JPH0331410Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、被粉砕物をミクロンオーダから10数
ミクロンの微細な粒子に微粉砕する微粉砕機に関
する。

〔従来の技術〕

従来、上記微粉砕機としては、例えば特開昭59
−105853号公報所載のものが知られている。この
微粉砕機は、第２図に示すように、内周面に母線
と平行な凸状の多数の刃部１を周方向に連続させ
た円筒状の固定子２の両端部に、被粉砕物（図示
せず）の供給口３を有するカツプ状（又はキヤツ
プ状）の供給ハウジング４と、製品（図示せず）
の排出口５を有するキヤツプ状（又はカツプ状）
の排出ハウジング６とを連設し、回転軸７に支持
され外周面に母線と平行な凸状の多数の刃部８を
周方向に連続させた円筒状の回転子９を、前記固
定子２内に微小な間〓（例えば１mm以下）を存し
て同心に嵌挿して概略構成されている。

上記構成の微粉砕機においては、回転子駆動用
電動機及び排出口５に連なる吸引送風機（共に図
示せず）の運転により、被粉砕物を空気と共に供
給口３から供給ハウジング４内に吸引し、回転子
９の底壁下面に固設した撹拌羽根１０によつて生
ずる気流により供給ハウジング４の内周面に沿わ
せて上昇させて固定子２と回転子９との間に形成
される粉砕室内に送り込み、高速回転される回転
子９により運動エネルギを与えて固定子２の刃部
１に衝突させて粉砕し、かつ回転子９の刃部８に
より打撃粉砕し、更に固定子２の刃部１と回転子
９の刃部８との間で摩砕させて一層細かく粉砕さ
せながら、吸引送風機による吸引と回転子９の高
速回転とによつて発生した上向きの螺旋気流に乗
せて排出ハウジング６内に送り出し、これを回転
子９の上壁上面に固定した遠心羽根１１により排
出ハウジング６の内周面に沿わせて旋回させ、排
出口５から機外に排出してバグフイルタ（図示せ
ず）に導入し、ここで製品と空気とを分離し、空
気を吸引送風機を経て大気中に排気し、製品をバ
グフイルタからホツパー（図示せず）に送つて貯
留するものである。

なお、第２図において１２は回転軸７の端部を
支承する軸受、１３は回転軸７の下端部に取り付
けたプーリであり、プーリ１３はベルト１４を介
して前記回転子駆動用電動機と連動されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上記従来の微粉砕機において
は、固定子２の刃部１と回転子９の刃部８が相対
向する、いわゆる粉砕ゾーンである狭い間〓部の
送風機による上向き空気流速を１とすれば、供給
ハウジング４より粉砕ゾーンに至る供給ハウジン
グ内上部の断面における上向き空気流速は約１／
５である。このため、被粉砕物は粉砕ゾーンにか
かる前に滞留し易い状態にある。一方、回転子９
の水平方向周速度は、上向き空気流速１に対し、
約10倍であるが、固定子２の刃部１と回転子９の
刃部８が同一位置より始まり上方に存在している
場合は、固定子２の刃部１間の溝底に入つてしま
つた粗粒子は、回転子９の水平方向周速度の影響
を受けにくく、上向き空気流により溝底をそのま
ま上昇し、十分な粉砕作用を受けることなく排出
されてしまう、いわゆるシヨートパスが発生し、
製品中に粗粒子が存在する問題がある。

そこで、本考案は、粗粒子のシヨートパスを防
止し、もつて製品の粒度分布巾を狭くし得るよう
にした微粉砕機を提供しようとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

前記問題点を解決するため、本考案は、内周面
に母線と平行な凸状の多数の刃部を有する円筒状
の固定子の端部に、供給口を有するカツプ状の供
給ハウジングと、排出口を有するカツプ状の排出
ハウジングとを連設し、回転軸に支持され外周面
に母線と平行な凸部の多数の刃部を有する円筒状
の回転子を前記固定子内に微小な間〓を存して嵌
挿してなる微粉砕機において、前記固定子の刃部
の供給ハウジング側の端部を、回転子の刃部の供
給ハウジング側の端部より排出ハウジング側に存
在させたものである。

〔作 用〕

上記手段においては、被粉砕物中の粗粒子が固
定子の刃部間に入る以前に、上向き空気流速の約
10倍に相当する回転子水平方向周速度の影響を強
く受け、円周方向に均一に分散され、固定子の内
周面に衝突して予め粉砕されて固定子の刃部間に
突入する。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を第１図に基づいて説
明する。

図において２１は基台２２上に載置されたカツ
プ状（又はキヤツプ状）の供給ハウジングで、こ
の供給ハウジング２１は、漏斗状の内周壁２１ａ
を有している。供給ハウジング２１の下部には、
被粉砕物（図示せず）を空気と共に機内に供給す
る接線方向の供給口２３ａと、供給口２３ａに連
なる渦巻状の案内部２３ｂとが設けられている。

