が挙げられる。また、2官能:1,3ブタンジオ
ールジアクリレート、1,4ブタンジオールジアクリレ
ート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、ジエチ
レングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコ
ールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリ
レート、ポリエチレングリコール400ジアクリレー
ト、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコ
ールジアクリレートが挙げられる。更に3官能以上:ト
リメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリス
リトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘ
キサアクリレートが挙げられる。
【0038】増感剤としては、アミン、尿素、イオウ化
合物、ニトリル、リン化合物、その他の窒素化合物、塩
素化合物が挙げられる。貯蔵安定剤としては、第4級ア
ンモニウムクロライド、ジエチルヒドロキシアミン、環
状アミド、ニトリル化合物、置換尿素、ベンゾチアゾー
ル、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテ
ル、乳酸、シュウ酸、安息香酸などの有機酸が挙げられ
る。
【0039】本願発明によれば基材内部へのフォトクロ
ミック物質の浸透量を制御することが容易にできるため
に色の濃度を様々に変化でせることができる。本願発明
では、レンズ基材表面にフォトクロミック物質を付着さ
せた後にフォトクロミック物質が付着したレンズ基材を
加熱し、フォトクロミック物質を基材表面内部に浸透さ
せるので、加熱量を制御することでレンズ基材内部への
浸透量の制御を容易に行うことができる。例えば、真空
蒸着法によりフォトクロミック物質をレンズ基材の表面
全面に均一に付着させた後のレンズ基材の加熱工程にお
いて、加熱によりフォトクロミック物質を基材の表面内
部に浸透させる際、レンズ基材表面に熱勾配、つまりレ
ンズ基材表面の被加熱量の制御を行うことにより、グラ
デーション状にフォトクロミック物質を浸透させること
が可能である。
【0040】また加熱時間を制御することでフォトクロ
ミック物質の浸透量を制御し、グラデーション状にフォ
トクロミック物質を浸透させることが可能である。つま
り、被加熱時間の多い領域ではフォトクロミック物質が
相対的に多く浸透し、少ない領域ではフォトクロミック
物質が相対的に少なく浸透することにより、グラデーシ
ョン状にフォトクロミック物質を浸透させることが可能
となる。
【0041】加熱源としては、赤外線、電磁波、熱風、
加熱水、加熱油などの熱媒体などが用いられるがこれに
限られるものではない。また、フォトクロミック物質の
付着量を制御することでもグラデーション状のフォトク
ロミックプラスチックレンズを製造することも可能であ
る。付着量の制御方法としては、真空蒸着装置のチャン
バー内の上部にレンズ基材を設置し、レンズ下部近傍、
または蒸発源近傍の上部に遮蔽板を設置し、モーター等
の駆動機構を使用して徐々に動かす。これにより、レン
ズ基材表面へのフォトクロミック物質の付着量が制御さ
れ、フォトクロミック物質がグラデーション状に付着す
ることになる。そして、このプラスチックレンズ基材を
加熱することによって、レンズ基材表面にフォトクロミ
ック物質が浸透するわけであるが、加熱するプラスチッ
クレンズ基材は、フォトクロミック物質の付着量に勾配
が生じたものであるので、フォトクロミック物質の付着
量に比例して基材表面内部への浸透量に勾配が生じるこ
とになる。このように本願発明によれば、容易に濃度勾
配を有するフォトクロミックプラスチックレンズが得ら
れる。
【0042】また耐擦傷性を向上させるために、ハード
コート層を形成することが有効である。ハードコート層
としては有機ケイ素化合物を主成分とする液状高分子
(ハードコート液)をフォトクロミックプラスチックレ
ンズの表面に塗布することが可能である。特に、下記一
般式で表わされる有機ケイ素化合物またはその加水分解
物が好ましい。
【0043】一般式:R1 a2 bSi(OR34-(a+b) (但し、式中、R1 は、官能基又は不飽和2重結合を有
する炭素数4〜14の機基であり、R2 は、炭素数1〜
6の炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基でり、R3
炭素数1〜4のアルキル基、アルコキシアルキル基又は
アシル基あり、a及びbは、それぞれ0又は1であり、
かつa+bは、1又は2である。) 前記一般式の化合
物のうち、R1 が官能基としてエポキシ基を有するもの
ついて言うと、例えば、次のものが使用される。
【0044】これらはエポキシ基を有するのでエポキシ
シランとも呼ばれる。エポキシシランの具体例として
は、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシエトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリアセトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキ
シシランなどが挙げられる。
【0045】また、前記一般式の化合物のうち、R1
官能基としてエポキシ基を有すもの以外(a=0のもの
を含む)の例としては、例えば次のものが使用される。
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラ
ン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキ
シエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、アミノメチルトリメトキシシラン、3−
アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、
フェニルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリ
メトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシ
シラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキ
シシランなどの各種トリアルコキシシラン、トリアシロ
キシシランあるいはトリアルコキシアルコキシシラン化
合物。
【0046】以上に挙げた前記一般式の例示化合物は、
いずれもSi原子に結合するOR3基が3個ある(a+
b=1)3官能の例であるが、OR3 基が2個ある(b
=2)2官能の相当する化合物ももちろん使用すること
ができる。2官能の相当する化合物の例としては、ジメ
チルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、
メチルフェニルジメトキシシラン、メチルビニルジメト
キシシラン、ジメチルジエトキシシランなどがある。
【0047】前記一般式の化合物は、1種類で使用して
もよいが、目的に応じて2種類以上を混合して使用して
もよい。特に、2官能の化合物を使用するときには、3
官能の化合物と併用することが好ましい。併用した場合
には、平均で2>a+b>1となる。更に、a+b=0
の4官能の相当する化合物を併用することも可能であ
る。4官能の相当する化合物の例としては、メチルシリ
ケート、エチルシリケート、イソプロピルシリケート、
n−プロピルシリケート、n−ブチルシリケート、t−
ブチルシリケート、sec−ブチルシリケートなどが挙
げられる。
【0048】前記一般式の化合物は、そのまま使用して
もよいが、反応速度を増し、硬化温度を下げる目的で加
水分解物として使用することが望ましい。2〜4官能の
化合物の中で同一官能数の化合物を2種以上を併用する
場合、或いは異なる官能数の化合物を2種以上を併用す
る場合、加水分解後に併用してもよいし、加水分解前に
併用して共加水分解を行なってもよい。加水分解により
HOR3 なるアルールが遊離され、前記一般式の化合物
は、相当するシラノールになる。シラノールは、速やか
に脱水縮合が進み、オリゴマーになる。従って、この反
応が十分に進むように、加水分解後、1〜24時間放置
(養生)させてもよい。
【0049】これら組成物を使用した場合、硬度の向
上、干渉縞の発生防止、帯電防止性能を更に付与するた
めにゾルを添加することも可能である。また、塗布時に
おける流れ性を向上し、硬化膜の平滑性を向上するため
に、例えば、水、低級アルコール、アセトン、エーテ
ル、ケトン、エステルなど各種の溶媒を使用することが
可能である。
【0050】ハードコート層には微粒子状無機酸化物を
混入することが可能である。無機酸化物を混入すること
により、屈折率の調整や硬度の調整を行うことが可能と
なる。ゾルとしては、例えば、酸化亜鉛、酸化ケイ素、
酸化アルミニウム、酸化チタニウム、酸化ジルコニウ
ム、酸化スズ、酸化ベリリウム、酸化アンチモン、酸化
タングステン、酸化セリウム、酸化スズ、酸化タングス
テンの微粒子が使用可能である。また、これらの微粒子
は、単独で使用するだけでなく、必要に応じて2種類以
上を混合または複合状態で使用することも可能である。
例えば、酸化スズ微粒子を核として、これを酸化タング
ステンと酸化スズの複合形態の微粒子で被覆した変性状
態のものも使用可能である。このような変性状態にした
ものは溶媒中で凝集せず、良好な分散状態を形成する。
このような変性状態の微粒子自身は、特開平3−217
230号公報に詳細に記載されているように公知であ
る。
【0051】特に、酸化チタニウム、酸化アンチモン、
酸化タングステン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、
酸化スズを使用した場合には、組成物の屈折率を高くす
ることができる。微粒子の分散媒としては、水、アルコ
ールその他の有機溶媒が使用され、有機アミンその他の
安定剤を添加することが好ましい。
【0052】微粒子の粒子径は、1〜200mμ、特に
5〜100mμのものが好ましい。これより小さいと製
造が困難であり、微粒子自身の安定性も悪く、かつ効果
