JPH03122244A - 耐応力腐食割れ性に優れる溶接用高力アルミニウム合金 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は溶接構造材に用いられる高力アルミニウム合金
に関し、さらに詳しくは、耐応力腐食割れ性に優れる溶
接用Ａｌ−Ｚｎ−Ｍｇ系高力アルミニウム合金に関する
。

〔従来の技術〕

近年、建築、車両、船舶、航空機等においては、益々薄
肉軽量化が進み、溶接可能な高力アルミニウム合金の要
求が高まって来ている。従来、これらの用途に対するア
ルミニウム合金としては、Ａｌ−Ｚｎ−Ｍｇ系合金やＡ
　ｌ−Ｚｎ−Ｍｇ−Ｃｕ合金が考えられてきた。この種
の高力アルミニウム合金は、Ｚｎ、Ｍｇ１Ｊを増加する
に従って高強度になるが、それに伴って応力腐食割れ感
受性や溶接割れ感受性が高くなる傾向があり、又、圧延
等の熱間加工性も劣化してくる。

圧延等の成形が可能で、構造材に用いられる高力アルミ
ニウム合金として代表的なものにＡ７０７５合金がある
。該合金の強度はアルミニウム合金の中でも最高に属す
るが、Ｃｕを含むため溶接性が著しく劣り、接合はボル
ト締め、リベント等の機械的接合によらなければならな
い。また、該合金は応力腐食割れ感受性が高いため、従
来は本来最高強度が得られる熱処理であるＴ６処理では
、応力腐食割れが起こる危険があるため、それよりさら
に高い温度又は長い時間の焼き戻しを行い組織を安定化
させたＴ７処理で使用することが多い。

しかしＴ７処理材はＴ６処理材に比べ強度は低下する。

７０００系アルミニウム合金の中で、圧延等の成形が可
能で、しかも溶接性、耐応力腐食割れ性に優れたアルミ
ニウム合金としてはＡ７ＮＯ１、Ａ７００３が知られて
いる。しかしながらこれらの合金では強度が比較的低い
ため、更に強度を要する用途には適さなかった。上記の
ごと〈従来の技術では強度、耐応力腐食割れ性、溶接性
の全ての面で満足が得られ、しかも圧延等の成形性にも
優れたアルミニウム合金を得ることは甚だ困難であった
。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明は、従来の技術では解決できなかった、強度、耐
応力腐食割れ性、溶接性の全ての面で満足が得られ、し
かも圧延等の成形性にも優れた板材を提供することを目
的とするものである。

〔課題を解決するため手段〕

本発明者らは、前述の様な事情に着目し、上記したごと
き、強度、耐応力腐食割れ性、溶接性の全ての面で満足
が得られ、しかも、圧延等の成形性にも優れたアルミニ
ウム合金の開発を期して、合金成分の種類、含有率を変
えて、種々検討した。

その結果、下記のごとく合金成分の種類、含有率を特定
してやれば上記の目的を達成できることを見出し、本発
明の完成をみた。

即ち、本発明は、Ｚｎ５．０〜８ｗｔ％（但し５，０％
は含まない）　、Ｍ　ｇ０．３〜３．０ｗｔ％、Ｆｅ０
．０１〜１ｗｔ％、Ｃｕ　０．０１〜１　ｗｔ％、Ｔ　
ｉ０．００５〜０．２−ｔ％、Ｖ０．０１〜０．１ｗｔ
％を含有し、さらにＭｎ０．０１〜１．５ｗｔ％、Ｃｒ
０．ｏｌ−０，６ｗｔ％、Ｚｒ０．０１〜０．２５ｗｔ
％、８０．０００１〜０．０８ｉｉｔ％のうちの１種又
は２種以上を含み、残りアルミニウム及び不可避不純物
とからなることを特徴とする耐応力腐食割れ性に優れる
溶接用高力アルミニウム合金である。

〔作用〕

本発明に係る上記アルミニウム合金の成分の添加理由と
その限定理由について以下に述べる。

ＺｎはＭｇと共にＺｎ−Ｍｇ系の微細な析出物を形成し
、素材の強度に寄与する。含有量が５．０ｗｔ％以下で
はその効果が充分でなく、８ｗｔ％を超えると耐応力腐
食割れ性、溶接性、加工性が劣化する。

ＭｇはＺｎと同様に強度向上に不可欠な元素であり、含
有量が０．３　ｗｔ％未満では充分な強度が得・られず
、３．０ｗｔ％を超えて含有されると耐応力腐食割れ性
、溶接性、加工性が劣化する。

Ｆｅは、溶接性を向上させると共に、材料の組織を微細
化して耐応力腐食割れ性を改善する効果を有する。その
含有量が０．０１ｗｔ％未満では充分な効果が得られず
、１．０ｗｔ％を超えて含有させると靭性、加工性が劣
化する。

Ｃｕは、耐応力腐食割れ性を改善する元素であり、含有
量が０．０１ｗｔ％未満では充分な効果が得られず、１
ｗｔ％を超えて含有させると溶接割れが生じやすくなる
。

Ｔｉは、組織を微細化し、溶接性を向上させる元素であ
るが、含有量が０．００５　ｗｔ％未満では充分な効果
が得られず、０．２ｗｔ％を超えて含有させると巨大晶
出物が生成し靭性、加工性が劣化する危険性が高くなる
。

