JPH1010896A - 電子写真用定着部材および定着装置 - Google Patents
電子写真用定着部材および定着装置Info
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- JPH1010896A JPH1010896A JP15792996A JP15792996A JPH1010896A JP H1010896 A JPH1010896 A JP H1010896A JP 15792996 A JP15792996 A JP 15792996A JP 15792996 A JP15792996 A JP 15792996A JP H1010896 A JPH1010896 A JP H1010896A
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- roll
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 磨耗に強く耐久性に優れ、離型剤の量を減ら
した状況においてもトナーに対する離型性に富み、未定
着トナー像を均一に定着でき、定着後の画像表面の平滑
性が高く高画質である電子写真用定着部材、およびそれ
を用いた定着装置を提供する。 【解決手段】 パーフルオロアルキル基を含むシランカ
ップリング剤で処理した無機充填剤が分散された耐熱性
エラストマーからなる表面層を有することを特徴とする
電子写真用定着部材であって、定着装置における弾性加
熱ロールまたは加熱ベルト等として用いられる。加熱ロ
ール1は、中空芯金2の上に弾性層3および上記の表面
層4が設けられた構成を有しており、加圧ロール11と
対向してニップ域が形成されるように配置されている。
した状況においてもトナーに対する離型性に富み、未定
着トナー像を均一に定着でき、定着後の画像表面の平滑
性が高く高画質である電子写真用定着部材、およびそれ
を用いた定着装置を提供する。 【解決手段】 パーフルオロアルキル基を含むシランカ
ップリング剤で処理した無機充填剤が分散された耐熱性
エラストマーからなる表面層を有することを特徴とする
電子写真用定着部材であって、定着装置における弾性加
熱ロールまたは加熱ベルト等として用いられる。加熱ロ
ール1は、中空芯金2の上に弾性層3および上記の表面
層4が設けられた構成を有しており、加圧ロール11と
対向してニップ域が形成されるように配置されている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式を用
いた複写装置、プリンター、その他種々の画像形成装置
に用いられる定着部材に関するものであり、また、ロー
ル状またはベルト状に形成された弾性回転体を用いて熱
と圧力によってトナー像を定着させるための定着装置に
関するものである。
いた複写装置、プリンター、その他種々の画像形成装置
に用いられる定着部材に関するものであり、また、ロー
ル状またはベルト状に形成された弾性回転体を用いて熱
と圧力によってトナー像を定着させるための定着装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、使用されてきた電子写真方式を用
いた複写装置、プリンター等に使用される定着装置は以
下のように構成される。
いた複写装置、プリンター等に使用される定着装置は以
下のように構成される。
【0003】定着装置は、2つの回転体、例えば、図1
に示されるようにロール状に形成された加熱ロールと呼
ばれる加熱回転体と、ロール状に形成された加圧ロール
と呼ばれる加圧回転体の一対のロールから構成され、加
熱ロール1は、アルミニウム、鉄などの円筒状の中空芯
金2の表面に、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ポリテト
ラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチ
レンとパーフルオロアルコキシエチレンの共重合体(P
FA)等のフッ素樹脂よりなる離型性に優れた耐熱性エ
ラストマーまたは耐熱性樹脂からなる表面層4を被覆す
ることにより構成され、そして加熱ロールを加熱するた
めに、ロール内部にハロゲンランプ等のヒーター21が
配置されている。一方、加圧ロール11は、アルミニウ
ム、鉄等の円筒状の中空芯金12の表面に加熱ロールと
同種または別種の離型性に優れた耐熱性エラストマーま
たは耐熱性樹脂からなる表面層14を被覆することによ
り構成されている。加熱ロールと加圧ロールとは、互い
にバネ等によって圧接されている。これら定着装置の回
転体表面層の耐熱性エラストマーまたは耐熱性樹脂に
は、紙等のトナー像支持との摩擦に対する耐久性を確保
するために、添加剤として、SiO2 等の無機酸化物や
カーボンブラック等の無機充填剤が添加されている。
に示されるようにロール状に形成された加熱ロールと呼
ばれる加熱回転体と、ロール状に形成された加圧ロール
と呼ばれる加圧回転体の一対のロールから構成され、加
熱ロール1は、アルミニウム、鉄などの円筒状の中空芯
金2の表面に、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ポリテト
ラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチ
レンとパーフルオロアルコキシエチレンの共重合体(P
FA)等のフッ素樹脂よりなる離型性に優れた耐熱性エ
ラストマーまたは耐熱性樹脂からなる表面層4を被覆す
ることにより構成され、そして加熱ロールを加熱するた
めに、ロール内部にハロゲンランプ等のヒーター21が
配置されている。一方、加圧ロール11は、アルミニウ
ム、鉄等の円筒状の中空芯金12の表面に加熱ロールと
同種または別種の離型性に優れた耐熱性エラストマーま
たは耐熱性樹脂からなる表面層14を被覆することによ
り構成されている。加熱ロールと加圧ロールとは、互い
にバネ等によって圧接されている。これら定着装置の回
転体表面層の耐熱性エラストマーまたは耐熱性樹脂に
は、紙等のトナー像支持との摩擦に対する耐久性を確保
するために、添加剤として、SiO2 等の無機酸化物や
カーボンブラック等の無機充填剤が添加されている。
【0004】しかしながら、これら無機添加剤が添加さ
れた回転体表面層は、耐久性に優れているが、トナーに
対する離型性に優れていない。そこで、回転体表面層の
離型性を確保するために、未定着像に直接圧接する側の
