JPH0341353Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、レーザ光線を利用した光学式記録再
生装置に用いられる円板状記録媒体である光記録
デイスクの、記録面の汚れを除去するためのクリ
ーニング装置に関する。

背景技術とその問題点 今日、コンパクトデイスク又はレーザデイスク
と呼ばれるレーザ光線で信号をデイスク上に記録
したものがある。

そして光学式記録再生装置で、この光記録デイ
スクより信号を再生する際には、光記録デイスク
の記録面上の汚れにより信号をエラーしないよ
う、事前に光記録デイスクの記録面上の汚れをク
リーニングする必要がある。

このため、光記録デイスクの記録面上の汚れを
クリーニングするのであるがその際、その記録面
上に光記録デイスクの記録トラツクと同心円状の
筋状等の傷や汚れが残ると、信号が長い間隔に亘
つて欠落し、又はエラーすることになりときには
再生不能となる虞れが大きい。

そこで従来は、クリーナの拭き取り面を光記録
デイスクの記録面に当て、その放射線方向に移動
させることにより汚れを拭き取るようにする。そ
して例えデイスク上にあつた異物等により筋状の
傷や汚れが残つたとしても、それが光記録デイス
クの記録トラツクと交差する放射線方向のものと
なるようにし、記録トラツク上の信号エラーの間
隔が短かく、光学式記録再生装置に内蔵された補
正回路等で信号エラーの補正が可能なようにして
いた。

しかしこのクリーニング作業は、クリーナを光
記録デイスクの放射線方向に逐次向きを変えなが
ら移動させなければならないので、作業が煩雑
で、しかもこの作業を簡便かつ万遍なく行なうこ
とが困難であるという欠点があつた。

考案の目的 本考案の光記録デイスクのクリーニング装置
は、その記録面上を簡便かつ万遍なくクリーニン
グできるようにすることを目的とする。

考案の概要 本考案の光記録デイスクのクリーニング装置
は、デイスク保持台とクリーナとよりなり、この
デイスク保持台は光記録デイスクの載置部のまわ
りに環状の転接部が形成されてなり、このクリー
ナは取つ手と、取つ手を中心に回動でき、且つ転
接部内に余裕をもつて収納できる大きさに形成さ
れたクリーナ本体と、クリーナ本体の外周に設け
られた転接部に対して転接する内転接辺部とより
成り、光記録デイスクの記録面を、その記録トラ
ツクに沿う同心円状の傷や汚れを残すことなく簡
便かつ万遍なくクリーニングできるものである。

実施例 以下、本考案の光記録デイスクのクリーニング
装置の一実施例を第１図乃至第４図によつて説明
する。

第１図は本例のクリーニング装置の分解斜視図
であり、１はデイスク保持台、２はクリーナ、３
は光記録デイスクである。

この光記録デイスク３は、中央に円形開口４を
設けた中空円板状のデイスクで、その上面には所
定巾ｈに亘つて記録トラツク５が設けてある。

このように構成された光記録デイスク３をクリ
ーニングするには、この光記録デイスク３をデイ
スク保持台１上に載置し、クリーナ２でその記録
トラツク５の記録面上をクリーニングするもので
ある。

このため、第３図にも示すようにデイスク保持
台１の上面部には、光記録デイスク３を載置する
円形凹部６を設ける。

この円形凹部６の底面には、光記録デイスク３
を嵌め込んで支持するために、このデイスクの厚
みと同じ深さのドーナツ状の溝６ａを設ける。

すなわち、光記録デイスク３が円形凹部６内の
溝６ａ内に合わせ置かれるように嵌まつて、その
円形開口４に嵌まり込んだこのデイスクの厚みと
同じ高さの円形支持台７に支持されるとともに、
光記録デイスク３の外周部が溝６ａの外周部等に
支持されるように構成する。

さらに、この円形凹部６の周側部にはクリーナ
２を内転させるための転接部８を設ける。この転
接部８は断面逆三角形状の斜辺全周をゴム材で構
成し、摩擦でクリーナ２を内転させやすいように
する。

本例のクリーニング装置に使用されるクリーナ
２は第２図にも示すように主に、内転体部１０及
び拭き取り部１１を一体的に組合わせたクリーナ
本体９と、取つ手部１２とより成る。そしてこの
内転体部１０は略円板状に形成され、デイスク保
持台１における転接部８の円周に沿つて内転する
もので、その外周側部全周には、転接部８の斜辺
に接するよう同じ傾斜角の内転接辺部１３を形成
する。

なお、この内転接辺部１３にゴム材を配し、同
様にゴム材で形成された転接部８との摩擦抵抗を
強めるように構成してもよい。

さらに、本例とは逆に、内転接辺部１３にゴム
材を配し、転接部８をゴム材で構成しないように
してもよいこと勿論である。また、この転接部８
に対し、内転接辺部１３がすべることなく対応す
るようにする手段を用いてもよく、例えば転接部
８に歯形を形成し、内転接辺部１３にこの歯形に
噛合する歯形を形成し、いわば内歯車のように構
成してもよい。

