JPH0333219Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は粉、粒剤等の肥料・薬剤及び種子等を
同一の繰出ロールにて散布又は播種することがで
きる施肥播種機に関するものである。

(ロ) 従来技術 施肥播種機の繰出ロールの構成において、同容
量の繰出ロールを複数個装備した技術は実公昭48
−31471号公報の如き技術が公知とされており、
また繰出ロールを肥料・種子・薬剤等のいずれも
繰出し可能とした技術も、実公昭57−12807号公
報に記載の技術が公知とされているのである。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 本考案は施肥のみを行う場合や播種のみを行う
場合には、繰出装置を１台とし、また施肥・播種
の両方を行う場合には、繰出装置を２台連結し、
一方の繰出装置に設けた歯部と、他方の繰出装置
の歯部とを噛合することにより、繰出動力の伝達
を可能としたものである。

(ニ) 問題を解決するための手段 本考案はこのような点に鑑み、次の如く構成し
たものである。

繰出ロール５の繰出凹部５ａ内に、嵌合ロール
４の嵌合凸部４ａを嵌装し、該繰出凹部５ａ内に
おいて嵌合凸部４ａを摺動することにより、繰出
量を調節可能とすると共に、駆動軸７により駆動
する繰出ロール５に歯部５ｂを設け、これらによ
り構成したロールユニツトＣを繰出ケース５６内
に嵌装することにより繰出装置Ａを構成し、同じ
構成で、駆動軸７の無い繰出装置Ｂを設け、該繰
出装置ＢのロールユニツトＣを構成する繰出ロー
ル６の歯部６ｂと、繰出ロール５の歯部５ｂを噛
合し、繰出装置Ａと繰出装置Ｂを、施肥播種機の
進行方向前後位置に脱着可能としたのである。

(ホ) 実施例と作用 本考案の目的は以上の如くであり、添付の図面
に示した実施例の構成に基づいて、本考案の構成
及び作用を説明すると。

第１図は本考案の施肥播種機を並行に装着した
場合の正面図、第２図は繰出装置側面図、第３図
は繰出部正面断面図、第４図は同じく側面断面
図、第５図は同じく平面図、第６図はロールユニ
ツト正面図一部断面図、第７図は従来のロールユ
ニツト正面図一部断面図である。

第１図、第２図にて全体構成から説明すると、
施肥播種機Ｓはトラクター又は管理機等のヒツチ
に取付ビーム８が固設され、該取付ビーム８に播
種フレーム５８を介して繰出装置Ａを装着してい
る。該播種フレーム５８は固定具３７を弛めるこ
とにより左右に摺動可能となり施肥又は播種位置
を適宜調節できるものである。そして、その位置
の目安として第５図の如く取付ビーム８上に目盛
８ａが刻設されている。

前記播種フレーム５８の下部には、平行リンク
２３，２４を介してローラーフレーム３６が枢着
され、作溝デイスク等が圃場の凹凸に追随できる
ように構成している。前記ローラーフレーム３６
前端には作溝デイスク１０を支持した支持杵５４
が立設され、二枚の作溝デイスク１０を回転自在
にＶ字形に軸支している。又、支持杵５４の前端
にシヤフト２２を横設し、該シヤフト２２両端に
スクレパー４１を固設し、該スクレパー４１はガ
イドパイプ１９先端の保護をも兼ねている。

そして、ローラーフレーム側面部より作溝デイ
スク１０後方に覆土デイスク１１を突設支持し、
ローラーフレーム後端より覆土ローラー１２を突
設支持している。よつて、作溝デイスク１０にて
作つた溝及び作溝デイスク１０側部に播かれた種
子又は肥料は、前進と共に覆土デイスク１１にて
軽く覆土され、覆土ローラー１２にて鎮圧されて
いくのである。

前述した繰出装置Ａの後方には繰出装置Ｂがワ
ンタツチ装着具３１にて固定され、ホツパ−１と
２及び繰出装置Ａ，Ｂもそれぞれワンタツチ装着
具２９，３１，３２にて固定されている。また、
繰出装置Ａ下端にはゴム製の伸縮可能な蛇腹１７
を介してガイドパイプ１９が嵌合されている。

次に、繰出装置Ａの構成を第３図から第９図に
て説明すると、多角形に構成された駆動軸７に回
転軸２１が外嵌され、該繰出ロール５の一側は歯
部５ｂとされ、他側は円周上に一定間隔をおいて
肥料等を繰り出すための繰出凹部５ａが設けられ
ている。そして該繰出凹部５ａに嵌合する嵌合ロ
−ル４をスプリング１６と共に回転軸２１にて嵌
挿され、調節ダイアル３を回転軸２１に螺装し、
調節ダイヤル３の回転にて容量を調節可能として
いる。 前記繰出凹部５ａは従来に比べ深く大き
く構成され、大粒の種子、肥料等も繰出ロ−ルを
取り替えることなく使用できるように構成し、し
かも、第８図に示す如く繰出凹部５ａの端斜面部
５ｃは円弧状に構成され、また、該繰出凹部５ａ
に嵌合するロール４の嵌合凸部４ａも円弧状に構
成している。