加熱回転体の表面に外部からシリコーンオイル等の離型
剤を離型剤塗布装置29により供給し、未定着像と表面
の間に形成される離型剤の層で分断して剥離させること
が行われている。なお、図中、27はインレットシュー
ト、28はアウトレットシュート、31は紙、32はト
ナー像を示す。
れた回転体表面層は、耐久性に優れているが、トナーに
対する離型性に優れていない。そこで、回転体表面層の
離型性を確保するために、未定着像に直接圧接する側の
加熱回転体の表面に外部からシリコーンオイル等の離型
剤を離型剤塗布装置29により供給し、未定着像と表面
の間に形成される離型剤の層で分断して剥離させること
が行われている。なお、図中、27はインレットシュー
ト、28はアウトレットシュート、31は紙、32はト
ナー像を示す。
【0005】ところが、シリコーンオイル等の離型剤を
供給することに関しては、定着時に離型剤が紙やOHP
フィルムなどのトナー像支持体に付着し、その結果、ト
ナー像支持体の表面に手が触れたときのべとつきによる
不快感や、接着テープ類が付着しないという問題点、或
いは外部から離型剤を供給する装置が必要であるため定
着装置の小型化ならびに低コスト化が制約されるという
問題点が生じている。このため、加熱回転体の表面に供
給する離型剤の量を減少させるか、殆ど使用しないこと
が課題となっている。
供給することに関しては、定着時に離型剤が紙やOHP
フィルムなどのトナー像支持体に付着し、その結果、ト
ナー像支持体の表面に手が触れたときのべとつきによる
不快感や、接着テープ類が付着しないという問題点、或
いは外部から離型剤を供給する装置が必要であるため定
着装置の小型化ならびに低コスト化が制約されるという
問題点が生じている。このため、加熱回転体の表面に供
給する離型剤の量を減少させるか、殆ど使用しないこと
が課題となっている。
【0006】そこで、離型剤に頼ることなく離型性を確
保する方法として、ロール表面を低表面エネルギー化し
て、ロール表面とトナーの付着力を小さくした定着部材
が提案されている。例えば、特公平4−76381号公
報には、有機合成ゴムにパーフルオロアルキル基を含む
アクリル系ポリマーを混合したゴム組成物を用いること
が、特公平8−14739号公報には、表面ゴム層にフ
ッ素系界面活性剤を添加することが提案されている。し
かしながら、これらに関しては離型性は長期的に維持で
きるものの、耐摩耗性に関しては劣るという欠点を有し
ている。また、特開昭58−16275号公報および特
公昭63−44224号公報には、フッ素樹脂にフッ化
カーボンを添加する方法が、特開昭58−224366
号公報および特開平6−102786号公報には、フッ
素樹脂またはシリコーンゴムにフッ化カーボンを添加す
る方法が提案されている。しかしながら、フッ素樹脂に
フッ化カーボンを添加する場合は、フッ素樹脂が弾性に
乏しく均一に定着できないことから高画質適性が低いと
いう欠点を有し、シリコーンゴムにフッ化カーボンを添
加する場合は耐摩耗性が低いという欠点を有している。
保する方法として、ロール表面を低表面エネルギー化し
て、ロール表面とトナーの付着力を小さくした定着部材
が提案されている。例えば、特公平4−76381号公
報には、有機合成ゴムにパーフルオロアルキル基を含む
アクリル系ポリマーを混合したゴム組成物を用いること
が、特公平8−14739号公報には、表面ゴム層にフ
ッ素系界面活性剤を添加することが提案されている。し
かしながら、これらに関しては離型性は長期的に維持で
きるものの、耐摩耗性に関しては劣るという欠点を有し
ている。また、特開昭58−16275号公報および特
公昭63−44224号公報には、フッ素樹脂にフッ化
カーボンを添加する方法が、特開昭58−224366
号公報および特開平6−102786号公報には、フッ
素樹脂またはシリコーンゴムにフッ化カーボンを添加す
る方法が提案されている。しかしながら、フッ素樹脂に
フッ化カーボンを添加する場合は、フッ素樹脂が弾性に
乏しく均一に定着できないことから高画質適性が低いと
いう欠点を有し、シリコーンゴムにフッ化カーボンを添
加する場合は耐摩耗性が低いという欠点を有している。
【0007】以上のような理由から、定着装置において
離型剤の量を減らすか、殆ど使用しないような状態で維
持性、耐オフセット性および高画質のいずれも満たすこ
とは、従来技術では困難であった。そこで、新たに耐久
性に優れ離型剤の量を減らした状況においても、トナー
に対する離型性に富み、高画質適性に優れた定着用弾性
回転体が必要であった。
離型剤の量を減らすか、殆ど使用しないような状態で維
持性、耐オフセット性および高画質のいずれも満たすこ
とは、従来技術では困難であった。そこで、新たに耐久
性に優れ離型剤の量を減らした状況においても、トナー
に対する離型性に富み、高画質適性に優れた定着用弾性
回転体が必要であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記の実情に鑑みてなされたものであり、その
目的は、(1)磨耗に強く耐久性に優れ、(2)離型剤
を減らした状況においてもトナーに対する離型性に富
み、(3)未定着像を均一に定着でき、定着後の画像表
面の平滑性が高く高画質である、電子写真用定着部材お
よびそれを用いた定着装置を提供することにある。
における上記の実情に鑑みてなされたものであり、その
目的は、(1)磨耗に強く耐久性に優れ、(2)離型剤
を減らした状況においてもトナーに対する離型性に富
み、(3)未定着像を均一に定着でき、定着後の画像表
面の平滑性が高く高画質である、電子写真用定着部材お
よびそれを用いた定着装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、多くの実
験を行ったところ、離型剤の量を減らすか、または、殆
ど使用しないような条件においては回転体表面に無機充
填剤表面の活性基とポリスチレンやポリエステルなどの
トナーの結着樹脂とが反応して結合し、回転体表面とト
ナーの付着力が大きくなることを突き止めた。そこでさ
らなる研究の結果、弾性回転体の耐熱性ゴム表面層に分
散された無機充填剤の表面をパーフルオロアルキル基を
含むシランカップリング剤で処理することにより、無機
充填剤表面の活性基を封止するだけでなく、回転体表面
層の低表面エネルギー化がなされ、充填剤の効果を損な
うことなく、耐久性に優れ、かつ離型剤の量が少ない状
況においても離型性に優れた表面材料を形成できること
を見出し、本発明を完成するに至った。
