JPH0330806B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は概して振動解析に関し、特に回転す
るタービン羽根におけるどんな振動も測定するた
めの装置に関するものである。

タービンの設計および操作において、普通使用
されている１つまたは２以上の羽根列の回転の
間、どのタービン羽根も振動しないことを保障す
るように注意しなければならない。羽根の振動
は、羽根を損傷し、さもなければ羽根の寿命を猛
烈に減ずる変動応力を設定する。

タービンが動作している間のこれらの変動応力
を測定するために種々の方法がある。１つの装置
においては、複数個のびずみ計がタービン羽根に
装着され、このひずみ計からの信号は、測距術の
技術によつてデータ受け入れおよび記録設備に伝
送される。この装置は、ひずみ計の寿命に対し
て、使用されるひずみ計の数に対して、そして測
距術チヤネルに対する経済的な事柄に対して、い
くつかの問題を有している。

回転する羽根列に狭いビームの電磁エネルギー
を向けるために、ミリメートル波のレーダー装置
を使用することによつて、タービン羽根の振動を
測定し、そして異常な振動を検出するために羽根
からの反射信号を解析するという、非接触の方法
が提起されてきた。

この発明は、いずれかの羽根が異常に振動して
いるかどうかを決定する実際装置において後者の
概念を使用し、さらにどの羽根が故障しているか
を識別して、正しい測定を行い得るようにしてい
る。

この発明によれば、タービン羽根の検出装置
は、１つまたは２つ以上の羽根列の回転するター
ビン羽根に向けて比較的狭いビームのレーダ信号
を送るよう動作する複数個のレーダセンサを含ん
でいる。羽根から反射されたレーダ信号は、それ
ぞれのレーダセンサに向かうまたはそれから離れ
る相対的な羽根の動きを表わすそれぞれの出力信
号を引出すように使用される。いずれの羽根が振
動しているかを決定するために、タービン羽根の
完全な各１回転ごとにまたは部分ごとに出力基準
信号を出力するための装置がタービンに結合され
ている。基準信号に応答する回路が、基準位置を
横切つたタービン羽根の数を表わすそれぞれの通
過計数を出力し、それにより特定の羽根を明確に
識別する。レーダ出力信号を選択的にゲートする
ためのゲート装置が与えられ、そして通過計数を
選択的にゲートするためのゲート装置が与えられ
ている。信号処理装置は、所定の時刻にそれらの
ゲート装置に可能化信号を与え、それらからの信
号を受けるように動作する。信号処理装置はさら
に、ゲートされたレーダ出力信号を解析し、解析
された信号が所定の制限を超えたかどうかの指示
を与えるように動作する。１つの実施例において
は、それぞれの各羽根からの解析された信号は、
タービン軸の所定の回転数にわたつて平均され
る。

以下、図について説明する。ガスタービンにお
いて振動する羽根を検出するために、ミリメート
ル波のレーダーを使用するという提案が従来から
為されてきた。第１図に示されるようにレーダー
センサは、回転するタービン羽根１４に向かつて
非常に狭いビームのレーダー信号を放射するよう
に動作し得る。そこから反射された信号１６はレ
ーダーセンサ１０によつて検出されて処理されレ
ーダーセンサ１０は次にレーダーセンサに向かう
および／またはそれから離れる相対的な羽根の移
動量を表わす。F_Dで示される出力レーダー信号
を出力する。

この発明においては、第２図に示されるように
複数個のレーダーセンサが、１つまたは２つ以上
の回転する羽根列における羽根の振動を決定する
ために使用される。レーダーセンサＳは第１図で
のべたようなミリメートル波の型のものであつて
良く、またレーザーから得られるコヒレント光信
号を使用した光レーダーのような、より高い周波
数の型であつても良い。

センサーＳは、電気エネルギーを生産するため
の発電機２２を回転するように動作するタービン
システム２０の一部として含まれている低圧蒸気
タービン１８のケース上に装着されているものが
一実施例として示されている。発電気端上の最後
の羽根列２６へそれらのレーダー信号を向けるた
めの２つのセンサーが外部ケース２４上に装着さ
れて示されていると共に、スロツトルまたはガバ
ナー端上の最後の羽根列２６′に向かつてそれら
の信号を向けるための２つのセンサーも示されて
いる。さらなる例としても、もう２つのセンサー
が、それぞれの羽根列２８および２８′へそれぞ
れのレーダー信号を向けるために外部ケース２４
上に装着されて示されている。

