JPH0320257Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は液体用紙容器で、特には高温充填可能
な紙容器に関するものである。

（従来の技術） 一般に、液体飲食物を包装容器に充填密封する
際には飲食物からなる内容物を加熱殺菌処理した
後、包装容器に充填密封して、長期間の保存に耐
えるようにしている。この場合、容器内への菌の
侵入を軽減するように高温状態で充填直後に密封
することが望ましい。

（解決しようとする問題点） しかしながら、高温状態で密封を行うと、内容
物の冷却に伴つて容器内の圧力が低下し、強度の
弱い紙容器等では圧力低下のため容器がへこんだ
りするため、外観が悪くなり、商品価値を失なつ
てしまうという問題点があつた。

（問題点を解決する手段） 複数の側壁と端壁を含む液体用紙容器におい
て、少なくとも二つの側壁が作る稜線上に容器内
圧に応答して容器内方に向つて予め一定の形状で
凹部を作る折目を所定の形状に設けたことを特徴
とする液体用紙容器である。

（作用） 上記の如き紙容器を使用すれば、従来の充填密
封装置を使用して、外観上も商品価値が高い液体
用包装容器を提供できる。

（実施例） 以下、本考案を図面に示した好適な実施例を用
いて詳細に説明する。

本考案は、第１図に示すような表材からなり、
その構成は、厚紙の両面には合成樹脂が積層され
たもので、例えば外側より、ポリエチレン／イン
キ／紙／ポリエチレン／アルミ箔／ポリスチレ
ン／ポリエチレンという層構成のものが使用でき
る。この素材は、縦折目ｌを介して連設された５
枚の側壁用のパネル１，２，３，４，５と、該側
パネル１〜５の上端には横折目ｍを介して上方端
壁用の天パネル６，７，８、かど耳用パネル９，
１０がそれぞれ縦折目ｌで区分されて連設され、
下端にも横折目ｒを介して同様に下方端壁用の底
パネル１１，１２，１３、かど耳用パネル１４，
１５がそれぞれ縦折目ｌで区分されて連設され、
かつ該天パネル６，７，８、かど耳用パネル９，
１０の上端には横折目ｍを介して閉鎖フラツプ１
６〜２０が縦折目ｌで区分されて連設され、同様
に底パネル１１，１２，１３、かど耳用パネル１
４，１５の下端にも横折目ｏを介してそれぞれ縦
折目ｌで区分されて閉鎖フラツプ２１〜２５が連
設されている。

ここで、上記かど耳用パネル９、１０および１
４，１５は三角形のかど耳を形成するための斜め
折目ｐが設けられている。

さらに、上記素材においては、各側パネル１〜
５を区分する縦折目ｌを中心として凹部形成用折
目ｑが二本づつ設けられている。一組の該凹部形
成用折目ｑの上下端は縦折目ｌに向つて曲線とな
りそれぞれ連結してあることが好ましい。

次に上記第１図に示した素材の充填、密封方法
として、従来よく知られた方法、例えば特公昭40
−16991号に示されるような方法により高温の内
容物を充填、上端壁部Ａを密封すると、容器内圧
が減少するので、第２図に示すように隣り同志の
側壁Ｂ……が作る稜線l′上には前記折目ｑに沿つ
て容器内側に向つて凹んだ凹部３０……が形成さ
れ、外観上商品価値の高い紙容器が得られる。

（効果） 本考案は上記の如き構成であつて、高温内容物
の充填に伴う減圧に対して、予め設けられた折目
によつて側壁の稜線上に凹部が設けられ、外観上
に優れるばかりでなく、該凹部により指の掛りが
良好となり、飲む時に役立つなど実用上も優れた
液体用紙容器を提供するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は液体用紙容器素材の展開図、第２図は、内容物
充填後の紙容器の斜視図である。 １〜５……側パネル、６〜８……天パネル、
９，１０……かど耳用パネル、１１〜１３……底
パネル、１４，１５……かど耳用パネル、１６〜
２０……閉鎖フラツプ、２１〜２５……閉鎖フラ
ツプ、３０……凹部、Ａ……上端壁部、Ｂ……側
壁、ｌ……縦折目、ｍ，ｒ，ｎ，ｏ……横折目、
ｐ……斜め折目、ｑ……凹部形成用折目、３０…
…凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数の側壁と上下端壁を含む液体用紙容器にお
   いて、少なくとも二つの側壁が作る稜線上に容器
   内圧に応答して容器内方に向つて、予め一定の形
   状で凹部を作る折目を所定の形状に設けたことを
   特徴とする液体用紙容器。