験を行ったところ、離型剤の量を減らすか、または、殆
ど使用しないような条件においては回転体表面に無機充
填剤表面の活性基とポリスチレンやポリエステルなどの
トナーの結着樹脂とが反応して結合し、回転体表面とト
ナーの付着力が大きくなることを突き止めた。そこでさ
らなる研究の結果、弾性回転体の耐熱性ゴム表面層に分
散された無機充填剤の表面をパーフルオロアルキル基を
含むシランカップリング剤で処理することにより、無機
充填剤表面の活性基を封止するだけでなく、回転体表面
層の低表面エネルギー化がなされ、充填剤の効果を損な
うことなく、耐久性に優れ、かつ離型剤の量が少ない状
況においても離型性に優れた表面材料を形成できること
を見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】したがって、本発明の上記の目的は、次の
電子写真用定着部材および定着装置によって達成され
る。すなわち、本発明の電子写真用定着部材は、電子写
真方式を用いた複写装置、プリンター、その他種々の画
像形成装置に用いられるものであって、特に画像を定着
させるための定着ロールまたはベルトに好適に使用され
るものであり、パーフルオロアルキル基を含むシランカ
ップリング剤で処理した無機充填剤が分散された耐熱性
エラストマーからなる表面層を有することを特徴とす
る。
電子写真用定着部材および定着装置によって達成され
る。すなわち、本発明の電子写真用定着部材は、電子写
真方式を用いた複写装置、プリンター、その他種々の画
像形成装置に用いられるものであって、特に画像を定着
させるための定着ロールまたはベルトに好適に使用され
るものであり、パーフルオロアルキル基を含むシランカ
ップリング剤で処理した無機充填剤が分散された耐熱性
エラストマーからなる表面層を有することを特徴とす
る。
【0011】また、本発明の定着装置は、少なくとも表
面が耐熱性および離型性を有する弾性加熱ロールまたは
加熱ベルトと、前記弾性加熱ロールまたは加熱ベルトに
圧接する加圧ロールとを有し、該弾性加熱ロールまたは
加熱ベルトと加圧ロールとの間に形成されるニップ域に
未定着トナー像を支持する支持体を通過させ、熱および
圧力によって定着を行なうものであって、少なくとも弾
性加熱ロールまたは加熱ベルトが、パーフルオロアルキ
ル基を含むシランカップリング剤で処理した無機充填剤
が分散された耐熱性エラストマーからなる表面層を有す
ることを特徴とする。
面が耐熱性および離型性を有する弾性加熱ロールまたは
加熱ベルトと、前記弾性加熱ロールまたは加熱ベルトに
圧接する加圧ロールとを有し、該弾性加熱ロールまたは
加熱ベルトと加圧ロールとの間に形成されるニップ域に
未定着トナー像を支持する支持体を通過させ、熱および
圧力によって定着を行なうものであって、少なくとも弾
性加熱ロールまたは加熱ベルトが、パーフルオロアルキ
ル基を含むシランカップリング剤で処理した無機充填剤
が分散された耐熱性エラストマーからなる表面層を有す
ることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、その詳細について説明す
る。定着部材の基材としては、ロール状のものでは、ア
ルミニウム、鉄等の金属からなる円筒状の中空芯金があ
げられ、ベルト状のものでは、Ni電鋳シートおよびポ
リイミド等の耐熱性樹脂シート等があげられる。
る。定着部材の基材としては、ロール状のものでは、ア
ルミニウム、鉄等の金属からなる円筒状の中空芯金があ
げられ、ベルト状のものでは、Ni電鋳シートおよびポ
リイミド等の耐熱性樹脂シート等があげられる。
【0013】耐熱性エラストマーとしては、フッ素ゴ
ム、シリコーンゴム、アクリルゴム等があげられるが、
中でもフッ素ゴム、シリコーンゴムが望ましい。また、
これらの耐熱性エラストマーには、可塑剤、老化防止剤
や一般的なゴム配合剤(加硫剤、加硫補助剤等)等、公
知の種々の無機および有機添加物を配合することが可能
である。しかしながら、これらの添加物はトナーに対す
る表面の離型性を損なわない範囲で添加することが必要
である。
ム、シリコーンゴム、アクリルゴム等があげられるが、
中でもフッ素ゴム、シリコーンゴムが望ましい。また、
これらの耐熱性エラストマーには、可塑剤、老化防止剤
や一般的なゴム配合剤(加硫剤、加硫補助剤等)等、公
知の種々の無機および有機添加物を配合することが可能
である。しかしながら、これらの添加物はトナーに対す
る表面の離型性を損なわない範囲で添加することが必要
である。
【0014】また、基材と表面層の中間には弾性層を介
在させても構わない。弾性層としては上記に示した耐熱
性エラストマーと同種もしくは別種のエラストマーが用
いられる。
在させても構わない。弾性層としては上記に示した耐熱
性エラストマーと同種もしくは別種のエラストマーが用
いられる。
【0015】耐熱性エラストマーに添加するパーフルオ
ロアルキル基を含むシランカップリング剤で処理すべき
無機充填剤としては、SiO2 、TiO2 、Al
2 O3 、MgO、CaO、Fe2 O3 等の無機酸化物、
SiC(炭化ケイ素)、BN(窒化ホウ素)、ケイ酸塩
等があげられる。これらの無機充填剤の平均粒子径は、
0.1μmないし8μmの範囲に設定するのが好まし
い。平均粒子径が8μmよりも大きくなると、脱落する
可能性が高くなる。
ロアルキル基を含むシランカップリング剤で処理すべき
無機充填剤としては、SiO2 、TiO2 、Al
2 O3 、MgO、CaO、Fe2 O3 等の無機酸化物、
SiC(炭化ケイ素)、BN(窒化ホウ素)、ケイ酸塩
等があげられる。これらの無機充填剤の平均粒子径は、
0.1μmないし8μmの範囲に設定するのが好まし
い。平均粒子径が8μmよりも大きくなると、脱落する
可能性が高くなる。
【0016】これらの無機充填剤は、パーフルオロアル
キル基を含むシランカップリング剤による処理がなされ
る。使用するパーフルオロアルキル基を含むシランカッ
プリング剤としては、次の一般式で示される化合物があ
げられる。
キル基を含むシランカップリング剤による処理がなされ
る。使用するパーフルオロアルキル基を含むシランカッ
プリング剤としては、次の一般式で示される化合物があ
げられる。
【0017】Rf−(CH2 )n −SiX3 [式中、Rf:パーフルオロアルキル基(Cm F2m+1、
mは1〜30の整数)、X:塩素原子、アルコキシ基
(−OCk H2k+1、kは1〜5の整数)等の反応性基、
n:2〜20の整数] パーフルオロアルキル基に関しては、直鎖構造あるいは
