JPH0253075B2

JPH0253075B2 -

Info

Publication number: JPH0253075B2
Application number: JP58132228A
Authority: JP
Inventors: Keijiro Hayashi; Toshimi Awano; Shigeru Asai
Original assignee: Mizuno Corp
Current assignee: Mizuno Corp
Priority date: 1983-07-19
Filing date: 1983-07-19
Publication date: 1990-11-15
Also published as: FR2549378B1; FR2549378A1; JPS6021775A; US4590023A; AT383747B; ATA233184A; DE3418568A1

Description

【発明の詳細な説明】本発明は、上面構成部材の幅員の中央部が高い
山形その他に盛り上がつた形状のインジエクシヨ
ンスキー板の製造方法に係わるものである。

従来よりスキー板には木製、FRP製、メタ
ル・グラス製等がある。

木製スキー板においては、古い時代に強度を維
持するために、全体を厚くしスキー板の締め具取
付領域を除く前後接地点近傍までの上面を任意の
形状に削りこんだものが多く用いられていたが、
重量が重く、操縦性が悪いスキー板であつた。

そこで軽量で操縦性を良くする手段として
FRPやメタルを使用した平板状の性能の良いス
キー板に置き変わつてきた。

そして現在では、第１図に示すようにスキー板
１の厚みが、スキー板先端部より中央部にかけて
は徐々に厚くなり、中央部から後端部にかけて
は、徐々に薄くなる両テーパー形状で、且つ上面
が平らな形状を有するスキー板が一般化してい
る。

また構造としては、第２図に示すようにFRP
板等の補強部材２を芯材の上下面に配置したサン
ドイツチ構造のものや、芯材の全周に補強部材を
配置したボツクス構造のものが公知となつてい
る。

しかしスキー板を物性面から考えた場合におい
ては、曲げ強度、曲げ剛性、ねじれ強度やねじれ
剛性、振動減衰性や空気抵抗など、相互に影響を
及ぼし合う諸特性をいかにバランスよく設計する
かが、非常に難しい問題であり、スキー板のねじ
れ剛性を向上させれば、曲げ剛性が高くなり、腰
の硬いスキー板になつてしまうと共に、滑走時に
振動が持続して減衰性がおとりばたつくため操縦
しがたく、滑走性能に悪影響を及ぼすなどの欠点
を有していた。

そのほか、滑走中のスキー板の空気抵抗を減少
させることを考慮して、スキー板先端のシヨベル
部分に任意形状の孔を開孔したり、シヨベル部分
の立ち上がりを低くすることにより、できるだけ
空気抵抗や振動を抑制して、滑走時のスピードを
早める工夫がなされているが、これらの方法は、
製造工程に手間がかかり、製造コストが高くなる
欠点を有していた。そのため、これら従来のスキ
ー板の欠点を改良する目的で、本発明者らは、第
３図に示すように、スキー板３の上面構成部材４
において、スキー板の幅員の中央部を頂上とする
山形屋根部を設けた上面構成部材４を有するスキ
ー板３を発明し、その製造方法として第４図より
第５図に示すように、スキー板成形用の下金型５
内に、滑走面材６、スチールエツジ７、滑走面材
８等を組み込み、次に硬質芯材９を繊維補強部材
１０で被覆した中芯部材１１を配置し、さらに該
中芯部材１１の上に硬質芯材１２を繊維補強部材
１３で被覆した山形屋根部成形用補助部材１４を
配置した後、上面部材１５を配置し、該上面部材
の上にスキーの先端部、締具取付部及びスキーの
後端部を除く部分に、山形屋根部形成用山形凹面
を有する上金型１６を載置した後、圧締し加熱硬
化することにより、上面側に盛り上がつた山形屋
根部を形成したスキー板を製造する方法を発明し
た。また第６図より第７図に示すように、スキー
板成形用の下金型５内に、滑走面材６、スチール
エツジ７、補強部材８等よりなる下面構成部材９
を配置し、次に上面材１７と補強部材１８等より
なる上面構成部材１９を、その幅員の中央部を頂
上とする山形屋根部に形成して、下金型の切り欠
き段部５′を配置した後、上面構成部材１９の屋
根型に合致する形状の上金型１６を載置し、下面
構成部材９と上面構成部材１９との間に形成する
中空部２０に発泡合成樹脂を射出注入して発泡硬
化させることにより一体成形することを特徴とす
るインジエクシヨンスキー板の製造方法も発明し
た。