羽根列に対するセンサの種々の方向配置が可能
であり、第３Ａ図および第３Ｂ図はそのような２
つの方向配置を示している。第３Ａ図において
は、２つのレーダーセンサ３４および３５が、同
じ最後の羽根列２６の羽根振動データを得るため
に使用されている。レーダーセンサ３４および３
５は、それらの狭いビームが羽根列の略々平面内
で実質的に羽根チツプに向けられるように配向さ
れている。

第３Ｂ図は、その狭いビームが羽根列の略々平
面に対して角度θにあるように配向されたレーダ
ーセンサ３６を示している。羽根群が囲い板によ
つてそれらのチツプに接続されているようなター
ビンシステムにおいては、羽根列の平面に対して
レーダービームを角度的に配向して用いる。

レーダーセンサ３６の代表的な取付けが第４図
に詳細に示されている。レーダーセンサ３６の電
子部分４０は、溶接のような方法によつて外部ケ
ース２４に取付けられているブラケツト４２上に
装着されている。

電磁エネルギーを伝搬するための導波管４４は
電子部分４０から羽根列２６に近接した位置まて
下方に延びており、そのため外部ケース２４内の
開口を通つている、その開口は封止用装置４８に
よつて圧力を元のままに維持されている。

タービン内で導波管４４は導波管支持体５０内
に収容されており、その導波管支持体５０は、一
部が示されているデフユーザ（defuser）５４の
ようなタービンの内部構造に接続された調節可能
な支持体５２に接続されている。第４図の装置
は、特開昭59−41606号公報（米国特許第4507058
号明細書）に詳細に説明されている。

複数個のレーダーセンサを有しているので、も
し振動しているならば複数個の羽根のいずれが振
動しているのかを決定するための装置が付加的に
提供されなければならない。従つて１つのレーダ
ーセンサまたは複数のレーダーセンサが組合つて
いる各羽根列ごとに、基準位置を通過する羽根の
数の通過計数を得るいための装置が提供される。
それ故、第５図において装置は、タービンの中心
軸の回りの羽根列の回転の各360度ごとに基準位
置に対する出力基準信号を出力するように、ター
ビンシステムに結合されている。この出力基準信
号を出力するために、検出器６０が回転子円板６
４に接続された平衡リング６２に近接して位置付
けられている。平衡リング６２はその内部に切欠
６６を含んでおり、その切欠６６は検出器６０に
対して通過する時、そこからの出力基準信号が線
６８上に供給されるようにする。

タービン羽根の回転中それらの通過計数は、１
つまたは２つ以上の羽根計数回路によつて与えら
れ、それらの２つ、７０および７１が示されてい
る。１つまたは２つ以上の関連したレーダーセン
サを有している各羽根列は１つの割り当てられた
羽根計数回路を有している。第２図に示されてい
るような両向き流れの設計において、各羽根列計
数回路は一方の羽根列における羽根を計数するだ
けでなく、その対称な片方の羽根も同様に計数す
るように動作する。

１つの実施例において、羽根計数回路７０は連
続的な入力パルス間で或る数の出力パルスを出す
型の周波数倍率器７２を含んでいる。例えばもし
羽根列がＸの数の羽根を有しているならば、周波
数倍率器７２は線６８上に与えられる１つの基準
パルスから次のパルスまで、線７４上にＸの出力
パルスをもたらす。

羽根計数回路７０は付加的に計数器７６を含ん
でおり、その計数器７６は線７４上のパルスを計
数しかつ線７８上にその指示値を与えるように動
作する。その線７８は好ましい実施例においては
特定の計数の２進出力表示を提供する複数個の
個々のリードを備えている。計数は線８０を経て
計数器７６のリセツトＲに与えられる基準信号に
応答して開始される。

それ故、基準信号が検出器６０によつて与えら
れる各時間ごとに通過計数がう羽根計数回路７０
から出力線７８上に与えられ、Ｘの数の羽根のい
ずれが所定の基準位置に通過するかを表わす。