分枝構造のどちらでも構わないが、直鎖構造のものが望
ましい。また、パーフルオロアルキル基の炭素数は多い
ほど離型性が向上し、炭素数が7以上、特に7〜20の
範囲のものが望ましい。
mは1〜30の整数)、X:塩素原子、アルコキシ基
(−OCk H2k+1、kは1〜5の整数)等の反応性基、
n:2〜20の整数] パーフルオロアルキル基に関しては、直鎖構造あるいは
分枝構造のどちらでも構わないが、直鎖構造のものが望
ましい。また、パーフルオロアルキル基の炭素数は多い
ほど離型性が向上し、炭素数が7以上、特に7〜20の
範囲のものが望ましい。
【0018】上記のシランカップリング剤による無機充
填剤の処理は、有機溶媒にシランカップリング剤を溶解
し、この溶液中に無機充填剤を浸漬撹拌することによっ
て行われる。この処理は、耐熱性エラストマーに対する
無機充填剤の分散性が損なわない程度に行えばよい。処
理時に用いられる有機溶媒としては、反応性基:Xが塩
素原子の場合には、含ハロゲン系溶媒、炭化水素溶媒、
エーテル系溶媒等の非水系有機溶媒が好ましく、これら
の溶媒のうち、複数のものを混合しても差し支えない。
また、反応性基がアルコキシ基の場合には、少量の酢酸
と水5〜50%を加えたエタノール中で処理することが
望ましい。
填剤の処理は、有機溶媒にシランカップリング剤を溶解
し、この溶液中に無機充填剤を浸漬撹拌することによっ
て行われる。この処理は、耐熱性エラストマーに対する
無機充填剤の分散性が損なわない程度に行えばよい。処
理時に用いられる有機溶媒としては、反応性基:Xが塩
素原子の場合には、含ハロゲン系溶媒、炭化水素溶媒、
エーテル系溶媒等の非水系有機溶媒が好ましく、これら
の溶媒のうち、複数のものを混合しても差し支えない。
また、反応性基がアルコキシ基の場合には、少量の酢酸
と水5〜50%を加えたエタノール中で処理することが
望ましい。
【0019】上記のようにして処理された無機添加剤
は、表面層を構成する組成物中に、0.1重量%から5
0重量%の範囲で含有させるが、好ましくは1重量%か
ら30重量%の範囲である。
は、表面層を構成する組成物中に、0.1重量%から5
0重量%の範囲で含有させるが、好ましくは1重量%か
ら30重量%の範囲である。
【0020】本発明の定着部材は、例えば以下に示すよ
うな方法で製造される。すなわち、上記の耐熱性エラス
トマーを溶剤に溶解させ、上記の方法でシランカップリ
ング剤処理がなされた無機充填剤と、加硫剤や加硫助剤
等の添加剤を加えて撹拌した後、基材を浸漬させてディ
ップコーティングするか、または処理がなされた無機充
填剤と上記の耐熱性エラストマーと添加剤とを溶剤中に
添加し、混合して懸濁分散させ、基材にスプレーコーテ
ィング等で塗布し、焼き付ける。それにより基材上に表
面層が形成される。
うな方法で製造される。すなわち、上記の耐熱性エラス
トマーを溶剤に溶解させ、上記の方法でシランカップリ
ング剤処理がなされた無機充填剤と、加硫剤や加硫助剤
等の添加剤を加えて撹拌した後、基材を浸漬させてディ
ップコーティングするか、または処理がなされた無機充
填剤と上記の耐熱性エラストマーと添加剤とを溶剤中に
添加し、混合して懸濁分散させ、基材にスプレーコーテ
ィング等で塗布し、焼き付ける。それにより基材上に表
面層が形成される。
【0021】本発明の定着部材における表面層は、上記
のように耐熱性エラストマー中にパーフルオロアルキル
基を含むシランカプリング剤で処理した無機充填剤が分
散されているために、その定着部材は、充填剤添加によ
る耐久性向上効果を維持しつつ、離型性に優れ、表面に
トナーが付着しないものとなる。すなわち、無機充填剤
表面の活性基が封止され、かつ無機充填剤表面が低表面
エネルギー化されていることから、露出した無機充填剤
表面とトナーの付着力が小さくなり、定着部材表面への
トナーオフセットを抑えることが可能になる。また、パ
ーフルオロアルキル基はシロキサン結合を介して無機充
填剤表面に化学結合しているため、長期間にわたって離
型性を発揮することができる。
のように耐熱性エラストマー中にパーフルオロアルキル
基を含むシランカプリング剤で処理した無機充填剤が分
散されているために、その定着部材は、充填剤添加によ
る耐久性向上効果を維持しつつ、離型性に優れ、表面に
トナーが付着しないものとなる。すなわち、無機充填剤
表面の活性基が封止され、かつ無機充填剤表面が低表面
エネルギー化されていることから、露出した無機充填剤
表面とトナーの付着力が小さくなり、定着部材表面への
トナーオフセットを抑えることが可能になる。また、パ
ーフルオロアルキル基はシロキサン結合を介して無機充
填剤表面に化学結合しているため、長期間にわたって離
型性を発揮することができる。
【0022】次に、本発明の定着装置について説明す
る。図2ないし図4は、本発明の上記の定着部材を用い
た定着装置の概略の構成図である。図2はフルカラー複
写機用ロール組み込み型定着装置の概略断面図であっ
て、加熱ロール1および加圧ロール11の2つのロール
が対向し、圧接してニップ域が形成されるように設けら
れている。加熱ロール1は、内部にヒーター21を設け
た中空芯金2の表面に、弾性層3および表面層4が順次
設けられた構造を有している。また、加圧ロール11
は、内部にヒーター26を設けた中空芯金12の表面
に、弾性層13および表面層14が順次設けられた構造
を有している。これら加熱ロールおよび加圧ロールの表
面層4および14は、それぞれ、上記したように、パー
フルオロアルキル基を含むシランカップリング剤で処理
した無機充填剤が分散された耐熱性エラストマーから構
成されている。この定着装置においては、トナー像32
を支持した紙31を、加熱ロール1および加圧ロール1
1により形成されるニップ域を通過させることにより定
着が行われる。
る。図2ないし図4は、本発明の上記の定着部材を用い
た定着装置の概略の構成図である。図2はフルカラー複
写機用ロール組み込み型定着装置の概略断面図であっ
て、加熱ロール1および加圧ロール11の2つのロール
が対向し、圧接してニップ域が形成されるように設けら
れている。加熱ロール1は、内部にヒーター21を設け
た中空芯金2の表面に、弾性層3および表面層4が順次
設けられた構造を有している。また、加圧ロール11
は、内部にヒーター26を設けた中空芯金12の表面
に、弾性層13および表面層14が順次設けられた構造
を有している。これら加熱ロールおよび加圧ロールの表
面層4および14は、それぞれ、上記したように、パー
フルオロアルキル基を含むシランカップリング剤で処理