これらの製造方法によつて製造されたスキー板
は、従来のスキー板にはない種々の良好な特性を
発揮している。しかし、前者の製造方法では、組
み込み部材の数が多くなり、それにともなつて出
来上がつたスキー板の特性は、中級者から上級者
向きになる傾向があり、初心者用のスキー板の供
給も望まれていた。そのため後者の製造方法も考
え出されたが、この場合は、先に上面構成部材１
９を別の金型の使用して、山形屋根部を予備成形
する必要があり、そのため、コスト的にやや高く
なる点と、下金型内に配置した上面構成部材の山
形屋根部１９′に合致するように上金型を載置す
る工程に手間がかかり、またそのため、価格的に
も中級者クラスのスキー板しか供給できないなど
の問題があつた。

本発明はこれら従来の問題点を改善し、製造コ
ストをより低減し、且つ性能的にも初級者から上
級者クラスのスキーヤーが使用するのに最適な特
性と、安価で耐久性のあるインジエクシヨンスキ
ー板を供給することを目的になされたものであ
る。

本発明を図面に基づいて説明すると、第８図よ
り第１１図に示すように、スキー板成形用の下金
型２１内に、滑走面材２２、スチールエツジ２
３、補強部材２４等よりなる下面構成部材２５を
配置し、次に上面材２６や補強部材２７等よりな
る上面構成部材２８を配置した後、スキー板の締
め具取付領域を除く前半部と後半部、あるいは前
半部、後半部のどちらか一方の上面を独立して突
出させるために、任意形状の凹部２９を形成した
上金型３０を配置し、下面構成部材２５と上面構
成部材２８との間に形成する中空部３１の発泡合
成樹脂を射出注入して発泡硬化させることにより
生ずる発泡圧力で、上面構成部材２８を上金型３
０の凹部２９に沿うように変形させて金型に合致
させることによりスキー板の上面に任意形状の屋
根形の突出部３２をスキー板本体の成形と同時に
一体的に成形し、該突出部以外の上面は平面にし
たことを特徴とするインジエクシヨンスキー板の
製造方法である。

本発明により製造したインジエクシヨンスキー
板は、従来の製造方法とは異なり、上面構成部材
を予備成形により山形突出部を成形しておく必要
がないため、予備成形の工具が不要であり、また
予備成形用金型も不備であるため、製造コストが
低減できる。そのほか、屋根形の突出部は、スキ
ー板の発泡成形と同時に一体的に成形できる。

該屋根形の突出部は断面積が大きくなり、スキ
ー板の曲げ剛性とねじれ剛性を強くする作用があ
る。一方、該屋根形の突出部を除く他の部位の上
面は平面であるから、この平面部位はたわみやす
い。たわみ易いとスキー板は雪面の凹凸に馴染ん
で雪面のとらえが良くなる。

スキー板は滑走時に雪面から振動をうけるが、
この振動が長く持続するとスキー板が不安定にな
つて操縦しにくくなるので、かかる振動は可及的
速やかに減衰することが望ましい。この点本発明
のスキー板は屋根形の突出部を独立して形成した
から、該突出部は断面積が大きいため、スキー板
の前接地点から伝わる振動を吸収、分散する。

かくて滑走時のスキー板の振動を減衰して操縦
性に優れたスキー板になる。屋根形の突出部を高
低、長短にすることにより、スキー板のたわみ、
ねじれ剛性、振動減衰性、その他スキー板の特性
を異にした、多種類を製造することが可能にな
る。

なお、本発明においては、ABS樹脂板やフエ
ノールやその他の上面材を用い、さらに補強部材
として、ガラス繊維やカーボン繊維その他任意の
補強繊維よりなる強化プラスチツク板を合わせて
用いる事が出来るほか、上面材と補強部材を兼ね
備えた繊維強化プラスチツク板、例えば、カーボ
ン繊維強化プラスチツク板、シリコンカーバイド
繊維やアルミナ繊維やガラス繊維等よりなる繊維
強化プラスチツク板を用いることが出来る。