も小さい。これより大きいと、コーティング組成物の安
定性、塗膜の透明性、平滑性などが低下する。このよう
なゾルは、一部市販品として入手可能である。以上の成
分の他に、更に必要に応じて各種添加剤を併用してもよ
い。添加剤をもちいることにより、例えば塗布される側
の基材(成形物)との接着性改良を目的として、或い
は、コーティング組成物の安定性を向上させることが可
能となる。
【0053】添加剤の例としては、pH調節剤、粘度調
節剤、レベリング剤、つや消し剤、安定剤、紫外線吸収
剤、酸化防止剤等がある。塗布時におけるフローを向上
させ、塗膜の平滑性を向上させて塗膜表面の摩擦係数を
低下させる目的で、各種の界面活性剤をコーティング組
成物に併用することも可能である。特にジメチルシロキ
サンとアルキレンオキシドとのブロックまたはグラフト
共重合体、更にはフッ素系界面活性剤などが有効であ
る。
【0054】その塗布方法は、刷毛塗り、浸漬、ロール
塗り、スプレー塗装、流し塗り等、通常の塗布法を用い
ることができる。この際、塗布条件は、主としてビヒク
ルの性質によって決定される。反応を促進し、低温で硬
化させるために、下記のような硬化触媒を用いることが
できる。
【0055】硬化触媒は、ビヒクル成分を重合させて3
次元網目構造の塗膜を形成させる上で時間を短縮させる
ために、必要に応じて使用されるもの(但し、コーティ
ング組成物の安定性を損なうものは好ましくない)であ
り、例えば、次のようなものが使用される。 (1)アミン類:モノエタノールアミン、ジエタノール
アミン、イソプロパノールアミン、エチレンジアミン、
イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、モルホリ
ン、トリエタノールアミン、ジアミノプロパン、アミノ
エチルエタノールアミン、ジシアンジアミド、トリエチ
レンジアミン、2−エチル−4−メチルイミダゾール。
【0056】(2)各種金属錯化合物: 一般式:AlXn 3-n (但し、式中、XはOL(Lは低級アルキル基)、Yは
一般式M1 COCH2 OM2 (M1 、M2 は低級アルキ
ル基)及びM1 COCH2 COOM2る配位子から選ば
れる少くとも1つで、nは0又は1又は2である)で示
されるアルミニウムキレート化合物。
【0057】特に有用なキレート化合物としては、溶解
性、安定性、触媒硬化の観点から、アルミニウムアセチ
ルアセトネート、アルミニウムビスエチルアセトアセテ
ートモノアセチルアセトネート、アルミニウム−ジ−n
−ブトキシド−モノエチルアセトアセテート、アルミニ
ウム−ジ−iso−プロポキシド−モノメチルアセトア
セテートなどである。
【0058】その外、クロムアセチルアセトネート、チ
タニルアセチルアセトネート、コバルトアセチルアセト
ネート、鉄(III)アセチルアセトネート、マンガンアセ
チルアセトネート、ニッケルアセチルアセトネート、E
DTA、さらには、Al、Fe、Zn、Zr、Tiの錯
化合物。 (3)金属アルコキシド:アルミニウムトリエトキシ
ド、アルミニウムトリn−プロポキシド、アルミニウム
トリn−ブトキシド、テトラエトキシチタン、テトラn
−ブトキシチタン、テトラi−プロポキシチタン。
【0059】(4)有機金属塩:酢酸ナトリウム、ナフ
テン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オ
クチル酸スズ。 (5)過塩素酸塩:過塩素酸マグネシウム、過塩素酸ア
ンモニウム。 (6)有機酸又はその無水物:マロン酸、コハク酸、酒
石酸、アジピン酸、アゼライン酸、マレイン酸、O−フ
タル酸、テレフタル酸、フマル酸、イタコン酸、オキザ
ロ酢酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水イタコン
酸、1,2−ジメチルマレイン酸無水物、無水フタル
酸、ヘキサヒドロフタル酸無水物、無水ナフタル酸。
【0060】(7)ルイス酸:塩化第二鉄、塩化アルミ
ニウム。 (8)ハロゲン化金属:塩化第一スズ、塩化第二スズ、
臭化スズ、塩化亜鉛、臭化亜鉛、四塩化チタン、臭化チ
タン、臭化タリウム、塩化ゲルマニウム、塩化ハフニウ
ム、塩化鉛、臭化鉛。
【0061】以上の触媒は、単独または2種類以上を混
合して使用される。特にアルミニウムキレート化合物は
好ましい触媒の1つである。コーティング膜の塗布方法
としては、浸漬法、スプレーコート法、ロールコート
法、スピンコート法、ハケ塗り等がある。上記のように
して形成される本願発明のフォトクロミックプラスチッ
クレンズは、レンズの厚さ数mmに対して、コーティン
グ膜(例えば、ハードコート層)の厚さは2μm程度で
ある。
【0062】このような湿式法による形成方法の他、乾
式法であるCVD法によりハードコート層を形成するこ
とも可能である。CVD法によりハードコート層を形成
する場合、基材表面に変性層を形成した後にハードコー
ト層を形成することが好ましいが、ハードコート層のみ
を形成することも可能である。この本願発明における変
性層とは、基材の表面上に形成され、基材側から膜厚方
向に徐々に屈折率が変化している層である。そして変性
層内の物質の組成比は徐々に変化している。更に変性層
を設けることにより、耐衝撃性が向上する事も確認して
いる。これは、従来のハードコート層の膜厚が3μm以
上であったためにハードコート層の内部応力が高くなっ
ていたが、基材とハードコート層との間に変性層を設け
ることにより、ハードコート層に残留する内部応力を低
くすることが可能となっためであると思われる。従っ
て、内部応力を低くすることができるために、耐温水
性、耐熱性によって引き起こされるクラックなどが回避
できる効果もある。
【0063】変性層及びハードコート層の製造に用いら
れるSiを含む有機化合物としては、テトラエトキシシ
ラン、ジメトキシシラン、メチルメトキシシラン、テト
ラメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ジエト
キシジメチルシラン、メチルトリエトキシシラン等が好
適に用いられる。またTiを含む有機化合物としては、
テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ
イソプロポキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタ
ン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトライソブトキシ
チタン、テトラ−sec−ブトキシチタン、テトラ−t
−ブトキシチタン、テトラジエチルアミノチタン等が好
適に用いられる。
【0064】これらのSiおよびTiを有機化合物は、
その一種類を単独で用いても、2種類以上を併用しても
よい。ハードコート層の膜厚は0.4μmよりも厚く、
5μmよりも薄いことが好ましい。また変性層の膜厚は
100nmよりも厚く、900nmよりも薄いことが好
ましい。
【0065】CVD法である化学気相成長法は、原料ガ
スに熱エネルギー及び電気エネルギーを与えることによ
り放電させ、そのプラズマ雰囲気中の非熱平衡状態にお
いて反応を促進させ、基体上に薄膜を堆積させる方法で
ある。通常使われているものには平行平板電極型、容量
結合電極型、または誘導結合型がある。特に本願発明に
おいては、基体の主平面に平行に電界と磁界をかけるプ
ラズマ促進CVD法により形成することが好適である。
このような乾式法によりハードコート層を形成すれば、
乾式法のみで耐擦傷性の優れたフォトクロミックプラス
チックレンズを容易に低コストで製造することが可能で
あり、また湿式法のように廃液を出すこともないので環
境破壊を招くこともない。また前記したようなグラデー
ションを有するフォトクロミックプラスチックレンズ上
や多色のフォトクロミックプラスチックレンズ上にCV
D法によるハードコート層が形成できることは言うまで
もない。またこのハードコート層は、基材表面に形成さ
れた樹脂膜上に形成することも可能である。更にハード
コート層上には真空蒸着法、CVD法、スパッタリング
法で無機酸化物による単層または多層の反射防止膜を形
成することが好ましい。
【0066】更に有機ポリシロキサン系重合物またはパ
ーフルオロアルキル基含有化合物を重合してなる重合物
からなる有機物含有硬化物により水やけ防止層を浸漬法
や真空蒸着法、CVD法、スパッタリング法で形成すれ
ば、水やけ防止効果を兼ね備え、水に対する耐久性の向
上したフォトクロミックプラスチックレンズが得られ
る。水やけ防止層にはシロキサン結合を有するアルコキ
シシラン系化合物やシラザン結合を有するアミノシラン
系化合物、また両者を兼ね備えたシロキサザン結合を有
する化合物が好ましく用いられる。
【0067】フォトクロミックプラスチックレンズ表面
にプライマー層を形成することも可能である。プライマ
ー層を形成することにより、その上に形成するハードコ
ート層と基材との密着性を向上させることが可能であ
り、また耐衝撃性を向上させることも可能である。これ
により衝撃に対する耐久性が優れ、様々な使用環境に耐
え得るフォトクロミックプラスチックレンズが製造でき
る。
【0068】プライマー層に用いられる材料としては、
ウレタン系材料からなるものが好ましく使用できる。ウ
レタン系材料からなるプライマー層の組成物は、活性水
素含有化合物とポリイソシアネートとからなる。ここ
で、活性水素含有化合物としては、エチレングリコー
ル、1,2−プロピレングリコール,1,3−ブタンジ
オール,1,6ヘキサンジオール,ネオペンチルグリコ
ール,ジプロピレングリコー,ジエチレングリコールな
どのアルキレングリコール類;ポリプロピレングリコー
ル,ポリエチレングリコール,ポリテトラメチレングリ
コールなどのポリアルキレングリコール類;ポリ(ジエ
チレンアジペート),ポリ(テトラメチレンアジペー
ト),ポリ(ヘキサメチレンアジペート),ポリ(ネオ
ペンチレンアジペート)などのポリアルキレンアジペー
ト類;ポリ−ε−カプロラクトン;ポリ(1,4−ブタ
ンジエン)グリコール、ポリ(1,2−ブタンジエン)
グリコールなどのポリブタジエングリコール類;ポリ
(ヘキサメチレンカーボネート)などのポリ(アルキレ
ンカーボネート)類;シリコンポリオール等が挙げられ
るが、その他の公知の活性水素含有化合物の使用も可能
である。
【0069】ポリイソシアネートの例としては,トリレ
ンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5
−ナフタレンジイソシアネート、3,3’ジメチル−
4,4’ジフェニルジイソシアネート、芳香族系ジイソ
シアネート、;1,6ヘキサメチレンジイソシアネー
ト,イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロ
ヘキシルメタンジイソシアネート、1,3−ビス(イソ
シアナトメチル)シクロヘキサン、トリメチルヘキサメ
チレンジイソシアネート等の脂肪族系ジイソシアネート
が挙げられる。さらにポリイソシアネートとして、ブロ
ック型ポリイソシアネートを用いることもできる。
【0070】また活性水素含有化合物とポリイソシアネ
ートとの混合物でも使用でき、また重合物でもよい。こ
のようなウレタン系材料は、ウレタン系材料からなる溶
液、またはウレタン系材料からなる粒子を水等の溶媒中
に分散させたものでもよい。更に、ウレタン系材料の
他、架橋されたポリビニルアセタールからなる材料から
プライマー層を形成することも可能である。ポリビニル
アセタールからなるプライマー層は、主成分であるポリ
ビニルアセタールと、加水分解性オルガノシラン化合物
又はその加水分解縮合物、アルミニウム又はチタニウム
のアルコキシド化合物あるいはアルミニウム又はチタニ
ウムのアルコキシドジケトネート化合物及び硬化触媒を
溶解したプライマー組成物をプラスチックレンズ表面に
塗布し、加熱処理することにより形成可能である。
【0071】本願発明に適用するポリビニルアセタール
からなるプライマー組成物は、 少なくとも、一般式中
のアセタール基を有する構成単位の分率(a)(分率と
は特定の構成単位の重合体中の総構成単位数に対する割
合である)が10〜90、OH基を有する構成単位数の分率
(b)が10〜90であり、またa+b≦100 である重合体
(A)と、(B)一般式(II)
【0072】
【化1】
【0073】(II) (ただし、式中、R2 、R3 は置換もしくは非置換の炭
素数1〜8の炭化水素基であり、X1 は加水分解物基で
あり、d、eは0から3までの整数である)で表される
加水分解性オルガノシラン化合物もしくはその加水分解
物、又は一般式(III)
【0074】
【化2】
【0075】(III) (ただし、式中、R4 は炭素数2〜8の有機基であり、
5 、R6 は置換もしくは非置換の炭素数1〜8の炭化
水素基であり、X2 は加水分解物基であり、f、gは0
から2までの整数である)で表される加水分解性オルガ
ノシラン化合物もしくはその加水分解物、又は一般式
(IV)
【0076】
【化3】 (IV) (ただし、式中、R7 は置換もしくは非置換の炭素数1
〜6の炭化水素基である)で表されるジアルデヒド化合
物若しくはグリオキサール又は一般式(V)
【0077】
【化4】 (V) (ただし、式中、R8 は置換もしくは非置換の炭素数1
〜6の炭化水素基であり、R9 は炭素数1〜4の飽和炭
化水素基である)で表されるジアルデヒドのアセタール
化合物、の中から選択される少なくとも1種類の架橋剤
と、(C)有機溶媒及び水とからなるプライマー組成物
であって、前記(A)成分の含有率は1〜30重量%で
あり、(B)成分である架橋剤の含有率は0.01〜3
0重量%である。
【0078】オルガノシラン化合物中の加水分解基が加
水分解してシラノール基を生成し、有機金属アルコキシ
ド化合物と反応する。そして、さらに触媒の作用と熱に
よりポリビニルアセタール中の水酸基と脱水縮合反応が
おこり分子間又は分子内で架橋が行われる。架橋にあず
かる分子は、オルガノシラン化合物の加水分解物又はそ
の縮合物である。オルガノシラン化合物はそのまま添加
されてもよいし、あらかじめ加水分解されたものが添加
されてもよい。また、1種類のオルガノシラン化合物を
単独で用いてもよいし、2種類以上のオルガノシラン化
合物を混合して用いてもよい。
【0079】オルガノシラン化合物としては、加水分解
基がハロゲン原子であるハロシラン化合物類、加水分解
基がアルコキシ基であるアルコキシシラン化合物類、加
水分解基がカルボキシ基であるカルボキシシラン化合物
類、又は加水分解基がケトオキシム基であるケトオキシ
ムシラン化合物類などを用いることができるが、好まし
くはアルコキシシラン化合物類である。
【0080】一般式(II)で示される加水分解性オルガ
ノシラン化合物の具体的な例としては、ジメチルジメト
キシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメ
トキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、フェニルメ
チルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラ
ン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
クロロプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリ
ロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリ
ロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプ
ロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルメ
チルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエ
トキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチル
ビニルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメ
チルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチ
ルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチ
ルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、
メチルトリブトキシシラン、メチルトリス(2−メトキ
シエトキシ)シラン、エチルトリメトキシシラン、エチ
ルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、
エチルトリブトキシシラン、エチルトリス(2−メトキ
シエトキシ)シラン、プロピルトリメトキシシラン、プ
ロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラ
ン、ブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシ
シラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ビニルトリメト
キシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス
(2−メトキシエトキシ)シラン、フェニルトリメトキ
シシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ−クロロプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエ
トキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリ
メトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルト
リエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキ
シシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプト
プロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピル
トリエトキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラ
ン、クロロメチルトリエトキシシラン、N−β−アミノ
エチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N
−β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、
(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)トリメトキ
シシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)
トリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘ
キシルエチル)トリメトキシシラン、β−(3,4−エ
ポキシシクロヘキシルエチル)トリエトキシシラン、テ
トラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプ
ロポキシシラン、テトラブトキシシラン、などがあげら
れる。
【0081】また、一般式(III)で示される加水分解
性オルガノシラン化合物の具体的な例としては、1,1
−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,1−ビス
(トリエトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリメ
トキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリエトキシシ
リル)エタン、1,3−ビス(トリメトキシシリル)プ
ロパン、1,3−ビス(トリエトキシシリル)プロパ
ン、2,2−ビス(トリメトキシシリル)プロパン、
2,2−ビス(トリエトキシシリル)プロパン、などが
あげられる。
【0082】プライマー組成物中のオルガノシラン化合
物の添加量としては0.01〜10重量%、好ましくは
0.1〜5重量%である。一般式(IV)のジアルデヒド
化合物または一般式(V)のジアルデヒドのアセタール
化合物も架橋剤として用いられる。ジアルデヒド化合物