即ち、端斜面部５ｃ、凸部先端４ａは、従来は
第７図、第９図の如く回転軸２１に対して垂直に
切り込んでいたために、繰出凹部５ａと凸部先端
４ａとの間隔を狭めて容量を少なくした時には繰
出凹部５ａ内の種子等が嵌り込んで出難くなり、
大粒の肥料や種子は適性な量を播くことができな
かつたのである。よつて、端部を円弧状とするこ
とにより繰出凹部５ａと嵌合凸部４ａを閉じたと
きにも放出できるようにしたものである。

上記繰出ロール５、ロール４、回転軸２１等か
らなるロールユニツトＣは繰出ケース５６に嵌装
され、サイドカバー２７，２８にて両側より回動
軸２１を軸支している。また、繰出ケース５６前
上部にはブラシ３３が固定され、繰出ロール５の
周面に接触させて余分な種子等を繰り出さないよ
うにしている。そして、繰出ケース５６下端には
ガイド漏斗６０が固設されている。

繰出装置Ｂは前記繰出装置Ａと略対称の構成と
なつており、ロールユニツトも同形状であつて同
じ大きさの凹部を有している。繰出ロール６の駆
動力は歯部５ｂと歯部６ｂが噛合し、逆回転して
繰り出す構成となつており、調節ダイヤルを回せ
ば凹部６ａの容量を変化して、任意の量を繰り出
すことを可能としている。

このような構成によつて、繰出装置を前後に配
置したときにおいて、一方のホツパ−に肥料・他
方のホツパ−に種子、又はその逆、或いは、一方
のホツパ−に薬剤、他方のホツパ−に種子、又は
その逆、或いは二つのホツパ−に異なつた種子を
入れるような組み合せができ、目的に応じて使い
分けできるのである。

また、第１図の如く施肥播種装置を一定間隔を
おいて並列に配置して、第１の施肥播種装置に肥
料、第２の施肥播種装置に種子、第３の施肥播種
装置に薬剤、或いは、全て種子、或いは、それぞ
れのホツパ−に違つた種類の薬剤又は肥料を入れ
るような組み合わせもできて、更に前記前後二つ
のホツパ−に異なつた種類の肥料等を入れること
もできるのである。よつて施肥播種機の間隔を変
えたり施肥播種機の数を増やせば更に組み合わせ
の種類を増やすことができるのである。

(ヘ) 考案の効果 このような構成において本考案は次のような効
果が得られるのである。

第１に、施肥装置または播種装置のどちらか単
一機能として使用する場合には、繰出装置Ａのみ
を駆動軸７により駆動し、施肥・播種の両方を行
う場合には、歯部５ｂと６ｂを噛合することによ
り、駆動軸７から両繰出装置を駆動可能としたの
で、動力伝達が簡単となつたのである。

第２に、歯部５ｂと６ｂの噛合のみにより脱着
することが出来るので、不必要な場合の取り外し
が容易に出来るようになつたのである。

第３に、繰出装置Ａと繰出装置Ｂは殆ど同一部
品として構成することが出来るので、コストを安
くすることが出来たのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の施肥播種機を並列に装着した
場合の正面図。第２図は繰出装置側面図。第３図
は繰出部正面断面図。第４図は同じく側面断面
図。第５図は同じく平面図。第６図はロールユニ
ツト正面図一部断面図。第７図は従来のロールユ
ニツト正面図一部断面図。第８図は繰出凹部拡大
平面図と側面断面図。第９図は従来の繰出凹部拡
大平面図と側面断面図と閉じた状態の側面断面図
である。 Ａ，Ｂ……繰出装置、Ｓ……施肥播種装置、
５，６……繰出ロール。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 繰出ロール５の繰出凹部５ａ内に、嵌合ロール
   ４の嵌合凸部４ａを嵌装し、該繰出凹部５ａ内に
   おいて嵌合凸部４ａを摺動することにより、繰出
   量を調節可能とすると共に、駆動軸７により駆動
   する繰出ロール５に歯部５ｂを設け、これらによ
   り構成したロールユニツトＣを繰出ケース５６内
   に嵌装することにより繰出装置Ａを構成し、同じ
   構成で、駆動軸７の無い繰出装置Ｂを設け、該繰
   出装置ＢのロールユニツトＣを構成する繰出ロー
   ル６の歯部６ｂと、繰出ロール５の歯部５ｂを噛
   合し、繰出装置Ａと繰出装置Ｂを、施肥播種機の
   進行方向前後位置に脱着可能としたことを特徴と
   する施肥播種機の繰出装置。