した無機充填剤が分散された耐熱性エラストマーから構
成されている。この定着装置においては、トナー像32
を支持した紙31を、加熱ロール1および加圧ロール1
1により形成されるニップ域を通過させることにより定
着が行われる。
【0023】図3は、フルカラー複写機用ベルト組み込
み型定着装置であって、(a)は概略断面図、(b)は
加熱ベルトの拡大断面図である。加熱ベルト6は、表面
に弾性層24Aを設けたベルト駆動ロール24およびベ
ルト搬送ロール25,25に回転可能に支持されてい
る。加圧ロール11と対向する位置には、ヒーター22
および加圧パッド23,23が設けられており、そし
て、加熱ベルト6を加熱し、加圧ロール11に押し付け
てニップ域を形成するようになっている。加熱ベルト
は、耐熱性シート7の上に弾性層8および表面層9が設
けられており、その表面層がパーフルオロアルキル基を
含むシランカップリング剤で処理した無機充填剤が分散
された耐熱性エラストマーから構成されている。また、
加圧ロール11は、図2の場合と同一のものが用いられ
ている。この定着装置においては、トナー像32を支持
した紙31を、加熱ベルト6および加圧ロール11によ
り形成されるニップ域を通過させることにより定着が行
われる。
み型定着装置であって、(a)は概略断面図、(b)は
加熱ベルトの拡大断面図である。加熱ベルト6は、表面
に弾性層24Aを設けたベルト駆動ロール24およびベ
ルト搬送ロール25,25に回転可能に支持されてい
る。加圧ロール11と対向する位置には、ヒーター22
および加圧パッド23,23が設けられており、そし
て、加熱ベルト6を加熱し、加圧ロール11に押し付け
てニップ域を形成するようになっている。加熱ベルト
は、耐熱性シート7の上に弾性層8および表面層9が設
けられており、その表面層がパーフルオロアルキル基を
含むシランカップリング剤で処理した無機充填剤が分散
された耐熱性エラストマーから構成されている。また、
加圧ロール11は、図2の場合と同一のものが用いられ
ている。この定着装置においては、トナー像32を支持
した紙31を、加熱ベルト6および加圧ロール11によ
り形成されるニップ域を通過させることにより定着が行
われる。
【0024】図4は、白黒複写機用ロール組み込み型定
着装置の概略断面図であって、加熱ロール1および加圧
ロール11の2つのロールが対向し、圧接してニップ域
が形成されるように設けられている。加熱ロール1は、
内部にヒーター21を設けた中空芯金2の表面に、パー
フルオロアルキル基を含むシランカップリング剤で処理
した無機充填剤が分散された耐熱性エラストマーから構
成された表面層4が設けられている。また、加圧ロール
11は、中空芯金12の表面に、弾性層13およびフッ
素樹脂製フィルム15が順次設けられた構造を有してい
る。この定着装置においては、トナー像32を支持した
紙31を、加熱ロール1および加圧ロール11により形
成されるニップ域を通過させることにより定着が行われ
る。
着装置の概略断面図であって、加熱ロール1および加圧
ロール11の2つのロールが対向し、圧接してニップ域
が形成されるように設けられている。加熱ロール1は、
内部にヒーター21を設けた中空芯金2の表面に、パー
フルオロアルキル基を含むシランカップリング剤で処理
した無機充填剤が分散された耐熱性エラストマーから構
成された表面層4が設けられている。また、加圧ロール
11は、中空芯金12の表面に、弾性層13およびフッ
素樹脂製フィルム15が順次設けられた構造を有してい
る。この定着装置においては、トナー像32を支持した
紙31を、加熱ロール1および加圧ロール11により形
成されるニップ域を通過させることにより定着が行われ
る。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
これらの実施例に本発明が限定されるものではない。 実施例1 無機充填剤に表面処理を行い、図2に示すようなフルカ
ラー複写機用組み込み型定着装置を製作し、評価試験を
行った。 (無機充填剤の表面処理)パーフルオロアルキル基を含
むシランカップリング剤として[2−(パーフルオロオ
クチル)エチル]トリクロロシランを10-2mol/l
の濃度でn−ヘキサデカン/四塩化炭素混合溶媒(体積
比=4:1で混合)に溶解し、この溶液100重量部に
対して、無機充填剤として、TiO2 微粒子10重量部
を加え、窒素雰囲気下で3時間混合撹拌を行った。撹拌
終了後、引き続いて溶液中から取り出したTiO2 微粒
子をn−ヘキサデカンで洗浄し、その後、純水で洗浄
し、乾燥した。
これらの実施例に本発明が限定されるものではない。 実施例1 無機充填剤に表面処理を行い、図2に示すようなフルカ
ラー複写機用組み込み型定着装置を製作し、評価試験を
行った。 (無機充填剤の表面処理)パーフルオロアルキル基を含
むシランカップリング剤として[2−(パーフルオロオ
クチル)エチル]トリクロロシランを10-2mol/l
の濃度でn−ヘキサデカン/四塩化炭素混合溶媒(体積
比=4:1で混合)に溶解し、この溶液100重量部に
対して、無機充填剤として、TiO2 微粒子10重量部
を加え、窒素雰囲気下で3時間混合撹拌を行った。撹拌
終了後、引き続いて溶液中から取り出したTiO2 微粒
子をn−ヘキサデカンで洗浄し、その後、純水で洗浄
し、乾燥した。
【0026】(加熱ロールの作成)基材として、2.5
mmの厚さで硬度50度のシリコーンゴムを弾性層3と
して被覆したアルミニウム製中空芯金2を用意し、あら
かじめシリコーンゴム用プライマーを塗布した後、処理
された無機充填剤(処理済みTiO2 微粒子)とフッ素
ゴムおよび加硫補助剤を下記の割合で混合し、有機溶媒
中で分散溶解させた。得られた塗布液中に上記基材を浸
漬させてディップコーティングし、焼き付けを行って耐
熱性エラストマー表面層4を形成させ、加熱ロール1を
作成した。 処理済みTiO2 微粒子: 15重量部 フッ素ゴム:(G−952、ダイキン工業社製) 100重量部 加硫助剤(トリアリルイソシアヌレート(TAIC) 4重量部 ダイキン工業社製) 過酸化物(パーオキサイド・パーヘキサ、 5重量部 日本油脂社製) (加圧ロールの作成)基材として、1.5mmの厚さで
硬度50度のシリコーンゴムを弾性層13として被覆し
たアルミニウム製中空芯金12を用意し、上記の加熱ロ
ールの場合とと同様の方法で表面層を形成して加圧ロー
ル11を作成した。
mmの厚さで硬度50度のシリコーンゴムを弾性層3と
