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JPH1010498A - 液晶素子 - Google Patents

液晶素子

Info

Publication number
JPH1010498A
JPH1010498A JP15992596A JP15992596A JPH1010498A JP H1010498 A JPH1010498 A JP H1010498A JP 15992596 A JP15992596 A JP 15992596A JP 15992596 A JP15992596 A JP 15992596A JP H1010498 A JPH1010498 A JP H1010498A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid crystal
crystal element
resin material
substrates
composite film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP15992596A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoki Masazumi
直樹 将積
Nobuyuki Kobayashi
信幸 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Minolta Co Ltd filed Critical Minolta Co Ltd
Priority to JP15992596A priority Critical patent/JPH1010498A/ja
Priority to US08/872,202 priority patent/US6124908A/en
Publication of JPH1010498A publication Critical patent/JPH1010498A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 メモリ性を有するとともにコントラストの高
い液晶素子を提供する。 【解決手段】 少なくとも一方が透明である1対の基板
1a、1bと、基板1a、1b間に保持され、樹脂マト
リクス3bとコレステリック相を示す液晶3aを含む複
合膜3を有する液晶素子であって、樹脂マトリクス3b
が、下記構造式で示される化合物と多官能アクリレート
誘導体とを混合した重合性組成物が重合されてなるもの
である液晶素子。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶と樹脂とを含
む複合膜を有する液晶素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、文字や画像の表示等に用いられる
液晶素子の一つとして、液晶と樹脂とを含む複合材料を
有する液晶素子が提案されている。例えば平成6年特許
出願公表第507505号公報は、樹脂マトリクス中に
コレステリック相を示すカイラルネマティック液晶を分
散させた複合膜を1対の基板間に保持させた液晶素子を
教えている。
【0003】樹脂マトリクス中にコレステリック相を示
す液晶を分散させた高分子分散型液晶素子は、該液晶に
よる入射光の選択反射を利用しているため偏光板が不要
であり、明るい反射型の表示を行うことができる。ま
た、この高分子分散型液晶素子は、メモリ性を有するた
め、TFT・MIM等のメモリ素子が不要で、且つ、高
精度の表示ができる。すなわち、この液晶素子の複合膜
は比較的高い電圧をパルス状に印加すると液晶分子のヘ
リカル軸が基板に対し垂直に並ぶプレーナ配列をとり、
比較的低い電圧をパルス状に印加すると液晶分子のヘリ
カル軸が不規則な方向を向くフォーカルコニック配列を
とり、これら2つの配列は電圧印加を停止しても安定に
保持される。この2つの状態の双安定性は樹脂により液
晶の動きが制限されることによるものと考えられる。
【0004】コレステリック相を示す液晶は、プレーナ
配列状態で該液晶のヘリカルピッチと平均屈折率の積に
対応する波長の光を選択的に反射するため、選択反射波
長を可視域に設定することにより、プレーナ配列状態時