ある設計の場合、特定の羽根列のために１つ以
上のレーダーセンサを設けることが好ましい。こ
のような場合においては、第１のレーダー出力信
号は羽根番号１と組み合つており、他方第２のセ
ンサ出力は異つた番号の羽根と組み合つている。
この異つた番号の羽根の出力通過計数を得るため
に、その羽根列のための他のレーダーセンサと組
み合つたいくつかの他の羽根の出力通過計数を得
るのと同様、羽根計数回路は加算器８２および８
４の形態にあるオフセツト装置を含んでおり、加
算器８２および８４の双方は線７８上に表われる
通過計数を受け、そしてそれぞれ線８６および８
８上に与えられるオフセツト量によつてそれを変
更する。このオフセツト量が線７８上に表われる
通過計数に加えられる時、他のレーダーセンサと
組み合つたオフセツト通過計数が、それぞれ線９
０および９２上に表われる。各レーダーセンサに
対して１つのオフセツト回路が与えられることを
理解すべきである。

羽根計数回路７１は回路７０と同様であり、連
続的な基準信号間でＹパルスを供給するための周
波数倍率器９４を含んでいる。Ｙはレーダーセン
サによつて観察中の羽根列内の羽根の数と等価で
ある。線９７および９８のような１つまたは２つ
以上の出力線は、その特定の羽根列と組み合つた
各レーダーセンサごとの羽根の通過計数を提供す
る。

もし異つた数の羽根を有する２つ以上の羽根列
が観察されるべきであるならば付加的な羽根計数
回路が提供される。さらに第５図は回転の360度
ごとに与えられる基準信号を示しているが、１つ
または２つ以上の切欠が平衡リング６２において
与えられ、360度以下の回転で基準信号を提供す
るようにしてもよい。このような場合においては
周波数倍率器の出力は比例的に減ぜられ計数器７
６が適当な時間でリセツトされるように割算回路
が線８０上に設けられる。

特定の羽根に属するレーダ信号を調べるための
装置が、いくつかの異常な振動を検出して正しい
測定を行い得るように設けられている。実施例と
して第６図を参照し、各々が異つた数の羽根を有
している２つの異つた羽根列が、羽根列ごとに２
つのレーダーセンサでもつて調べられると仮定す
る。このように第５図の羽根計数回路７０は２つ
の出力線７８および７９上に羽根の通過計数を提
供するように使用され得て、線７８上の計数はレ
ーダーセンサ１００によつて調べられる羽根を示
しており、線７９上の計数はレーダーセンサ１０
１によつて調べられる羽根を示している。他の羽
根列のための羽根計数回路７１は２つの出力線９
７および９８を含んでおり、線９７上の計数はレ
ーダーセンサ１０２によつて調べられる羽根を示
しており、線９８上の計数はレーダーセンサ１０
３によつて調べられる羽根を示している。

レーダー信号同様、羽根計数をゲートするため
のゲート装置が与えられており、それ故ゲート１
１０〜１１３は羽根計数のゲートを制御し、ゲー
ト１１４〜１１７はレーダー信号のゲートを制御
する。

コンピユータ１２０のような信号処理装置は第
１のゲート回路１１０〜１１３と同様第２のゲー
ト回路１１４〜１１７へ可能化信号を与え、レー
ダー信号と、それと組み合つたコンピユータ１２
０による解析のための羽根識別とを、選択的にゲ
ートするように動作する。ゲートされた羽根計数
はコンピユータによつて使用されるために２進形
体にあり、他方レーダー信号はアナログ形体にあ
る。従つて、アナログ・デイジタル変換器回路１
２２は、これらの信号をデイジタル形体に変換す
るために与えられている。