して被覆したアルミニウム製中空芯金2を用意し、あら
かじめシリコーンゴム用プライマーを塗布した後、処理
された無機充填剤(処理済みTiO2 微粒子)とフッ素
ゴムおよび加硫補助剤を下記の割合で混合し、有機溶媒
中で分散溶解させた。得られた塗布液中に上記基材を浸
漬させてディップコーティングし、焼き付けを行って耐
熱性エラストマー表面層4を形成させ、加熱ロール1を
作成した。 処理済みTiO2 微粒子: 15重量部 フッ素ゴム:(G−952、ダイキン工業社製) 100重量部 加硫助剤(トリアリルイソシアヌレート(TAIC) 4重量部 ダイキン工業社製) 過酸化物(パーオキサイド・パーヘキサ、 5重量部 日本油脂社製) (加圧ロールの作成)基材として、1.5mmの厚さで
硬度50度のシリコーンゴムを弾性層13として被覆し
たアルミニウム製中空芯金12を用意し、上記の加熱ロ
ールの場合とと同様の方法で表面層を形成して加圧ロー
ル11を作成した。
【0027】(評価試験)このようにして得られた定着
用ロールを用い、図2に示すような構成に複写装置(富
士ゼロックス社製A color635)を改造して装
着し、連続して複写を行い、定着後の画像の平滑性評価
を、グロスメーターGM−26D(村上色彩技術研究所
社製)を用いてサンプルへの入射光を75°として行っ
た。条件は以下に示す通りである。 トナー:富士ゼロックス社製A color635用シ
アントナー トナー画像:ソリッド像(20cm×5cm)、トナー
量=1mg/cm2 紙:富士ゼロックス社製カラー用紙 搬送速度:100mm/sec 離型剤オイル量:4μl/A4用紙1枚 その結果、定着ロール(加熱ロール、加圧ロール)の優
れた離型性のために平滑性が高く、そして定着されても
剥離が可能で鮮明な画像が得られた。画像の発色性は、
グロス値が40を越えるところで満たされており、その
定着温度は125℃から175℃であった。また、複写
枚数が15万枚を越えても、画像の乱れや定着ロール上
へのオフセットおよび磨耗は認められなかった。
用ロールを用い、図2に示すような構成に複写装置(富
士ゼロックス社製A color635)を改造して装
着し、連続して複写を行い、定着後の画像の平滑性評価
を、グロスメーターGM−26D(村上色彩技術研究所
社製)を用いてサンプルへの入射光を75°として行っ
た。条件は以下に示す通りである。 トナー:富士ゼロックス社製A color635用シ
アントナー トナー画像:ソリッド像(20cm×5cm)、トナー
量=1mg/cm2 紙:富士ゼロックス社製カラー用紙 搬送速度:100mm/sec 離型剤オイル量:4μl/A4用紙1枚 その結果、定着ロール(加熱ロール、加圧ロール)の優
れた離型性のために平滑性が高く、そして定着されても
剥離が可能で鮮明な画像が得られた。画像の発色性は、
グロス値が40を越えるところで満たされており、その
定着温度は125℃から175℃であった。また、複写
枚数が15万枚を越えても、画像の乱れや定着ロール上
へのオフセットおよび磨耗は認められなかった。
【0028】実施例2 加熱ベルトを作成し、図3に示すようなフルカラー複写
機用ベルト組み込み型定着装置を製作し、評価試験を行
った。 (無機充填剤の表面処理)実施例1に記載の方法と同様
に行った。 (加熱ベルトの作成)基材として、0.1mmの厚さで
硬度30度のシリコーンゴムを弾性層8として被覆した
ポリイミド製シート7を用意した。この基材の上に、実
施例1に記載の方法と同様の方法で表面層を形成し、加
熱ベルト6を作成した。 (加圧ロールの作成)実施例1に記載の方法と同様の方
法で加圧ロール11を作成した。
機用ベルト組み込み型定着装置を製作し、評価試験を行
った。 (無機充填剤の表面処理)実施例1に記載の方法と同様
に行った。 (加熱ベルトの作成)基材として、0.1mmの厚さで
硬度30度のシリコーンゴムを弾性層8として被覆した
ポリイミド製シート7を用意した。この基材の上に、実
施例1に記載の方法と同様の方法で表面層を形成し、加
熱ベルト6を作成した。 (加圧ロールの作成)実施例1に記載の方法と同様の方
法で加圧ロール11を作成した。
【0029】(評価試験)このようにして得られた加熱
ベルトと加圧ロールを用い、図3に示すような構成に複
写装置(富士ゼロックス社製A color635)を
改造して装着し、実施例1と同様の条件で連続して複写
を行い、実施例1と同様の評価を行った。その結果、ベ
ルトの優れた離型性のために平滑性が高く、そして定着
されても剥離が可能で鮮明な画像が得られた。画像の発
色性はグロス値が40を越えるところで満たされてお
り、その定着温度は125℃から170℃であった。ま
た、複写枚数が15万枚を越えても、画像の乱れや加熱
ベルト上へのオフセットおよび磨耗は認められなかっ
た。
ベルトと加圧ロールを用い、図3に示すような構成に複
写装置(富士ゼロックス社製A color635)を
改造して装着し、実施例1と同様の条件で連続して複写
を行い、実施例1と同様の評価を行った。その結果、ベ
ルトの優れた離型性のために平滑性が高く、そして定着
されても剥離が可能で鮮明な画像が得られた。画像の発
色性はグロス値が40を越えるところで満たされてお
り、その定着温度は125℃から170℃であった。ま
た、複写枚数が15万枚を越えても、画像の乱れや加熱
ベルト上へのオフセットおよび磨耗は認められなかっ
た。
【0030】実施例3 下記のように無機充填剤に表面処理を行い、図4に示す
ような白黒複写機用ロール組み込み型定着装置を製作
し、評価試験を行った。 (無機充填剤の表面処理)水5〜50%を加え、酢酸を
少量加えてpH(水素イオン濃度)を5.5に調整した
エタノール溶液を用意した。このエタノール溶液中にパ
ーフルオロアルキル基を含むシランカップリング剤とし
て、[2−(パーフルオロオクチル)エチル]トリメト
キシシランを10-2mol/lの濃度で溶解した後、得
られた溶液100重量部に対して、無機充填剤として、
SiO2 微粒子10重量部を加えて、窒素雰囲気下で3
時間混合撹拌を行った。撹拌終了後、引き続いて溶液中
から取り出したSiO2 微粒子を1,1,2−トリクロ
ロ−1,2,2−トリフルオロエタンで洗浄し、その
後、純水で洗浄し、空気下150℃で2時間加熱処理し
た。
ような白黒複写機用ロール組み込み型定着装置を製作
し、評価試験を行った。 (無機充填剤の表面処理)水5〜50%を加え、酢酸を
少量加えてpH(水素イオン濃度)を5.5に調整した
エタノール溶液を用意した。このエタノール溶液中にパ