に任意の色を表示できる。また、この場合フォーカルコ
ニック配列状態では透明に見えるため、選択反射波長に
応じた着色された色と透明との間の表示ができる。ま
た、例えば黒色の背景色を利用して、選択反射波長に応
じた着色された色と黒との間の表示を行うこともでき
る。
【0005】また、液晶分子の選択反射波長を可視域
外、例えば赤外域に設定した場合、液晶はプレーナ配列
状態では可視光を透過して透明に見える。一方、フォー
カルコニック配列状態では、入射光を散乱して白濁して
見える。従って、例えば黒色の背景色を利用して白−黒
モードの表示をすることもできる。また、例えば背景色
として任意の着色された色を用いることで任意の色と白
との間の表示を行うこともできる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記の樹脂マトリクス
中にコレステリック相を示す液晶を分散させた複合膜を
有する液晶素子は、該液晶の種類(複数の液晶材料を混
合してコレステリック相を示すものとする場合には、該
複数の液晶材料の種類及びそれらの混合割合等)及び樹
脂の種類等により、プレーナ配列及びフォーカルコニッ
ク配列の各配列状態での透過率や各配列状態での安定性
が異なるが、プレーナ配列状態とフォーカルコニック配
列状態との間で十分なコントラストを示す液晶素子は未
だ実現されていない。
【0007】そこで本発明は、メモリ性を有するととも
にコントラストの高い液晶素子を提供することを課題と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明は、少なくとも一方が透明である1対の基板
と、該基板間に保持され、コレステリック相を示す液晶
と樹脂マトリクスを含む複合膜を有する液晶素子であっ
て、前記樹脂マトリクスが、下記構造式で示される化合
物と多官能アクリレート誘導体とを混合した重合性組成
物が重合されてなるものであることを特徴とする液晶素
子を提供する。
【0009】
【化2】
【0010】本発明の液晶素子によると、複合膜中の樹
脂マトリクスとして前記の重合性組成物を重合させてな
る高分子物質を用いているため、プレーナ配列状態とフ
ォーカルコニック配列状態との間の良好なコントラスト
が得られる。前記のコレステリック相を示す液晶として
は、コレステリック液晶やネマティック液晶にカイラル
材料を加えたカイラルネマティック液晶等を用いること
ができる。中でも、カイラルネマティック液晶を用いる
場合、カイラル材料と混合するネマティック液晶として
は、トラン系ネマティック液晶とピリミジン系ネマティ
ック液晶とを含み、これに加えてシアノビフェニル系ネ
マティック液晶、フェニルシクロヘキサン(PCH)系
ネマティック液晶及びシクロヘキシルシクロヘキサン
(CCH)系ネマティック液晶のうちの1又は2以上を
含むものを用いることが望ましく、この場合、一層良好
なコントラストが得られる。
【0011】また、前記の樹脂マトリクス材料である前
記構造式で示される化合物及び多官能アクリレート誘導
体は、それぞれ重合性モノマー又はオリゴマーであるこ
とが考えられる。また、本発明の液晶素子において、前
記コレステリック相を示す液晶と、前記構造式で示され
る化合物と多官能アクリレート誘導体とを混合した前記
重合性組成物との重量比は88:12〜80:20程度
であることが望ましい。これは、重合性組成物の割合が
多いと複合膜の強度は向上するが、余り多すぎると樹脂
マトリクスが形成する各空間が小さくなってしまい、電
圧に応答できる液晶分子、すなわち樹脂マトリクスにア
ンカリングされていない液晶分子の数が減少し、その結
果、コントラストが低下するからである。
【0012】また、前記重合性組成物中の前記構造式で
示される化合物と多官能アクリレート誘導体との重量比
は90:10〜80:20程度であることが望ましい。
これは、多官能アクリレート誘導体が重合時の架橋剤と
して機能するため、多官能アクリレート誘導体の割合が
多いと複合膜の強度は向上するが、余り多すぎると樹脂
マトリクスが形成する各空間が小さくなってしまい、電
圧に応答できる液晶分子、すなわち樹脂マトリクスにア
ンカリングされていない液晶分子の数が減少し、その結
果、コントラストが低下するからである。
【0013】前記複合膜を保持する「基板」は、可撓性