とジアルデヒドのアセタール化合物は単独で使用しても
よいし、2種類以上の化合物を混合してもよい。
【0083】一般式(IV)で表されるジアルデヒド化合
物の具体例としては、グルタルアルデヒド、ヘキサンジ
アール、2−ヒドロキシヘキサンジアール等があげられ
る。また一般式(V)で表されるジアルデヒドのアセタ
ール化合物は、マロンアルデヒドテトラメチルアセター
ル、マロンアルデヒドテトラエチルアセタール、グルタ
ルアルデヒドテトラメチルアセタール等が使用できる。
プライマー組成物中のジアルデヒド化合物又はアセター
ル化合物の添加量は0.01〜30重量%が好ましい。
【0084】有機金属アルコキシド化合物としては、ア
ルミニウムもしくはチタニウムのアルコキシド又はアル
コキシドジケトネート化合物が用いられる。 これらは
1種類の化合物を単独で用いてもよいし、2種類以上の
化合物を混入して用いてもよい。有機金属アルコキシド
化合物はオルガノシラン化合物又はその加水分解縮合物
と容易に反応し、その生成物はポリビニルアセタール中
の水酸基と触媒及び熱の作用により反応する。有機金属
アルコキシド化合物には、加水分解で生じたオルガノシ
ラン化合物中のシラノール基とポリビニルアセタール中
の水酸基との脱水縮合反応を促進する触媒としての作用
と、オルガノシラン化合物とともに加水分解縮合する架
橋剤としての作用があるものと考えられる。
【0085】有機金属アルコキシド化合物の具体的な例
としては、アルミニウムトリメトキシド、アルミニウム
トリエトキシド、アルミニウムトリプロポキシド、アル
ミニウムトリブトキシド、チタニウムテトラメトキシ
ド、チタニウムテトラエトキシド、チタニウムテトラプ
ロポキシド、チタニウムテトラブトキシド、アルミニウ
ムジプロポキシドアセチルアセトネート、アルミニウム
ジプロポキシドエチルアセトアセテート、アルミニウム
ジブトキシドアセチルアセトネート、アルミニウムジブ
トキシドエチルアセトアセテート、チタニウムジメトキ
シドビス(アセチルアセトネート)、チタニウムジエト
キシドビス(アセチルアセトネート)、チタニウムジプ
ロポキシドビス(アセチルアセトネート)、チタニウム
ジブトキシドビス(アセチルアセトネート)、チタニウ
ムジプロポキシドビス(エチルアセトアセテート)、チ
タニウムジブトキシドビス(エチルアセトアセテート)
などがあげられる。この中でも特にチタニウムアルコキ
シドが好ましい。
【0086】プライマー組成物中の有機金属アルコキシ
ド化合物の添加量としては、0.01〜10重量%、好
ましく0.1〜3重量%であるが、オルガノシラン化合
物の50モル%以下が好ましい。有機金属アルコキシド
化合物の添加量がオルガノシラン化合物の添加量の50
モル%を越えると耐衝撃性が低下する。
【0087】硬化触媒としては、オルガノシラン化合物
と有機金属アルコキシド化合物の加水分解縮合物とポリ
ビニルアセタール中の水酸基との脱水縮合、及びシラノ
ール基間の脱水縮合反応を促進するものであれば特に制
限はない。具体的には、ジブチルスズジラウレート、ジ
ブチルスズジオクテート、ジブチルスズジアセテートな
どの有機スズ化合物、プロピルアミン、ブチルアミン、
ジプロピルアミン、ジブチルアミン、トリエタノールア
ミン、テトラメチルグアニジン、メチルイミダゾール、
ジシアンジアミドなどの有機アミン類、アルミニウムア
セチルアセトネート、鉄アセチルアセトネートなどの有
機金属錯体を用いることができる。この中で特に好まし
いのは有機スズ化合物である。これらは単独で用いても
よいし、2種類以上の触媒を混合して用いてもよい。
【0088】プライマー組成物中の硬化触媒の添加量と
しては、0.002〜1重量%、好ましくは0.005
〜1重量%である。プライマー組成物中の有機溶媒とし
ては、炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、アルコール
類、ケトン類、エステル類、エーテル類その他公知の溶
媒で、ポリビニルアセタールをよく溶解し、かつ無機酸
化物微粒子をよく分散するものが使用できる。特に好ま
しくはメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノ
ール、ヘキサノール、メチルセロソルブ、エチルセロソ
ルブであるが、これらは単独で用いてもよいし、2種類
以上の有機溶媒を混合して用いてもよい。
【0089】プライマー組成物中の水はオルガノシラン
化合物の加水分解に必要な成分として0.1〜20重量
%添加される。水の添加量が多すぎるとプライマー塗布
面の平滑性が失われ、逆に水の添加量が少なすぎるとプ
ライマー溶液の使用可能時間は短くなる。プライマー組
成物は、更に塗布性の改善を目的とした各種レベリング
剤あるいは耐候性の向上を目的とした紫外線吸収剤や酸
化防止剤、さらに染料や顔料、フォトクロミック染料や
フォトクロミック顔料その他、膜性能を高めたり機能を
付加するための公知の添加剤を併用することができる。
【0090】本発明におけるプライマー組成物のプラス
チック光学部品上への塗布方法は、スピンコート法、デ
ィッピング法など公知の方法であれば特に制限はない。
また、プラスチック光学部品の表面は必要に応じてアル
カリ処理、プラズマ処理、紫外線処理などの前処理を行
っておくことが好ましい。プライマー層の硬化後の膜厚
は、0.1〜5μmであり好ましくは0.2〜3μmで
ある。プライマー層の膜厚が0.1μmより薄いと耐衝
撃性の改善が十分でなく、また5μmより厚いと耐衝撃
性の点では問題がないが、耐熱性と面精度が低下する。
【0091】また、プライマー溶液には、前記したよう
なハードコート層に混入させたような微粒子状無機酸化
物を混入させることが可能である。微粒子の混入によ
り、屈折率の調整、硬度の向上などの効果を付与するこ
とができる。これら微粒子としては、市販されている水
又は有機溶媒に分散した微粒子をそのまま用いることが
できる。
【0092】微粒子状無機酸化物又はこれらの微粒子の
複合体の平均粒子径は1〜300nmであり、好ましく
は1〜50nmである。平均粒子径が300nmを越え
ると光の散乱によるレンズの曇りが生ずる。プライマー
組成物中の微粒子の添加量は固形分濃度として0.1〜
30重量%であるが、硬化したプライマー層の屈折率が
プラスチックレンズの屈折率に一致するか、もしくは極
めて近くなるように無機酸化物微粒子の種類、添加量が
調整される。
【0093】屈折率が1.60以上の高屈折率プラスチ
ックレンズ基材の場合には、ポリビニルアセタール1重
量部に対して、高屈折率である酸化チタニウム、酸化ジ
ルコニウム、酸化鉄、酸化アンチモン、酸化スズ、酸化
セリウム、酸化タングステン等の微粒子又はその複合
体、または混合状態のものを1〜5重量部添加するのが
好ましい。これらの無機微粒子は、ウレタン系材料から
なるプライマー層に添加することも可能である。
【0094】プライマー層の膜厚は、0.01〜30μ
mであるのが好ましい。特に好ましくは、1〜20μm
である。プライマー層となる樹脂の塗布方法としては、
スピンナー法,ディップ法,スプレー法等の公知の方法
の中から適宜選択され、CVD法や真空蒸着法などの乾
式法で形成することも可能である。
【0095】プライマー層は、前記したグラデーション
を有するフォトクロミックレンズまたは多色のフォトク
ロミックプラスチックレンズ上に形成することも可能で
あり、ファッション性に優れ、様々な環境下で使用でき
る高耐久性のフォトクロミックプラスチックレンズを製
造することができる。また、前記したようなプラスチッ
クレンズ基材上に形成した樹脂膜上にプライマー層を形
成することも可能である。
【0096】またプライマー層上には、前記したような
有機けい素化合物からなり従来の湿式法により形成され
るハードコート層やCVD法により形成するハードコー
ト層を形成することもできる。これにより、ファッショ
ン性に優れ、より耐擦傷性、耐衝撃性等の耐久性に優れ
たフォトクロミックプラスチックレンズを製造すること
ができる。
【0097】また下記一般式の化合物を加えてもよい
【0098】
【化10】
【0099】(ただし、式中、R1 は水素原子または炭
素数1〜20の飽和炭化水素基材であり、aはアセター
ル基を有する構成単位の分率であり10〜90、bはO
H基を有する構成単位の分率であり0〜10、cはアセ
チル基を有する構成単位の分率であり、0〜10、また
a+b+c=100である)であるポリビニールアセタ
ール。
【0100】
【実施例1】基材として紫外線硬化型アクリル樹脂を用
いた。基材形成方法は以下のようである。まずレンズ形
状の空間を有するガラス母型中に液状の硬化型アクリル
樹脂を注入する。樹脂が注入された母型の上方および下
方の約25cmの位置に120Wの照射出力を有するメ
タルハライドランプを設置し、2分間母型に対して紫外
線を照射する。このとき紫外線照射室の雰囲気温度は約
100℃に制御した。紫外線照射終了後、熱風循環式オ
ーブン中で110℃で2時間アニール処理し、歪みを除
去した。
【0101】フォトクロミック物質としてスピロオキサ
ジン系物質を用い、これらを充分に混ぜ合わせ蒸発源に
入れた。真空度は、5×10-5Torrまでポンプで引
いた後、蒸発源を加熱してフォトクロミック物質を飛散
させ、レンズ基材の表面へ付着させた。フォトクロミッ
ク物質が表面に付着したレンズ基材のは、無色透明で僅
かに干渉色が見られた。このレンズ基材を熱風オーブン
中、120℃で1時間加熱を行い、レンズ基材の表面に
付着したフォトクロミック物質をプラスチックレンズ基
材の表面内部に浸透、拡散させた。レンズ基材の表面内
部に浸透せず表面状に残ったフォトクロミック物質は、
洗浄機で洗い取り除いた。
【0102】次に耐擦傷性および反射防止のため、有機
シリコン系材料からなるハードコート層をディッピング
法により形成し、その後110℃で4時間加熱を行い硬
化させた。更にその上に、SiO2 、Al2 3 、Ti
2 からなる無機多層薄膜を真空蒸着法によって成形し
た。このようにして作られたフォトクロミックプラスチ
ックレンズは、初期着色がなく、太陽光のもとでムラの
ないブラウンに着色した。
【0103】
【実施例2】基材として実施例1と同様の材料、方法で
形成されたプラスチックレンズ基材を使用した。このレ
ンズ基材の表面にポリエステル樹脂を浸漬法により塗布
し、熱風オーブン中、100℃で1時間加熱を行い、硬