ーフルオロアルキル基を含むシランカップリング剤とし
て、[2−(パーフルオロオクチル)エチル]トリメト
キシシランを10-2mol/lの濃度で溶解した後、得
られた溶液100重量部に対して、無機充填剤として、
SiO2 微粒子10重量部を加えて、窒素雰囲気下で3
時間混合撹拌を行った。撹拌終了後、引き続いて溶液中
から取り出したSiO2 微粒子を1,1,2−トリクロ
ロ−1,2,2−トリフルオロエタンで洗浄し、その
後、純水で洗浄し、空気下150℃で2時間加熱処理し
た。
【0031】(加熱ロールの作成)基材として、アルミ
ニウム製中空芯金2を用意し、あらかじめプライマーを
塗布した後、処理されたSiO2 微粒子とフッ素ゴム
(商品名ダイエルラテックスGLS、ダイキン工業社
製)を下記の割合で混合してスプレーコーティングし、
焼き付けを行って耐熱性エラストマー表面層4を形成さ
せ、加熱ロール1を作成した。 処理済みSiO2 微粒子: 10重量部 フッ素ゴム塗料(A液): 100重量部 フッ素ゴム塗料(B液、硬化剤): 5重量部 (加圧ロールの作成)基材として、1.5mmの厚さで
硬度50度のシリコーンゴムを弾性層13として被覆し
たアルミニウム製中空芯金12にフッ素樹脂フィルム1
5をチューピングによって被覆して加圧ロール11を作
成した。
ニウム製中空芯金2を用意し、あらかじめプライマーを
塗布した後、処理されたSiO2 微粒子とフッ素ゴム
(商品名ダイエルラテックスGLS、ダイキン工業社
製)を下記の割合で混合してスプレーコーティングし、
焼き付けを行って耐熱性エラストマー表面層4を形成さ
せ、加熱ロール1を作成した。 処理済みSiO2 微粒子: 10重量部 フッ素ゴム塗料(A液): 100重量部 フッ素ゴム塗料(B液、硬化剤): 5重量部 (加圧ロールの作成)基材として、1.5mmの厚さで
硬度50度のシリコーンゴムを弾性層13として被覆し
たアルミニウム製中空芯金12にフッ素樹脂フィルム1
5をチューピングによって被覆して加圧ロール11を作
成した。
【0032】(評価試験)このようにして得られた定着
用ロールを図4に示すような構成で複写装置(富士ゼロ
ックス社製Vivace500)を改造して装着し、連
続して複写を行い、定着温度を変えた場合のソリッド画
像の離型性を評価した。条件は以下に示す通りである。 トナー:富士ゼロックス社製、Vivace500用黒
トナー トナー画像:ソリッド像(20cm×5cm)、トナー
量=1mg/cm2 紙:富士ゼロックス社製白黒用L紙 搬送速度:300mm/sec 離型剤オイル量:なし
用ロールを図4に示すような構成で複写装置(富士ゼロ
ックス社製Vivace500)を改造して装着し、連
続して複写を行い、定着温度を変えた場合のソリッド画
像の離型性を評価した。条件は以下に示す通りである。 トナー:富士ゼロックス社製、Vivace500用黒
トナー トナー画像:ソリッド像(20cm×5cm)、トナー
量=1mg/cm2 紙:富士ゼロックス社製白黒用L紙 搬送速度:300mm/sec 離型剤オイル量:なし
【0033】その結果、加熱ロールの優れた離型性のた
め、幅広い温度で剥離が可能である鮮明な画像が得られ
た。剥離可能な定着温度は155℃から200℃であっ
た。また、複写枚数が30万枚を越えても、画像の乱れ
や定着ロール上へのオフセットおよび磨耗は認められな
かった。
め、幅広い温度で剥離が可能である鮮明な画像が得られ
た。剥離可能な定着温度は155℃から200℃であっ
た。また、複写枚数が30万枚を越えても、画像の乱れ
や定着ロール上へのオフセットおよび磨耗は認められな
かった。
【0034】比較例1 (定着ロールの作成と評価)実施例1で、処理済みTi
O2 微粒子の代わりに、未処理のTiO2 微粒子を加え
たこと以外は、同様の方法で定着ロール(加熱ロールお
よび加圧ロール)を作成し、評価を行った。その結果、
グロス値が40を越える定着温度は125℃から150
℃であり、実施例1の125℃から175°に比べて劣
っていた。また、複写枚数が10万枚を越えたところ
で、画像の乱れや定着ロール上へのオフセットが観察さ
れた。
O2 微粒子の代わりに、未処理のTiO2 微粒子を加え
たこと以外は、同様の方法で定着ロール(加熱ロールお
よび加圧ロール)を作成し、評価を行った。その結果、
グロス値が40を越える定着温度は125℃から150
℃であり、実施例1の125℃から175°に比べて劣
っていた。また、複写枚数が10万枚を越えたところ
で、画像の乱れや定着ロール上へのオフセットが観察さ
れた。
【0035】比較例2 (加熱ベルト、加圧ロールの作成と評価)実施例2で、
処理済みTiO2 微粒子の代わりに未処理のTiO2 微
粒子を加えたこと以外は、同様の方法で加熱ベルトを作
成した。実施例2と同様の加圧ロールを用い、同様に評
価を行った。その結果、グロス値が40を越える定着温
度は125℃から145℃であり、実施例2の125℃
から170℃に比べて劣っていた。また、複写枚数が1
0万枚を越えたところで、画像の乱れや加熱ベルト上へ
のオフセットが観察された。
処理済みTiO2 微粒子の代わりに未処理のTiO2 微
粒子を加えたこと以外は、同様の方法で加熱ベルトを作
成した。実施例2と同様の加圧ロールを用い、同様に評
価を行った。その結果、グロス値が40を越える定着温
度は125℃から145℃であり、実施例2の125℃
から170℃に比べて劣っていた。また、複写枚数が1
0万枚を越えたところで、画像の乱れや加熱ベルト上へ
のオフセットが観察された。
【0036】比較例3 (定着ロールの作成と評価)実施例3で、処理済みSi
O2 微粒子の代わりに未処理のSiO2 微粒子を加えた
こと以外は、同様の方法で加熱ロールを作成した。実施
例3と同様の加圧ロールを用い、同様にして評価を行っ
た。その結果、剥離可能な定着温度は165℃から19
5℃であり、実施例3の155℃から200℃に比べて
劣っていた。また、複写枚数が15万枚を越えたところ
で、画像の乱れや定着ベルト上へのオフセットが観察さ
れた。
O2 微粒子の代わりに未処理のSiO2 微粒子を加えた
こと以外は、同様の方法で加熱ロールを作成した。実施
例3と同様の加圧ロールを用い、同様にして評価を行っ
た。その結果、剥離可能な定着温度は165℃から19
5℃であり、実施例3の155℃から200℃に比べて
劣っていた。また、複写枚数が15万枚を越えたところ
で、画像の乱れや定着ベルト上へのオフセットが観察さ
れた。
【0037】
【発明の効果】本発明の電子写真用定着部材は、表面層