供給ハウジング２１の開口端部には、円筒状の
固定子２４が連設されている。固定子２４の内側
面には、母線と平行な凸状の多数の刃部２４ａが
周方向に連続させて設けられており、刃部２４ａ
の供給ハウジング２１側の端部は、後述する回転
子の刃部より上方に存在せしめるべく比較的上方
に位置されている。そして、固定子２４の上端部
には、キヤツプ状（又はカツプ状）の排出ハウジ
ング２５が設けられている。排出ハウジング２５
には、固定子２４の内径を最小径部とする渦巻状
の案内部２６ａと、案内部２６ａにより空気と共
に案内された砕製品を機外に排出する接線方向の
排出口２６ｂとが設けられており、排出口２６ｂ
には、図示しないバグフイルタ及び吸引送風機が
連ねられている。

前記固定子２４内には、回転軸２７に支持され
た円筒状の回転子２８が微小な間〓（例えば１mm
以下）を存して同心に嵌挿されている。回転子２
８の外周面には、母線と平行な凸状の多数の刃部
２８ａが周方向に連続させて設けられており、こ
の刃部２８ａの供給ハウジング２１側の端部は、
前述した固定子２４の刃部２４ａの供給ハウジン
グ２１側の端部より下方（供給ハウジング側）に
存在させられている。又、回転子２８の両端壁に
は、コーン状の突出部２８ｂ，２８ｃがそれぞれ
設けられている。一方、回転軸２７は、両端部の
軸受２９ａ，２９ｂを介して排出ハウジング２５
及び基台２２に支持されており、基台２２内に突
出した回転軸２７の端部には、プーリ３０が取り
付けられている。そして、プーリ３０は、ベルト
３１を介し図示しない回転子駆動用電動機と連動
されている。

なお、第１図において３２は供給ハウジング２
１に設けた点検・保守用の孔で、栓体３３により
閉鎖されているものである。

上記構成の微粉砕機においては、回転子駆動用
電動機及び吸引送風機を運転すると、被粉砕物
は、空気と共に供給口２３ａから案内部２３ｂに
よつて進路を急激に変えられることなく渦巻状に
案内され、回転子２８の下端部の突出部２８ｃの
表面に沿つて旋回しながら上昇し、固定子２４と
回転子２８との間の粉砕室の下部に送り込まれ、
被粉砕物中の粗粒子が固定子２４の刃部２４ａ間
に入る以前に、上向き空気流速の約10倍に相当す
る回転子２８の水平方向周速度の影響を強く受
け、円周方向に均一に分散され、固定子２４の刃
部２４ａのない内周面に衝突して予め粉砕された
後、吸引送風機による吸引と回転子９の高速回転
とによつて発生した上向きの螺旋気流に乗つて固
定子２４の刃部２４ａと回転子２８の刃部２８ａ
との間に送られて回転子２８の刃部２８ａにより
打撃粉砕され、かつ固定子２４の刃部２４ａに衝
突させられて粉砕され、又固定子２４の刃部２４
ａと回転子２８の刃部２８ａとの間で摩砕され、
更に固定子２４の刃部２４ａ間に生ずる渦巻に乗
つて一層細かく磨砕されつつ排出ハウジング２５
内に送り出され、案内部２６ａによつて進路を急
激に変えられることなく渦巻状に案内され、排出
口２６ｂから機外に排出されてバグフイルタに導
入され、ここで製品と空気とを分離し、空気を吸
引送風機３８を経て大気中に排気し、製品をバグ
フイルタからホツパー（図示せず）に送つて貯留
するものである。

〔考案の効果〕

以上のように本考案によれば、被粉砕物中の粗
粒子が固定子の刃部間に入る以前に、上向き空気
流速の約10倍に相当する回転子水平方向周速度の
影響を強く受け、円周方向に均一に分散され、固
定子の内周面に衝突して予め粉砕されるので、ス
ムーズな流れとなり、十分な粉砕効果を得ること
が可能となり、従来のように粗粒子のシヨートパ
スが発生することがなく、ひいては製品の粒度分
布巾を狭くすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す微粉砕機の縦
断面図、２図は従来の微粉砕機の縦断面図であ
る。 ２１……供給ハウジング、２３ａ……供給口、
２４……固定子、２４ａ……刃部、２５……排出
ハウジング、２６ｂ……排出口、２７……回転
軸、２８……回転子、２８ａ……刃部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内周面に母線と平行な凸状の多数の刃部を有す
   る円筒状の固定子の端部に、供給口を有するカツ
   プ状の供給ハウジングと、排出口を有するカツプ
   状の排出ハウジングとを連設し、回転軸に支持さ
   れ外周面に母線と平行な凸状の多数の刃部を有す
   る円筒状の回転子を前記固定子内に微小な間〓を
   存して嵌挿してなる微粉砕機において、前記固定
   子の刃部の供給ハウジング側の端部を、回転子の
   刃部の供給ハウジング側の端部より排出ハウジン
   グ側に存在させたことを特徴とする微粉砕機。