化させ樹脂膜を形成した。次に実施例1と同様のフォト
クロミック物質を同様の条件で真空蒸着法により樹脂膜
の表面に付着させた。このレンズ基材を、遠赤外線で約
10分加熱を行い、樹脂膜の表面に付着したフォトクロ
ミック物質を樹脂膜の表面内部に浸透、拡散させた。こ
のレンズを、洗浄機で洗い余分なフォトクロミック物質
を取り除いた。更に浸漬法により有機けい素系材料を塗
布し、110℃で4時間加熱を行い硬化させハードコー
ト層を形成した。その上に、SiO2 、Al2 3 、T
iO 2 からなる無機多層薄膜を真空蒸着によって成形し
た。このようにして作られた調光レンズは、初期着色が
なく、太陽光のもとで、ムラのないブラウンに着色し
た。
【0104】
【実施例3】基材として実施例1と同様の材料、方法で
形成されたプラスチックレンズ基材を用い、その凸表面
に真空蒸着法にてクロメン系およびスピロオキサジン系
のフォトクロミック物質を付着させた。これらの物質を
ブラウンに発色するように予め求められた配合比に従っ
て充分に混ぜ合わせ、これを約0.01gを秤量し蒸発
源に入れた。レンズ基材は蒸発源から10cm上部にセ
ットした。また、水晶発振式成膜コントローラー(日本
真空技術(株)製:CRTM−5000)及び蒸着センサ
ー(日本真空技術(株)製:CRTS−4)により、膜厚
を700Åに制御した。ポンプを用い真空度を5×10
-5Torrに設定し、蒸発源を加熱してフォトクロミッ
ク物質を飛散させ、レンズ基材の表面にフォトクロミッ
ク物質を付着させる。
【0105】本実施例においては、フォトクロミック物
質をレンズ基材の表面に付着させる際に位置制御可能な
遮蔽板によって蒸着物質の飛散を部分的に遮蔽し、徐々
に遮断板を移動することにより遮蔽領域を変化させる。
最初はレンズ基材の表面の約半分が遮蔽され、遮蔽領域
にはフォトクロミック物質は付着しないように設置す
る。その後、遮蔽領域が徐々に狭くなるように遮蔽板を
移動させる。遮蔽板が徐々に移動することにより、フォ
トクロミック物質の付着量に勾配が生じるようにレンズ
基材表面にフォトクロミック物質が付着するようにな
る。フォトクロミック物質が付着したレンズ基材は、無
色透明で僅かに干渉色が見られ、グラデーション部分に
は干渉縞が見られた。このような状態でフォトクロミッ
ク物質が付着したレンズ基材の表面の全体を熱風オーブ
ン中、120℃で1時間加熱を行った。この加熱により
付着量に比例した量のフォトクロミック物質がレンズ基
材の表面内部に浸透、拡散する。これにより濃度勾配を
有するフォトクロミックプラスチックレンズが得られ
る。
【0106】このレンズを、洗浄機で洗い余分なフォト
クロミック物質を取り除いた。更に耐擦傷性および反射
防止のため、有機シリコン系ハードコートをディッピン
グによりコーティングを施し、110℃4時間加熱を行
い硬化させた。その上に、SiO2、Al2O3,、TiO2からなる
無機多層薄膜を真空蒸着によって成形した。このように
して作られたフォトクロミックレンズは、初期着色がな
く、太陽光のもとで、グラデーション状にブラウンに着
色した。
【0107】
【実施例4】本実施例においては、基材として実施例1
と同様のレンズ基材を使用し、図1に示すような方法に
よりグラデーション状のフォトクロミックプラスチック
レンズを製造した。図1に示すように、フォトクロミッ
ク物質3が付着したレンズ基材4を凹(又は凸)面を上
に略水平に設置し、レンズ基材4から約10cm上部に
遠赤外線源1を設置する。レンズ基材4と遠赤外線源1
との間には加熱を遮断し、水平方向に移動可能な遮蔽板
2が設置されている。
【0108】最初に加熱する際には、遮蔽板2はレンズ
基材4の表面の約1/3が隠れるように設置する。この
状態でレンズ基材4を加熱するとレンズ基材4の表面の
遮蔽されていない約1/3の領域が加熱されることにな
り、遮蔽された残りの領域は加熱されていないことにな
る。遮蔽板2は、例えばモーター等の駆動手段(不図
示)により矢印方向に徐々に移動するようになってい
る。そして時間とともにレンズ基材4表面の約1/3の
領域から表面全体を加熱するように遮蔽板2をモーター
(不図示)で移動させる。この移動させるプログラムは
予め、所望のパターンに従って作成する。
【0109】これによって、レンズ基材4の表面におい
て遮蔽されていた領域も徐々に加熱されることになる。
このような遮蔽板2の移動によりレンズ基材4の表面の
被加熱量に勾配が生じることになる。この加熱量の勾配
に比例してフォトクロミック物質3はレンズ基材4の表
面内部に浸透することになる。よって、レンズ基材4の
表面内部の浸透するフォトクロミック物質の量にも勾配
が生じ、グラデーション状のフォトクロミックプラスチ
ックレンズが得られることになる。
【0110】その後レンズ基材4の表面内部に浸透せず
に表面上に残ったフォトクロミック物質は、洗浄機で洗
い取り除いた。そして更に耐擦傷性および反射防止のた
め、有機シリコン系ハードコートをディッピングにより
コーティングを施し、110℃で4時間加熱を行い硬化
させた。更にその上に、SiO2、Al2O3,、TiO2からなる多
層の反射防止膜を真空蒸着法によって成形した。このよ
うにして製造されたフォトクロミックレンズは、初期着
色がなく、太陽光のもとで、グラデーション状にブラウ
ンに着色した。
【0111】
【実施例5】本実施例においては、プラスチックレンズ
基材として実施例1と同様のレンズ基材を使用した。図
2に示す様にフォトクロミック物質23が付着したレン
ズ24は、凹(または凸)面を上にして設置され、レン
ズ基材24は、レンズ基材24から約10cm上部に設
けられた遠赤外線源21で加熱される。レンズ基材24
は、加熱時には移動手段25上に設置される。レンズ2
4基材と遠赤外線源21との間には遮蔽板22が固定し
て設置される。遮蔽板22は、図2に示したように上方
から見たとき斜めにカットされた形状となっている。
【0112】最初、レンズ基材24はレンズ基材24の
表面の約半分が遮蔽板22によって遮蔽された状態で設
置される。この状態で約10分間加熱する。その後レン
ズ基材24は、移動手段25により矢印方向に徐々に移
動する。前記のようにレンズ基材24は、加熱の初期段
階では、レンズ基材24の表面のフォトクロミック物質
23の半分の領域が遮蔽板22に遮蔽することなく加熱
される。そしてレンズが矢印の方向へ移動することによ
って、徐々にレンズを遮蔽する部分が変化し、遮蔽領域
が徐々に増加していく。これによって、レンズの加熱が
終了した時点においては、フォトクロミック物質23の
被加熱量に勾配が生じることになる。そして被加熱量に
比例してフォトクロミック物質23のレンズ基材24の
表面内部への浸透量にも勾配が生じグラデーション状の
フォトクロミックプラスチックレンズが得られる。
【0113】その後レンズ基材24を、洗浄機で洗い、
浸透せずにレンズ基材24の表面に残った余分なフォト
クロミック物質を取り除いた。そして耐擦傷性および反
射防止のため、有機シリコン系ハードコートをディッピ
ングによりコーティングを施し、110℃で4時間加熱
を行い硬化させた。その上に、SiO2、Al2O3,、TiO2から
なる無機多層薄膜を真空蒸着によって成形した。このよ
うにして作られたフォトクロミックレンズは、初期着色
がなく、太陽光のもとで、グラデーション状にブラウン
に着色した。
【0114】
【実施例6】本実施例においては、基材として実施例1
と同様のレンズ基材33を使用した。図3は本実施例に
係わるフォトクロミックプラスチックレンズの製造装置
の概略図である。図3に示す様に、フォトクロミック物
質32が表面に付着したレンズ基材33をレンズ基材設
置台34上に斜めに設置し、これを上方から遠赤外線ラ
ンプ31により加熱した。
【0115】図3から分かるように、レンズ基材33は
斜めに設置されているので遠赤外線ランプ31とレンズ
基材33の表面に付着したフォトクロミック物質32と
の距離は変化している。この変化によって、遠赤外線ラ
ンプ31に近い部分と遠い部分とでレンズ基材33の被
加熱量に差異が生じる。この加熱量の差異に起因するレ
ンズ基材33の温度差は、レンズ基材33の最も被加熱
量の多い領域(遠赤外線ランプ31に最も近い部分)と
最も温度の低い部分(遠赤外線ランプ31に最も遠い部
分)とでは約60度あった。
【0116】このように、レンズ基材33の表面の被加
熱量に勾配が生じることになる。実施例5と同様に被加
熱量に比例して、レンズ基材34の表面内部へのフォト
クロミック物質の浸透、拡散量が変化することになり、
グラデーション状のフォトクロミックプラスチックレン
ズが製造できた。その後同様にこのレンズを洗浄機で洗
い余分なフォトクロミック物質を取り除いた。
【0117】そして耐擦傷性および反射防止のため、有
機シリコン系ハードコートをディッピングによりコーテ
ィングを施し、110℃で4時間加熱を行い硬化させ
た。その上に、SiO2、Al2O3,、TiO2からなる無機多層薄
膜を真空蒸着によって成形した。このようにして作られ
たフォトクロミックレンズは、初期着色がなく、太陽光
のもとで、グラデーション状にブラウンに着色した。
【0118】
【実施例7】本実施例を図4を用いて説明する。図4
は、本実施例における多色フォトクロミックプラスチッ
クレンズの製造方法の工程を示す概略図である。本実施
例においては、レンズ基材を正面から見たときに上部領
域と下部領域が同色であり、中間領域が別の色のフォト
クロミック物質が塗布されたフォトクロミックプラスチ
ックレンズを製造する。
【0119】レンズ基材41は実施例1と同様の材料、
方法で形成した。まず図4(a)のようにレンズ基材4
1を略水平に設置し、その凸面の下方に矢印方向に移動
することが可能な第1の遮蔽板42を設置し、更にその
下方にフォトクロミック物質からなる蒸着源(不図示)
を設置する。この状態でフォトクロミック物質として、
クロメン系およびスピロオキサジン系の物質を使用し、
これらの物質を、ブラウンに発色するように予め求めら
れた配合比に従って充分に混ぜ合わせ、その中から約
0.01gを秤量し蒸発源に入れた。レンズ基材41は
蒸発源から約10cm上部に設置した。また、水晶発振
式成膜コントローラー(日本真空技術(株)製:CRTM
−5000)及び蒸着センサー(日本真空技術(株)製:
CRTS−4)により、膜厚を700Åに制御した。ま
たポンプにより、真空度を5×10-5Torrに設定し
