JPH026764Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、農業用ビニールハウスに於いて、側
壁部に換気のために巻き上げ可能に張設される換
気用ビニールシートの上縁部と、この上側に張設
される天井側のビニールシートの下縁部とを固定
する場合等に活用し得る、農業用ビニールハウス
のビニールシート張設用具に関するものである。

（従来の技術及びその問題点） 前記のように農業用ビニールハウスに於いて、
側壁部に換気のために巻き上げ可能に張設される
換気用ビニールシートの上縁部と、この上側に張
設される天井側のビニールシートの下縁部とを固
定する場合、換気用ビニールシートの上縁部を固
定するためのビニールシート固定用棒状部材と、
天井側ビニールシートの下縁部を固定するための
ビニールシート固定用棒状部材とを、ビニールハ
ウスの支柱に水平並列状態に架設しなければなら
ない。従来は上下の各ビニールシート固定用棒状
部材を夫々取り付け手段を介して各別に支柱に取
り付けていたため、上下両ビニールシート固定用
棒状部材間に比較的大きな隙間が生じていた。こ
の隙間はビニールハウスの保温効果を低下させる
等、悪影響をもたらす原因となつていた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、上記のような従来の問題点を解決す
ることの出来るビニールシート張設用具を提供す
るものであつて、その特徴は、２本のビニールシ
ート固定用棒状部材を並列状態でビニールハウス
支柱に固定する固定手段と、この固定手段によつ
て固定される前記２本のビニールシート固定用棒
状部材間の隙間をカバーする帯状板とから成り、
この帯状板は、前記２本のビニールシート固定用
棒状部材と一体に前記支柱に固定されるようにし
た点にある。

（実施例） 以下に本考案の一実施例を添付の例示図に基づ
いて説明する。

第１図及び第２図に於いて、１はビニールハウ
ス側壁部に於けるアーチ形支柱を示し、このアー
チ形支柱１の垂直部上端近傍位置（地上より約
１・８ｍ付近）の外側に本考案のビニールシート
張設用具２を介して、天井側のビニールシート３
の下縁部と巻き上げ可能な換気用ビニールシート
４の上縁部とが固定されている。

第３図乃至第５図に示すように、前記ビニール
シート張設用具２は、天井側のビニールシート３
の下縁部を固定するビニールシート固定用棒状部
材５と巻き上げ可能な換気用ビニールシート４の
上縁部を固定するビニールシート固定用棒状部材
６とを並列状態で前記アーチ形支柱１に取り付け
るための固定手段７と、上下両棒状部材５，６間
の隙間をカバーし且つ前記固定手段７の一部品を
兼用する帯状板８とから構成されている。

前記固定手段７は、本体９、固定用くさび１
０、前記帯状板８、及び補助パイプ支持部材１１
から構成されている。前記本体９は側面形状がコ
の字形であつて、その上下両側板部１２には支柱
１が嵌合するための凹入部１３と、この凹入部１
３の両側遊端部に於いて折り返し係止部１４が形
成されている。前記補助パイプ支持部材１１は、
補助パイプ材貫通孔１５を夫々備えた左右一対の
支持板１６と両支持板１６を連結する連結板部１
７とから成り、この連結板部１７に於いて前記帯
状板８の長さ方向適当間隔置きの位置で巾方向中
央位置に固着され、両支持板１６の両側縁基部に
は係止部１８が形成されている。

使用方法を説明すると、帯状板８を補助パイプ
支持部材１１のある側を外にして支柱１の外側適
当高さに当て付けると共に、補助パイプ支持部材
１１の上下位置で帯状板８に当て付けたビニール
シート固定用棒状部材５，６の一側縁を前記係止
部１８に嵌合させる。係る状態で支柱１の内側か
ら本体９を、その凹入部１３に支柱１が嵌入する
ように当て付けると共に、帯状板８の上下両側縁
及びこれに隣接するビニールシート固定用棒状部
材５，６の側縁に対して上下の折り返し係止部１
４を、上下両側板部１２の弾性変形を伴わせて前
方へ通過させるべく押しつける。この結果、図示
のように上下に並列する２本のビニールシート固
定用棒状部材５，６の外側縁が帯状板８と本体９
の折り返し係止部１４とで挟まれた状態となる。

次に固定用くさび１０を図示のように本体９の
後側垂直壁部１９と支柱１との間へ帯状板８にそ
つて圧入し、本体９を支柱１に対して内側へ引き
寄せる。従つて折り返し係止部１４は、ビニール
シート固定用棒状部材５，６の外側縁を介して帯
状板８の上下両側縁を支柱１との間で挟み込んで
固定する。又、上下に並列する２本のビニールシ
ート固定用棒状部材５，６は、その互いに隣接す
る内側縁が補助パイプ支持部材１１の係止部１８
に係止されると共に、外側縁は本体９の折り返し
係止部１４によつて係止され、帯状板８の上下両
側縁にそつて固定される。