のある又は可撓性に乏しい板状部材、柔軟性のあるフィ
ルム等を含む概念のものであり、例えばガラス板やポリ
エチレンテレフタレート(PET)フィルム等が考えら
れる。また、例えば、1対の基板のうち一方が複合膜を
保持し得るだけの硬度を有する板状のものであり、他方
が該複合膜を保護するための、例えばフィルム状のもの
であることも考えられる。
【0014】また、通常、前記1対の基板は、複合膜の
厚さを一定に保つためにスペーサーを挟持して配置する
ことが望ましい。スペーサーとしては、例えばガラスか
らなるファイバー状のもの、ガラスビーズ、ポリマービ
ーズ等を使用することができる。なお、本発明の液晶素
子は電圧印加等により駆動することができる。前記複合
膜に電圧印加する方法としては、前記1対の基板上にそ
れぞれ導電膜を設け該導電膜間に電圧印加する方法や、
外部に設けられた1対の電極間に本発明の液晶素子を挿
入して該外部電極間に電圧印加する方法、一方の基板上
に設けられた導電膜と他方の基板の外部に設けられた電
極(例えばペン電極や消去用電極)との間に電圧印加す
る方法等が考えられる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は、本発明に係る液晶素子の
1例を示している。この液晶素子は、対向配置された1
対の透明基板1a、1bの間に複合膜3が保持され、基
板1a、1bの内面には透明導電膜2a、2bが形成さ
れている。複合膜3は透明導電膜2a、2b間に存在
し、網目構造(マトリクス構造)の樹脂3bとコレステ
リック相を示す液晶3aとからなる。液晶3aは樹脂3
bの網目の間を満たしている。また、透明導電膜2a、
2b間にはパルス電源4が接続されている。この液晶素
子はTFT・MIM等のメモリ素子を設けずに単純マト
リクス駆動を行う。
【0016】液晶3aはコレステリック相を示す液晶で
あり、ここではネマティック液晶にカイラル材料を加え
たカイラルネマティック液晶である。特に、該ネマティ
ック液晶として、トラン系ネマティック液晶とピリミジ
ン系ネマティック液晶とを含み、これに加えてシアノビ
フェニル系ネマティック液晶、PCH系ネマティック液
晶及びCCH系ネマティック液晶のうちの1又は2以上
を含む混合物を用いている。
【0017】樹脂3bは次の構造式で示される化合物の
重合性モノマー又はオリゴマーと多官能アクリレート誘
導体の重合性モノマー又は重合性オリゴマーとをここで
は90:10〜80:20の重量比で混合した樹脂材料
に重合開始剤を加えて得られたものである。重合は、樹
脂材料の種類に応じて光(紫外線、可視光線等)、電子
線、熱等を与えることにより行うことができる。
【0018】
【化3】
【0019】また、ここでは液晶3aと樹脂材料3bと
を88:12〜80:20の重量比で混合した後、該樹
脂材料を重合させている。図2は、カイラルネマティッ
ク液晶における液晶分子の螺旋構造を示したものであ
る。液晶分子が360°回転したときの距離Pをヘリカ
ルピッチという。混合されたカイラル材料が少ない場合
は図2(a)に示すように、液晶分子があまり捻られな
いためヘリカルピッチPが長くなり選択反射波長も長く
なる。逆に、混合されたカイラル材料が多い場合には図
2(b)に示すように、ヘリカルピッチが短くなり選択
反射波長も短くなる。
【0020】図1の液晶素子の製造にあたっては、ま
ず、図3(a)に示すように、導電膜2a、2bで被覆
された1対の基板1a、1bを、導電膜2a、2bが内
側になるようにして図示しないスペーサを挟持させて組
み立て、次いで、液晶、樹脂材料及び重合開始剤を所定
の配合比で混合したものをこの1対の基板間に満たす。
次いで図3(b)に示すように、前記1対の基板を互い
に押圧しながら、樹脂の種類に応じた重合エネルギ
(光、電子線、熱等)Eを前記1対の基板間に保持され
た混合物の全面に均一に与えて樹脂材料を硬化させる。
その結果、図3(c)に示すように、樹脂材料3bのみ
が硬化することにより相分離が生じ、コレステリック相
を示す液晶3aのヘリカル軸が不規則な方向を向くフォ
ーカルコニック配列状態となり、該液晶の選択反射波長
に応じて白濁して(選択反射波長が可視域外にあると
き)又は透明に(選択反射波長が可視域にあるとき)見
える。
【0021】この液晶素子を駆動する際には、ここでは