た。その後、蒸発源を加熱してフォトクロミック物質を
飛散させた。飛散したフォトクロミック物質の一部は第
1の遮蔽板42に遮蔽され、A領域の基材の表面にのみ
フォトクロミック物質が付着する。
【0120】次にA領域に付着させたフォトクロミック
物質と異なる材料を用い、レンズ基材41の表面のB領
域にのみフォトクロミック物質を付着させる。図4
(b)に示すように、遮蔽板42、43によりレンズ基
材41のB領域以外の領域はフォトクロミック物質の飛
散が遮蔽されるようになっており、B領域にのみフォト
クロミック物質が付着する。
【0121】更に図4(c)に示すように図4(a)と
同様にレンズ基材41の表面のC領域のみにフォトクロ
ミック物質が付着するように遮蔽板43を移動する。こ
のようにフォトクロミック物質が付着したレンズ基材4
1を、熱風オーブン中、120℃で1時間加熱を行い、
レンズ基材41の表面に付着したフォトクロミック物質
をプラスチックレンズ基材41の表面内部に浸透、拡散
させた。その後このレンズを洗浄機で洗い、レンズ基材
41表面に残ったフォトクロミック物質を取り除いた。
【0122】更に耐擦傷性および反射防止のため、有機
シリコン系ハードコートをディッピングによりコーティ
ングを施し、110℃で4時間加熱を行い硬化させた。
その上に、SiO2、Al2O3,、TiO2からなる無機多層薄膜を
真空蒸着によって成形した。このようにして作られたフ
ォトクロミックレンズは、太陽光のもとで、レンズを正
面から見たときにレンズの上部と下部は同色、中央付近
はそれとは異なる色に発色する多色のフォトクロミック
プラスチックレンズが得られた。
【0123】
【実施例8】本実施例のフォトクロミックプラスチック
レンズにはCVD法により形成されたハードコート層が
形成される。本実施例においては、実施例1と同じ材
料、方法で形成しレンズ基材とした。その凸表面に真空
蒸着法にてフォトクロミック物質を付着させた。フォト
クロミック物質として、クロメン系およびスピロオキサ
ジン系の物質を使用した。これらの物質を、ブラウンに
発色するように予め求められた配合比に従って充分に混
ぜ合わせ、その中から約0.01gを秤量し蒸発源に入
れる。レンズは蒸発源から10cm上部にセットした。ま
た、水晶発振式成膜コントローラー(日本真空技術(株)
製:CRTM−5000)及び蒸着センサー(日本真空
技術(株)製:CRTS−4)によりフォトクロミック物
質をレンズ基材の表面に付着させた。付着させるフォト
クロミック物質の膜厚を700Åに制御した。ポンプを
用い、真空室内を真空度5×10-5Torrにした後、
蒸発源を加熱してフォトクロミック物質をレンズ基材の
表面に付着させた。蒸着されたレンズは、無色透明で僅
かに干渉色が見られた。このレンズを、熱風オーブン中
で、120℃で1時間加熱し表面に付着したフォトクロ
ミック物質をプラスチックレンズ表面の内部に浸透、拡
散させた。このレンズを洗浄機で洗い基材表面に残った
余分なフォトクロミック物質を取り除いた。
【0124】耐擦傷性の効果向上のため、上記の方法で
形成されたフォトクロミックプラスチックレンズ上に被
膜を形成した。被膜を形成するための蒸着装置は、バル
ザース(Balzers)社製PECVD装置と真空蒸
着装置とを用い、電子ビームによって蒸着源を加熱する
構成である。本実施例においては、フォトクロミックプ
ラスチックレンズ基材表面にCVD法により変性層を形
成し、その上にハードコート層を形成した。
【0125】変性層を形成する工程について説明する。
真空室に接続されたメチルトリエトキシシランの入った
容器を加熱することにより、メチルトリエトキシシラン
を気化させ、メチルトリエトキシシランガスを流量10
0SCCMで真空室内に流す。真空室の圧力が0.7P
aになったら、真空室外の電磁石コイルに5Aの電流を
流して、電極間に磁場をかけ、同時にカソードに高周波
出力2KWを3分間印加する。これにより、電極間にプ
ラズマが発生する。その後、カソードの高周波出力を段
階的に40W/minの割合で徐々に上げていき、12
分間で2.5KWに達するように制御する。この12分
間で、屈折率が段階的に変化した変性層が形成される。
変性層の膜厚は、200nmとした。
【0126】次に、ハードコート層を形成する工程につ
いて説明する。変性層を形成する工程に連続させて、酸
素ガスを真空室に50SCCM流し、真空室圧力を0.
5Paにして、メチルトリエトキシシランガスの流量1
80SCCM、高周波出力2.5KW、電磁石コイル5
A、20分間で第一のハードコート層を形成する。その
後、酸素ガスを真空室に100SCCM流し、真空室圧
力を0.8Paにして、メチルトリエトキシシランガス
の流量180SCCM、高周波出力3KW、電磁石コイ
ルを5Aに保ったまま、さらに20分間で第一のハード
コート層上に第二のハードコート層を形成する。最後
に、酸素ガスを真空室に200SCCM流し、真空室圧
力を1.0Paにして、メチルトリエトキシシランガス
の流量180SCCM、高周波出力3KW、電磁石コイ
ル5Aに保ったまま、さらに第三のハードコート層を形
成する。ハードコート層の膜厚は2μmとした。
【0127】第三のハードコート層上には、SiO2、Al2O
3,、TiO2からなる無機多層薄膜を真空蒸着によって成形
した。このようにして作られたフォトクロミックレンズ
は、初期着色がなく、太陽光のもとでムラのないブラウ
ンに着色した。
【0128】
【実施例9】本実験例においては、プラスチックレンズ
基材としてウレタン系樹脂からなる高屈折率プラスチッ
クレンズを用いた。実施例1と同様、レンズ基材の凸表
面に真空蒸着法によりフォトクロミック物質を付着させ
た。フォトクロミック物質として、クロメン系およびス
ピロオキサジン系の物質を使用した。これらのフォトク
ロミック物質をブラウンに発色するように予め求められ
た配合比に従って充分に混ぜ合わせ、その中から約0.
01gを秤量し蒸発源に入れる。レンズ基材は蒸発源か
ら10cm上部にセットした。また、水晶発振式成膜コン
トローラー(日本真空技術(株)製:CRTM−500
0)及び蒸着センサー(日本真空技術(株)製:CRTS
−4)により、膜厚を700Åに制御した。5×10-5
Torrの真空度になるまでポンプで空気を引いた後、
蒸発源を加熱してフォトクロミック物質を飛散させレン
ズ基材表面へフォトクロミック物質を付着させた。蒸着
されたレンズは、無色透明で僅かに干渉色が見られた。
このレンズを、熱風オーブン中で、120℃で1時間加
熱を行い、表面に付着したフォトクロミック物質をプラ
スチックレンズ基材の表面内部に浸透、拡散させた。こ
のレンズを、洗浄機で洗い余分なフォトクロミック物質
を取り除いた。
【0129】以上のような方法で製造されたフォトクロ
ミックプラスチックレンズの表面に耐衝撃性を向上させ
るための被膜であるプライマー層を形成した。以下、プ
ライマー層の形成方法について説明する。 (1ー1)プライマー組成物の調製 ブロック型のポリイソシアネート「コロネート252
9」(日本ポリウレタン工業(株))25重量部、ポリエ
ステルポリオール18重量部、エチルセロソルブ100
重量部を混合して、そこへ市販の酸化スズと酸化タング
ステンの複合ゾル(メタノール分散ゾル、平均粒子径1
0〜15mμ、酸化スズと酸化タングステンの比率10
0重量部/40重量部、固形分30%)を140重量部
(固形分ではない)、シリコン系界面活性剤を0.15
重量部添加し、充分に攪拌混合することにより、溶液状
のコーティング組成物を得た。
【0130】(1ー2)プライマー組成物の塗布および
硬化 フォトクロミックプラスチックレンズ基材とプライマー
層との密着性の強化を目的として、プラズマ処理を施し
た。条件は酸素ガス圧力約0.2Toor、RF出力2
00W、処理時間30秒間とした。その後、高屈折率プ
ラスチックレンズの凹面上に(1ー1)にて調製したプ
ライマー組成物を浸漬法(引き上げ速度180mm/m
in)で塗布した。この膜厚は約2μmとした。その
後、プライマー組成物を塗布した高屈折率プラスチック
レンズを加熱炉に入れ、130℃で60分間加熱処理
し、プライマー組成物を硬化させプライマー層を形成し
た。硬化後のプライマー層の屈折率は約1.60であっ
た。
【0131】さらに、プライマー層が形成されたレンズ
を耐擦傷性および反射防止のため、有機シリコン系化合
物からなるハードコート液中に浸漬し、さらにこれを1
10℃で4時間加熱を行い硬化させハードコート層を形
成した。その上に、SiO2、Al 2O3,、TiO2からなる無機多
層薄膜を真空蒸着によって成形した。このようにして作
られたフォトクロミックレンズは、初期着色がなく、太
陽光のもとで、ムラのないブラウンに着色した。
【0132】
【実施例10】実施例9と同様の条件で行った。 (2−1) プライマー組成物の調製 回転子を備えた反応容器中にメチルトリメトキシシラン
2.2重量部とメタノール19.8重量部を仕込み、
0.001N塩酸0.9重量部を加え、1時間攪拌し加
水分解を行なった。
【0133】上記加水分解物に、チタニウムテトラn−
ブトキシド2.2重量部をn−プロパノール19.8重
量部に溶解した溶液を加え30分攪拌し、オルガノアル
コキシシラン/オルガノチタネート加水分解縮合物を得
た。得られた加水分解縮合物の溶液に、日産化学(株)
製SnO2/WO3複合微子分散メタノールゾル(HIS
−30M、平均粒子径25nm、固形分濃度30%)1
33.3重量部、硬化触媒としてジブチルスズジラウレ
ート2.0重量部、レベリング剤として住友スリーエム
(株)製フッ素系界面活性剤フロラードFC430
1.3重量部を順次加える。さらに、積水化学(株)製
ポリビニルブチラール樹脂エスレックBM−2(平均重
合度800、ブチラール化度68%)40重量部をメタ
ノール360重量部に溶解した溶液と、さらにメタノー
ル70.2重量部、n−プロパノール328.3重量
部、純水20重量部を加え1時間攪拌する。その後、3
μmのメンブランフィルターで濾過しプライマー組成物
を調製した。