また、該補強繊維の繊維の種類や織り方等も自
由に選択できる。かくて、屋根形の突出部の形態
と形成部位を異にするだけでスキー板の特性を初
級者に適するたわみ易いスキー板から上級者用の
曲げ弾性に富むスキー板を容易に設計でき、設計
の自由度が著しく向上するものである。なお補強
部材としては、前述の繊維強化プラスチツクの形
態でも、プリプレグやウエツトレイアツプの形態
でも自由に選択できる。

以上のように本発明のインジエクシヨンスキー
板においては、発泡合成樹脂を金型内へ射出注入
して発泡硬化させる際の発泡圧力で、上面構成部
材を変形させて任意形状の凹部を設けた上金型に
沿わせることができ、スキー板上面上に山形その
他任意形状の突出部を、スキー板に要求される特
性に応じて任意の位置に形成することが出来るか
ら設計の自由度が向上する。出来上がつたスキー
板は締め具取付領域は通常の平板状の厚みであ
り、上記締め具取付領域を除いて前半部と後半
部、あるいはどちらか一方の上面に、独立した任
意形状の屋根形の突出部３２が形成され、該屋根
形の突出部は断面積が大きくなり、スキー板のた
わみとねじれを抑制し、該屋根形の突出部以外の
平面部位からくる振動は屋根形の突出部部分で吸
収されるから、振動減衰性が向上し、操縦性の良
好なスキー板を供給することが出来る。また屋根
形の突出部３２をスキー板の先端、後端方向に延
長したり短縮したり高低にすることにより、スキ
ー板の曲げ剛性、捻れ剛性を別異に出来るからス
キー板の調子、たわみを硬質自在に設計できるほ
か、前方のみに設けることにより直進安定性を図
りながら滑走性を向上させることが出来る。また
突出部の形状も、第１２図に示すようにアーチ状
にすれば、空気抵抗値を減じて滑走性能が向上す
ると同時に、着雪が少なくなる効果がある。また
第１３図、第１４図に示すように台形状にすれ
ば、捻れ剛性が向上し、捻れに強いスキー板が供
給できるものである。その他実施例として第１４
図に示すようにサイド部材を装着することも可能
である。

以上のように、本発明によれば、歩留まりと生
産性が向上し、設計の自由度が拡大するから、初
級者から中級者、上級者までに適するインジエク
シヨンスキー板の提供が容易になり有益である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来のスキー板を示す斜視図。第２
図は、同スキー板を示す要部断面斜視図。第３図
は、屋根形の突出部を有するスキー板を示す斜視
図。第４図より第７図は、同スキー板の製造方法
及びスキー板を示す要部断面斜視図。第８図は、
本発明に係わるインジエクシヨンスキー板の製造
工程の一部を示す要部断面斜視図。第９図、第１
２図、第１３図、第１４図は、同インジエクシヨ
ンスキー板の実施数例を示す要部断面斜視図。第
１０図は、同屋根形の突出部を有すずインジエク
シヨンスキー板を示す斜視図。第１１図は、同ア
ーチ形突出部を有するインジエクシヨンスキー板
を示す斜視図である。２１……下金型、２５……下面構成部材、２８
……上面構成部材、２９……凹部、３０……上金
型、３１……中空部、３２……突出部、３３……
スキー本体、３４……中芯体、３５……サイド部
材。

Claims

【特許請求の範囲】

１スキー板成形用の下型内に、滑走面材、スチ
ールエツジ、補強部材等よりなる下面構成部材を
配置し、次に上面材や補強部材等よりなる上面構
成部材を配置した後、スキー板の締め具取付領域
を除く前半部と後半部、あるいは前半部、後半部
のどちらか一方の上面を独立して突出させるため
に、任意形状の凹部を形成した上金型を配置し、
下面構成部材と上面構成部材との間に形成する中
空部に発泡合成樹脂を射出注入して発泡硬化させ
ることにより生ずる発泡圧力で、上面構成部材を
変形させて上金型の屋根形の突出部成形用の凹部
に合致せしめてスキー板の上面に突出した屋根形
の突出部をスキー板の成形と同時に一体成形し、
該突出部以外の上面は平面にしたことを特徴とす
るインジエクシヨンスキー板の製造方法。