高低2種類のパルス電圧を印加する。図4(a)に示す
ように、電源4から、例えば160V程度の電圧を10
msecパルス状に導電膜2a、2bを介して複合膜3
に印加すると、液晶3aは初期状態では不規則な方向を
向いていたヘリカル軸が基板1a、1bに垂直な方向に
揃うことでプレーナ配列となる。そして、液晶3aの選
択反射波長に応じて透明に(選択反射波長が可視域外に
あるとき)又は着色して(選択反射波長が可視域にある
とき)見える。
【0022】さらに、この状態で複合膜3に、図4
(b)に示すように、電源4から、例えば80V程度の
電圧を10msecパルス状に印加すると、ヘリカル軸
の軸方向の一様性が崩れ、その結果、ヘリカル軸が不規
則な方向を向いて液晶分子配列はフォーカルコニック配
列となる。この二つの状態は、パルス電圧印加を停止し
ても安定に保持され双安定性を示す。
【0023】また、導電膜2a、2bを基板1a、1b
と略同サイズの1枚の膜とし、膜2a、2b間に電圧印
加することで複合膜3の状態を一様に変化させるのに代
えて、例えば導電膜2a、2bをマトリクス状の膜と
し、マトリクスの各交点にプレーナ配列状態又はフォー
カルコニック配列状態を得るための所定の電圧を印加す
ることで複合膜3に文字や図形等の画像情報を書き込む
こともできる。
【0024】また、図5(a)は本発明に係る液晶素子
の他の例の側面からみた断面図であり、図5(b)はこ
の液晶素子の斜視図である。この液晶素子は、図1に示
す液晶素子において、透明導電膜2a、2bを有さず、
これに代えて外部電極アレイ5が設けられたものであ
る。電極アレイ5は、基板1a、1bの幅と同じ又はそ
れ以上の長さを有し、複数の電極が該基板の幅方向に配
列された1対の電極支持体5a、5bからなるもので、
電極支持体5a、5bは対応する電極が対向するように
して若干の間隔をおいて配置され、該両者間を複合膜3
を挟持した基板1a、1bがローラ71、72の回転に
より通過できるようになっている。電極支持体5a、5
b間には原稿画像等に応じてパルス電圧を各電極に印加
する書き込みユニット40が接続されている。その他の
構成は図1の液晶素子と同様であり、同じ部品には同じ
符号を付してある。
【0025】この液晶素子を駆動する際には、ユニット
40から電極支持体5a、5bの各電極を介して複合膜
3に、画像情報に応じた高低2種類のパルス電圧(例え
ば160V・10msec及び80V・10msec)
を印加することで、図1の装置と同様に、膜各部をプレ
ーナ配列状態又はフォーカルコニック配列状態にするこ
とができる。その場合、複合膜3を挟持した1対の基板
1a、1bを、外部電極アレイ5の電極支持体5a、5
b間を通過させることにより、基板1a、1bに挟持さ
れた複合膜3の一方の端から他方の端まで一様な電圧を
印加することで、複合膜3全体を一様な一つの状態に変
化させることができ、或いは画像情報に応じた所定の電
圧信号を印加することにより複合膜に文字や図形等の画
像情報を書き込むこともできる。なお、ここではローラ
71、72の回転により、複合膜3を挟持した1対の基
板1a、1bを移動させているが、該基板1a、1bを
固定した状態で外部電極アレイ5を移動させるようにし
ても構わない。
【0026】この液晶素子は、書換え可能なOHPシー
トとしても用いることができる。また、一方の基板の外
側に、背景色として任意の色の吸収層を設けることによ
り、書換え可能なリライタブルペーパーとして用いるこ
ともできる。さらに、これらは電圧印加したペンを基板
に接触させることで追記も可能なものである。また、図
6は本発明に係る液晶素子のさらに他の例を示す図であ
る。この液晶素子は電子白板として用いるもので、図1
の液晶素子において、使用者が対面する側の基板(ここ
では基板1a)には透明導電膜1bが設けられておら
ず、これに代えて基板1aに対しペン電極61及び消去
電極62が用いられる。裏面側の電極1bは黒色とさ
れ、透明導電膜(電極層)2bを設けてある。ペン電極
は文字や図形等の画像情報を書き込むための電極で、そ
の先端は文字等を描き易いように比較的細くなってい
る。ペン電極61と透明導電膜2bとの間にはパルス電
源41が接続されており、パルス電源41は、例えば1
60V・10msecのパルス状電圧を発生する。ま