【0134】 イ)無機酸化物微粒子分散ゾル HIS−30M 日産化学(株)製SnO2/WO3複合微粒子メタノー 分散ゾル、平均粒子径25nm、固形分濃度30% HIS−30MN 日産化学(株)製SnO2/WO3複合微粒子メタノー 分散ゾル、平均粒子径30nm、固形分濃度30% AMT−130S 日産化学(株)製Sb25微粒子メタノール分散ゾル 平均粒子径15〜20nm、固形分濃度30% ロ)ポリビニルブチラール樹脂 エスレックBM−1 積水化学(株)製、平均重合度600、ブチラール化 度65% エスレックBM−2 積水化学(株)製、平均重合度800、ブチラール化 度68% エスレックBM−5 積水化学(株)製、平均重合度850、ブチラール化 度65% エスレックBH−S 積水化学(株)製、平均重合度1,000、ブチラー ル化度70% ハ)界面活性剤 フロラードFC430 住友スリーエム(株)製フッ素系界面活性剤 SH30PA 東レダウコーニング(株)製シリコン系界面活性剤 L7001 日本ユニカー(株)製シリコン系界面活性剤 回転子を備えた反応容器中に、γ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン180重量部を仕込み、マグネチ
ックスターラーを用いて激しく攪拌しながら,0.01
規定塩酸水溶液40重量部を一度に添加し、1時間加水
分解を続け、部分的に縮合した加水分解物を得た。
【0135】上記の加水分解物に、日産化学(株)製S
nO2/WO3複合微粒子分散メタールゾル(HIS−3
0M)を630重量部と、硬化触媒としてエチレンジア
ミン四酢酸アルミニウム4重量部と、レベリング剤とし
て東レダウコーニング(株)製シリコン系界面活性剤S
H30PAを0.45重量部添加し、十分に攪拌混合し
た後、3μmのメンブランフィルターで濾過しハードコ
ート液を調製した。
【0136】(2−1)プライマー組成物の塗布及び硬
化 度数が−4.00ジオプタで、中心厚が1.0mm、屈
折率が1.66の熱硬化性ウレタン樹脂製眼鏡用プラス
チックレンズを、前処理として60℃の10%NaOH
水溶液に5分間浸し、温水で洗浄後乾燥した。このプラ
スチックレンズの両面にディッピング法(引き上げ速度
5mm/秒)にてプライマー組成物を塗布し、90℃で
30分間加熱処理してプライマーを硬化させた。
【0137】プライマー層及びハードコート層を有する
プラスチックレンズの両面に、SiO2/ZrO2系の5
層反射防止膜を真空蒸着法により形させた。このように
得られた複合膜を有するプラスチックレンズを用いて以
下に示す試験に供し、性能評価を行った。 1)膜の密着性 膜の密着性を評価するために、クロスハッチテープテス
トを次の方法で実施した。コーティング層表面にカッタ
ーナイフで1mm角の碁盤目(100マス)を作り、そ
の後セロハン粘着テープ(商品名「セロテープ」ニチバ
ン(株)製)を強く張り付けた後、テープの一端を持
ち、90゜方向に勢いよく剥がすことを10回繰り返し
た。
【0138】その後、コーティング層表面の碁盤の目が
レンズから何個剥ぎ取られずに残っているかを調べ、剥
がれなかった碁盤の目の数をXとしてX/100で表し
た。この場合、Xか大きいほど密着性がよいということ
になる。即ち、クロスハッチテープテストの結果が「1
00/100」であれば、膜が全く剥がれなかったこと
を示している。
【0139】
【発明の効果】このように本願発明は、プラスチックレ
ンズ基材の表面にフォトクロミック物質を真空蒸着法に
より付着させ、その後加熱することによりレンズ基材の
表面内部にフォトクロミック物質を浸透、拡散させるの
で、生産性が高く、低コストでフォトクロミックプラス
チックレンズが製造でき、製造されたレンズは安定した
フォトクロミック性能を有する。
【0140】また、プラスチックレンズ基材を少なくと
も紫外線硬化型樹脂を含む材料で製造することにり、容
易にレンズ基材の表面内部に浸透、拡散させることがで
き、更に製造が容易になる。また、紫外線硬化型樹脂を
含むレンズ基材を用いると、熱硬化性樹脂で形成された
レンズ基材に比べて基材の表面内部に浸透、拡散したフ
ォトクロミック物質の構造変化がし易くなり、調光スピ
ードの速い、優れた調光性能を有するフォトクロミック
プラスチックレンズが得られる。また、調光に伴うフォ
トクロミック物質の構造変化が十分に行われることか
ら、使用するフォトクロミック物質の性能を十分に生か
したレンズが得られる。更に、フォトクロミック物質の
性能を十分に生かすことができるので、熱硬化性樹脂で
レンズ基材を形成した場合に比べて、フォトクロミック
物質の使用量は少なくて済み、より低コストでフォトク
ロミックプラスチックレンズが得られる。また、紫外線
硬化型樹脂は硬化時間が短いのでより低コストで製造で
き、生産性も向上する。
【0141】更に、均一なフォトクロミック性能を有す
るグラデーション状のフォトクロミックプラスチックレ
ンズを低コストで再現性よく容易に製造することが可能
となった。更に、多色のフォトクロミック性能を有する
フォトクロミックプラスチックレンズを簡単に製造可能
となった。これにより従来にない多色の色を有する外観
の優れたフォトクロミックプラスチックレンズが得られ
る。
【0142】また、フォトクロミック物質を真空蒸着法
でレンズ基材上に付着させ、これを加熱することにより
フォトクロミック物質をレンズ基材表面に浸透、拡散さ
せることフォトクロミックプラスチックレンズを製造
し、更にハードコート層をCVD法により形成すれば、
ドライプロセスのみでフォトクロミックプラスチックレ
ンズを製造することが可能となり、耐擦傷性の向上した
フォトクロミックプラスチックレンズの製造工程の簡素
化、コストの削減が可能となる。そしてレンズ基材の表
面内部にフォトクロミック物質の浸透領域が形成されて
いるレンズの耐擦傷性を更に向上させることができる。
【0143】また、レンズ基材の表面内部にフォトクロ
ミック物質が浸透、拡散したレンズ基材上にプライマー
層を形成することにより、耐衝撃性の向上したフォトク
ロミックプラスチックレンズを得ることができる。さら
にプライマー層上にハードコート層を形成することによ
り、耐擦傷性、耐衝撃性の優れ、容易に製造できるフォ
トクロミックプラスチックレンズが得られる。
【0144】本願発明のフォトクロミックプラスチック
レンズは、外観に優れ、高耐久性であることから様々な
環境下において、様々な趣向の眼鏡装用者に適応できる
フォトクロミックプラスチックレンズを提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本願発明の一実施例に関わるグラデーショ
ンを有するフォトクロミックプラスチックレンズの製造
装置を示した概略図である。
【図2】は、本願発明の一実施例に関わるグラデーショ
ンを有するフォトクロミックプラスチックレンズの製造
装置を示した概略図である。
【図3】は、本願発明の一実施例に関わるグラデーショ
ンを有するフォトクロミックプラスチックレンズの製造
装置を示した概略図である。
【図4】は、本願発明の一実施例に関わる多色のフォト
クロミックプラスチックレンズの製造装置を示した概略
図である。
【主要部分の符号の説明】
1,21,31・・・・・・・・・加熱手段 2,22,42,43・・・・・・遮蔽板 3,23,32・・・・・・・・・レンズ基材に付着し
たフォトクロミック物質 4,24,33,41・・・・・・レンズ基材 25・・・・・・・・・・・・・・レンズ基材の移動手
段 34・・・・・・・・・・・・・・レンズ基材の設置台 以上
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02C 7/10 G02B 1/10 Z // B29K 33:04 (31)優先権主張番号 特願平8−102875 (32)優先日 平8(1996)4月24日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平8−105708 (32)優先日 平8(1996)4月25日 (33)優先権主張国 日本(JP)

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチックレンズ基材の表面に真空蒸着
    法によりフォトクロミック物質を付着させる工程と、前
    記フォトクロミック物質が付着した前記プラスチックレ
    ンズ基材を加熱し前記プラスチックレンズ基材表面の内
    部に前記フォトクロミック物質を浸透させる工程からな
    ることを特徴とするフォトクロミックプラスチックレン
    ズの製造方法。
  2. 【請求項2】紫外線が照射されることにより重合が開始
    する重合開始剤を含んだモノマーを成形型に注入する工
    程と、前記成形型に注入された前記モノマーに紫外線を
    照射し硬化させプラスチックレンズ基材を成形する工程
    と、前記プラスチックレンズ基材の表面に真空蒸着法に
    よりフォトクロミック物質を付着させる工程と、前記フ
    ォトクロミック物質が付着した前記プラスチックレンズ
    基材を加熱し前記プラスチックレンズ基材表面の内部に
    前記フォトクロミック物質を浸透させる工程からなるこ
    とを特徴とするフォトクロミックプラスチックレンズの
    製造方法。
  3. 【請求項3】紫外線が照射されることにより重合が開始
    する重合開始剤および熱により重合が開始する重合開始
    剤を含んだモノマーを成形型に注入する工程と、前記モ
    ノマーへの紫外線の照射と加熱により前記モノマーを重
    合、硬化させプラスチックレンズ基材を成形する工程
    と、前記プラスチックレンズ基材の表面に真空蒸着法に
    よりフォトクロミック物質を付着させる工程と、前記フ
    ォトクロミック物質が付着した前記プラスチックレンズ
    基材を加熱し前記プラスチックレンズ基材表面の内部に
    前記フォトクロミック物質を浸透させる工程からなるこ
    とを特徴とするフォトクロミックプラスチックレンズの
    製造方法。
  4. 【請求項4】プラスチックレンズ基材の表面に真空蒸着
    法により付着されたフォトクロミック物質を加熱するこ
    とにより前記プラスチックレンズ基材表面の内部に前記
    フォトクロミック物質が浸透された浸透領域が存在して
    いることを特徴とするフォトクロミックプラスチックレ
    ンズ。
  5. 【請求項5】フォトクロミックプラスチックレンズを正
    面から見たときにフォトクロミック物質の付着量に勾配
    が生じるように前記付着量を制御しながら前記プラスチ
    ックレンズ基材の表面に真空蒸着法により前記フォトク