尚、図面では帯状板８上の補助パイプ支持部材
１１の間隔と支柱１の間隔とを等しくすると共
に、各支柱１の位置に補助パイプ支持部材１１が
位置するように取り付けているが、支柱１に対し
て補助パイプ支持部材１１の位置がずれても良
い。帯状板８は所定の長さを有するものであるか
ら、使用時には長さ方向に於いて帯状板８を接続
しなければならない。この帯状板８の接続は支柱
１の位置に於いて行い、一つの本体９と固定用く
さび１０とで２本の帯状板８の突き合わせ部を同
時に固定することが出来る。

上記のように支柱１に取り付けられた２本のビ
ニールシート固定用棒状部材５，６は従来周知の
ものであつて、この棒状部材５，６内に嵌合させ
たビニールシート３，４の端縁部を、当該棒状部
材５，６内に弾性に抗して嵌合させたクリツプ２
０により固定することが出来る。又、補助パイプ
支持部材１１の各貫通孔１５に、帯状板８にそつ
て補助パイプ２１を挿通することが出来る。この
補助パイプ２１は、ビニールシート３，４を支柱
１間で外側から押さえるシート押さえ用ロープ
や、巻き上げたシート４を纒めておくためのロー
プを結わえるのに使用することが出来る。更に、
補助パイプ２１に他の用途の垂直なパイプを締結
することも出来る。

上記実施例では、両棒状部材５，６間の隙間を
カバーするための帯状板８が固定手段７の一部品
（即ち係止部１８を備えた補助パイプ支持部材１
１の基板）を兼用しているが、この構造では長尺
物である帯状板８として、補助パイプ支持部材１
１を溶接等により固着し得る程度の厚さの板材が
必要であり、重くなるばかりでなくコスト高にな
る。従つてこのようなことが問題となる場合は、
第６図及び第７図に示すように係止部１８を備え
た補助パイプ支持部材１１を帯状板８に固着する
のではなく、当該補助パイプ支持部材１１を別の
基板２２（図示のように左右一対の支持板１６を
連結する連結板部１７と兼用させるのが望ましい
が、連結板部１７とは別に基板２２を使用しても
良い）に連設し、当該基板２２の四隅を本体９の
折り返し係止部１４に対応するように使用するこ
とが出来る。この場合帯状板８として、図示のよ
うにトタン板等の薄い安価な板材を利用すること
が出来る。

（考案の作用及び効果） 以上のように本考案の農業用ビニールハウスの
ビニールシート張設用具を使用するときは、換気
用ビニールシートの上縁部を固定するためのビニ
ールシート固定用棒状部材と、天井側ビニールシ
ートの下縁部を固定するためのビニールシート固
定用棒状部材とを、一つの固定手段で同時にビニ
ールハウスの支柱に架設することが出来、しかも
このとき同時に取り付けられる帯状板が、上下両
ビニールシート固定用棒状部材間に生じる隙間を
閉塞するので、ビニールハウスの保温効果を低下
させる等の問題点も解消する。又、前記帯状板は
２本の並列するビニールシート固定用棒状部材と
協同してビニールハウスの強度アツプにも役立つ
ことになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は使用状態を示す概略縦断側面図、第２
図は同正面図、第３図は要部の拡大縦断側面図、
第４図は同正面図（ビニールシートは省略）、第
５図は第４図の平面図、第６図は別の実施例を示
す要部の側面図（ビニールシート固定用棒状部材
及びビニールシートは省略）、第７図は第６図の
正面図である。 １……アーチ形支柱、２……本考案のビニール
シート張設用具、３……天井側のビニールシー
ト、４……巻き上げ可能な換気用ビニールシー
ト、５，６……ビニールシート固定用棒状部材、
７……固定手段、８……帯状板、９……本体、１
０……固定用くさび、１１……補助パイプ支持部
材、１３……支柱嵌合用凹入部、１４……折り返
し係止部、１５……補助パイプ貫通孔、１８……
係止部、２０……ビニールシート固定用クリツ
プ、２１……補助パイプ、２２……基板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ２本のビニールシート固定用棒状部材を並列状
   態でビニールハウス支柱に固定する固定手段と、
   この固定手段によつて固定される前記２本のビニ
   ールシート固定用棒状部材間の隙間をカバーする
   帯状板とから成り、この帯状板は、前記２本のビ
   ニールシート固定用棒状部材と一体に前記支柱に
   固定されるようにした農業用ビニールハウスのビ
   ニールシート張設用具。