た、消去電極62はペン電極61により複合膜3に書き
込んだ画像情報を消去するイレーサとして用いるもの
で、その先端は比較的広い面積を消去できるように太く
なっている。消去電極62と透明導電膜2bとの間には
パルス電源42が接続されており、パルス電源42は、
例えば80V・10msecのパルス状電圧を発生す
る。なお、消去電極62の先端は電極アレイで構成して
もよい。
【0027】この液晶素子(電子白板)を使用する際に
は、複合膜3中の液晶の選択反射波長を例えば赤外域に
設定しておくと、当初複合膜3中の液晶はフォーカルコ
ニック配列状態で白濁して見えるが、ペン電極61で基
板1aをなぞることによりその部分に対応する複合膜3
中の液晶はプレーナ配列状態を示し、黒色に表示され
る。またそれを消去するときには、消去電極62で基板
1aのその部分をなぞればその部分に対応する複合膜3
中の液晶はフォーカルコニック配列に戻り白くなる。な
お、使用者の安全を期すため、ペン電極61及び消去電
極62にそれぞれスイッチを設けスイッチがオン状態の
ときのみ電極41、42に電圧印加されるようにしても
よい。
【0028】次に、本発明の具体的実施例について説明
する。以下の各実施例では、図1に示すタイプの液晶素
子を作成した。透過率の測定は、白色光源を有する反射
型分光測色計CM−1000(ミノルタ社製)を用いて
分光反射率(Y値)を測定することで行った。Y値が小
さいほど透明である。また、コントラストは(散乱時の
Y値/透過時のY値)で与えられる。 実施例1 トラン系液晶MN1000XX(チッソ社製)と、シア
ノビフェニル系ネマティック液晶E44(メルク社製)
を80:20の割合で混合したものに、カイラル材料S
−811(メルク社製)を17.8wt%混合して選択
反射波長が1.1μmを示すネマティック液晶を調製し
た。液晶MN1000XXはトラン系ネマティック液晶
とピリミジン系ネマティック液晶を含むものである。こ
のようにして得られた液晶とそれを保持するための樹脂
材料を84:16の割合で混合した。樹脂材料には、o
−フェニルフェニルオキシエチルアクリレートモノマー
(前記構造式で示される化合物)と2官能アクリレート
モノマーHDDA(日本化薬社製)(多官能アクリレー
ト誘導体)を90:10の割合で混合したものに対し、
光重合開始剤DAROCUR 1173(チバガイギー
社製)を10wt%加えたものを用いた。
【0029】樹脂材料として、o−フェニルフェニルオ
キシエチルアクリレートを用いる場合、これと混合する
多官能アクリレート誘導体は2以上の官能基を有するア
クリレートであればよく、官能基間等の官能基以外の部
分には例えば芳香環、炭化水素、OH基、CO基、CO
O基等の一般的な基が配置されていればよい。前記混合
物を、透明導電膜を被覆した透明ガラス基板上に塗布
し、厚さ20μmの樹脂製のスペーサを介して、透明導
電膜を有するもう1枚の透明ガラス基板で挟んだ。次い
で、これに13mw/cm2 の紫外線を5分間照射する
ことにより、相分離が生じ、白濁した液晶素子が得られ
た。樹脂材料の重合は、液晶と樹脂材料の混合物の温度
が30°C以上にならないように空冷しながら行った。
【0030】また、光を入射させる側とは反対側の基板
に黒色の吸収層を設けた。この液晶素子に160Vのパ
ルス電圧を10msec印加すると、液晶素子はプレー
ナ配列による透明状態を示し、吸収層の色に応じ黒色に
見えた。このときY値4.38を示し、この状態はその
後も持続した。さらに、この状態の液晶素子に80Vの
パルス電圧を10msec印加すると、液晶素子はフォ
ーカルコニック配列による散乱白濁状態を示し、Y値1
3.15を示した。この状態はその後も持続した。コン
トラストは3.00であった。 実施例2 トラン系液晶MN1000XX(チッソ社製)と、PC
H系ネマティック液晶S−1115(メルク社製)を9
0:10の割合で混合したものに、カイラル材料S−8
11(メルク社製)を15.8wt%混合して選択反射
波長が1.1μmを示すカイラルネマティック液晶を調
製した。次いで、前記実施例1と同条件で、前記調製し
た液晶と樹脂材料とを混合し、1対の基板間に挟持させ
て相分離させ、白濁した液晶素子を得た。この液晶素子
に実施例1と同条件で高低2種類のパルス電圧を印加す