    ロミック物質を付着させる工程と、前記フォトクロミッ
    ク物質が付着した前記プラスチックレンズ基材を加熱
    し、前記プラスチックレンズ基材表面の内部に前記フォ
    トクロミック物質の付着量に比例した量の前記フォトク
    ロミック物質を浸透させる工程からなることを特徴とす
    るフォトクロミックプラスチックレンズの製造方法。
  6. 【請求項6】プラスチックレンズ基材の表面に真空蒸着
    法によりフォトクロミック物質を付着させる工程と、前
    記フォトクロミック物質が付着した前記プラスチックレ
    ンズ基材の表面に対して加熱量に勾配が生じるように前
    記加熱量を制御しながら加熱し前記プラスチックレンズ
    基材表面の内部に前記加熱量に比例した量の前記フォト
    クロミック物質を浸透させる工程からなることを特徴と
    するフォトクロミックプラスチックレンズの製造方法。
  7. 【請求項7】プラスチックレンズ基材の表面に真空蒸着
    法により付着されたフォトクロミック物質を加熱するこ
    とにより前記プラスチックレンズ基材表面の内部に前記
    フォトクロミック物質が浸透された浸透領域が存在し、
    前記浸透領域は前記フォトクロミック物質の浸透量の勾
    配を有していることを特徴とするフォトクロミックプラ
    スチックレンズ。
  8. 【請求項8】プラスチックレンズ基材の表面の一部(領
    域A)に真空蒸着法により第1のフォトクロミック物質
    を付着させる工程と、前記第1のフォトクロミック物質
    とは異なる色の第2のフォトクロミック物質を前記領域
    Aへの付着を遮断して前記領域A以外の領域に真空蒸着
    法により前記第2のフォトクロミック物質を付着させる
    工程と、前記第1及び第2のフォトクロミック物質が付
    着したプラスチックレンズ基材を加熱し、前記第1及び
    第2のフォトクロミック物質を前記プラスチックレンズ
    基材表面の内部に浸透させる工程からなることを特徴と
    するフォトクロミックプラスチックレンズの製造方法。
  9. 【請求項9】プラスチックレンズ基材表面の内部の異な
    る領域に真空蒸着法により付着された各々異なるフォト
    クロミック物質を加熱することにより前記異なるフォト
    クロミック物質が浸透された浸透領域が存在しているこ
    とを特徴とするフォトクロミックプラスチックレンズ。
  10. 【請求項10】プラスチックレンズ基材の表面に真空蒸
    着法によりフォトクロミック物質を付着させる工程と、
    前記フォトクロミック物質が付着した前記プラスチック
    レンズ基材を加熱し前記プラスチックレンズ基材表面の
    内部に前記フォトクロミック物質を浸透させる工程と、
    前記フォトクロミック物質が基材表面の内部に浸透した
    前記プラスチックレンズ基材の上にCVD法によりハー
    ドコート層を形成する工程からなることを特徴とするフ
    ォトクロミックプラスチックレンズの製造方法。
  11. 【請求項11】プラスチックレンズ基材の表面に真空蒸
    着法により付着されたフォトクロミック物質を加熱する
    ことにより前記プラスチックレンズ基材表面の内部に前
    記フォトクロミック物質が浸透された浸透領域が存在し
    ている前記プラスチックレンズ基材上にCVD法により
    形成されたハードコート層を有することを特徴とするフ
    ォトクロミックプラスチックレンズ。
  12. 【請求項12】プラスチックレンズ基材の表面に真空蒸
    着法によりフォトクロミック物質を付着させる工程と、
    前記フォトクロミック物質が付着した前記プラスチック
    レンズ基材を加熱し前記プラスチックレンズ基材表面の
    内部に前記フォトクロミック物質を浸透させる工程と、
    前記フォトクロミック物質が基材表面の内部に浸透した
    前記プラスチックレンズ基材の上にCVD法により厚さ
    方向に向かって屈折率が変化している変性層を形成する
    工程と、前記変性層上にCVD法によりハードコート層
    を形成する工程からなることを特徴とするフォトクロミ
    ックプラスチックレンズの製造方法。
  13. 【請求項13】プラスチックレンズ基材の表面に真空蒸
    着法によりフォトクロミック物質を付着させる工程と、
    前記フォトクロミック物質が付着した前記プラスチック
    レンズ基材を加熱し前記プラスチックレンズ基材表面の
    内部に前記フォトクロミック物質を浸透させる工程と、
    前記フォトクロミック物質が基材表面の内部に浸透した
    前記プラスチックレンズ基材上にCVD法により形成さ
    れた厚さ方向に向かって屈折率が変化している変性層を
    有し、前記変性層上にCVD法により形成されたハード
    コート層を有することを特徴とするフォトクロミックプ
    ラスチックレンズ。
  14. 【請求項14】前記ハードコート層がSiを含む有機化
    合物ガスと酸素ガスとの混合ガスを用い、プラズマを用
    いた化学気相成長法により形成されるものであることを
    特徴とする請求項10、11、12、13記載のフォト
    クロミックプラスチックレンズ及びフォトクロミックプ
    ラスチックレンズの製造方法。
  15. 【請求項15】前記変性層がSiを含む有機化合物ガス
    およびTiを含む有機化合物ガスの少なくとも一方を用
    い、プラズマを用いた気相成長法により形成されるもの
    であることを特徴とする請求項12、13記載のフォト
    クロミックプラスチックレンズ及びフォトクロミックプ
    ラスチックレンズの製造方法。
  16. 【請求項16】前記ハードコート層の膜厚が前記変性層
    よりも相対的に厚いことを特徴とする請求項12、13
    記載のフォトクロミックプラスチックレンズ及びフォト
    クロミックプラスチックレンズの製造方法。
  17. 【請求項17】前記ハードコート層の屈折率がほぼ一定
    であることを特徴とする請求項10、11、12、1
    3、14記載のフォトクロミックプラスチックレンズ及
    びフォトクロミックプラスチックレンズの製造方法。
  18. 【請求項18】プラスチックレンズ基材の表面に真空蒸
    着法によりフォトクロミック物質を付着させる工程と、
    前記フォトクロミック物質が付着した前記プラスチック
    レンズ基材を加熱し前記プラスチックレンズ基材表面の
    内部に前記フォトクロミック物質を浸透させる工程と、
    前記フォトクロミック物質が基材表面の内部に浸透した
    前記プラスチックレンズ基材の上にウレタン系樹脂また
    は架橋されたポリビニルアセタール樹脂を主成分とする
    化合物を塗布しプライマー層を形成する工程からなるこ
    とを特徴とするフォトクロミックプラスチックレンズの
    製造方法。
  19. 【請求項19】プラスチックレンズ基材の表面に真空蒸
    着法により付着されたフォトクロミック物質を加熱する
    ことにより前記プラスチックレンズ基材表面の内部に前
    記フォトクロミック物質が浸透された浸透領域が存在し
    ている前記プラスチックレンズ基材上にウレタン系樹脂
    または架橋されたポリビニルアセタール樹脂からなるプ
    ライマー層を有することを特徴とするフォトクロミック
    プラスチックレンズ。
  20. 【請求項20】前記ウレタン系樹脂が、アルキレングリ
    コール類、ポリアルキレングリコール類、ポリ(アルキ
    レンアジペート)類、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリ
    ブタジエングリコール類、ポリ−(アルキレンカーボネ
    ート)類又はシリコンポリオールから選ばれる活性水素
    含有化合物とポリイソシアネートとのウレタン溶液から
    得られる樹脂であることを特徴とする請求項18、19
    記載のフォトクロミックプラスチックレンズ及びフォト
    クロミックプラスチックレンズの製造方法。
  21. 【請求項21】前記ポリビニルアセタール樹脂が、下記
    で表される化合物を主成分としてなることを特徴とする
    請求項18、19記載のフォトクロミックプラスチック
    レンズ及びフォトクロミックプラスチックレンズの製造
    方法。少なくとも、一般式中のアセタール基を有する構
    成単位の分率(a)(分率とは特定の構成単位の重合体
    中の総構成単位数に対する割合である)が10〜90、OH
    基を有する構成単位数の分率(b)が10〜90であり、ま
    たa+b≦100 である重合体(A)と、(B)一般式
    (II) 【化1】 (II) (ただし、式中、R2 、R3 は置換もしくは非置換の炭
    素数1〜8の炭化水素基であり、X1 は加水分解物基で
    あり、d、eは0から3までの整数である)で表される
    加水分解性オルガノシラン化合物もしくはその加水分解
    物、 又は一般式(III) 【化2】 (III) (ただし、式中、R4 は炭素数2〜8の有機基であり、
    5 、R6 は置換もしくは非置換の炭素数1〜8の炭化
    水素基であり、X2 は加水分解物基であり、f、gは0
    から2までの整数である)で表される加水分解性オルガ
    ノシラン化合物もしくはその加水分解物、 又は一般式(IV) 【化3】 (IV) (ただし、式中、R7 は置換もしくは非置換の炭素数1
    〜6の炭化水素基である)で表されるジアルデヒド化合
    物若しくはグリオキサール又は一般式(V) 【化4】 (V) (ただし、式中、R8 は置換もしくは非置換の炭素数1
    〜6の炭化水素基であり、R9 は炭素数1〜4の飽和炭
    化水素基である)で表されるジアルデヒドのアセタール
    化合物、の中から選択される少なくとも1種類の架橋剤
    と、(C)有機溶媒及び水とからなるプライマー組成物
    であって、 前記(A)成分の含有率は1〜30重量%であり、
    (B)成分である架橋剤の含有率は0.01〜30重量
    %である。
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