を形成する耐熱性エラストマーにパーフルオロアルキル
基を含むシランカップリング剤で処理された無機充填剤
が分散されていることから、摩耗に強く、離型性に優
れ、その表面にトナーのバインダーポリマーが付着しな
い。したがって、本発明の定着部材を、電子写真方式を
用いた複写装置、プリンター等の画像定着装置に用いた
場合、耐久性、離型剤の量を減らした状況でのトナーの
離型性および高画質適性に優れていることから、維持性
の向上、トナーのオフセット防止、鮮やかな画像の形成
が可能になる。また、離型剤の使用量が抑えられるの
で、紙やOHPフィルムなどの支持体上に形成される定
着像のべとつきや、接着テープ等に対する付着性が改善
されるだけでなく、定着装置の小型化や低コスト化も可
能になる。
を形成する耐熱性エラストマーにパーフルオロアルキル
基を含むシランカップリング剤で処理された無機充填剤
が分散されていることから、摩耗に強く、離型性に優
れ、その表面にトナーのバインダーポリマーが付着しな
い。したがって、本発明の定着部材を、電子写真方式を
用いた複写装置、プリンター等の画像定着装置に用いた
場合、耐久性、離型剤の量を減らした状況でのトナーの
離型性および高画質適性に優れていることから、維持性
の向上、トナーのオフセット防止、鮮やかな画像の形成
が可能になる。また、離型剤の使用量が抑えられるの
で、紙やOHPフィルムなどの支持体上に形成される定
着像のべとつきや、接着テープ等に対する付着性が改善
されるだけでなく、定着装置の小型化や低コスト化も可
能になる。
【図1】 従来の加熱ロール型定着装置の概略断面図で
ある。
ある。
【図2】 本発明のフルカラー複写機用ロール組み込み
型定着装置の概略断面図である。
型定着装置の概略断面図である。
【図3】 本発明のフルカラー複写機用ベルト組み込み
型定着装置の概略図であって、(a)は概略断面図、
(b)は加熱ベルトの拡大断面図である。
型定着装置の概略図であって、(a)は概略断面図、
(b)は加熱ベルトの拡大断面図である。
【図4】 本発明の白黒複写機用ベルト組み込み型定着
装置の概略断面図である。
装置の概略断面図である。
1…加熱ロール、2…中空芯金、3…弾性層、4…表面
層、6…加熱ベルト、7…耐熱性シート、8…弾性層、
9…表面層、11…加圧ロール、12…中空芯金、13
…弾性層、14…表面層、15…フッ素樹脂製フィル
ム、21…ヒーター、22…ヒーター、23…加圧パッ
ド、24…ベルト駆動ロール、24A…弾性層、25…
ベルト搬送ロール、26…ヒーター、31…紙、32…
トナー像。
層、6…加熱ベルト、7…耐熱性シート、8…弾性層、
9…表面層、11…加圧ロール、12…中空芯金、13
…弾性層、14…表面層、15…フッ素樹脂製フィル
ム、21…ヒーター、22…ヒーター、23…加圧パッ
ド、24…ベルト駆動ロール、24A…弾性層、25…
ベルト搬送ロール、26…ヒーター、31…紙、32…
トナー像。
Claims (3)
- 【請求項1】 パーフルオロアルキル基を含むシランカ
ップリング剤で処理した無機充填剤が分散された耐熱性
エラストマーからなる表面層を有することを特徴とする
電子写真用定着部材。 - 【請求項2】 パーフルオロアルキル基を含むシランカ
ップリング剤で処理した無機充填剤が分散された耐熱性
エラストマーからなる表面層を有する弾性ロールまたは
ベルトからなる請求項1に記載の電子写真用定着用部
材。 - 【請求項3】 少なくとも表面が耐熱性および離型性を
有する弾性加熱ロールまたは加熱ベルトと前記弾性加熱
ロールまたは加熱ベルトに圧接する加圧ロールとを有
し、該弾性加熱ロールまたは加熱ベルトと加圧ロールと
の間に形成されるニップ域に未定着トナー像を支持する
支持体を通過させ、熱および圧力によって定着を行なう
定着装置において、少なくとも弾性加熱ロールまたは加
熱ベルトが、パーフルオロアルキル基を含むシランカッ
プリング剤で処理した無機充填剤が分散された耐熱性エ
ラストマーからなる表面層を有することを特徴とする定
着装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15792996A JPH1010896A (ja) | 1996-06-19 | 1996-06-19 | 電子写真用定着部材および定着装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15792996A JPH1010896A (ja) | 1996-06-19 | 1996-06-19 | 電子写真用定着部材および定着装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1010896A true JPH1010896A (ja) | 1998-01-16 |
Family
ID=15660567
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15792996A Pending JPH1010896A (ja) | 1996-06-19 | 1996-06-19 | 電子写真用定着部材および定着装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1010896A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1306346C (zh) * | 2002-10-18 | 2007-03-21 | 佳能株式会社 | 图像加热装置 |
JP2012141024A (ja) * | 2010-12-29 | 2012-07-26 | Yamauchi Corp | トナー定着後の紙送りローラおよびその製造方法 |
US9897945B2 (en) | 2015-09-28 | 2018-02-20 | Konica Minolta, Inc. | Intermediate transferrer and image forming apparatus |
WO2022097872A1 (ko) * | 2020-11-06 | 2022-05-12 | 도레이첨단소재 주식회사 | 이형필름 및 이의 제조방법 |
-
1996
- 1996-06-19 JP JP15792996A patent/JPH1010896A/ja active Pending
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