ると、液晶素子は高電圧印加時にY値3.83を示し、
低電圧印加時にY値11.57を示した。コントラスト
は3.02であった。 実施例3 トラン系液晶MN1000XX(チッソ社製)と、CC
H系ネマティック液晶S−1184(メルク社製)を9
0:10の割合で混合したものに、カイラル材料S−8
11(メルク社製)を15.5wt%混合して選択反射
波長が1.1μmを示すカイラルネマティック液晶を調
製した。次いで、前記実施例1と同条件で、前記調製し
た液晶と樹脂材料とを混合し、1対の基板間に挟持させ
て相分離させ、白濁した液晶素子を得た。この液晶素子
に実施例1と同条件で高低2種類のパルス電圧を印加す
ると、液晶素子は高電圧印加時にY値3.67を示し、
低電圧印加時にY値11.56を示した。コントラスト
は3.15であった。 実施例4 液晶は前記実施例1と同様のものを用い、樹脂材料には
o−フェニルフェニルジオキシエチルアクリレートモノ
マーと2官能アクリレートモノマーHDDA(日本化薬
社製)を90:10の割合で混合したものに対し、光重
合開始剤DAROCUR 1173(チバガイギー社
製)を10wt%加えたものを用いた。次いで、前記実
施例1と同条件で前記調製した液晶と樹脂材料とを混合
し、1対の基板間に挟持させて相分離させ、白濁した液
晶素子を得た。この液晶素子に前記実施例1と同条件で
高低2種類のパルス電圧を印加すると、液晶素子は高電
圧印加時にY値6.39を示し、低電圧印加時にY値1
4.70を示した。コントラストは2.30であった。 実施例5 液晶は前記実施例1と同様のものを用い、樹脂材料には
o−フェニルフェニルオキシエチルアクリレートモノマ
ーと2官能アクリレートモノマーPEG400DA(日
本化薬社製)を90:10の割合で混合したものに対
し、光重合開始剤DAROCUR 1173(チバガイ
ギー社製)を10wt%加えたものを用いた。次いで、
前記実施例1と同条件で前記調製した液晶と樹脂材料と
を混合し、1対の基板間に挟持させて相分離させ、白濁
した液晶素子を得た。この液晶素子に実施例1と同条件
で高低2種類のパルス電圧を印加すると、液晶素子は高
電圧印加時にY値4.95を示し、低電圧印加時にY値
12.6を示した。コントラストは2.55であった。 実施例6 液晶は前記実施例1と同様のものを用い、樹脂材料には
o−フェニルフェニルオキシエチルアクリレートモノマ
ーと2官能アクリレートモノマーHX220(日本化薬
社製)を90:10の割合で混合したものに対し、光重
合開始剤DAROCUR 1173(チバガイギー社
製)を10wt%加えたものを用いた。次いで、前記実
施例1と同様にして前記調製した液晶と樹脂材料とを混
合し、1対の基板間に挟持させて相分離させ、白濁した
液晶素子を得た。この液晶素子に実施例1と同条件で高
低2種類のパルス電圧を印加すると、液晶素子は高電圧
印加時にY値3.4を示し、低電圧印加時にY値9.2
8を示した。コントラストは2.73であった。 実施例7 液晶は前記実施例1と同様のものを用い、樹脂材料には
o−フェニルフェニルオキシエチルアクリレートモノマ
ーと3官能アクリレートモノマーTHE330(日本化
薬社製)を90:10の割合で混合したものに対し、光
重合開始剤DAROCUR 1173(チバガイギー社
製)を10wt%加えたものを用いた。次いで、前記実
施例1と同条件で前記調製した液晶と樹脂材料とを混合
し、1対の基板間に挟持させて相分離させ、白濁した液
晶素子を得た。この液晶素子に実施例1と同条件で高低
2種類のパルス電圧を印加すると、液晶素子は高電圧印
加時にY値4.6を示し、低電圧印加時にY値13.3
1を示した。コントラストは2.89であった。 実施例8 液晶及び樹脂材料は前記実施例1と同様のものを用い
た。但し、樹脂材料の重合性組成物はo−フェニルフェ
ニルオキシエチルアクリレートモノマーと2官能アクリ
レートモノマーHDDA(日本化薬社製)を80:20
の割合で混合したものである。次いで、前記実施例1と
同条件で前記調製した液晶と樹脂材料とを混合し、1対
の基板間に挟持させて相分離させ、白濁した液晶素子を
得た。この液晶素子に実施例1と同条件で高低2種類の
パルス電圧を印加すると、液晶素子は高電圧印加時にY
値8.21を示し、低電圧印加時にY値17.95を示