■は、耐応力腐食割れ性を向上させる元素であり、含有
量が０．０１ｗｔ％未満では充分な効果が得られず、０
．１　ｗｔ％を超えて含有させると加工性および靭性が
低下する。

Ｍｎ、Ｃｒ、Ｚｒ、Ｂは、何れも組織を微細化し強度と
耐応力腐食割れ性を向上させる効果を奏する。含有量が
それぞれ下限未満であるとこれら効果が充分ではなく、
上限を超えて含有されると巨大晶出物が発生し、靭性、
加工性を劣化させる危険がある。

尚本発明合金において含有される不純物はＳｔ＜０．２
　ｗｔ％、Ｎ　ｉ　＜０．０３ｗｔ％、Ａ　ｇ　＜０．
０３ｗｔ％、その他元素は単独で０．０５ｗｔ％未満で
あれば、本発明合金の特性を劣化させない。

〔実施例〕

以下に本発明の一実施例について説明する。第１表に示
す本発明合金、比較合金、及び従来合金の組成の合金を
ＤＣ鋳造により厚さ３００閣、幅８００鴫の鋳塊とした
。この鋳塊を４９０’ｃｘ１２時間均質化処理した後、
熱間圧延（４５０’Ｃ）および冷間圧延により厚さ５薗
の板材とした。各々の材料は圧延後、４８０°Ｃで１時
間の溶体化処理後焼入し、１２０℃で２４時間の焼戻し
処理を行った。

このようにして製造した材料について、引張試験、応力
腐食割れ試験、及び溶接割れ試験を行った結果を第２表
に記した。

試験方法 （１）引張試験 （ａ）試験片　　ｊ　ＪＩＳ　Ｚ　２２０１の５号試験
片（ロ）試験方法　：アムスラー万能試験機、ＪＩＳＺ
２２４１に基づき試験する。

：引張強さ、耐力、伸びを測定し、 次の基準で判定する。

○・・・引張強さ５０ｋｇｆ　／−以上Δ・・・引張強
さ４０ｋｇｆ　／−以上５０ｋｇｆ／−未満×・・・引
張強さ４０ｋｇｆ　／−未満（２）応力腐食割れ試験 （ａ）試験片　　：　ＪＩＳ　Ｈ８７１１の１号試験片
（Ｃ）測定値 （３） （ｂ）試験方法 ：　ＪＩＳ　Ｈ８７１１に基づく。

応力負荷・・・１号試験片用ジグを 用いて耐力の７５％を負荷 試験液、浸漬・・・３．５％ＮａＣ１液、交互浸漬（周
期１０分浸漬、５０分 乾燥）３０日間 ：応力腐食割れ発生の存無観察 Ｏ・・・割れ発生、×・・・割れ発生せず溶接割れ試験 （Ｃ）評価 （ｂ）溶接条件　：溶接方法・・・ＴｉＧ溶加材・・・
使用せず 電極・・・トリウム入りタングステ ン棒、３．２ｍｍφ 溶接電流・・・１８０Ａ アーク電圧・・・１９Ｖ 溶接速度・・・３０ｃｍ／ｗｉｎ アルゴンガス流量・・・１０１／ｍ１ｎ（Ｃ）割れ評価
　：割れ長さ測定し、次の基準で判定する。

Ｏ・・・割れ長さ３０ｇ＋＋＋＋未満 Δ・・・割れ長さ３０ｍｍ以上５０ｍｍ未満×・・・割
れ長さ５０ｍｍ以上 第２表から明らかなように、本発明合金Ｎα１〜４はい
ずれも、強度、耐応力腐食割れ性、溶接性の全てにおい
て優れていたのに対し、比較合金Ｎα５〜７、従来合金
８〜１０はいずれかの特性で劣っていた。

〔発明の効果〕

以上述べた如く本発明によれば、溶接構造用アルミニウ
ム合金として、従来合金を凌ぐ高強度を有し、かつ耐応
力腐食割れ性に優れた溶接構造用アルミニウム合金を提
供しうるちのであり、従来合金による場合に比べ、更に
溶接構造材としての薄肉軽量化の要請に好適に対応しう
るちのであり工業上顕著な効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はフィッシュポーン形割れ試験片を示す平面図を
示す。 １・・・フィッシュボーン形割れ試験片、　　１ａ・・
・溶接ビード、　　■ｂ・・・溶接割れ、　　ｌｃ・・
・割れ長さ、　　１ｄ・・・溶接方向

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 　Ｚｎ５．０〜８ｗｔ％（但し５．０％は含まない）、
   Ｍｇ０．３〜３．０ｗｔ％、Ｆｅ０．０１〜１ｗｔ％、
   Ｃｕ０．０１〜１ｗｔ％、Ｔｉ０．００５〜０．２ｗｔ
   ％、Ｖ０．０１〜０．１ｗｔ％を含有し、さらにＭｎ０
   ．０１〜１．５ｗｔ％、Ｃｒ０．０１〜０．６ｗｔ％、
   Ｚｒ０．０１〜０．２５ｗｔ％、Ｂ０．０００１〜０．
   ０８ｗｔ％のうちの１種又は２種以上を含み、残りアル
   ミニウム及び不可避不純物とからなることを特徴とする
   耐応力腐食割れ性に優れる溶接用高力アルミニウム合金
   。