JPH036297A - 固形石けん - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は固形石けん、特に使用中に亀裂が生じにくい固
形石けんに関する。

〔従来の技術〕

固形石けんは、洗顔、身体洗浄用として長年使用されて
いる重要な固形洗浄剤である。石けんの原料は、通常牛
脂などの動物性油脂とやし油などの植物性油脂との混合
油脂またはその混合脂肪酸であり、これら原料を用いた
石けんの製造法としては、たとえば、中性油焚法、脂肪
酸中和法、脂肪酸エステル法などがよく知られている。

中性油焚法は、原料油脂を苛性アルカリ水溶液でケン化
後、塩析によってグリセリンを除去する方法である。脂
肪酸中和法は、原料脂肪酸と高濃度の苛性アルカリ水溶
液とを連続的に供給して中和する方法である。また、脂
肪酸エステル法は、原料油脂をエステル交換反応によっ
て脂肪酸メチルにしたのち、苛性アルカリでケン化して
脱メタノール化する方法である。これらいずれの方法に
おいても、まず水分量が約３０重量％のニートソーブに
し、これを乾燥後型打ち成型して製品とするものである
。

このように製造される固形石けんは、起泡性、美観、扱
い易さ、安定性の良さなどから、根強い人気を保ってい
るが、使用中に膨潤、型くずれ、亀裂などが生じる問題
点が指摘されており、特に亀裂は亀裂部分に汚れが入っ
て黒くなり、非常に美観を損ねるものとなる。

固形石けんの前記製造法のうち、中性油焚法では不純物
として少量のトリグリセライドなどが含まれているため
、石けんに若干の可塑性が与えられ、亀裂の症状は幾分
ましである。しかし、脂肪酸中和法や脂肪酸エステル法
などではこれらの不純物が除去されているために、製造
される石けんの可塑性が悪く、亀裂がより生じやすくな
っているようである。

従来より、上述の如き固形石けんの亀裂を防止するため
に、石けん中にグリセリン、ポリエチレングリコール、
高級アルコールなどの添加剤を含ませる試みがなされて
いる。また、特開昭４８−２５７０７号、同５７−１０
５５００号、同５８−１６７７００号などの公報では、
石けんのｐＨで水に溶解しろる高分子物質、石けんと結
合して水不溶性物質を生成する水溶性高分子物質、ある
いは陽イオン性高分子物質といった特定の高分子物質を
、固形石けんの亀裂防止剤に用いる提案もなされている
。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかるに、上述の如き公知の手段では、充分な亀裂防止
効果は得られておらず、これよりもさらに良い亀裂防止
手段の出現が望まれている。

本発明は、上記の要望に応えうる新規な亀裂防止剤を探
究することにより、使用中での亀裂の発生が著しく抑制
された固形石けんを提供することを目的としている。

〔課題を解決するだめの手段〕

本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討し
た結果、亀裂防止剤として、グリセリン系多価アルコー
ルの特定エステルを用いることにより、使用中での亀裂
の発生が高度に抑えられた固形石けんが得られるもので
あることを知り、本発明を完成するに至った。

すなわち、本発明は、グリセリンおよび／またはポリグ
リセリンの脂肪酸モノエステルおよび／またはジエステ
ル（以下、グリセリン系モノまたはジエステルという）
が石けん全体の０．１〜１０重量％含まれていることを
特徴とする固形石けんに係るものである。

〔発明の構成・作用〕

本発明の固形石けんにおいて、石けん基剤としては、牛
脂、豚脂、ヤシ油、パーム油、パーム核油、大豆油など
の動物性油脂ないし植物性油脂、あるいはこれらから得
られる混合脂肪酸や単体脂肪酸などの脂肪酸を出発原料
とし、前記した中性油焚法、脂肪酸中和法、脂肪酸エス
テル法などの公知の方法にしたがって得られる石けんが
、いずれも使用可能である。

本発明において、このような石けん基剤に対し、亀裂防
止剤として添加するグリセリン系モノまたはジエステル
は、グリセリンおよび／または重合モル数が通常１５程
廣までのポリグリセリンの脂肪酸モノエステルおよび／
またはジエステルであって、エステルを構成する脂肪酸
としては、炭素数が通常４〜３０の飽和脂肪酸、不飽和
脂肪酸またはこれらの混合脂肪酸が用いられる。

このようなグリセリン系モノまたはジエステルの具体例
としては、たとえば牛脂脂肪酸のモノグリセライド、バ
ルミチン酸のジグリセライド、ステアリン酸のモノグリ
セライド、やし油脂肪酸のジグリセライド、ベヘニン酸
のモノグリセライド、ポリグリセリン（６モル）のオレ
イン酸モノエステル、ポリグリセリン（４モル）のステ
アリン酸ジエステルなどが挙げられ、これらエステルの
中からその１種を単独でまたは２種以上を混合して使用
することができる。