また、この内転体部１０の下部に組み合わせら
れるように、図示するような略円板状の拭き取り
部１１を設ける。

この拭き取り部１１の底面の拭き取り面１１ａ
は汚れを除くのに都合がよく又、光記録デイスク
３の表面を傷つけにくい材質のもの、本例ではセ
ーム皮で構成してある。

また、この拭き取り面１１ａの中央部には所定
直径の円形逃げ凹部１４が形成してある。

これは、クリーナ２の内転体部１０の直径が小
さく、その中心点が、転接部８に内転接辺部１３
が接した状態において記録トラツク５上に位置す
ることになるような場合に、この中心点部分が記
録トラツク５の表面に接しないようにするためで
ある。

なお、このクリーナ２の内転体部１０の直径を
十分大きくとり、その中心点が、転接部８に内転
接辺部１３が接した状態において、記録トラツク
５の最内部位置の記録トラツクより中央側にくる
ように構成した場合には、拭き取り部１１の拭き
取り面１１ａを均一な平面に形成してもよい。

また、内転体部１０と拭き取り部１１との中央
部にはそれぞれ同内径の軸孔１５，１６が穿孔し
てあり、この内転体部１０の下部に拭き取り部１
１を組み合わせて固定した状態で、その下方から
フランジ付軸部１７の軸棒部１７ａを軸挿する。

そして、この軸棒部１７ａの内転体部１０の上
方への突出部分にイーピン１８を嵌着し、内転体
部１０と拭き取り部１１とをフランジ付軸部１７
のフランジ１７ｂとイーピン１８との間に回動自
由に装着する。

さらにこのフランジ付軸部１７の軸棒部１７ａ
の上方部には中ぐり凹部１９を穿設した取つ手部
１２をイーピン１８上に嵌め落し、透孔を設けた
押え板２０を置いて、軸棒部１７ａに穿設したね
じ孔にねじ２１を螺挿し、固定して構成する。

次に上述のように構成された本例装置の使用
法、作用、効果を説明する。

本例のクリーニング装置は、第３図に示すよう
にデイスク保持台１に光記録デイスク３を載置
し、その記録トラツク５の表面上にクリーナ２の
拭き取り面１１ａを当てて置く。

そして、使用者は取つ手部１２を持ち、クリー
ナ２の内転接辺部１３を転接部８に軽く押し当て
るようにしながら、円を描くように回わす。

すると、内転体部１０は拭き取り部１１と一体
となつて、転接部８に沿つて内転する。すなわ
ち、クリーナの拭き取り面１１ａは、取つ手部１
２と同様な公転運動をしながら、この取つ手部１
２のフランジ付軸部１７を軸に自転運動をして、
光記録デイスク３の記録トラツク５の表面上を拭
き取つていく。

このようにすることにより、クリーナの拭き取
り面１１ａの外円周上の一点Ａは、第４図に一点
鎖線ａで例示する内転サイクロイド（ハイポサイ
クロイド）曲線上を移動することになり、光記録
デイスク３の同心円状の各記録トラツク５に沿う
ような動きを回避できる。さらに、拭き取り面１
１ａの中間部の点Ｂは第３図に２点鎖線ｂで示す
ように移動し、拭き取り面１１ａの内円周上の点
Ｃは、第４図に３点鎖線ｃで示すように移動する
ので、これらの場合にも、同心円状な各記録トラ
ツク５に沿うような動きを回避できるものであ
る。

なお、前述したようにクリーナ２の直径を十分
大きくとり、その中心点が記録トラツク５の内方
中央側にくるよう構成した場合にも、この中心点
のデイスクに対する同心円状な移動軌跡が記録ト
ラツク５の内側に外れているので問題ない。

よつて、クリーニングした際光記録デイスクの
記録トラツク５に沿う同心円状の傷や汚れを残す
恐れはない。

また、光記録デイスクの記録面を、クリーナが
平均的に移動するようにして万遍なくクリーニン
グできるものである。

考案の効果 以上詳述したように、本考案の光デイスクのク
リーニング装置によればその記録面上の汚れを除
去するに当つて、記録トラツクに沿う同心円状の
傷や汚れを残すことなく万遍なくクリーニングで
きる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の光記録デイスクのクリーニン
グ装置の一実施例を示す斜視図、第２図はそのク
リーナの縦断面図、第３図はそのデイスク保持台
の部分断面側面図、第４図はそのクリーナの拭き
取り面の移動軌跡の説明図である。 １はデイスク保持台、２はクリーナ、８は転接
部、１０は内転体部、１１は拭き取り部、１２は
取つ手部、１３は内転接辺部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. デイスク保持台とクリーナとよりなり、上記デ
   イスク保持台は光記録デイスクの載置部のまわり
   に環状の転接部が形成されてなり、上記クリーナ
   は取つ手と、該取つ手を中心に回動でき、且つ上
   記転接部内に余裕をもつて収納できる大きさに形
   成されたクリーナ本体と、該クリーナ本体の外周
   に設けられた上記転接部に対して転接する内転接
   辺部とよりなることを特徴とする光記録デイスク
   のクリーニング装置。