した。コントラストは2.19であった。 実施例9 液晶及び樹脂材料は前記実施例1と同様のものを用い
た。次いで、液晶と樹脂材料との混合比率を88:12
とした他は実施例1と同様にして前記調製した液晶と樹
脂材料とを混合し、1対の基板間に挟持させて相分離さ
せ、白濁した液晶素子を得た。この液晶素子に実施例1
と同条件で高低2種類のパルス電圧を印加すると、液晶
素子は高電圧印加時にY値3.36を示し、低電圧印加
時にY値10.91を示した。コントラストは3.25
であった。 実施例10 液晶及び樹脂材料は前記実施例1と同様のものを用い
た。次いで、液晶と樹脂材料との混合比率を87:13
とした他は実施例1と同様にして前記調製した液晶と樹
脂材料とを混合し、1対の基板間に挟持させて相分離さ
せ、白濁した液晶素子を得た。この液晶素子に実施例1
と同条件で高低2種類のパルス電圧を印加すると、液晶
素子は高電圧印加時にY値3.27を示し、低電圧印加
時にY値13.03を示した。コントラストは3.98
であった。 比較例1 液晶及び樹脂材料は前記実施例1と同様のものを用い
た。次いで、液晶と樹脂材料との混合比率を90:10
とした他は実施例1と同様にして前記調製した液晶と樹
脂材料とを混合し、1対の基板間に挟持させたものに、
実施例1と同様にして13mw/cm2 の紫外線を5分
間照射したが、樹脂材料は硬化しなかった。 比較例2 液晶及び樹脂材料は前記実施例1と同様のものを用い
た。但し、樹脂材料の重合性組成物はo−フェニルフェ
ニルオキシエチルアクリレートモノマーと2官能アクリ
レートモノマーHDDA(日本化薬社製)を95:5の
割合で混合したものである。次いで、実施例1と同様に
して前記調製した液晶と樹脂材料とを混合し、1対の基
板間に挟持させたものに、実施例1と同様にして13m
w/cm2の紫外線を5分間照射したが、樹脂材料は硬
化しなかった。 比較例3 液晶及び樹脂材料は前記実施例1と同様のものを用い
た。但し、樹脂材料の重合性組成物はo−フェニルフェ
ニルオキシエチルアクリレートモノマーと2官能アクリ
レートモノマーHDDA(日本化薬社製)を70:30
の割合で混合したものである。次いで、実施例1と同様
にして前記調製した液晶と樹脂材料とを混合し、1対の
基板間に挟持させて相分離させ、白濁した液晶素子を得
た。この液晶素子に実施例1と同条件で高低2種類のパ
ルス電圧を印加すると、液晶素子は高電圧印加時にY値
8.54を示し、低電圧印加時にY値14.01を示し
た。コントラストは1.64であった。 比較例4 液晶は前記実施例1と同様のものを用いた。また、樹脂
材料にはo−フェニルフェニルオキシエチルアクリレー
トモノマーのみを用いた。実施例1と同様にして前記調
製した液晶と樹脂材料とを混合し、1対の基板間に挟持
させたものに、実施例1と同様にして13mw/cm2
の紫外線を5分間照射したが、樹脂材料は硬化しなかっ
た。 比較例5 液晶は前記実施例1と同様のものを用いた。また、樹脂
材料には2官能アクリレートモノマーHDDA(日本化
薬社製)のみを用いた。実施例1と同様にして前記調製
した液晶と樹脂材料とを混合し、1対の基板間に挟持さ
せて相分離させ、白濁した液晶素子を得た。この液晶素
子に実施例1と同条件で高低2種類のパルス電圧を印加
すると、液晶素子は高電圧印加時にY値18.88を示
し、低電圧印加時にY値19.06を示した。コントラ
ストは1.01であった。
【0031】前記実施例1〜10及び前記比較例1〜5
で得られた各液晶素子について、複合膜の構成材料、樹
脂材料中の前記構造式で示される化合物のモノマーと多
官能アクリレート誘導体モノマーとの混合比率、液晶と
樹脂材料との混合比率、透明状態でのY値、散乱状態で
のY値及びコントラストをまとめたものを表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】これによると、本発明実施例1〜10の液
晶素子では、いずれもコントラスト値2以上の良好なコ
ントラストが得られた。一方、樹脂材料としてo−フェ
ニルフェニルオキシエチルアクリレートモノマー(前記
構造式で示される化合物)のみを用いた比較例4、o−
フェニルフェニルオキシエチルアクリレートモノマーと
HDDAモノマーとの混合比率を95:5(90:10
〜80:20外)とした比較例2、液晶と樹脂材料との