本発明におけるグリセリン系モノまたはジエステルの使
用量は、石けん基剤や他に後述する各種の任意成分を含
むことがある石けん全体中に占める割合が、０．１〜１
０重量％、好適には０．５〜５重量％となるようにする
のがよい。０．１重量％未満では充分な亀裂防止効果が
得られず、１０重重量を超えると石けんとしての起泡性
などに問題を生じるため、好ましくない。

グリセリン系モノまたはジエステルは、固形石けんの製
造工程における任意の段階で添加することができる。た
とえば、中和後のニートソーブに添加してもよいし、乾
燥後の石けんチップなどに加えてもよい。

本発明においては、上記のグリセリン系モノまたはジエ
ステルを石けん基剤中に均一に混合させるために、必要
に応じて適宜の界面活性剤を用いることができる。この
界面活性剤には、たとえば西一部編：「界面活性剤便覧
」　（産業図書株式会社発行）や、ソフト技研出版部編
二「新界面活性剤の機能作用の解明とその応用製品の開
発・実用総合技術資料集」　（経営開発センター出版部
）などに記載されているような公知の各種界面活性剤が
広く包含される。

本発明の固形石けんには、上記以外の任意成分として、
従来公知の亀裂防止剤である、グリセリン、高級アルコ
ール、パラフィン、脂肪酸、グリコール類などを添加し
てもよく、またグリセリンおよび／またはポリグリセリ
ンのトリエステルなどを添加してもよい。

さらに、本発明の固形石けんには、通常の石けんに添加
されるような各種の添加剤、たとえばＥＤＴＡなどのキ
レート剤、ヒアルロン酸などの保湿剤、香料、染料など
を必要に応じて配合することができる。

〔発明の効果〕

以上のように、本発明にしたがって、石けん基剤中にグ
リセリン系モノまたはジエステルを含有させることによ
り、使用中に亀裂などの問題を生じることのない、商品
価値の高い固形石けんを得ることができる。

〔実施例〕

つぎに、本発明の実施例を記載して、より具体的に説明
する。

実施例 牛脂脂肪酸とヤシ油脂肪酸との重量比８０：２０の混合
物に、２８重量％濃度の水酸化ナトリウム水溶液を加え
、容！ｔ５１の卓上型ニーダ−〔入江商会■製〕中で撹
拌混合して、水分量が約３０重量％のニートソーブにし
た。

このニートソープに、後記の第１表に示すグリセリン系
モノまたはジエステル、あるいはこれと同表に示す界面
活性剤とを、乾燥石けん中の重量％がそれぞれ同表に示
す割合となるように添加して良く混合したのち、水分量
が約１４重量％になるまで乾燥した。

つぎに、この石けん組成物を三本ロール〔アシザワ■製
；ロール回転数２０ｒｐｍ　、４８ｒｐｍおよび１０７
ｒｐｍ　）にかけてフレーク状にし、これに二酸化チタ
ン、ＥＤＴＡ、香料を乾燥石けん中の重量％がそれぞれ
同表に示す割合となるように添加し、ニーダ中で１０分
間撹拌後、実験川石けん押出機〔佐藤鉄工所■製〕のス
クリュ一部で３回混練したのち、コーン部から押出し、
縦６５ｆｌ、横４．０ｔｍ、厚さ１１鶴の大きさに型打
ちして、試料階１〜７の固形石けんを製造した。

なお、第１表中、グリセリン系モノまたはジエステルあ
るいはこれと併用される界面活性剤において、（）内の
数値は、グリセリンの重合モル数あるいはエチレンオキ
シドの付加モル数を示したものである。

比較例 亀裂防止剤として、本発明のグリセリン系モノまたはジ
エステルに代えて、第１表に示す従来公知のものを使用
した以外は、実施例と同様にして試料隘８〜１０の固形
石けんを製造した。

以上の実施例および比較例の各固形石けんにつき、下記
の要領で亀裂性試験を行った結果は、後記の第１表に示
されるとおりであった。

く亀裂性試験〉 固形石けんを針金で吊し、１０℃の水中に２時間浸漬後
２時間風乾するという操作を５回繰り返したのち、この
固形石けんの表面状態を目視で観察して下記のように判
定した。

◎：亀裂が全くみられないか、２．３本薄い筋が観察さ
れるだけである ○：浅くて小さな亀裂がみられる程度である△：浅くて
中程度の亀裂がみられる ×：全面に深い亀裂がみられる 上記の第１表から明らかなように、本発明の試料１Ｉｈ
１〜７の固形石けんは、亀裂がほとんどみられないのに
対し、従来の試料連８〜１０の固形石けんにはかなりの
亀裂がみられることがわかる。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）グリセリンおよび／またはポリグリセリンの脂肪
   酸モノエステルおよび／またはジエステルが石けん全体
   の０．１〜１０重量％含まれていることを特徴とする固
   形石けん。