コンピユータ１２０はレーダー信号に高速フー
リエ変換（ａ Fast Fourier transform）を行
い、各羽根ごとに、第７図に波形１４０によつて
示されたような周波数スペクトラムを得るように
良く知られた態様でプログラム化される。第７図
の垂直目盛りに振幅がプロツトされており、複数
個の周波数範囲Ａ〜Ｈに分割された水平目盛りに
は周波数がプロツトされている。臨界値が各周波
数範囲ごとに設定されており、これらの臨界値は
周波数範囲Ａ〜Ｈに対してそれぞれT_A〜T_Hで示
されている。もしいずれかの特定の周波数範囲に
対する波形１４０が、その範囲に対して設定され
た臨界値を超えたならば、コンピユータは特定の
羽根列内の特定の羽根のために警報状態を示す信
号を出力する。この警報信号に応答してオペレー
タは適当な行動を取ることができ、またはこの信
号を、タービンを制御する自動制御装置に与える
ことができる。

好ましい実施例においては、コンピユータは羽
根列の所定回転数にわたつて、各羽根ごとのレー
ダー信号を平均するように行動する。それ故実施
例としては、波形１４０は特定の羽根に対して10
回転の平均を表している。

与えられた実施例においては、単に２つの羽根
列が各々２つのレーダーセンサを有して調べられ
ているけれども、第６図に示された基本システム
は、各々が１つまたは２つ以上のレーダーセンサ
を有した所望の数の羽根列を収容するように拡張
され得る。加うるに第２図に示された両向き流れ
の型のタービンに対しては、羽根計数回路７０お
よび７１が、用意された片方の羽根を同様に指示
するように付加的に使用され得て、この場合には
付加的なレーダーセンサとそれぞれのゲート回路
とが設けられて、コンピユータ１２０によつて制
御される。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の羽根の振動を測定するための
唯１つのレーダセンサを示す図、第２図はこの発
明の一実施例によつてレーダセンサを配置した、
一部断面で示すタービン装置を示す斜視図、第３
Ａ図および第３Ｂ図は、この発明の一実施例によ
る、タービン羽根列に対する複数個のレーダセン
サの取付けを示す図、第４図は、レーダセンサの
代表的な取付けを示す斜視図、第５図はこの発明
の一実施例による、回転するタービン羽根を識別
するための回路を示すブロツク回路図、第６図は
この発明の一実施例による信号を流れの制御を説
明するためのブロツク回路図、第７図はレーダセ
ンサ信号の周波数に対する振幅を表わす波形図で
ある。図において、２０はタービン装置、２６，
２６′，２８，２８′はタービン羽根列、Ｓはレー
ダセンサ、６０は検出器（出力基準信号を出力す
る装置）、７０，７１は羽根計数回路（通過計数
を出力する装置）、１００，１０１，１０２，１
０３はレーダセンサ、１１０，１１１，１１２，
１１３は第１のゲート装置、１１４，１１５，１
１６，１１７は第２のゲート装置、１２０はコン
ピユータ（信号処理装置）である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 中心軸の回りで回転可能な複数個の近接した
   タービン羽根列を有したタービン装置におけるタ
   ービン羽根の振動を検出するために、 (a) 前記タービン装置に装着された複数個のレー
   ダセンサであつて、 (b) その各々が、所定の羽根列に向けて比較的狭
   いビームのレーダ信号を送りそしてそれから反
   射されたレーダ信号を受けて、前記レーダセン
   サに向うまたはそれから離れる相対的な羽根の
   動きを表わす出力レーダ信号を引出すものと、 (c) 前記タービン装置に結合され、基準位置に対
   する前記中心軸の回りの前記羽根列の回転の各
   Ｘ度（Ｘ≦360度）ごとの出力基準信号を出力
   する装置と、 (d) 前記出力基準信号に応答し、１つまたは２つ
   以上の前記レーダセンサを有する各羽根列ごと
   に、前記基準位置を横切つたタービン羽根の数
   を表わす通過計数を出力する装置と、 (e) 前記通過計数をゲートするための第１のゲー
   ト装置と、 (f) 前記レーダ出力信号をゲートするための第２
   のゲート装置と、 (g) 所定の時刻に、前記第１および第２のゲート
   装置に可能化信号を与えるように動作し、その
   ようにゲートされた前記信号を受けるよう動作
   的に接続された信号処理装置であつて、 (h) さらに、ゲートされた前記レーダ出力信号を
   解析し、この解析された信号が所定の制限を超
   えているかどうかの指示信号を出力するように
   動作するものとを備えたことを特徴とする振動
   検出装置。