混合比率を90:10(88:12〜80:20外)と
した比較例1の液晶素子では樹脂材料の硬化が生じなか
った。また、樹脂材料としてHDDAモノマー(多官能
アクリレート)のみを用いた比較例5、o−フェニルフ
ェニルオキシエチルアクリレートモノマーとHDDAモ
ノマーとの混合比率を70:30(90:10〜80:
20外)とした比較例3の液晶素子では、樹脂材料は硬
化し相分離が生じたが、得られた液晶素子はコントラス
トが2未満と低かった。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本発明によると、メ
モリ性を有するとともにコントラストの高い液晶素子を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液晶素子の1例を示す図である。
【図2】カイラルネマティック液晶のヘリカルピッチを
説明する図である。
【図3】図(a)、(b)及び(c)は、本発明に係る
液晶素子の製造工程の1例を示す図である。
【図4】図(a)及び(b)はそれぞれ本発明に係る液
晶素子の複合膜の電圧印加による状態変化の1例を説明
する図である。
【図5】図(a)は本発明に係る液晶素子の他の例の側
面から見た断面図であり、図(b)は図(a)の液晶素
子の斜視図である。
【図6】本発明に係る液晶素子のさらに他の例を示す図
である。
【符号の説明】
1a、1b 透明基板 2a、2b 透明導電膜 3 複合膜 3a コレステリック相を示す液晶 3b 光硬化性樹脂 4、41、42 パルス電源 40 書き込みユニット 5 外部電極アレイ 5a、5b 電極支持体 61 ペン電極 62 消去電極 71、72 ローラ P ヘリカルピッチ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方が透明である1対の基板
    と、該基板間に保持され、コレステリック相を示す液晶
    と樹脂マトリクスを含む複合膜を有する液晶素子であっ
    て、前記樹脂マトリクスが、下記構造式で示される化合
    物と多官能アクリレート誘導体とを混合した重合性組成
    物が重合されてなるものであることを特徴とする液晶素
    子。 【化1】
  2. 【請求項2】 前記複合膜が、前記コレステリック相を
    示す液晶と前記重合性組成物を88:12〜80:20
    の重量比で混合し、前記重合性組成物を重合させてなる
    ものである請求項1記載の液晶素子。
  3. 【請求項3】 前記重合性組成物中の前記の構造式で示
    される化合物と多官能アクリレート誘導体との比率が重
    量比で90:10〜80:20である請求項1又は2記
    載の液晶素子。
  4. 【請求項4】 前記コレステリック相を示す液晶が、ト
    ラン系ネマティック液晶、ピリミジン系ネマティック液
    晶及びカイラル材料を含み、これに加えてシアノビフェ
    ニル系ネマティック液晶、フェニルシクロヘキサン(P
    CH)系ネマティック液晶及びシクロヘキシルシクロヘ
    キサン(CCH)系ネマティック液晶のうちの1又は2
    以上を含む混合物である請求項1、2又は3記載の液晶
    素子。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5933203A (en) * 1997-01-08 1999-08-03 Advanced Display Systems, Inc. Apparatus for and method of driving a cholesteric liquid crystal flat panel display

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5933203A (en) * 1997-01-08 1999-08-03 Advanced Display Systems, Inc. Apparatus for and method of driving a cholesteric liquid crystal flat panel display

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